第2 【事業の状況】

 本文における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

≪これまでの中期経営計画≫

当社グループは、2017年4月よりスタートした中期経営計画「New Age's, Flag Bearer 5~新時代の旗手~」の最終年度にあたり、より一層、取引基盤を拡充するための重点グループ戦略として、東海東京証券株式会社(以下、「東海東京証券」)の収益力を強化するとともに、4つの未来戦略として「オルクドール・ソサエティ、オルクドール・エコシステム」、「地銀サポートプログラム」、「東海東京デジタルワールド」及び「グレート・プラットフォーム」を構築し、個人・法人のお客様から寄せられるニーズの多様化や高度化にお応えできる、先進的な「総合金融グループ」への進化を加速してまいりました。

同計画最終年度にあたる当連結会計年度において、自己資本利益率(ROE)が10%のKGI目標に対し7.8%、経常利益が300億円の目標に対し129億円、グループ預かり資産が10兆円の目標に対し8.2兆円となりました。

この5年間の中期経営計画(「New Age's, Flag Bearer 5~新時代の旗手~」)による主な成果と課題は以下のとおりであります。

項目

成果

課題

さらなる経営基盤の強化と成長

(東海東京証券)

リテール顧客セグメント別戦略の独自性の追求

 

・セグメント(富裕層・成熟層・資産形成層)別営業体制の構築

・リテールABCD戦略の推進

・AIデータベースマーケティングの高度化

・ストック収入の拡大

・ソリューション営業力の強化

(東海東京証券)

法人トライラテラルとグローバルマーケットでの業務拡大

 

 

・商品組成力・供給力の強化

・マーケット・法人、投資銀行、ウェルス部門の連携

・M&A・事業承継機能の獲得・提供

 

・マーケット・法人部門/月間営業収益30億円体制の定着

~2022年3月単月にて達成

・商品ラインナップの拡充

・法人顧客層の広がりと提案力の強化

「グレート・プラットフォーム」モデルへと進化し、サービスを強化

 

・保険代理店ビジネスの収益化

・金融商品仲介ビジネスの強化

・独自のビジネスモデルの更なる進化

生産性革命と人財の育成

 

・営業店総務課の集約

・「広域拠点-サテライト店舗」体制の構築(店舗効率化)

・テレワークインフラの整備

・RPA/BPRによる業務時間の削減

・営業店舗戦略の推進

・グループ機能活用による外部流出コストの抑止

・エース証券統合によるコストシナジー発揮

組織管理と防衛ラインの充実

 

・FD推進の浸透

・3線防衛体制の確立

・総合的なグループリスク管理の強化(予防的管理を重視)

「人間性」と「専門性」

 

・ジョブ型人事制度の導入

・多様な研修制度のラインナップ

・新人事制度、ダイバーシティ推進の更なる高度化

 

 

 

項目

成果

課題

戦略テーマの追求

6つの戦略テーマの追求

(同業他社M&A、資産運用機能、多様な年金・保険機能、銀行機能、海外戦略、大都市圏)

 

・同業M&A(髙木証券との合併、エース証券の完全子会社化)

・保険(ETERNAL、メビウス)機能のグループ化

・首都圏でのサービス機能・顧客基盤の拡充(「オルクドール・サロンTOKYO」オープン、他)

・銀行機能の獲得

・資産運用機能の強化

未来戦略

(新しいビジネスモデルの創生)

4つの未来戦略

・オルクドール・ソサエティ

・地銀サポートプログラム

・TTデジタルワールド

・グレート・プラットフォーム

 

・オルクドールのコミュニティ強化・拡大

・提携合弁証券2社立ち上げ(とちぎんTT証券、十六TT証券)、金融商品仲介開始(フィデアHD)

・地銀との連携強化によるネットワーク拡大

・デジタル領域への積極投資により新たな金融サービス展開、DX銘柄2021に選定

・おかねのコンパス(資産管理アプリ)リリース

・シンガポール上場セキュリティトークンの発行支援(国内第1号)、国内投資家へ販売

・スマホ専業証券「CHEER証券」開業。~米国株にワンコイン(500円)から投資可能な国内初のサービスを導入

・事業会社ネットワークの構築に向けた体制整備

・オルクドールメンバーに対する更なるサービスの拡充

・地銀ビジネスによる収益拡大

・多様なデジタル技術を活用した収益機会創出

・事業会社ネットワークを活かした独自のビジネスモデルの構築

 

 

