第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境の概況

 当連結会計年度における世界経済は、年末にかけては米中通商問題や英国のEU離脱問題に関する不透明感が和らぎ、緩やかな拡大基調にありましたが、年明け以降は世界規模で新型コロナウイルス感染症が流行し、経済活動の低迷が見受けられ、世界経済は一時的に大きく縮小しました。

 このような環境下、国内株式市場において、日経平均株価は期初21,500.89円で始まり、中国景気の底入れが示唆されたことなどをきっかけに4月下旬には22,300円台まで上昇する場面がありました。しかし、その後は米中貿易摩擦問題の激化による世界経済や企業業績の減速懸念が台頭したため、8月に日経平均株価は一時20,100円台まで下落しました。2020年に入り米中貿易交渉が第一段階の合意に達したことなどから、1月20日に24,083.51円の高値をつけました。その後は新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大を背景に3月中旬に日経平均株価は16,300円台までに急落し、3月末の日経平均株価は18,917.01円で取引を終了しました。

 米国株式市場においては、主要株価指数であるダウ工業株30種平均は期初26,075.10米ドルで始まりました。対中関税引き上げ表明を受けて調整が進む場面も見られましたが、6月4日にパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が金融緩和への政策転換を示唆すると、相場は再び上昇トレンドとなりました。10月に米国企業の第3四半期決算発表が本格化すると決算内容が概ね市場予想を上回るものだったことから、買い優勢となり、ダウ工業株30種平均は2月12日に29,568.57米ドルに到達しました。しかし、その後は新型コロナウイルス感染症の蔓延と産油国の対立で世界経済が大きな打撃を受け、ダウ工業株30種平均は3月23日に18,213.65米ドルまで急落したものの、米国政府の大規模経済対策への期待感やFRBの資産買い入れにより、3月末のダウ工業株30種平均は21,917.16米ドルで取引を終了しました。

 当社が注力している中国・香港株式市場において、主要株価指数であるハンセン指数は期初29,383.72ポイントで始まりました。中国景況感の改善や米中貿易摩擦問題の進展期待を背景に4月15日に高値30,280.12ポイントまで上昇しました。5月に入ると米中貿易摩擦問題に対する警戒感が再び台頭し、香港の抗議活動なども重なり、ハンセン指数は12月前半まで方向感に乏しい展開が続きました。その後、米中貿易交渉の部分合意に対する楽観的な見方や中国の利下げ観測、中国金融市場のグローバル化進展期待などを材料に買われ、年末年始にかけ値を戻す場面もありました。年明けには武漢市で新型コロナウイルス感染症が発生したことを受け、再び軟調な展開となりました。感染拡大による世界景気減速懸念が重荷となりハンセン指数は3月19日に21,139.26ポイントの安値を付け、3月末のハンセン指数は23,603.48ポイントで取引を終了しました

 なお、当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大による当連結会計年度の経営成績に与えた影響は、感染拡大が年度末近くであったため限定的であったと考えております。しかしながら、政府より緊急事態宣言が出された2020年4月以降、お客さまへの訪問自粛、店頭業務の休止、従業員の在宅勤務など新型コロナウイルスの感染拡大は当社グループの事業活動に影響を与えております。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化すれば経営成績に一定の影響を及ぼすと考えており、そのリスクを最小限にするための施策を検討しております。

 

(2)中期的経営ビジョン

対面リテール証券の経営環境は、人口減少・顧客の高齢化が進む一方で、個人の資産運用相談ニーズは益々高まっており、ビジネスチャンスも広がっております。

このような環境下、当社は、2020年4月より外部機関の意見も踏まえ、第六次中期経営計画(5カ年計画)「もっと ずっと...ともにTO YOU 」をスタートさせ、支店のあるそれぞれの地域において、世代を超えて信頼され、資産運用・資産形成のアドバイザーとして選ばれる「スーパー・リージョナル(地域密着型)・リテール証券会社」を目指すべき将来像として打ち出しています。

また、お客さまロイヤルティを追求した営業スタイル改革により、これまで以上に「お客さま本位」の経営で顧客基盤を拡充し、持続的な成長モデルへの進化を目指します。

 

