第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間における世界経済は、総じて堅調な成長が続きましたが、貿易摩擦や地政学リスク等により先行きの不透明感が強くなりました。

 日本経済におきましては、企業収益や業況感の改善基調が続くなか労働環境も良好でした。家計では、所得から支出へ前向きな循環サイクルが働いており、日本経済の緩やかな拡大が示されました。

 このような環境下、国内株式市場において、日経平均株価は期初21,441円57銭で始まりました。米朝首脳会談への期待感などを背景に、海外投資家を中心に買いが膨らんだことで、5月21日には約3カ月半ぶりに23,000円台を回復する場面がありました。その後は、米中の貿易摩擦問題が意識され先行き不透明感が強まったことから調整含みとなり、6月末の日経平均株価は22,304円51銭で取引を終了しました。

 米国株式市場において、主要株価指数であるダウ工業株30種平均は期初24,076.60米ドルで始まりました。米中貿易摩擦問題に対する警戒感の高まりから、方向感が定まりにくく、その影響が比較的軽度とされるハイテク関連株や小型株への資金流入が目立ちました。ダウ工業30種平均は6月11日に取引時間中の高値25,402.83米ドルまで上昇しましたが、その後は制裁関税発動を織り込む格好で調整が進み、6月末は23,997.21米ドルで取引を終了しました。

 当社が注力している中国・香港株式市場において、主要株価指数であるハンセン指数は期初29,927.88ポイントで始まりました。5月14日に高値31,592.56ポイントまで上昇しましたが、米中貿易摩擦問題を巡る動きに一喜一憂する展開が続き、6月中旬まで30,000ポイントから31,500ポイント近辺での方向感に乏しい動きとなりました。6月後半は米中貿易摩擦を巡る先行き不透明感の強まりでリスクオフの動きが加速しました。中国の弱い経済指標や米国の利上げペース加速への警戒感、人民元安も投資家心理の重荷となり、6月末は28,955.11ポイントで取引を終了しました

 このような状況のもと、当第1四半期連結累計期間の当社グループの業績は、日本株に加え、米国株、中国株の取引高が減少したこと等により、営業収益は32億61百万円(前年同四半期比80.5%)、経常利益は2億80百万円(前年同四半期比27.9%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1億1百万円(前年同四半期比16.0%)になりました。

 なお、主な内訳は以下のとおりであります。

① 受入手数料

 受入手数料の合計は19億71百万円(前年同四半期比91.0%)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。

(委託手数料)

 当第1四半期連結累計期間の東証一・二部の1日平均売買代金は2兆9,415億円(前年同四半期比106.6%)になりました。当社の国内株式委託売買代金は2,730億円(前年同四半期比92.6%)、外国株式委託売買代金は159億円(前年同四半期比88.3%)になりました。その結果、当社グループの委託手数料は8億87百万円(前年同四半期比83.9%)になりました

(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)

 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は株式の引受高の増加により24百万円(前年同四半期比398.0%)になりました

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

 主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は株式投資信託の募集金額が214億円(前年同四半期比81.2%)に減少したため5億86百万円(前年同四半期比84.1%)になりました。

(その他の受入手数料)

 証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が2,174億円(前年同四半期比107.4%)に増加したため4億73百万円(前年同四半期比116.9%)になりました

② トレーディング損益

 トレーディング損益は米国株の売買代金の減少等により株券等が7億55百万円(前年同四半期比87.5%)、仕組債の販売額の増加等により債券等が2億20百万円(前年同四半期比161.0%)、外国債券の償還や中国株取引に係る為替手数料の減少等によりその他が2億17百万円(前年同四半期比26.9%)で合計11億92百万円(前年同四半期比66.0%)になりました。

③ 金融収支

 金融収益は受取利息の増加等により97百万円(前年同四半期比126.0%)、金融費用は信用取引費用の減少等により21百万円(前年同四半期比69.8%)で差引金融収支は75百万円(前年同四半期比162.6%)になりました

④ 販売費・一般管理費

 販売費・一般管理費は、基幹システムの移行の決定により昨年7月から現行基幹システムの耐用年数を短縮したため、減価償却費が増加し4億52百万円(前年同四半期比182.1%)となったものの、業績悪化による賞与引当金繰入額の減少等により人件費が13億99百万円(前年同四半期比87.8%)、TVCM放映料の減少等により取引関係費が4億10百万円(前年同四半期比87.9%)となったため合計で32億47百万円(前年同四半期比99.2%)になりました

