文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。
当連結会計年度のROEは△5.3%となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大などによる銀行関連事業の減収減益、ハーン銀行の留保利益に対する税効果の認識による法人税等調整額(損)の計上などが要因となります。
(4) 経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。
日本経済は、引き続き新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気の悪化、米中貿易摩擦の長期化等の懸念があり、先行きは極めて不透明な状況にあります。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題や多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。
モンゴルでは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により景気は急速に悪化しており、その影響から、モンゴル国内の金融業界全体で延滞債権や不良債権が増加し、ハーン銀行を取り巻く経営環境は厳しい状況となっております。ただ、モンゴルの主要輸出先である中国経済は回復傾向にあり、政策金利の引き下げや財政出動による景気対策によりモンゴル経済は回復の兆しも見せております。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しておりますが、今後の中国経済の動向や新型コロナウイルス感染症の感染状況によっては、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。
キルギスやロシアにおいても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により景気は悪化しており、キルギスでは政治的動向、ロシアでは原油等の資源価格の推移や経済制裁なども加えて、両国経済は不安定な状況にあります。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。
投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。
また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。
業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。
今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① グループの収益・利益構造について
当社グループの収益及び利益は、銀行業ひいてはハーン銀行にその多くを依存している状況であります。現在、ハーン銀行はデジタルバンキングサービスの推進などにより、モンゴル国において競争優位を確保しておりますが、後述するような銀行業における固有リスクが顕在化し同行の収益及び利益が減少した場合、当社グループの連結業績に重要な影響を及ぼす結果となります。
② グループの拡大・再編について
当社は、上述したハーン銀行への収益及び利益の依存度の低下、ひいては当社グループの更なる発展を目指し、新規参入やM&Aを含む当社グループの拡大及び再編を継続的に検討、実施しております。今後も当社グループの拡大及び再編を行ってまいりますが、これらを実施した影響により当社が予め想定しなかった結果が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 各事業固有のリスクについて
当社グループは、独自の金融コングロマリット構想のもと、銀行業、証券業、債権管理回収業、外国為替保証金取引業、M&A仲介・コンサルティング事業等の多岐にわたる事業を展開しているため、各事業における固有のリスク要因が存在します。
a)銀行業
当社子会社のハーン銀行(Khan Bank LLC)はモンゴル国において、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)はキルギス共和国において、また、当社の持分法適用関連会社であるソリッド銀行(JSC Solid Bank)はロシア連邦において銀行業を展開しております。
1)金利・為替相場等の変動による影響について
ハーン銀行はモンゴル国内において、キルギスコメルツ銀行はキルギス国内において、ソリッド銀行はロシア国内において、主に現地通貨建てで業務を行っているため、以下に挙げる金利、社会・政治情勢の影響を受ける可能性があります。
(金利リスクについて)
モンゴル、キルギス又はロシア(以下、「当該国」という。)の金利が大きく変動する場合、ハーン銀行、キルギスコメルツ銀行又はソリッド銀行(以下、「同銀行」という。)の顧客に対する貸出金利の低下、顧客からの預金に対する利払いの増加等により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
(為替リスクについて)
同銀行は当該国において主に現地通貨建てで業務を行っております。そのため、為替相場の動向次第では、同銀行の業績の如何にかかわらず当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、ハーン銀行においては、同行が保有する外貨建て資産負債に対して、為替変動リスクを軽減するためデリバティブによる為替ヘッジを行っておりますが、為替相場の変動の度合いによって、同行ひいては当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
(カントリーリスクについて)
