第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

 当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済財政政策等を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかし、マイナス金利の導入や為替の変動、中国をはじめとする新興国経済の減速、欧州や中東情勢の不安定化等の懸念から、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は552億70百万円(前連結会計年度比99億41百万円増)、経常利益は99億57百万円(前連結会計年度比50百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は67億1百万円(前連結会計年度比1億74百万円増)となりました。

 

報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。

 

① 銀行関連事業

 モンゴルの経済につきましては、大規模なインフラ整備事業等により経済成長が続いておりますが、中国の景気減速等の影響により、実質GDP(1-12月)は前連結会計年度比で2.3%増加に留まりました。インフレ率は前連結会計年度比で1.9%増加となりました。

 貿易収支は大型鉱山開発に伴う銅の輸出量の増加や国内景気減速により輸入が減少したことで、貿易黒字が増加傾向となりました。一方で、財政収支は歳入の減少に加えて歳出の増加により、財政赤字が拡大しております。また、通貨供給量は前連結会計年度比で5.5%減少し、金融市場の流動性は逼迫傾向が続いております。

 外貨準備高は13億ドル台となり、前連結会計年度比で19.8%減少し、依然として低水準に留まりました。為替市場につきましては、現地通貨(MNT)は米ドルに対して前連結会計年度比で5.7%の下落となり、円に対しては前連結会計年度比5.0%の下落となりました。

 モンゴルの銀行業界につきましては、銀行セクターの融資残高が前連結会計年度比で6.5%減少いたしましたが、非正常債権は増加しました。

 また、平成27年2月には、モンゴルにとって初めてとなる経済連携協定(EPA)が日本との間で締結され、日本・モンゴル両国間の更なる経済関係強化が期待されています。さらに、オユ・トルゴイ鉱山開発の再開予定により、大きな経済効果が見込まれております。

 このような環境の中、ハーン銀行(Khan Bank LLC)につきましては、モンゴル経済を注視しつつ、慎重な姿勢で経営に臨み、業績は順調に推移しております。預金残高(現地通貨ベース)は定期預金の増加等により前連結会計年度比9.5%増加、融資残高は前連結会計年度比2.0%減少、資金運用収益は前連結会計年度比16.4%増加となりました。また、為替ヘッジを目的とするスワップ取引では評価益を計上いたしました。さらに、Eバンキングのキャンペーン実施や24時間利用可能なATMの増設等、積極的にサービス向上及び事業の拡大を行っております。

 結果として、当連結会計年度の営業収益は426億5百万円(前連結会計年度比69億41百万円増)、営業利益は83億97百万円(前連結会計年度比5億13百万円増)となりました

 

(法人向け融資)

 石炭や銅の価格の低迷やアパート価格指数の下落基調を考慮し、鉱山セクター及び建設・不動産関連セクターについて慎重に対応してまいりました。また、融資の質を保つため、新規顧客の開拓を控え、既存の優良顧客への融資に注力いたしました。

 結果として、法人向け融資の融資残高は前連結会計年度比で2.1%減少いたしました。

 

(個人向け融資)

 中央銀行の促進する低利の住宅ローンの提供により個人の住宅取得が促されましたが、一方で、ハーン銀行が保有する住宅ローンの一部をモンゴル住宅公社(MIK)に売却したため、融資残高は減少いたしました。なお、一部の銀行では個人向け融資の実行を抑えているため、その顧客の流入が生じています。

 結果として、個人向け融資の融資残高は前連結会計年度比で0.2%減少いたしました。

 

(農牧業向け融資)

 食肉価格の高騰に伴う家畜価格の上昇により遊牧民の所得及び消費意欲が向上しました。また、国産農産品の需要増加により、大型農機具を使った農業経営への意欲も向上しております。

 結果として、農牧業向け融資の融資残高は前連結会計年度比で14.3%増加いたしました。

 

