当連結会計年度における世界経済は、年前半に中国経済の失速懸念や英国のEU離脱決定による金融市場の混乱を背景に減速しましたが、年後半は主要中央銀行の迅速な対応や、米国経済の持ち直し等によって緩やかな改善が見られました。米国大統領選挙では共和党のトランプ氏が当選し、保護主義的な貿易政策にリスクはあるものの、金融規制緩和やインフラ投資等景気対策の実現に期待がかかっています。
日本経済においては、一部の新興国経済の減速から輸出・生産面に鈍さが見られるものの、雇用・所得環境等の改善や高水準の企業収益により緩やかな回復を続けています。
このような環境下、国内株式市場において日経平均株価は、期初16,719円56銭で始まりましたが、英国のEU離脱決定により為替が円高基調を強めたことで軟調に推移しました。その後はトランプ大統領が掲げる政策への期待から投資家心理が大きく改善し、日経平均株価は3月13日に19,633円75銭を付けました。期末にかけては米国の政策期待の後退等から調整場面となり、3月末の日経平均株価は18,909円26銭で取引を終了しました。
米国株式市場においては、主要株価指数であるダウ工業株30種平均は期初17,661.74米ドルで始まりました。英国のEU離脱決定を受けて一時的に調整する場面もありましたが、大統領選挙でトランプ候補が勝利すると政策への期待から上昇トレンドとなり、3月1日にダウ工業株30種平均は21,115.55米ドルの過去最高値を付けました。その後は方向感を失う展開となり、3月末のダウ工業株30種平均は20,663.22米ドルで取引を終了しました。
当社が注力している中国・香港株式市場においては、主要株価指数であるハンセン指数は、期初20,786.18ポイントで始まった後、世界経済の先行き不透明感から軟調に推移したものの、深港通(深センと香港の株式取引の相互乗り入れ)開始への期待等から持ち直し、10月上旬まで堅調な展開となりました。その後米国の利上げ観測の高まりや人民元安の進行、中国の不動産規制強化への懸念から不安定な動きとなる場面も見られましたが、中国人民銀行の資本規制で人民元安が一服すると、3月の全国人民代表大会(全人代)を控え政策期待の高まりも下支えとなり、3月21日にハンセン指数は24,593.12ポイントの高値をつけ、3月末のハンセン指数は24,111.59ポイントで取引を終了しました。
業績概況は以下のとおりであります。
(1)業績の概況
当連結会計年度の当社グループの業績は、10月以降、米国株の取引を中心に回復基調となったものの、9月までのマーケット環境の悪化等による受入手数料の減少により、営業収益は127億76百万円(前連結会計年度比94.3%)、経常利益は9億82百万円(前連結会計年度比53.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億56百万円(前連結会計年度比41.4%)になりました。
① 受入手数料
|
期別 |
区分 |
株券 (百万円) |
債券 (百万円) |
受益証券 (百万円) |
その他 (百万円) |
計 (百万円) |
|
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
委託手数料 |
4,631 |
1 |
305 |
- |
4,937 |
|
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 |
136 |
7 |
- |
- |
144 |
|
|
募集・売出し・特定投資家向け 売付け勧誘等の取扱手数料 |
0 |
15 |
3,387 |
- |
3,403 |
|
|
その他の受入手数料 |
95 |
2 |
1,549 |
151 |
1,799 |
|
|
計 |
4,864 |
27 |
5,242 |
151 |
10,285 |
|
|
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
委託手数料 |
3,736 |
0 |
184 |
- |
3,921 |
|
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 |
53 |
5 |
- |
- |
59 |
|
|
募集・売出し・特定投資家向け 売付け勧誘等の取扱手数料 |
0 |
7 |
2,529 |
- |
2,537 |
|
|
その他の受入手数料 |
99 |
2 |
1,370 |
140 |
1,613 |
|
|
計 |
3,889 |
16 |
4,084 |
140 |
8,131 |
受入手数料の合計は81億31百万円(前連結会計年度比79.0%)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。
(委託手数料)
当連結会計年度の東証一・二部の1日平均売買代金は2兆5,722億円(前連結会計年度比88.2%)になりました。当社の国内株式委託売買代金は1兆1,948億円(前連結会計年度比80.0%)、外国株式委託売買代金は248億円(前連結会計年度比34.7%)になりました。その結果、当社グループの委託手数料は39億21百万円(前連結会計年度比79.4%)になりました。
(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は株式の引受高等の減少により59百万円(前連結会計年度比41.2%)になりました。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は株式投資信託の募集金額が962億円(前連結会計年度比77.5%)に減少したため25億37百万円(前連結会計年度比74.5%)になりました。
(その他の受入手数料)
証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が2,054億円(前連結会計年度比89.7%)に減少したため16億13百万円(前連結会計年度比89.6%)になりました。