モンゴル国は大規模な鉱山開発等による経済成長が予想されています。中央アジアの新興国であるキルギス共和国は鉱業を主要産業としており、中央アジアの中継点としての地政学的な重要性もあることから、今後の経済成長が見込まれております。また、ソリッド銀行が本店を置くロシア連邦の極東地域は、豊富な天然資源を有しており、開発による更なる発展が期待されます。しかしながら、今後、当該国における政治・社会情勢の混乱、各種法改正や税務及び規制等環境の変化等により当該国の経済情勢が悪化した場合には、貸倒れの増加や貸倒引当金の積み増し等により、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(信用リスクについて)
同銀行は当該国において主に貸出業務を行っており、貸出先の状況、担保の価値、経済全体に関する前提及び見積りに基づいて、貸倒引当金を計上しております。ただし、経済情勢全般の悪化や個別貸出先の業績悪化等により追加の貸倒引当金を計上せざるを得なくなる可能性、また、実際の貸倒れが貸倒引当金を上回ることにより追加的な与信費用が発生する可能性があります。
2)法規制について
同銀行は、当該国に設立されている銀行であるため、当該国政府の金融、経済政策や関係する法令規則等の変更により、同銀行あるいは当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、同銀行は当該国の中央銀行による規制・監督下に置かれているため、今後当該規制が変更された場合、規制に対応するためのコスト増から当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
3)競合について
同銀行は、当該国内において他の金融機関やノンバンク等との競争環境に晒されています。今後、当該国において金融機関同士の統合や再編、業務提携が行われる可能性や、フィンテック等の新技術の台頭により競争が激化する可能性があり、同銀行が競争優位を確立できない場合には、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
b)証券業
当社子会社のエイチ・エス証券株式会社は、証券業を展開しております。
1)証券市場の変動による影響について
株式市場において相場の低迷、取引の停滞・減少があった場合には、当社証券子会社の顧客数又は一人当たり取引高は停滞・減少する事態が想定され、株式売買手数料の減少等により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
2)法規制について
同社においては、トップマネジメントの監督の下、内部管理統括責任者、コンプライアンス統括部等が連携し、法令遵守のための内部管理組織の整備、コンプライアンスマニュアルの周知徹底を図っております。しかしながら、今後何らかの理由により行政上の指導、勧告を受けた場合には、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
金融商品取引法及び関係法令は、証券会社に対して自己資本規制比率を一定以上維持することを義務付けております。同社における2021年3月31日現在の自己資本規制比率は595.5%であり、余裕をもって経営に当たっておりますが、今後何らかの理由により当該比率が120%を下回った場合には、監督官庁の指導、命令等を通して当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、証券会社は、金融商品取引法及び関係法令、金融商品販売法等の消費者保護に関する法令、市場秩序に関する法令等、幅広い規制を受けており、これらの規制が変更された場合、規制に対応するためのコスト増から当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
3)競合について
近年、インターネット証券会社を中心に手数料・サービス競争は過熱しており、今後の他社動向によっては、商品提供や新サービスの提供を含み、より厳しい競争も想定されます。その場合、新たな商品を開発する費用、新システムを導入する費用、販売促進費、情報通信設備への投資等のコスト増により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
4)個別業務について
(信用取引について)
信用取引については、株式市場の変動に起因して、顧客が損失を被った場合又は代用有価証券の評価額が下落した場合、受け入れている担保が十分でなくなる可能性があります。リスク管理は徹底しておりますが、顧客からの信用貸付金の回収が想定以上に滞る場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
(トレーディングについて)
トレーディング部門においては、運用ルールに従い、ポジションの評価損益を日次で内部管理統括責任者に報告するとともに、取引内容に関してリスク管理部署からの牽制も受けております。しかしながら、株式市場において想定外の価格変動があった場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
(主幹事業務について)
主幹事業務において、同社が主幹事証券会社を務める企業が新規上場する過程あるいは上場後に社会的評価が低下するような事態を招いた場合には、その主幹事証券会社である同社の評価にも影響を与える可能性があります。その場合、主幹事業務の推進に支障をきたすことに加えて、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
(外国株式及び外債について)
外国株式及び外債の取扱いにおいては、当該国における法令等の改廃や政治、経済情勢の急激な変動等による不測の事態が生じた場合、取引の停止等の支障をきたし、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
c)債権管理回収業
当社子会社のエイチ・エス債権回収株式会社は、債権管理回収業を展開しております。
1)法規制について
債権管理回収業は、「債権管理回収業に関する特別措置法」に基づき、法務大臣の許可を受けた株式会社が営むことができます。同法により、弁護士の取締役への起用、資本金の額、取扱業務の範囲、行為規制及び行政当局による監査等の様々な制約を受けております。今後、法令規制等の変更があった場合や、何らかの理由により行政上の処分を受けた場合は、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
