(1)経営の基本方針
当社グループは、創立以来、「信は萬事の基と為す」を経営の基本理念として、信頼を原点としたFace to Face(お客さまとの直接対話型)のビジネスモデルと健全経営の追求による安定的成長確保を経営の基本方針としております。
当社グループは、「お客さま本位の業務運営に関する方針」を策定したうえで、経営の基本方針に則り、お客さまのニーズにあった商品・サービスを提供するとともに、お客さま本位の業務運営に努めてまいります。
今後とも、経営環境の変化を的確に捉えながら、収益性・効率性の追求はもとより、コンプライアンスを含むリスク管理及びコーポレート・ガバナンスの実効性を高め、企業価値向上を図ってまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、収益構造の多様化と経営環境の変化を的確に捉えた新しい収益分野への取組みにより、安定的・持続的成長を目指すことを経営の基本としており、今後とも業績向上に努め、変化する経営環境において、連結ROE(自己資本利益率)の水準を高めてまいります。
(3)経営環境及び対処すべき課題
わが国では、国民の安定的な資産形成を実現する資金の流れへの転換を図る方針「貯蓄から資産形成へ」が打ち出され、今後の証券市場の果たす役割は一層重要になると考えております。
当社グループといたしましても、証券市場の担い手としての役割を強く意識しつつ、次に掲げる課題について引き続き積極的に取り組んでまいります。
① Face to Faceのビジネスモデルの追求
オンライン証券会社や他の中堅証券会社との差別化を図るうえで、「多様な商品によるマーケット変化を捉えた機動的な運用提案」をいかに実践し、お客さまの投資パフォーマンス向上に資するかが重要な課題であります。
今後とも、当社グループは、「特色ある旬の商品の提案力」及び「幅広いコンサルティング機能」の強化並びに「わかり易く、親切・丁寧な対応」の徹底に努め、お客さまの満足度向上を図りながら、お客さま本位の業務運営を徹底し、資本市場の担い手としての役割を果たしてまいります。また、その取組みを通じて、長期安定的収益の基盤となる「新規顧客の開拓」及び「預り資産の増強」の課題を達成してまいります。
② 積極的な財務運営による収益力向上と収益多様化
当社グループは、これまで、株主資本の効率的運用の観点から、積極的な財務運営を行ってまいりました。
今後とも、経営環境の変化を的確に捉え、その時々の核となる新しい収益分野にいち早く取り組み、適正なリスク管理の下、収益力向上と収益多様化を図ってまいります。
③ コンプライアンス及びリスク管理体制の強化
当社グループは、お客さま本位の業務運営の基本方針を徹底し、役職員全員がより高い倫理観に基づいて業務を遂行できるように、社内制度やルールの見直しを継続的に実施し、コンプライアンスの強化を図ってまいります。
また、管理すべきリスクが多様化する現状に鑑み、新たに認識されたリスクや今後発生すると予想されるリスクを的確に把握し、それに対する対応策などを早期に策定するなど、リスク管理の更なる強化を図ってまいります。
④ 企業の社会的責任及びガバナンス
当社グループは、全てのステークホルダーの信頼に応え、資本市場の一層の機能強化に資するべく、その役割を果たすとともに、他社では提供できない価値を生み出すことで社会全体の発展に貢献してまいります。更には、企業としての社会的責任を十分に認識し、社員が能力や個性を発揮して活躍できる環境を整備するとともに、本業以外の分野においても、社会との関わりを重視し、教育活動、地域社会への貢献、環境への取組み等に積極的に参画してまいります。
また、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、より充実したコーポレート・ガバナンス体制を構築してまいります。
当社及び関係会社の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。なお、当社及び関係会社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)事業関連について
① 主要な事業の前提に係るリスク
当社は、金融商品取引業者として金融商品取引法第29条に基づく金融商品取引業の登録(登録番号関東財務局長(金商)第65号)を受け、金融商品取引業を営んでおります。
金融商品取引業については、金融商品取引法第52条、第53条第3項及び第54条にて、登録の取消となる要件が定められており、これに該当した場合、登録の取消が命じられます。
当社の主要な事業活動の継続には、前述のとおり金融商品取引業登録が必要ですが、現時点において、当社はこれらの取消事由に該当する事実はないと認識しております。
しかしながら、将来、何らかの事由により登録の取消等があった場合には、当社の主要な事業活動に支障をきたすとともに経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
② 相場等の急激な変動に伴うリスク
当社グループは、自己勘定で株式・債券等のトレーディングを行っておりますので、株価・債券価格・金利・為替その他の市場価格の急激な変動により損失を被った場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 市場の縮小に伴うリスク
