第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、中核となる金融商品ビジネスを展開する上において、投資家の利便性を最優先とする「顧客第一主義」の基本方針のもと、個々の取引志向やリスク許容度に応じた最適な商品、サービスの提供を通じ、お客様との強固な信頼関係の構築に努めて参ります。また、経営陣・管理職・一般社員が三位一体となった「全員参加型経営」を実践し、目標とする「関西発の巨大証券の誕生」の実現に向け、グループ一丸となって取り組んで参ります。

 

(2)経営戦略等

 2018年度を最終年度とした第3次中期経営計画(2016年度~2018年度)では「次の100年」に向けた飛躍への第一歩として、市場動向に左右されない強固な収益基盤の構築及びお客様との信頼関係構築による競争力の強化を図るべく各重点施策及び数値目標を策定し、当該達成に注力して参りました。その結果、主要証券16社平均を上回るROE(自己資本利益率)と上位ランクの維持については、全ての年度において達成することができました。一方、安定収益による固定費カバー率は、同計画期間を通じて数値を伸ばしてきましたが、目標に掲げた50%には届かず、今後も継続して取り組むべき課題となりました

 

 当該計画の骨子及びその結果及び取り組み状況は以下のとおりであります。

 

1.安定収益による固定費カバー率50%以上(最終年度)

   2016年度:27.0%、2017年度:34.5%、2018年度:34.9%

2.主要証券16社平均を上回るROE(自己資本利益率)と上位ランクの維持

   2016年度 当社ROE 7.8%(18社中5位) > 主要証券17社平均ROE5.8%

   2017年度 当社ROE10.4%(17社中3位) > 主要証券16社平均ROE7.0%

   2018年度 当社ROE 8.5%(17社中1位) > 主要証券16社平均ROE1.4%

    ※主要証券16社は、ネット専業証券会社を除く主要リテール証券会社で構成しております。

3.お客様との信頼関係強化

4.M&Aやアライアンスの模索

 

 2019年度を起点とする新たな中期経営計画(2019年度~2021年度)では、前中期経営計画の結果並びに現状の課題を踏まえて、以下のとおり策定いたしました。平成から令和へと移る時代の転換点を始まりに、当社グループがさらなる飛躍を果たせるよう、役職員一同、当該計画の達成に全力で取り組んで参ります。

 

<第4次中期経営計画骨子(2019年度~2021年度)>

1.マーケット環境に応じた商品の提供

2.安定収益の拡大

3.効率化による生産性向上

4.資本効率を意識した経営

5.株主還元策

6.M&Aやアライアンスの模索

7.SDGsの継続的な取り組みと推進

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、企業価値の向上を目指す上において、自己資本に対する利益率を高めることが重要であるとの認識のもと、ROE(自己資本利益率)を経営上の重要指標と捉えています。もっとも、当社グループの業績は、経済情勢や市場環境の変動により大きく影響を受ける状況にあるため、目標の設定に関しては、ROEの絶対値ではなく、主要な証券会社16社(ネット専業証券会社を除く)の平均値を上回るROE(自己資本利益率)と、比較対象(当社含む17社)の中での上位ランクの維持を目指して参りま

 

(4)経営環境、事業上及び財務上の対処すべき課題

 長寿先進国であるわが国では、昨今、国民生活の将来への備えを目的に、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)など、個人の自助努力による資産形成をサポートする仕組みが整備されて参りました。長年の金融業界の課題である「貯蓄から資産形成へ」の資金シフトは、今や社会構造の変化による時代の要請として捉えられ、今後、その流れを加速させていくものと思われます。

 このような状況において、証券事業を中核とする当社グループは、資本市場の担い手として、お客様本位の金融サービスの提供に努めることが、我々の果たすべき責務であると認識しております。とりわけ、投資資金がグローバルに移動するマーケット環境において、国内金融商品に偏重するお客様の資産構成を見直し、海外金融商品をポートフォリオに組み込むことは、投資機会の増大並びにリスク分散の見地から、お客様の資産の保全・増大に資するものと考えております。そのため、営業部門、調査部門、商品部門が三位一体となって、環境変化や時代の潮流に乗った魅力ある金融商品の発掘に努めるとともに、良質な投資情報サービスを提供することが重要であると認識しております。

 また、当社グループが、さらなる企業価値の増大を果たすうえにおいて、マーケット環境に左右されない強固な収益基盤を構築することが重要な課題であると捉え、その実現に向け、安定収益の源泉となる投資信託及び信用取引の残高の増大に引き続き取り組んで参ります。

