当連結会計年度における世界経済は、中国をはじめとする新興国の経済成長鈍化、欧州諸国の一部での景気回復が遅れるなど一部弱さが見られましたが、米国景気は雇用や住宅、消費などを中心に緩やかな回復基調が続きました。
日本においては、円安や原油価格の下落等から企業収益は拡大し、設備投資の持ち直しや雇用情勢の改善が進みましたが、年明け後は円高が急速に進行したことにより、輸出企業を中心に業績に対する警戒感が台頭するなど不透明な情勢が続きました。
このような環境下、国内株式市場において日経平均株価は、期初19,129円75銭で始まり、円安の進行や企業業績の改善への期待から緩やかに上昇し、6月24日には年初来高値20,952円71銭を付け、1996年12月以来の高値水準を回復しました。しかし、8月中旬以降は、中国の景気減速懸念や米国の利上げを巡る思惑等から急落し、年明け後は原油安や円高などが嫌気され、日経平均株価は2月12日に安値14,865円77銭と一時15,000円を割り込み、上値の重い軟調な展開となり、期末の日経平均株価は16,758円67銭で取引を終了しました。
米国株式市場において、主要株価指数であるダウ工業株30種平均は、期初17,778.52米ドルで始まった後18,000米ドルを挟んでの推移が続き、5月19日には18,351.36米ドルの史上最高値を付けました。その後は、中国による人民元の対米ドル相場切り下げや新興国の景気悪化懸念、米FRBによる利上げなどがリスク回避姿勢につながり、大幅に調整する場面もありました。しかし、期末にかけては戻り基調が続き、ダウ工業株30種平均は期末17,685.09米ドルと、期初とほぼ同水準で取引を終えました。
当社が注力している中国・香港株式市場においては、主要株価指数であるハンセン指数は、期初24,955.20ポイントで始まった後、「滬港通(ここうつう)」を通じたチャイナマネーの流入期待が相場を押し上げ、4月27日には28,588.52ポイントの高値を付けました。しかし、中国人民銀行による人民元レートの切り下げ実施や中国景気減速への警戒感、中国市場のサーキットブレーカー制度の発動による混乱、原油価格安等から総じて軟調な展開となり、2月12日には18,278.80ポイントまで下落しました。その後は、中国人民銀行による預金準備率の引き下げや原油価格の安定により持ち直し、3月末のハンセン指数は20,776.70ポイントで取引を終了しました。
業績概況は以下のとおりであります。
(1)業績の概況
当連結会計年度における当社グループの業績は、第1四半期において中国株取引が活況であったことや外国債券取引に伴う為替手数料、子会社における営業投資有価証券売却益等により収益が増加した一方で、マーケット環境の悪化による投信募集手数料や株式委託手数料、米国株取引手数料の減少もあり、当連結会計年度の当社グループの営業収益は135億42百万円(前連結会計年度比89.4%)、経常利益は18億29百万円(前連結会計年度比52.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億83百万円(前連結会計年度比53.9%)になりました。
① 受入手数料
|
期別 |
区分 |
株券 (百万円) |
債券 (百万円) |
受益証券 (百万円) |
その他 (百万円) |
計 (百万円) |
|
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
委託手数料 |
4,997 |
0 |
217 |
- |
5,216 |
|
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 |
83 |
12 |
- |
- |
95 |
|
|
募集・売出し・特定投資家向け 売付け勧誘等の取扱手数料 |
0 |
18 |
4,452 |
- |
4,471 |
|
|
その他の受入手数料 |
111 |
4 |
1,487 |
186 |
1,789 |
|
|
計 |
5,192 |
36 |
6,158 |
186 |
11,573 |
|
|
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
委託手数料 |
4,631 |
1 |
305 |
- |
4,937 |
|
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 |
136 |
7 |
- |
- |
144 |
|
|
募集・売出し・特定投資家向け 売付け勧誘等の取扱手数料 |
0 |
15 |
3,387 |
- |
3,403 |
|
|
その他の受入手数料 |
95 |
2 |
1,549 |
151 |
1,799 |
|
|
計 |
4,864 |
27 |
5,242 |
151 |
10,285 |
受入手数料の合計は102億85百万円(前連結会計年度比88.8%)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。
(委託手数料)
当連結会計年度の東証一・二部の1日平均売買代金は2兆9,148億円(前連結会計年度比119.4%)になりました。当社の国内株式委託売買代金は1兆4,919億円(前連結会計年度比93.9%)、外国株式委託売買代金は715億円(前連結会計年度比114.1%)になりました。その結果、当社グループの株式委託手数料は46億31百万円(前連結会計年度比92.6%)になりました。
(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は株式の引受高等の増加により1億44百万円(前連結会計年度比150.7%)になりました。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は株式投資信託の募集金額が1,241億円(前連結会計年度比69.5%)に減少したため34億3百万円(前連結会計年度比76.1%)になりました。
(その他の受入手数料)
証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が2,289億円(前連結会計年度比102.2%)に増加したため17億99百万円(前連結会計年度比100.5%)になりました。
