文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、独自の金融コングロマリット構想の下、特長ある各種金融サービス事業の拡充、成長性の高い事業分野の強化、徹底した業務の効率化等により、更なる発展を目指してまいります。
当社グループでは、グループ各社間の業務展開により、お客様に喜ばれ満足していただけるサービス・商品を提供すること、及び各事業分野において、ナンバー・ワンあるいはオンリー・ワンとなるサービスを育成することを目指し、顧客の拡大とグループ企業価値の最大化に取り組んでおります。また、管理体制と経営体制の一層の強化を図り、グループとしての信用力強化及びブランドイメージの向上を目指してまいります。
当社グループの目標とする経営指標としては、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)が最適と考えており、連結ベースでROE10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としております。なお、当連結会計年度のROEは15.8%となりました。
当社グループを取り巻く経営環境は、不安定な状況が続いております。
日本経済は、インバウンド需要が好調に推移し、堅調な企業業績に支えられた雇用や所得環境の改善が見られる一方で、依然として円安や中東情勢などを要因とした物価上昇による実質賃金の下落傾向が続いており、今後の景気悪化が懸念されます。国内における各事業は、人口減少や高齢化等に伴う構造的な諸問題を抱えており、また、多くの競合他社との激しい競争にさらされており、今後の事業環境は厳しくなっていくものと認識しております。リユース事業を営むSTAYGOLDにおいては、サステナビリティへの関心の高まりやフリマアプリの拡大・浸透などによりリユース市場の拡大が続いており売上が増加しておりますが、一方で、拡大する市場を背景にした新規参入や既存企業間での競争の激化が進んでおり、買取価格の上昇が粗利率の低下をもたらす可能性も危惧されております。
モンゴルでは、中国経済の鈍化に伴い中国向け輸出が減少しておりますが、所得水準の上昇や公共投資の増加などにより、依然としてモンゴル経済は高成長を維持しております。ハーン銀行は、モンゴル最大のリテール銀行として一定の競争優位性を確保しており、業績、預金残高や融資残高は順調に増加しておりますが、今後の中国経済の動向、インフレ率の上昇による景気悪化などの影響により、収益の減少や貸倒引当金の増加をもたらし翌連結会計年度以降のハーン銀行の業績に重要な影響を与える可能性があります。
キルギスやロシアにおいても、景気は回復傾向にありますが、キルギスではインフレ率の上昇、ロシアではウクライナ問題による幅広い経済制裁を受けるなど、両国経済の先行きは引き続き不透明な状況にあります。
金融サービス事業においては、お客様の資産運用に対する多種多様なニーズを的確に捉え、特長ある金融サービスを提供するため、金融関連の法改正及び規制緩和や国内外の各種金融サービスの動向等を調査・検討して、新たな金融サービスの企画開発や既存サービスの改良等に努めてまいります。また、インターネット取引システムの安定性の強化、コンプライアンスの徹底等を着実に実行し、お客様に信頼され、安心してお取引していただける金融グループの構築を追求してまいります。
金融サービス事業のなかでも、特にハーン銀行については、モンゴル銀行法の改正に伴い2026年12月末までに当社の持分を20%以下まで引き下げる必要があり、優先的に対処すべき課題となっております。
リユース事業は、市場の拡大に伴い今後、収益・利益の増加が期待される事業となっております。そのため、今後は、積極的な新規出店等を行い買取チャネルの拡大を継続することにより、個人のお客様からの買取りを強化するほか、個人向け販売の強化など様々な営業施策を実施してまいります。
投資業務につきましては、企業再生事業として出資した企業の管理、支援に努めるとともに、経済成長が著しいアジアの新興国や独自性の高い新規事業等、今後の成長性が期待される地域及び事業への投資を積極的に検討してまいります。
また、自己投資業務の他、M&Aの仲介業務並びにコンサルティング業務を積極的に展開してまいります。
業務の効率化につきましては、各事業の業務プロセスの徹底的な見直しを通じたコスト削減の他、経営資源の最適配分と効率経営を徹底することにより業務の改善を推し進めてまいります。
今後も当社グループ全体の収益性の向上を図り、更なる業容の拡大、企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、ハーン銀行は、当連結会計年度末において持分法適用関連会社でありますが、当社が保有する同行の持分比率は49.8%であり、依然として当社グループの業績に大きな影響を与えているため記載しております。なお、ハーン銀行の2025年度サステナビリティ・レポートは2026年9月頃に公表予定であり、有価証券報告書提出日時点では未公表であるため、下記記載は基本的に2024年度のサステナビリティ・レポートをベースとしております。
当社は、経営理念のなかに「自然の摂理を大切にすること」「お客様とスタッフを大切にし、社会に貢献できる企業であること」を掲げており、企業の安定的かつ長期的な成長には、環境や社会問題への取組、ガバナンスが重要であると認識しており、当社グループは、持続可能な社会の実現へ向けてESGを重視した投資・経営を実践しております。
当社グループでは、主に、当社及び各子会社での取締役会においてサステナビリティに関連するリスク、機会及び取組について審議・監督し、適宜、当社の取締役会において子会社での活動内容の報告を行い、活動の推進を行っております。
特に、ハーン銀行では、サステナビリティに関する組織として、取締役会直下のコーポレートガバナンス委員会の他にマネジメントレベルの「サステナブル開発委員会」、「サステナブル開発部門」及び「4つのワーキンググループ」が設置されております。ワーキンググループのうち、資金調達に関するワーキンググループはグリーンファイナンスの開発等を担当します。サステナブル・オペレーション・ワーキンググループは、サステナブル・イニシアチブと非金融商品・サービスの実施を担当します。サステナブル・ワークプレイス・ワーキンググループは、従業員と顧客のために持続可能で支持される職場と安全の実現を担当します。社会的投資ワーキンググループは、社会的・環境的投資を担当します。まず、年初にサステナブル開発部門が年度計画を策定し、サステナブル開発委員会へ報告し承認されます。そして、各ワーキンググループは、その進捗状況を四半期ごとにサステナブル開発部門へ報告し、サステナブル開発部門が管理・監督します。サステナブル開発部門は、最終的に半年ごとにサステナブル開発委員会及びコーポレートガバナンス委員会へ進捗状況等を報告し、その結果が当社の取締役会へ報告されます。
