第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2022年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「個人投資家にとって価値のある金融商品・サービスの提供を通じて、お客様の豊かな人生をサポートすること」を企業理念として掲げております。企業理念を実現するうえでは、優位性のある顧客体験価値を提供することが何より重要だと考えており、お客様の投資や資産形成をサポートするべく、個人投資家の様々なニーズを満たすための金融商品・サービスを提供することに努めます。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、経営資源を有効活用することで、利益の最大化・株主価値の極大化を図ることを経営目標として掲げており、目標とする経営指標としては、資本の効率性(経営資源の有効活用度)を示すROE(自己資本当期純利益率)が最適と考えております。また、当社は、ROEを持続的な株主価値の創造に関わる重要な指標と位置付けており、中長期的に株主資本コスト(現状8%)を上回るROEを達成することを経営目標としております。

当事業年度のROEは14.5%となり、投資有価証券売却益や固定資産売却益を計上したこと等を背景に、前事業年度の12.9%から上昇しました。これは上記の目標値を達成しており、今後も中長期的な資本効率の向上に努めます。

 

(3) 経営環境

当社は、経営資源をオンラインベースの事業に集中し、事業のDX化を推進することで効率的なオペレーション体制を維持しております。また、①オンライン証券会社のパイオニアとしてのブランド・知名度及びそれに基づく信頼性、②お得感のある分かりやすい手数料体系、③シンプルで使い勝手を追求した取引ツール、④店舗を有しないオペレーションの特殊性を踏まえて構築された充実のサポート体制を背景として、顧客からの安定した支持を受けていると考えております。コロナ禍において、オンライン中心のコミュニケーションが広がっており、オンラインベースの事業については、そのオペレーションの効率性のみならず、事業としての優位性は高まっていると認識しております。この傾向は加速化されるものと考え、オンラインベースのビジネスモデルに集中する方針を堅持し、そのサービスを磨いていく方針です。

株式のオンライン取引サービスは、1998年に当社が国内で初めて開始しました。それ以降、個人の株式等委託売買代金に占めるオンライン証券会社顧客の比率は年々上昇を続け、現在では9割を超えております。一方、個人の株式保有額に占めるオンライン証券会社顧客の割合は、未だ3割程度に留まっておりますが、その比率は年々拡大しております。対面型の証券会社からオンライン証券会社への株式資産の流入は継続しており、今後も、オンライン証券会社を通じた個人株式等委託売買代金の拡大余地があるものと考えます。

オンライン証券業界においては、個人の株式等委託売買代金は当社を含む主要6社(当社、SBI証券、楽天証券、auカブコム証券、マネックス証券、GMOクリック証券)による寡占状態が続いており、個人の株式等委託売買代金における各社のシェアは、取引手数料の水準に応じて固定化されつつあります。業界における取引手数料は、最低水準にまで低下しているため、この数年、顧客の争奪に係る取引手数料の引き下げ競争は落ちついておりました。しかし、米国のオンライン証券業界において、大手各社が株式委託手数料の無料化を相次いで発表したことを受けて、日本のオンライン証券業界においても、株式委託手数料の一部無料化や、既に無料としている取引の対象拡大、若年層向けの手数料の無料化などの動きが広がりました。ただし、米国のオンライン証券会社とは事業環境や収益構造が大きく異なることから、日本では、収益への影響が小さい部分的な手数料の引き下げに留まっており、主要各社の市場シェアへの影響も限定的です。

このような動きを受けて、競合各社においては、収益構造の見直しを掲げており、FX(外国為替証拠金取引)、投資信託、ホールセール事業、資産運用業、暗号資産関連事業等への事業拡大に注力するとともに、預かり資産からの収益拡大に向けたサービスの強化、株式委託手数料の収益に対する依存度を低下させるべく、これまで以上の収益源の多様化が進められるものと考えられます。

業界における新たな潮流としては、近年、異業種やフィンテックベンチャーによる新規参入が相次いでおります。現在のオンライン証券会社のビジネスモデルは、口座数ベースでは幅広い顧客基盤を有しているように見えるものの、取引頻度が高い一部の顧客に収益の大半を依存している状況にあります。新規参入の動きは、顧客一人ひとりの資産規模は小さいながらも、数多くの顧客にアプローチすることで収益をあげるという、ロングテールのビジネスモデルを目指すものです。こうした新たなビジネスモデルへの挑戦は、新規参入業者に限らず、当社のような既存証券会社も含めた業界全体として取り組まれている共通の課題となっています。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

