当社の経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は2008年7月に制定した次に掲げる基本理念の実現へ向け業務を展開しております。
「未来の安心のために」
お客様へ 堅実な資産形成と喜びを
株主様へ 永続的な成長と喜びを
従業員へ 考え働く幸福と喜びを
社 会へ 地元愛知への貢献と喜びを
また、基本方針として次の3項目を掲げております。
経営:透明性の高い明確なコーポレート・ガバナンス(企業統治)の確立
営業:お客様を第一に考えた収益の最大化の確立
管理:業務水準の均一化による付加価値向上の確立
(2) 証券市場を取り巻く環境
① トランプ政権による全世界への関税政策および中国への追加関税に伴う貿易摩擦の悪化
② FRB・日本銀行の金融政策およびトランプ大統領の発言による為替変動リスク
③ 訪日外国人(インバウンド)需要の拡大
④ ウクライナ情勢、パレスチナ問題などの地政学リスク
⑤ 東京証券取引所の要請による企業のROE向上への取組み
⑥ 原材料価格、人件費およびエネルギーコストの上昇による企業負担増加
⑦ 少子高齢化・人口減少に伴う労働力不足
⑧ 貯蓄から資産形成に向けた取組み
・新NISA制度の普及・促進
・フィデューシャリー・デューティーの徹底
(3) 会社の経営戦略
当社は、2022年4月から2025年3月までの「中期経営計画」を終えた中、経営戦略として掲げた、
①営業基盤の拡大
②推進体制の強化
③収益構造の安定
の精緻な検証から次期「中期経営計画」を策定してまいりますが、当社の基本理念、基本方針は、引き続き丁寧に対応してまいります。
・2022年4月から2025年3月までの中期経営計画における経営戦略
①営業基盤の拡大
地域に密着した店舗展開と人員配置により、お客様との対面を中心とした対応による満足度向上に努めてまいります。また、政府が掲げる資産所得倍増プランの推進として地方自治体や商工会議所と連携しての金融リテラシー向上・資産形成支援セミナーの開催など、地域の皆さまと共に歩んでまいります。
②推進体制の強化
お客様アンケートの実施・検証により、更なるお客様の満足度向上を図るべく、モバイル端末を用いたマーケット・金融商品情報の提供による提案力の向上や、WEBを活用した口座開設および残高照会サービスなどの機能充実により、お客様の更なる利便性の向上に努めてまいります。
③収益構造の安定
社員の資質向上のため、外部コンサルタントによる研修、自主参加研修(カフェテリア研修)、Eラーニング受講システムの構築など、教育研修インフラを整備し、また、費用構造の見直し、収益構造の安定化のため、重複業務の整理、外部委託の活用を進め業務の効率化により、社員ひとりあたりの生産性向上を図ります。
(4) 会社の対処すべき課題
2024年12月末、過去最高の2,230兆円となった個人金融資産を保有するわが国において国民生活をより豊かにするとの観点から、資産運用の重要性・必要性は、2024年1月に改正された「新NISA」の開設口座数・残高に明確に表れています。
このような状況下、当社は地域密着と地域貢献を掲げお客様との対面を中心とした営業活動をビジネスの中心軸 とし、お客様とマーケットをつなぐ証券会社として、
①資金性格を鑑みた適切な助言
②的確な金融商品の提示
③適時投資情報の提供の継続
を以て貢献し、企業価値向上に努めてまいります。
一方で、わが国における「少子高齢化」の傾向は、現世代から次世代への資産移転の必要性を迫っており外部ビジネスパートナー・エキスパートとの連携による「相続・贈与・整理」といった課題の解決にも努めてまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、自社のサステナビリティ等について基本的な取組を開示しておりませんが、主に「地元社会への貢献」、「人材の育成・労働環境整備」に取組んでおります。「地元社会への貢献」については総合企画室、「人材の育成・労働環境整備」については総務人事部が主管部署として取組み、取締役会・経営会議に報告しております。
(2)戦略
①地元愛知への貢献
「地元愛知への貢献」は当社の基本理念の1つとなっております。
その実現のため、当社が実施した当事業年度における主な取組は下記のとおりです。
・名古屋証券取引所との連携として
協賛セミナー実施
IRエキスポ内で無料セミナーの実施
・地方自治体や商工会議所との連携として
金融リテラシー向上・資産形成支援のためのセミナー実施
スポーツイベントへの協賛
地元名産品を当社の販売促進ツールに活用
・地元中学校向け職場体験学習の実施
・青年会議所が実施するベビーファースト運動への参画
・ハンドボールチーム「HC名古屋」のスポンサー契約
・名古屋市の歩道橋ネーミングライツパートナー事業への参加および周辺清掃美化活動の実地
②人材の育成・労働環境整備
当社は、お客様の最善の利益の追求を重要事項と位置づけ、中長期での資産形成につながる適切な提案を行うため、人材を重要な資本と考え、社員のスキルアップ支援および労働環境の整備に努めております。