<基本方針>

・「もっと」これまで以上にお客さまから信頼され、「もっと」頼りにされる存在に

・「ずっと」次世代までも末永く

・「ともに」お客さま、ご家族さま、地域の方々と「ともに」歩む存在に

<持続的成長可能なモデルを確立するための収益モデル

新中期経営計画(5カ年計画)では、前半の2年を足場固めの期間とし、営業スタイル改革を断行するとともに、コスト構造改革により収益構造の安定化を図ります。後半の3年は、前半2年の成果を享受する期間とし、収益の安定化と伸長を図ります。これにより中計最終年度には安定的にROE5%以上を確保できる状態となることを目指します。

 

<経営目標>

高ロイヤルティ顧客の口座数を2025年3月期までに2020年3月期比で3割増

高ロイヤルティ顧客の預り資産額伸び率を前期比10%以上

CX指標(購入意向・継続意向・推奨意向の各指標)の前期比改善

 

(3)戦略骨子・施策概要

新中期経営計画では、お客さまごとにカスタマイズした営業スタイル改革を実現し、お客さまのロイヤルティ向上につなげ、持続的成長が可能なビジネスモデルの確立を目指してまいります。また、働き甲斐のある職場環境や人事評価などにより従業員満足度を上げ、質の高い顧客サービスの実現につなげてまいります。

 

<重点施策>

① お客さまへの付加価値提供

付加価値戦略…お客さまニーズの把握、ニーズに合った付加価値提案など

② お客さまとの接点の多様化

チャネル戦略…マルチチャネルの活用、地域特性を踏まえた営業店体制など

③ 組織・人材基盤の強化

業務戦略…営業店・本社の効率化、顧客対応時間の捻出、コスト効率化など

組織戦略…本社の支援機能強化・再構築配置

人材戦略…業績評価・人事評価、人材育成・人材配置など

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)金融商品取引業の収益変動リスクについて

 当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受け、当社グループの財政状態及び経営成績は大きく変動する可能性があります。当社グループの営業収益は過去5年間で最大で60億円(約38%)の変動幅があります。当社グループは、お客さま本位の経営で、世代を超えて信頼され、資産運用・資産形成のアドバイザーとして選ばれる地域密着型のリテール証券会社を目指しております。お客さまの満足度の高いサービス提供を通じて顧客基盤の拡大を図り、一時的な金融市場の変動に影響されない安定的な収益の確保に努めてまいります。

 

(2)競合について

 当社グループの中核事業である金融商品取引業は、インターネット取引専業証券やリテール営業中心の同業他社に加えて異業種からの参入及び業界再編等により、今後も厳しい競合が予想され、当社グループの競争優位性が維持できない場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、個人の資産運用ニーズは益々高まっており、ビジネスチャンスも広がっていると考えております。当社グループは、このようなビジネスチャンスを捉え、お客さま満足度の高いサービス提供を通じてお客さまに選ばれる地域密着型のリテール証券会社を目指します。

 

(3)災害等に関するリスクについて

 自然災害の発生や新型コロナウイルス等の病原性感染症の拡大等により、当社グループの事業活動が制限された場合、当社グループの事業継続に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは災害等の発生時に発注・資金の決済といった本社機能が停止した場合に備え、広島地区に本社機能を一部代替する拠点を構築し、また、病原性感染症の拡大等に際しては、感染拡大を防止するため、衛生管理の徹底や在宅勤務等を実施しております。

(4)法的規制等について

 当社グループの中核である当社は、事業に関連する法令・諸規則等の法的規制を受けております。当社グループ

が法令等に違反した場合、当社グループの事業の継続性、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは営業部門のコンプライアンス態勢、内部管理態勢及び監査部門の強化、並びに経営陣によるガバナンス態勢の強化等により法令等を遵守し、一層お客さま本位の業務運営に努めております。

また、当社グループの中核である当社は、「金融商品取引法」及び「金融商品取引業等に関する内閣府令」に基づき、自己資本規制比率による制限が設けられております。金融商品取引法では、自己資本規制比率を120%以上に維持することが求められており、それを下回った場合、金融庁はその証券会社に対して監督命令を発することができることとなっております。当社の自己資本規制比率は2020年3月末現在597.4%であり、直近5年間の月末時点では500%を下回ったことがなく、120%を下回る可能性は低いと考えております。

 

