第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間(以下第2 事業の状況において「当期」という。)において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクに重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当期末において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当期の国内外の経済は、4月に米国による相互関税発表の影響が懸念されましたが、その後は関税率の引下げや適用延期により、先行き不安が緩和しました。一方、ロシア・ウクライナ戦争の継続や中東情勢の混迷は、世界経済の先行きに不透明感をもたらしました。こうした中、日本銀行は米国の相互関税が経済に与える影響を見極めるため政策金利の据え置きを継続しました。他方、米国連邦準備制度理事会(FRB)は米国の雇用情勢の悪化やインフレ率の鈍化を受け、9月に9か月ぶりに政策金利を引き下げました。欧州中央銀行(ECB)は6月まで継続して利下げを実施していましたが、インフレの鎮静化や景気の一部持ち直しにより7月の会合では1年ぶりに政策金利の据え置きを決定しました。

株式市場では、4月に世界的に急落した株価は、その後各国間の交渉により相互関税率が引き下げられたことや適用が延期されたことを受けて早期に回復し、更に一段高となりました。日経平均株価は4月に一時30,792円まで下落しましたが、4-6月の企業業績が懸念したほど悪化しなかったことや、事業会社の旺盛な自社株買いが実施されたことなどを背景に急回復し、8月には2024年7月につけた史上最高値を更新しました。その後も、米国ハイテク企業の好決算や石破首相の辞任表明に伴う新政権による財政積極化の期待により上昇し、4万5千円の大台を突破しました。当期末の日経平均株価は44,932円となり、3月末比26.2%の上昇となりました。

米国株式市場でも、NYダウ平均株価は4月には相互関税の発表により一時36,611ドルまで下落しました。しかし、関税交渉の進展や金融・IT分野の企業業績が堅調に推移したことを受け、NYダウ平均株価は8月に2024年12月につけた史上最高値を更新し、米国雇用情勢の悪化に伴いFRBが政策金利を引き下げる見方がより一層強まったことで9月も続伸しました。当期末のNYダウ平均株価は46,397ドルとなり、3月末比10.5%の上昇となりました。

債券市場では、日本の10年国債利回りは4月に一時1.105%まで低下しましたが、外部環境の不透明感が和らいだことで上昇に転じました。また、国内の物価上昇が継続していることや7月の参議院選挙で消費税減税を公約とする野党が勝利したことにより、財政悪化懸念が生じました。その結果、当期末の10年国債利回りは1.645%となり2008年7月以来の水準まで上昇しました。米国の10年国債利回りは、4月に4%割れまで低下した後に上昇に転じましたが、9月にFRBが利下げを実施したこともあり、当期末は4.149%と3月末比0.059%の低下となりました。

外国為替市場では、相互関税の発表を受けて円高となり4月に1ドル=139.86円をつけた後、8月には1ドル=150.91円まで円安が進みました。その後、日米金利差の縮小もあり、当期末は3月末比2.06円円高の1ドル=147.87円となりました。ユーロはECBの利下げ停止もあり高値圏で推移し、当期末のユーロ円相場は1ユーロ=173.56円となり、3月末比11.34円の円安となりました。

こうした環境の中、当社は、お客さまの多様なニーズにお応えするため、「特色ある旬の商品」の提供に努めました。また、株主資本の効率的運用の観点から、積極的な財務運営も行ってまいりました。

当期の業績につきましては、営業収益43億17百万円(前年同中間期比0.5%増)、純営業収益42億56百万円(同0.1%減)、営業利益17億30百万円(同4.2%増)、経常利益21億11百万円(同14.1%増)、親会社株主に帰属する中間純利益24億51百万円(同6.6%減)となりました。

当期における収益等の内訳は以下のとおりであります。

① 受入手数料

「受入手数料」は、18億4百万円(前年同中間期比15.9%増)となりました。受入手数料の内訳は以下のとおりであります。

(委託手数料)

株券委託手数料は、7億56百万円(同24.4%増)を計上し、これに受益証券(上場投資信託)委託手数料を加えた「委託手数料」は、7億70百万円(同23.7%増)となりました。

