第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 なお、第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。

 

(1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間における世界経済は、堅調な米国経済等を背景に、穏やかな回復傾向が続いたものの、中国や新興国の成長鈍化・原油価格の下落、一部地域での地政学的リスクの増加等から、経済の先行きに不透明感が増大しました。

 日本経済においては、円安や原油価格の下落等から企業収益は拡大し、設備投資の持ち直しや雇用・所得環境の改善が見られる等、全体的に回復基調で推移しました。

 このような環境下、国内株式市場において日経平均株価は、期初19,129円75銭で始まり、6月24日には20,952円71銭を付けるなど堅調に推移しました。8月中旬以降は、中国の景気減速や米国の利上げを巡る思惑等から急落する場面もありましたが、12月末の日経平均株価は19,033円71銭で取引を終了しました。

 米国株式市場において主要株価指数であるダウ工業株30種平均は、期初17,778.52米ドルで始まり、5月19日には18,351.36米ドルまで上昇しました。その後は中国の景気減速や米国の利上げを巡る思惑等から、年末にかけて株価は乱高下し、12月末のダウ工業株30種平均は17,425.03米ドルで取引を終了しました。

 当社が注力している中国・香港株式市場においては、主要株価指数であるハンセン指数は、期初24,955.20ポイントで始まった後、「滬港通(ここうつう)」を通じたチャイナマネーの流入期待が相場を押し上げ、4月27日には28,588.52ポイントの高値を付けた後、中国人民銀行による人民元レートの切り下げ実施や中国景気減速への警戒感から9月29日には20,368.12ポイントまで下落しました。その後は、中国当局による減税策や米国の利上げにより上昇し、12月末のハンセン指数は21,914.40ポイントで取引を終了しました。

 このような状況のもと、当社グループは第1四半期において中国株取引が活況であったことや外国債券取引に伴う為替手数料、子会社における営業投資有価証券売却益等により収益が増加した一方で、8月中旬以降のマーケット環境の悪化による投信募集手数料や米国株取引手数料の減少もあり、当第3四半期連結累計期間の当社グループの営業収益は111億95百万円(前年同四半期比100.5%)、経常利益は25億83百万円(前年同四半期比102.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億48百万円(前年同四半期比93.3%)になりました。

 なお、主な内訳は以下のとおりであります。

 

① 受入手数料

期別

区分

株券

(百万円)

債券

(百万円)

受益証券

(百万円)

その他

(百万円)

(百万円)

前第3四半期連結累計期間

(自 平成26年4月1日

至 平成26年12月31日)

委託手数料

3,771

0

131

3,903

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

74

11

85

募集・売出し・特定投資家向け

売付け勧誘等の取扱手数料

0

7

3,240

3,248

その他の受入手数料

81

4

1,097

133

1,318

3,927

24

4,469

133

8,555

当第3四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

至 平成27年12月31日)

委託手数料

3,790

0

224

4,015

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

106

5

112

募集・売出し・特定投資家向け

売付け勧誘等の取扱手数料

0

15

2,793

2,809

その他の受入手数料

71

1

1,198

116

1,388

3,968

23

4,216

116

8,325

 

 受入手数料の合計は83億25百万円(前年同四半期比97.3%)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。

 

(委託手数料)

 当第3四半期連結累計期間の東証一・二部の1日平均売買代金は2兆9,150億円(前年同四半期比125.5%)になりました。当社の国内株式委託売買代金は1兆1,792億円(前年同四半期比99.2%)、外国株式委託売買代金は649億円(前年同四半期比138.9%)になりました。その結果、当社グループの株式委託手数料は37億90百万円(前年同四半期比100.5%)になりました。

 

(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)

 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は株式の引受高等の増加により112百万円(前年同四半期比131.3%)になりました。

 

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

 主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、株式投資信託の募集金額が1,017億円(前年同四半期比76.0%)に減少したため、28億9百万円(前年同四半期比86.4%)になりました。

 

(その他の受入手数料)