(5)重要な訴訟等に関するリスクについて

 当社グループのお客さまに対する営業活動において不法行為があった場合、また、職場等においてハラスメントなど不正行為があった場合に、訴訟等の法的手続きの対象となる場合があります。当連結会計年度末現在において、当社グループの事業に重要な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来において、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社は営業部門のコンプライアンス態勢を徹底するとともに、お客さまのクレーム等に対してはお客さま相談室を設置し対応しております。また、当社グループにおいてはホットライン(東洋証券内部通報制度)を設け、公正で健全な職場環境の確立に努めております。

 

(6)システムに関するリスクについて

 コンピュータ・システムの利用は、インターネット取引をはじめ、当社グループの業務遂行上必要不可欠なものとなっております。インターネット取引や当社グループが業務上使用するコンピュータ・システムが品質不良、外部からの不正アクセス等によって障害を起こした場合、障害の規模によっては当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社は、2018年11月の基幹システムの移行に際して、基幹システムの安全性や信頼性を検討し、現在、外部業者より共同利用型サービス(ASP型サービス)の提供を受けております。

また、IT業務(システム開発・運用等)における内部統制の有効性を証明する「監査基準18号報告書」を入手しております。

 

(7)情報セキュリティに係るリスクについて

 将来的に不測の事態により顧客情報を含む社内重要情報が社外に不正流出した場合、信用を失墜し当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、情報キュリティに関する必要な組織体制及び社内規程等を整備しており、安全な情報管理に努めております。また、サイバー攻撃など外部からの不正アクセスに備えて同業他社との情報交換や金融ISACに加入しサイバーセキュリティに関する情報を共有するなど情報資産の保護に努めております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概況

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。

なお、当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大による当連結会計年度の経営成績に与えた影響は、感染拡大が年度末近くであったため限定的であったと考えております。しかしながら、政府より緊急事態宣言が出された2020年4月以降、お客さまへの訪問自粛、店頭業務の休止、従業員の在宅勤務など新型コロナウイルスの感染拡大は当社グループの事業活動に影響を与えております。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化すれば経営成績に一定の影響を及ぼすと考えており、そのリスクを最小限にするための施策を検討しております。

 

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の当社グループの業績は、取引関係費、減価償却費を中心に販売費・一般管理費が減少し、当社の専用ファンドである中国株投資信託の販売好調による募集手数料が増加したものの、日本株、米国株、中国株の手数料が低調であったため、営業収益は96億97百万円(前連結会計年度比92.2%)、経常損失は11億48百万円(前連結会計年度は11億52百万円の経常損失)になりました。また、前連結会計年度の特殊要因である基幹システム移行費用7億25百万円の減少に加え、当連結会計年度の特殊要因である投資有価証券売却益6億17百万円等の特別利益の計上により、親会社株主に帰属する当期純損失は6億19百万円(前連結会計年度は24億78百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)になりました。

なお、主な内訳は以下のとおりであります。

イ 受入手数料

受入手数料の合計は67億81百万円(前連結会計年度比101.3%)になりました。科目別の概況は以下のとおりであります。

(委託手数料)

 当連結会計年度の東証一・二部の1日平均売買代金は2兆6,418億円(前連結会計年度比91.3%)になりました。当社の国内株式委託売買代金は6,202億円(前連結会計年度比74.1%)、外国株式委託売買代金は561億円(前連結会計年度比116.4%)になりました。その結果、当社グループの委託手数料は24億81百万円(前連結会計年度比88.6%)になりました。

(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)

 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は債券の引受高の増加等により47百万円(前連結会計年度比147.0%)になりました。

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

 主に証券投資信託の販売手数料で構成される募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は株式投資信託の募集金額が983億円(前連結会計年度比128.6%)に増加したため26億40百万円(前連結会計年度比126.9%)になりました。

(その他の受入手数料)

 証券投資信託の代行手数料が中心のその他の受入手数料は株式投資信託の預り資産の平均残高が2,001億円(前連結会計年度比96.0%)に減少したため、16億11百万円(前連結会計年度比90.5%)になりました。

ロ トレーディング損益

トレーディング損益は米国株の店頭取引売買代金の減少等により株券等が15億16百万円(前連結会計年度比61.5%)、外国債券取引の増加等により債券等が5億99百万円(前連結会計年度比144.3%)、中国株取引に係る為替手数料の減少等によりその他が4億11百万円(前連結会計年度比76.2%)で合計25億28百万円(前連結会計年度比73.9%)になりました。