2)不良債権処理の動向について
同社では、金融機関、ノンバンク、投資ファンド等からの債権の買取、債権回収の受託、譲受債権の回収等の債権管理回収業を展開しております。金融機関等による不良債権処理が鈍化した場合、債権の買取、債権回収の受託、債権の譲受及びその債権の回収が減少し、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
d)外国為替保証金取引業
当社の持分法適用関連会社である株式会社外為どっとコムは、外国為替保証金取引業を展開しております。
1)法規制について
外国為替保証金取引は金融商品取引法をはじめとする関係法令等の規制を受けており、レバレッジ規制強化等の法令の改正により収入の減少又は費用の増加が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
2)外国為替市場の変動による影響について
外国為替市場の変動状況の影響により取引量が停滞・減少し、手数料収入の減少等が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
3)競合について
同社は、口座数及び預り資産において高水準を維持しておりますが、外国為替保証金取引業界は、サービス、手数料及びスプレッド等の競争が激化しております。競争激化の影響により収入の減少又は費用の増加が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
e)M&A仲介・コンサルティング事業
当社は、M&A仲介・コンサルティング事業を展開しております。
1)法規制について
M&A仲介・コンサルティング事業は、規制を受ける法律が特段ない状況となっております。しかし、案件の増加に伴い、法制度の整備により何らかの規制が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
2)競合について
M&A仲介・コンサルティング事業は、許認可等の必要がなく、参入障壁が低いことから、今後も競合他社の増加が見込まれます。競合他社の増加に伴う競争激化等により手数料等の減少が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
f)その他の事業
上記事業の他、当社の連結子会社及び持分法適用関連会社が展開する事業において、法令規制等の変更、競争の激化等の事業環境の変化により収入の減少又は費用の増加等が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、当社は自己投資業務(プリンシパル投資業務)の一環として企業の育成、再生及び発展に取り組んでおります。当社は、対象会社の再生、企業価値向上へと取り組んでおりますが、対象会社の再生が計画通り進まない場合、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ オペレーショナルリスクについて
a)システムについて
当社グループでは、各事業分野において業務を運営するために基幹システムをはじめとした様々なコンピュータシステムを利用しています。また、当社グループでは、証券取引及び外国為替保証金取引において、コンピュータシステムにより顧客からのインターネットによる取引の受注や取引の執行・決済に関するデータ処理を行っており、銀行業等においても、インターネットを通じて顧客にサービスを提供しております。さらに、IT関連事業において、携帯端末向けデジタルコンテンツの配信サービスを展開しております。各種システムにつきましては、定期的なメンテナンスやバックアップシステムの確保等、システムの安定的な稼働を維持するため万全を期しておりますが、今後予期せぬシステム障害が起こった場合、さらにシステム障害に伴う訴訟又は行政処分等を受けた場合には、当該事業に重大な支障が生じ、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
b)事務について
当社グループのすべての業務には事務リスクが存在し、役職員等が事務に関する社内規程・手続等により定められたとおりの事務処理を怠る、あるいは事故、不正等を起こす可能性があります。これらの事象により業務に支障をきたした場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 個人情報保護について
当社グループの各事業分野における顧客情報の管理については、情報管理担当者及び責任者を配置し、各社厳重な管理を行っておりますが、想定していなかった経路より外部に情報が流出した際には、金融グループとしての信用に悪影響を及ぼし、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 自然災害等について
地震、火災、大雨等の自然災害や、戦争、暴動、テロ等により人的被害又は物的被害が生じた場合、また、これらの自然災害等に起因する事象により、当社グループの業務の遂行に支障が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 有能な人材の確保について
当社グループは、独自の総合金融コングロマリット構想の下、幅広い分野で高い専門性を必要とする業務を行っておりますので、各国・各分野において有能で熟練した人材が必要とされます。このため、必要な人材の積極的な採用や継続的な研修を行うこと等により、経費が増加する可能性があります。また、有能な人材の採用及び定着を図ることができなかった場合には、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
⑧ 訴訟について
当社グループは、各事業分野において事業運営に関する訴訟リスクが存在し、また、訴訟の発生を予測することは困難です。訴訟が発生した場合、訴訟対応に関する費用の増大、不利な判決による賠償金の支払い及び社会的信用の低下等により当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
⑨ 主要株主について