当社では、自己投資業務(プリンシパル投資業務)を行っており、投資委員会及び取締役会で投資の意思決定を行いますが、投資案件に関する情報収集、評価及び検討に際して、財務情報のみならずESGの非財務情報を含めて投資判断を行っております。
リユース事業における株式会社STAYGOLDでは、「ひとつのモノ、ひとつの想いを大切に豊かな社会を創る」をミッションに掲げており、時間や場所を超えてお客様をつなぐリユースが文化として根付くことで、社会の消費行動が変わり、本当の意味での豊かな価値観が生まれると考えております。リユース事業は、大量生産・大量消費に伴う大量廃棄という社会問題を解決する循環型社会の形成に向けての重要な取組であります。今後は、事業そのものの成長のみならず、様々なサステナビリティの取組を推進し、持続可能な社会の実現につなげてまいります。
銀行業におけるハーン銀行では、社内外へのアンケート調査等により4つの主要セクションを設定し16のマテリアリティ(主要課題)を特定しております。これらの特定されたマテリアリティの解決を通じて、持続可能な社会の実現と企業価値の向上に取り組んでおります。詳細は下記のとおりです。また、キルギスコメルツ銀行は、現状、中小規模の企業であり、他の経営的な課題、業務課題や日々のオペレーションと比較するとサステナビリティに関連する取り組みは優先度が低く、そのため具体的な戦略等は設定しておりません。
※人材の育成及び社内環境整備に関する方針
当社グループでは、人的資本の強化が持続可能な企業価値向上につながると認識しております。そのため、多様性を考慮した人材育成に努めており、国籍・人種・性別・年齢等による制約はなく、採用にあたっても同様の方針を厳守しています。在外子会社においては、原則として現地の人材を経営層や管理職として登用しており、女性の経営層や管理職も多数在籍しております。また、社内の環境整備に関しても、男性の育児休暇取得、在宅勤務、時差出勤、フレックスタイム制、時間単位有給制度などワークライフバランスを重視した様々な環境整備を進めております。
特に、ハーン銀行では、ポジティブな職場環境の構築が従業員の生産性向上と幸福に不可欠であると考え、「ハーン銀行人事方針」及び「ハーン銀行雇用平等方針」が策定されています。この方針では、雇用関係における平等と多様性の確保、すべての人の尊重と参加の促進、あらゆる形態の差別や迫害のない職場環境の実現、男女平等を通じた長期的に持続可能な職場づくりといった課題について概説しています。これらの方針が遵守されるよう、管理職や一般職員に研修や情報提供を行うとともに、従業員エンゲージメント・プログラム、経営幹部からの定期的なコミュニケーション、多様性と包括性への取り組みなど、様々な施策を実施しています。また、従業員の専門的なスキルや知識の向上を支援し、特に管理職に対しては多様性と包括性を17のリーダーシップ・コンピテンシーの1つに掲げており、スキル向上教育開発プログラム等を通じて将来の経営幹部候補としての人材育成に努めております。
当社グループでは「リスク管理規程」を策定しており、各関係会社がそれぞれの事業に応じて各リスク管理プロセスを運用し、重要なものを貴社へ報告する体制(ボトムアップ型)をとっております。また、取締役及び担当部署は、当社グループの事業に係るリスクの把握及び管理に努め、当該リスクの管理状況を適宜、取締役会に報告する体制を整えています。今後、状況に応じて、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別、評価、管理する体制を強化することを検討してまいります。
また、ハーン銀行においては、サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別、評価、管理するために、(1)ガバナンスで記載した4つのワーキンググループを設置しており、そこで各セクションのリスクを把握、分析し、必要な対応策を講じるとともに、リスク管理委員会に提出され、必要に応じてハーン銀行取締役会に報告されます。ハーン銀行は、リスク管理の枠組みにISO31000規格を導入しており、銀行の戦略や目標に影響を与えるリスクを特定し、「リスクダッシュボード」を通じて効果的に管理しております。リスク管理は、外部および内部の状況を考慮した上で、リスクの特定、リスクの分析と結論、リスクアクションの報告という基本的なプロセスで構成されています。また、2023年度から気候変動リスクの影響も「リスクダッシュボード」に含めており、持続可能性に影響を及ぼす気候変動のリスクを特定した後、持続可能な開発を確保し、気候変動の影響によるリスクを軽減し、適切な計算と調査を行い、整合性のある行動計画の実施に向けて取り組むためのワーキンググループを結成しました。リスク管理委員会は、気候変動リスクの影響を軽減するための総合的な対策計画を承認し、計画に沿った業務の実施と実績を月次ベースで監視しております。
当社グループでは、現状、ハーン銀行以外の関係会社は中小規模の企業であり、他の経営的な課題、業務課題や日々のオペレーションと比較すると、人的資本を含むサステナビリティ関連への取り組みは優先度が低く、そのため具体的な指標及び目標についても設定しておりません。今後、状況に応じて、当社及び各子会社において指標及び目標の設定の要否を含め検討してまいります。
ハーン銀行においても、サステナビリティに関する各取り組みに対して具体的な指標や目標を個別に設定しておりませんが、これまでの主な取り組みの実績は下記の通りであります。
・2023年度には、モンゴル初のグリーンボンドを発行し、60百万米ドルを調達しました。このグリーンボンドは、環境にプラスの影響を与え、温室効果ガスの排出を削減するプロジェクトに融資されました。また、2024年度には、モンゴル初のソーシャルボンドを発行し、130百万米ドルを調達しました。このソーシャルボンドは、保健、教育、食料、農業、手頃な価格のインフラ整備、手頃な価格の住宅供給など、社会にプラスの影響を与えるプロジェクトやプログラムを支援することを目的としています。
・ハーン銀行のグリーンローン・ポートフォリオは、2024年度末に7,120億トゥグルク(約310億円)まで拡大し、主に再生可能エネルギーや省エネルギーを目的とした事業への融資を行いました。
・モンゴルの大気汚染と温室効果ガス排出削減を目的に、地方支店での太陽光発電システムの導入を拡大しました。また、あわせて電気自動車の導入も拡大させております。
・顧客へ様々なペーパーレスサービスを提供し、木材の節約、業務・労働時間の削減、輸送コスト及びそれに伴う交通量の削減などを実現しました。
・ハーン銀行財団を通して、2024年度には社会的責任投資として13のプロジェクトとプログラムを実施、35億トゥグルクの資金を提供しました。これは、奨学金プログラム、海外留学を含む若手育成プロジェクト、女性開発プログラム、森林プログラムなどがあります。
・2024年、世界有数の銀行金融業界誌であるユーロマネー誌により、ハーン銀行はESG分野で最優秀銀行に選出されました。
