第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大とそれに対応する緊急事態宣言の発令を受け、輸出や消費の減少、企業収益や雇用環境の悪化など厳しい状況となりました。また、同様に世界経済においても経済活動が急速に低下しており、今後の感染状況によっては景気回復が遅れ長期停滞となる可能性もあり、内外経済の先行きは極めて不透明な状況であります。

このような環境の中、当社グループの当第1四半期連結累計期間の営業収益は142億14百万円(前年同期比4億78百万円減)、経常利益は9億6百万円(前年同期比15億47百万円減)となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億29百万円(前年同期比14億14百万円減)となりました。

 

当社グループは、当社、連結子会社6社及び持分法適用関連会社2社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。

 

銀行関連事業      ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、

            ソリッド銀行(JSC Solid Bank)

証券関連事業      エイチ・エス証券株式会社

債権管理回収関連事業  エイチ・エス債権回収株式会社

IT関連事業       iXIT株式会社

その他事業       当社、H.S. International (Asia) Limited、株式会社外為どっとコム

 

 報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。

 

① 銀行関連事業

銀行関連事業の当第1四半期連結累計期間の営業収益は121億69百万円(前年同期比3億47百万円減)、営業利益は4億24百万円(前年同期比18億33百万円減)となりました。また、持分法適用関連会社であるソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 

ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国)

モンゴル経済につきましては、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、中国との国境閉鎖や外国からの入国制限、各種イベントや施設利用の禁止などの措置がとられており、景気は急速に悪化しております。特に、中国との国境閉鎖と中国経済の減速は中国への鉱物資源の輸出や石炭等の鉱物生産の大幅な減少をもたらし、実質GDP(1-3月)は前年同期比で10.7%減少、インフレ率は食品価格等の上昇もあり前年同期比6.4%上昇となりました。外貨準備高は2019年度の好調な経済状況を背景に40億ドル台(前年同期比11.9%増加)まで増加しましたが、一方で、貿易収支(1-3月)はモンゴルの輸出の約85%を占める対中国輸出の減少により125百万ドルの赤字(前年同期は485百万ドルの黒字)となっております。為替市場では、現地通貨トゥグルク(以下、MNTという。)が前年同期比で米ドルに対して6.3%下落(ドル高)、円に対して6.2%下落(円高)となりました。

モンゴルの銀行業界につきましては、景気悪化に伴い、金融セクターの融資残高は前年同期比で3.5%減少しました。また、延滞債権残高は25.9%増加、不良債権残高は1.7%減少となりました。

このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、中小企業向け融資と個人向け融資、個人向けのデジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。しかし、2020年3月24日に発表いたしましたとおり、2020年1月に施行されました年金担保融資の国による返済に関する法律(英語法律名「One-time State Repayment for Pension Secured Loan of a Citizen」)の影響により、個人向けの年金担保融資は国営企業1社が発行する社債に置き換わったため、利率の高い個人向け融資が大きく減少するとともにリスク増大により引当金繰入額が増加しました。また新型コロナウイルス感染症拡大に伴う景気悪化なども影響し、結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前年同期比で20.6%増加、融資残高は2.5%減少、資金運用収益は1.7%増加、税引前四半期純利益は65.7%減少いたしました。また、融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前年同期比で37.5%増加、個人向け融資は26.2%減少、農牧業向け融資は50.8%増加いたしました。

 

キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国)

キルギス経済につきましては、中国における新型コロナウイルス感染症拡大を受け同国との貿易が一時停止したものの、ロシアやカザフスタンとの貿易拡大、金生産の増加などによる国内鉱工業生産の増加により、実質GDP(1-3月)は前年同期比で1.5%増加となりました。また、インフレ率は現地通貨(キルギスソム)の下落の影響により前年同期比で4.4%の上昇となりました。

このような環境の中、キルギスコメルツ銀行につきましては、融資残高と預金残高を順調に増加させており、金利収入を増加させるため特に利回りの高い中小企業向け融資と個人向け融資に注力してまいりました。為替変動の影響によるドル建て融資残高の増加もあり融資残高は前年同期比で23.6%増加、預金残高は4.8%増加となり、業績は徐々に改善してきております。