≪新中期経営計画≫

当社グループでは、これらの課題を乗り越え、また、更なる飛躍に向け、新たな5ヵ年の中期経営計画として、「“Beyond Our Limits” ~異次元への挑戦」を策定し、2022年4月よりスタートしております。新中期経営計画では、独自のビジネスモデルを一層磨き、拡大を図ることにより、厳しい環境にも負けず大きな発展を遂げていくことで、「誇り」と「憧れ」を感じる企業グループとなることを目指します。仲間とともに自らの限界や壁を超えた(“Beyond Our Limits”)総合金融グループとなるために(1)「“Social Value & Justice” comes first」を新中期経営計画における行動指針として、(2)「異次元の世界」を創生するための革新的な戦略を推進してまいります。

 

 


(1)「“Social Value & Justice” comes first」

「“Social Value & Justice” comes first」は、当社グループの「社会的価値の追求・社会的正義の遂行なくして企業の存在価値なし」との信念に基づき、“Social Value & Justice”を全ての行動、ビジネス、サービスの選択基準、前提条件に据えるものです。

(2)「異次元の世界」

当社グループにとっての「異次元の世界」とは、自らの現時点における限界や壁である“Our Limits”を乗り越えた先にある地点です。「異次元の世界」へ向かうために、当社グループがこれまで培ってきた金融力を“Next Stage”へ引き上げ、新たなビジネス機会である“New Bonanza”へ挑み、さらに強力なアライアンスパートナーである“Powerful Partners”と協力関係を築くことで、限界を突破します。それぞれが相互に連携することで、当社グループは異次元の成長を遂げ、価値を最大化する独自のビジネスモデルを構築することを企図しております。

 

≪グループ組織の強化≫

新たな中期経営計画の初年度にあたり、掲げられた「当社グループが目指す姿」に向けた「戦略の基本方針」を革新的かつ大胆に遂行していくべく、2022年4月1日付で組織改革を実施しております(詳細は2022年3月25日プレスリリース内容をご参照ください)。

 

 

≪サステナビリティの取組み≫

当社グループの存在意義として、新中期経営計画にて新たに定義・標榜する「Social Value(社会的価値)」及び「Social Justice(社会的正義)」観に基づいたグループ施策として、サステナビリティの取組みを今後、より一層積極化し、社会課題の解決に貢献してまいります。2021年4月以降における当社グループの主な活動実績は以下のとおりであります。

(健康):北京五輪アスリート採用、「健康経営優良法人2022」及び「スポーツエールカンパニー2022」認定、「東京都スポーツ推進モデル企業」初選定

(地方創生・地域貢献):「株式会社日本共創プラットフォーム」への出資を決定、「FUJITA学援ローン」の提供開始、「ジブリパーク」のオフィシャルパートナーに決定

(環境):JICAジェンダーボンド(ソーシャルボンド)引受け、「東京グリーンボンド」引受け、「東京ソーシャルボンド」引受け、関西電力グリーンボンド引受け、当社本社入居ビル及び東海東京証券本社入居ビルへ再生可能エネルギー導入

(ESG):「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言へ賛同、同提言を踏まえた初回情報開示、FTSE Russell(※)が新たに開発したESG指数「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」構成銘柄 に選定

※ FTSE Russellはロンドン証券取引所グループ(LSEG)の完全子会社として情報サービス部門を担うグローバルインデックスプロバイダーです。

 

当社グループは、国際連合が提唱する「SDGs」の趣旨に賛同し、上記のような様々な取組みを実施しております。今後も当社の経営理念である『金融機能の担い手として、お客様の資産形成や資本の充実に貢献する』事業活動を通じて常にイノベーティブであるとともに、地域・人・地球環境を大切にし、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、現時点では確認できていないリスクや現在は重要でないと考えられるリスクも当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える可能性があります。また、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済情勢及び市場変動に伴うリスクについて

当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、株価、金利及び為替市況等の変動並びに景気後退などの国内外の経済情勢の影響を受けやすく、投資需要の減少等による手数料収入の減少やトレーディング損益の変動等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、お客様の多様なニーズに応えるために大量の有価証券を保有しておりますが、市場の混乱等による急激な市況変動や金利変動等により金融資産の価値が変動した場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされる場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 法的規制に伴うリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、その業務の種類に応じて法令・諸規則の規制を受けております。国内の金融商品取引業者は、金融商品取引法及び関連する政省令等により登録規制、顧客勧誘規制、顧客取引規制及び自己売買規制その他の金融商品取引業者としての行為について規制されており、万が一、抵触した場合には業務停止等の行政処分を受ける可能性があります。

