① 経営の基本方針
当社グループは、「今までの日本にない証券会社をつくろう」を合言葉とし、「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」を目指しています。その実現に向け、当社はクレド(企業理念)の下、経営の公正性及び透明性を高め、機動的かつ適切な意思決定を行うことにより、業績の向上と企業価値の最大化を図りつつ、コーポレート・ガバナンスの強化充実に努めていくことを経営上の重要課題としております。また、指名委員会等設置会社の形態を採用し、加えて執行役員制度を導入することにより、業務執行の迅速性、実効性を高めるとともに業務執行に対する監督の強化を図っております。
〔いちよしのクレド(企業理念)〕
・経営理念 「お客様に信頼され、選ばれる企業であり続ける」
・経営目標 「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」
・行動指針 「感謝・誠実・勇気・迅速・継続 Long Term Good Relation」
② 業務運営体制
当社グループの業務運営体制は「トライアングル・ピラミッド経営」を推進しています。
リサーチをベースにリテール部門、法人部門、サポート・商品部門の正三角形4面体を本社部門や関係会社が土台として支えることにより、各部門及び関係会社の機能を最大限に発揮させると同時に、各部門のコ・ワーク(共同業務推進)によるシナジー効果を図ることを目的とした経営スタイルです。この業務運営体制により、お客様により良い商品、より良い情報、より良いサービスをご提供し、その結果として、お客様の大切な金融資産の運用及び企業経営のお役に立つことになると考えております。
③ 20年振りの「改革の断行」
当社は、「いちよしのクレド」の経営理念を実現するために経営目標として「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指しております。また、「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターである「預り資産」を経営の最重要指標として位置づけ、預り資産の拡大を図ることにより、持続的な成長の実現に努めております。
また、当社は長年、お客様との信頼関係を何より一番としたサービスのご提供を続けて参りましたが、コロナ禍を含めた急速な環境変化に迅速に対応すべく、現在、お客様本位の業務運営をさらに推進するための20年振りの「改革の断行」を進めております。
この「改革の断行」は、最重要経営指標である「預り資産」の拡大をさらに進め、お客様本位の「ストック型ビジネスモデル」への転換をより一層推進することを目標にしており、当社が20年来掲げて参りました「仕組み債は取り扱わない」「個別外国株は勧誘しない」などの「お客様のためにならない商品は取り扱わない」という7つの原則「いちよし基準」にもとづく「売れる商品でも、売らない信念」に加えて、お客様のために為すべきこととして「お客様独自のオーダーを仕立てる信念」を新たなもう一つの柱として掲げ、お客様1人1人のニーズに即したオーダーメイドのポートフォリオ提案に取り組んでおります。
〔「改革の断行」の基本戦略〕
1.クレドの徹底
いちよしの永続的な成長のベースになる経営理念
2.預り資産の拡大
預り資産は経営の最重要指標
預り資産はお客様からの信頼といちよし基礎体力のバロメーター
「顧客戦略」「チャネル戦略」「商品戦略」
3.収支構造の改善の継続
株式市場の変動に影響されない収支構造の促進
「安定収益」「ドリコレ・投信によるコストカバー率の向上」
「コストカバー率は、ストック型ビジネスモデルの進捗状況のメルクマール」
「生産性向上、コスト削減、小さな本社作り」
4.いちよしグループの総合力
トライアングル・ピラミッド経営
「中小型成長株特化」「富裕層ビジネス特化」
5.コンプライアンスの実践
コンプライアンスは競争力の源泉
お客様本位のよりグレードアップしたコンプライアンス
「法令遵守は絶対」「クレドの精神に合ったお客様目線の適合性重視」
6.人材の増強と育成
人材こそが成長の源泉
「アドバイザーの質の向上」「若手アドバイザー、次期管理職の育成」
「女性・シニア層の積極的活用・登用」「本社・本部のバックアップ力強化」
7.「働きやすい・やりがいのある職場」作り
社員のやる気アップ
意欲を持って仕事をやる人にとってはずっといたい会社
「縦・横のコミュニケーションの充実」「人事制度・評価制度の見直し」
「職場環境の改善」「仕事のやり方見直し」
④ 中期経営計画「アタック3」
当社は、お客様本位の「改革の断行」を行うための具体的な目標として、2020年4月から2023年3月末を計画期間とした中期経営計画「アタック3」を策定しております。
「アタック3」では、2023年3月末までの3年間で、預り資産を3兆円へと拡大することに挑戦するとともに、当社が約20年前から取り組んでおります、売買手数料を中心とした「フロー型ビジネスモデル」から信託報酬やラップフィーを中心とした「ストック型ビジネスモデル」への転換の指標となる「コストカバー率」の目標も60%に設定しております。
中期経営計画「アタック3」の項目と数値目標及び当期末実績は以下のとおりです。
〔中期経営計画〕
※コストカバー率=(信託報酬+ラップフィー)/販売費・一般管理費
この数年来、低金利の長期化や100年人生の進捗を背景として「貯蓄から投資へ」そして「貯蓄から資産形成へ」の流れが本格化していくなかで、我が国の証券界は、お客様本位のビジネスを展開することが強く求められて参りました。