 また、当社の持分法適用関連会社であり、ロシアに本店を置くソリッド銀行(JSC Solid Bank)の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 ロシアの経済につきましては、原油価格及び現地通貨(ルーブル)の下落、欧州や中東情勢の不安定化等の影響により、平成27年初めから低迷が続いており、実質GDP(1-12月)は前連結会計年度比で3.7%減少となりました

 このような環境の中、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)につきましては、貸出審査及びリスク管理の大幅な厳格化を行いました。また、貸出残高の増大を抑えたものの、貸出先の財務状態の悪化により引当金の積み増しが継続しているため、不良債権の回収や担保処理にも取り組んでおります。さらに、各種手数料等の非金利収入の増大を図るため、クレジットリスクの低い保証業務や貴金属取引等のサービス拡大に努めてまいりました。また、コスト削減に向けた預金金利の抑制や支店ネットワークの合理化、適正人員の見直しを行っております。

 今後につきましても、ルーブルの為替動向や原油価格の推移、国際情勢の緊迫化等、ロシア経済の低迷が懸念されています。

 

② 証券関連事業

 当連結会計年度における国内株式市場は、堅調な値動きで始まり、6月下旬には日経平均株価は20,900円台に達し、平成12年のITバブル時の高値を上回る場面も見られました。しかし、中国株式市場の下落やギリシャ情勢の悪化等による世界経済の減速の影響もあり、8月下旬には日経平均株価の終値が18,000円を割り、6営業日続落となりました。その後は11月に大型の新規上場株が堅調に推移したこともあり、株価は一時20,000円台を回復する場面も見られましたが、原油価格の下落等により、2月上旬には一時15,000円を割り込む展開となりました。このような結果、3月末の日経平均株価は16,758円67銭で取引を終えました。なお、当連結会計年度における東証の売買代金は前連結会計年度比で15.3%増加いたしました。

 外国為替市場における対米ドルの円相場は、期初から5月上旬にかけて1ドル118円から120円台でこう着していましたが、5月下旬から円安ドル高が急速に進行し、6月初旬には平成14年6月以来の円安水準となる1ドル125円台後半に達しました。その後は1ドル122円から124円台のレンジで推移しましたが、年末にかけて不安定な展開となり、1月上旬からは117円から119円台で推移し、3月末には112円台となりました。

 このような環境の中、エイチ・エス証券株式会社につきましては、国内株式営業への取組み、外貨建て債券の販売、米国株式を中心とした外国株式の販売に注力いたしました。また、NISA浸透に向けて、口座獲得を目的とした各種キャンペーンも継続して取り組んでまいりました。インターネット取引におきましては、スマートフォン株式取引アプリ「スマ株」の普及と利便性の向上に努めてまいりました。引受業務におきましては、新規公開(IPO)11社の幹事(うち主幹事1件)に参入した他、2社の公開買付を実施いたしました。また、当連結会計年度末における預り資産は、株式市場の下落により3,226億69百万円(前連結会計年度比425億35百万円減)となりました。

 結果として、当連結会計年度の営業収益は40億25百万円(前連結会計年度比6億19百万円減)、営業利益は5億75百万円(前連結会計年度比5億93百万円減)となりました。

 

(受入手数料)

 当連結会計年度の受入手数料は20億12百万円(前連結会計年度比1億19百万円減)となりましたが、その内訳は以下のとおりであります。

委託手数料

 委託手数料につきましては、14億63百万円(前連結会計年度比47百万円増)となりました。

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料につきましては、43百万円(前連結会計年度比69百万円減)となりました。

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料につきましては、投資信託の販売、公募株式の募集手数料により1億94百万円(前連結会計年度比1億50百万円減)となりました。

その他の受入手数料

 主に投資信託事務代行手数料と投資銀行業務に係る手数料で構成されるその他の受入手数料は3億11百万円(前連結会計年度比52百万円増)となりました。

 

(トレーディング損益)

 当連結会計年度のトレーディング損益につきましては、株券等は4億20百万円(前連結会計年度比4億36百万円減)、債券・為替等は8億49百万円(前連結会計年度比21百万円減)となり、合計で12億69百万円(前連結会計年度比4億57百万円減)となりました。