また、東海東京証券株式会社を含む第一種金融商品取引業者は、これらの法令により所定の自己資本規制比率を維持することが求められており、万が一、定められた自己資本規制比率を下回った場合には業務停止等を命じられる可能性により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 競争状況に伴うリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、近年の大幅な規制の緩和等により、競争が激化する一方で、取扱商品の多様化が進んできております。このような状況のなかで、将来、より強力な競合先の出現等で従来と変わらぬ競争力を維持できない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 取引先又は発行体の信用力悪化に伴うリスクについて

当社グループは、自己の計算において金融資産を保有しているほか、取引先との提携・友好関係の維持・構築を目的とした株式等の保有やお客様の多様なニーズに応えるために大量の有価証券を保有しておりますが、取引先が決済を含む債務不履行に陥った場合、また、保有する有価証券の発行体が信用状況を著しく悪化させた場合には、元本の毀損による損失や利払いの遅延等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 資金調達環境の悪化に伴うリスクについて

当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、大量の有価証券を保有するために多額の資金を必要とすることから、適切な流動性を確保し、財務の安全性を維持することが必要となります。しかしながら、市場環境の激変、クレジット・クランチ、銀行の貸出余力の低下、格付会社による当社及び東海東京証券株式会社の信用格付の低下、当社グループの業績に対する不透明感等が生じた場合は、必要資金の確保に際し、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされること等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) システムリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業にはコンピュータシステムは必要不可欠の設備であるため、業務上使用するコンピュータシステムや回線において、プログラム障害、外部からの不正アクセス、災害や停電等が原因となる障害が発生した場合、その規模によっては当社グループの業務に支障が生じるだけでなく、社会的信用の低下による取引の減少等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) オペレーショナルリスクについて

当社グループは、多様な業務を行うことに伴い、日々膨大な事務処理が発生しており、役職員が正確な事務処理を怠ること、及び事務管理上又は事務処理上のミス、事故又は不正等による損失の発生により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、法令違反があった場合は、監督官庁から業務停止等の行政処分を課される可能性もあり、社会的信用が低下するなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8) 情報セキュリティーに係るリスクについて

当社グループは、多くのお客様等の個人情報、取引先等の重要な営業情報及び当社グループ自身の重要情報を保有しており、不正な手段や過失等によりお客様等の個人情報及び当社グループの営業情報等が流出した場合は、当社グループの業務に支障が生じるだけでなく、損害賠償の請求や社会的信用の低下により取引が減少するなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(9) 災害等に関するリスクについて

当社グループの主たる子会社である東海東京証券株式会社の営業店舗網及び営業基盤は、東海地区及び関東地区を主力としており、これら地区の市民生活やインフラに重大な影響を及ぼす災害等が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の各地の活動拠点には多くの役職員が業務に従事しており、地震・台風等の大規模な自然災害の発生、これらの事象に伴う停電その他の障害の発生、又は病原性感染症の感染拡大等の場合は、当社グループの事業の縮小を余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 訴訟に関するリスクについて

当社グループでは、国内外で日々様々な取引が成立しており、法令、商慣習、契約及び約款等に基づく相互の認識の違い等が生じた場合、取引先との間に損害賠償請求訴訟等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 人材確保に係るリスクについて

当社グループは、金融商品取引業を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っており、有能な人材の確保に努めております。しかしながら、優秀な人材確保への競争は激しく、必要な人材の確保が困難な場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(12) 海外事業に関するリスクについて

当社グループは、現地子会社の設置、海外の有力証券会社グループ等との提携等積極的に海外展開を図っております。展開にあたっては、弁護士等現地の専門家の助言を受けて進めておりますが、現地の法令、商慣習等に抵触した場合には、事業展開の中止、中断、縮小若しくは遅延又は社会的信用の低下等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(13) 風評に関するリスクについて

当社グループは、お客様、取引先からの信用に大きく依存しております。そのため、憶測や必ずしも正確な事実に基づいていない風説・風評の流布に晒された場合は、その内容が正確でないにもかかわらず、当社グループの社会的信用が低下する風評被害の発生により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(14) リスク管理方針や態勢に関するリスクについて

当社グループは、リスクカテゴリーごとに責任部署を定め、当社及び子会社全体のリスクを統合的に管理しておりますが、想定外の市場の変動、リスク管理用データの過誤・陳腐化、事業内容の変貌又は法令の改正等により、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない可能性があり、それにより損失・損害等が生じる場合は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(15) 事業の拡大に伴うリスクについて