経済・金融情勢等の悪化により、株式・債券市場が低迷・縮小する結果、投資者の投資活動が減退し、顧客注文が減少する場合には、当社の手数料収入が減少する可能性があります。また、発行市場もその影響を受けることから、引受け・募集の取扱い等の案件が減少する可能性があります。
さらに、当社及び関係会社は、不動産証券化関連業務を営んでおりますので、不動産市況の低迷に伴い、不動産市場の縮小が生じた場合には、匿名組合出資金等の毀損につながることも想定され、これら全ては、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 競合によるリスク
近年の規制緩和の影響で金融商品取引業への参入が容易になり、これに伴い競争が激化してきております。当社グループは、「大切な資産を育てるお手伝い」をブランドスローガンとして対面営業を推進しておりますが、当社グループが競争力を維持できなかった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ オペレーショナルリスク
当社グループの役職員による事故・不正等又は正確な事務処理を怠ることによって損失が発生した場合、当社グループに対する損害賠償や信用力の低下等を通じて、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 災害等に関するリスク
自然災害やこれに伴う障害の発生等及び病原性感染症の拡大等により、事業の縮小を余儀なくされた場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)財務関連について
① 資金調達環境の悪化に伴うリスク
資金調達では、銀行借入の他、コールマネーによる市場からの調達を行っておりますので、金融の引締めや当社の信用力の低下等により必要な資金が確保できなくなる、あるいは通常よりも著しく高い金利での調達を余儀なくされることがあった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社では、コールマネー等の無担保短期資金の調達が困難になった場合に備えて、コミットメントライン契約を締結しているほか、手元流動性の維持や換金性の高い資産の保有を心掛けるなど、流動性リスクへの対応を図っております。
② 固定資産の減損に関するリスク
当社及び関係会社が保有する固定資産の減損について、現時点では経営状況に著しい影響を及ぼすような減損が生じる可能性は、極めて低いと判断しております。しかしながら、今後の経済環境の変化等により、減損処理が必要となった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制等について
当社グループは、現時点における金融商品取引法等の法令・諸規則等にしたがって業務を遂行しておりますが、将来的に業務に関する法令・諸規則や実務慣行、解釈等の変更があった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であり、当社がコントロールしうるものではありません。
(4)法令遵守に関するリスクについて
当社グループは、法令遵守に係る問題について内部統制の整備を図り、より充実した社内管理態勢の確立と役職員の教育・研修等を通じたコンプライアンス意識の徹底に努めております。しかしながら、価格変動商品を取り扱う業務の特殊性から、そのプロセスに関与する役職員の故意又は過失により法令に違反する行為がなされる可能性があります。内部統制の整備やコンプライアンス研修は、役職員の違法行為を未然に防止するための有効な方策ではありますが、違法行為の全てを排除することを保証するものではありません。また、役職員による意図的な違法行為は、総じて周到に隠蔽行為がなされ、長期間にわたって発覚しないケースもあり、将来において業績に影響を及ぼすような損害賠償を求められる事案が生じる可能性があります。このほか、非公開情報の不適切な使用・漏洩・情報受領者と共謀等の不正行為の可能性もあります。
これらの不正行為は、会社の使用者責任及び法的責任等を問われることもあり、当社グループの世評が大きく損なわれたり、財務上の損害が生じる可能性があります。
(5)訴訟等について
当社グループは、日頃から、役職員に対し、コンプライアンスとお客さま本位の営業姿勢の重視を徹底しており、今後とも、より一層のサービス拡充に努め、お客さまとの紛争の未然防止に最大限の努力をしてまいる方針であります。しかしながら、お客さまに損失が発生した場合には、お客さまに対する説明不足あるいはお客さまとの認識の不一致などによって、当社グループが訴訟の対象となるケースも想定されます。万一、訴訟等に発展し、仮に当社グループの主張と異なる判断がなされた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)その他
① 年金債務に関するリスク