当社は長年「いちよしのクレド」の下、お客様との信頼関係を最優先としてサービスのご提供を続けて参りましたが、コロナ禍を含めた急速な環境の変化に対応すべく、お客様本位の業務運営をより一層進めるために2019年より20年振りの「改革の断行」に取組んでおります。
その一環として経営陣の大幅な若返りとスリム化を実施するとともに、地区アドバイザー本部制を廃止し、営業推進体制を従来の本社本部主導から支店主導の体制に切り替え、地域特性に沿った1人1人のお客様のニーズに細やかにお応えできるような体制を整えるなど、真にお客様本位といえる業務運営のための様々な改革を現在進めております。
当社は20年来、リスク・リターンの仕組みなどが複雑でお客様による理解が難しい、お客様のためにならない商品は取り扱わないという7つの原則「いちよし基準」を掲げ、「売れる商品でも、売らない信念」として売買手数料中心のフロー型ビジネスモデルから、投資信託の信託報酬やラップフィーの安定収益を中心とした「ストック型ビジネスモデル」への転換を目指して参りました。この度の「改革の断行」は、中期経営計画「アタック3」のもと、最重要経営指標である「預り資産」の拡大をさらに進め、「ストック型ビジネスモデル」への転換をより一層推進することを目標にしており、新たに、お客様のために為すべきこととして「お客様独自のオーダーを仕立てる信念」をもう一つの柱として掲げております。
また、改革の一環として、不採算業務でありかつ当社の経営において相対的に重要性が低下してきた引受け業務を2022年12月末を目途に取り止め、金融資産運用アドバイス業務により一層特化することを決定しております。
さらに、当社では現在、お客様の利便性向上の観点から、特に首都圏における既存店舗を分支店化した小型店舗(プラネットプラザ)を増設して参りました。今後も、お客様に対してより身近な存在となれるような店舗網の更なる充実に努めて参ります。
また、当社はかねてより従業員の労働条件や職場環境、人事制度、人材育成を経営の重要課題として参りましたが、「人材の増強と育成」・「働きやすい・やりがいのある職場」作りを「改革の断行」 の基本戦略のひとつとして位置づけ、引続き、具体的な取組みを進めて参ります。
当社の経営目標である「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」への登頂を目指すための「改革の断行」は現在6合目位という状況です。引続き、「ブランド・ブティックハウス」の山頂を目指して、当社の強みであるいちよしのグループ力(いちよし証券のアドバイス力、いちよし経済研究所のリサーチ力、いちよしアセットマネジメントの運用力)とコンプライアンス力(お客様満足度)を活かし、「改革の断行」の基本戦略を柱に、預り資産の拡大を核とした成長の実現に努めて参ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項として考えております。
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等に与える影響につきましては、合理的に予見することは困難であるため記載しておりませんが、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対処に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 金融商品取引業の収益変動リスク
国内及び海外株式・債券相場が下落または低迷した場合、流通市場での売買高が減少し、結果として当社の売買委託手数料が減少する可能性があります。また、これに付随して、発行市場においても同様の影響を受ける可能性があります。
(2) 市場リスク
当社では、投資有価証券の保有の他、自己勘定でトレーディング業務を行っており、株価、金利及び外国為替相場等の変動により、保有する有価証券等の価格が変動し、損失が発生する可能性があります。
(3) 信用(取引先)リスク
取引先の債務不履行等(信用状態の変化を含む)により、損失を被る可能性があります。
(4) 流動性リスク
金融情勢または当社グループの財務内容の悪化等により、資金調達面で制約を受け、資金の流動性に障害が生じる可能性、及び通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失が発生する可能性があります。
(5) 事務リスク
当社グループでは、各種マニュアルの整備やコンプライアンス体制の整備強化に努めておりますが、事務処理プロセスで発生する事務ミス、事故、または不正等により損失が発生する可能性があります。
(6) システムに関するリスク
コンピュータシステムのダウン、誤作動、または災害や停電による障害等により損失が発生する可能性、及びコンピュータが不正に使用されることにより損失が発生する可能性があります。
(7) リーガルリスク
法令違反等があった場合、損失が発生する可能性、訴訟の提起を受ける可能性、及び監督当局から行政処分等を受ける可能性があります。
(8) 情報関連リスク
インサイダー取引、内部情報の漏洩、及び不適切な情報開示により、損失が発生する可能性、及び社会的信用が低下する可能性があります。
(9) 競争によるリスク
金融・証券業界は本格的な競争時代を迎えており、今後ますます競争は激化していくことが予想され、当社及び各連結子会社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 法制度等の変更によるリスク
