当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、生産や輸出に弱さがみられるものの、企業収益や雇用・所得環境の改善が続いており、依然として緩やかな回復基調にあります。ただし、先行きに関しては、消費税増税による内需の動向、米中貿易摩擦を中心とした通商問題や中国の過剰債務問題など、いくつかの不確実性をかかえており、とりわけ中国経済の動向は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような環境の中、当社グループの当第3四半期連結累計期間の営業収益は456億91百万円(前年同期比41億67百万円増)、経常利益は91億79百万円(前年同期比8億79百万円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は61億49百万円(前年同期比15億65百万円増)となりました。
当社グループは、当社、連結子会社6社及び持分法適用関連会社2社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。
銀行関連事業 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、
ソリッド銀行(JSC Solid Bank)
証券関連事業 エイチ・エス証券株式会社
債権管理回収関連事業 エイチ・エス債権回収株式会社
IT関連事業 iXIT株式会社
その他事業 当社、H.S. International (Asia) Limited、株式会社外為どっとコム
報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
① 銀行関連事業
銀行関連事業の当第3四半期連結累計期間の営業収益は393億8百万円(前年同期比34億91百万円増)、営業利益は82億円84百万円(前年同期比11億2百万円増)となりました。また、持分法適用関連会社であるソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国)
モンゴル経済につきましては、中国への鉱物資源輸出、サービス業、製造業、建設業が好調で実質GDP(1-9月)は前年同期比で6.3%増加、インフレ率も9.0%増加するなど、景気は引き続き回復基調にあります。好調な経済状況を背景に、貿易収支と財政収支はともに黒字を維持しており、外貨準備高は39億ドル台(前年同期比37.7%増)、財政収支は4,846億トゥグルク(以下、MNTという。)の黒字(前年同期比100.5%増)となっております。一方、為替市場では、現地通貨(MNT)が前年同期比で米ドルに対して4.5%下落(ドル高)、円に対して9.9%下落(円高)となりました。
モンゴルの銀行業界につきましては、金融セクターの融資残高は前年同期比で11.1%増加しました。また、延滞債権は0.6%減少、不良債権は45.1%増加となりました。
このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、自動車ローンやサラリーローンなどの個人向け融資及び中小企業向け融資を中心に積極的に展開してまいりました。特に、個人向け融資に関してはQRコード決済やハーンPayなど様々なデジタルバンキングサービスを提供し、顧客サービスの向上に引き続き注力してまいりました。
結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前年同期比で21.7%増加、融資残高は16.8%増加、資金運用収益は21.2%増加いたしました。また、融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前年同期比で53.25%増加、個人向け融資は0.7%増加、農牧業向け融資は43.5%増加いたしました。
キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国)
キルギス経済につきましては、ロシア経済の低迷によってロシアへの出稼ぎ労働者からの送金が伸び悩んだものの、金生産の増加により国内鉱工業生産や輸出が前年同期比で増加しており、実質GDP(1-9月)は前年同期比で6.1%増加となりました。また、インフレ率は食料品価格の低迷等により前年同期比で0.6%増加にとどまっております。
このような環境の中、キルギスコメルツ銀行につきましては、融資残高と預金残高を順調に増加させており、金利収入を増加させるため特に利回りの高い中小企業向け融資と個人向け融資に注力してまいりました。融資残高は前年同期比で24.8%増加、預金残高は21.4%増加となり、業績は徐々に改善してきております。