 さらに、政府が推進する「働き方改革」の主旨を重んじ、その取り組みに注力いたします。当社グループは、これまで証券営業員が活用するタブレット端末に、テレビ会議システムを装備(2018年10月)するとともに、各営業員に録音機能付きの携帯電話を配備(2019年3月)し、在宅による営業活動を可能とするなど、テレワークに向けたインフラを順次整えて参りました。また、内勤部門においてもRPA(Robotic Process Automation)による定型業務の自動化に取り組んでおります。今後、効率的な業務の遂行並びに生産性の向上を課題として、従業員の教育・研修に注力し、ICT(情報通信技術)やテレワーク等を積極的に活用した先進的な事業の推進に努めて参ります。

 

 2019年度を起点とする新たな中期経営計画(2019年度~2021年度)では、これらの課題を踏まえて策定しておりますが、「平成」から「令和」へと移る時代の転換点を始まりに、当社グループがさらなる飛躍を果たせるよう、役職員一同、当該計画の達成に全力で取り組んで参ります。加えて、お客様本位のサービスの向上に努めるとともに、コンプライアンスにも万全を期し、お客様と深化した信頼関係の構築に努めることにより、持続的な企業成長を目指して参ります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして以下の項目が挙げられます。なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在で認識しているものに限られており、全てが網羅されているわけではありません。

①証券市場の変動リスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、経済状況の影響を受けやすく、株式市場における株価、出来高、売買代金等の動向によっては、当社グループの収益が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②法的規制によるリスクについて

当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、金融商品取引法等の法令のほか、金融商品取引所や日本証券業協会等の自主規制機関の定める諸規制による規制を受けております。

また、金融商品取引業者は、自己資本規制比率の適正維持(120%以上)が要求されており、求められる自己資本水準が継続できなかった場合は、業務停止や金融商品取引業者の登録の取消しを当局から命ぜられる可能性があります。

 

③流動性リスクについて

当社グループの財務内容の悪化等により、資金調達が困難となるほか、高い金利での調達を余儀なくされる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④信用リスクについて

当社グループの取引先が決済を含む債務不履行に陥った場合、また、当社グループが保有する有価証券の発行体の信用状況が著しく悪化した場合には、元本の毀損や利払いの遅延等により損失を被り、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤システムリスクについて

火災、地震、停電等又はプログラム障害等により当社グループ会社が使用するシステムに障害が発生し、当社グループの情報システムが一時的に停止又は中断した場合、顧客サービスに支障をきたす等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥オペレーショナルリスクについて

当社グループの役職員による事故・不正等、又は、正確な事務処理を怠ることによって損失が発生した場合、当社グループの社会的信用が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦情報セキュリティに関するリスクについて

当社グループの情報システムについては、厳重なセキュリティを施しておりますが、第三者からの悪意によるコンピュータウイルスの感染や、不正アクセス等、当社グループ内の故意又は過失等により、お客様の個人情報や当社グループの情報が漏洩し、損害賠償責任が発生し、当社グループの社会的信用が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧災害等のリスクについて

当社グループは自然災害やシステム障害等、様々なリスクの発現を想定し、株主や投資家等の各ステークホルダーの皆様への影響を最小限に留めるべく、事業を継続かつ円滑に運営するための事業継続計画書(BCP)を整備しております。しかし、上記リスクが発現した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑨訴訟リスクについて

当社グループは、お客様本位の営業姿勢をとり、コンプライアンスを重視し、お客様との紛争の未然防止に努めておりますが、何らかの理由によりトラブルが発生した場合は、訴訟等に発展し、損害賠償責任等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。しかし、その一方で、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題等の海外経済の不確実性から、景気の先行きは、依然として不透明な状況が続きました。

 