昨今の金融・証券業界を取り巻く各種法制度等の改正により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 災害等によるリスク
地震・火災の災害等、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等により、当社グループの業務体制に支障が生じる可能性、及び役職員が被害を受けた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度(以下、当期)の日本経済は、持ち直しの動きが続く中、新型コロナウイルス感染症の影響が一部にみられ、個人の消費活動も、やや弱含みでしたが、企業の生産活動に持ち直しがみられ、企業業績は概ね良好な状況が続きました。2022年の年初からウクライナ情勢の不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇などが警戒されましたが、世界経済も改善傾向にあります。
日本の株式市場は、日経平均株価が4月上旬に3万円を超える場面がありましたが、緊急事態宣言が再発出されたことや、米国の金融引き締め懸念などから、8月下旬まで調整色を強めました。その後、政治の変化への期待などから日経平均株価は9月14日に3万795円と、約31年ぶりの高値まで上昇しましたが、米長期金利の上昇や中国の不動産大手の経営不安をきっかけとして反落し、日経平均株価は10月上旬に2万8,000円割れとなりました。11月中旬にかけては好調な企業決算が支えとなり、日経平均株価は3万円手前まで戻りましたが、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大や、米長期金利の上昇が重荷となりました。年明け以降は米金融引き締め加速やウクライナ情勢の緊迫化から日経平均株価は3月9日に2万4,681円まで下げましたが、過度な警戒感がやや後退したことで、反発に転じました。3月15~16日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを決定し、次回会合では保有資産の縮小を決める可能性を示唆しましたが、米金融引き締めの方向性が明らかとなったことを受けて不透明感が和らぎ、日経平均株価は前期末比1,357円安の2万7,821円まで戻して当期末を迎えました。
外国為替市場では、4月23日に1ドル=107.47円を付けて以降、円安・ドル高が進みました。特に、当期末に向けては、インフレへの警戒を背景とした米金融引き締めの加速化観測から米長期金利が上昇し、期末にかけて円安・ドル高が進み、当期末は1ドル=121円台後半で終わりました。
日本の新興株式市場では、日経ジャスダック平均株価は9月14日に4,113円の高値を付けましたが、その後は調整が続き当期末は3,659円で終わりました。東証マザーズ指数も調整色が強まり、790で当期末を迎えました。
当期における東証一部市場の一日平均売買代金は前期比12.8%増の3兆1,687億円、マザーズ市場の一日平均売買代金は同25.0%減の1,577億円、ジャスダック市場の一日平均売買代金は同10.6%減の591億円となりました。
当社は、このような環境下、約2年前から取り組んでいるお客様本位の「ストック型ビジネスモデル」を目指して「改革の断行」を実行しつつ、中期経営計画「アタック3」の達成を目指しております。株式につきましては、低金利環境の下で安定性と配当に注目した資産株のご提案に加え、当社グループの強みであるリサーチ力を生かした中小型成長企業への投資のご提案をするなど、お客様の中長期における資産形成としての株式投資をお勧めして参りました。
いちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当期末の残高は1,890億円(前期末比21.2%増)となりました。
投資信託(ラップを除く)につきましては、当社グループの強みであるリサーチ力と運用力を活かした国内外の中小型株式ファンドや米国の成長株やグローバル公益株に投資するファンド、昨今注目されているSDGs関連ファンド等、お客様のニーズに即した提案が投資信託の預り資産拡大へつながり、当期末の残高は、7,771億円(前期末比1.4%増)となりました。
グループのいちよしアセットマネジメントにおきましては、運用資産残高が引き続き増加し、当期末の運用資産残高は4,231億円(前期末比13.6%増)となりました。
以上の結果、当社グループの純営業収益は195億53百万円(前期比7.4%増)となりました。また、販売費・一般管理費は162億32百万円(同4.2%減)となり、差し引き営業利益は33億21百万円(同20億57百万円の増加)となりました。
販売費・一般管理費に対する投資信託の信託報酬とファンドラップに係るフィー等の比率(コストカバー率)は52.8%となりました。
なお、当期末の預り資産は、1兆9,517億円(前期末比1.9%減)となりました。
① 受入手数料
受入手数料の合計は189億86百万円(前期比7.8%増)となりました。
委託手数料:
株券の委託手数料は53億18百万円(前期比11.8%減)となりました。
このうち、中小型株式(東証二部市場、ジャスダック、マザーズ)の委託手数料は8億69百万円(同39.5%減)となり、株券委託手数料に占める中小型株式の割合は16.4%となりました。
