第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境の概況

 当連結会計年度における世界経済は、年前半は欧州各国の選挙を控え政治の不透明感や北朝鮮情勢の緊迫化等が重荷となりましたが、世界景気の回復と堅調な企業業績を背景に緩やかに拡大しました。年後半はトランプ政権による政策期待が追い風となり、主要株式指数が過去最高値を更新したものの、米中の貿易問題等の地政学的リスクが意識されました。

日本経済においては、海外経済が緩やかな成長を続けるもとで、緩和的な金融政策と政府の経済政策により景気の拡大が続きました。

このような環境下、国内株式市場において日経平均株価は、期初18,988円で始まり、海外投資家等からの買い越しが膨らんだこと等から、10月には戦後東証再開以来初めてとなる16営業日連騰を記録しました。その後日経平均株価は、平成30年1月に世界的な株高を受けて24,000円を突破する場面もありましたが、米中貿易問題等から不安定な動きとなり、3月末の日経平均株価は21,454円30銭で取引を終了しました。

米国株式市場においては、主要株価指数であるダウ工業株30種平均は期初20,665.17米ドルで始まりました。拡大が続く米国経済、低インフレ、企業業績拡大期待の高まりが相場を押し上げ、ダウ工業株30種平均は緩やかな上昇を続けました。また、FRBによる金融政策の正常化が市場との対話により慎重に行われたことも株式市場では好感され、年末には税制改革法が成立するなど、米国の政策進展への期待が高まりました。しかし、2月に入るとインフレ加速への懸念やボラティリティの急騰からポジション調整が進みました。その後も米中貿易摩擦への懸念などが上値を抑え、3月末のダウ工業株30種平均は24,103.11米ドルで取引を終了しました。

当社が注力している中国・香港株式市場においては、主要株価指数であるハンセン指数は、期初24,236.56ポイントで始まった後、シリアや朝鮮半島情勢の緊迫などが上値を抑える要因となり、4月19日に23,723.87ポイントの安値を付けました。その後は、投資家のリスク回避姿勢の和らぎに加え、中国の国有企業改革の加速見通しや「一帯一路」政策に対する期待感などを背景に徐々に下値を切り上げる展開となりました。中国本土からの資金流入や好調な米国株式市場、企業業績の改善期待もあり、ハンセン指数は1月26日に約10年3カ月ぶりの高値となる33,223.58ポイントをつけました。その後は海外株式市場が軟調な展開となり、2月9日に29,507.42ポイントまで下落し、好調な企業業績を背景に約1カ月ぶりの高値を回復する場面もありましたが、米中貿易摩擦懸念が再燃し、3月末のハンセン指数は30,093.38ポイントで取引を終了しました。

 

(2)中期的経営ビジョン

 対面リテール証券会社の経営環境は、顧客の高齢化・ネット取引の一段の拡大・金融技術の進化・高度化によって厳しさを増しており、また、社会からのフィデューシャリー・デューティーに対する要求がますます高まっております。

 このような環境下、当社は第96期よりスタートした第五次中期経営計画(平成29年4月~平成32年3月)で、「お客さま本位の経営姿勢の深化」を最重点項目とし、お客さま満足度の向上を通じて経営基盤を強化し、企業価値を向上させることを目指してまいります。

 

(3)戦略骨子・施策概要

 第五次中期経営計画では、重点項目を3つに絞り、お客さま満足度の高いサービス提供のための各種の施策を講じてまいります。

 

<重点項目・主な施策>

  ① お客さま本位の経営姿勢の深化

   IT(資産管理ツール)を活用したわかりやすい説明、海外拠点とつないだライブセミナー など

  ② オペレーショナル・エクセレンスの推進

   外貨運用や保有資産活用による金融収支の改善、web会議システム活用による生産性向上 など

  ③ 人材基盤の強化

   ロールモデルを活用したスキルの共有化、勤怠管理の精緻化と時間外労働の短縮 など

 

(4)株式会社の支配に関する基本方針

 当社では、会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針(以下、「基本方針」という。)を定めており、その内容の概要等は以下のとおりであります。