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件等に基づいて算定されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合には、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
② システムに関するリスク
当社グループ又はその業務委託先が業務上使用するコンピューターシステムや回線が、品質不良、外部からの不正アクセス、災害や停電時の諸要因によって障害を起こした場合には、障害規模によっては当社業務に支障をきたし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報資産に関するリスク
当社グループは、保有する全ての情報資産を重要な資産として位置付け、「情報セキュリティ方針」及び「情報セキュリティ規程」等の規程の整備と管理体制を構築し、セキュリティ対策に万全を尽くしております。特に、サイバー攻撃等の脅威に対しては、「コンティンジェンシープラン」を整備し、迅速な対応により被害の極小化に努めております。
また、サイバーセキュリティに関する管理体制の強化を図るため、「情報セキュリティ委員会」において組織全体で当該リスクの認識を持ち、対応マニュアルの整備や標的型攻撃に対する訓練を定期的に実施し、対応能力の向上に努めております。
しかし、万一、予期せぬ事態が発生し顧客情報や機密情報等の流出があった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
④ 人材の確保及び育成について
当社グループは、常に幅広いコンサルティングサービスを提供し、お客さまの満足度の向上を実現できる人材の確保並びに育成していくことが重要な経営課題と捉えております。この観点から、新規採用及び中途採用の両面で積極的に人材を採用し、かつ社内研修の充実度を高めていく方針です。しかしながら、必要とする人材が確保できなかった場合には、経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(以下「当期」という。)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期において、わが国経済は、緩やかな景気回復基調が継続し、9月には今回の景気拡大局面が戦後2番目の長さとなり、また、世界経済も米国の大型減税の効果への期待が追い風となって拡大基調を続けました。もっとも、期末にかけては米中間の貿易戦争懸念が急速に台頭し、景気の先行き不透明感が出て来ております。
わが国の株式市場は、上半期は上値の重い展開となりました。しかし、重石となっていた米国や欧州における不安定な政治動向や北朝鮮問題などへの懸念が後退し、総選挙での自民党の圧勝や米国の大型減税などが好感された結果、日経平均株価は1月に24,129円の高値を付けました。2月以降は、米中貿易戦争への懸念がにわかに高まったことや米国株式市場が調整局面に入ったこと、また、国内では内閣の支持率が急落するなど、国内外での懸念が噴出し、当期末の日経平均株価は21,454円となりました。
日本の10年国債利回りは概ね0%を挟んだ推移となり、0.015%で当期を終えました。外国為替市場では、ドルは概ね1ドル=108円から114円のボックス圏で推移したのち、2018年に入るとドル安円高の展開となり、3月には104円60銭台を付け、当期末は106円20銭台となりました。他方、ユーロはほぼ一本調子でユーロ高が進んだのち、当期末にかけて円がやや値を戻し1ユーロ=130円50銭台で終えております。
こうした環境の中、当社は、お客さまの多様なニーズにお応えするため、「特色ある旬の商品」の提供に努めました。また、株主資本の効率的運用の観点から、積極的な財務運営も行ってまいりました。その結果、当期の業績につきましては、営業収益82億89百万円(前期比80.2%)、純営業収益82億11百万円(同80.4%)、経常利益35億67百万円(同75.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益30億65百万円(同65.4%)となりました。
当期における収益等の内訳は次のとおりであります。
受入手数料
受入手数料は、29億22百万円(前期比134.9%)となりました。内訳は以下のようになっております。
(委託手数料)
株券委託手数料は、14億81百万円(同160.1%)を計上し、これに受益証券委託手数料等を加えた「委託手数料」は、15億26百万円(同154.2%)となりました。
(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)
「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、36百万円(同202.7%)となりました。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、受益証券の取扱いの増加により、9億79百万円(同123.0%)となりました。
(その他の受入手数料)
主に投資信託の代行手数料からなる「その他の受入手数料」は、3億80百万円(同105.2%)となりました。
トレーディング損益