② トレーディング損益
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||||
|
実現損益 (百万円) |
評価損益 (百万円) |
計 (百万円) |
実現損益 (百万円) |
評価損益 (百万円) |
計 (百万円) |
|
|
株券等 |
1,627 |
0 |
1,627 |
1,011 |
△0 |
1,011 |
|
債券等 |
558 |
△61 |
497 |
180 |
21 |
201 |
|
その他 |
899 |
10 |
910 |
1,319 |
△7 |
1,311 |
|
計 |
3,085 |
△50 |
3,035 |
2,511 |
13 |
2,524 |
トレーディング損益は株券等が10億11百万円(前連結会計年度比62.1%)、債券等が2億1百万円(前連結会計年度比40.5%)、その他が13億11百万円(前連結会計年度比144.1%)で合計25億24百万円(前連結会計年度比83.1%)になりました。
③ 金融収支
金融収益は信用取引収益の減少等により3億84百万円(前連結会計年度比87.0%)になりました。また、金融費用は信用取引費用の減少等により1億74百万円(前連結会計年度比84.8%)になりました。この結果、差引金融収支は2億9百万円(前連結会計年度比88.9%)になりました。
④ その他の営業収益
子会社における営業投資有価証券売却益等により3億48百万円(前連結会計年度比368.7%)になりました。
⑤ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、取引関係費が20億40百万円(前連結会計年度比119.7%)、人件費が59億37百万円(前連結会計年度比94.0%)、不動産関係費が15億95百万円(前連結会計年度比99.7%)、事務費が15億76百万円(前連結会計年度比105.8%)、減価償却費が7億56百万円(前連結会計年度比119.0%)等により合計で122億47百万円(前連結会計年度比101.5%)になりました。
⑥ 営業外損益
営業外収益は7億46百万円(前連結会計年度比115.3%)、営業外費用は37百万円(前連結会計年度比98.9%)で差引損益は7億8百万円(前連結会計年度比116.3%)になりました。
⑦ 特別損益
特別利益は投資有価証券売却益等により1億30百万円(前連結会計年度比12.3%)、特別損失は減損損失等により71百万円(前連結会計年度比64.1%)で差引損益は59百万円(前連結会計年度比6.2%)になりました。
なお、第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は216億41百万円と前連結会計年度に比べ16億38百万円の減少になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは69億43百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ94億28百万円の増加になりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の減少前連結会計年度比25億44百万円、トレーディング商品の増減額の減少前連結会計年度比17億82百万円、信用取引資産の増減額の増加前連結会計年度比57億42百万円、信用取引負債の増減額の増加前連結会計年度比51億21百万円、顧客分別金信託の増減額の増加前連結会計年度比20億24百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは13億1百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ17億8百万円の減少になりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出の減少前連結会計年度比12億円、投資有価証券の売却による収入の減少前連結会計年度比9億65百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは68億33百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ101億66百万円の減少になりました。主な要因は、短期借入金の純増減額の減少前連結会計年度比100億円によるものであります。
(3)トレーディング業務の概要
① トレーディング商品
トレーディング商品の残高は以下のとおりであります。
|
区分 |
前連結会計年度 (平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (平成28年3月31日) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
|
|
資産の部のトレーディング商品 |
1,829 |
2,362 |
|
商品有価証券等 |
1,817 |
2,357 |
|
株券 |
0 |
9 |
|
債券 |
1,817 |
2,347 |
|
受益証券 |
0 |
0 |
|
デリバティブ取引 |
12 |
4 |
|
為替予約取引 |
12 |
4 |
② トレーディングのリスク管理
当社はトレーディング業務における市場リスクを内閣府令で定める市場リスク相当額により計測しております。市場リスク相当額は、保有する有価証券等について標準的方式により算出し、一定のリスク許容限度額内に収まるように日々管理しております。
当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の状況等については、「1 業績等の概要」欄に含めて記載しております。
当社グループは、平成24年4月より中期経営計画(5か年計画)「Revolution-Next100th」をスタートし、「信頼」、「付加価値」、「得意分野」の経営理念のもと、支店のあるそれぞれの地域において、世代を超えて資産運用パートナーとして選ばれる「スーパー・リージョナル(地域密着型)・リテール証券会社」を目指しております。
