第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、政府による経済財政政策等を背景に、緩やかに景気回復の兆しが見られました。しかし、円安による物価上昇、中国をはじめとする新興国経済の減速、欧州や中東情勢の不安定化等の懸念から、先行きは依然として不透明な状況となっております。

 このような環境の中、当社グループの当第3四半期連結累計期間の営業収益は427億20百万円(前年同期比98億29百万円増)、経常利益は83億82百万円(前年同期比17億33百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は56億8百万円(前年同期比8億52百万円増)となりました。

 

 報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。

 

① 銀行関連事業

 モンゴルの経済につきましては、大規模なインフラ整備事業等により経済成長が続いておりますが、中国の景気減速等の影響により、実質GDP(1-9月)は前年同期比で2.5%増加に留まりました。インフレ率は前年同期比で4.9%増加となりました。

 貿易収支は大型鉱山開発に伴う銅の輸出量の増加や国内景気減速により輸入が減少したことで黒字基調となり、財政収支は歳入の減少に加えて歳出の増加により財政赤字が拡大いたしました。また、通貨供給量は前年同期比で1.3%減少し、金融市場の流動性は逼迫傾向が続いております。

 外貨準備高は14億ドル台となり、前年同期比で8.4%減少し、依然として低水準に留まりました。為替市場につきましては、現地通貨(MNT)は米ドルに対して前年同期比で8.5%の下落となりました。一方で、円に対しては前年同期比で1.2%上昇いたしました。

 モンゴルの銀行業界につきましては、銀行セクターの融資残高が前年同期比で5.3%減少いたしましたが、非正常債権は増加しました。

 また、平成27年2月には、モンゴルにとって初めてとなる経済連携協定(EPA)が日本との間で締結され、日本・モンゴル両国間の更なる経済関係強化が期待されています。さらに、5月にはオユ・トルゴイ鉱山開発の再開の目途が立ち、大きな経済効果が見込まれております。

 このような環境の中、ハーン銀行(Khan Bank LLC)につきましては、モンゴル経済を注視しつつ、慎重な姿勢で経営に臨み、業績は順調に推移しております。預金残高(現地通貨ベース)は定期預金が大幅に増加したことから前年同期比7.2%の増加、融資残高は前年同期比1.9%増加、資金運用収益は前年同期比23.6%増加となりました。また、為替ヘッジを目的とするスワップ取引では評価益を計上いたしました。さらに、Eバンキングのキャンペーン実施や24時間利用可能なATMの増設等、積極的にサービス向上及び事業の拡大を行っております。

 結果として、当第3四半期連結累計期間の営業収益は324億68百万円(前年同期比67億78百万円増)、営業利益は68億51百万円(前年同期比13億34百万円増)となりました。

 

(法人向け融資)

 石炭や銅の価格の低迷やアパート価格指数の下落基調を考慮し、鉱山セクター及び建設・不動産関連セクターについて慎重に対応してまいりました。また、融資の質を保つため、新規顧客の開拓を控え、既存の優良顧客への融資に注力いたしました。

 結果として、法人向け融資の融資残高は前年同期比で4.3%減少いたしました。

 

(個人向け融資)

 中央銀行の促進する低利の住宅ローンの提供により個人の住宅取得が促されました。一方、一部の銀行では個人向け融資の実行を抑えているため、その顧客の流入が生じています。

 結果として、個人向け融資の融資残高は前年同期比で7.8%増加いたしました。

 

(農牧業向け融資)

 食肉価格の高騰に伴う家畜価格の上昇により遊牧民の所得及び消費意欲が向上しました。また、国産農産品の需要増加により、大型農機具を使った農業経営への意欲も向上しております。

 結果として、農牧業向け融資の融資残高は前年同期比で24.5%増加いたしました。

 

 また、当社の持分法適用関連会社であり、ロシアに本店を置くソリッド銀行(JSC Solid Bank)の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 ロシアの経済につきましては、原油価格及び現地通貨(ルーブル)の下落、欧州や中東情勢の不安定化等の影響により、平成27年初めから低迷が続いております。

