(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、政府による経済財政政策等を背景に、緩やかに回復しております。しかし、円安に伴う物価上昇、欧州債務危機問題、中国をはじめとする新興国経済の減速等の懸念から、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
このような環境の中、当社グループの当第2四半期連結累計期間の営業収益は283億93百万円(前年同期比72億28百万円増)、経常利益は56億9百万円(前年同期比20億7百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は36億35百万円(前年同期比12億34百万円増)となりました。
報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
① 銀行関連事業
モンゴルの経済につきましては、大規模なインフラ整備事業等により経済成長が続いておりますが、中国の景気減速等の影響により、実質GDP(1-6月)は前年同期比で3.0%増加にとどまりました。インフレ率は中央銀行による物価安定策が行われ、前年同期比で7.3%増加となりました。
貿易収支は、大型鉱山開発に伴う銅の輸出量の増加や国内景気減速による輸入が減少したことにより黒字基調となり、財政収支は歳出の増加により財政赤字が拡大いたしました。また、通貨供給量は前年同期比で0.7%減少し、金融市場の流動性は逼迫傾向が続いております。
為替市場につきましては、外貨準備高は16億ドル台となり、前年同期比で27.9%増加しましたが、依然として低水準にあります。現地通貨(MNT)は米ドルに対して前年同期比で7.5%の下落となりました。一方で、円に対しては前年同期比で10.9%上昇いたしました。
モンゴルの銀行業界につきましては、銀行セクターの融資残高が前年同期比で2.9%減少いたしましたが、非正常債権は増加しました。
また、平成27年2月には、モンゴルにとって初めてとなる経済連携協定(EPA)が日本との間で締結され、日本・モンゴル両国間の更なる経済関係強化が期待されています。さらに、5月にはオユ・トルゴイ鉱山開発の再開の目途が立ち、大きな経済効果が見込まれております。
このような環境の中、ハーン銀行(Khan Bank LLC)につきましては、モンゴル経済を注視しつつ、慎重な姿勢で経営に臨んでまいりました。業績は順調に推移しており、預金残高(現地通貨ベース)は流動性の逼迫の影響により前年同期比5.0%減少となりましたが、融資残高は前年同期比5.2%増加、融資金利収入は前年同期比17.7%増加となりました。また、為替ヘッジを目的とするスワップ取引では評価益を計上いたしました。
さらに、Eバンキングのキャンペーン実施や24時間利用可能なATMの増設等、更なるサービス向上及び事業の拡大に取り組んでおります。
結果として、当第2四半期連結累計期間の営業収益は212億7百万円(前年同期比46億90百万円増)、営業利益は44億32百万円(前年同期比13億58百万円増)となりました。
(法人向け融資)
石炭価格の低迷や銅価格の下落、アパート価格指数の下落基調を考慮し、鉱山セクター及び建設・不動産関連セクターについて慎重に対応してまいりました。また、融資の質を高めるため、新規顧客の開拓より既存の優良顧客への融資に注力いたしました。結果として、法人向け融資の融資残高は前年同期比で7.0%減少いたしました。
(個人向け融資)
中央銀行の促進する低利の住宅ローンの提供により個人の住宅取得が促され、不動産や車両等の購買力が高まりました。結果として、個人向け融資の融資残高は前年同期比で13.2%増加いたしました。
(農牧業向け融資)
食肉価格の高騰に伴う家畜価格の上昇により遊牧民の所得及び消費意欲が向上し、また、国産野菜の需要の増加により農業従事者の規模拡張意欲も向上しております。結果として、農牧業向け融資の融資残高は前年同期比で40.8%増加いたしました。
また、当社の持分法適用関連会社であり、ロシアに本店を置くソリッド銀行(Solid Bank CJSC)の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
ロシアの経済につきましては、ウクライナ情勢の緊迫化、現地通貨ルーブルの為替動向、原油価格の推移や欧米諸国の経済制裁強化等によるロシア経済の低迷が懸念されています。
このような環境の中、ソリッド銀行(Solid Bank CJSC)につきましては、貸出審査及びリスク管理を大幅に厳格化し、貸出残高の増大を抑えましたが、一方で、引当金の積み増しや政策金利の引き上げによる金利費用が増加いたしました。また、各種手数料等の非金利収入の増大を図るため、貴金属取引や保証業務等のサービスの拡大に取り組んでおります。
② 証券関連事業
