第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。

 

(2) 経営戦略等

当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。

当連結会計年度のROEは、銀行関連事業の増収増益などにより20.3%となりました。

 

(4) 経営環境

当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。

日本経済は、新型コロナウイルス感染症による各種の活動制限が緩和され経済社会活動が徐々に正常化しつつありますが、一方でインフレ率の上昇等の懸念があり、先行きは不透明な状況にあります。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題や多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。

モンゴルでは、財政出動による景気対策やモンゴルの主要輸出先である中国経済の回復などもあり、モンゴル経済は回復傾向にあります。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、インフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。

キルギスやロシアにおいても、新型コロナウイルス感染症は収束しつつあり景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ問題による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。

金融サービス事業のなかでも、特にハーン銀行については、モンゴル銀行法の改正に伴い2023年12月までに当社の持分を20%以下まで引き下げる必要があり、優先的に対処すべき課題となっております。

リユース事業は、市場の拡大に伴い今後、収益・利益の増加が期待される事業となっております。そのため、今後は、積極的な新規出店等を行い買取チャネルの拡大を継続することにより、個人のお客様からの買取りを強化するほか、様々な営業施策を実施してまいります。

投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。

また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。

業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。

今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

当社は、経営理念のなかに「自然の摂理を大切にすること」「お客様とスタッフを大切にし、社会に貢献できる企業であること」を掲げており、企業の安定的かつ長期的な成長には、環境や社会問題への取組、ガバナンスが重要であると認識しており、当社グループは、持続可能な社会の実現へ向けてESGを重視した投資・経営を実践しております。

当社グループでは、主に、当社及び各子会社での取締役会においてサステナビリティに関連するリスク、機会及び取組について審議・監督し、適宜、当社の取締役会において子会社での活動内容の報告を行い、活動の推進を行っております。

 

(2)戦略

当社では、自己投資業務(プリンシパル投資業務)を行っており、投資委員会及び取締役会で投資の意思決定を行いますが、投資案件に関する情報収集、評価及び検討に際して、財務情報のみならずESGの非財務情報を含めて投資判断を行っております。

銀行関連事業におけるハーン銀行では、2007年にハーン銀行財団を設立し、企業の社会的責任(CSR)に関するプロジェクトやプログラムを実施しています。その後、2020年、ハーン銀行は持続可能な開発方針を承認し、その実施を開始しました。ハーン銀行の持続可能な開発方針は、主に「サステナブル・ファイナンス」「サステナブル・オペレーション」「サステナブル・インベストメント」「サステナブル・パートナーシップ」の4つのセクションで構成され、家庭や企業向けの各種グリーンローン、マネジメント層に対する育成プログラムなどによる人的資本投資、女性育成プログラムや各種スカラーシッププログラムなどの社会的投資など様々な取組を行っております。

リユース事業における株式会社STAYGOLDでは、「ひとつのモノ、ひとつの想いを大切に豊かな社会を創る」をミッションに掲げており、時間や場所を超えてお客様をつなぐリユースが文化として根付くことで、社会の消費行動が変わり、本当の意味での豊かな価値観が生まれると考えております。リユース事業は、大量生産・大量消費に伴う大量廃棄という社会問題を解決する循環型社会の形成に向けての重要な取組であります。今後は、事業そのものの成長のみならず、様々なサステナビリティの取組を推進し、持続可能な社会の実現につなげてまいります。

 

※人材の育成及び社内環境整備に関する方針

当社グループでは、人的資本の強化が持続可能な企業価値向上につながると認識しております。そのため、多様性を考慮した人材育成に努めており、国籍・人種・性別・年齢等による制約はなく、採用にあたっても同様の方針を厳守しています。在外子会社においては、原則として現地の人材を経営層や管理職として登用しており、女性の経営層や管理職も多数在籍しております。また、社内の環境整備に関しても、男性の育児休暇取得、在宅勤務、時差出勤、フレックスタイム制、時間単位有給制度などワークライフバランスを重視した様々な環境整備を進めております。

 

(3)リスク管理

当社グループでは「リスク管理規程」を策定しており、各事業上のリスク管理に対する基本方針や体制を定め、この規程に沿ったリスク管理体制を整備、構築しております。また、取締役及び担当部署は、当社グループの事業に係るリスクの把握及び管理に努め、当該リスクの管理状況を適宜、取締役会に報告する体制を整えています。今後、状況に応じて、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別、評価、管理する体制を強化することを検討してまいります。

また、特にハーン銀行においては、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別、評価、管理するために、(2)戦略で記載した4つのセクションごとにそれぞれワーキンググループを設置しており、そこでリスクを把握、分析し、必要な対応策を講じるとともに、必要に応じて取締役会に報告されます。

 

(4)指標及び目標

現時点では、当社グループにおいて、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する重要な指標及び目標を設定しておりません。今後、状況に応じて、当社及び各子会社において指標及び目標の設定の要否を含め検討してまいります。

 

※人材の育成及び社内環境整備に関する方針についての指標及び目標

人材の育成等に関する方針に関する指標及び目標についても設定してはおりませんが、在外子会社においては多くの女性役員や管理職が在籍しており、国内においては女性社員比率が約35.5%、女性管理職比率が約4.0%となっております。今後、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する指標及び目標とあわせて検討を進めてまいります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。

なお、下記の記載のうち、将来に関する事項は、別段の記載がない限り本書提出日現在において当社が判断したものに限られており、全てのリスク要因を網羅するものではありません。

 