 このような環境の中、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)につきましては、貸出審査及びリスク管理を大幅に厳格化し、貸出残高の増大を抑えましたが、景気後退の影響により、貸出先の財務状態が悪化し、引当金の積み増しや政策金利の上昇から預金コストも増加しました。また、各種手数料等の非金利収入の増大を図るため、貴金属取引や保証業務等のサービスの拡大に取り組んでおります。さらにコスト削減に向け、支店ネットワークの合理化や適正人員の見直しを行っております。

 

② 証券関連事業

 当第3四半期連結累計期間における国内株式市場は、堅調な値動きで始まり、6月下旬には日経平均株価は20,900円台に達し、平成12年のITバブル時の高値を上回る場面も見られました。しかし、中国株式市場の下落や、ギリシャ情勢の悪化等による世界経済の減速の影響もあり、8月下旬には日経平均株価の終値が18,000円を割り、6営業日続落となりました。その後、中国による追加金融緩和の実施や国内企業の良好な決算等を受けて10月より株価は回復基調となり、また、11月には大型の新規上場株が堅調に推移したこともあり、株価は一時20,000円台を回復する場面も見られました。しかしながら、年末にかけては、原油価格の下落による企業業績への悪影響の警戒感等もあり、不安定な展開が続きました。このような結果、12月末の日経平均株価は19,033円71銭となりました。なお、当第3四半期連結累計期間における東証の売買代金は前年同期比で19.0%増加いたしました。

 外国為替市場における対米ドルの円相場は、期初から5月上旬にかけて1ドル118円から120円台でこう着していましたが、5月下旬から円安ドル高が急速に進行し、6月初旬には平成14年6月以来の円安水準となる1ドル125円台後半に達しました。その後は1ドル122円から124円台のレンジで推移し、8月下旬にかけて円高ドル安となり、1ドル118円から120円台となりました。11月上旬からは円安ドル高に転じ、12月上旬までは1ドル122円から123円台で推移いたしましたが、年末にかけて不安定な展開となり、12月末は1ドル120円台となりました。

 このような環境の中、エイチ・エス証券株式会社につきましては、国内株式営業への取組み、ブラジルレアル建て債券を中心とした外貨建て債券の販売、米国株式を中心とした外国株式の販売に注力いたしました。さらに、NISA浸透に向けて、口座獲得を目的とした各種キャンペーンも継続して取り組んでまいりました。モバイル取引におきましては、スマートフォン株式取引アプリ「スマ株」の普及とサービスの更なる向上に努めてまいりました。引受業務におきましては、新規公開(IPO)10社の幹事(うち主幹事1社)に参入した他、2社の公開買付を実施いたしました。また、当第3四半期連結会計期間末における預り資産は3,607億98百万円(前年同期比200億36百万円増)となりました。

 結果として、当第3四半期連結累計期間の営業収益は32億31百万円(前年同期比86百万円減)、営業利益は5億95百万円(前年同期比1億4百万円減)となりました。

 

(受入手数料)

 当第3四半期連結累計期間の受入手数料は16億5百万円(前年同期比15百万円増)となりましたが、その内訳は以下のとおりであります。

委託手数料

 委託手数料につきましては、11億32百万円(前年同期比1億2百万円増)となりました。

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料につきましては、42百万円(前年同期比66百万円減)となりました。

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料につきましては、投資信託の販売、公募株式の募集手数料により1億75百万円(前年同期比88百万円減)となりました。

その他の受入手数料

 主に投資信託事務代行手数料と投資銀行業務に係る手数料で構成されるその他の受入手数料は2億55百万円(前年同期比67百万円増)となりました。

 

(トレーディング損益)

 当第3四半期連結累計期間のトレーディング損益につきましては、株券等は4億35百万円(前年同期比1億31百万円減)、債券・為替等は6億49百万円(前年同期比1億9百万円増)となり、合計で10億85百万円(前年同期比22百万円減)となりました。

 

(金融収支)

 当第3四半期連結累計期間の金融収益は5億40百万円(前年同期比79百万円減)、金融費用は1億19百万円(前年同期比10百万円増)となり、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は4億21百万円(前年同期比90百万円減)となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は25億16百万円(前年同期比6百万円増)となりました。

 

③ 債権管理回収関連事業

 サービサー業界につきましては、地域金融機関において実施されるバルクセールは、サービサー間での激しい買取り競争による債権買取の落札価格の高止まりは続いておりますが、案件数及び債権額ともに徐々に増加傾向となっております。

