第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において新たに発生したリスク及び前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて変更を行った事項は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(M&A仲介業務に関する事業等のリスクの追加)

 当第1四半期連結会計期間より、当社においてM&A仲介業務を開始したことに伴い、M&A仲介業務に関する記載を以下のとおり追加いたしました。

 なお、当該変更箇所については下線で示しております。また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

 

① 各事業固有のリスクについて

 当社グループは、独自の金融コングロマリット構想のもと、銀行業、証券業、債権管理回収業、IT関連事業、外国為替保証金取引業、M&A仲介事業等の多岐にわたる事業を展開しているため、各事業における固有のリスク要因が存在します。

 

f)M&A仲介事業

 当社は、M&A仲介事業を展開しております。

1)競合について

 M&A仲介事業を遂行するために必要な許認可等は存在しないことから、同事業は基本的に参入障壁が低いといえます。当社は、自己投資によるM&Aで培った独自のノウハウや情報ネットワーク等を有しており、競合他社との差別化はできていると認識しております。しかしながら、更なる競合他社の参入や、競合他社のサービス向上等により競争が激化した場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

2)法規制について

 現時点では、M&A仲介事業を遂行するために必要な許認可等は存在せず、監督官庁の許認可等の制限を受けることはありませんが、今後、同事業に対する許認可、登録制度等の規制が新たに導入された場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 また、今後、同事業の事業活動にとって負の影響を及ぼすような、税法や会社法等の法改正等があった場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 業績の状況

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、経済・金融政策等を背景に緩やかな回復基調で推移しておりますが、米国新政権の動向、中国等の新興国経済の減速、欧州や中東情勢の不安定化等もあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 このような環境の中、当社グループの当第1四半期連結累計期間の営業収益は123億82百万円(前年同期比1億37百万円減)、経常利益は15億40百万円(前年同期比11億1百万円増)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億35百万円(前年同期比2億18百万円減)となりました。

 

 当社グループは、当社、連結子会社6社及び持分法適用関連会社3社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。

 

銀行関連事業      ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、

            ソリッド銀行(JSC Solid Bank)

証券関連事業      エイチ・エス証券株式会社

債権管理回収関連事業  エイチ・エス債権回収株式会社

IT関連事業       iXIT株式会社

その他事業       当社、H.S. International (Asia) Limited、株式会社外為どっとコム、

            エイチ・エスライフ少額短期保険株式会社

 

 なお、当第1四半期連結会計期間において、エイチ・エス・アシスト株式会社の清算が結了したことにより、持分法適用の範囲から除外しております。また、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)の株式を取得したことにより、連結の範囲に含めております。

 

 報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。

 

① 銀行関連事業

 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)及びソリッド銀行(JSC Solid Bank)は、銀行関連事業に分類しております。

 なお、キルギスコメルツ銀行につきましては、当第1四半期連結累計期間は貸借対照表のみ連結しております。

 また、持分法適用関連会社であるソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 モンゴルの経済につきましては、インフラ整備事業や不動産開発等は順調に続いており、輸出増加の影響を受け、実質GDP(1-3月)は前年同期比で4.2%増加、インフレ率も前年同期比で2.5%増加するなど、景気回復の兆しが見え始めました。

 財政収支は歳入の大幅な増加により赤字が大幅に縮小し、また、貿易収支は輸出入の増加により黒字が拡大しております。しかしながら、外貨準備高は前年同期比で12.3%減少して11億ドル台となり、依然として低水準で推移しております。外貨準備高の減少を受け、為替市場では現地通貨(MNT)は下落基調となり、米ドルに対して前年同期比で19.5%下落(ドル高)、円に対して前年同期比で20.1%下落(円高)しました。

 モンゴルの銀行業界につきましては、金融セクターの融資残高は前年同期比で7.1%増加し、また、延滞債権や不良債権等の非正常債権の増加も落ち着いてきております。

 モンゴルでは、鉱物資源価格の下落等による経済の低迷や、対外債務の償還等による財政悪化が懸念されていましたが、2月には、モンゴル政府は国際通貨基金(IMF)から4億40百万ドルの新規3年間の拡大信用供与措置(EFF)を受けることについて実務者レベルで合意しました。アジア開発銀行(ADB)、世界銀行、日本及び韓国等からの支援も合計すると、55億ドルの支援が行われることとなりました。

 このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、モンゴル経済を注視しつつ、慎重な姿勢で経営に臨んでまいりました。現地通貨ベースでは、預金残高は前年同期比31.5%増加、融資残高は前年同期比7.1%増加、資金運用収益は前年同期比26.8%増加となりました。

 また、バスの料金を支払うシティ・パスカードの発行、新型ATMの増設やEバンキングのキャンペーンの実施等、積極的なサービスの向上を行っております。

 さらに、為替ヘッジを目的とするスワップ取引の評価損益が前年同期比で大幅に改善したこともあり、業績は前年同期比で増益となりました。一方で、当社の連結決算(円建て)におけるハーン銀行の業績は、現地通貨安(円高)による影響を受けております。