 

(金融収支)

 当連結会計年度の金融収益は7億43百万円(前連結会計年度比41百万円減)、金融費用は1億51百万円(前連結会計年度比4百万円増)となり、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は5億91百万円(前連結会計年度比45百万円減)となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は32億98百万円(前連結会計年度比29百万円減)となりました。

 

③ 債権管理回収関連事業

 サービサー業界につきましては、地域金融機関において実施されるバルクセールは、サービサー間での激しい買取り競争による債権買取の落札価格の高止まりが続いている状況となっております。

 このような環境の中、エイチ・エス債権回収株式会社につきましては、積極的な営業展開が奏功したことにより、債権者から管理回収を受託する「受託型サービサー」から、金融機関等の債権者から債権を直接買取る「買取型サービサー」への事業形態の転換が概ね完了いたしました。

 これにより取引先金融機関の件数が増加となり、買取債権残高は当連結会計年度末では21億16百万円(前連結会計年度比5億9百万円増)となりました。また、買取債権回収高におきましても、平成27年3月期に取得した地方銀行等の不動産担保付債権や無担保債権からの回収が進捗したことにより、12億18百万円(前連結会計年度比3億77百万円増)となりました。

 結果として、当連結会計年度の営業収益は17億77百万円(前連結会計年度比3億40百万円増)、営業利益は1億34百万円(前連結会計年度比59百万円増)となりました。

 

④ 不動産関連事業

 不動産業界につきましては、首都圏における分譲マンション市場では、契約率が好不調の目安とされる70%を超える水準で推移しておりましたが、70%を割り込む月も見られました。また、収益不動産市場では、東京都心5区におけるオフィスビルの平均空室率は低下傾向、平均賃料の緩やかな上昇傾向が続いておりましたが、3月に平均空室率が上昇するなど、今後の不動産業界を取り巻く市場の動向には注意が必要な状況となっております。

 このような環境の中、株式会社アスコットにつきましては、自社開発の分譲マンション「アスコットパーク東京リバーサイド」(販売戸数全18戸)の引渡を始めとした、不動産開発事業15物件及び不動産ソリューション事業6物件を売却いたしました。また、仕入状況につきましては、不動産開発事業13物件及び不動産ソリューション事業5物件を取得するなど、将来収益源となる物件の取得を着実に行っております。

 結果として、当連結会計年度の営業収益は69億22百万円(前連結会計年度比33億37百万円増)、営業利益は6億10百万円(前連結会計年度比4億12百万円増)となりました。

 

⑤ その他事業

 その他事業の当連結会計年度の営業収益は4億82百万円(前連結会計年度比28百万円減)、営業利益は2億2百万円(前連結会計年度比70百万円減)となりました。

 

⑥ 持分法による投資損益

 エイチ・エス損害保険株式会社をはじめとする当社の持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 海外旅行業界につきましては、訪日外国人の国内旅行の増加が好調に推移する一方、海外におけるテロ等の影響は大きく、海外旅行者数の回復が遅れました。また、昭和45年以来、45年ぶりに訪日外国人数が出国日本人数を上回りました。

 このような環境の中、エイチ・エス損害保険株式会社につきましては、主力商品である一般の海外旅行保険の契約件数、保険料ともに前連結会計年度比で減少となりました。ネット海外旅行保険と国内旅行保険については増収となりましたが、一般の海外旅行保険の不振分を補うには至りませんでした。さらに、保険金支払額は微増ながら、海外の治療費用保険金で、円安の影響を受けました。結果として、当連結会計年度の業績は前連結会計年度比で減益となりました。

 また、株式会社外為どっとコムにつきましては、外国為替市場のボラティリティ(価格の変動率)の拡大等により取引量が増加した結果、大幅な増収増益となりました。一方で、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)の当連結会計年度の業績は前連結会計年度比で悪化いたしました。

 なお、九州産業交通ホールディングス株式会社につきましては、当社が保有する同社株式の譲渡に伴い、同社
は第1四半期連結会計期間より当社の持分法適用関連会社から除外されたため、同社の業績は持分法による投資
損益に反映されなくなりました。