今後は、新決済システムの導入によるオンラインバンキングやクレジットカード事業の強化、個人向けの新商品開発を進めてまいります。また、営業とリスク体制の見直しや人事制度の見直しを行い、全体的な収益性の向上を図ってまいります。
ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦)
ロシア経済につきましては、年初に実施された付加価値税の引き上げや緊縮財政などの影響により個人消費を中心に低成長が続いており、実質GDP(1-9月)は前年同期比で1.7%増加、インフレ率は4.3%増加となりました。また、欧米諸国のロシアに対する経済制裁は継続しており、中央銀行の規制強化等により銀行数が減少するなど厳しい状況が続いております。
このような環境の中、ソリッド銀行につきましては、引き続きクレジットリスク抑制のため融資残高と預金残高の急成長を抑えつつ、中堅優良企業への貸出、貴金属取引や為替取引などの非金利収入の拡大を図っております。また、継続的なコスト削減や不良債権の回収、担保物権の売却に取り組んでまいりました。
今後につきましても、現地通貨(ルーブル)の為替動向、原油価格の推移、経済制裁及び国際情勢の緊迫化等の影響もあり、当面はロシア経済の低成長が続くと予想されますが、優良企業への貸出増加、預金コストの削減等に注力し、業務の合理化とともに財務状態の改善に取り組んでまいります。
② 証券関連事業
当第3四半期連結累計期間における国内株式市場は、米国の良好な経済指標や原油価格の上昇を受けて堅調に推移し上昇基調で始まり、その後も複数の中国経済統計が市場を上回る良好な内容であったことから、日経平均株価は2万2千円台まで上昇しました。
5月に入ると米国が中国製品に対する追加関税率の引き上げを実施したことに加え、中国通信機器大手への制裁措置や、一部の米国景況感指数で悪化が見られたことを嫌気し下落しましたが、6月に入り、市場で利下げ期待が高まったことから上昇に転じました。その後は2万1千円台で推移し、8月には再び米中貿易摩擦が懸念され、一時的に下落しました。
しかし、9月初旬に、中国商務省が米中でハイレベル協議を行うとの発表を受け上昇に転じると、10月の閣僚級の米中協議を通じて、米中通商協議への進展期待が高まったことから株価は大幅に上昇しました。その後、12月半ばの米中貿易協議にて、米国による中国へのさらなる関税賦課が避けられたことなどが好感され、一時、株価は2万4千円台に到達する場面も見られました。
結果として、12月末の日経平均株価は1990年以来29年振りの高水準となる23,656円62銭で取引を終えました。なお、当第3四半期連結累計期間における東証の売買代金は前年同期比で18.0%減少しました。
このような環境の中、エイチ・エス証券株式会社につきましては、お客様のパフォーマンスに貢献する証券会社として、国内株式営業への取り組み、外貨建て債券の販売、米国株式を中心とした外国株式の販売に注力いたしました。引受業務におきましては、新規公開(IPO)7社(うち主幹事2社)の幹事参入を果たしました。
また、12月末における預り資産は、3,588億16百万円(前年同期比117億47百万円増)となりました。
結果として、当第3四半期連結累計期間の営業収益は25億円(前年同期比1億31百万円減)、営業利益は94百万円(前年同期比92百万円減)となりました。
(受入手数料)
当第3四半期連結累計期間の受入手数料は9億43百万円(前年同期比8百万円減)となりました。
その内訳としましては、委託手数料が5億74百万円(前年同期比1億93百万円減)、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料が66百万円(前年同期比62百万円増)、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料が40百万円(前年同期比3百万円減)、主に投資信託事務代行事務手数料と投資銀行業務に係る手数料で構成されるその他の受入手数料は2億61百万円(前年同期比1億25百万円増)となりました。
(トレーディング損益)
当第3四半期連結累計期間のトレーディング損益につきましては、株券等は4億円(前年同期比1億99百万円減)となりました。また、債券・為替等は7億37百万円(前年同期比1億15百万円増)となり、合計で11億38百万円(前年同期比83百万円減)となりました。
(金融収支)
当第3四半期連結累計期間における金融収益は4億19百万円(前年同期比38百万円減)、金融費用は1億18百万円(前年同期比28百万円増)となり、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は3億円(前年同期比67百万円減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、人件費の減少や取引量の減少から、22億87百万円(前年同期比66百万円減)となりました。