 

 ① 基本方針の内容の概要

  当社は、「人」と「人」とのつながりを大切にする精神のもと、経営理念に基づいたお客さま本位の質の高い金融サービスで社会に貢献することによって事業拡大を図るビジネスモデルにより、当社グループの企業価値等の持続的な確保、向上が図られるものであり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては、このようなビジネスモデルを実現することを可能とするものが望ましいと考えております。

  もっとも、当社は、当社株式について大量買付行為がなされる場合、このことが当社グループの企業価値等の向上に資するものであれば、これを否定するものではなく、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、最終的には当社の株主のみなさまの意思に基づき決定されるべきものであると考えております

  しかしながら、大量買付者の中には、不適切な手段により株価をつり上げて高値で株式を会社に引き取らせる行為などにより大量買付者(及びその関係者)の利益のみを追求する者や、短期的なROE向上を追求するあまりお客さまの資産を毀損することも顧みないようなお客さま本位の経営に背く業務運営を積極的に推し進める者など、当社グループの企業価値等を毀損する者の存在も否定できません

  当社は、このような当社グループの企業価値等に対する侵害行為を容認することはできません。

  こうした状況を踏まえ、当社は、大量買付行為が行われる際に、株主のみなさまに当該大量買付行為に応じるか否かを適切にご判断いただくために必要かつ十分な時間及び情報を確保・提供するための、大量買付ルールを制定いたしました。

  なお、当該大量買付ルールは、大量買付者等の株式持分を希釈化するために株式や新株予約権の割当てを行うなど対抗措置のあるいわゆる買収防衛策ではございません。

 

 ② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

   イ.中期的経営ビジョン・戦略骨子等

  当社グループは、「真にお客さま本位の経営で世代を超えて信頼され、資産運用・資産形成のアドバイザーとして選ばれるスーパー・リージョナル(地域密着型)・リテール証券会社」を目指し、お客さま本位の経営を更に深化させ、持続的に成長し続けるビジネスモデルを確立してまいります。

  中期経営計画「もっとTO YOU ING計画」(3か年計画)においては、重点項目(①お客さま本位の経営姿勢の深化、②オペレーショナル・エクセレンスの推進、③人材基盤の強化)について各種の施策を講じ、顧客基盤の拡充・企業価値向上を図ります。

  ロ.コーポレート・ガバナンス体制の強化

  当社は、投資家と金融商品取引市場を仲介する金融商品取引業者としての社会的責任を常に認識し、企業価値の増大・最大化を通じてステークホルダーの満足度を高めることを目指すとともに、法令遵守の徹底、経営の健全性と透明性を確保する観点からコーポレート・ガバナンスが有効に機能する体制を整備しております。

  ハ.大量買付ルール

  大量買付ルールは、当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の大量買付者及び大量買付者の特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けを行おうとする場合等において、大量買付者に対して情報提供を求めるとともに、株主のみなさまに判断する機会を確保・提供するための手続を定めております。その概要は以下のとおりです。

  大量買付者は、大量買付行為に先立ち、当社取締役会に対して、当該大量買付者が大量買付行為に際して大量買付ルールに定める手続を遵守する旨の誓約文言等を記載した意向表明書を提出し、当社取締役会は、その受領後10営業日以内に、大量買付者に対し詳しい大量買付情報の提供を求めます。当社取締役会は、大量買付者から提供された情報等に基づき、大量買付者による大量買付行為が、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するものか否かを評価します。評価期間は60営業日以内または90営業日以内で当社取締役会が設定・公表します。大量買付者は、意向表明書の提出後、取締役会評価期間が満了するまでは、大量買付行為を開始することができません。当社取締役会は、大量買付者から受領した情報ならびに大量買付行為の評価の結果・理由及び株主のみなさまが大量買付行為に応じるか否かを適切に判断するために有益と考えられる情報について、適宜、開示いたします。大量買付ルールの有効期間は平成29年11月27日から3年間です。有効期間内であっても、当社取締役会において、法令等の改正や判例の動向等を考慮して、大量買付ルールを随時、見直しまたは廃止でき、その場合には、法令等及び金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。