 結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は3億62百万円(前連結会計年度比2億64百万円減)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 該当事項はありません。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。

 金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。

 投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。

業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。

 今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。

 

4【事業等のリスク】

① 各事業固有のリスクについて

 当社グループは、独自の金融コングロマリット構想のもと、銀行業、証券業、債権管理回収業、不動産業、損害保険業、外国為替保証金取引業、ベンチャーキャピタル業等の多岐にわたる事業を展開しているため、各事業における固有のリスク要因が存在します。

 

a)銀行業

 当社子会社のハーン銀行(Khan Bank LLC)はモンゴル国において、また、当社の持分法適用関連会社であるソリッド銀行(JSC Solid Bank)はロシア連邦において銀行業を展開しております。

1)金利・為替相場等の変動による影響について

 ハーン銀行はモンゴル国内において、ソリッド銀行はロシア国内において、主に現地通貨建てで業務を行っているため、以下に挙げる金利、社会・政治情勢の影響を受ける可能性があります。

(金利リスクについて)

 モンゴル又はロシア(以下、「当該国」という。)の金利が大きく変動する場合、ハーン銀行又はソリッド銀行(以下、「両行」という。)の顧客に対する貸出金利の低下、顧客からの預金に対する利払いの増加等により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

(為替リスクについて)

 両行は当該国において現地通貨建てで業務を行っております。そのため、為替相場の動向次第では、両行の業績の如何にかかわらず当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

(カントリーリスクについて)

 モンゴル国は大規模な鉱山開発等による経済成長が予想されています。また、ソリッド銀行が本店を置くロシア連邦の極東地域は、豊富な天然資源を有しており、開発による更なる発展が期待されます。しかしながら、今後、当該国における政治・社会情勢の混乱、税務及び規制等環境の変化等により当該国の経済情勢が悪化した場合には、両行における貸倒れの増加や貸倒引当金の積み増し等により、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

2)法規制について

 両行は、当該国に設立されている銀行であるため、当該国政府の金融、経済政策や関係する法令規則等の変更により、両行あるいは当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 また、両行は当該国の中央銀行による規制・監督下に置かれているため、今後当該規制が変更された場合、規制に対応するためにコスト増から当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

b)証券業

 当社子会社のエイチ・エス証券株式会社は、証券業を展開しております。

1)証券市場の変動による影響について

 株式市場において相場の低迷、取引の停滞・減少があった場合には、当社証券子会社の顧客数又は一人当たり取引高は停滞・減少する事態が想定され、株式売買手数料の減少等により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

2)法規制について

 同社においては、トップマネジメントの監督の下、内部管理統括責任者、コンプライアンス統括部等が連携し、法令遵守のための内部管理組織の整備、コンプライアンスマニュアルの周知徹底を図っております。しかしながら、今後何らかの理由により行政上の指導、勧告を受けた場合には、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 金融商品取引法及び関係法令は、証券会社に対して自己資本規制比率を一定以上維持することを義務付けております。同社における平成28年3月31日現在の自己資本規制比率は460.9%であり、余裕をもって経営に当たっておりますが、今後何らかの理由により当該比率が120%を下回った場合には、監督官庁の指導、命令等を通して当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 また、証券会社は、金融商品取引法及び関係法令、金融商品販売法等の消費者保護に関する法令、市場秩序に関する法令等、幅広い規制を受けており、これらの規制が変更された場合、規制に対応するためのコスト増から当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

3)競合について

 近年、インターネット証券会社を中心に手数料・サービス競争は過熱しており、今後の他社動向によっては、商品提供や新サービスの提供を含み、より厳しい競争も想定されます。その場合、新たな商品を開発する費用、新システムを導入する費用、販売促進費、情報通信設備への投資等のコスト増により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

4)個別業務について

(信用取引について)