③ 債権管理回収関連事業
サービサー業界につきましては、金融機関において実施されるバルクセール(債権の一括売却)において、売却対象債権数及び債権額の減少に伴い、依然として買取価格が高騰しております。その結果、債権の買取原価が増加し減益となりました。また、各金融機関では、今後の景気動向から不良債権の増加を不安視しているものの、実際には不良債権の増加には至っておらず、市場に出回る不良債権は依然として減少傾向にあります。
このような環境の中、エイチ・エス債権回収株式会社につきましては、取得した債権から適切に管理回収を行い堅調な事業収益を確保しつつ、銀行を中心とした金融機関以外にも、不良債権市場のシェア拡大を目指し、リース会社やノンバンク等、サービサーが取扱可能な債権を保有する企業に対しても積極的に展開し、安定的な債権の取得を目指しております。
結果として、当第3四半期連結累計期間の営業収益は30億61百万円(前年同期比7億86百万円増)、営業利益は1億36百万円(前年同期比1億29百万円減)となりました。
④ IT関連事業
IT関連事業を取り巻く環境は、スマートフォンの高性能化、通信インフラ環境の発達等を背景に、スマートフォンやクラウドを活用したサービスやシステムの需要が拡大しており、新たな社会基盤構築へのニーズが高まっております。また、異業種からの協業等が活発化して競合他社が増加し続けるなど、従来の通信事業の枠を超えた新たな市場での厳しい競争が加速しております。
このような環境の中、iXIT株式会社につきましては、将来の成長に向けた新たなサービスの創出、新規顧客の開拓に向けた営業の強化及び固定費の削減に努めてまいりました。新規受託案件や新規サービスの増加など、その取組みの効果が表れてきており業績は徐々に改善しております。
結果として、当第3四半期連結累計期間の営業収益は8億80百万円(前年同期比16百万円増)、営業損失は22百万円(前年同期は営業損失1億77百万円)となりました。
⑤ その他事業
当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社及び持分法適用関連会社は、その他事業に分類しております。なお、持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
その他事業の当第3四半期連結累計期間の営業収益は1億92百万円(前年同期比3億42百万円減)、営業損失は82百万円(前年同期は営業利益3億28百万円)となりました。
⑥ 持分法による投資損益
持分法適用関連会社である株式会社外為どっとコム及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
株式会社外為どっとコムにつきましては、ボラティリティの低下により、ほぼ全ての通貨ペアで取引数量が減少した影響で、当第3四半期連結累計期間の業績は前年同期比で減収減益となりました。
結果として、当第3四半期連結累計期間の持分法による投資利益は6億18百万円(前年同期比83百万円減)となりました。
また、財政状態は次のとおりであります。
① 資産
当第3四半期連結会計期間末の資産合計につきましては、4,604億21百万円となり、前期末比199億93百万円増加しました。
これは主に、「現金及び預金」が164億59百万円、「貸出金」が146億62百万円増加し、一方で「有価証券」が99億14百万円減少したことによるものであります。
主な増減要因は、「貸出金」はハーン銀行から顧客への貸出金の増加、「現金及び預金」「有価証券」はハーン銀行における資金運用に伴う増減によるものであります。
② 負債
負債合計につきましては、3,816億21百万円となり、前期末比137億58百万円増加しました。
これは主に、「預金」が193億30百万円、「預り金」が30億9百万円増加し、一方で「1年以内返済予定の長期借入金」及び「長期借入金」が94億16百万円減少したことによるものであります。
主な増減要因は、「預金」はハーン銀行が顧客から預かる預金の増加、「預り金」はエイチ・エス証券が顧客から預かる預り金の増加、「1年以内返済予定の長期借入金」及び「長期借入金」はハーン銀行における長期借入金の減少によるものであります。
③ 純資産
純資産合計につきましては、788億円となり、前期末比62億34百万円増加しました。
これは主に、「利益剰余金」が56億74百万円増加したことによるものであります。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。