当第2四半期連結累計期間における国内株式市場は、堅調な値動きで始まり、6月下旬には日経平均株価は20,900円台に達し、平成12年のITバブル時の高値を上回る場面も見られました。しかし、中国株式市場の下落や、ギリシャ情勢の悪化等による世界経済の減速の影響もあり、8月下旬には日経平均株価の終値が18,000円を割り、6営業日続落となりました。また、米国の金融政策への先行き不透明感や、中国の景気悪化による日本経済への影響等が懸念され、期末にかけては不安定な展開となりました。このような結果、9月末の日経平均株価は17,388円15銭となりました。なお、当第2四半期連結累計期間における東証の売買代金は前年同期比で34.5%増加いたしました。
また、外国為替市場における対米ドルの円相場は、期初から5月上旬にかけて1ドル118円から120円台でこう着していましたが、5月下旬から円安ドル高が急速に進行し、6月初旬には平成14年6月以来の円安水準となる1ドル125円台後半に達しました。その後は1ドル122円から124円台のレンジで推移し、8月下旬にかけて円高ドル安となり、1ドル118円から120円台となりました。
このような環境の中、エイチ・エス証券株式会社につきましては、国内株式営業への取組み、ブラジルレアル建て債券を中心とした外貨建て債券の販売、米国株式を中心とした外国株式の販売に注力いたしました。さらに、NISA浸透に向けて、口座獲得を目的とした各種キャンペーンも継続して取り組んでまいりました。モバイル取引におきましては、スマートフォン株式取引アプリ「スマ株」の普及とサービスの更なる向上に努めてまいりました。引受業務におきましては、新規公開(IPO)6社の幹事参入や、2社の公開買付を実施いたしました。また、当第2四半期連結累計期間末における預り資産は3,401億24百万円(前年同期比420億25百万円増)となりました。
結果として、当第2四半期連結累計期間の営業収益は22億46百万円(前年同期比2億61百万円増)、営業利益は4億52百万円(前年同期比1億92百万円増)となりました。
(受入手数料)
当第2四半期連結累計期間の受入手数料は11億40百万円(前年同期比1億96百万円増)となりましたが、その内訳は以下のとおりであります。
委託手数料
委託手数料につきましては、7億83百万円(前年同期比1億40百万円増)となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料につきましては、11百万円(前年同期比6百万円増)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料につきましては、投資信託の販売、公募株式の募集手数料により1億50百万円(前年同期比23百万円減)となりました。
その他の受入手数料
主に投資信託事務代行手数料と投資銀行業務に係る手数料で構成されるその他の受入手数料は1億94百万円(前年同期比72百万円増)となりました。
(トレーディング損益)
当第2四半期連結累計期間のトレーディング損益につきましては、株券等は2億73百万円(前年同期比7百万円増)、債券・為替等は4億85百万円(前年同期比75百万円増)となり、合計で7億58百万円(前年同期比82百万円増)となりました。
(金融収支)
当第2四半期連結累計期間の金融収益は3億48百万円(前年同期比17百万円減)、金融費用は84百万円(前年同期比6百万円増)となり、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は2億63百万円(前年同期比24百万円減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は17億9百万円(前年同期比61百万円増)となりました。
③ 債権管理回収関連事業
サービサー業界につきましては、地域金融機関において実施されるバルクセールは、案件数及び債権額ともに増加傾向となっております。サービサー間での債権買取の落札価格の高止まりは続いておりますが、バルクセールの件数は徐々に活発化の傾向にあります。
このような環境の中、エイチ・エス債権回収株式会社につきましては、積極的な営業展開を継続し、取引先金融機関件数は順調に増加しております。また、法務省よりリース物件等の引揚げ処分に関する業務の兼業承認を受けたことにより、更なる収益構造の多様化が見込まれます。
営業収益につきましては、債権者から管理回収を受託する「受託型サービサー」から、金融機関等の債権者から債権を直接買取る「買取型サービサー」への事業形態の転換が概ね完了し、買取債権の回収は担保付債権、無担保・無剰余債権ともに好調となっております。
結果として、当第2四半期連結累計期間の営業収益は7億41百万円(前年同期比1億85百万円増)、営業利益は89百万円(前年同期比57百万円増)となりました。
④ 不動産関連事業
不動産業界につきましては、首都圏における分譲マンション市場では、好不調の目安とされる契約率70%を割り込む時期が見られたものの、概ね順調に推移しており、底堅い需要が見られます。また、収益不動産市場では、オフィスビルの平均空室率は低下傾向、平均賃料は上昇傾向にあります。一方で、建築費が高止まりの状況と見られるものの、都市部を中心に地価は引き続き上昇基調にあり、今後の市場の動向については予断を許さない状況となっております。