 信用取引については、株式市場の変動に起因して、顧客が損失を被った場合又は代用有価証券の評価額が下落した場合、受け入れている担保が十分でなくなる可能性があります。リスク管理は徹底しておりますが、顧客からの信用貸付金の回収が想定以上に滞る場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

(トレーディングについて)

 トレーディング部門においては、運用ルールに従い、ポジションの評価損益を日次で内部管理統括責任者に報告するとともに、取引内容に関してリスク管理部署からの牽制も受けております。しかしながら、株式市場において想定外の価格変動があった場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

(主幹事業務について)

 主幹事業務において、同社が主幹事証券会社を務める企業が新規上場する過程あるいは上場後に社会的評価が低下するような事態を招いた場合には、その主幹事証券会社である同社の評価にも影響を与える可能性があります。その場合、主幹事業務の推進に支障をきたすことに加えて、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

(外国株式及び外債について)

 外国株式及び外債の取扱いにおいては、当該国における法令等の改廃や政治、経済情勢の急激な変動等による不測の事態が生じた場合、取引の停止等の支障をきたし、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

c)債権管理回収業

 当社子会社のエイチ・エス債権回収株式会社は、債権管理回収業を展開しております。

1)法規制について

 債権管理回収業は、「債権管理回収業に関する特別措置法」に基づき、法務大臣の許可を受けた株式会社が営むことができます。同法により、弁護士の取締役への起用、資本金の額、取扱業務の範囲、行為規制及び行政当局による監査等の様々な制約を受けております。今後、法令規制等の変更があった場合や、何らかの理由により行政上の処分を受けた場合は、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

2)不良債権処理の動向について

 同社では、金融機関、ノンバンク、投資ファンド等からの債権回収の受託、譲受債権の回収等の債権管理回収業を展開しております。金融機関等による不良債権処理が鈍化した場合、債権回収の受託、債権の譲受及びその債権の回収が減少し、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

d)不動産業

 当社子会社の株式会社アスコットは、分譲マンションの開発等の不動産業を展開しております。

1)法規制について

 建築基準法、国土利用計画法、都市計画法、宅地建物取引業法等、建築や不動産に関わる法令及び各自治体で定める建築に関する条例等の法的規制について、これらの法令規制の改廃、変更及び新法の制定等により、事業計画の見直し等の事態が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

2)不動産市況の動向について

 景気動向、金利動向、地価動向、不動産販売価格動向、不動産税制等の影響を受けやすいため、大幅な金利の上昇等、諸情勢に変化があった場合には、用地仕入、販売価格や販売スケジュール及びたな卸資産評価損の計上等、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

3)不動産の欠陥、瑕疵について

 不動産には、権利、地盤、地質、構造等に関して欠陥、瑕疵等が存在している可能性があります。品質チェックを行って事業を推進しておりますが、欠陥、瑕疵等の状態によっては、資産価値の低下を防ぐために、予定外の費用を負担せざるを得ない場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

4)設計並びに工事について

 開発プロジェクトは、設計並びに建築工事等を設計事務所並びに建設会社等に発注しております。設計会社並びに建設会社の選定から工程の進捗に至るまで、入念に外注先管理をしておりますが、外注先の倒産や工事中の事故等が発生した場合、工事の遅延、中止、建築費用の上昇等により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

e)損害保険業

 当社の持分法適用関連会社であるエイチ・エス損害保険株式会社は、損害保険業を展開しております。

1)法規制について

 保険業法をはじめとする法令規制等の改廃、変更等により収入の減少又は費用の増加等が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

2)保険引受リスクについて

 外部環境の変化(テロ、感染症、自然災害、巨大事故等)による事故の増加や保険約款の不備等により、損害率が保険料設定時の予測を超えた場合、支払保険金の増加や再保険料の高騰等の事象が生じ、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