(a)株式ブローキング事業の強化

当社は、オンラインベースの株式ブローキング事業を主たる事業として注力しております。オンライン証券業界における個人の株式等委託売買代金シェアを維持・拡大するため、今後も顧客満足度の向上に資する付加価値の高い商品・サービスの開発・提供に取り組み、顧客基盤の強化を図ります。

当事業年度においては、スマートフォン向け新サイトの提供を開始したほか、「松井証券 株アプリ」の改善に継続的に取り組み、取引の利便性向上に努めました。また、個人投資家に人気の米国株サービスの取り扱いを開始しました。商品を拡充し、新たな顧客層の獲得に取り組むとともに、新たな収益の柱として継続的に事業の強化に取り組みます。その他、個人投資家に人気のあるIPO銘柄においては、ベンチャーキャピタルとの連携を強化して引受件数の向上に努めた結果、前事業年度の2.5倍の銘柄を取り扱い、引受参入率も40%を超えました。

 

(b)その他事業の拡充

当社の主たる収益源である株式ブローキング事業は、取引頻度が高い一部の顧客に依存しており、その結果、株式市況と業績との連動性が高い状況にあります。長期的な事業環境の変化に対応するためには、業容の広がりが不可欠となっており、事業構造の見直しを積極的に進める方針です。具体的には、FX事業、投資信託事業を強化し、収益の多様化を図ってまいります。また、当社にはない技術やノウハウを必要とする事業については、外部企業との提携を積極的に進める方針です。

FX事業では、「初めての方でも少額から簡単に始められる“あんしんFX”」をコンセプトとしたブランド「松井証券MATSUI FX」のプロモーション強化に取り組みました。全取引通貨ペアで業界最狭水準のスプレッドや最低取引単位を1通貨単位とするなど、競争力のあるサービスを提供した結果、前事業年度比で2倍の取引規模に拡大しました。今後も、継続的に事業の強化を図ります。

投資信託事業では、継続的にサービスの拡充及び預かり資産残高の拡大に取り組んでおります。当事業年度においては、プロモーションを継続的に展開するほか、取扱銘柄の拡充や、信託報酬の一部をお客様に還元するサービスをリニューアルし「投信毎月ポイント・現金還元サービス」を開始しました。投資信託事業への取り組みは、将来的なアセットサービス拡大に向けた布石と考えており、上記の取り組みの結果、預かり資産残高が前事業年度比2倍の規模に拡大しました。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)及び(4)に記載の、経営方針及び中長期経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

(a)認知度の向上

当社のコアとなる顧客層は50歳以上の個人投資家であり、口座数全体の半数、顧客の預かり資産残高全体の8割近くを占めております。このような状況は、オンライン証券業界のみならず、個人向けの金融サービスを提供する業界全体に共通する傾向と考えております。一方、当社における新規口座開設者の内訳をみると、30代以下の顧客が全体の4割超を占めております。長期的な顧客層の維持・拡大のためには、現在の若年層における認知度の向上は重要な課題であり、継続的に当社のブランド・知名度の向上に取り組んでまいります。

当事業年度においては、テレビCMの配信や東京ドームのベンチ内に社名広告を掲出するなど、認知度向上に向けた取り組みを強化しました。また、引き続き、就職、転職、結婚、出産、育児、定年といったライフイベントを迎える顧客層に向け、プロモーションを強化しました。『不安はぜんぶ、松井にぶつけろ』をコンセプトとした「ライフと松井」特設サイトのコンテンツを拡充したほか、広告動画の配信、SNSを活用したキャンペーン等を実施しました。新たな取り組みとして、当社と関係の強いお笑い芸人のラジオ番組とタイアップした広告企画や、2021年2月にリニューアルしたFX事業において“あんしんFX”をコンセプトとしたテレビCMを配信し、プロモーション強化に取り組みました。

 