 証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が2,346億円(前年同四半期比106.9%)に増加したため13億88百万円(前年同四半期比105.3%)になりました。

 

② トレーディング損益

区分

前第3四半期連結累計期間

(自 平成26年4月1日

至 平成26年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 平成27年4月1日

至 平成27年12月31日)

実現損益

(百万円)

評価損益

(百万円)

(百万円)

実現損益

(百万円)

評価損益

(百万円)

(百万円)

株券等

1,249

0

1,249

881

0

881

債券等

351

24

376

110

△3

106

その他

551

2

554

1,242

△11

1,231

2,153

26

2,179

2,234

△14

2,219

 

 トレーディング損益は株券等が8億81百万円(前年同四半期比70.5%)、債券等が1億6百万円(前年同四半期比28.3%)、その他が12億31百万円(前年同四半期比222.1%)で合計22億19百万円(前年同四半期比101.8%)になりました。

 

③ 金融収支

 金融収益は信用取引収益の減少等により3億2百万円(前年同四半期比90.1%)になりました。また、金融費用は信用取引費用の減少等により1億32百万円(前年同四半期比86.2%)になりました。この結果、差引金融収支は1億70百万円(前年同四半期比93.3%)になりました。

 

④ その他の営業収益

 子会社における営業投資有価証券売却益等により3億48百万円(前年同四半期比534.9%)になりました。

 

⑤ 販売費・一般管理費

 販売費・一般管理費は、取引関係費が13億76百万円(前年同四半期比109.7%)、人件費が46億19百万円(前年同四半期比98.3%)、不動産関係費が11億83百万円(前年同四半期比98.0%)、事務費が11億21百万円(前年同四半期比103.2%)、減価償却費が5億1百万円(前年同四半期比106.4%)等により合計で90億64百万円(前年同四半期比101.2%)になりました。

 

⑥ 営業外損益

 営業外収益は6億12百万円(前年同四半期比121.5%)、営業外費用は26百万円(前年同四半期比127.8%)で差引損益は5億85百万円(前年同四半期比121.2%)になりました。

 

⑦ 特別損益

 特別利益は投資有価証券売却益等により1億30百万円(前年同四半期比12.3%)、特別損失は減損損失により47百万円(前年同四半期比42.1%)で、差引損益は83百万円(前年同四半期比8.8%)になりました。

 

(2)財政状態の分析

① 資産

 資産合計は958億27百万円と前連結会計年度末に比べ20億37百万円の減少になりました。主な要因は、現金・預金が38億78百万円及び商品有価証券等が6億94百万円増加したものの、信用取引貸付金が28億13百万円、立替金が26億53百万円及び顧客分別金信託が16億72百万円減少したことによるものであります。

 

② 負債

 負債合計は523億93百万円と前連結会計年度末に比べ22億25百万円の減少になりました。主な要因は、その他の預り金が54億58百万円増加したものの、短期借入金が50億円、未払法人税等が10億20百万円、信用取引貸証券受入金が9億99百万円及び信用取引借入金が9億42百万円減少したことによるものであります。

 

③ 純資産

 純資産合計は434億33百万円と前連結会計年度末に比べ1億87百万円の増加になりました。主な要因は、利益剰余金が11億31百万円増加したものの、自己株式の取得等により8億9百万円減少したことによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の四半期末残高は275億99百万円と前年同四半期末に比べ30億19百万円の増加になりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは108億99百万円の収入となり、前年同四半期に比べ74億16百万円の増加になりました。主な要因は、トレーディング商品の増減額の減少前年同四半期比19億2百万円、顧客分別金信託の増減額の減少前年同四半期比11億36百万円、信用取引負債の増減額の増加前年同四半期比56億9百万円、信用取引資産の増減額の増加前年同四半期比20億18百万円、立替金及び預り金の増減額の増加前年同四半期比19億53百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは2億48百万円の収入となり、前年同四半期に比べ3億65百万円の減少になりました。主な要因は、投資有価証券の売却による収入の減少前年同四半期比9億65百万円、定期預金の預入及び払戻の純額の増加前年同四半期比4億95百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは68億31百万円の支出となり、前年同四半期に比べ51億67百万円の減少になりました。主な要因は、短期借入金の純増減額の減少前年同四半期比50億円によるものであります。