3)海外旅行保険への依存について

 同社の中核商品は海外旅行保険であり、収益の大半を占めております。このため、外部環境の変化や外交関係の悪化等により海外旅行者が減少した場合、又は同業他社の規模拡大や異業種からの新規参入等により海外旅行保険業界の競争が激化した場合は、保険料収入の減少及び費用の増加が生じ、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

f)外国為替保証金取引業

 当社の持分法適用関連会社である株式会社外為どっとコムは、外国為替保証金取引業を展開しております。

1)法規制について

 外国為替保証金取引は金融商品取引法をはじめとする関係法令等の規制を受けており、レバレッジ規制強化等の法令の改正により収入の減少又は費用の増加が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

2)外国為替市場の変動による影響について

 外国為替市場の変動状況の影響により取引量が停滞・減少し、手数料収入の減少等が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

3)競合について

 同社は、口座数及び預り資産において国内最大級の水準を有しておりますが、外国為替保証金取引業界は、サービス、手数料及びスプレッド等の競争が激化しております。競争激化の影響により収入の減少又は費用の増加が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

g)その他の事業

 上記事業の他、ベンチャーキャピタル業や少額短期保険業等、当社の連結子会社及び持分法適用関連会社が展開する事業において、法令規制等の変更、競争の激化等の事業環境の変化により収入の減少又は費用の増加等が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社は自己投資業務(プリンシパル投資業務)の一環として企業の育成、再生及び発展に取り組んでおります。当社は、対象会社の再生、企業価値向上へと取り組んでおりますが、対象会社の再生が計画通り進まない場合、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② グループの拡大・再編について

 当社は、当社グループの更なる発展を目指し、新規参入やM&Aを含む当社グループの拡大及び再編を継続的に検討、実施しております。今後も当社グループの拡大及び再編を行ってまいりますが、これらを実施した影響により当社が予め想定しなかった結果が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ オペレーショナルリスクについて

a)システムについて

 当社グループでは、各事業分野において業務を運営するために基幹システムをはじめとした様々なコンピュータシステムを利用しています。また、当社グループでは、証券取引及び外国為替保証金取引において、コンピュータシステムにより顧客からのインターネットによる取引の受注や取引の執行・決済に関するデータ処理を行っており、銀行業や損害保険業等においても、インターネットを通じて顧客にサービスを提供しております。各種システムにつきましては、定期的なメンテナンスやバックアップシステムの確保等、システムの安定的な稼働を維持するため万全を期しておりますが、今後予期せぬシステム障害が起こった場合、さらにシステム障害に伴う訴訟又は行政処分等を受けた場合には、当該事業に重大な支障が生じ、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

b)事務について

 当社グループのすべての業務には事務リスクが存在し、役職員等が事務に関する社内規程・手続等により定められたとおりの事務処理を怠る、あるいは事故、不正等を起こす可能性があります。これらの事象により業務に支障をきたした場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 個人情報保護について

 当社グループの各事業分野における顧客情報の管理については、各社厳重な管理を行っておりますが、想定していなかった経路より外部に情報が流出した際には、金融グループとしての信用に悪影響を及ぼし、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 自然災害等について

 地震、火災、大雨等の自然災害や、戦争、暴動、テロ等により人的被害又は物的被害が生じた場合、また、これらの自然災害等に起因する事象により、当社グループの業務の遂行に支障が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 有能な人材の確保について

 当社グループは、独自の総合金融コングロマリット構想の下、幅広い分野で高い専門性を必要とする業務を行っておりますので、各分野において有能で熟練した人材が必要とされます。このため、必要な人材の積極的な採用や継続的な研修を行うこと等により、経費が増加する可能性があります。また、有能な人材の採用及び定着を図ることができなかった場合には、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 訴訟について

 当社グループは、各事業分野において事業運営に関する訴訟リスクが存在し、また、訴訟の発生を予測することは困難です。訴訟が発生した場合、訴訟対応に関する費用の増大、不利な判決による賠償金の支払い及び社会的信用の低下等により当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 主要株主について

 現在、当社代表取締役社長である澤田秀雄個人が大株主となっており、澤田個人及び関連企業において実質的に29%を保有しておりますので、当社株主総会の承認を要する事項(取締役・監査役の選任・解任、配当実施等)全てに大きな影響力を持っております。