本中期経営計画の主要課題として、他社との差別化による競争優位の確立及び市況の変化に耐えうる収益構造への変革によるビジネスモデルの再構築を掲げております。
5か年計画の最終年度となる今期においては、特に当社のリテール営業力強化に注力してまいります。具体的には、主に以下の3つの重点課題を中心にそれぞれ施策を講じてまいります。
(重点課題と主要施策)
①収益モデル改革
…更なる預り資産の積上げと顧客基盤の拡大に向け、地域密着型営業の進展・少額投資非課税制度(NISA)をてことした新規開拓、募集商品の充実、中国株営業の拡充、インターネットチャネル改革 等
②コスト改革
…全部門での経費削減の継続、営業事務合理化・制度見直し等によるコスト削減
③人材育成改革
…お客さまのニーズにこたえるための業務知識・接客能力の向上を目指した教育制度の充実、次世代管理職層育成に向けた能力開発強化、新規採用枠の拡大 等
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす事項は、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の大幅な変動について
当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けます。このため、当社グループの財政状態及び経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。
(2)取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度について
当社グループの営業収益のうち最も高い比率を占める受入手数料は、その大半が顧客の不連続かつ不確定な金融商品取引によって発生するもので、安定的継続性が低くなっております。このため主に金融商品取引市況によって受入手数料収益が大きく変動する可能性があります。
(3)営業として行うトレーディング活動について
当社グループの中核である当社は、日常の営業活動として金融商品取引市場における自己勘定(トレーディング)取引を行っております。当該業務リスクについては専門部署を設置し、厳正なモニタリングを行っておりますが、これにより全てのリスクを排除できるものではありません。従って、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動により、当該業務が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制等について
当社グループの中核である当社は、事業に関連する法令・諸規則等の法的規制を受けております。社内には内部管理体制を堅持するための機構を設置し、関連法令・諸規則等の遵守を徹底しておりますが、将来的に当社業務に関する法令・諸規則や実務慣行、解釈等の変更が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自己資本規制比率について
当社グループの中核である当社は、「金融商品取引法」及び「金融商品取引業等に関する内閣府令」に基づき、自己資本規制比率による制限が設けられております。自己資本規制比率とは、資本金、資本剰余金その他内閣府令で定める自己資本の額から固定的な資産を差し引いた固定化されていない自己資本の額の、保有する有価証券の価格の変動その他の理由により発生し得るリスクに対応する額として内閣府令で定める額に対する比率であります。
当社の自己資本規制比率は平成28年3月末現在593.6%ですが、自己資本規制比率が120%を下回るときは、内閣総理大臣は金融商品取引業者に対し、その業務の方法の変更を命ずることができ、100%を下回るときは、3ヶ月以内の期間を定めて、業務の停止を命ずることができ、さらに、業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ、回復の見込みがないときは当該金融商品取引業者の登録を取り消すことができるとされております。
(6)民事訴訟等に関するリスクについて
お客さまに対する勧誘行為等、日々の営業活動において、取引先との商行為上で当社側に不法行為があった場合には、民法等に基づく損害賠償責任が発生する場合があります。当社はお客さま相談室を設置しクレーム等への対応を行っており、当連結会計年度末現在において、当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来において、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)システムに関するリスクについて
当社グループでは、金融商品取引に係るインターネット取引をはじめ、業務上様々なコンピュータシステムを使用しております。コンピュータシステムについては、時代とともに進化を遂げており、当社グループにおいても、費用対効果を考慮し、新たなシステム投資を行っております。そのため、当初の見込みに反し、投資コストに対する効果が思わしくなかった場合、あるいは、不具合、外部からの不正アクセス、その他システム障害を起こした場合、その規模によっては、当社グループ業務に重大な影響を及ぼし、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(8)情報セキュリティに係るリスクについて
当社は、当社グループに属する各会社を含めた情報管理に関する社内規程を整備しておりますが、将来的に不測の事態により顧客情報を含む社内重要情報が社外に不正流出した場合、信用を失墜し当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)重要な判断と見積りを伴う会計方針
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 貸倒引当金
当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在、貸倒引当金を1億94百万円計上しております。
② 有価証券の減損