 こうした環境のもと、国内株式市場は、期初より上昇し、5月21日の日経平均株価(終値)は、およそ3ヶ月半ぶりに23,000円台を回復しました。その後、9月上旬までは、米中貿易摩擦の動向を睨み、膠着した状態が続いたものの、9月中旬になると、米中両政府が閣僚級協議を再開する可能性が浮上したことや、円安ドル高の進行を好感して上昇し、10月2日の日経平均株価(終値)は24,270円62銭と、およそ27年ぶりの高値となりました。しかし、その後は、米国の金利上昇や中国景気の減速懸念を背景とした世界的な株安傾向から、日経平均株価(終値)も21,000円台前半まで下落しました。11月には、米国の中間選挙の結果を受けて反発する場面も見られましたが、12月に入ると、米中貿易摩擦への警戒感に加え、FRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げ姿勢を嫌気して株価は急落し、12月25日の日経平均株価(終値)は、19,155円74銭(期中の安値)となりました。その後、パウエルFRB議長が今後の利上げに慎重な姿勢を示したことや米中貿易協議の進展期待などから、株価は回復基調を辿りましたが、3月には、中国、欧州の景気悪化懸念や英国のEU離脱を巡る協議の難航から様子見姿勢が強まり、3月末の日経平均株価(終値)は21,205円81銭と前期末(21,454円30銭)を1.2%下回る水準で取引を終了しました。

 

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(当社グループの経営成績)

 当社グループの営業収益は前期比0.7%増加の212億41百万円、純営業収益は同1.4%増加の209億51百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は同0.3%減少の154億27百万円となり、経常利益は同8.4%増加の59億24百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.2%減少の41億48百万円と増収・経常増益を確保しました。

 

セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。

 

岩井コスモホールディングス株式会社

 岩井コスモホールディングス株式会社は、グループの経営戦略の策定及びその推進に取り組んでおります。営業収益は、子会社からの配当収入の増加を主因として、前期比4.8%増加の17億60百万円となりました。一方、金融費用は、借入金返済による支払利息の減少から同63.3%減少の5百万円となりました。販売費・一般管理費は、外形標準課税の増加を主として同2.2%増加の1億20百万円となりました。営業外損益は、投資有価証券の配当金の増加を主因として同35.9%増加の2億62百万円の利益となり、以上の結果、経常利益は18億97百万円と前期に比べて8.9%増加しました。

 

岩井コスモ証券株式会社

 岩井コスモ証券株式会社は、お客様の資産運用について、海外金融商品をポートフォリオに組み込むことが重要と考え、世界を牽引する米国企業の株式や利回りが魅力のトルコリラ建債券の取り扱いに注力しました。また、投資信託では、中長期の資産運用に向けて、高い成長が期待される「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」や「深セン・イノベーション株式ファンド」のほか、過去の金利上昇局面で安定したパフォーマンスを示した「野村PIMCO・世界インカム戦略ファンド」などを中心に販売、及び残高の増大に努めました。その他、顧客サービス並びに生産性の向上を目指し、営業員のタブレット端末に、お客様の資産状況や取引履歴の閲覧機能を装備(2018年5月)したほか、電子署名(同年10月)や地図上に近隣のお客様を表示するマッピング(同年12月)等の機能を順次追加するなど、対面取引のICT(情報通信技術)を活用した営業の推進に取り組みました。また、国内株式市場が低調に推移する中、投資調査部と営業部門の連携プレーにより、外国株式の取り扱いが増加しました。この結果、営業収益は前期比0.7%増加の212億8百万円、純営業収益は同1.3%増加の209億23百万円となりました。一方、販売費・一般管理費は同0.3%減少の153億47百万円となり、投資有価証券の配当金などによる営業外損益1億39百万円の利益(対前期比104.5%増加)を加えた経常利益は、前期比7.4%増加の57億15百万円となりました。

 

(当社グループの財政状態)

 当連結会計年度末の資産合計は1,788億97百万円(対前連結会計年度末比266億41百万円減少)となりました。

 流動資産は信用取引貸付金の減少などにより1,662億66百万円(同263億54百万円減少)となりました。固定資産は繰延税金資産や減価償却による固定資産の減少などにより126億30百万円(同2億86百万円減少)となりました。

 一方、負債合計は1,288億49百万円(同289億98百万円減少)となりました。

 流動負債は信用取引借入金の減少などにより1,220億9百万円(同287億38百万円減少)となりました。固定負債は長期借入金の減少などにより63億64百万円(同2億58百万円減少)となりました。

 純資産合計は500億48百万円(同23億57百万円増加)となり、自己資本比率は28.0%(前連結会計年度末は23.2%)となっております。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については、遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、63億15百万円となり前連結会計年度末と比べ6億25百万円の増加となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、信用取引負債の減少などによるキャッシュ・フローの減少があったものの、信用取引資産の減少などによるキャッシュ・フローの増加により、35億72百万円の増加(前連結会計年度は14億41百万円の増加)となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出や、定期預金の預入による支出が定期預金の払戻による収入を上回ったことなどにより、6億9百万円の減少(前連結会計年度は9億46百万円の増加)となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払や借入金の返済によるキャッシュ・フローの減少により、24億66百万円の減少(前連結会計年度は17億46百万円の減少)となりました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としています。これらの見積りについて、過去の実績や状況に応じて入手可能な情報を基に合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