現在、当社代表取締役会長である澤田秀雄個人が大株主となっており、澤田個人及び関連企業において実質的に約29%を保有しておりますので、当社株主総会の承認を要する事項(取締役・監査役の選任・解任、配当実施等)全てに大きな影響力を持っております。
⑩ 新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、世界各国の景気悪化をもたらしましたが、ワクチン接種の増加や各国の財政政策などの結果、一定の回復の兆しを見せております。しかし、今後、感染拡大が再燃し、各国の景気悪化や消費の減少、企業業績の悪化などをもたらした場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
モンゴル国内においては2021年3月より感染者数が増加傾向にあり、国境封鎖や外出禁止令などの感染防止策がモンゴル経済を縮小させ、ハーン銀行の業績に影響を与える可能性があります。
日本国内においても、今後の感染状況によっては、日米の市況悪化による投資マインドの低下などが証券業の業績に影響を与える可能性があります。
なお、上記の記載のうち、将来に関する事項は、別段の記載がない限り本書提出日現在において当社が判断したものに限られており、全てのリスク要因を網羅するものではありません。
(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、輸出や消費の減少、企業収益や雇用環境の悪化など厳しい状況となりました。また、同様に世界経済においても個人消費や企業業績は大幅に悪化し経済活動が急速に低下しており、今後の感染状況によっては景気回復が遅れ長期停滞となる可能性もあり、内外経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。
このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は577億55百万円(前期比32億72百万円減)、経常利益は97億23百万円(前期比18億41百万円減)となりましたが、ハーン銀行の留保利益に対して税効果を認識し法人税等調整額を計上した影響により親会社株主に帰属する当期純損失は30億15百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益72億5百万円)となりました。
当社グループは、当社、連結子会社5社及び持分法適用関連会社2社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。
銀行関連事業 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、
ソリッド銀行(JSC Solid Bank)
証券関連事業 エイチ・エス証券株式会社
債権管理回収関連事業 エイチ・エス債権回収株式会社
IT関連事業 iXIT株式会社 ※
その他事業 当社、H.S. International (Asia) Limited、株式会社外為どっとコム
※ 第2四半期連結会計期間において、当社は、当社の連結子会社であるiXIT株式会社の全株式を譲渡いたしました。本株式譲渡により、iXIT株式会社は連結の範囲から除外されることとなりました。なお、報告セグメントごとの業績における「IT関連事業」は、第1四半期連結累計期間の業績となります。
報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
a)銀行関連事業
銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は491億17百万円(前期比32億13百万円減)、営業利益は80億17百万円(前期比24億59百万円減)となりました。また、持分法適用関連会社であるソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国)
モンゴル経済につきましては、世界的な新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、国境閉鎖や外国からの入国制限、各種イベントや施設利用の禁止などの措置がとられ、景気は急速に悪化しております。特に、飲食店の営業時間制限や遊興施設の一時閉鎖等により多くの中小企業が影響を受け、また、中国との国境閉鎖と中国経済の減速は中国への鉱物資源の輸出や石炭等の鉱物生産の大幅な減少をもたらし、実質GDP(1-12月)は前期比で5.3%減少し、インフレ率は景気減速により前期比2.3%の上昇にとどまりました。外貨準備高は海外からの直接投資の増加や国際援助機関からの支援を背景に45億ドル台(前期比4.3%増加)となりましたが、景気悪化により財政収支は赤字が急拡大しております。貿易収支は黒字を維持しておりますが、モンゴルの輸出の大半を占める対中国輸出の減少や景気悪化などにより、輸出・輸入ともに減少しております。為替市場では、現地通貨トゥグルク(以下、MNTという。)が前期比で米ドルに対して4.2%下落(ドル高)、円に対して9.8%下落(円高)となりました。
モンゴルの銀行業界につきましては、景気悪化に伴い、金融セクターの融資残高は前期比で4.9%減少しました。また、延滞債権残高は54.1%増加、不良債権残高は10.1%増加となりました。この結果を受け、モンゴル中央銀行は4月と9月に政策金利を1%ずつ引き下げるとともに、11月には政策金利を2%引き下げました。
このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、デジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。しかし、2020年3月24日に発表いたしましたとおり、2020年1月に施行されました年金担保融資の国による返済に関する法律(英語法律名「One-time State Repayment for Pension Secured Loan of a Citizen」)の影響が依然として残っており、個人向け融資や資金運用収益が減少し、貸倒引当金繰入額が増加しました。そのため、当期においては、大口の法人向け融資にも注力し、法人向け融資が大きく増加しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う景気悪化なども影響し、結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前期比で26.2%増加、融資残高は6.7%増加した一方で、資金運用収益は3.1%減少、当期純利益は14.1%減少いたしました。融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前期比で48.2%増加、個人向け融資は24.6%減少、農牧業向け融資は21.0%増加いたしました。
キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国)
キルギス経済につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により景気は悪化し、自粛や検疫制度などが実施され、鉱工業生産、建設、サービス業など経済のあらゆる部門が打撃を受けた結果、実質GDP(1-12月)は前期比で8.6%減少となりました。インフレ率は食料品価格の上昇や現地通貨(キルギスソム)の下落の影響により前期比で6.3%の上昇となりました。
このような環境の中、キルギスコメルツ銀行につきましては、融資残高と預金残高を慎重に運用し、新規貸出を抑えながら既存融資先のサポートに注力いたしました。景気が急速に悪化する状況下で融資残高と預金残高は横ばいとなっておりますが、経費削減などの対策の結果、業績は改善してきております。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により融資先の財政状態が不透明となってきているため、貸出審査及びリスク管理を厳格化し、慎重な業務を行うことといたします。また、リテール事業の拡大に向けて、新決済システムの導入によるデジタルバンキングやクレジットカード事業の強化、個人向けの新商品開発を進めてまいります。
ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦)
ロシア経済につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大を受け自粛や外出禁止措置などがとられた結果、景気は悪化しており、実質GDP(1-12月)は前期比で3.0%減少、インフレ率は食料品価格の上昇などにより4.4%上昇となりました。また、ロシア中央銀行は、新型コロナウイルス感染症拡大への対応として、数回にわたって政策金利を引き下げており、原油相場の下落により現地通貨(ルーブル)の下落基調が続きました。
このような環境の中、ソリッド銀行につきましては、融資残高と預金残高の増加を抑え、安定した業種の中堅優良企業への貸出、銀行保証や為替取引などの非金利収入の維持に注力いたしました。また、継続的なコスト削減や不良債権の回収、担保物権の売却に取り組んでまいりました。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響、現地通貨(ルーブル)の為替動向、原油価格の推移、経済制裁及び国際情勢の緊迫化等の影響もあり、ロシア経済は低成長が続くと予想されますが、優良企業への貸出増加、預金コストの削減等に注力し、業務の合理化とともに財務状態の改善に取り組んでまいります。
b)証券関連事業
当連結会計年度における国内株式市場は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による景気後退懸念から下落して始まりましたが、2020年4月上旬に政府が緊急事態宣言発令と同時に発表した108兆円規模の緊急経済対策を好感し上昇に転じると、6月初旬には、緊急事態宣言が解除されたことによる国内経済の回復への期待感から、機関投資家等の買戻しが増加したことに加え、先進国の経済活動再開や米国経済指標が改善したことなどを好感し、株価は3ヶ月半振りに23,000円を回復しました。しかし、その後は新型コロナウイルス感染症の拡大懸念が再び広がったことで上値は抑えられる展開となり、狭いレンジでのもみ合いが続きました。
11月に入ると、新型コロナウイルス感染症のワクチンの開発進捗から世界の景気回復期待への高まりに加え、米国大統領選挙後の混乱が予想より短期終息したことから、大幅に上昇しました。その後も上昇を続け、2月には約30年ぶりに3万円の大台を回復しました。結果として、当連結会計年度末の日経平均株価は29,178円8銭で取引を終えました。なお、当連結会計年度における東証の売買代金は前期比で14.3%増加しました。
このような環境の中、エイチ・エス証券株式会社につきましては、お客様のパフォーマンスに貢献する証券会社として、国内株式営業への取り組み、外貨建て債券の販売、米国株式を中心とした外国株式の販売に注力いたしました。引受業務におきましては、新規公開(IPO)8社(うち主幹事2社)の幹事参入を果たしました。さらに、TOKYO Pro Market J-Adviser資格を取得するなど、法人ビジネスの拡大にも取り組みました。
また、当連結会計年度末における預り資産は、3,186億54百万円(前期比692億87百万円増)となりました。
結果として、当連結会計年度における営業収益は37億46百万円(前期比4億15百万円増)、営業利益は5億61百万円(前期比4億1百万円増)となりました。
(受入手数料)
当連結会計年度の受入手数料は、13億22百万円(前期比88百万円増)となりました。
その内訳としましては、委託手数料が10億37百万円(前期比2億27百万円増)、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料が53百万円(前期比14百万円減)、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料が84百万円(前期比22百万円増)、主に投資信託事務代行事務手数料と投資銀行業務に係る手数料で構成されるその他の受入手数料は、前連結累計年度に計上されていた公開買付事務手数料の反動により1億46百万円(前期比1億46百万円減)となりました。
(トレーディング損益)