今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により融資先の財政状態が不透明となってきているため、貸出審査及びリスク管理を厳格化し、慎重な業務を行うことといたします。また、リテール事業の拡大に向けて、新決済システムの導入によるオンラインバンキングやクレジットカード事業の強化、個人向けの新商品開発を進めてまいります。

 

ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦)

ロシア経済につきましては、小売業や製造業が好調だった一方、貨物輸送が不調となり、実質GDP(1-3月)は前年同期比で1.6%増加、インフレ率は1.3%上昇となりました。また、ロシアにおいては3月から新型コロナウイルス感染症が拡大し、その対応としてロシア中央銀行は政策金利を引き下げており、第2四半期以降への影響が懸念されます。

このような環境の中、ソリッド銀行につきましては、引き続きクレジットリスク抑制のため融資残高と預金残高の急成長を抑えつつ、中堅優良企業への貸出、貴金属取引や為替取引などの非金利収入の拡大を図っております。また、継続的なコスト削減や不良債権の回収、担保物権の売却に取り組んでまいりました。

今後につきましては、現地通貨(ルーブル)の為替動向、原油価格の推移、経済制裁及び国際情勢の緊迫化等の影響もあり、当面はロシア経済の低成長が続くと予想されますが、優良企業への貸出増加、預金コストの削減等に注力し、業務の合理化とともに財務状態の改善に取り組んでまいります。

 

② 証券関連事業

当第1四半期連結累計期間における国内株式市場は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による景気後退懸念から下落して始まりましたが、4月上旬に政府が緊急事態宣言発令と同時に発表した108兆円規模の緊急経済対策を好感し上昇に転じると、その後も世界各国の積極的な金融・財政政策の発表を受け、株価は上昇基調で推移しました。

さらに、6月初旬にかけて、緊急事態宣言が解除されたことによる国内経済の回復への期待感から、機関投資家等の買戻しが増加したことに加え、中国および先進国の経済活動再開ならびに米国経済指標が改善したことを好感し、日経平均株価は一時23,000円台を回復しました。その後は、新型コロナウイルス感染症の新興国での感染拡大懸念に加え、米国の景気回復への警戒感の高まりから利益確定売りが上値を抑え、もみ合う展開となりました。

結果として、6月末の日経平均株価は22,288円14銭で取引を終えました。なお、当第1四半期連結累計期間における東証の売買代金は前年同期比で17.4%増加いたしました。

このような環境の中、エイチ・エス証券株式会社につきましては、お客様のパフォーマンスに貢献する証券会社として、国内株式営業への取り組み、外貨建て債券の販売、米国株式を中心とした外国株式の販売に注力いたしました。また、6月末における預り資産は、2,784億98百万円(前年同期比520億2百万円減)となりました。

結果として、当第1四半期連結累計期間における営業収益は8億16百万円(前年同期比47百万円増)、営業利益は56百万円(前年同期比39百万円増)となりました。

 

(受入手数料)

 当第1四半期連結累計期間の受入手数料は、3億10百万円(前年同期比26百万円増)となりました。
 その内訳としましては、委託手数料が2億71百万円(前年同期比92百万円増)、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料が0百万円(前年同期比43百万円減)、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料が9百万円(前年同期比2百万円減)、主に投資信託事務代行手数料と投資銀行業務に係る手数料で構成されるその他の受入手数料が29百万円(前年同期比20百万円減)となっております。

 

(トレーディング損益)

 当第1四半期連結累計期間のトレーディング損益につきましては、株券等は2億5百万円(前年同期比63百万円増)、債券・為替等は1億96百万円(前年同期比30百万円減)となり、合計で4億1百万円(前年同期比33百万円増)となりました。

 

(金融収支)

 当第1四半期連結累計期間の金融収益は1億4百万円(前年同期比11百万円減)、金融費用は21百万円(前年同期比4百万円減)となり、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は82百万円(前年同期比7百万円減)となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当第1四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、7億37百万円(前年同期比12百万円増)となりました。

 

③ 債権管理回収関連事業

 サービサー業界につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による景気後退に伴い、一部の金融機関においてバルクセール(債権の一括売却)が積極的に実施されるなど不良債権市場が活発化し始めました。しかし、業界全体としては、景気動向の見通しが困難な状況であるため不良債権市場に債権を売却するまでには至らず、また緊急事態宣言の影響によりバルクセールを延期した金融機関も見れらました。このため、依然として業界の競争は激しく債権の買取価格の高騰が続いております。