 

 ③ 当社の取組みに関する取締役会の判断及びその理由

  当社の取締役会は、上記に述べた当社の取組みが、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、大量買付行為が行われる際には、株主のみなさまに当該大量買付行為に応じるか否かを適切にご判断いただくための必要かつ十分な時間・情報を確保することを目的とするものであって、上記の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の大幅な変動について

 当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けます。このため、当社グループの財政状態及び経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。

 

(2)取引の継続性が不安定であるものへの高い依存度について

 当社グループの営業収益のうち最も高い比率を占める受入手数料は、その大半が顧客の不連続かつ不確定な金融商品取引によって発生するもので、安定的継続性が低くなっております。このため主に金融商品取引市況によって受入手数料収益が大きく変動する可能性があります。

 

(3)営業として行うトレーディング活動について

 当社グループの中核である当社は、日常の営業活動として金融商品取引市場における自己勘定(トレーディング)取引を行っております。当該業務リスクについては専門部署を設置し、厳正なモニタリングを行っておりますが、これにより全てのリスクを排除できるものではありません。従って、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動により、当該業務が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制等について

 当社グループの中核である当社は、事業に関連する法令・諸規則等の法的規制を受けております。社内には内部管理体制を堅持するための機構を設置し、関連法令・諸規則等の遵守を徹底しておりますが、将来的に当社業務に関する法令・諸規則や実務慣行、解釈等の変更が、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)自己資本規制比率について

 当社グループの中核である当社は、「金融商品取引法」及び「金融商品取引業等に関する内閣府令」に基づき、自己資本規制比率による制限が設けられております。自己資本規制比率とは、資本金、資本剰余金その他内閣府令で定める自己資本の額から固定的な資産を差し引いた固定化されていない自己資本の額の、保有する有価証券の価格の変動その他の理由により発生し得るリスクに対応する額として内閣府令で定める額に対する比率であります。

 当社の自己資本規制比率は平成30年3月末現在633.2%ですが、自己資本規制比率が120%を下回るときは、内閣総理大臣は金融商品取引業者に対し、その業務の方法の変更を命ずることができ、100%を下回るときは、3ヶ月以内の期間を定めて、業務の停止を命ずることができ、さらに、業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ、回復の見込みがないときは当該金融商品取引業者の登録を取り消すことができるとされております。

 

(6)民事訴訟等に関するリスクについて

 お客さまに対する勧誘行為等、日々の営業活動において、取引先との商行為上で当社側に不法行為があった場合には、民法等に基づく損害賠償責任が発生する場合があります。当社はお客さま相談室を設置しクレーム等への対応を行っており、当連結会計年度末現在において、当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来において、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)システムに関するリスクについて

 当社グループでは、金融商品取引に係るインターネット取引をはじめ、業務上様々なコンピュータシステムを使用しております。コンピュータシステムについては、時代とともに進化を遂げており、当社グループにおいても、費用対効果を考慮し、新たなシステム投資を行っております。当社は、業務の効率化等を目的とし、平成30年11月に基幹システムの移行を行うこととしておりますが、投資コストに対する効果が思わしくなかった場合、あるいは、不具合、外部からの不正アクセス、その他システム障害を起こした場合、その規模によっては、当社グループ業務に重大な影響を及ぼし、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8)情報セキュリティに係るリスクについて

 当社は、当社グループに属する各会社を含めた情報管理に関する社内規程を整備しておりますが、将来的に不測の事態により顧客情報を含む社内重要情報が社外に不正流出した場合、信用を失墜し当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概況

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の当社グループの業績は、米国株・中国株の取引が活況であったこと等から、営業収益は157億67百万円(前連結会計年度比123.4%)、経常利益は30億25百万円(前連結会計年度比307.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億33百万円(前連結会計年度比279.4%)になりました。