 結果として、当第1四半期連結累計期間の営業収益は103億59百万円(前年同期比13百万円増)、営業利益は11億97百万円(前年同期比9億89百万円増)となりました。

 

(法人向け融資)

 中国に対する石炭の輸出の増加並びに石炭及び銅の価格上昇により、低迷していた鉱山セクターは回復の兆しが見え始めました。一方、アパート価格指数の下落等に見られる不動産の供給過剰の影響を考慮し、建設・不動産関連セクターについて慎重に対応してまいりました。また、融資の質を高めるため、新規顧客の開拓を控え、既存の優良顧客への融資に注力するとともに、不良債権の回収にも取り組みました。

 結果として、法人向け融資の融資残高は前年同期比で9.3%減少いたしました。

 

(個人向け融資)

 中央銀行が促進する低利の住宅ローンは、一旦停止されたものの平成29年1月下旬に再開されております。なお、ハーン銀行は保有する住宅ローンの一部をモンゴル住宅公社(MIK)に売却いたしました。また、年金支給額の増加及び融資期間の延長により年金担保融資は好調に推移し、さらに、日本との経済連携協定(EPA)発効に伴い自動車ローンが増加いたしました。

 結果として、個人向け融資の融資残高は前年同期比で22.8%増加いたしました。

 

(農牧業向け融資)

 政府により優良な農牧民向け低利融資が開始されたものの、政権交代とともに同政策は廃止されました。また、景気の低下に伴い、農産物の販売及び農牧民の所得も停滞しました。

 結果として、農牧業向け融資の融資残高は前年同期比で1.8%減少いたしました。

 

 また、当社の持分法適用関連会社であり、ロシアに本店を置くソリッド銀行(JSC Solid Bank)の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 ロシアの経済につきましては、原油等の資源価格が安定し、実質GDP(1-3月)は前年同期比0.5%拡大しておりますが、経済活動は引き続き低成長基調となっております。インフレ率も減速傾向で推移し、ロシア中央銀行は政策金利を引き下げました。

 このような環境の中、ロシアに本店を置くソリッド銀行につきましては、引き続き貸出審査及びリスク管理を大幅に厳格化して、組織の再構築やコスト削減等に取り組んでまいりました。さらに、貸出先の財務状態の改善により、貸倒引当金の積み増しを打ち切りました。また、保証業務や貴金属取引等の非金利収益の低下を受け、抑えていた貸出業務にも注力し始めました。

 今後につきましても、現地通貨(ルーブル)の為替動向、原油価格の推移及び国際情勢の緊迫化等の影響もあり、当面はロシア経済の不透明感並びに低成長が続くと予想されますが、優良企業への貸出増加、預金コストの削減等に注力し、業務の合理化とともに財務状態の改善に取り組んでまいります。

 

② 証券関連事業

 エイチ・エス証券株式会社は、証券関連事業に分類しております。

 当第1四半期連結累計期間における国内株式市場において、期初18,200円台で始まった日経平均株価は、一時108円台まで進行した円高米ドル安を嫌気し、下落する場面が見られました。しかしながら、4月後半に入ると、米財務長官による長期的なドル高を容認する発言で円高が一服したことや、フランス大統領選でマクロン候補が決選投票に勝ち残り、欧州政治に対する不透明感が後退したことから、株価は上昇に転じ、緩やかな上昇基調が続きました。

 5月半ばには米国トランプ大統領のロシア問題にかかる懸念から株価が下落する場面もありましたが、下落基調は限定的で、その後は好材料、悪材料共に乏しく、株価は20,000円台を中心とした狭いレンジで推移し、6月末の日経平均株価は20,033円43銭で取引を終えました。なお、当第1四半期連結累計期間における東証の売買代金は前年同期比で10.6%増加いたしました。

 このような環境の中、エイチ・エス証券株式会社につきましては、お客様のパフォーマンスに貢献する証券会社として、国内株式営業への取り組み、外貨建て債券の販売、米国株式を中心とした外国株式の販売に注力いたしました。引受業務におきましては、新規公開(IPO)3社の幹事参入を果たしました。

 また、6月末における預り資産は、株式市場の上昇により3,731億69百万円(前年同期比533億46百万円増)となりました。

 結果として、当第1四半期連結累計期間の営業収益は10億74百万円(前年同期比1億68百万円増)、営業利益は2億54百万円(前年同期比1億46百万円増)となりました。

 

(受入手数料)

 当第1四半期連結累計期間の受入手数料は3億87百万円(前年同期比27百万円減)となりましたが、その内訳は以下のとおりであります。

 

委託手数料

 委託手数料につきましては、3億25百万円(前年同期比3百万円増)となりました。

引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料

 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料につきましては、0百万円(前年同期比3百万円減)となりました。