 なお、現行基幹システムの耐用年数の短縮に伴い、従来の方法に比べて減価償却費が2億33百万円増加しております。

⑤ 営業外損益

 営業外収益は投資有価証券配当金の増加等により3億13百万円(前年同四半期比120.8%)、営業外費用は子会社の為替差損の増加等により26百万円(前年同四半期比875.1%)で差引損益は2億87百万円(前年同四半期比111.9%)になりました。

⑥ 特別損益

 特別利益は金融商品取引責任準備金戻入により1百万円(前年同四半期比15.1%)、特別損失は減損損失により27百万円(前年同四半期は特別損失の計上はありません)で差引損益は25百万円の損失(前年同四半期は10百万円の利益)になりました

⑦ 資産の状況

 資産合計は822億90百万円と前連結会計年度末に比べ4億66百万円の減少になりました。主な要因は、現金・預金が34億65百万円増加したものの、信用取引貸付金が14億54百万円、短期貸付金が13億2百万円、立替金が8億58百万円減少したことによるものであります

⑧ 負債の状況

 負債合計は396億73百万円と前連結会計年度末に比べ3億23百万円の増加になりました。主な要因は、未払法人税等が9億21百万円減少したものの、その他の預り金が18億86百万円増加したことによるものであります。

⑨ 純資産の状況

 純資産合計は426億16百万円と前連結会計年度末に比べ7億89百万円の減少になりました。主な要因は、利益剰余金が7億25百万円減少したことによるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の四半期末残高は184億51百万円と前年同四半期末に比べ59億64百万円の減少になりました

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、顧客分別金信託の増減額2億86百万円(前年同四半期比31億25百万円の増加)、営業貸付金の増減額13億2百万円(前年同四半期比12億78百万円の増加)、立替金及び預り金の増減額23億56百万円(前年同四半期比25億8百万円の減少)、税金等調整前四半期純利益2億54百万円(前年同四半期比7億58百万円の減少)等により44億38百万円(前年同四半期比12億66百万円の増加)になりました

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出△13億96百万円(前年同四半期は定期預金の預入による支出の計上はありません)等により△15億46百万円(前年同四半期比14億2百万円の減少)になりました

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額が前年同四半期と比べ40億円減少したこと等により△8億27百万円(前年同四半期比43億34百万円の減少)になりました

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

 なお、当社は平成29年11月27日開催の取締役会において財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を決議しており、その内容の概要等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

① 基本方針の内容の概要

 当社は、「人」と「人」とのつながりを大切にする精神のもと、経営理念に基づいたお客さま本位の質の高い金融サービスで社会に貢献することによって事業拡大を図るビジネスモデルにより、当社グループの企業価値等の持続的な確保、向上が図られるものであり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては、このようなビジネスモデルを実現することを可能とするものが望ましいと考えております。

 もっとも、当社は、当社株式について大量買付行為がなされる場合、このことが当社グループの企業価値等の向上に資するものであれば、これを否定するものではなく、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、最終的には当社の株主のみなさまの意思に基づき決定されるべきものであると考えております。

 しかしながら、大量買付者の中には、不適切な手段により株価をつり上げて高値で株式を会社に引き取らせる行為などにより大量買付者(及びその関係者)の利益のみを追求する者や、短期的なROE向上を追求するあまりお客さまの資産を毀損することも顧みないようなお客さま本位の経営に背く業務運営を積極的に推し進める者など、当社グループの企業価値等を毀損する者の存在も否定できません。

 当社は、このような当社グループの企業価値等に対する侵害行為を容認することはできません。

 こうした状況を踏まえ、当社は、大量買付行為が行われる際に、株主のみなさまに当該大量買付行為に応じるか否かを適切にご判断いただくために必要かつ十分な時間及び情報を確保・提供するための、大量買付ルールを制定いたしました。

 なお、当該大量買付ルールは、大量買付者等の株式持分を希釈化するために株式や新株予約権の割当てを行うなど対抗措置のあるいわゆる買収防衛策ではございません。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

イ 中期的経営ビジョン・戦略骨子等

 当社グループは、「真にお客さま本位の経営で世代を超えて信頼され、資産運用・資産形成のアドバイザーとして選ばれるスーパー・リージョナル(地域密着型)・リテール証券会社」を目指し、お客さま本位の経営を更に深化させ、持続的に成長し続けるビジネスモデルを確立してまいります。

 中期経営計画「もっとTO YOU ING計画」(3か年計画)においては、重点項目(①お客さま本位の経営姿勢の深化、②オペレーショナル・エクセレンスの推進、③人材基盤の強化)について各種の施策を講じ、顧客基盤の拡充・企業価値向上を図ります。