② トレーディング損益
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
||||
|
実現損益 (百万円) |
評価損益 (百万円) |
計 (百万円) |
実現損益 (百万円) |
評価損益 (百万円) |
計 (百万円) |
|
|
株券等 |
1,011 |
△0 |
1,011 |
2,437 |
0 |
2,437 |
|
債券等 |
180 |
21 |
201 |
662 |
△32 |
629 |
|
その他 |
1,319 |
△7 |
1,311 |
1,301 |
△2 |
1,299 |
|
計 |
2,511 |
13 |
2,524 |
4,401 |
△34 |
4,366 |
トレーディング損益は米国株の売買が好調であったことから株券等が24億37百万円(前連結会計年度比241.0%)、外国債券の販売額の増加等により債券等が6億29百万円(前連結会計年度比312.5%)、中国株取引に係る為替手数料の減少等によりその他が12億99百万円(前連結会計年度比99.0%)で合計43億66百万円(前連結会計年度比172.9%)になりました。
③ 金融収支
金融収益は信用取引収益の減少等により2億77百万円(前連結会計年度比72.2%)になりました。また、金融費用は支払利息の減少等により1億53百万円(前連結会計年度比87.7%)になりました。この結果、差引金融収支は1億24百万円(前連結会計年度比59.3%)になりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、業績の悪化による賞与支給額の減少等により人件費が57億96百万円(前連結会計年度比97.6%)、国内株式委託売買代金の減少による取引所・協会費の減少等により取引関係費が19億58百万円(前連結会計年度比95.9%)、借上社宅家賃の減少等により不動産関係費が15億32百万円(前連結会計年度比96.0%)となったものの、システム保守費用の増加等により事務費が16億50百万円(前連結会計年度比104.7%)、制度変更対応に伴うソフトウエアの増加等により減価償却費が10億9百万円(前連結会計年度比133.5%)となったため、合計で123億55百万円(前連結会計年度比100.8%)になりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益は数理計算上の差異償却の減少等により7億33百万円(前連結会計年度比98.2%)、営業外費用は固定資産除却損の減少等により18百万円(前連結会計年度比49.1%)で差引損益は7億14百万円(前連結会計年度比100.8%)になりました。
⑥ 特別損益
特別利益は投資有価証券売却益等により1億6百万円(前連結会計年度比81.6%)、特別損失は減損損失により24百万円(前連結会計年度比34.7%)で差引損益は81百万円(前連結会計年度比138.6%)になりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は178億67百万円と前連結会計年度に比べ37億74百万円の減少になりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、立替金及び預り金の増減額22億18百万円(前連結会計年度比46億22百万円の増加)、トレーディング商品の増減額12億6百万円(前連結会計年度比17億39百万円の増加)、営業貸付金の増減額△36億22百万円(前連結会計年度比36億42百万円の減少)、顧客分別金信託の増減額△23億82百万円(前連結会計年度比69億70百万円の減少)等により1億44百万円(前連結会計年度比67億99百万円の減少)になりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入37億97百万円(前連結会計年度比6億45百万円の減少)、有形及び無形固定資産の取得による支出△8億21百万円(前連結会計年度比11億31百万円の増加)等により21億97百万円(前連結会計年度比34億99百万円の増加)になりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額△50億円(前連結会計年度と変わらず)、配当金の支払額△10億60百万円(前連結会計年度比60百万円の減少)等により△59億69百万円(前連結会計年度比8億63百万円の増加)になりました。
(3)トレーディング業務の概要
① トレーディング商品
トレーディング商品の残高は以下のとおりであります。
|
区分 |
前連結会計年度 (平成28年3月31日) |
当連結会計年度 (平成29年3月31日) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
|
|
資産の部のトレーディング商品 |
2,362 |
1,156 |
|
商品有価証券等 |
2,357 |
1,153 |
|
株券 |
9 |
0 |
|
債券 |
2,347 |
1,153 |
|
受益証券 |
0 |
0 |
|
デリバティブ取引 |
4 |
2 |
|
為替予約取引 |
4 |
2 |
② トレーディングのリスク管理
当社はトレーディング業務における市場リスクを内閣府令で定める市場リスク相当額により計測しております。市場リスク相当額は、保有する有価証券等について標準的方式により算出し、一定のリスク許容限度額内に収まるように日々管理しております。
当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の状況等については、「1 業績等の概要」欄に含めて記載しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)中期的経営ビジョン