① グループの収益・利益構造について

当社グループの収益及び利益は、銀行業ひいてはハーン銀行にその多くを依存している状況であります。現在、ハーン銀行はデジタルバンキングサービスの推進などにより、モンゴル国において競争優位を確保しておりますが、後述するような銀行業における固有リスクが顕在化し同行の収益及び利益が減少した場合、当社グループの連結業績に重要な影響を及ぼす結果となります。

 

② グループの拡大・再編について

当社は、上述したハーン銀行への収益及び利益の依存度の低下、ひいては当社グループの更なる発展を目指し、新規参入やM&Aを含む当社グループの拡大及び再編を継続的に検討、実施しております。今後も当社グループの拡大及び再編を行ってまいりますが、これらを実施した影響により当社が予め想定しなかった結果が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 各事業固有のリスクについて

当社グループは、独自の金融コングロマリット構想のもと、銀行業、リユース事業、M&A仲介・コンサルティング事業等の多岐にわたる事業を展開しているため、各事業における固有のリスク要因が存在します。

 

a) 銀行業

当社子会社のハーン銀行(Khan Bank LLC)はモンゴル国において、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)はキルギス共和国において、また、当社の持分法適用関連会社であるソリッド銀行(JSC Solid Bank)はロシア連邦において銀行業を展開しております。

 

1) 金利・為替相場等の変動による影響について

ハーン銀行はモンゴル国内において、キルギスコメルツ銀行はキルギス国内において、ソリッド銀行はロシア国内において、主に現地通貨建てで業務を行っているため、以下に挙げる金利、社会・政治情勢の影響を受ける可能性があります。

 

(金利リスクについて)

モンゴル、キルギス又はロシア(以下、「当該国」という。)の金利が大きく変動する場合、ハーン銀行、キルギスコメルツ銀行又はソリッド銀行(以下、「同銀行」という。)の顧客に対する貸出金利の低下、顧客からの預金に対する利払いの増加等により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

(為替リスクについて)

同銀行は当該国において主に現地通貨建てで業務を行っております。そのため、為替相場の動向次第では、同銀行の業績の如何にかかわらず当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

また、ハーン銀行においては、同行が保有する外貨建て資産負債に対して、為替変動リスクを軽減するためデリバティブによる為替ヘッジを行っておりますが、為替相場の変動の度合いによって、同行ひいては当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

(カントリーリスクについて)

モンゴル国は大規模な鉱山開発等による経済成長が予想されています。中央アジアの新興国であるキルギス共和国は鉱業を主要産業としており、中央アジアの中継点としての地政学的な重要性もあることから、今後の経済成長が見込まれております。また、ソリッド銀行が本店を置くロシア連邦の極東地域は、豊富な天然資源を有しており、開発による更なる発展が期待されます。しかしながら、今後、当該国における政治・社会情勢の混乱、各種法改正や税務及び規制等環境の変化等により当該国の経済情勢が悪化した場合には、貸倒れの増加や貸倒引当金の積み増し等により、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(信用リスクについて)

同銀行は当該国において主に貸出業務を行っており、貸出先の状況、担保の価値、経済全体に関する前提及び見積りに基づいて、貸倒引当金を計上しております。ただし、経済情勢全般の悪化や個別貸出先の業績悪化等により追加の貸倒引当金を計上せざるを得なくなる可能性、また、実際の貸倒れが貸倒引当金を上回ることにより追加的な与信費用が発生する可能性があります。

 

2) 法規制について

同銀行は、当該国に設立されている銀行であるため、当該国政府の金融、経済政策や関係する法令規則等の変更により、同銀行あるいは当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

また、同銀行は当該国の中央銀行による規制・監督下に置かれているため、今後当該規制が変更された場合、規制に対応するためのコスト増から当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

3) 競合について

同銀行は、当該国内において他の金融機関やノンバンク等との競争環境に晒されています。今後、当該国において金融機関同士の統合や再編、業務提携が行われる可能性や、フィンテック等の新技術の台頭により競争が激化する可能性があり、同銀行が競争優位を確立できない場合には、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

b) リユース事業

  当社の連結子会社である株式会社STAYGOLDは、リユース買取卸売・小売事業を展開しております。

 

1)仕入体制について

同社では、リユース品の買取仕入が収益確保における基盤となっておりますが、今後の景気動向の変化、競合買取業者の増加、顧客マインドの変化や相場の変動によって、質量ともに安定的な商品の確保が困難となった場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

また、リユース品の買取という性質上、コピー商品や盗品の買取・販売のリスクを含んでおり、これによる顧客とのトラブルの発生や信用低下により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

2)外部環境の変化について

同社では、貴金属、時計、地金、宝石、ブランド品が主な取扱い商材となっておりますが、商品によっては流行の変化に伴う経済的陳腐化、為替相場及び貴金属・地金相場の変動等により価格下落がもたらされるもの、牽引役となる人気商品・ヒット商品の有無により販売動向が大きく左右されるものが存在しており、為替・株式市場等の乱高下、景況感の急激な変化等により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

また、主に商品の買取において同業他社との競合が生じており、今後、新規参入などにより一層の競争激化が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

3)法規制等について

同社では、古物営業法による法的規制を受けており、古物営業の許可を所轄の公安委員会により受けています。そのため、同法に抵触または違反するような事案が発生した場合、営業の停止もしくは許可の取消が行われ、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

また、同社では店舗営業や販売促進等において、多くの個人情報を管理しているため、これら個人情報の漏洩等が発生した場合、社会的信用の失墜、事後対応による多額の費用・損失の発生など当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

c) M&A仲介・コンサルティング事業

当社は、M&A仲介・コンサルティング事業を展開しております。

 

1) 法規制について

M&A仲介・コンサルティング事業は、規制を受ける法律が特段ない状況となっております。しかし、案件の増加に伴い、法制度の整備により何らかの規制が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