 このような環境の中、エイチ・エス債権回収株式会社につきましては、既存の取引先金融機関からの債権買取が堅調に推移しており、例年通りの債権の買い取りを行っております。前年同期において大型債権群からの回収等があったため、当第1四半期連結累計期間の債権回収高は相対的に減収となりましたが、無担保債権を中心とした収益性の高い債権の回収が順調に進捗していることから、営業利益は増益となりました。

 結果として、当第1四半期連結累計期間の営業収益は10億30百万円(前年同期比82百万円減)、営業利益は1億41百万円(前年同期比76百万円増)となりました。

 

④ IT関連事業

 IT関連事業を取り巻く環境は、スマートフォンの高性能化、通信インフラ環境の発達等を背景に、スマートフォンやクラウドを活用したサービスやシステムの需要が拡大しており、新たな社会基盤構築へのニーズが高まっております。また、異業種からの協業等が活発化して競合他社が増加し続けるなど、従来の通信事業の枠を超えた新たな市場での厳しい競争が加速しております。

 このような環境の中、iXIT株式会社につきましては、将来の成長に向けた新たなサービスの創出、新規顧客の開拓に向けた営業の強化及び固定費の削減に努めてまいりました。新規受託案件や新規サービスの増加など、その取組みの効果が表れてきており業績は徐々に改善しておりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大により、保守運用売上の減少、サブスクリプションサービスの休止などの影響を受けました。

 結果として、当第1四半期連結累計期間の営業収益は2億17百万円(前年同期比95百万円減)、営業損失は47百万円(前年同期は営業損失4百万円)となりました。

 

⑤ その他事業

 当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社及び持分法適用関連会社は、その他事業に分類しております。なお、持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 当社(単体)の営業収益は、主に関係会社からの配当金及び経営管理料で構成されます。

 その他事業の当第1四半期連結累計期間の営業収益は1億32百万円(前年同期比31百万円増)、営業利益は50百万円(前年同期比32百万円増)となりました。

 

⑥ 持分法による投資損益

 持分法適用関連会社である株式会社外為どっとコム及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 株式会社外為どっとコムにつきましては、6月にボラティリティの拡大による取引数の増加はあったものの、当第1四半期連結累計期間の業績は前年同期比で若干の減収減益となりました。

 結果として、当第1四半期連結累計期間の持分法による投資利益は2億4百万円(前年同期比4百万円減)となりました。

 

また、財政状態は次のとおりであります。

 

① 資産

 当第1四半期連結会計期間末の資産合計につきましては、4,581億91百万円となり、前期末比114億67百万円減少しました。

 これは主に、「投資有価証券」が241億1百万円増加し、一方で「貸出金」が200億97百万円、「現金及び預金」が102億65百万円減少したことによるものであります。

 主な増減要因は、「投資有価証券」「貸出金」はハーン銀行における年金担保融資に関して施行された法律の影響による増減、「現金及び預金」はハーン銀行における資金運用に伴う減少によるものであります。

 

② 負債

 当第1四半期連結会計期間末の負債合計につきましては、3,810億72百万円となり、前期末比79億73百万円減少しました。

 これは主に、「信用取引負債」が21億66百万円、「預金」が28億59百万円増加し、一方で「売現先勘定」が78億58百万円、「長期借入金」が52億86百万円減少したことによるものであります。

主な増減要因は、「信用取引負債」はエイチ・エス証券における信用取引の増加、「預金」はハーン銀行が顧客から預かる預金の増加、「売現先勘定」はハーン銀行における売現先取引により発生した金銭債務の減少、「長期借入金」はハーン銀行における借入金の減少によるものであります。

 

③ 純資産

 当第1四半期連結会計期間末の純資産合計につきましては、771億19百万円となり、前期末比34億94百万円減少しました。

 これは主に、「繰延ヘッジ損益」が9億87百万円、「非支配株主持分」が14億41百万円減少したことによるものであります。なお、「繰延ヘッジ損益」はハーン銀行におけるヘッジ手段の時価評価差額、「非支配株主持分」は主にハーン銀行において当社グループに帰属しない株主の持分であります。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「第2 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループ定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。