当社グループは、グループ顧客基盤拡大を図る観点から買収や資本提携により業容の拡大を図ってまいりました。買収や資本提携を成功に導くには、事業の効率的な統合等が必要となります。買収・資本提携した事業が、当社の予想通りの収益を計上できない可能性もあります。当社グループが当初期待した成果が得られない場合、又は、想定しなかった重大な問題点が買収や資本提携後に発見された場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(16) 新型コロナウイルス感染症リスクについて

国内外の各地の活動拠点には多くの役職員が業務に従事しており、新型コロナウイルス感染症の拡大や感染拡大防止措置等に伴い、当社グループの窓口業務の一時休止を余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(17) 気候変動等に関するリスクについて

当社グループでは、近年の世界各地における異常気象や自然災害による被害の甚大化を踏まえ、気候変動が当社に与える影響をより的確に捉えTCFD提言を踏まえた情報開示を強化するとともに脱炭素社会実現に貢献する取組を進めてまいります。気候変動リスクとは、資産に対する直接的な損傷やサプライチェーンの寸断から生じる間接的な影響等、気候変動に起因したリスク(物理的リスク)と、脱炭素社会への移行に向けた、気候変動問題に取り組むための広範囲に及ぶ政策や規制等の変化による財務上及び評判上のリスク(移行リスク)が挙げられ、これらのリスクが発生した場合はその性質・速度等に応じて、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(経営成績等の状況の概要)

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況は、以下のとおりであります。

 

(1) 財政状態

(資産)

当連結会計年度末の総資産は1,646億61百万円増加(前連結会計年度末比、以下(1)において同じ。)し1兆5,812億31百万円となりました。このうち流動資産は1,630億31百万円増加し1兆5,057億7百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が167億70百万円増加し1,003億60百万円となり、有価証券担保貸付金が1,437億54百万円増加し5,515億83百万円となりました。また、固定資産は、ソフトウェアが33億47百万円増加し58億79百万円となったことなどから16億30百万円増加し755億23百万円となりました。

 

 

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は1,517億78百万円増加し1兆3,956億63百万円となりました。このうち流動負債は1,117億71百万円増加し1兆2,548億45百万円となりました。主な要因は、トレーディング商品が653億19百万円増加し4,446億13百万円となり、約定見返勘定が689億29百万円増加し781億70百万円となる一方、有価証券担保借入金が419億45百万円減少し3,267億25百万円となりました。また、固定負債は、社債が167億22百万円増加し285億85百万円となり、長期借入金が231億円増加し1,073億円となったことなどから、固定負債合計は399億38百万円増加し1,401億14百万円となりました。

 

(純資産)

当連結会計年度末の利益剰余金は71億89百万円増加し1,145億80百万円となり、純資産合計は128億83百万円増加し1,855億68百万円となりました。

 

(2) 経営成績

(受入手数料)

 

連結会計年度

区分

株券
(百万円)

債券
(百万円)

受益証券
(百万円)

その他
(百万円)

合計
(百万円)

前連結会計年度
自 2020年4月1日
至 2021年3月31日

委託手数料

13,531

36

368

13,936

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

749

327

1,076

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

4

5

6,450

6,461

その他の受入手数料

133

12

3,647

5,906

9,700

合計

14,419

381

10,467

5,906

31,173

当連結会計年度
自 2021年4月1日
至 2022年3月31日

委託手数料

13,266

16

642

3

13,929

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

722

610

1,333

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

5

3

9,931

9,939

その他の受入手数料

244

16

5,851

6,260

12,372

合計

14,239

646

16,425

6,264

37,575

 

 

当連結会計年度の受入手数料の合計は20.5%増加(前連結会計年度増減率、以下(2)において同じ。)し375億75百万円を計上いたしました。

① 委託手数料

当社の主要子会社である東海東京証券株式会社の株式委託売買高は23.6%減少し26億41百万株、株式委託売買金額は12.6%減少し5兆3,508億円となり、当社グループの株式委託手数料は2.0%減少し132億66百万円の計上。委託手数料全体では横ばいの139億29百万円を計上いたしました。

② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

株式は3.5%減少し7億22百万円を計上いたしました。一方、債券は86.7%増加し6億10百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では23.9%増加し13億33百万円を計上いたしました。

③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

受益証券は、グループ会社の増加により54.0%増加し99億31百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では53.8%増加し99億39百万円を計上いたしました。