2) 競合について

M&A仲介・コンサルティング事業は、許認可等の必要がなく、参入障壁が低いことから、今後も競合他社の増加が見込まれます。競合他社の増加に伴う競争激化等により手数料等の減少が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

d) その他の事業

上記事業の他、当社の連結子会社及び持分法適用関連会社が展開する事業において、法令規制等の変更、競争の激化等の事業環境の変化により収入の減少又は費用の増加等が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

また、当社は自己投資業務(プリンシパル投資業務)の一環として企業の育成、再生及び発展に取り組んでおります。当社は、対象会社の再生、企業価値向上へと取り組んでおりますが、対象会社の再生が計画通り進まない場合、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ オペレーショナルリスクについて

a) システムについて

当社グループでは、各事業分野において業務を運営するために基幹システムをはじめとした様々なコンピュータシステムを利用しています。また、当社グループでは、銀行業等において、インターネットを通じて顧客にサービスを提供しており、また、リユース事業においても、買取から販売までの顧客や商品の管理、相場データの収集、オンライン上でのオークション販売など多くのシステムに依存しております。各種システムにつきましては、定期的なメンテナンスやバックアップシステムの確保等、システムの安定的な稼働を維持するため万全を期しておりますが、今後予期せぬシステム障害が起こった場合、さらにシステム障害に伴う訴訟又は行政処分等を受けた場合には、当該事業に重大な支障が生じ、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

b) 事務について

当社グループのすべての業務には事務リスクが存在し、役職員等が事務に関する社内規程・手続等により定められたとおりの事務処理を怠る、あるいは事故、不正等を起こす可能性があります。これらの事象により業務に支障をきたした場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 個人情報保護について

当社グループの各事業分野における顧客情報の管理については、情報管理担当者及び責任者を配置し、各社厳重な管理を行っておりますが、想定していなかった経路より外部に情報が流出した際には、金融グループとしての信用に悪影響を及ぼし、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 自然災害等について

地震、火災、大雨等の自然災害や、戦争、暴動、テロ等により人的被害又は物的被害が生じた場合、また、これらの自然災害等に起因する事象により、当社グループの業務の遂行に支障が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 有能な人材の確保について

当社グループは、独自の総合金融コングロマリット構想の下、幅広い分野で高い専門性を必要とする業務を行っておりますので、各国・各分野において有能で熟練した人材が必要とされます。このため、必要な人材の積極的な採用や継続的な研修を行うこと等により、経費が増加する可能性があります。また、有能な人材の採用及び定着を図ることができなかった場合には、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 訴訟について

当社グループは、各事業分野において事業運営に関する訴訟リスクが存在し、また、訴訟の発生を予測することは困難です。訴訟が発生した場合、訴訟対応に関する費用の増大、不利な判決による賠償金の支払い及び社会的信用の低下等により当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 主要株主について

現在、当社のその他の関係会社であるウプシロン投資事業有限責任組合が筆頭株主となっており、議決権総数の約40.6%を保有しております。また、当社の前代表取締役会長である澤田秀雄氏個人が大株主となっており、議決権総数の約12.3%を保有しておりますので、それぞれが当社株主総会の承認を要する事項(取締役・監査役の選任・解任、配当実施等)全てに影響力を持っております。

 

⑩ 新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、世界各国の景気悪化をもたらしましたが、ワクチン接種の進展や各国の財政政策などの結果、収束の兆しを見せております。しかし、今後、感染拡大が再燃し、各国の景気悪化や消費の減少、企業業績の悪化などをもたらした場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ ロシア・ウクライナ情勢の影響について

ロシア・ウクライナ情勢については、現時点では当社グループの連結業績に与える影響は軽微でありますが、ロシア極東地域を事業拠点とするソリッド銀行やロシア経済の影響を受けるキルギスコメルツ銀行においては、今後、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に伴う経済制裁による金利上昇やロシア経済悪化等の影響を受ける可能性があり、その場合には当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による各種の活動制限が緩和され経済社会活動が徐々に正常化しつつありますが、円安等の急激な為替変動や資源・エネルギー価格の高騰などによるインフレ懸念など景気の先行きは不透明な状況が続いております。世界経済においても、資源・エネルギー価格の高騰やインフレ率の高止まり、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引締めによる景気悪化懸念など世界経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。

このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は776億98百万円(前期比161億31百万円増)、経常利益は256億93百万円(前期比78億80百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は113億72百万円(前期比48億27百万円増)となりました。

 

当社グループは、当社、連結子会社4社及び持分法適用関連会社1社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。

 

銀行関連事業      ハーン銀行(Khan Bank LLC)、キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、

ソリッド銀行(JSC Solid Bank)

リユース事業      株式会社STAYGOLD ※1

債権管理回収関連事業  エイチ・エス債権回収株式会社 ※2

その他事業       当社、H.S. International (Asia) Limited、株式会社外為どっとコム ※3

 

※1 第2四半期連結会計期間において、当社は、株式会社STAYGOLDの株式を取得し、同社を持分法適用関連会社とすることとなりました。また、第3四半期連結会計期間において、同社は連結子会社に該当することとなりました。なお、第3四半期連結会計期間においては持分法による投資損益に同社の業績をもとにした損益が反映され、同社の損益計算書は当第4四半期連結会計期間より連結されます。

※2 第3四半期連結会計期間において、当社は、当社の連結子会社であるエイチ・エス債権回収株式会社の全保有株式を譲渡いたしました。本株式譲渡により、同社は第3四半期連結会計期間期首より連結の範囲から除外されることとなりました。