株券等トレーディング損益は、39百万円の利益(前期比105.7%)、債券等トレーディング損益につきましては、タカタ株式会社が発行する社債(前連結会計年度末連結貸借対照表計上額23億6百万円)において、20億47百万円の損失が発生した結果、27億85百万円の利益(同46.8%)にとどまりました。これらにその他のトレーディング損益2億13百万円の利益(前期は0百万円の損失)を加えた「トレーディング損益」は、30億38百万円の利益(前期比50.7%)となりました。
営業投資有価証券損益
連結子会社(㈱FEインベスト)の「営業投資有価証券損益」は、0百万円の利益(前期比0.2%)となりました。
金融収支
金融収益14億69百万円(前期比121.7%)から金融費用77百万円(同59.5%)を差し引いた「金融収支」は、13億91百万円(同129.3%)となりました
その他の営業収入
「その他の営業収入」は、連結子会社における特定金外信託の収入や不動産賃貸収入を中心に、8億58百万円(前期比115.6%)となりました。
販売費・一般管理費
「販売費・一般管理費」は、51億14百万円(前期比85.7%)となりました。
営業外損益
営業外収益は、有価証券利息等合計で5億13百万円(前期比80.7%)を計上いたしました。一方、営業外費用は、支払利息等合計で43百万円(同29.7%)を計上し、営業外収益から営業外費用を差し引いた「営業外損益」は、4億70百万円の利益(同95.8%)となりました。
特別損益
特別利益は、投資有価証券売却益等合計で12億15百万円(前期比36.3%)を計上いたしました。一方、特別損失は、投資有価証券売却損等合計で3億77百万円(同169.2%)を計上し、特別利益から特別損失を差し引いた「特別損益」は、8億38百万円の利益(同26.8%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ31億27百万円減少し、当期末には92億78百万円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、6億5百万円(前期は52億80百万円の獲得)となりました。これは主に預り金の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、3億64百万円(前期は172億66百万円の獲得)となりました。これは主に投資有価証券の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、32億68百万円(前期は183億13百万円の使用)となりました。これは主に配当金の支払によるものであります。
③トレーディング業務の状況
トレーディング商品:連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。
商品有価証券等(売買目的有価証券)
|
種類 |
平成29年3月31日現在 |
平成30年3月31日現在 |
||
|
資産(百万円) |
負債(百万円) |
資産(百万円) |
負債(百万円) |
|
|
株式・ワラント |
62 |
- |
- |
- |
|
債券 |
29,273 |
- |
28,360 |
- |
|
CP及びCD |
- |
- |
- |
- |
|
受益証券等 |
854 |
- |
1,648 |
- |
|
その他 |
- |
- |
- |
- |
デリバティブ取引の契約額等及び時価
|
種類 |
平成29年3月31日現在 |
平成30年3月31日現在 |
||||||
|
契約額 (百万円) |
契約額の うち1年超 (百万円) |
時価 (百万円) |
評価損益 (百万円) |
契約額 (百万円) |
契約額の うち1年超 (百万円) |
時価 (百万円) |
評価損益 (百万円) |
|
|
為替予約取引 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
売建 |
- |
- |
- |
- |
4,303 |
- |
125 |
125 |
|
買建 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
当社グループは、資金運用が拡大・多様化する中、リスク管理は経営上の最重要課題との認識に立ち、経営の健全性確保並びに経営資源の効率的活用を目的としたリスク管理体制の構築を図っており、重要事項については、取締役会にて審議決定することとしております。商品有価証券に係る市場リスクについては、取締役会が半期ごとにポジション・リスク限度額を各トレーディング部門に配分し、各トレーディング部門は、その範囲内で運用ルールを決定のうえ管理する体制となっております。また、「商品有価証券等に係る取扱基準」を定め、発行体ごとの限度額を設定するなど信用リスクの抑制・管理を行っております。リスク管理体制としては、各部門の業務・管理グループが、時価評価を行い、日々のポジション・リスク額・損益の状況をチェックのうえ、日々、社長及び担当取締役・執行役員に報告しております。