(引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料)

「引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料」は、5百万円(同15.7%減)となりました。

 

(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)

「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、受益証券(投資信託)の販売の増加により、6億36百万円(同0.6%増)となりました。

(その他の受入手数料)

主に受益証券(投資信託)の代行手数料からなる「その他の受入手数料」は、3億92百万円(同32.6%増)となりました。

② トレーディング損益

株券等トレーディング損益は、30百万円の損失(前年同中間期は40百万円の損失)、債券等トレーディング損益は、16億7百万円の利益(前年同中間期比24.7%減)、為替のデリバティブ取引を中心としたその他のトレーディング損益は、9百万円の損失(前年同中間期は1億54百万円の損失)となりました。

この結果、「トレーディング損益」は、15億67百万円の利益(前年同中間期比19.2%減)となりました。

③ 金融収支

金融収益9億36百万円(前年同中間期比15.2%増)から金融費用61百万円(同75.1%増)を差し引いた「金融収支」は、8億75百万円(同12.5%増)となりました。

④ 販売費・一般管理費

「販売費・一般管理費」は、25億26百万円(前年同中間期比2.9%減)となりました。

⑤ 営業外損益

営業外収益は、受取配当金等合計で4億34百万円(前年同中間期比7.1%減)、営業外費用は、53百万円(同80.6%減)を計上いたしました。

この結果、「営業外損益」は、3億81百万円の利益(同100.4%増)となりました。

⑥ 特別損益

特別利益は、投資有価証券売却益で15億46百万円(前年同中間期比23.6%減)、特別損失は、投資有価証券売却損等合計で30百万円(同409.8%増)を計上いたしました。

この結果、「特別損益」は、15億16百万円の利益(同24.9%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当期における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ54億48百万円増加し、159億17百万円となりました。

当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果獲得した資金は、39億64百万円(前年同中間期は21億21百万円の使用)となりました。これは主に、預り金の増加及びトレーディング商品の減少によるものであります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果獲得した資金は、39億6百万円(前年同中間期は2億97百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却によるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、24億12百万円(前年同中間期は7億47百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払いによるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当期において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(4)対処すべき課題

当期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

該当事項はありません。

 

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当社の連結営業収益は、証券市場に係る受入手数料及びトレーディング損益を柱としており、その大半が株式市場及び債券市場を源泉としております。株式・債券市場の好・不調による業績への影響を緩和するため、収益源の多様化を通じて収益の安定性確保に努めておりますが、それでもなお、業績が証券市場の動向に左右され、大きく変動する可能性があります。また、国内外の金融商品市場の急激な変動により、当社が保有している金融商品の評価損益が多額になる可能性もあります。

一般的に、証券市場や外国為替市場は、内外の政治・経済情勢、金利、企業収益等、様々な要因を反映して変動しますので、当社の連結経営成績についても、証券市場を通じて、それらの要因・情報からの影響を受ける度合いが高いと言えます。

したがいまして、このような環境が当社の連結経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)財政状態に関する分析

① 資産

当期末における流動資産は、519億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ56億81百万円増加いたしました。これは主に、トレーディング商品が29億12百万円減少した一方で、現金・預金が57億45百万円、預託金が12億94百万円、約定見返勘定が11億50百万円増加したことによるものであります。固定資産は、298億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ24億17百万円減少いたしました。これは主に、投資有価証券が24億50百万円減少したことによるものであります。

この結果、総資産は、818億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億64百万円増加いたしました。

② 負債

当期末における流動負債は、261億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ16億7百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が5億円、約定見返勘定が4億94百万円減少した一方で、預り金が30億円増加したことによるものであります。固定負債は、29億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億28百万円増加いたしました。

この結果、負債合計は、291億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億36百万円増加いたしました。

③ 純資産

当期末における純資産は、その他有価証券評価差額金が5億90百万円、利益剰余金が5億37百万円増加いたしました。

この結果、純資産合計は、527億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億28百万円増加いたしました。

 

3【重要な契約等】

該当事項はありません。