④ その他の受入手数料

投資信託の代行手数料は60.4%増加し58億51百万円、保険手数料収入は15.3%増加し36億93百万円の計上となり、その他の受入手数料全体では27.6%増加し123億72百万円を計上いたしました。

 

 

(トレーディング損益)

 

区分

前連結会計年度
自 2020年4月1日
至 2021年3月31日

当連結会計年度
自 2021年4月1日
至 2022年3月31日

株券等トレーディング損益         (百万円)

22,369

16,185

債券・為替等トレーディング損益   (百万円)

11,639

17,813

合計

34,008

33,998

 

 

当連結会計年度の株券等トレーディング損益は27.6%減少し161億85百万円の利益の計上となり、外貨建債券や仕組債の売買を中心とした債券・為替等トレーディング損益は53.1%増加し178億13百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は横ばいの339億98百万円の利益を計上いたしました。

 

(金融収支)

当連結会計年度の金融収益は124.9%増加し94億1百万円を計上いたしました。また、金融費用は17.4%増加し27億26百万円を計上し、差引の金融収支は259.2%増加し66億75百万円の利益を計上いたしました。

 

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の取引関係費はIFA仲介手数料の増加やグループ会社の増加などから28.6%増加し131億27百万円となりました。また、グループ会社の増加などにより、人件費は17.5%増加し323億20百万円、不動産関係費は13.8%増加し77億32百万円、事務費は28.0%増加し86億45百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費の合計は19.2%増加し683億68百万円を計上いたしました。

 

(営業外損益)

当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益11億79百万円、受取配当金6億72百万円などを計上し、営業外収益の合計は3.3%増加し33億41百万円となりました。また、営業外費用は、投資事業組合運用損が2億4百万円などを計上し、営業外費用の合計は34.3%減少し2億43百万円となりました。

 

(特別損益)

当連結会計年度の主な特別利益は、エース証券の完全子会社化に伴い特別利益として負ののれん発生益82億68百万円を計上し、特別損失として段階取得に係る差損24億73百万円を計上いたしました。

 

以上の結果、当連結会計年度の営業収益は16.7%増加し809億75百万円、純営業収益は16.7%増加し782億49百万円となり、営業利益は2.0%増加し98億81百万円、経常利益は3.4%増加し129億79百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は44.6%増加し131億50百万円を計上いたしました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは56億72百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益が178億28百万円の黒字となり、トレーディング商品(資産)が607億61百万円減少し、トレーディング商品(負債)が653億19百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、信用取引資産が247億14百万円増加し、有価証券担保貸付金が1,437億54百万円増加し、有価証券担保借入金が419億45百万円減少し、それぞれ支出となったことなどによります。

投資活動によるキャッシュ・フローは230億11百万円の支出となりました。これは、短期貸付けによる支出276億96百万円、有形固定資産の取得による支出10億62百万円、無形固定資産の取得による支出31億20百万円、投資有価証券の取得による支出31億41百万円、投資有価証券の売却による収入29億83百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入45億39百万円、などによるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは323億55百万円の収入となりました。これは短期借入金の純増減額が△59億72百万円、長期借入れによる収入261億円、配当金の支払による支出59億61百万円などによるものです。

以上の結果、現金及び現金同等物は164億91百万円増加し、当連結会計年度末の残高は984億42百万円となりました。

 

(4) トレーディング業務の概要

① トレーディング商品

トレーディング商品の残高は次のとおりです。

 

区分

前連結会計年度
(2021年3月31日)

当連結会計年度
(2022年3月31日)

資産の部の
トレーディ
ング商品

商品有価証券等

(百万円)

583,391

518,527

 株券

(百万円)

17,236

15,952

 債券

(百万円)

511,661

450,100

 受益証券

(百万円)

54,493

52,474

デリバティブ取引

(百万円)

4,706

10,913

合計

(百万円)

588,098

529,440

負債の部の
トレーディ
ング商品

商品有価証券等

(百万円)

370,371

431,959

 株券

(百万円)

10,471

50,636

 債券

(百万円)

359,865

381,311

 受益証券

(百万円)

35

12

デリバティブ取引

(百万円)

8,921

12,653

合計

(百万円)

379,293

444,613

 

 

② トレーディング業務のリスク管理

トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)のわが国経済は、新型コロナ感染が拡大と収束を繰り返す中、経済活動抑制策が維持されたことを受けて個人消費の停滞が続きました。また供給サイドでは、部品・部材不足から自動車業界を中心に生産縮小の動きが拡大しました。その結果、日本経済は四半期毎にプラス成長とマイナス成長を交互に継続するなど、景気正常化の遅れが顕著となりました。足元では、資源や一部商品の価格上昇や円安等による物価高の影響が不安視されています。