さらに、総合的な牽制機能として、リスク管理部が、適正な自己資本規制比率維持の観点から、全社的なリスクの状況を取り纏め、日々、全取締役・執行役員並びに監査役に報告するほか、毎月末の自己資本規制比率並びにその詳細を取締役会に報告しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当期末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、有価証券の評価、固定資産の減損、繰延税金資産の計上、減価償却資産の償却、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付等の会計処理については、会計関連諸法規をベースに、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる基準により見積り及び判断を行っております。会計処理については、真実性の原則は勿論のこと、特に健全性と継続性の原則に配慮しております。
②当期の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績の分析)
当社の当期における経営成績は、営業収益82億89百万円(前期比80.2%、20億51百万円減)、純営業収益82億11百万円(同80.4%、19億98百万円減)、経常利益35億67百万円(同75.3%、11億68百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益30億65百万円(同65.4%、16億23百万円減)と、平成29年3月期に比べ減収・減益となりました。これは、主として、受入手数料は増加したものの、債券トレーディングにおいて、多額の損失が発生した結果、トレーディング益が減少したこと及び連結子会社における固定資産の売却益の減少により特別利益が減少したこと等によるものであります。内訳は以下のとおりであります。
営業収益
当期の受入手数料につきましては、株券委託手数料は、14億81百万円(前期比160.1%、5億55百万円増)を計上し、これに受益証券委託手数料等を加えた委託手数料は、15億26百万円(同154.2%、5億36百万円増)、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、36百万円(同202.7%、18百万円増)となりました。募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、9億79百万円(同123.0%、1億83百万円増)、主に投資信託の代行手数料からなるその他の受入手数料は、3億80百万円(同105.2%、18百万円増)となりました。以上の結果、受入手数料は、29億22百万円(同134.9%、7億56百万円増)となりました。
トレーディング損益につきましては、株券等トレーディング損益は、39百万円の利益(前期比105.7%、2百万円増)、債券等トレーディング損益につきましては、タカタ株式会社が発行する社債(前連結会計年度末連結貸借対照表計上額23億6百万円)において、20億47百万円の損失が発生した結果、27億85百万円の利益(同46.8%、31億71百万円減)にとどまりました。これらにその他のトレーディング損益2億13百万円の利益(前期は0百万円の損失)を加えたトレーディング損益は、30億38百万円の利益(前期比50.7%、29億55百万円減)となりました。
連結子会社の営業投資有価証券損益は、0百万円の利益(前期比0.2%、2億31百万円減)となりました。
金融収益は受取債券利子の計上や為替差益の発生等により、14億69百万円(前期比121.7%、2億62百万円増)となりました。また、その他の営業収入につきましては、連結子会社における特定金外信託の収入や不動産賃貸収入を中心に、8億58百万円(同115.6%、1億15百万円増)となっております。以上の結果、当期の営業収益は、82億89百万円(同80.2%、20億51百万円減)となりました。
金融費用
当期の金融費用は支払利息の計上や為替差損が為替差益に転じたこと等により、77百万円(前期比59.5%、52百万円減)となりました。
純営業収益
営業収益から金融費用を差し引いた当期の純営業収益は、82億11百万円(前期比80.4%、19億98百万円減)となりました。
販売費・一般管理費
当期の販売費・一般管理費は、主に連結子会社の租税公課及び取引関係費等の減少により、51億14百万円(前期比85.7%、8億51百万円減)となりました。
営業利益
当期の純営業収益から販売費・一般管理費を控除した営業利益は、30億97百万円(前期比73.0%、11億47百万円減)となりました。
営業外損益
当期の営業外収益は、有価証券利息等合計で5億13百万円(前期比80.7%、1億22百万円減)、一方、営業外費用は、支払利息等合計で43百万円(同29.7%、1億2百万円減)となり、営業外収益から営業外費用を差し引いた営業外損益は、4億70百万円の利益(同95.8%、20百万円減)となりました。
経常利益
営業利益に営業外損益の利益を加算した当期の経常利益は、35億67百万円(前期比75.3%、11億68百万円減)となりました。
特別損益
当期の特別利益は、投資有価証券売却益等合計で12億15百万円(前期比36.3%、21億31百万円減)、一方、特別損失は、投資有価証券売却損等合計で3億77百万円(同169.2%、1億54百万円増)となり、特別利益から特別損失を差し引いた特別損益は、8億38百万円の利益(同26.8%、22億86百万円減)となりました。