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料:
発行市場では、主幹事3社を含む新規公開企業39社(前期は主幹事4社を含む新規公開企業31社)の幹事・引受シンジケート団に加入いたしました。また、既公開企業に係る公募・売出しは6社(前期は6社)となりました。
この結果、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料の合計は5億91百万円(前期比19.0%増)となりました。
当期末における累計引受社数は1,190社(うち主幹事64社)となりました。
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料:
投資信託に係る手数料が37億84百万円(前期比10.0%増)となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は38億32百万円(同7.8%増)となりました。
その他の受入手数料:
その他の受入手数料は、当社の受益証券残高に係る信託報酬が41億33百万円(前期比14.0%増)、いちよしアセットマネジメントの運用に係る信託報酬が18億30百万円(同39.0%増)となり、これに当社のファンドラップに係るフィー等25億99百万円(同49.5%増)等を加え、合計90億76百万円(同23.1%増)となりました。
② トレーディング損益
株券等のトレーディング損益は、1億40百万円(前期比18.4%減)の利益となりました。債券・為替等のトレーディング損益は、21百万円(同84.6%減)の利益となりました。その結果、トレーディング損益合計は1億61百万円(同48.0%減)の利益となりました。
③ 金融収支
金融収益は、信用取引貸付金の期中平均残高の増加により2億16百万円(前期比4.6%増)、金融費用は、38百万円(同45.4%減)となり、差し引き金融収支は1億77百万円(同30.4%増)となりました。
以上の結果、当期の純営業収益は195億53百万円(前期比7.4%増)となりました。
④ 販売費・一般管理費
販売費・一般管理費は、取引関係費及び人件費の減少等により、162億32百万円(前期比4.2%減)となりました。
⑤ 営業外損益
営業外収益が、投資事業組合運用益66百万円等で1億31百万円となり、差し引き1億21百万円(前期比85百万円の増加)の利益となりました。
以上の結果、当期の経常利益は34億43百万円(前期比164.7%増)となりました。
⑥ 特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益等で1億62百万円、特別損失は投資有価証券評価損等で24百万円となり、差し引き1億38百万円(前期比1億24百万円の増加)の利益となりました。
これらにより、税金等調整前当期純利益は35億81百万円(前期比172.6%増)となりました。これに法人税、住民税及び事業税9億1百万円及び法人税等調整額1億54百万円を減算した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は25億26百万円(前期比152.2%増)となりました。
① 資産
前期末に比べて12億76百万円(2.6%)減少し、479億35百万円となりました。これは、預託金が10億90百万円増加したものの、信用取引資産が31億94百万円減少したこと等によるものです。
② 負債
前期末に比べて22億32百万円(11.1%)減少し、178億70百万円となりました。これは、受入保証金が13億86百万円増加したものの、信用取引負債が30億89百万円減少したこと等によるものです。
③ 純資産
前期末に比べて9億56百万円(3.3%)増加し、300億64百万円となりました。これは、配当金の支払い13億71百万円により減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益25億26百万円を計上したこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は62.7%となりました。また、当社の自己資本規制比率は、505.8%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益35億81百万円を計上、顧客分別金信託10億90百万円増加による減少、募集等払込金8億82百万円増加による減少等により、20億92百万円(前期比27億68百万円の減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出、投資有価証券の取得による支出、投資有価証券の売却による収入等により、△1億69百万円(同1億24百万円の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額13億68百万円等により、△13億75百万円(同2億51百万円の減少)となりました。
以上により、当期末における現金及び現金同等物残高は、前期末残高に比べ、5億47百万円増加し、168億92百万円となりました。
トレーディング商品:
最近2連結会計年度末におけるトレーディング商品残高は以下のとおりであります。
トレーディングに係るリスク管理体制:
当社グループにおけるトレーディングに係るリスク管理体制は、株価、金利、外国為替相場等の変動を適切に認識し、「リスク管理規程」及び「市場リスク管理細則」に準じて市場リスクの管理を行っております。