※人材の育成及び社内環境整備に関する方針についての指標及び目標
上記と同様に、人的資本に関する指標及び目標についても設定しておりませんが、各子会社では国籍・年齢・性別を問わず積極的な採用を行っており、国内子会社においては、全従業員に対する女性従業員の割合は40%を超え、健康優良訪印の認定を受けるなど、人的資本に関する社内環境整備を進めております。今後、サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する指標及び目標とあわせて検討を進めてまいります。
ハーン銀行では、70:20:10の法則に基づき様々な研修活動や能力開発を行い、継続的に学習する文化を強化すること目指しております。社内のeラーニングシステムを通じて、全従業員が、自由な時間に、場所に関係なく様々なコースを学習する機会を提供されております。特に経営幹部や管理職に対しては、ワールドクラス・マネージャー・プログラム、エクセレンス・リーダーシップ・プログラム、上級マネジメント・コーチング・プログラムなどの研修・能力開発プログラムを提供し、リーダーとしての資質向上に努めております。また、同行では「雇用平等方針」に基づき差別やハラスメント等が一切ない職場における平等を確保することを目標としており、経営幹部や上級管理職の4割、管理職の半数が女性となっており、女性の活躍できる職場環境を構築しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。
なお、下記の記載のうち、将来に関する事項は、別段の記載がない限り本書提出日現在において当社が判断したものに限られており、全てのリスク要因を網羅するものではありません。
当社グループの利益は、銀行業、特にハーン銀行にその多くを依存している状況であります。現在、ハーン銀行は預金残高や融資残高の増加、デジタルバンキングサービスの推進などにより、モンゴル国において競争優位を確保しておりますが、後述するような銀行業における固有リスクが顕在化し同行の収益及び利益が減少した場合、当社グループの連結業績に重要な影響を及ぼす結果となります。
当社は、上述したハーン銀行への利益の依存度の低下があってもなお当社グループの更なる発展を目指し、新規参入やM&Aを含む当社グループの拡大及び再編を継続的に検討、実施しております。今後も当社グループの拡大及び再編を行ってまいりますが、これらを実施した影響により当社が予め想定しなかった結果が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、独自の金融コングロマリット構想のもと、銀行業、リユース事業、M&A仲介・コンサルティング事業等の多岐にわたる事業を展開しているため、各事業における固有のリスク要因が存在します。
当社子会社のキルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)はキルギス共和国において、また、当社の持分法適用関連会社であるハーン銀行(Khan Bank LLC)はモンゴル国において、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)はロシア連邦において銀行業を展開しております。
ハーン銀行はモンゴル国内において、キルギスコメルツ銀行はキルギス国内において、ソリッド銀行はロシア国内において、主に現地通貨建てで業務を行っているため、以下に挙げる金利、社会・政治情勢の影響を受ける可能性があります。
モンゴル、キルギス又はロシア(以下、「当該国」という。)の金利が大きく変動する場合、ハーン銀行、キルギスコメルツ銀行又はソリッド銀行(以下、「同銀行」という。)の顧客に対する貸出金利の低下、顧客からの預金に対する利払いの増加等により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
(為替リスクについて)
同銀行は当該国において主に現地通貨建てで業務を行っております。そのため、為替相場の動向次第では、同銀行の業績の如何にかかわらず当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、ハーン銀行においては、同行が保有する外貨建て資産負債に対して、為替変動リスクを軽減するためデリバティブによる為替ヘッジを行っておりますが、為替相場の変動の度合いによって、同行ひいては当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
(カントリーリスクについて)
モンゴル国は大規模な鉱山開発等による経済成長が予想されています。中央アジアの新興国であるキルギス共和国は鉱業を主要産業としており、中央アジアの中継点としての地政学的な重要性もあることから、今後の経済成長が見込まれております。また、ソリッド銀行が本店を置くロシア連邦の極東地域は、豊富な天然資源を有しており、開発による更なる発展が期待されます。しかしながら、今後、当該国における政治・社会情勢の混乱、各種法改正や税務及び規制等環境の変化等により当該国の経済情勢が悪化した場合には、貸倒れの増加や貸倒引当金の積み増し等により、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
(信用リスクについて)
同銀行は当該国において主に貸出業務を行っており、貸出先の状況、担保の価値、経済全体に関する前提及び見積りに基づいて、貸倒引当金を計上しております。ただし、経済情勢全般の悪化や個別貸出先の業績悪化等により追加の貸倒引当金を計上せざるを得なくなる可能性、また、実際の貸倒れが貸倒引当金を上回ることにより追加的な与信費用が発生する可能性があります。
同銀行は、当該国に設立されている銀行であるため、当該国政府の金融、経済政策や関係する法令規則等の変更により、同銀行あるいは当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、同銀行は当該国の中央銀行による規制・監督下に置かれているため、今後当該規制が変更された場合、規制に対応するためのコスト増から当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
同銀行は、当該国内において他の金融機関やノンバンク等との競争環境に晒されています。今後、当該国において金融機関同士の統合や再編、業務提携が行われる可能性や、フィンテック等の新技術の台頭により競争が激化する可能性があり、同銀行が競争優位を確立できない場合には、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
当社の連結子会社である株式会社STAYGOLD及びHappy Price Company Limited、持分法適用関連会社である株式会社日本オークション協会及びWorld Watch Auction Limitedは、リユース買取卸売・小売事業を展開しております。