募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料

 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料につきましては、株式投資信託の募集金額が減少したことにより12百万円(前年同期比24百万円減)となりました。

その他の受入手数料

 主に投資信託事務代行手数料と投資銀行業務に係る手数料で構成されるその他の受入手数料は47百万円(前年同期比3百万円減)となりました。

(トレーディング損益)

 当第1四半期連結累計期間のトレーディング損益につきましては、株券等は米国株式店頭取引の販売が好調であったため3億30百万円(前年同期比1億90百万円増)となりました。また、債券・為替等は2億18百万円(前年同期比17百万円増)となり、合計で5億49百万円(前年同期比2億8百万円増)となりました。

 

(金融収支)

 当第1四半期連結累計期間の金融収益は1億37百万円(前年同期比12百万円減)、金融費用は26百万円(前年同期比8百万円減)となり、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は1億11百万円(前年同期比4百万円減)となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当第1四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、7億93百万円(前年同期比30百万円増)となりました。

 

③ 債権管理回収関連事業

 エイチ・エス債権回収株式会社は、債権管理回収関連事業に分類しております。

 サービサー業界につきましては、市場に出回る債権の減少による入札競争の激化が続いているため、落札価格の高騰が続いております。

 このような環境の中、エイチ・エス債権回収株式会社につきましては、取引金融機関数の増加を目標に掲げており、落札価格の高騰による利益率の低下が見受けられるものの、無担保案件からの回収を推進してまいります。営業収益、営業利益ともに前年同期比では減少となりますが、前年同期に大型案件の回収があったことの反動によるもので、業績は順調に推移しております。

 また、中小企業庁より認定を受けた経営革新等支援機関として、企業再生分野への取組みについて、金融機関に対し積極的な提案を推進しております。引き続き、従来からの債権の管理回収と併せ、財務リストラを中心とした更なる中小企業の事業再生にサービサーとして貢献してまいります。

 結果として、当第1四半期連結累計期間の営業収益は6億9百万円(前年同期比3億25百万円減)、営業利益は59百万円(前年同期比61百万円減)となりました。

 

④ IT関連事業

 iXIT株式会社は、IT関連事業に分類しております。

 スマートフォン業界につきましては、格安スマートフォンの台頭等により、競争環境が激化しています。さらにAI(人工知能)、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)及びドローン等の技術の発展や、異業種からの協業等が活発化し、従来の通信市場の枠を超えた新たな市場での競争が加速しています。

 このような環境の中、iXIT株式会社につきましては、既存のコンテンツ課金収入が減少傾向にある中、新規事業の開始、新規顧客の開拓に向けた営業の強化及び固定費の削減に努めてまいりました。その取組みの効果が徐々に顕在化し、新規受託案件数が堅調に伸び、業績は前年同期比で大幅に改善しております。

 結果として、当第1四半期連結累計期間の営業収益は3億70百万円(前年同期比20百万円増)、営業損失は3百万円(前年同期は営業損失61百万円)となりました。

⑤ その他事業

 当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社及び持分法適用関連会社は、その他事業に分類しております。なお、持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 その他事業の当第1四半期連結累計期間の営業収益は1億41百万円(前年同期比1億7百万円減)、営業利益は63百万円(前年同期比1億2百万円減)となりました。

 

⑥ 持分法による投資損益

 持分法適用関連会社である株式会社外為どっとコム及びソリッド銀行等の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 株式会社外為どっとコムにつきましては、前連結会計年度における外国為替市場のボラティリティ(価格の変動率)の拡大等による取引量増加の反動やシステム基盤の更改等を行った結果、当第1四半期連結累計期間の業績は前年同期比で減収減益となりました。

 なお、当第1四半期連結会計期間において、エイチ・エス・アシスト株式会社は、当社の持分法適用関連会社から除外されました。

 結果として、当第1四半期連結累計期間の持分法による投資利益は13百万円(前年同期比2億48百万円減)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

① 資産

 当第1四半期連結会計期間末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて15億62百万円減少し、3,636億91百万円になりました。これは主に、「有価証券」が47億80百万円、「預託金」が30億50百万円増加し、一方では「現金及び預金」が107億21百万円減少したことによるものであります。

 

② 負債

 負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べて35億60百万円減少し、2,995億15百万円になりました。これは主に、「預り金」が27億11百万円、「預金」が23億54百万円増加し、一方では「1年内返済予定の長期借入金」が63億6百万円、「信用取引負債」が22億18百万円減少したことによるものであります。

 

③ 純資産

 純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べて19億97百万円増加し、641億76百万円になりました。これは主に、「非支配株主持分」が13億49百万円、「利益剰余金」が6億39百万円増加し、一方では「為替換算調整勘定」が4億98百万円減少したことによるものであります。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループ定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

 該当事項はありません。