ロ コーポレート・ガバナンス体制の強化

 当社は、投資家と金融商品取引市場を仲介する金融商品取引業者としての社会的責任を常に認識し、企業価値の増大・最大化を通じてステークホルダーの満足度を高めることを目指すとともに、法令遵守の徹底、経営の健全性と透明性を確保する観点からコーポレート・ガバナンスが有効に機能する体制を整備しております。

ハ 大量買付ルール

 大量買付ルールは、当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の大量買付者及び大量買付者の特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けを行おうとする場合等において、大量買付者に対して情報提供を求めるとともに、株主のみなさまに判断する機会を確保・提供するための手続を定めております。その概要は以下のとおりです。

 大量買付者は、大量買付行為に先立ち、当社取締役会に対して、当該大量買付者が大量買付行為に際して大量買付ルールに定める手続を遵守する旨の誓約文言等を記載した意向表明書を提出し、当社取締役会は、その受領後10営業日以内に、大量買付者に対し詳しい大量買付情報の提供を求めます。当社取締役会は、大量買付者から提供された情報等に基づき、大量買付者による大量買付行為が、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するものか否かを評価します。評価期間は60営業日以内または90営業日以内で当社取締役会が設定・公表します。大量買付者は、意向表明書の提出後、取締役会評価期間が満了するまでは、大量買付行為を開始することができません。当社取締役会は、大量買付者から受領した情報ならびに大量買付行為の評価の結果・理由及び株主のみなさまが大量買付行為に応じるか否かを適切に判断するために有益と考えられる情報について、適宜、開示いたします。大量買付ルールの有効期間は平成29年11月27日から3年間です。有効期間内であっても、当社取締役会において、法令等の改正や判例の動向等を考慮して、大量買付ルールを随時、見直しまたは廃止でき、その場合には、法令等及び金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。

③ 当社の取組みに関する取締役会の判断及びその理由

 当社の取締役会は、上記に述べた当社の取組みが、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、大量買付行為が行われる際には、株主のみなさまに当該大量買付行為に応じるか否かを適切にご判断いただくための必要かつ十分な時間・情報を確保することを目的とするものであって、上記の基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(6)従業員数

 著しい増減はありません。

 

(7)生産、受注及び販売の実績

 当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の状況等については、「(1)財政状態及び経営成績の状況」に含めて記載しております。

 

(8)主要な設備

 著しい変更はありません。

 

(9)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの営業収益は、中核事業が金融商品取引業であることから国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けるため、不安定な状況にあります。そのため、現在、投資信託の販売に注力することにより預り資産残高を増やし、ストックからの安定的収益が確保できるよう収益構造の改革に取り組んでおります。

 また、当社グループの四半期連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、四半期連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

① 貸倒引当金

 当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。

 なお、当第1四半期連結会計期間末現在、貸倒引当金を2億9百万円計上しております。

 

② 有価証券

 当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築・維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を政策保有株式として保有しております。株式は流通価格の下落や発行会社の財政状態の悪化等により投資価値が下落することがあります。当社グループは、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、所定のルールに従い、有価証券の減損損失をすることにしております

 なお、当第1四半期連結累計期間において、有価証券の減損損失の計上はありません。

 

③ 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収可能性が高いと認められる金額について計上しております。ただし、回収可能性の判断に変更が生じた場合には、計上した繰延税金資産の全部または一部について取崩しを行い法人税等調整額を計上することとなります

 なお、当第1四半期連結会計期間末現在、繰延税金資産を3億90百万円認識しております。

④ 年金給付費用

 当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。

 確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額を通して純資産を増減させることとなります。

 また、当第1四半期連結累計期間は数理計算上の差異において有利差異が発生しており、当該有利差異の償却が勤務費用及び利息費用を上回っていることから、営業外収益を52百万円計上しております。

 なお、当第1四半期連結会計期間末現在、退職給付に係る資産を17億67百万円計上しております。

 

(10)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、預り金の増加、信用取引資産の減少等により44億38百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが、定期預金の預入等により15億46百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが、配当金の支払等により8億27百万円の支出となりました。

 この結果、当社グループの現金及び現金同等物の四半期末残高は前連結会計年度末に比べ19億57百万円増加の184億51百万円となり、十分に資金の流動性が確保されております。

 また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行11行それぞれと当座貸越契約、取引銀行5行からなる協調融資団及び取引銀行2行それぞれと貸出コミットメント契約を締結しており、連結子会社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。