1)仕入体制について
同社では、リユース品の買取仕入が収益確保における基盤となっておりますが、今後の景気動向の変化、競合買取業者の増加、顧客マインドの変化や相場の変動によって、質量ともに安定的な商品の確保が困難となった場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、リユース品の買取という性質上、コピー商品や盗品の買取・販売のリスクを含んでおり、これによる顧客とのトラブルの発生や信用低下により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
2)外部環境の変化について
同社では、貴金属、時計、地金、宝石、ブランド品が主な取扱い商材となっておりますが、商品によっては流行の変化に伴う経済的陳腐化、為替相場及び貴金属・地金相場の変動等により価格下落がもたらされるもの、牽引役となる人気商品・ヒット商品の有無により販売動向が大きく左右されるものが存在しており、為替・株式市場等の乱高下、景況感の急激な変化等により、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、主に商品の買取において同業他社との競合が生じており、今後、新規参入などにより一層の競争激化が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
3)法規制等について
同社では、古物営業法による法的規制を受けており、古物営業の許可を所轄の公安委員会により受けています。そのため、同法に抵触または違反するような事案が発生した場合、営業の停止もしくは許可の取消が行われ、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、同社では店舗営業や販売促進等において、多くの個人情報を管理しているため、これら個人情報の漏洩等が発生した場合、社会的信用の失墜、事後対応による多額の費用・損失の発生など当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
当社は、M&A仲介・コンサルティング事業を展開しております。
M&A仲介・コンサルティング事業は、規制を受ける法律が特段ない状況となっております。しかし、案件の増加に伴い、法制度の整備により何らかの規制が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
M&A仲介・コンサルティング事業は、許認可等の必要がなく、参入障壁が低いことから、今後も競合他社の増加が見込まれます。競合他社の増加に伴う競争激化等により手数料等の減少が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
上記事業の他、当社の連結子会社及び持分法適用関連会社が展開する事業において、法令規制等の変更、競争の激化等の事業環境の変化により収入の減少又は費用の増加等が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
また、当社は自己投資業務(プリンシパル投資業務)の一環として企業の育成、再生及び発展に取り組んでおります。当社は、対象会社の再生、企業価値向上へと取り組んでおりますが、対象会社の再生が計画通り進まない場合、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各事業分野において業務を運営するために基幹システムをはじめとした様々なコンピュータシステムを利用しています。また、当社グループでは、銀行業等において、インターネットを通じて顧客にサービスを提供しており、また、リユース事業においても、買取から販売までの顧客や商品の管理、相場データの収集、オンライン上でのオークション販売など多くのシステムに依存しております。各種システムにつきましては、定期的なメンテナンスやバックアップシステムの確保等、システムの安定的な稼働を維持するため万全を期しておりますが、今後予期せぬシステム障害が起こった場合、さらにシステム障害に伴う訴訟又は行政処分等を受けた場合には、当該事業に重大な支障が生じ、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
当社グループのすべての業務には事務リスクが存在し、役職員等が事務に関する社内規程・手続等により定められたとおりの事務処理を怠る、あるいは事故、不正等を起こす可能性があります。これらの事象により業務に支障をきたした場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
当社グループの各事業分野における顧客情報の管理については、情報管理担当者及び責任者を配置し、各社厳重な管理を行っておりますが、想定していなかった経路より外部に情報が流出した際には、金融グループとしての信用に悪影響を及ぼし、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
地震、火災、大雨等の自然災害や、戦争、暴動、テロ等により人的被害又は物的被害が生じた場合、また、これらの自然災害等に起因する事象により、当社グループの業務の遂行に支障が生じた場合、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、独自の総合金融コングロマリット構想の下、幅広い分野で高い専門性を必要とする業務を行っておりますので、各国・各分野において有能で熟練した人材が必要とされます。このため、必要な人材の積極的な採用や継続的な研修を行うこと等により、経費が増加する可能性があります。また、有能な人材の採用及び定着を図ることができなかった場合には、当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、各事業分野において事業運営に関する訴訟リスクが存在し、また、訴訟の発生を予測することは困難です。訴訟が発生した場合、訴訟対応に関する費用の増大、不利な判決による賠償金の支払い及び社会的信用の低下等により当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
現在、当社のその他の関係会社であるウプシロン投資事業有限責任組合が筆頭株主となっており、議決権総数の約42.2%を保有しており、当社株主総会の承認を要する事項(取締役・監査役の選任・解任、配当実施等)全てに影響力を持っております。