社員のスキルアップ支援として、ファイナンシャル・プランナーおよび相続診断士資格の取得の促進や外部機関による階層別研修の実施の他、自主参加研修制度の導入により、証券知識のみならず、幅広い知識の習得に向け自己研鑽をする環境を整えております。
また、労働環境の整備として、社員の安全と健康のための衛生管理委員会の定期開催やストレスチェックの実施の他、在宅勤務制度や短時間勤務制度の拡充、長時間労働の削減、有給休暇取得促進への取組により、働きやすい労働環境づくりを行っております。
(3)リスク管理
地元社会への貢献、人材の育成については、各取組に要するコスト、社員の習熟状況などを主管部署にて管理しております。
労働環境整備については、法令の遵守状況や労働時間などを総務人事部にて管理しており、定期的に衛生管理委員会、リスク管理委員会に報告しております。
(4)指標及び目標
社員一人ひとりの専門性を高めるため、全社員に対してファイナンシャル・プランナーおよび相続診断士資格の取得を促進しております。
なお、当事業年度末現在でファイナンシャル・プランナー資格取得率は76.9%、相続診断士資格取得率は69.0%であります。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に記載しております。なお、ここに記載する項目については当社が現状で認識しているものに限られており、その全てが網羅されている訳ではありません。当社では、リスク発生の可能性を認識し、発生の回避および発生した場合の影響を最小限とすべく、その対応に努めてまいります。
(1) 主要な事業の前提について
当社は、金融商品取引業者として金融商品取引法第29条に基づく金融商品取引業者の登録(登録番号 東海財務局長(金商)第20号)を受けて金融商品取引業を営んでおります。金融商品取引業については、金融商品取引法第52条第1項、同第53条第3項、同第54条にて登録の取消しとなる要件が定められており、これに該当した場合、登録の取消しが命じられます。将来何らかの事由により登録等の取消しを命じられた場合には、当社の主要な事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社では、現時点においてこれらの取消し事由に該当する事項はないと認識しております。
(2) 金融商品取引法等法令の遵守について
金融商品取引業者は、金融商品取引法等の法令・諸規則等の規制のもと、営業行為を行っております。法令違反等が発生した場合に、訴訟の提起やあっせんの申立て等を受ける、監督当局から行政処分等を受ける等によって、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、毎年度コンプライアンスプログラムを策定し、顧客管理、営業部店の管理・事務指導、情報等の管理、反社会的勢力への対応等、内部管理態勢を整備することにより、法令、諸規則違反や不適切な取引の未然防止、早期発見に取組むなど、健全かつ適切な業務運営を行っております。また、役職員の資質向上を目的とする研修(年1回)や、コンプライアンスに関する研修等の実施により、役職員の倫理観を高め、コンプライアンス意識の向上に努めております。
(3) 自己資本規制比率について
金融商品取引法および金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、金融商品取引業者の経営の健全性の確保のため、金融商品取引業者は自己資本規制比率を一定以上に維持することを義務づけられております。当該比率が120%を下回った場合、内閣総理大臣は金融商品取引業者に対して、業務方法の変更等を命じ、財産供託その他監督上必要な事項を命じることができます。また、100%を下回った場合には3ヶ月以内の期間、業務の停止を命じることができ、さらに業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ、回復の見込みがないときには金融商品取引業の登録を取り消すことができるとされています。また、金融商品取引業者は、四半期ごとに、この自己資本規制比率を記載した書面を作成し、3ヶ月間、全ての営業所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならず、これに違反した場合には罰則が科されます。
当社では、日々リスク相当額(金商業等府令第178条第1項各号に規定するものをいう。)を計測の上、内部管理統括責任者へ報告しており、日々モニタリングしております。
(注)自己資本規制比率とは、金融商品取引業者が常に健全な経営を維持するために維持することが要求されている指標です。具体的には、固定化されていない自己資本の額の、保有する有価証券の価格変動その他の理由により発生しうるリスク相当額の合計に対する比率を指します。
(4) 顧客資産の分別管理について