当連結会計年度のトレーディング損益につきましては、株券等は10億96百万円(前期比5億66百万円増)となりました。また、債券・為替等は7億98百万円(前期比2億3百万円減)となり、合計で18億94百万円(前期比3億62百万円増)となりました。
(金融収支)
当連結会計年度の金融収益は5億29百万円(前期比26百万円減)、金融費用は1億17百万円(前期比23百万円減)となり、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は4億11百万円(前期比3百万円減)となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、30億66百万円(前期比47百万円増)となりました。
c)債権管理回収関連事業
サービサー業界につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による全国的な景気後退懸念が継続しているものの、各金融機関において制度融資や緊急融資等の対応により不良債権化する状況には至っておらず、依然として業界の競争は激しく債権の買取価格の高騰が続いております。
このような環境の中、エイチ・エス債権回収株式会社につきましては、不良債権の買取価格の高騰が続き、買取実績については前年度実績に対し減少しているものの、収益性を加味した入札の継続により良質な不良債権確保に努めております。引き続き、既存の取引先金融機関からの不良債権買取を中心に、取得した債権から適切に管理回収を行い堅調な事業収益を確保しつつ、銀行を中心とした金融機関以外にも、不良債権市場のシェア拡大を目指し、安定的な債権の取得を継続しております。
結果として、当連結会計年度の営業収益は47億67百万円(前期比4億99百万円増)、営業利益は2億70百万円(前期比8百万円減)となりました。
d)IT関連事業
IT関連事業であるiXIT株式会社は、株式譲渡により連結の範囲から除外されております。
なお、第1四半期連結累計期間の営業収益は2億17百万円(前連結会計年度比9億53百万円減)、営業損失は47百万円(前連結会計年度は営業損失32百万円)となりました。
e)その他事業
当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社及び持分法適用関連会社は、その他事業に分類しております。なお、持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
その他事業の当連結会計年度の営業収益は2億44百万円(前期比1百万円増)、営業損失は69百万円(前期は営業損失1億41百万円)となりました。
f)持分法による投資損益
持分法適用関連会社である株式会社外為どっとコム及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。
株式会社外為どっとコムにつきましては、主にドル円のスプレッドを縮小したことにより取引数量は増加したものの収益性が低下し、当連結会計年度の業績は減収減益となりました。
結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は6億87百万円(前期比2億47百万円減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計につきましては、4,995億91百万円となり、前期比299億31百万円増加しました。
これは主に、「有価証券」が478億75百万円増加し、一方で「現金及び預金」が160億63百万円減少したことによるものであります。
主な増減要因は、「現金及び預金」及び「有価証券」はハーン銀行における資金運用に伴う増減によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計につきましては、4,282億47百万円となり、前期比392億1百万円増加しました。
これは主に、「預金」が462億35百万円、「繰延税金負債」が49億1百万円増加し、一方で「長期借入金」が116億66百万円減少したことによるものであります。
主な増減要因は、「預金」はハーン銀行が顧客から預かる預金の増加、「繰延税金負債」はハーン銀行の留保利益に対する税効果の認識による増加、「長期借入金」はハーン銀行における長期借入金の減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計につきましては、713億43百万円となり、前期比92億69百万円減少しました。
これは主に、「利益剰余金」が34億90百万円、「非支配株主持分」が47億93百万円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,854億12百万円(前期比394億16百万円増)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、776億37百万円の資金増加(前期比361億92百万円の増加)となりました。
これは主に、「預金の純増減(△)」384億70百万円の資金が増加したことによるものであります。
主な増減要因は、ハーン銀行が顧客から預かる預金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、87億4百万円の資金減少(前期は51億55百万円の資金増加)となりました。
これは主に、「投資有価証券の取得による支出」110億99百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な増減要因は、ハーン銀行における投資有価証券取得の増加によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、147億49百万円の資金減少(前期比65億48百万円の減少)となりました。
これは主に、「子会社の自己株式の取得による支出」71億77百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な増減要因は、ハーン銀行における非支配株主持分への払戻しによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