ロシア・ウクライナ情勢については、現時点では当社グループの連結業績に与える影響は軽微でありますが、ロシア極東地域を事業拠点とするソリッド銀行やロシア経済の影響を受けるキルギスコメルツ銀行においては、今後、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に伴う経済制裁による金利上昇やロシア経済悪化等の影響を受ける可能性があり、その場合には当社グループの連結業績に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、インバウンド需要が好調に推移し、企業業績が堅調に推移するとともに雇用や所得環境の改善が見られる一方で、依然として円安等を要因とした物価上昇による実質賃金の下落傾向が続いており、今後の景気悪化が懸念されます。世界経済においても、米国トランプ政権による関税政策の影響の顕在化、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化、中国経済の減速など景気の先行きは不透明な状況となっております。
このような環境の中、当社グループの当連結会計年度の営業収益は578億79百万円(前期比201億13百万円増)、経常利益は177億13百万円(前期比25億91百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億88百万円(前期比25億87百万円増)となりました。
当社グループは、当社、連結子会社5社及び持分法適用関連会社4社で構成されており、セグメントごとの分類は次のとおりであります。
銀行関連事業 ハーン銀行(Khan Bank LLC)、
キルギスコメルツ銀行(OJSC Kyrgyzkommertsbank)、ソリッド銀行(JSC Solid Bank)
リユース事業 株式会社STAYGOLD、株式会社PRICING DATA ※1
Happy Price Company Limited ※2、株式会社日本オークション協会 ※2
World Watch Auction Limited ※2
その他事業 当社、H.S. International (Asia) Limited、HS FINANCIAL Pte. Ltd.(※1)
※1 株式会社PRICING DATA(以下「PD社」)は、第1四半期連結会計期間期末より当社の連結子会社となり、2025年8月1日を効力発生日として、株式会社STAYGOLD(以下「SG社」)を存続会社とし、PD社を消滅会社とする吸収合併を行いました。
※2 PD社の株式取得及びSG社との合併に伴い、PD社の連結子会社であったHappy Price Company Limited、持分法適用関連会社であった株式会社日本オークション協会、 World Watch Auction Limitedは、それぞれSG社の連結子会社、持分法適用関連会社となり、当社グループに含まれることとなりました。
報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は26億15百万円(前期比2億92百万円減)、営業損失は2億84百万円(前期は営業損失6億52百万円)となりました。また、持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。なお、持分法による投資損益を含めた銀行関連事業の経常利益は165億28百万円(前期比17億32百万円増)となっております。
モンゴル経済につきましては、国内消費の増加や銅精鉱の輸出増加が寄与し、実質GDP(1-12月)は前期比で6.8%増加と高成長が続いております。インフレ率は、モンゴル経済の好景気、原材料費の高騰による食料品等の価格上昇の影響を受け、前期末比7.5%と高止まりしています。また、貿易収支(1-12月)は黒字を維持しており、前期末比で6.7%増加、外貨準備高は貿易収支の黒字が継続していることから70億ドル台(前期末比27.1%増)となっております。為替市場では、前期末比で米ドルに対して4.0%下落(ドル高)、日本円に対して3.8%下落(円高)しました。モンゴル経済は引き続き好調を維持していますが、主要な輸出先である中国経済の失速から中国向け輸出が減少に転じており、今後の景気減速が懸念されます。
モンゴルの銀行業界につきましては、モンゴル経済が高成長を続けていることから、金融セクターの融資残高は前期末比で18.9%増加しました。また、延滞債権残高は17.7%増加、不良債権残高は18.9%増加となりました。
このような環境の中、モンゴルにおいて最大級の商業銀行であるハーン銀行につきましては、法人向け融資や個人向け融資、また、モンゴル国のデジタル化の方針に従い個人向けのデジタルバンキングサービスを中心に積極的に展開してまいりました。モンゴル経済が好調であることから法人向け融資や個人向け融資が増加し、融資金利上昇の影響もあり資金運用収益が増加しました。一方で、国際金融機関からの借入増加や預金金利の上昇により資金調達費用も増加しておりますが、融資が継続して増加していることが影響し増収増益となっております。
結果として、現地通貨ベースでは、預金残高は前期末比で9.9%増加、融資残高は20.9%増加、資金運用収益は15.0%増加、当期純利益は8.8%増加いたしました。また、融資残高の内訳としましては、法人向け融資は前期末比で25.6%増加、個人向け融資は25.2%増加、農牧業向け融資は30.6%減少いたしました。
キルギス経済につきましては、建設業やサービス業を中心に好調を維持しており、2025年度の実質GDP(1-12月)は前期比で11.1%増加と高成長を維持しております。また、インフレ率は食品価格や公共料金の値上げなどにより、前期末比で8.2%上昇となっております。キルギス中央銀行は、足元でインフレが再び加速し、目標とするインフレ率5~7%の範囲を上回っていることを受け、2025年11月に政策金利を11%へ引き上げ、さらに2026年2月には12%へ引き上げました。今後も景気動向やインフレ率の推移次第では、政策金利の引き上げを検討する可能性があります。
キルギスコメルツ銀行は現在、金利変動やロシアに対する制裁強化の影響を受け、リスク管理を強化しつつも、中小企業および個人顧客向けの信用ポートフォリオの拡大に努めています。預金業務においては、金利を慎重にコントロールすることで、預金ポートフォリオを適切な水準に維持しています。また、トレジャリー部門やカード部門の業務を見直し、手数料収入の拡大を目指しています。一方で、ITシステムおよびIT人材への投資が増加しており、特にVISAおよびMastercardとの提携維持やシステム対応に係る費用を中心に経費が拡大しました。また、キルギス中央銀行の指示により引当金等の追加計上を行った結果、現地通貨ベースでの最終損益は大幅な赤字となっております。ただし、連結決算上では、これら引当金等の追加計上の一部は2025年3月期決算に取り込んでおります。
今後につきましては、中東情勢およびロシア・ウクライナ情勢を背景に、キルギス経済の先行きは依然として不透明な状況となっておりますが、このような環境の中、キルギスコメルツ銀行は引き続きリスク管理およびコンプライアンス体制の強化に取り組み、特にリテール(個人向け)融資やカード、オンライン決済に重点を置き、収益基盤の強化に努めてまいります。