※3 第2四半期連結会計期間において、当社は、当社の持分法適用関連会社である株式会社外為どっとコムの全保有株式を譲渡いたしました。本株式譲渡により、株式会社外為どっとコムは持分法の範囲から除外されることとなりました。なお、持分法による投資損益には、売却実行時までの同社の業績をもとにした損益が計上されております。

 

報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。

 

a) 銀行関連事業

銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は728億81百万円(前期比177億18百万円増)、営業利益は249億52百万円(前期比99億3百万円増)となりました。また、持分法適用関連会社であるソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

 

ハーン銀行(本店所在地:モンゴル国)

モンゴル経済につきましては、中国における新型コロナウイルス感染拡大防止策の影響を受け、中国向けの資源輸出は減少しましたが、輸出全体では石炭や金の輸出が増加したことから、実質GDP(1-12月)は前期比で4.8%増加しました。インフレ率は食品価格等の上昇により前期比13.2%上昇と依然として高水準にあります。また、貿易収支(1-12月)は前期比60.1%増加しましたが、外貨準備高は国際収支の赤字拡大により33億ドル台(前期比22.1%減少)まで減少しております。外貨準備高の減少により、為替市場では米ドルに対して現地通貨トゥグルグ(以下、MNTという。)の通貨安が進行し前期比で米ドルに対して20.9%下落(ドル高)しました。このようなインフレ率の上昇や通貨安の状況を受け、モンゴル中央銀行は政策金利を断続的に引き上げております。

モンゴルの銀行業界につきましては、モンゴル政府が実施した低金利融資や延滞している融資の返済期限延長等の景気対策の結果、金融セクターの融資残高は前期比で6.8%増加しました。また、延滞債権残高は20.3%増加、不良債権残高は2.6%減少となりました。

このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、大口企業向け融資や中小企業向け融資、また、モンゴル国のデジタル化の方針に従い個人向けのデジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。当期は、モンゴル政府が実施した低金利融資の景気対策により個人向けや農牧業向けの融資が大きく増加したことから資金運用収益が増加するとともに、第3四半期まで預金残高が減少傾向にあったことや預金金利が低水準で推移したことにより資金調達費用が大きく減少し、加えてデジタルバンキングサービスの推進による手数料収入が増加したことから、大幅な増収増益となりました。

結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前期比で4.0%増加、融資残高は12.3%増加、資金運用収益は18.1%増加、当期純利益は53.9%増加いたしました。また、融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前期比で8.1%増加、個人向け融資は33.7%増加、農牧業向け融資は18.9%増加いたしました。

 

キルギスコメルツ銀行(本店所在地:キルギス共和国)

キルギス経済につきましては、ロシア・ウクライナ情勢の悪影響が懸念されましたが、新型コロナウイルス感染症の収束に伴いサービス業や製造業の回復が続き、実質GDP(1-12月)は前期比で7.0%の増加となりました。また、世界的なエネルギーや食料品価格の上昇などにより、インフレ率は前期比で13.9%の上昇と高止まりしております。

キルギスコメルツ銀行は、ロシア・ウクライナ情勢を背景に、貸出業務では既存顧客のサポートに注力し、慎重に融資を行いました。預金業務では、預金残高の維持のために預金金利を引き上げました。また、ロシアの各大手銀行に対する制裁を受けて、外貨取引、コロレス口座ネットワーク、海外送金などの決済業務の見直しを行い、非金利収入を増加させることができました。一方で、高止まりしているインフレ率や不透明な国際情勢を背景に、資金調達コストや預金コスト、人件費等の経費が増加しておりますが、最終損益は黒字を維持しております。

今後につきましては、ロシア・ウクライナ情勢を背景にキルギス経済の先行きが不透明な状況となっております。このような環境の中、キルギスコメルツ銀行は、リスク管理とコンプライアンス体制を強化し、安定した預金基盤の構築と顧客のニーズに応える融資商品の提供に注力するとともに、引き続き中小企業融資とリテール事業に特化し、カード業務とオンライン決済業務の強化、非金利収入の割合の拡大を図ります。

 

ソリッド銀行(本店所在地:ロシア連邦)

ロシア経済につきましては、ウクライナ侵攻による幅広い経済制裁を受けている影響から実質GDP(1-12月)は前期比で2.1%の減少となり、各種経済制裁などの影響からインフレ率は前期比で12.2%の上昇となりました。インフレ率は前期比では大きく上昇しておりますが、前月比などの直近では落ち着いており、通貨ルーブル相場も安定しているため、ロシア中央銀行は景気下押し圧力を緩和するため政策金利の引き下げを実施しております。

このような環境の中、ソリッド銀行につきましては、預金残高の維持と預金コストの削減に注力しました。また、新規顧客への融資を慎重に行い、銀行保証や外為取引などの非金利収入の拡大にも注力いたしました。一方で、ロシア大手銀行や企業に対する制裁を受け、国際業務の見直しを行いました。

今後につきましては、ロシア・ウクライナ情勢に起因する幅広い経済制裁を背景に、ロシア経済の先行きについては依然として厳しい状況が続くと予想されます。このため、現地通貨ルーブルの為替動向、原油価格の推移、経済制裁及び国際情勢の緊迫化等の様々な要因により、ソリッド銀行の業績に影響を与える可能性がありますが、今後もソリッド銀行は優良企業への貸出増加、預金コストの削減等に注力するとともに、新たなビジネスに取り組み収益拡大を図ってまいります。

 

b) リユース事業

株式会社STAYGOLDの業績は、当第4四半期連結会計期間より連結されます。

当第4四半期連結会計期間では、事業拡大に伴い販管費が増加している一方で売上が伸びなかったこと、のれんや無形固定資産の償却が多額に計上されていることなどから営業損失となっております。