該当事項はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益は577億55百万円(前期比32億72百万円減)、経常利益は97億23百万円(前期比18億41百万円減)、親会社株主に帰属する当期純損失は30億15百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益72億5百万円)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、ハーン銀行の業績は当社グループの経営成績の主たる割合を占めており、その業績の変動が当社グループに重要な影響を及ぼすことになります。また、当社グループには海外の関係会社が複数存在するため、海外の経済情勢や政治情勢から大きな影響を受けております。さらに、国内の関係会社においても、株式、債券、金利、為替等の市況環境に影響を受けるため、当社グループの経営成績が変動する要因となります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)を連結ベースで10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としておりますが、当連結会計年度においては△5.3%となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大などによる銀行関連事業の減収減益、ハーン銀行の留保利益に対する税効果の認識による法人税等調整額(損)の計上などが要因となります。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a)銀行関連事業
銀行関連事業の当連結会計年度における営業収益は491億17百万円(前期比32億13百万円減)、営業利益は80億17百万円(前期比24億59百万円減)となりました。
ハーン銀行においては、現地通貨ベースでの、資金運用収益や当期純利益は前期比で減少し減収減益となった一方で、融資残高や預金残高は前期比で増加しました。
ハーン銀行の業績は、モンゴル国において、2020年1月に施行されました年金担保融資の国による返済に関する法律(英語法律名「One-time State Repayment for Pension Secured Loan of a Citizen」)が影響を及ぼしました。この法律は、年金を担保にした個人向け融資について、1人あたり最大600万トゥグルグまで国が返済を肩代わりし、その財源としてモンゴル国営企業Erdenes MGL社が発行する社債を銀行に一時的に引き受けさせるという内容のものです。この法律の影響により、個人向け融資や資金運用収益が減少し、リスク分散された優良なポートフォリオであった年金担保融資が、1社の社債に置き換わった結果、貸倒引当金繰入額を増加させました。
この個人向け融資の減少によって、ハーン銀行は当連結会計年度で大口の法人向け融資にも注力したため、法人向け融資が大きく増加し融資残高は前期比で増加、資金運用収益は法律施行前の状況まで徐々に改善してきております。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、モンゴル国においても国境閉鎖や外出禁止などの措置により景気の急速な悪化をもたらし、ハーン銀行は、国の経済支援策に協力する形で、低金利の融資や融資の返済猶予等を実施しております。このため、来期以降、この信用リスクが顕在化し、貸倒引当金繰入額が増加する可能性もあります。
ハーン銀行ではお客様満足度の向上のため、顧客のセグメンテーションを推進し、お客様それぞれに合ったサービスの提供に努めております。顧客の利便性を図るため、パソコンやスマートフォンからのインターネット取引を推進しており、支店における取引の8割程度がデジタルバンキングでの取引となっております。また、本社ビルを新築し、窓口業務と本社機能の効率化を図っております。今後、ハーン銀行は個人向け・法人向け融資に注力しつつ、カード事業やデジタルバンキングサービス等を含めた手数料収入の増加にも注力いたします。
キルギスコメルツ銀行においては、キルギス国内でも新型コロナウイルス感染症の感染拡大が景気悪化をもたらしましたが、現地通貨ベースでは融資残高や預金残高がともに増加し、資金運用収益も増加しました。しかし、国際会計基準ベースでは貸倒引当金繰入額の計上が大きく、依然として当期純損失となっております。
キルギス国内では、銀行は飽和状態であることから、サービス面を改善することで他社との差別化を図り、収益の獲得に努めてまいります。新決済システムの導入によるデジタルバンキングの推進、キルギス国内唯一のクレジットカードのプロセシングセンター設立などを進めており、キルギスにおける「最も便利で信頼できる先進的な銀行」に成長することを目指し、銀行業務だけでなく幅広い金融サービスの展開に向けて、個人向けのカード事業とオンラインサービスを強化しております。
ソリッド銀行においては、ロシアにおける新型コロナウイルス感染症の感染拡大やルーブルの下落、国際情勢の不安定化等の影響から厳しい環境が続いております。貸出業務の改善と強化を図り、融資審査体制を本部に集中化させ、リスク管理を大幅に厳格化するとともに、組織の再構築やコスト削減等を実行しております。さらに、非金利収入の増加に向けたサービスの拡大に取り組み、ロシア極東地域における存在感のある銀行を目指してまいります。
b)証券関連事業
証券関連事業の当連結会計年度における営業収益は37億46百万円(前期比4億15百万円増)、営業利益は5億61百万円(前期比4億1百万円増)となりました。
エイチ・エス証券株式会社においては、主に年後半から、米国における経済財政政策や新型コロナウイルス感染症のワクチン開発期待により株式市場が好況となり米国株式の販売が増加し、また販管費の削減効果もあり増収増益となりました。しかし、今後も新型コロナウイルス感染症の影響による内外経済の下振れリスクが懸念されることや、少子高齢化による顧客数減少、競合他社の手数料値下げなど、エイチ・エス証券を取り巻く環境は依然として厳しく不透明な状況が続いております。