ロシア経済は、依然としてウクライナ侵攻に伴う幅広い経済制裁を受けており、2025年の実質GDPは前期比で1.0%増加と低成長にとどまりました。インフレ率はコスト増による物価上昇が続くものの、前期末比5.6%と減速傾向となりました。インフレの減速を受け、ロシア中央銀行は政策金利を断続的に引き下げ、2026年3月には15.0%としましたが、一方で依然として物価上昇への警戒感は強く、今後も金融引き締めの方針が継続される見込みです。
このような経済環境の中、ソリッド銀行は預金残高を堅調に伸ばしておりますが、クレジットリスクの抑制もあり、融資残高は預金残高に比べてわずかな増加にとどまりました。加えて、クレジットリスクの高まりを背景に貸倒引当金が前期比で増加し、収益の下押し要因となりました。融資ビジネスの低迷を防ぐため、ファクタリング等の新たな融資商品の導入も行っています。一方、ロシアの金融システムに対する制裁が強化される中、ソリッド銀行は継続的に国際業務を見直し、特に外為取引などを通じて非金利収入が大きく増加しました。
非金利ビジネスが好調な市場環境に支えられ、ソリッド銀行の業績は大幅に改善していますが、今後の見通しについては、ロシア・ウクライナ情勢の展開が依然として不透明な要因となっております。ルーブルの為替レート、原油価格の変動、経済制裁の影響、そして国際情勢の緊迫化が、今後のソリッド銀行の業績に大きな影響を与える可能性があります。このような状況下において、ソリッド銀行は引き続き貸出残高と預金残高の増加や不良債権の徹底管理、預金コストの効率的な管理に注力するとともに、変化するビジネス環境に対応し、リスク管理体制を強化する取り組みを継続して行ってまいります。
リユース市場は、環境意識やサステナビリティ志向の高まりを背景に長期的には堅調に推移し、2024年のリユース市場規模は前期比4.5%増の3兆2,628億円となりました。また、2030年にはその市場規模は4兆円に到達すると見込まれています。一方で、短期的には気候要因や国際情勢、関税の影響など外部要因による変動が続いております。
株式会社STAYGOLDは、このような外部環境の変化を踏まえ、在庫効率の最大化と収益構造の安定化を重点テーマとして事業を運営いたしました。当連結会計年度におきましては、上半期は滞留在庫の解消及び在庫構成の見直しを優先したことにより一時的に利益が抑えられました。一方で、2025年8月のPD社との合併を機に、グループ一体となった在庫情報の可視化とモニタリング体制を構築し、在庫効率の最適化を推進いたしました。加えて、販管費の期中コントロールの徹底や、アフィリエイト広告の構成比向上による集客効率の改善を図るなど、合併による効果をいち早く引き出し、収益の安定化を最優先に事業を運営いたしました。
オークション販売については、全カテゴリにおいて売上総利益率が向上しており、PD社とのシナジーが着実に発現したことで、グループ全体の収益性向上に寄与しております。卸販売については、下半期の貴金属相場高騰が追い風となり、特に金商材の取引が好調に推移しました。小売販売(店舗・EC)については、今期より本格化した小売部門の強化策が奏功し、売上高は大幅な増収を記録しました。店舗展開ではBRING屋号を中心に計5店舗を新規出店いたしました。海外戦略では、タイでの中低単価商材のテストセールに着手するなど、さらなる成長に向けた取り組みも加速させております。
結果として、リユース事業の当連結会計年度の売上高は552億51百万円(前期比204億5百万円増)、営業利益は6億17百万円(前期比5億77百万円増)となりました。なお、連結セグメント上では、のれんや無形固定資産の償却費が計上されております。また、持分法適用関連会社である日本オークション協会、World Watch Auction Limitedの業績は、持分法による投資損益に反映されます。
当社(単体)の他、他のセグメントに分類されていない連結子会社は、その他事業に分類しております。
当社(単体)の営業収益は主に関係会社からの配当金で構成されます。当連結会計年度は、関係会社からの配当金の増加により増収増益となっております。なお、関係会社からの受取配当金は、連結上は相殺消去されるため連結業績に影響を与えません。
結果として、その他事業の当連結会計年度の営業収益は74億88百万円(前期比13億5百万円増)、営業利益は67億16百万円(前期比11億44百万円増)となりました。
持分法適用関連会社であるハーン銀行、ソリッド銀行、日本オークション協会、World Watch Auction Limitedの業績は、持分法による投資損益に反映されます。
持分法による投資損益は、主にハーン銀行及びソリッド銀行にかかる投資利益によって占められますが、前述のとおり両行の業績は好調で増収増益となっております。
結果として、当連結会計年度の持分法による投資利益は163億9百万円(前期比8億61百万円増)となりました。
当連結会計年度末の資産合計につきましては、1,319億96百万円となり、前期比166億61百万円増加しました。
これは主に、「現金及び預金」が10億5百万円、「貸出金」が11億92百万円、「棚卸資産」が26億77百万円、「関係会社株式」が96億59百万円増加したことによるものであります。
主な増減要因は、「現金及び預金」は当社及びSG社と合併したPD社分の預金の増加、「貸出金」はキルギスコメルツ銀行における顧客への貸出金の増加、「棚卸資産」はSG社と合併したPD社分の増加やSG社における仕入の増加によるもの、「関係会社株式」はハーン銀行およびソリッド銀行にかかる持分法投資利益によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計につきましては、313億60百万円となり、前期比27億27百万円増加しました。
これは主に、「流動負債 その他」が14億2百万円、「繰延税金負債」が16億95百万円増加したことによるものであります。
主な増減要因は、「流動負債 その他」はSG社における買掛金及び未払金の増加、SG社と合併したPD社分の未払金の増加、キルギスコメルツ銀行における売現先取引により発生した金銭債務の増加など、「繰延税金負債」はハーン銀行の留保利益に関する税効果会計の変動によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計につきましては、1,006億35百万円となり、前期比139億34百万円増加しました。
これは主に、「利益剰余金」が143億87百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、185億36百万円(前期比13億98百万円増)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、21億76百万円の資金増加(前期は45億32百万円の資金増加)となりました。