このような環境の中、株式会社アスコットにつきましては、自社開発の分譲マンション「アスコットパーク東京リバーサイド」(販売戸数全18戸)の引渡、また、不動産開発事業7物件及び不動産ソリューション事業3物件を売却いたしました。仕入状況につきましては、不動産開発事業7物件、不動産ソリューション事業5物件を取得するなど、将来収益源となる物件の取得を積極的に行っております。
結果として、当第2四半期連結累計期間の営業収益は42億13百万円(前年同期比21億4百万円増)、営業利益は4億30百万円(前年同期比2億82百万円増)となりました。
⑤ その他事業
その他事業の当第2四半期連結累計期間の営業収益は3億91百万円(前年同期比10百万円減)、営業利益は2億45百万円(前年同期比26百万円減)となりました。
⑥ 持分法による投資損益
エイチ・エス損害保険株式会社をはじめとする当社の持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
海外旅行業界につきましては、訪日外国人の国内旅行の増加が続く一方で、MERS(中東呼吸器症候群)等による海外情勢への影響で、海外旅行者数の回復が遅れています。
このような環境の中、エイチ・エス損害保険株式会社につきましては、主力商品である一般の海外旅行保険の契約件数、保険料ともに前年同期比で減少となりました。ネット海外旅行保険については、契約件数、保険料ともに順調に推移しましたが、一般の海外旅行保険の不振分を補うには至りませんでした。
株式会社外為どっとコムにつきましては、外国為替市場のボラティリティ(価格の変動率)の拡大等により取引量が増加した結果、当第2四半期連結累計期間の業績は前年同期比で大幅な増収増益となりました。一方で、ソリッド銀行(Solid Bank CJSC)の当第2四半期連結累計期間の業績は前年同期比で悪化いたしました。
なお、九州産業交通ホールディングス株式会社につきましては、当社が保有する同社株式の譲渡に伴い、同社は第1四半期連結会計期間より当社の持分法適用関連会社から除外されたため、同社の業績は持分法による投資損益に反映されなくなりました。
結果として、当第2四半期連結累計期間の持分法による投資利益は1億37百万円(前年同期比32百万円増)となりました。
(2) 財政状態の分析
① 資産
当第2四半期連結会計期間末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて157億98百万円減少し、3,787億97百万円になりました。これは主に、「現金及び預金」が88億36百万円及び「信用取引資産」が33億46百万円増加し、一方では「買現先勘定」が128億68百万円及び「有価証券」が95億34百万円減少したことによるものであります。
② 負債
負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて192億8百万円減少し、3,199億19百万円になりました。これは主に、「1年内返済予定の長期借入金」が41億62百万円及び「信用取引負債」が15億45百万円増加し、一方では「預金」が237億29百万円及び「預り金」が11億24百万円減少したことによるものであります。
③ 純資産
純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて34億10百万円増加し、588億78百万円になりました。これは主に、「利益剰余金」が28億58百万円及び「非支配株主持分」が18億24百万円増加し、一方では「その他有価証券評価差額金」が7億3百万円が減少したこと、また、自己株式の取得に伴い「自己株式」が3億90百万円増加したことによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期比で30億円増加し、583億52百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは196億38百万円の資金減少(前年同期比14億2百万円増)となりました。主な要因としては、「税金等調整前四半期純利益」63億70百万円の資金が増加した一方、「預金の純増減(△)」199億16百万円、「債券の純増(△)減」62億5百万円の資金の減少があったことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは6億24百万円の資金減少(前年同期比40億37百万円増)となりました。主な要因としては、「関係会社株式の売却による収入」39億17百万円及び「投資有価証券の売却及び償還による収入」33億9百万円の資金が増加した一方、「投資有価証券の取得による支出」39億4百万円、「有形固定資産の取得による支出」23億77百万円及び「定期預金の増減額(△は増加)」10億78百万円の資金の減少があったことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは25億46百万円の資金増加(前年同期比37億64百万円増)となりました。主な要因としては、「長期借入れによる収入」211億76百万円の資金が増加した一方、「長期借入金の返済による支出」176億42百万円の資金の減少があったことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。