金融商品取引業者は、金融商品取引法および金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、経営破綻等が生じた場合に顧客資産が適切かつ円滑に返還されるよう、顧客から預託を受けた有価証券および金銭につき、自己の固有財産と分別して管理することが義務づけられております。しかし、分別管理が十分でないと判断された場合には、金融庁長官による行政処分の対象となるほか、刑事罰も科されます。
当社では、上記法令に基づいた社内規程に従い、預託を受けた有価証券および金銭を管理しております。有価証券については、各顧客の持分が直ちに判別できるように当社の帳簿等により管理しております。金銭については、顧客毎の顧客分別金の額および顧客分別金必要額(顧客毎の顧客分別金の額の合計額)を日々算定するとともに、週1日設けた計算基準日(原則金曜日)における顧客分別金必要額を、当社の顧客を元本の受益者とした合同運用指定金銭信託に預託しております。
(5) 金融商品取引業の収益変動リスクについて
国内および海外の株式・債券相場が下落または低迷した場合や為替相場の動向により、流通市場での売買高が減少し、当社の受入手数料等が減少する可能性があります。
当社では、多様な金融商品を取り扱い、相場の環境に合わせて、顧客に対して最適な提案に努めております。
(6) トレーディング業務の影響について
当社は自己勘定で株券・債券等のトレーディング業務を行っておりますが、その損益は株式・債券・為替の市況によって大きく変動するため、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、運用限度額、ロスカットルール等について取締役会で定め、またその損益およびポジション状況を毎日経営陣に報告するなど、リスク管理体制を徹底しております。
(7) 資金調達について
当社は現在、自己資金の他、金融機関からの借入によって資金調達を行っておりますが、当社の経営成績および財政状態について信用不安等が広がった場合、著しく高い金利での調達を余儀なくされる、または資金調達が不能になる可能性があります。
当社では、資金管理を日々徹底するとともに、常日頃より取引金融機関と良好な関係を築くことで不測の事態に備えております。
(8) システム関連について
当社または当社の業務委託先が業務上使用する情報システムや回線に、重大な不都合、外部からの不正アクセス、災害等による障害が発生した場合、障害規模によっては当社業務に支障をきたし、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、必要な設備投資を行うことによるハードの強化と、緊急時の業務執行体制の整備を行うことで、障害発生等のリスクの軽減を図ることを目指しております。
(9) 災害発生時について
当社は本支店が愛知県内に集中していることから、地震、風水害、テロ等の災害の発生およびその恐れがある場合は、その災害地域・規模によっては業務に支障をきたし、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、「事業継続計画(BCP)」に基づき、事業を継続し、かつ重要な業務が中断した場合に速やかに当該事業が再開できるよう体制を構築しております。
(10) 顧客情報の漏洩について
当社は秘匿性の高い個人情報を取り扱っていることから、顧客情報が流出した場合、賠償金の発生や社会的信用の失墜等により、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、顧客情報の保管に関する社内規程等を制定・整備し、その管理には万全を期しております。
(11) 事務リスクについて
当社は多額の金銭を取り扱う関係上、事務処理プロセスで発生する事務ミス、事故、または不正等により損失が発生する可能性があります。
当社では、各種マニュアルの整備や内部通報制度などのコンプライアンス体制の整備強化に努めております。
(12) 信用取引について
信用取引においては、顧客への信用供与が発生し、市場の変動によって顧客の信用リスクが顕在化する可能性があります(取引先等の債務不履行)。株式相場の変動等により、各顧客に追加で担保の差入れを求める場合がありますが、顧客が追加担保の差入れに応じない場合は、ルールに従い、建玉の処分および担保の処分を行うこととなります。株式相場が急激に変動した場合等、顧客に対する立替金を十分回収できない可能性があり、当社の経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、顧客との接触回数を増やすことで、適正な投資金額をお守りいただきながら、担保不足による回収不能という不測の事態を防ぐとともに、担当部署による日々のモニタリングによりリスクの最小化に努めております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)のわが国経済は、生鮮食品を中心とするインフレの高止まりが消費マインドを下押しする一方、6月から行われた所得減税や、企業の前向きな賃上げなどが個人消費を下支えしました。また、インバウンドがコロナ前の2019年を上回り過去最高となったことで、宿泊・観光業界などに恩恵が広がりました。