これは主に、「利息及び配当金の受取額」80億33百万円の資金が増加した一方、「貸出金の純増(△)減」12億41百万円、「棚卸資産の増減額(△は増加)」15億11百万円、「法人税等の支払額」26億59百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な要因は、当社におけるハーン銀行からの配当金の受取、キルギスコメルツ銀行における顧客への貸出金の増加、SG社における棚卸資産の増加、当社及び連結子会社における法人税等の支払いによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2億69百万円の資金減少(前期は60億54百万円の資金減少)となりました。
これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」23億98百万円の資金が増加した一方、「連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出」29億34百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な要因は、当社における投資有価証券の売却、当社におけるPD社株式の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2億45百万円の資金減少(前期は2億87百万円の資金減少)となりました。
これは主に、「長期借入れによる収入」5億59百万円の資金が増加した一方、「短期借入金の純増減額(△は減少)」3億10百万円、「長期借入金の返済による支出」2億96百万円、「配当金の支払額」3億0百万円の資金が減少したことによるものであります。
主な要因は、キルギスコメルツ銀行における長期借入金の借入及び返済、連結子会社であったPD社分の短期借入金の返済、当社における配当金の支払によるものであります。
a.仕入実績
当連結会計年度におけるリユース事業の仕入実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
b.販売実績
当連結会計年度におけるリユース事業の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益は578億79百万円(前期比201億13百万円増)、経常利益は177億13百万円(前期比25億91百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億88百万円(前期比25億87百万円増)となりました。
当連結会計年度においては、リユース事業が業績好調で増収増益となっております。また、ハーン銀行及びソリッド銀行の業績も好調で持分法による投資利益も増加しております。一方で、今後、モンゴル国の銀行法等の規制により、当社のハーン銀行株式保有比率を20%以下に引き下げる必要があり、これにより持分法による投資利益も減少していく見込みとなっております。
また、当社グループには海外の関係会社が複数存在するため、海外の経済情勢や政治情勢から影響を受けております。さらに、国内の関係会社においても、国内の景気動向や同業他社との競争激化などに影響を受けるため、当社グループの経営成績が変動する要因となります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、資本の効率性を示すROE(株主資本当期純利益率)を連結ベースで10%以上を安定的に維持していくことを中期的な経営目標としておりますが、当連結会計年度においては15.8%となりました。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
銀行関連事業の当連結会計年度の営業収益は26億15百万円(前期比2億92百万円減)、営業損失は2億84百万円(前期は営業損失6億52百万円)となりました。また、持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績は、持分法による投資損益に反映されます。なお、持分法による投資損益を含めた銀行関連事業の経常利益は165億28百万円(前期比17億32百万円増)となっております。
ハーン銀行においては、現地通貨ベースでの資金運用収益や当期純利益は引き続き前期比で増収増益となり、融資残高や預金残高も前期末比で増加しました。
ハーン銀行の業績は、モンゴルの好調な経済成長(前期比6.8%増加)に支えられ増収増益を維持しております。融資の増加は、好調なモンゴル経済を背景に法人向けの事業融資が伸びておりますが、個人向けにおいてもサラリーローンや住宅ローンの伸びが堅調であります。一方で、インフレ率の上昇による政策金利の引き上げ、大手行の間での預金獲得競争の激化の影響から預金金利が大きく上昇しており、資金調達費用も増加しております。結果として、融資残高増加による資金運用収益増加やデジタルバンキング推進による手数料収入増加の影響が大きく、増収増益を達成しております。
モンゴル国内においては、中国向け輸出がわずかに減少しておりますが、国内消費・投資が好調に推移しており、モンゴル経済は今後も成長を維持していくと思われます。一方で、中国経済の減速、財政の悪化やインフレ率の高止まりによる金利の上昇など不安要素も存在します。また、ハーン銀行はコロナ禍における国の景気対策に協力する形で、低金利の融資や融資の返済猶予等を実施しました。このため、今後、この信用リスクが顕在化し、貸倒引当金繰入額が増加し、ハーン銀行の業績に影響を与える可能性があります。
今後も、ハーン銀行ではお客様満足度の向上のため、顧客のセグメンテーションを推進し、お客様それぞれに合ったサービスの提供に努めてまいります。顧客の利便性を図るため、パソコンやスマートフォンからのインターネット取引を推進しており、支店における取引の8割程度がデジタルバンキングでの取引となっております。今後、ハーン銀行は個人向け・法人向け融資に注力しつつ、カード事業やデジタルバンキングサービス等を含めた手数料収入の増加にも引き続き注力いたします。
キルギスコメルツ銀行においては、融資残高は前期末比で増加しておりますが、年間を通しての平均融資残高は前期比で減少しているため、金利収入は前年並みとなりました。一方で、預金残高が減少しているため、今後の預金の収集が課題となっております。非金利収入については、政府による外為取引の規制などの影響で減少しております。また、中央銀行の指摘により追加の引当金や費用を計上することとなりました。以上の結果、今期は大幅な最終赤字となりました。キルギス国内における金融業界は大手行である国営銀行が強い競争力を保持しており、中小規模の銀行であるキルギスコメルツ銀行 は、近年のロシア・ウクライナ情勢の影響もあり、リスク回避のため融資の実行には慎重な姿勢を続けており、そのため金利収入が伸び悩んでおり、今後、どのように融資を増加させていくかが課題となっております。