なお、当第4四半期連結会計期間の営業収益は32億2百万円、営業損失は2億76百万円となりました。また、株式会社STAYGOLDは2月決算のため、2ヶ月間のみの連結となっております。

 

c) 債権管理回収関連事業

債権管理回収関連事業であるエイチ・エス債権回収株式会社は、株式譲渡により連結の範囲から除外されております。

なお、第2四半期連結累計期間の営業収益は16億11百万円、営業利益は3億37百万円となりました。(第2四半期までの連結となるため、前期比較は記載しておりません。)

 

d) その他事業

当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社及び持分法適用関連会社は、その他事業に分類しております。なお、持分法適用関連会社の業績は、持分法による投資損益に反映されます。

当社(単体)の営業収益は主に関係会社からの配当金及び経営管理料で構成され、当連結会計年度においては、子会社からの配当金の減少や販管費の増加により減収減益となりました。なお、子会社からの受取配当金は、連結上は相殺消去されるため連結業績には影響を与えません。

その他事業の当連結会計年度の営業収益は86億6百万円(前期比12億94百万円減)、営業利益は73億34百万円(前期比21億1百万円減)となりました。

 

e) 持分法による投資損益

持分法適用関連会社であるソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。また、株式会社STAYGOLDの業績については、第3四半期連結会計期間においては持分法による投資損益に反映されます。株式会社外為どっとコムは、持分法の範囲から除外されておりますが、売却実行時までの業績は持分法による投資損益に反映されます。

ソリッド銀行につきましては、法人貸出の金利収入や外貨取引の非金利収入の増加により増収増益となっておりますが、外為どっとコムの持分法からの除外やSTAYGOLDに関するのれんの償却等が影響し、持分法による投資利益は前期比で減少となりました。

結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は7億58百万円(前期比4億13百万円減)となりました。

 

② 財政状態の状況
(資産)

当連結会計年度末の資産合計につきましては、6,217億27百万円となり、前期比442億77百万円増加しました。

これは主に、「現金及び預金」が615億56百万円、「貸出金」が234億円増加し、一方で「有価証券」が392億7百万円減少したことによるものであります。

主な増減要因は、「貸出金」はハーン銀行から顧客への貸出金の増加、「現金及び預金」及び「有価証券」はハーン銀行における資金運用に伴う増減によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債合計につきましては、5,403億15百万円となり、前期比372億93百万円増加しました。

これは主に、「預金」が210億35百万円、「1年内返済予定の長期借入金」が109億93百万円、「長期借入金」が56億60百万円増加したことによるものであります。

主な増減要因は、「預金」はハーン銀行が顧客から預かる預金の増加、「1年内返済予定の長期借入金」及び「長期借入金」はハーン銀行における長期借入金の増加によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計につきましては、814億11百万円となり、前期比69億84百万円増加しました。

これは主に、「利益剰余金」が110億60百万円増加し、一方で「資本剰余金」が21億93百万円、「為替換算調整勘定」が11億51百万円減少したことによるものであります。なお、資本剰余金の減少は株式会社STAYGOLDの株式追加取得における持分変動による差額であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、1,860億57百万円(前期比50億13百万円減)となりました。なお、当連結会計年度においては、営業活動および財務活動によるキャッシュ・フローは資金増加となりましたが、一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは資金減少となりました。これは、主にハーン銀行が営業活動および財務活動により得た資金を投資活動に充てた結果であります。

また、現金及び現金同等物に係る換算差額の影響により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は前期比で減少しております。なお、現金及び現金同等物に係る換算差額は、主に、在外子会社の現金及び現金同等物の換算手続の結果生じた円貨による差額であります。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、185億5百万円の資金増加(前期は47億85百万円の資金減少)となりました。

これは主に、「税金等調整前当期純利益」309億63百万円、「預金の純増減(△)」432億24百万円の資金が増加した一方、「貸出金の純増(△)減」395億26百万円、「売現先勘定の純増減(△)」80億88百万円、「法人税等の支払額」74億23百万円の資金が減少したことによるものであります。

主な増減要因は、ハーン銀行が顧客から預かる預金の増加、ハーン銀行から顧客への貸出金の増加、ハーン銀行における売現先取引により発生した金銭債務の減少、主に当社及びハーン銀行が支払った法人税等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、179億38百万円の資金減少(前期比102億82百万円減)となりました。

これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」76億90百万円、「関係会社株式の売却による収入」129億円の資金が増加した一方、「投資有価証券の取得による支出」320億34百万円、「関係会社株式の取得による支出」66億42百万円の資金が減少したことによるものであります。

主な増減要因は、当社における関係会社株式の売却または取得、ハーン銀行における投資有価証券の売却及び償還または取得によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、25億78百万円の資金増加(前期は17億19百万円の資金減少)となりました。

これは主に、「長期借入による収入」419億78百万円の資金が増加した一方、「長期借入金の返済による支出」276億59百万円、「非支配株主への配当金の支払額」69億9百万円、「連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の追加取得による支出」65億円の資金が減少したことによるものであります。

主な増減要因は、ハーン銀行における長期借入金の借入または返済、ハーン銀行における非支配株主持分への配当金の支払い、株式会社STAYGOLDの株式追加取得によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

該当事項はありません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益は776億98百万円(前期比161億31百万円増)、経常利益は256億93百万円(前期比78億80百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は113億72百万円(前期比48億27百万円増)となりました。