ハ 金融収支

金融収益は信用取引収益の減少等により3億87百万円(前連結会計年度比96.6%)になりました。また、金融費用は支払利息の減少等により93百万円(前連結会計年度比99.9%)になりました。この結果、差引金融収支は2億94百万円(前連結会計年度比95.6%)になりました。

ニ 販売費・一般管理費

販売費・一般管理費は、2018年11月の基幹システムの移行に伴う旧基幹システムの減価償却が終了したこと等により減価償却費が4億45百万円(前連結会計年度比41.5%)、通信・運送費の減少等により取引関係費が14億31百万円(前連結会計年度比85.8%)となったため、合計で113億52百万円(前連結会計年度比92.1%)になりました。

ホ 営業外損益

営業外収益は数理計算上の差異償却の減少等により6億59百万円(前連結会計年度比79.0%)、営業外費用は固定資産除却損の減少等により60百万円(前連結会計年度比71.2%)で差引損益は5億99百万円(前連結会計年度比79.9%)になりました。

ヘ 特別損益

特別利益は投資有価証券売却益等により7億23百万円(前連結会計年度比189.5%)、特別損失は減損損失等により88百万円(前連結会計年度比8.1%)で差引損益は6億35百万円(前連結会計年度は6億95百万円の損失)になりました。

ト 資産の状況

資産合計は716億66百万円と前連結会計年度末に比べ6億51百万円の増加になりました。主な要因は、信用取引貸付金が21億55百万円減少したものの、現金・預金が35億86百万円増加したことによるものであります

チ 負債の状況

負債合計は365億7百万円と前連結会計年度末に比べ39億70百万円の増加になりました。主な要因は、信用取引借入金が15億27百万円減少したものの、その他の預り金が21億67百万円、有価証券貸借取引受入金が20億55百万円増加したことによるものであります。

リ 純資産の状況

純資産合計は351億58百万円と前連結会計年度末に比べ33億18百万円の減少になりました。主な要因は、利益剰余金が10億91百万円、その他有価証券評価差額金が8億27百万円減少したことによるものであります。

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は215億66百万円と前連結会計年度に比べ54億90百万円の増加になりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、立替金及び預り金の増減額40億44百万円(前連結会計年度比85億34百万円の増加)、有価証券担保借入金の増減額20億55百万円(前連結会計年度比24億19百万円の増加)、税金等調整前当期純損失△5億13百万円(前連結会計年度比13億33百万円の増加)、信用取引資産の増減額19億円(前連結会計年度比54億49百万円の減少)、顧客分別金信託の増減額△30億60百万円(前連結会計年度比52億40百万円の減少)等により42億71百万円(前連結会計年度比13億17百万円の増加)になりました

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出△20億41百万円(前連結会計年度比19億20百万円の増加)、長期前払費用の取得による支出△25百万円(前連結会計年度比15億51百万円の増加)、定期預金の払戻による収入38億90百万円(前連結会計年度比9億94百万円の増加)等により24億17百万円(前連結会計年度比48億41百万円の増加)になりました

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の純増減額△6億37百万円(前連結会計年度比6億93百万円の減少)、配当金の支払額△4億15百万円(前連結会計年度比4億11百万円の増加)等により△9億57百万円(前連結会計年度比1億84百万円の減少)になりました

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの主たる事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一の事業セグメントに属しており、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該業務の収益の実績等については、「①財政状態及び経営成績の状況」欄に含めて記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。当社グループは、特に重要な判断と見積りを伴う以下の会計方針が、連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼすと考えております。

イ 貸倒引当金

当社グループは、顧客との取引により発生する債権等の回収不能見込額について、貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。

なお、当連結会計年度末現在、貸倒引当金を2億9百万円計上しております。

ロ 有価証券の減損

当社グループは、持続的な成長及び企業価値向上の観点から、取引先との中長期的・安定的な取引関係の構築・維持もしくは強化または事業の円滑な推進に資する場合に、他社が発行する株式を政策保有株式として保有しております。政策保有株式については時価の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券評価損を計上しております。非上場株式については、時価を把握することが極めて困難であるため、発行会社の財政状態や将来性等、当社所定のルールに従い算定した額を時価とみなし、判定をしております。