当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築・維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を政策保有株式として保有しております。株式は流通価格の下落や発行会社の財政状態の悪化等により投資価値が下落することがあります。当社グループは、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、所定のルールに従い、有価証券の減損を計上しております。
なお、当連結会計年度は、保有株式の時価の下落により21百万円の減損を計上しております。
③ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収可能性が高いと認められる金額について計上しております。ただし、回収可能性の判断に変更が生じた場合には、計上した繰延税金資産の全部または一部について取崩しを行い法人税等調整額を計上することとなります。
なお、当連結会計年度末現在、繰延税金資産を3億11百万円計上しております。
④ 年金給付費用
当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。
確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額として純資産を加減算することとなります。
なお、当連結会計年度は数理計算上の差異の有利差異償却が勤務費用及び利息費用を上回っていることから、営業外収益を2億37百万円計上しております。また、当連結会計年度に新たに不利差異が2億50百万円発生したこと等により、当連結会計年度末現在、退職給付に係る資産を10億90百万円計上しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは、国内株の取引に加え、中国(香港)株の取引に注力しております。当連結会計年度の国内株式市場は、中国の景気減速や世界経済の先行き不安、原油安や円高などが嫌気され軟調に推移しました。また、中国(香港)株式市場では、中国人民銀行による人民元レートの切り下げ実施や中国景気減速への警戒感、中国市場のサーキットブレーカー制度の発動による混乱等から前連結会計年度に比べ株式取引が低調であったため、当社グループの委託手数料は49億37百万円と前連結会計年度に比べ2億78百万円減少しました。
また、当社グループは投信残高を純増することにより、信託報酬(代行手数料)を増加させ安定収益の確保を目指しております。当連結会計年度は、不動産投資信託、日本株式ファンド等の販売に注力しましたが、投資信託の販売手数料は33億87百万円と前連結会計年度に比べ10億65百万円減少しました。信託財産の純資産総額に基づく信託報酬(代行手数料)は、預り資産の平均残高が増加したため15億49百万円と前連結会計年度に比べ62百万円増加しました。
トレーディング損益は、米国株の仕切り販売が低調であったため25億24百万円となり、前連結会計年度に比べ5億10百万円減少しました。
販売費・一般管理費は、経費節減に努めたものの創業100周年に向けて広告宣伝費が増加したため、122億47百万円となり、前連結会計年度に比べ1億84百万円増加しました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、経常利益が18億29百万円となり、前連結会計年度に比べ16億55百万円減少しました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けます。このため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。
(4)資金の財源及び流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、信用取引資産の減少等により69億43百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが、有形及び無形固定資産の取得による支出等により13億1百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが、短期借入金の減少等により68億33百万円の支出となりました。
この結果、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ16億38百万円減少し216億41百万円となりましたが、十分に資金の財源及び流動性が確保されております。
また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行12行と当座貸越契約、取引銀行6行からなる協調融資団と貸出コミットメント契約をそれぞれ締結しており、連結子会社(東洋証券亜洲有限公司)は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。
(5)経営者の今後の方針について
当社グループは、「信頼」、「付加価値」、「得意分野」の経営理念のもと、コンプライアンス及びリスク管理をすべての施策の最重要課題の1つと位置付けつつ、中核事業である金融商品取引業を通じて、質の高い金融サービスを展開し、お客さまの満足度を高めるとともに、社会に貢献してまいります。
中期経営計画(5か年計画)「Revolution-Next100th」においては、平成28年12月の創業100周年という大きな節目を機に、あらためて当社グループの目指すべき将来像を明確にすべく、支店のあるそれぞれの地域において、世代を超えて資産運用パートナーとして選ばれる「スーパー・リージョナル(地域密着型)・リテール証券会社」を目指すことを打ち出しております。信頼される質の高い金融サービスを提供し、お客さま、株主、投資家を含め、すべてのステークホルダーから「選ばれる」証券会社としての地位を確立してまいります。
また、主要課題として他社との差別化による競争優位の確立及び市況の変化に耐えうる収益構造への変革によるビジネスモデルの再構築を掲げております。
5か年計画である本中期経営計画の最終年度となる今期においては、特に当社のリテール営業力強化に注力してまいります。資産運用パートナーとしてお客さまによりご満足いただけるようお客さま目線の営業により一層努めるとともに、お客さまのニーズにこたえる営業力を強化するための人材育成に注力してまいります。