イ.貸倒引当金

 当社グループは、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、急激な株式市場の下落等に伴い顧客に損失金等が発生した場合には、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。

ロ.繰延税金資産

 当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金について「税効果会計に係る会計基準」に基づき、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、当社グループの経営成績は経済情勢や市場環境の変動に大きく影響を受けるため、長期にわたる課税所得の見積りが困難であります。従って、将来の合理的な見積可能期間における課税所得の見積額を限度として、当該期間における一時差異等のスケジューリングの結果に基づき判断しておりますが、繰延税金資産の全部または一部について将来回収ができないと判断した場合には、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上する可能性があります。

ハ.資産除去債務

 当社グループは、営業店舗等の開設にあたり、不動産所有者との間で不動産賃貸借契約を締結しており、退去時における原状回復義務に関し、「資産除去債務に関する会計基準」に基づき合理的な見積りを行い資産除去債務を計上しております。しかしながら、新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の計上額が変動する可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの中核事業を担う岩井コスモ証券株式会社は、昨今の投資資金がグローバルに移動するマーケット環境において、国内金融商品に偏重するお客様の資産構成を見直し、海外金融商品をポートフォリオに組み込むことが、投資機会の増大並びにリスク分散の見地から、お客様の資産の保全・増大に資するものと考え、営業部門、調査部門、商品部門が三位一体となって、環境変化や時代の潮流に乗った魅力ある金融商品の発掘に努めました。この施策のもと、当連結会計年度においては、世界を牽引する米国企業の株式や利回りが魅力のトルコリラ建債券の取り扱いに注力しました。また、投資信託では、5G関連の「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」や「深セン・イノベーション株式ファンド」などの高い成長が期待される銘柄を中心に販売及び残高の増加を図りました。こうした取り組みは、お客様の資産構成の見直しを通じて、当社グループの収益の分散化及び他社との差別化にも寄与することとなり、当社グループの営業収益は、前期比0.7%増加の212億41百万円、純営業収益は同1.4%増加の209億51百万円と、国内株式市場が厳しい状況にある中で増収となりました。販売費・一般管理費は、証券営業員向けのタブレット端末の機能強化など、お客様サービスの向上や事業の効率化に向けて経営資源を積極的に投入しましたが、変動費の減少や継続的な固定費削減への取り組みから、同0.3%減少の154億27百万円となりました。以上の結果、経常利益は同8.4%増加の59億24百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.2%減少の41億48百万円となり、経常増益を確保することができました。なお、経営上の重要指標と位置付けるROE(自己資本利益率)は8.5%となり、比較する主要証券16社の平均値(1.4%)を上回るとともに、当社を含む17社中で最も高い数値とすることができました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、当社グループの中核事業を担う岩井コスモ証券株式会社の営業収益は、主に個人投資家をターゲットとした株式、債券、投資信託等の資産運用サービスによっており、経済情勢や市場環境の変動により大きく影響を受ける状況にあるため、経済情勢や市場環境の変動が当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの中核事業を担う岩井コスモ証券株式会社の運転資金需要のうち主なものは、信用取引の買付代金に係る顧客への貸付金であり、銀行等金融機関からの借入により必要な資金を調達しております。なお、連結会計年度末の当座貸越限度額の総額は19,500百万円でありますが、借入実行残高は4,100百万円であり十分な調達余裕額を有しております。しかしながら、運転資金需要は市場環境の変動に影響されるため、リスク管理の関係規程等に基づき資金管理部門が一元管理し、資金調達の多様化、複数の金融機関との当座貸越契約の締結、市場環境を考慮した調達によって、流動性リスクを管理しております。

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループは、企業価値の向上を目指す上において、自己資本に対する利益率を高めることが重要であるとの認識のもと、ROE(自己資本利益率)を経営上の重要指標と捉えています。もっとも、当社グループの業績は、経済情勢や市場環境の変動により大きく影響を受ける状況にあるため、目標の設定に関しては、ROEの絶対値ではなく、主要な証券会社16社(ネット専業証券会社を除く)の平均値を上回るROE(自己資本利益率)と、比較対象(当社含む17社)の中での上位ランクの維持を目指して参ります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。