対面リテール証券会社の経営環境は、顧客の高齢化・ネット取引の一段の拡大・金融技術の進化・高度化によって厳しさを増しています。一方で、金融庁の「貯蓄から資産形成へ」の旗振りのもと、わが国の国民・家計の安定的資産形成に向けた証券投資の重要性が増す中、個人投資家の投資アドバイスのニーズはより一層高まっており、ビジネスチャンスも広がりを見せています。
このような環境下、当社グループは、創業101年目となる平成29年4月より第五次中期経営計画「もっとTO YOU ING計画」(3か年計画)をスタートさせました。
本中期経営計画においては、目指すべき将来像として「真にお客さま本位の経営で世代を超えて信頼され、資産運用・資産形成のアドバイザーとして選ばれるスーパー・リージョナル(地域密着型)・リテール証券会社」を掲げております。お客さま本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)を更に深化させることで、顧客基盤の拡充・企業価値向上を図り、持続的に成長し続けるビジネスモデルを確立してまいります。
(2)戦略骨子・施策概要
前中期経営計画では、市況の変化に耐えうる収益構造への変革に向け、各種の施策を講じた結果、顧客層のすそ野の拡大、不動産関係費を中心とした固定費の削減、人材育成として専門性を高める資格(相続診断士)の取得促進など一定の成果を得られました。
新中期経営計画では、重点項目を3つに絞り、お客さま満足度の高い質の高いサービス提供のための各種の施策を講じてまいります。
<重点項目・主な施策>
①お客さま本位の経営姿勢の深化
ITを活用した投資アドバイスなど充実したアフターフォロー体制の構築 など
②オペレーショナル・エクセレンスの推進
営業員の業務効率化によるお客さまとの接触時間の確保、顧客満足度の高い営業スタイルの浸透 など
③人材基盤の強化
教育研修・OJTの見直し、営業員評価の見直し、働き方改革の促進 など
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす事項は、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の大幅な変動について
当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けます。このため、当社グループの財政状態及び経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。
(2)取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度について
当社グループの営業収益のうち最も高い比率を占める受入手数料は、その大半が顧客の不連続かつ不確定な金融商品取引によって発生するもので、安定的継続性が低くなっております。このため主に金融商品取引市況によって受入手数料収益が大きく変動する可能性があります。
(3)営業として行うトレーディング活動について
当社グループの中核である当社は、日常の営業活動として金融商品取引市場における自己勘定(トレーディング)取引を行っております。当該業務リスクについては専門部署を設置し、厳正なモニタリングを行っておりますが、これにより全てのリスクを排除できるものではありません。従って、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動により、当該業務が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制等について
当社グループの中核である当社は、事業に関連する法令・諸規則等の法的規制を受けております。社内には内部管理体制を堅持するための機構を設置し、関連法令・諸規則等の遵守を徹底しておりますが、将来的に当社業務に関する法令・諸規則や実務慣行、解釈等の変更が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自己資本規制比率について
当社グループの中核である当社は、「金融商品取引法」及び「金融商品取引業等に関する内閣府令」に基づき、自己資本規制比率による制限が設けられております。自己資本規制比率とは、資本金、資本剰余金その他内閣府令で定める自己資本の額から固定的な資産を差し引いた固定化されていない自己資本の額の、保有する有価証券の価格の変動その他の理由により発生し得るリスクに対応する額として内閣府令で定める額に対する比率であります。
当社の自己資本規制比率は平成29年3月末現在631.5%ですが、自己資本規制比率が120%を下回るときは、内閣総理大臣は金融商品取引業者に対し、その業務の方法の変更を命ずることができ、100%を下回るときは、3ヶ月以内の期間を定めて、業務の停止を命ずることができ、さらに、業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ、回復の見込みがないときは当該金融商品取引業者の登録を取り消すことができるとされております。
(6)民事訴訟等に関するリスクについて
お客さまに対する勧誘行為等、日々の営業活動において、取引先との商行為上で当社側に不法行為があった場合には、民法等に基づく損害賠償責任が発生する場合があります。当社はお客さま相談室を設置しクレーム等への対応を行っており、当連結会計年度末現在において、当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来において、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)システムに関するリスクについて
当社グループでは、金融商品取引に係るインターネット取引をはじめ、業務上様々なコンピュータシステムを使用しております。コンピュータシステムについては、時代とともに進化を遂げており、当社グループにおいても、費用対効果を考慮し、新たなシステム投資を行っております。そのため、当初の見込みに反し、投資コストに対する効果が思わしくなかった場合、あるいは、不具合、外部からの不正アクセス、その他システム障害を起こした場合、その規模によっては、当社グループ業務に重大な影響を及ぼし、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