引き続きハーン銀行の業績が好調なため増収増益となりましたが、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、ハーン銀行の業績は当社グループの経営成績の主たる割合を占めており、その業績の変動が当社グループに重要な影響を及ぼすことになります。また、当社グループには海外の関係会社が複数存在するため、海外の経済情勢や政治情勢から影響を受けております。さらに、国内の関係会社においても、国内の景気動向、金利や為替等の市況環境に影響を受けるため、当社グループの経営成績が変動する要因となります。

昨年度より継続的にお知らせしておりましたとおり、ハーン銀行は2023年4月13日よりモンゴル証券取引所への新株発行によるIPOを開始し、この結果、当社が保有するハーン銀行株式の持分比率は過半数を下回り、持分法適用関連会社となりました。これにより、来期2024年3月期第2四半期以降、営業収益および営業利益は大幅な減収減益となる見込みです。さらには、2023年12月末までに当社のハーン銀行株式保有比率を20%以下に引き下げる必要があり、これにより持分法による投資利益も減少していく見込みとなっております。

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)を連結ベースで10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としておりますが、当連結会計年度においては主に銀行関連事業の大幅な増収増益により20.3%となりました。

 

セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

a) 銀行関連事業

銀行関連事業の当連結会計年度における営業収益は728億81百万円(前期比177億18百万円増)、営業利益は249億52百万円(前期比99億3百万円増)となりました。

 

ハーン銀行においては、現地通貨ベースでの資金運用収益や当期純利益は前期比で大幅な増収増益となり、融資残高や預金残高も前期比で増加しました。

ハーン銀行の業績は、モンゴル国において、10兆トゥグルグ規模の景気対策が実施されたことなどが引き続き影響し大幅な増収増益となっております。ハーン銀行の業績に影響を与えた景気対策の主な内容としては、低金利融資や普通預金と当座預金の金利免除などがあります。低金利融資により法人向け融資や住宅ローンなどの個人向け融資、ひいては資金運用収益が増加し、また、預金金利の免除や期中に預金残高が減少傾向にあったことなどにより資金調達費用が大幅に減少しました。

モンゴル国内においては、新型コロナウイルス感染症はほぼ収束しており、中国の感染防止策の緩和を受け、中国向けを主とする輸出が好調に推移しており、モンゴル経済は今後も成長を維持していくと思われます。一方で、財政の悪化やインフレ率の高止まりなど不安要素も存在します。

ハーン銀行は国の景気対策に協力する形で、低金利の融資や融資の返済猶予等を実施しております。このため、来期以降、この信用リスクが顕在化し、貸倒引当金繰入額が増加する可能性もあります。さらには、普通預金と当座預金に対する金利免除の施策が2022年12月に終了しているため、来期以降、資金調達費用が増加し、ハーン銀行の業績に影響を与えると考えられます。

今後も、ハーン銀行ではお客様満足度の向上のため、顧客のセグメンテーションを推進し、お客様それぞれに合ったサービスの提供に努めてまいります。顧客の利便性を図るため、パソコンやスマートフォンからのインターネット取引を推進しており、支店における取引の8割程度がデジタルバンキングでの取引となっております。また、本社ビルを新築し、窓口業務と本社機能の効率化を図っております。今後、ハーン銀行は個人向け・法人向け融資に注力しつつ、カード事業やデジタルバンキングサービス等を含めた手数料収入の増加にも注力いたします。

 

キルギスコメルツ銀行においては、融資残高の増加により金利収入は増加しましたが、キルギス国の金融引き締め政策の影響から預金コストが増加した結果、純金利収入は減少しました。一方で、デジタルバンキングやカード事業の推進による手数料収入が増加、外為取引による非金利収入が大幅に増加しております。以上の結果、今期においても増収増益を達成しておりますが、ロシアウクライナ問題を受け、リスク回避のため融資の実行には慎重な姿勢を続けており、そのため金利収入が伸び悩んでいるため、どのように融資を増加させていくかが今後の課題となっております。

キルギス国内では、銀行は飽和状態であることから、サービス面を改善することで他社との差別化を図り、収益の獲得に努めてまいります。新決済システムの導入によるデジタルバンキングの推進、キルギス国内唯一のクレジットカードのプロセシングセンターを設立するなど、キルギスにおける「最も便利で信頼できる先進的な銀行」に成長することを目指し、銀行業務だけでなく幅広い金融サービスの展開に向けて、個人向けのカード事業とオンラインサービスを強化しております。

 

ソリッド銀行においては、法人向けを中心とした融資残高の増加、外為取引による非金利収入の増加により増収増益となっております。ソリッド銀行は、現在のところ、ロシアウクライナ問題による業績への影響はなく、預金残高・融資残高も増加しており増収増益を続けておりますが、ロシアは依然としてウクライナ問題に起因する幅広い経済制裁を受けており、今後のロシア経済の悪化がソリッド銀行の業績にも影響を与える可能性があります。ロシア経済はインドや中国などの新興大国との繋がりを強めており、そのような環境の変化がソリッド銀行にどのような影響を与えるか注視している状況であります。

そのような環境のなかで、ソリッド銀行は貸出業務の改善と強化を図り、融資審査体制を本部に集中化させ、リスク管理を大幅に厳格化するとともに、組織の再構築や継続的なコスト削減等を実行しております。さらに、非金利収入の増加に向けたサービスの拡大に取り組み、ロシア極東地域における存在感のある銀行を目指してまいります。

 

b) リユース事業

株式会社STAYGOLDの業績については、第3四半期連結会計期間において持分法による投資損益に反映され、第4四半期連結会計期間より連結されております。

近年、リユース市場は、循環型社会への促進を受けて成長を続けており、スマホの普及によるフリマアプリの拡大・浸透は市場を活性化させ、現代のサステナビリティの風潮も追い風となり、人口減少時代に突入した我が国においても引き続き成長が見込める市場となっております。STAYGOLDは、中古品をメインとした宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、シルバーアクセサリー、スニーカー等の買取・仕入・販売・仲介及びオークション運営を行っております。