 

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(6)従業員数

 著しい増減はありません。

 

(7)生産、受注及び販売の実績

 当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の状況等については、「(1)業績の状況」に含めて記載しております。

 

(8)主要な設備

 著しい変動はありません。

 

(9)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

 当社グループの営業収益は、中核事業が金融商品取引業であることから国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けるため、不安定な状況にあります。そのため、現在、投資信託の販売に注力することにより預り資産残高を増やし、ストックからの安定的収益が確保できるよう収益構造の改革に取り組んでおります。

 また、当社グループの四半期連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、四半期連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

① 貸倒引当金

 当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。

 なお、当第3四半期連結会計期間末現在、貸倒引当金を1億95百万円計上しております。

 

② 有価証券の減損

 当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築、維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を政策保有株式として保有しております。株式は流通価格の下落や発行会社の財政状態の悪化等により投資価値が下落することがあります。当社グループは、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、所定のルールに従い、有価証券の減損を計上しております。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、有価証券の減損はありません。

 

③ 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収が確実であると認められる金額について計上しております。また、計上した繰延税金資産に係る課税所得の全部または一部について将来の減算効果が認められないと判断した場合には、繰延税金資産の取崩しを行い法人税等調整額を計上しております。

 なお、当第3四半期連結会計期間末現在、繰延税金資産を1億63百万円計上しております。

 

④ 年金給付費用

 当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。

 確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、予定昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額として純資産に加減算することとなります。

 その結果、当第3四半期連結累計期間は数理計算上の差異において有利差異が発生しており、当該有利差異の償却が勤務費用及び利息費用を上回っていることから、営業外収益を1億77百万円計上しております。

 なお、当第3四半期連結会計期間末現在、退職給付に係る資産を12億78百万円計上しております。

 

(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、預り金の増加等により108億99百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが、定期預金の払戻による収入等により2億48百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが、短期借入金の減少等により68億31百万円の支出となりました。

 この結果、当社グループの現金及び現金同等物の四半期末残高は前連結会計年度末に比べ43億19百万円増加したことで275億99百万円の残高となり、十分に流動性が確保されております。

 また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行12行と当座貸越契約、取引銀行6行からなる協調融資団と貸出コミットメント契約をそれぞれ締結しており、連結子会社(東洋証券亜洲有限公司)は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。

 

(11)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループは、「信頼」、「付加価値」、「得意分野」の経営理念のもと、コンプライアンス及びリスク管理をすべての施策の最重要課題の1つと位置付けつつ、中核事業である金融商品取引業を通じて、質の高い金融サービスを展開し、お客さまの満足度を高めるとともに、社会に貢献してまいります。

 当社グループは、平成24年4月より中期経営計画(5か年計画)「Revolution-Next100th」をスタートし、平成28年12月の創業100周年という大きな節目を機に、あらためて当社グループの目指すべき将来像を明確にすべく、支店のあるそれぞれの地域において、世代を超えて資産運用パートナーとして選ばれる「スーパー・リージョナル(地域密着型)・リテール証券会社」を目指すことを打ち出しております。

 信頼される質の高い金融サービスを提供し、お客さま、株主、投資家を含め、すべてのステークホルダーから「選ばれる」証券会社としての地位を確立してまいります。

 また、当社グループは、中期経営計画「Revolution-Next100th」において、他社との差別化による競争優位の確立及び市況の変化に耐えうる収益構造への変革により、ビジネスモデルの再構築を主要課題としております。

 5か年計画である本中期経営計画の後期となる今期から残り2年間においては、特に当社のリテール営業力強化に注力してまいります。資産運用パートナーとしてお客さまによりご満足いただけるようお客さま目線の営業により一層努めるとともに、お客さまのニーズにこたえる営業力を強化するための人材育成に注力してまいります