(8)情報セキュリティに係るリスクについて
当社は、当社グループに属する各会社を含めた情報管理に関する社内規程を整備しておりますが、将来的に不測の事態により顧客情報を含む社内重要情報が社外に不正流出した場合、信用を失墜し当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)重要な判断と見積りを伴う会計方針
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 貸倒引当金
当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
なお、当連結会計年度末現在、貸倒引当金を1億94百万円計上しております。
② 有価証券の減損
当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築・維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を政策保有株式として保有しております。株式は流通価格の下落や発行会社の財政状態の悪化等により投資価値が下落することがあります。当社グループは、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、所定のルールに従い、有価証券の減損を計上することにしております。
③ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収可能性が高いと認められる金額について計上しております。ただし、回収可能性の判断に変更が生じた場合には、計上した繰延税金資産の全部または一部について取崩しを行い法人税等調整額を計上することとなります。
なお、当連結会計年度末現在、繰延税金資産を3億3百万円計上しております。
④ 年金給付費用
当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。
確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額として純資産を加減算することとなります。
なお、当連結会計年度は数理計算上の差異の有利差異償却が勤務費用及び利息費用を上回っていることから、営業外収益を2億19百万円計上しております。また、当連結会計年度に新たに有利差異が1億47百万円発生したこと等により、当連結会計年度末現在、退職給付に係る資産を13億81百万円計上しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは、国内株の取引に加え、外国株の取引に注力しております。
当連結会計年度の国内株式市場は、トランプ大統領が掲げる政策への期待から投資家心理が大きく改善し、株価は好調に推移したものの、株価が高止まりしたこと等から株式取引は低調に推移しました。中国・香港株式市場は、深港通(深センと香港の株式取引の相互乗り入れ)開始への期待、3月の全国人民代表大会(全人代)を控え政策への期待等があったものの、株式取引は低調に推移しました。このため、当社グループの委託手数料は39億21百万円と前連結会計年度に比べ10億16百万円減少しました。
また、当社グループは投信残高を純増することにより、信託報酬(代行手数料)を増加させ安定収益の確保を目指しております。当連結会計年度は、日本株式ファンド等の販売に注力しましたが、投資信託の販売手数料は25億29百万円と前連結会計年度に比べ8億58百万円減少しました。信託財産の純資産総額に基づく信託報酬(代行手数料)は、預り資産の平均残高が減少したため13億70百万円と前連結会計年度に比べ1億78百万円減少しました。
トレーディング損益は、米国株の仕切り販売が好調であったため43億66百万円となり、前連結会計年度に比べ18億42百万円増加しました。
販売費・一般管理費は、経費節減に努めたものの制度変更対応に伴うソフトウエアの増加等により減価償却費が増加したため、123億55百万円となり、前連結会計年度に比べ1億7百万円増加しました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、経常利益が9億82百万円となり、前連結会計年度に比べ8億46百万円減少しました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けます。このため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。
(4)資金の財源及び流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、立替金及び預り金の増加等により1億44百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが、定期預金の払戻等により21億97百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが、短期借入金の減少等により59億69百万円の支出となりました。
この結果、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ37億74百万円減少し178億67百万円となりましたが、十分に資金の財源及び流動性が確保されております。
また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行12行それぞれと当座貸越契約、取引銀行5行からなる協調融資団及び取引先銀行2行それぞれと貸出コミットメント契約を締結しており、連結子会社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。