海外経済においては、雇用や個人消費の底堅さを背景に米国経済が堅調を維持しました。一方、ユーロ圏は一時の低迷からは脱却したものの、低空飛行を継続しました。またアジアにおいては、減速気味だったインドが回復を見せたほか、中国経済は消費財の買い替え促進策や輸出の回復(「トランプ関税」前の駆け込み需要の可能性)などを背景に、持ち直す展開となりました。
国内株式市場では、4月に40,600円台で始まった日経平均株価が、円安を背景に7月には42,400円台まで上昇しました。しかし8月には、日銀のサプライズ利上げや円高を受けて、一時31,100円台まで急落、その後は米株上昇に支えられて持ち直し、年内は39,000円前後で一進一退となりました。2025年になると、「トランプ関税」への警戒からリスクオフの流れが強まり、日経平均株価は35,600円台まで下落して3月の取引を終えました。なお、2024年4月から2025年3月の東証プライム市場の1日当たり平均売買代金は5兆631億円(前年同期の1日当たり平均売買代金は4兆3,804億円)となっています。
米国株式市場では、4月に39,800ドル台で始まったダウ平均株価が、良好な景気や長期金利の低下等を背景に概ね上昇基調を維持しました。夏場に40,000ドル台を固めたダウ平均株価は、9月の米利下げ開始や11月5日のトランプ氏の大統領再選を機にさらに上昇、12月初めには45,000ドル台の過去最高値を付けました。しかしその後は「トランプ関税」を巡る不透明感から乱高下する展開となり、最終的には42,000ドル台で3月の取引を終えました。
このような状況の下、当社では地域に密着した対面による営業をビジネスの柱とし、お客様のニーズに合わせた提案営業を推進するため、国内外の株式、投資信託および外国債券など、商品ラインナップの拡充を図っております。また、お客様の堅実な資産形成を実現していただくため、投資信託の積立キャンペーンを行うなど、お客様本位の業務運営を行っております。
この結果、当事業年度の財政状態および経営成績は、以下のとおりとなりました。
1)財政状態
当事業年度末の総資産は、2024年3月末(以下、前事業年度末)に比べ14億9百万円減少し99億17百万円、負債は、前事業年度末に比べ11億70百万円減少し23億23百万円、純資産は、前事業年度末に比べ2億38百万円減少し75億93百万円となりました。
2)経営成績
当事業年度の業績は、営業収益30億82百万円(前期比5.5%減)、純営業収益30億77百万円(同5.6%減)、営業利益4億41百万円(同33.5%減)、経常利益5億99百万円(同22.0%減)、当期純利益3億92百万円(同24.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当事業年度末の残高は、前事業年度末に比べ8億50百万円減少し28億75百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、35百万円の支出(前期は16億28百万円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローは、4億95百万円の支出(前期は5億26百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは、3億19百万円の支出(前期は1億19百万円の支出)となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(ⅰ)資産
当事業年度末の総資産は、2024年3月末(以下、前事業年度末)に比べ14億9百万円減少し99億17百万円となりました。主に変動した項目としては、「現金及び預金」の10億87百万円減少、「約定見返勘定」の5億9百万円減少、「預託金」の3億円減少、「投資有価証券」の3億74百万円増加であります。
(ⅱ)負債
負債は、前事業年度末に比べ11億70百万円減少し23億23百万円となりました。これは主に、「預り金」が5億45百万円減少、「未払法人税等」が2億21百万円減少、「受入保証金」が1億62百万円減少、「信用取引負債」が1億30百万円減少したことによるものです。
(ⅲ)純資産
純資産は、前事業年度末に比べ2億38百万円減少し75億93百万円となりました。これは、「当期純利益」により3億92百万円増加、「剰余金の配当」により3億19百万円減少、「その他有価証券評価差額金」の変動により3億11百万円減少したことによるものです。
2)経営成績
(ⅰ)受入手数料
当事業年度の受入手数料は、22億48百万円(前期比2.9%減)となりました。その内訳は以下のとおりであります。
(委託手数料)