税金等調整前当期純利益
経常利益に特別損益の利益を加算した当期の税金等調整前当期純利益は、44億5百万円(前期比56.1%、34億54百万円減)となりました。
法人税、住民税及び事業税
当期の法人税等の負担額は、12億23百万円(前期比91.5%、1億14百万円減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当期の親会社株主に帰属する当期純利益は、30億65百万円(前期比65.4%、16億23百万円減)となりました。
(経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し)
当社の連結営業収益は、証券市場に係る受入手数料及びトレーディング損益を柱としており、その大半が株式市場及び債券市場を源泉としております。株式・債券市場の好・不調による業績への影響を緩和するため、収益源の多様化を通じて収益の安定性確保に努めておりますが、それでもなお、業績が証券市場の動向に左右され、大きく変動する可能性があります。また、国内外の金融商品市場の急激な変動により、当社が保有している金融商品の評価損益が多額になる可能性もあります。
一般的に、証券市場や外国為替市場は、内外の政治・経済情勢、金利、企業収益等、様々な要因を反映して変動しますので、当社の連結経営成績についても、証券市場を通じて、それらの要因・情報からの影響を受ける度合いが高いと言えます。
したがいまして、このような環境が当社の連結経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
以上のような状況を踏まえ、当社グループといたしましては、創立以来の「信は萬事の基と為す」の基本理念のもと、①「特色ある旬の商品の提案力」と「幅広いコンサルティング機能」の強化等を通じてのFace to Faceのビジネスモデルの追求、②積極的な財務運営による収益力向上と収益多様化、③コンプライアンス及びリスク管理体制の強化、④企業の社会的責任及びガバナンスを重点課題として、それらの達成に向けて邁進する所存であります。
(連結会計年度の財政状態の分析)
当期末の資産総額は、731億13百万円、負債総額は、257億76百万円、純資産額は、473億37百万円となりました。内訳は以下のとおりとなっております。
流動資産
当期末における流動資産は、599億27百万円となり、前期末に比べ6億61百万円減少いたしました。これは主に信用取引資産が8億2百万円、預託金が7億21百万円、金銭の信託が6億42百万円増加した一方で、現金・預金が31億27百万円減少したことによるものであります。
固定資産
当期末における固定資産は、131億85百万円となり、前期末に比べ15億11百万円増加いたしました。これは主に投資有価証券が12億42百万円増加したことによるものであります。
流動負債
当期末における流動負債は、237億88百万円となり、前期末に比べ22億44百万円増加いたしました。これは主に短期借入金が14億50百万円、預り金が5億77百万円増加したことによるものであります。
固定負債
当期末における固定負債は、19億66百万円となり、前期末に比べ22億91百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が24億75百万円減少したことによるものであります。
純資産
当期末における純資産合計は、473億37百万円となり、前期末に比べ9億1百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が8億32百万円増加したことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性についての分析)
キャッシュ・フロー
当期のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
財務政策
当社グループの運転資金につきましては、内部資金または借入により資金調達することとしております。借入による資金調達に関しましては、短期借入金及び長期借入金で調達しております。
平成30年3月31日現在、長期借入金の残高は10億円であります。また、当社は運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行を含む合計10行との間で、総額50億円のシンジケート方式によるコミットメントライン契約を締結しております。この契約に基づく当期末の借入実行残高は20億円であります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載しておりますとおり、当社グループは、収益構造の多様化と経営環境の変化を的確に捉えた新しい収益分野への取組みにより、安定的・持続的成長を目指すことを経営の基本としており、今後とも業績向上に努め、変化する経営環境において、連結ROE(自己資本利益率)の水準を高めてまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。