なお、当連結会計年度は、保有株式の時価の下落等により6百万円の減損を計上しております。

ハ 固定資産の減損

当社グループは、固定資産の収益性が低下し、その固定資産に対して投資した金額が回収できないと認識した場合に、所定のルールに従い、回収可能な金額まで固定資産の帳簿価額を減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。固定資産の減損損失の測定に際して用いた回収可能価額は将来収支計画の見積りに基づいており、将来収支計画の見積りは新型コロナウイルス感染症拡大等の一定の影響を考慮して算定しております。

なお、当連結会計年度は、減損損失を79百万円計上しております。

ニ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得及び実現性の高い税務計画を検討し、回収可能性が高いと認められる金額について計上しております。ただし、回収可能性の判断に変更が生じた場合には、計上した繰延税金資産の全部または一部について取崩しを行い法人税等調整額を計上することとなります。繰延税金資産の算定に際して用いた将来の課税所得の算定の基礎となる収支計画の見積りにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大等の一定の影響を考慮して算定しております。

なお、当連結会計年度末現在、繰延税金資産を29百万円計上しております。

ホ 年金給付費用

当社は、確定給付企業年金制度及び確定拠出年金制度を設けております。

確定給付企業年金制度における従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、退職率、直近の統計数値に基づいて算出する死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。割引率は、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率により算出しており、長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の長期期待運用収益率に基づいて計算しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、その影響は退職給付に係る調整累計額として純資産を加減算することとなります。

なお、当連結会計年度は数理計算上の差異の有利差異償却が勤務費用及び利息費用を上回っていることから、営業外収益を98百万円計上しております。また、当連結会計年度末現在、退職給付に係る資産を13億51百万円計上しております。

 

 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループは、お客さま本位の業務運営を追求し、お客さま満足度の向上により顧客基盤を拡充することで、企業価値向上を図るビジネスモデルの確立を目指しております。このビジネスモデルの確立に向けて、当社グループは、国内株式や投資信託に加えて、中国株・米国株等の外国株をお客さまの中長期的な資産形成の選択肢の一つとしてポートフォリオへ組み入れることを提案しております。

しかしながら、当連結会計年度の当社グループの国内株、中国株の取引高は減少し、当社グループの委託手数料は24億81百万円と前連結会計年度に比べ3億17百万円減少し、米国株の店頭取引売買代金の減少等によりトレーディング損益は25億28百万円と前連結会計年度に比べ8億91百万円減少しました。

また、当社グループは、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。当該方針のもと、当連結会計年度は当社の専用ファンドである中国株投資信託の販売に注力し、投資信託の販売手数料は26億27百万円と前連結会計年度に比べ5億57百万円増加したものの、信託報酬(代行手数料)は14億10百万円と前連結会計年度に比べ54百万円減少しました。

販売費・一般管理費は2018年11月の基幹システムの移行に伴う旧基幹システムの減価償却が終了したこと等により減価償却費が減少したため、合計で113億52百万円となり、前連結会計年度に比べ9億69百万円減少しました。

この結果、当社グループの営業損失は17億47百万円(前連結会計年度の営業損失は19億1百万円)となりました。

ロ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの中核事業が金融商品取引業であることから、営業収益は国内外の金融商品取引市場の変動に大きく影響を受けるため、当社グループの経営成績は金融商品取引市場の環境により大きく変動する可能性があります。このため、当社グループは上記のとおり、預り資産の残高拡大を中心に、顧客基盤の拡充を通して得られる安定的な収益の確保を目指しております。

ハ 資金の財源及び流動性についての分析

当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが、立替金及び預り金の増加等により42億71百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが、定期預金の払戻による収入等により24億17百万円の収入、財務活動によるキャッシュ・フローが、自己株式の純増等により9億57百万円の支出となりました。

この結果、当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ54億90百万円増加し215億66百万円となり、十分に資金の財源及び流動性が確保されております。

また、不測の事態に備えるため、当社は取引銀行10行それぞれと当座貸越契約、取引銀行5行それぞれと貸出コミットメント契約を締結しており、連結子会社は取引銀行1行と当座貸越契約を締結しております。このほか、緊急時対応についてもコンティンジェンシープランを策定し、全社的な緊急時対応体制を構築しております。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。