このような状況の中、エイチ・エス証券におきましては、『お客様のパフォーマンスに貢献する誠実な証券会社を目指す』ため、お客様の声が迅速に届くようなフラットな組織・体制を構築し、お客様ニーズに沿った商品・サービスの提供に努めてまいります。
また、コロナ禍において企業の働き方や人々の生活スタイルが変化する中、従来のサービス形態にとらわれることのない、創造的な発想によるビジネスモデルを構築し、新たな価値の創造に果敢にチャレンジしてまいります。
c)債権管理回収関連事業
債権管理回収関連事業の当連結会計年度における営業収益は47億67百万円(前期比4億99百万円増)、営業利益は2億70百万円(前期比8百万円減)となりました。
エイチ・エス債権回収株式会社においては、各金融機関における不良債権保有率の減少に伴いサービサー間での競争が激化している中、取引先金融機関等の拡充を図り継続的な債権の仕入れを目指すことで、安定的な収益の確保に努めております。当連結会計年度では、買取債権の回収が順調に進んだことから増収となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により各金融機関が制度融資や緊急融資などを積極的に行った結果、不良債権の発生が抑えられたこと、さらに、利益率の高い不良債権獲得のため査定を厳しく行ったことから、保有買取債権残高は前期比で減少しました。
着実な取引金融機関の増加を目指した営業活動から大幅に取引数を増加していますが、そのような過去の営業活動は、不良債権市場が活発になった際に不良債権を取捨選択し、利益率の高い不良債権を獲得するための素地となるため、引き続き、取引金融機関のシェアを広げつつ、景気の転換期を迎えた際には収益性のある不良債権の獲得を目指してまいります。
d)IT関連事業
IT関連事業であるiXIT株式会社は、第2四半期連結会計期間において、株式譲渡により連結の範囲から除外されております。
なお、第1四半期連結累計期間の営業収益は2億17百万円(前連結会計年度比9億53百万円減)、営業損失は47百万円(前連結会計年度は営業損失32百万円)となりました。
e)その他事業
その他事業の当連結会計年度における営業収益は2億44百万円(前期比1百万円増)、営業損失は69百万円(前期は営業損失1億41百万円)となりました。
当社単体においては、グループ各社における適切な会社運営に加え、グループ間でのシナジー効果を高めるべく適切な管理や助言を行っております。当社単体の営業収益は、主に関係会社からの配当金及び経営管理料で構成されており前期比で増加となりました。投資事業については、国内における独自性や特長のある事業のみならず、主にアジア圏における将来性のある国や地域での事業に対しても積極的な投資を展開しております。さらに、投資事業の一環として、企業の再生についても国内外問わず行っております。また、M&A仲介・コンサルティング事業は、対応が困難とされる短期的な案件や小規模な案件に対しても積極的に取り組み、徐々に実績を重ねてきております。今後もグループの拡大に向け、更なる発展を続けてまいります。
f)持分法による投資損益
当連結会計年度における持分法による投資利益は6億87百万円(前期比2億47百万円減)となりました。
株式会社外為どっとコムにおいては、FX業界の市場規模は緩やかながらも拡大傾向を維持しておりが、異業種企業の参入が継続しており、企業間での顧客獲得競争は依然として厳しい状況にあります。競争優位性を高めるために各社が価格訴求策を打ち出すことで取引高あたりの収益率を低下させるという悪循環が、当社を含む業界全体を消耗させる要因となっています。
当連結会計年度では、各種政治イベント、新型コロナウイルス感染症による経済活動や個人投資家の生活様式の変化等を背景に取引が活発となった結果、取引高は前期比で増加しましたが、収益率の低下により減収減益となりました。今後は、このように競争が激化するFX業界において、顧客基盤の拡大に取り組み、マーケティング施策の強化や取引システムの強化等により、顧客からの更なる支持の獲得を目指してまいります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a)キャッシュ・フロー
「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b)資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資金需要のうち主なものは、顧客への貸出金、人件費や不動産賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。設備投資を目的とした資金需要は、デジタルバンキングサービスなどの情報システムの構築、ATM増設及び支店開設、改築等によるものであります。
また、当社グループにおける必要な運転資金、投資資金及び融資資金は、自己資金、金融機関からの借入、顧客からの預り金により調達しております。当連結会計年度末における主な有利子負債残高は、長期借入金(1年内含む)457億4百万円、短期借入金32億30百万円、信用取引借入金51億92百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は1,854億12百万円となっております。主な借入先として、ハーン銀行においてオランダ開発金融公庫から105億43百万円、モンゴル中央銀行から73億95百万円、欧州復興開発銀行から35億27百万円、H.I.S U.S.A. HOLDING,INC.から30億94百万円、エイチ・エス債権回収株式会社において株式会社きらぼし銀行から26億80百万円、エイチ・エス証券株式会社において日本証券金融株式会社から51億92百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与えるような見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績値や状況に応じて、合理的かつ妥当な判断により、見積り及び予測を行っておりますが、当該見積り及び予測については、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。