第4四半期連結会計期間のリユース事業の業績は、事業拡大に伴い販管費が増加している一方で売上が想定より伸びなかったこと、のれんや無形固定資産の償却が多額に計上されていることなどから営業損失となっておりますが、足元の業績は好調であり、今後も、積極的な新規出店等を行うとともに買取チャネルの拡大を継続することにより個人のお客様からの買取りを強化するほか、様々な営業施策を実施してまいります。

なお、第4四半期連結会計期間における営業収益は32億2百万円、営業損失は2億76百万円となりました。

 

c) 債権管理回収関連事業

債権管理回収関連事業であるエイチ・エス債権回収株式会社は、株式譲渡により連結の範囲から除外されております。

なお、第2四半期連結累計期間の営業収益は16億11百万円、営業利益は3億37百万円となりました。

 

d) その他事業

その他事業の当連結会計年度における営業収益は86億6百万円(前期比12億94百万円減)、営業利益は73億34百万円(前期比21億1百万円減)となりました。

当社単体においては、グループ各社における適切な会社運営に加え、グループ間でのシナジー効果を高めるべく適切な管理や助言を行っております。当社単体の営業収益は、主に関係会社からの配当金で構成されており、当連結会計年度においては、子会社からの配当金の減少や販管費の増加により減収減益となりました。投資事業については、国内における独自性や特長のある事業のみならず、国外における将来性のある国や地域での事業に対しても積極的な投資を展開し、今後もグループの拡大に向け、更なる発展を続けてまいります。

 

e) 持分法による投資損益

当連結会計年度における持分法による投資利益は7億58百万円(前期比4億13百万円減)となりました。

ソリッド銀行につきましては、前述のとおり、法人貸出の増加による金利収入の増加や外為取引による非金利収入の増加により増収増益となっておりますが、外為どっとコムの持分法からの除外やSTAYGOLDに関するのれんの償却等が影響し、持分法による投資利益は前期比で減少となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a) キャッシュ・フロー

「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 

b) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループにおける資金需要のうち主なものは、顧客への貸出金、人件費や不動産賃借料等の販売費及び一般管理費によるものであります。設備投資を目的とした資金需要は、デジタルバンキングサービスなどの情報システムの構築、ATM増設及び支店開設、改築等によるものであります。

また、当社グループにおける必要な運転資金、投資資金及び融資資金は、自己資金、金融機関からの借入、顧客からの預り金により調達しております。当連結会計年度末における主な有利子負債残高は、長期借入金(1年内含む)774億96百万円、短期借入金12百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は1,860億57百万円となっております。主な借入先として、ハーン銀行においてモンゴル中央銀行から247億59百万円、オランダ開発金融公庫から196億36百万円、Blue Orchardから57億10百万円、欧州復興開発銀行からから45億92百万円、ResponsAbilityAGから34億13百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与えるような見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績値や状況に応じて、合理的かつ妥当な判断により、見積り及び予測を行っておりますが、当該見積り及び予測については、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(子会社株式の譲渡)

当社は、2022年7月29日開催の取締役会決議において、当社の連結子会社であるエイチ・エス債権回収株式会社(以下「エイチ・エス債権回収」という。)の全株式を譲渡することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。これに基づき、2022年10月3日にエイチ・エス債権回収の全株式を譲渡し、同社は当社の連結子会社から除外されることとなりました。

 

(1) 譲渡の理由
 エイチ・エス債権回収は、当社により2006年に設立され、爾後債権管理・回収業を着実に発展させてまいりました。国内の銀行、信用金庫、信用組合、クレジットカード会社等の金融サービス関連会社より特定金銭債権の回収を受託するほか、特定金銭債権を時価で買い取る方法により金融サービス関連会社の不良債権処理に貢献するとともに、債務者の再生に貢献してまいりました。
 一方で、エイチ・エス債権回収の主要事業である債権管理・回収業界においては、依然として厳しい競争環境が続いております。
 このような状況の中、当社といたしましては、現状として当社グループの経営資源が限定されていることを考慮し、当社の収益力および企業価値を一層高めるために、より高い資本効率を実現し、シナジー効果を最大限に発揮する体制の構築を目指し、経営資源の集中投下や機動的なM&Aを推進することを検討してまいりました。
 その過程において、様々な角度から検討を進めた結果、当社は、エイチ・エス債権回収の機能や顧客層での強みを活かしつつ、譲渡先と連携したシナジーを生み出していくことによって、新たなサービスの提供や業務の多様化等を図っていくことが期待できるとする譲渡先の意向に賛同し、本株式譲渡を行うことが当社及びエイチ・エス債権回収の今後の企業価値の更なる向上に資するものであると判断するに至り、本株式譲渡契約を締結いたしました。

(2) 株式譲渡の方法

金銭を対価とする株式譲渡契約

(3) 譲渡する相手会社の名称
 株式会社きらぼし銀行

(4) 譲渡の時期
 契約締結日  : 2022年7月29日
 株式譲渡実行日: 2022年10月3日

(5) 当該子会社の名称、事業内容及び当社との取引
 名称    : エイチ・エス債権回収株式会社
 事業内容  : サービサー業
  当社との取引: 資金貸付及び契約に基づく経営管理料を受領しております。

(6) 売却する株式の数、売却価額、売却損益及び売却後の持分比率
 売却株式数   : 10,000株(議決権所有割合:100%)
  売却価額    : 3,200百万円