「委託手数料」は、12億63百万円(同21.4%減)となりました。これは主に、株式の委託手数料が12億35百万円(同21.9%減)になったことによるものです。
(募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料)
「募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料」は、7億6百万円(同32.7%増)となりました。これは主に、投資信託の販売手数料の増加によるものです。
(その他の受入手数料)
「その他の受入手数料」は、2億78百万円(同59.7%増)となりました。これは主に、投資信託の信託報酬の増加によるものです。
(ⅱ)トレーディング損益
「トレーディング損益」は、7億14百万円(同18.9%減)となりました。これは、株券等トレーディング損益・債券等トレーディング損益がともに減少したことによるものです。
(ⅲ)金融収支
金融収支は、1億13百万円の利益(同83.0%増)となりました。これは、「金融収益」が1億18百万円(同79.7%増)、「金融費用」が4百万円(同25.6%増)となったことによるものです。
(ⅳ)販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、26億35百万円(同1.6%増)となりました。これは主に、「事務費」が32百万円増加し5億23百万円(同6.6%増)、「取引関係費」が28百万円増加し3億24百万円(同9.5%増)、「人件費」が24百万円減少し14億14百万円(同1.7%減)となったことによるものです。
(ⅴ)営業外損益
営業外損益は、1億58百万円の利益となりました。これは主に、保有していた投資信託を売却したことによる「投資有価証券売却益」によるものです。
(ⅵ)特別損益
特別損益は、3百万円の利益となりました。これは主に、保有していた非上場株式を売却したことによる「投資有価証券売却益」によるものです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
1)キャッシュ・フローの状況の分析
現金及び現金同等物の当事業年度末の残高は、前事業年度末に比べ8億50百万円減少し28億75百万円となりました。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、35百万円の支出(前期は16億28百万円の収入)となりました。これは主に、「預り金及び受入保証金の増減額」が△7億7百万円、「法人税等の支払額又は還付額」が△4億18百万円、「税引前当期純利益」が6億3百万円、「約定見返勘定の増減額」が5億9百万円であったことによるものです。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、4億95百万円の支出(前期は5億26百万円の支出)となりました。これは主に、「投資有価証券の取得による支出」が24億72百万円、「投資有価証券の売却による収入」が17億95百万円であったことによるものです。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、3億19百万円の支出(前期は1億19百万円の支出)となりました。これは、「配当金の支払額」が3億19百万円であったことによるものです。
2)資本の財源及び資金の流動性について
当事業年度末の現金及び現金同等物の残高は28億75百万円となっており、日常の運転資金としては十分な額を有しております。また、不測の事態に備えるため、当社は取引金融機関6社と当座貸越契約または貸出コミットメント契約を締結しております。
なお、現在重要な資金の支出の予定はございません。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたりまして、投資有価証券の評価、金融債権にかかる貸倒引当金、繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損処理などの資産・負債および収益・費用の状況に影響を与える見積りおよび判断については、過去の実績やその時点において入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる要因を考慮した上で行っております。多くの不確実な要素が存在する状況において、もっとも適切と考えられる前提条件、情報を通じて実施しておりますが、前提となる客観的な事実や事業環境の変化などにより、見積りと将来の実績が異なる場合があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
④経営指標の達成状況
当社は2022年9月に策定しました中期経営計画において、2025年3月末までに預り資産2,400億円、月間投資信託積立金額1億50百万円を目標としておりました。当事業年度末の預り資産は2,490億円、月間投資信託積立金額は1億62百万円となりました。
該当事項はありません。
該当事項はありません。