なお、主な内訳は以下のとおりであります。

イ 受入手数料

受入手数料の合計は94億52百万円(前連結会計年度比116.2%)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。

(委託手数料)

 当連結会計年度の東証一・二部の1日平均売買代金は3兆134億円(前連結会計年度比117.1%)になりました。当社の国内株式委託売買代金は1兆2,950億円(前連結会計年度比108.3%)、外国株式委託売買代金は888億円(前連結会計年度比357.1%)になりました。その結果、当社グループの委託手数料は45億66百万円(前連結会計年度比116.4%)になりました。

(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)

 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は株式の引受高等の増加により81百万円(前連結会計年度比136.8%)になりました。

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

 主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は株式投資信託の募集金額が1,175億円(前連結会計年度比122.1%)に増加したため30億87百万円(前連結会計年度比121.6%)になりました。

(その他の受入手数料)

 証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が2,117億円(前連結会計年度比103.0%)に増加したため17億17百万円(前連結会計年度比106.4%)になりました。

ロ トレーディング損益

トレーディング損益は米国株の売買が好調であったことから株券等が35億68百万円(前連結会計年度比146.3%)、外国債券の販売額の減少等により債券等が4億10百万円(前連結会計年度比65.0%)、中国株取引に係る為替手数料の増加等によりその他が19億85百万円(前連結会計年度比152.8%)で合計59億64百万円(前連結会計年度比136.5%)になりました。

ハ 金融収支

金融収益は受取利息の増加等により3億50百万円(前連結会計年度比126.3%)になりました。また、金融費用は支払利息の減少等により1億19百万円(前連結会計年度比77.7%)になりました。この結果、差引金融収支は2億31百万円(前連結会計年度比186.2%)になりました。

ニ 販売費・一般管理費

販売費・一般管理費は、創業100周年記念関係費用等の減少により取引関係費が18億20百万円(前連結会計年度比92.9%)となったものの、業績好調による賞与支給額の増加等により人件費が61億24百万円(前連結会計年度比105.6%)、店舗移転費用等の増加により不動産関係費が16億25百万円(前連結会計年度比106.0%)、システム移行費の増加等により事務費が18億28百万円(前連結会計年度比110.7%)、基幹システムの耐用年数の変更により減価償却費が15億11百万円(前連結会計年度比149.7%)となったため、合計で133億96百万円(前連結会計年度比108.4%)になりました。

ホ 営業外損益

営業外収益は数理計算上の差異償却の増加等により7億91百万円(前連結会計年度比107.9%)、営業外費用は固定資産除却損の増加等により18百万円(前連結会計年度比100.9%)で差引損益は7億73百万円(前連結会計年度比108.1%)になりました。

ヘ 特別損益

特別利益は金融商品取引責任準備金戻入等により29百万円(前連結会計年度比27.5%)、特別損失は減損損失により2億74百万円(前連結会計年度比1,101.3%)で差引損益は2億44百万円の損失(前連結会計年度は81百万円の利益)になりました。

ト 資産の状況

資産合計は832億31百万円と前連結会計年度末に比べ48億38百万円の増加になりました。主な要因は、短期貸付金が12億6百万円、ソフトウエアが11億69百万円減少したものの、信用取引貸付金が32億86百万円、投資有価証券が13億75百万円増加したことによるものであります。

チ 負債の状況

負債合計は398億25百万円と前連結会計年度末に比べ25億78百万円の増加になりました。主な要因は、信用取引借入金が14億43百万円減少したものの、預り金が28億87百万円増加したことによるものであります。

リ 純資産の状況

純資産合計は434億6百万円と前連結会計年度末に比べ22億60百万円の増加になりました。主な要因は、利益剰余金が12億36百万円、その他有価証券評価差額金が10億3百万円増加したことによるものであります。

 