売却損益    : 関係会社株式売却益1,722百万円を2023年3月期第3四半期の四半期連結財務諸表において         特別利益として計上いたしました。

  売却後の持分比率: -%

(7) 譲渡した事業が含まれていた報告セグメント
 債権管理回収関連事業

 

(株式取得による持分法関連会社化)

当社は、2022年7月28日開催の取締役会決議において、ブランド品・貴金属・宝飾品等のリユース買取卸売・小売事業を行う株式会社STAYGOLD(以下「STAYGOLD」といいます。)の株式を取得することを決議し、2022年7月29日付で株式譲渡契約を締結いたしました。これにより同社は、当社の持分法適用関連会社となりました。

 

(1) 目的

当社は、自己投資業務(プリンシパル投資業務)の一環と致しまして、企業の育成、再生及び発展に取り組んでおります。STAYGOLDの主要事業であるリユース事業の市場は、スマートフォンの普及に伴うEC・CtoC市場の拡大及び参入事業者の増加による拡大等により成長傾向にあります。STAYGOLDは、Webマーケティングに強みを有し、若年層からの支持が大きく、買取・販売が拡大してきておりますところ、出店を加速していることも相俟って、今後さらなる成長が見込まれます。当社はこれまで国内外で各種金融サービスを展開してまいりましたが、培ってきた知見やリレーションシップを活用することにより、同社の更なる成長を支援できるものと考え、企業育成事業としてSTAYGOLDを持分法適用関連会社とし、同社及び当社グループの更なる発展を目指してまいります。

(2) 株式取得の相手の名前

フリソス投資事業有限責任組合

(3) 株式取得する会社の概要

   名称       : 株式会社STAYGOLD

   所在地      : 東京都渋谷区東三丁目11番10号 恵比寿ビル2階

   代表者の役職・氏名: 代表取締役 柏村 淳司

   事業内容     : ブランド品・貴金属・宝飾品等のリユース買取卸売・小売事業

   資本金      : 90百万円

   設立年月日    : 2014年4月14日

(4) 株式取得の時期

   2022年7月29日

(5) 取得する株式の数、取得価額及び取得後の持分比率

   取得株式数:    12,250株

   取得価額:     6,500百万円

   取得後の持分比率: 49%

 

(株式取得による完全子会社化)

当社は、2023年1月27日開催の取締役会決議において、当社の連結子会社である株式会社STAYGOLD(以下「STAYGOLD」といいます。)の発行済株式51.0%を追加取得することを決議し、2023年1月31日付で株式譲渡契約を締結するとともに、同日付で株式の追加取得をいたしました。

 

(1) 被取得企業の名称及びその事業の内容

被取得企業の名称    株式会社STAYGOLD

事業の内容          リユース事業

(2) 取得の理由

当社は、2022年7月にSTAYGOLD株式を取得し、同社は当社の持分法適用会社となっておりましたが、2022年12月、当社の筆頭株主であるウプシロン投資事業有限責任組合の業務執行組合員META Capital株式会社の代表取締役である税所篤氏(当社の社外取締役を兼任)がSTAYGOLD株式の51%を取得したことにより、同社は当社の連結子会社に該当することとなりました。そして、今般、当社グループの経営体制の更なる強化を図るとともに、収益力の拡大、企業価値の向上を目的として、STAYGOLD株式の残りの51%を取得し、同社を完全子会社化することといたしました。

(3) 企業結合の法的形式

現金を対価とする株式の取得

(4) 株式譲渡契約の相手先

税所篤氏 (当社の社外取締役を兼任)

(5) 株式譲渡契約締結日

2023年1月31日

(6) 取得日

2023年1月31日

(7) 株式取得後の出資比率

100.0%

 

(シンジケートローン契約)

当社の連結子会社であるハーン銀行(Khan Bank LLC)は、2022年10月19日及び2022年12月23日付で、下記のとおりシンジケートローン契約を締結しました。その主な内容は、以下のとおりであります。

 

シンジケートローン契約の概要

(1) 組成金額

10,136百万円(70百万米ドル)(注)

(2) 契約日

2022年10月19日

(3) 実行可能期間

6か月~18か月

(4) 利率

固定金利

(5) 資金使途

銀行業における運転資金の調達のため

(6) アレンジャー

EUROPEAN BANK FOR RECONSTRUCTION AND DEVELOPMENT

(7) エージェント

EUROPEAN BANK FOR RECONSTRUCTION AND DEVELOPMENT

(8) 担保提供資産

なし

(9) 財務制限条項

①自己資本比率14%以上

②財務流動性100%以上(バーゼルⅢに盛り込まれた銀行の流動性基準)

  また、その他の条項の主なものとして、貸出金及び与信等に関して一定の制限が設けられております。

 

 

(1) 組成金額

18,825百万円(130百万米ドル)(注)

(2) 契約日

2022年12月23日

(3) 実行可能期間

2023年1月19日

(4) 利率

固定金利

(5) 資金使途

銀行業における運転資金の調達のため

(6) アレンジャー

INTERNATIONAL FINANCE CORPORATION

(7) エージェント

INTERNATIONAL FINANCE CORPORATION

(8) 担保提供資産

なし

(9) 財務制限条項

①自己資本比率5%以上(リスク・ウェイトを考慮した自己資本比率12%以上)

また、その他の条項の主なものとして、エクスポージャー及び外貨建取引、弁済期限、金利リスク等に関して一定の制限が設けられております。

 

(注)日本円への換算レートは、四半期連結決算日の直物為替相場(2022年9月30日時点の為替レート)である1ドル=144.81円を使用しています。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。