キルギス国内では、銀行は飽和状態であることから、サービス面を改善することで他社との差別化を図り、収益の獲得に努めてまいります。新決済システムの導入によるデジタルバンキングの推進、キルギス国内唯一のクレジットカードのプロセシングセンターを設立するなど、キルギスにおける「最も便利で信頼できる先進的な銀行」に成長することを目指し、銀行業務だけでなく幅広い金融サービスの展開に向けて、個人向け融資の増加とともに、個人向けのカード事業とオンラインサービスを強化しております。
ソリッド銀行においては、法人向けを中心とした融資残高の増加、外為取引による非金利収入の増加により引き続き増収増益となっております。ソリッド銀行は、現在のところ、ロシアウクライナ問題による業績への影響はなく、大手行が金融制裁を受けているためソリッド銀行で扱う外為取引が増加し外為取引収支が大幅に増加、また、預金残高・融資残高も増加しているため増収増益を続けております。しかし、ロシアは依然としてウクライナ問題に起因する幅広い経済制裁を受けており、今後のロシア経済の悪化や金融制裁対象の拡大などがソリッド銀行の業績にも影響を与える可能性があります。近年、ロシア経済はインドや中国などの新興大国との繋がりを強めており、そのような環境の変化がソリッド銀行にどのような影響を与えるか注視している状況であります。
そのような環境のなかで、ソリッド銀行は貸出業務の改善と強化を図り、融資審査体制を本部に集中化させ、リスク管理を大幅に厳格化するとともに、組織の再構築や継続的なコスト削減等を実行しております。さらに、非金利収入の増加に向けたサービスの拡大に取り組み、ロシア極東地域における存在感のある銀行を目指してまいります。
リユース事業の当連結会計年度における売上高は552億51百万円(前期比204億5百万円増)、営業利益は6億17百万円(前期比5億77百万円増)となりました。
近年、リユース市場は、循環型社会への促進を受けて成長を続けており、スマホの普及によるフリマアプリの拡大・浸透は市場を活性化させ、現代のサステナビリティの風潮も追い風となり、人口減少時代に突入した我が国においても引き続き成長が見込める市場となっております。STAYGOLDは、中古品をメインとした宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、シルバーアクセサリー、スニーカー等の買取・仕入・販売・仲介及びオークション運営を行っております。
今期のリユース事業の業績は、販売や買取を順調に増加させており、事業拡大に伴い人件費を中心に販管費が増加しておりますが、STAYGOLD単体では営業利益を15億円弱計上し、増収増益となっております。特に、販売では戦略的に小売(BtoC)を強化しており、PD社との合併の影響もあり、前期比+50%と大きく増加しました。今後も小売を継続的に強化することにより利益率の上昇を計画しております。また、PD社との合併を機に海外戦略にも着手しており、さらなる成長に向けた取り組みも加速させております。
連結セグメントとしては、のれんや無形固定資産の償却費が多額に計上されておりますが、足元の業績は引き続き好調を維持しており、今後も、積極的な新規出店等を行うとともに小売や買取の強化など様々な営業施策を実施してまいります。一方で、リユース事業は、市場の成長性の高さから競争が激化しているため、ブランド力の強化や他社との差別化、より一層の規模の拡大などが課題となっております。
その他事業の当連結会計年度における営業収益は74億88百万円(前期比13億5百万円増)、営業利益は67億16百万円(前期比11億44百万円増)となりました。
当社単体においては、グループ各社における適切な会社運営に加え、グループ間でのシナジー効果を高めるべく適切な管理や助言を行っております。当社単体の営業収益は、主に関係会社からの配当金で構成されており、当連結会計年度においては、関係会社からの配当金の増加により増収増益となりました。投資事業については、国内における独自性や特長のある事業のみならず、国外における将来性のある国や地域での事業に対しても積極的な投資を展開し、今後もグループの拡大に向け、更なる発展を続けてまいります。
当連結会計年度における持分法による投資利益は163億9百万円(前期比8億61百万円増)となりました。
持分法適用関連会社であるハーン銀行及びソリッド銀行の業績が好調で増収増益となっており、そのため持分法による投資利益は引き続き増加しております。なお、ハーン銀行およびソリッド銀行の状況は前述のとおりです。今期より新たに持分法適用関連会社となった日本オークション協会、World Watch Auction Limitedは比較的小規模企業であるため、説明を省略いたします。
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループにおける資金需要のうち主なものは、顧客への貸出金、リユース品の買取、新規店舗への設備投資、人件費や不動産賃借料等の販売費及び一般管理費の支払いによるものであります。設備投資を目的とした資金需要は、STAYGOLDにおける新規店舗開設によるものであります。
また、当社グループにおける必要な運転資金、投資資金及び融資資金は、自己資金、金融機関からの借入、顧客からの預り金により調達しております。当連結会計年度末における主な有利子負債残高は、顧客からの預り金である預金94億75百万円、金融機関からの長期借入金(1年内含む)22億14百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は185億36百万円となっております。
主な借入先として、キルギスコメルツ銀行において、Ministry of Finance of the Kyrgyz Republicから4億98百万円、Russian-KyrgyzDevelopmentFundから3億38百万円、Mamakeev Kanat Mambetovichから2億58百万円、STAYGOLDにおいて、株式会社日本政策金融公庫から6億14百万円、株式会社高知銀行から1億48百万円となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に影響を与えるような見積り及び予測が必要となります。当社グループは、過去の実績値や状況に応じて、合理的かつ妥当な判断により、見積り及び予測を行っておりますが、当該見積り及び予測については、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(株式取得による完全子会社化)
当社は、2025年4月14日開催の取締役会において、PD社の全株式を取得することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結するとともに株式の取得をいたしました。
その他、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の (企業結合等関係)をご参照ください。
該当事項はありません。