 このような環境の中、エイチ・エス債権回収株式会社につきましては、債権者から管理回収を受託する「受託型サービサー」から、金融機関等の債権者から債権を直接買取る「買取型サービサー」への事業形態の転換が概ね完了し、取引先金融機関の件数をさらに増加させるため、営業人員の増加を図りました。

 営業収益につきましては、買取債権の回収が担保付債権、無担保・無剰余債権ともに好調となっております。

 結果として、当第3四半期連結累計期間の営業収益は13億92百万円(前年同期比4億32百万円増)、営業利益は1億62百万円(前年同期比74百万円増)となりました。

 

④ 不動産関連事業

 不動産業界につきましては、首都圏における分譲マンション市場では、契約率が好不調の目安とされる70%を割り込む時期が見られたものの、概ね70%を超える水準で推移するなど、引き続き底堅い需要が見られます。また、収益不動産市場では、東京都心5区におけるオフィスビルの平均空室率の低下、平均賃料の緩やかな上昇が続いております。しかしながら、都心部における土地価格は上昇基調にあり、建築費は高止まりの状況にあるなど、今後の不動産業界を取り巻く市場の動向には注意が必要な状況となっております。

 このような環境の中、株式会社アスコットにつきましては、自社開発の分譲マンション「アスコットパーク東京リバーサイド」(販売戸数全18戸)の引渡を始めとした不動産開発事業11物件及び不動産ソリューション事業5物件を売却いたしました。また、仕入状況につきましては、不動産開発事業9物件、不動産ソリューション事業5物件を取得するなど、将来収益源となる物件の取得を着実に行っております。

 結果として、当第3四半期連結累計期間の営業収益は56億68百万円(前年同期比27億41百万円増)、営業利益は4億76百万円(前年同期比3億20百万円増)となりました。

 

⑤ その他事業

 その他事業の当第3四半期連結累計期間の営業収益は4億36百万円(前年同期比15百万円減)、営業利益は2億8百万円(前年同期比64百万円減)となりました。

 

⑥ 持分法による投資損益

 エイチ・エス損害保険株式会社をはじめとする当社の持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 海外旅行業界につきましては、訪日外国人の国内旅行の増加が好調に推移しておりますが、パリ同時多発テロ等の海外情勢の影響で、海外旅行者数の回復が遅れています。

 このような環境の中、エイチ・エス損害保険株式会社につきましては、主力商品である一般の海外旅行保険の契約件数、保険料ともに前年同期比で減少となりました。一方、ネット海外旅行保険と国内旅行保険については増収となりましたが、一般の海外旅行保険の不振分を補うには至りませんでした。

 また、株式会社外為どっとコムにつきましては、外国為替市場のボラティリティ(価格の変動率)の拡大等により取引量が増加した結果、当第3四半期連結累計期間の業績は前年同期比で大幅な増収増益となりました。一方で、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)の当第3四半期連結累計期間の業績は前年同期比で悪化いたしました。

 なお、九州産業交通ホールディングス株式会社につきましては、当社が保有する同社株式の譲渡に伴い、同社は第1四半期連結累計期間より当社の持分法適用関連会社から除外されたため、同社の業績は持分法による投資損益に反映されなくなりました。

 結果として、当第3四半期連結累計期間の持分法による投資利益は2億28百万円(前年同期比43百万円減)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

① 資産

 当第3四半期連結会計期間末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて252億35百万円減少し、3,693億60百万円になりました。これは主に、「現金及び預金」が54億82百万円増加し、一方では「買現先勘定」が127億77百万円及び「有価証券」が107億19百万円減少したことによるものであります。

 

② 負債

 負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて301億30百万円減少し、3,089億97百万円になりました。これは主に、「長期借入金」が72億49百万円増加し、一方では「預金」が371億52百万円減少したことによるものであります。

 

③ 純資産

 純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて48億94百万円増加し、603億62百万円になりました。これは主に、「利益剰余金」が48億32百万円及び「非支配株主持分」が22億99百万円増加し、一方では「為替換算調整勘定」が9億77百万円減少したこと、また、自己株式の取得に伴い「自己株式」が4億90百万円増加したことによるものであります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

 該当事項はありません。