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は164億93百万円と前連結会計年度に比べ13億73百万円の減少になりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、営業貸付金の増減額12億6百万円(前連結会計年度比48億29百万円の増加)、税金等調整前当期純利益27億80百万円(前連結会計年度比17億16百万円の増加)、顧客分別金信託の増減額△8億72百万円(前連結会計年度比15億9百万円の増加)、信用取引資産の増減額△30億33百万円(前連結会計年度比30億9百万円の減少)、信用取引負債の増減額△19億12百万円(前連結会計年度比21億27百万円の減少)、トレーディング商品の増減額1億53百万円(前連結会計年度比10億52百万円の減少)等により20億67百万円(前連結会計年度比19億22百万円の増加)になりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入8億5百万円(前連結会計年度比29億92百万円の減少)、定期預金の預入による支出△28億31百万円(前連結会計年度比20億72百万円の減少)等により△27億96百万円(前連結会計年度比49億94百万円の減少)になりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、、短期借入金の純増減額が前連結会計年度と比べ50億円増加したこと等により△3億95百万円(前連結会計年度比55億74百万円の増加)になりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の実績等については、「①財政状態及び経営成績の状況」欄に含めて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な判断と見積りを伴う会計方針

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。

イ 貸倒引当金

当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。

なお、当連結会計年度末現在、貸倒引当金を2億10百万円計上しております。

ロ 有価証券の減損

当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築・維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を政策保有株式として保有しております。株式は流通価格の下落や発行会社の財政状態の悪化等により投資価値が下落することがあります。当社グループは、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、所定のルールに従い、有価証券の減損を計上することにしております。

ハ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収可能性が高いと認められる金額について計上しております。ただし、回収可能性の判断に変更が生じた場合には、計上した繰延税金資産の全部または一部について取崩しを行い法人税等調整額を計上することとなります。

なお、当連結会計年度末現在、繰延税金資産を5億7百万円計上しております。

ニ 年金給付費用

当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。

確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額として純資産を加減算することとなります。

なお、当連結会計年度は数理計算上の差異の有利差異償却が勤務費用及び利息費用を上回っていることから、営業外収益を2億54百万円計上しております。また、当連結会計年度に新たに有利差異が2億39百万円発生したこと等により、当連結会計年度末現在、退職給付に係る資産を17億35百万円計上しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループは、お客さま本位の業務運営を追求し、お客さま満足度の向上により顧客基盤を拡充することで、企業価値向上を図るビジネスモデルの確立を目指しております。このビジネスモデルの確立に向けて、当社グループは、国内株式や投資信託に加えて、中国株・米国株等の外国株をお客さまの中長期的な資産形成の選択肢の一つとしてポートフォリオへ組み入れることを提案しております。

このような経営方針のもと、当社グループの委託手数料は45億66百万円と前連結会計年度に比べ6億44百万円増加し、米国株の仕切り取引を中心にトレーディング損益は、59億64百万円と前連結会計年度に比べ15億97百万円増加しました。

また、当社グループは、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。当該方針のもと、当連結会計年度は成長性に注目したテーマ型ファンド等の販売に注力し、投資信託の販売手数料は30億82百万円と前連結会計年度に比べ5億52百万円増加し、信託報酬(代行手数料)は14億73百万円と前連結会計年度に比べ1億3百万円増加しました。

販売費・一般管理費は、業務効率の見直しなど経費削減に努めておりますが、減価償却費を中心に基幹システム移行関連費用が増加したため、133億96百万円となり、前連結会計年度に比べ10億40百万円増加しました。

この結果、当社グループの営業利益は22億51百万円となり、前連結会計年度に比べ19億84百万円増加しました。

ロ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けるため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。このため、当社グループは上記のとおり、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。

ハ 資金の財源及び流動性についての分析

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、税金等調整前当期純利益の増加等により20億67百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが、定期預金の預入による支出等により27億96百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが、配当金の支払額等により3億95百万円の支出となりました。

この結果、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ13億73百万円減少し164億93百万円となりましたが、十分に資金の財源及び流動性が確保されております。

また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行11行それぞれと当座貸越契約、取引銀行5行からなる協調融資団及び取引銀行2行それぞれと貸出コミットメント契約を締結しており、連結子会社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。