具体的には、主として顧客との取引から発生するトレーディング業務に係わる有価証券について、取引を行う部門毎及び商品毎に許容可能なリスク量(ポジション枠)をロスカット基準等と合わせて定めております。また、市場リスク相当額は標準的方式により算出され、状況を把握して確認を行っております。なお、内部統制委員会の下部組織であるリスク管理会議においては、運用環境や当社の財務状況等を勘案してポジション枠等の見直しや今後の対応等の協議を行っております。
市場リスクの管理は、日々、リスク管理室がモニタリングを行い、経営陣その他の関係者に対して報告を行っております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2022年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針等が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 固定資産の減損損失
翌連結会計年度の将来キャッシュ・フローの算定にあたり、市場動向や経済情勢の変化により翌連結会計年度の営業収益が悪化した場合、その影響により翌連結会計年度の営業損益が減少する可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、証券市場の変動の影響を大きく受ける市況産業であるため、業績変動の幅が大きく、長期にわたり安定的な課税所得の発生を予測することが困難であります。
この具体的な計算方法は、当社グループの課税所得を見積り、短期に回収が可能なものを判断し繰延税金資産を算出しております。
③ 賞与引当金
当社グループの賞与引当金は、従業員に対する賞与の支払いに備えるため、所定の計算方法により算出した支払見込額を計上しております。この具体的な計算方法は、賞与の前支給対象期間の業績対比等の係数を基礎として算出しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績等について
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、純営業収益は前期比7.4%増の195億53百万円、経常利益は同164.7%増の34億43百万円となりました。
当社グループは「金融・証券界のブランド・ブティックハウス」の構築を目指して従来築いてきた土台をさらに拡大するために、2023年3月末をターゲットとする中期経営計画「アタック3」を策定し、数値目標は預り資産3兆円、ROE15%程度、主幹事会社数80社、コストカバー率60%と設定いたしました。
また、数値目標のうち特に、預り資産を「お客様からの信頼」と「いちよしの基礎体力」のバロメーターと位置づけ、預り資産の拡大を最も重要な経営目標であり成長の源泉として持続的な成長の実現に努めています。
営業収益のうち主な科目別の経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
投資信託(ラップを除く)につきましては、当社グループの強みであるリサーチ力と運用力を活かした国内外の中小型株式ファンドや米国の成長株やグローバル公益株に投資するファンド、昨今注目されているSDGs関連ファンド等、お客様のニーズに即したご提案を行って参りました。
その結果、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料の合計は前期比7.8%増の38億32百万円となりました。
(その他の受入手数料)
その他の受入手数料は、全体では前期比23.1%増の90億76百万円となりました。主な内訳は、「受益証券残高に係る信託報酬」が同14.0%増の41億33百万円、「運用に係る信託報酬」が同39.0%増の18億30百万円、「ファンドラップに係るフィー等」が同49.5%増の25億99百万円です。
「ファンドラップに係るフィー等」のうち、「投信のベース資産」として位置付けているいちよしファンドラップ「ドリーム・コレクション(愛称:ドリコレ)」につきましては、お客様の保守的な資産の中長期運用商品としてのニーズが引き続き拡がっており、当期末の残高は1,890億円(前期末比21.2%増)となりました。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主たる事業である金融商品取引業は、国内外の証券市場の変動に大きな影響を受ける可能性があり、当社グループの経営成績に重要な影響を与えます。
③ 資本の財源及び資金の流動性について
資金需要
当社の資金需要の主な要因は、信用取引貸付金の自己融資の増減による資金、及び投信買付(追加設定)により、投資委託会社への払込日とお客様買付代金入金日との相違による一時的に立替金となる資金、並びに、お客様分別金により入金確認日とお客様分別金に信託する日の相違による一時的に立替金になる資金、人件費をはじめとする販売費・一般管理費、当社株式配当金及び法人税等の納付による資金があります。
資金の流動性
資金の流動性については、上記資金需要による流動性と、有価証券売買に伴うお客様買付代金の業者に払込する資金、お客様売却代金をお客様に払込する資金の流動性を確保する必要があります。
なお、当社グループの資本の財源については、(経営成績等の状況の概要)(3) キャッシュ・フローの状況に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。