一方、海外経済は、「ウィズ・コロナ」の政策の下で一定以上の経済活動を維持、回復基調を継続しました。足元では欧米の主要国において、インフレ上昇が大きな問題となっており、これに対抗するために各国中銀が金融引き締めを積極化させつつある点は、今後の不安材料として注視していく必要があります。

 

日本株市場では、4月に29,400円台で始まった日経平均が新型コロナ感染拡大等を受け夏場にかけて弱含み、8月には一時27,000円を割り込みました。しかし、9月初めの菅首相(当時)の退陣表明を機に急反発し、同月中旬には一旦30,000円台を回復しました。ところが自民党総裁選での岸田新総裁の誕生を機に成長・改革への期待感が後退、日経平均はその後年末にかけて28,000円台を中心とするボックス相場を継続しました。年明け以降は、米金利上昇やウクライナ情勢の悪化等を受けて下落基調が継続、3月初旬には一時25,000円を下回りました。その後は反発したものの、最終的に27,800円台で期末を迎えています。なお、4~3月の東証1部の1日当たり平均売買代金は3兆1,687億円となり、前年同期の2兆8,090億円を上回りました。

 

 

米株市場では、4月に33,000ドル近辺で始まったダウ平均が、景気正常化を背景に概ね上昇基調を継続しました。9月にやや大きな調整はあったものの、10月には好決算を材料に再度上値を追う展開となり、11月初旬には過去最高値となる36,500ドル台を付けました。その後、同月終盤の新型コロナ変異種(オミクロン株)検出の報道を受け、ダウ平均は一時34,000ドル近辺まで下げたものの、景気正常化シナリオが崩れない中、年末にかけて反発、年明け4日には最高値を36,799.65ドル(終値ベース)まで伸ばしました。その後はFRB(米連邦準備制度理事会)のタカ派化や、ウクライナ情勢の悪化などを背景に一時32,200ドル台まで下落しましたが、悪材料織り込み後は反発に転じ、最終的に34,600ドル台で3月末を迎えました。

日本の長期金利の指標である10年物国債利回りは4月に0.12%で始まった後、国内景気の先行き懸念から8月には期中最低金利となるゼロ%をつけました。その後は年末にかけて概ねゼロ%から0.10%の間で推移しました。年明けからは米金利上昇につれ高くなり、3月28日に0.25%まで急伸しましたが、日銀の「指し値オペ」により0.21%で3月の取引を終えました。

一方、米長期金利(10年物国債利回り)は4月に1.74%で始まった後、市場予想を下回る米経済指標や世界的な新型コロナ(デルタ株)拡大などから米国債需要が高まり、8月には期中最低金利となる1.13%をつけました。その後は、FRBの金融政策の正常化観測を背景に上昇を続け、3月28日に期中最高金利となる2.55%をつけ、2.34%で3月の取引を終了しました。

為替市場では、ドル円が4月に1ドル110円台で始まった後、23日には期中最安値の107円台をつけました。9月半ばにかけて110円前後で推移した後、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で資産買入縮小が示されるとドル高が進行し、ドル円は115円台を回復しました。ウクライナ紛争による安全通貨としての円買いは限定的で、日米金利差拡大や日本の貿易赤字定着などを背景に3月28日には6年7ヵ月ぶりの高値となる125円台まで急伸し、121円台で3月の取引を終えました。

 

(2) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とするため、十分かつ安定的な流動性を確保しております。

主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っております。

なお、東海東京証券株式会社においては、有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しております。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理を実施しております。

 

(3) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 金融商品の評価

当社グループは、トレーディング商品に属する商品有価証券等及びデリバティブ取引については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。商品有価証券等及びデリバティブ取引については、取引所等の市場価格により時価を算定しております。ただし、市場価格がない商品有価証券等及びデリバティブ取引については、主に金利、配当利回り、原証券価格、ボラティリティ、契約期間等を基に将来のキャッシュフローの現在価値を見積もることにより時価を算定しており、異なる前提条件等を採用した場合には当該時価が変動する可能性があります。

 

 

② 投資有価証券の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合等、実質価額が著しく下落し回復可能性がないと判断した場合に減損処理を行います。

将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

③ 固定資産の減損

収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響は、当事業年度末時点での将来キャッシュ・フローの見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。

④ 退職給付費用及び債務

従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。

⑤ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。評価性引当金の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当金が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響は、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。