 

 なお、上記の記載のうち、将来に関する事項は、別段の記載がない限り本書提出日現在において当社が判断したものに限られており、全てのリスク要因を網羅するものではありません。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は3,724億46百万円(前連結会計年度比221億49百万円減)となりました。

 流動資産は、買現先勘定が18億19百万円(前連結会計年度比122億65百万円減)、貸出金が1,806億12百万円(前連結会計年度比97億34百万円減)となり、流動資産合計は3,199億19百万円(前連結会計年度比302億65百万円減)となりました。

 固定資産は、投資有価証券が301億59百万円(前連結会計年度比94億32百万円増)、関係会社株式が91億88百万円(前連結会計年度比36億66百万円減)となり、固定資産合計は525億27百万円(前連結会計年度比81億15百万円増)となりました。

 

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は3,105億70百万円(前連結会計年度比285億57百万円減)となりました。

 流動負債は、預金が1,767億47百万円(前連結会計年度比287億33百万円減)、1年内返済予定の長期借入金が337億55百万円(前連結会計年度比19億70百万円減)、信用取引負債124億39百万円(前連結会計年度比14億62百万円減)となり、流動負債合計は2,520億48百万円(前連結会計年度比342億86百万円減)となりました。

 固定負債は、長期借入金が566億10百万円(前連結会計年度比67億85百万円増)となり、固定負債合計は584億42百万円(前連結会計年度比57億28百万円増)となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度の純資産合計は618億76百万円(前連結会計年度比64億8百万円増)となりました。

 利益剰余金が296億53百万円(前連結会計年度比59億25百万円増)、非支配株主持分が154億99百万円(前連結会計年度比31億18百万円増)、その他有価証券評価差額金13億48百万円(前連結会計年度比11億75百万円減)となりました。

 

(2) 経営成績の分析

(営業収益)

 当連結会計年度の営業収益は552億70百万円(前連結会計年度比99億41百万円増)となりました。営業収益が増加した主な要因は、銀行関連事業における収益の増加によるものであり、資金運用収益は382億61百万円(前連結会計年度比60億円増)となりました。また、不動産関連事業における物件売却の増加等により、売上高は87億54百万円(前連結会計年度比36億76百万円増)となりました。

(営業利益)

 純営業収益は278億49百万円(前連結会計年度比39億30百万円増)、販売費及び一般管理費は178億82百万円(前連結会計年度比33億77百万円増)となり、当連結会計年度の営業利益は99億67百万円(前連結会計年度比5億52百万円増)となりました。

 

(経常利益)

 持分法による投資利益は3億62百万円(前連結会計年度比2億64百万円減)、為替差損は3億44百万円(前連結会計年度比2億77百万円増)となり、当連結会計年度の経常利益は99億57百万円(前連結会計年度比50百万円増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 投資有価証券売却益は13億55百万円(前連結会計年度比64百万円減)、非支配株主に帰属する当期純利益は36億62百万円(前連結会計年度比5億66百万円増)となり、結果として、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は67億1百万円(前連結会計年度比1億74百万円増)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて304億49百万円減少し、469億14百万円となりました。

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、167億36百万円の資金減少(前連結会計年度比74億25百万円の減少)となりました。主に、「税金等調整前当期純利益」111億65百万円の資金増加要因があった一方、「預金の純増減」192億1百万円及び「債券の純増減」90億52百万円の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、150億41百万円の資金減少(前連結会計年度比60億52百万円の減少)となりました。主に、「関係会社株式の売却による収入」39億17百万円及び「投資有価証券の売却及び償還による収入」38億43百万円の資金増加要因があった一方、「投資有価証券の取得による支出」183億31百万円及び「有形固定資産の取得による支出」39億85百万円の資金の減少要因があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、42億27百万円の資金増加(前連結会計年度比79百万円の増加)となりました。主に、「長期借入れによる収入」326億3百万円の資金増加要因があった一方、「長期借入金の返済による支出」269億7百万円の資金の減少要因があったことによるものであります。