(b)商品・サービスのラインアップ拡充

対面型の証券会社に預けられている個人投資家の金融資産は継続的にオンライン証券業界に流入し、個人株式保有額に占めるオンライン証券会社顧客の割合は年々拡大しております。証券ビジネスにおけるオンラインの優位性はますます高まっておりますが、異業種などによる新規参入もあり、競争環境が厳しくなっています。そのような中で顧客に選ばれるために、個人投資家の様々なニーズを満たす商品・サービスの拡充に取り組んでまいります。

当事業年度においては、「松井証券 米国株サービス」を開始いたしました。業界最安水準の手数料を実現し、シンプルで分かりやすいと好評の日本株の取引サイトに仕様を合わせることで、米国株を初めて取引する方でも分かりやすく、安心して取引できるサービスを実現しました。

 

(c)サービスクオリティの向上

オンライン証券各社が提供する金融商品には大きな差がないため、より利便性が高い取引ツールやサービスにより、お客様にとって価値の高い証券会社と感じられる取り組みが重要だと考えております。

当事業年度においては、スマートフォン向け新サイトの提供を開始するとともに、口座開設における「eKYC」を導入しました。これまでパソコン向けサイトで提供していた取引や各種手続きを、スマートフォン向けサイトから利用可能とすることで、口座開設から取引までをスマートフォンで完結できるようになりました。

また、2021年3月にリニューアルした「松井証券 株アプリ」の継続的な機能拡充や株式取引における注文機能の強化など利便性向上に努めました。

 

(d)顧客とのコミュニケーションの充実

お客様が、金融商品へ投資する手助けとなる様々な情報を提供し、顧客とのコミュニケーションを充実することが、顧客体験価値の向上につながると考えています。

当事業年度においては、投資情報メディア「マネーサテライト」において、これから投資を始める初心者から上級者まで、資産運用をサポートする投資情報の提供を強化しました。また、お客様一人ひとりのご希望や投資スタンスに寄り添い、銘柄探しや取引タイミング等の意思決定をサポートする「株の取引相談窓口」のキャパシティを2倍に強化し、より多くの相談に対応できる体制を構築しました。

 

(e)取引システムの安定性の確保及びセキュリティの強化

取引システムの安定性の確保は、オンライン証券会社の生命線です。顧客が安心して取引することができるよう、システム障害やサイバー攻撃、自然災害といった想定されるリスクへの対策を講じるとともに、取引量の増加に備えたキャパシティを確保し、取引システムの安定的な稼働に努めます。

当事業年度においては、セキュリティ強化を目的として、取引口座にログインしたことをメールで通知する機能や出金手続き時におけるSMS認証を導入しました。

 

(f)金融機関としての信頼性向上に資する社内体制の充実

当社は、金融機関としての信頼性の維持・向上に資するコンプライアンス体制について、より一層の強化に努めます。また、商品・サービスの拡充に伴う業容拡大に対応するため、店舗を有しないオペレーションの特殊性を踏まえ、コールセンターを通じた顧客サポート体制についても更なる充実を図ります。

当事業年度においては、新たに参入した米国株において24時まで利用可能な無料の電話相談窓口「米国株サポート」を開設し、安心して取引いただける顧客サポート体制を整備しました。なお、当社のコールセンターは、第三者評価機関であるHDI-Japan(ヘルプデスク協会)が主催する「2021年度問合せ窓口格付け(証券業界)」において、最高評価の「三つ星」を11年連続で獲得しております。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2022年3月31日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 株式ブローキング事業への依存度が高いことについて

当社は、経営資源をオンラインベースのブローキング事業に集中する戦略をとっており、個人投資家向けの株式ブローキング事業が収益の大半を占めております。当社の主要な収益源は、株式等委託手数料収入及び信用取引顧客への資金や有価証券の貸付け等から得られる金利及び貸株料収入等であり、当事業年度の営業収益全体の約9割を占めています。今後、株式市況の低迷等により個人投資家の株式等委託売買代金や信用取引残高が減少する場合や、競争環境の変化によって、当社の株式等委託売買代金及び信用取引残高が減少する場合、あるいは、競争上、手数料や金利・貸株料水準を引き下げることになった場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社は、株式ブローキング事業を強化すると共に、投資信託事業やFX事業をはじめとするオンラインベースでの商品・サービスを強化し、収益の多様化を積極的に進める方針ですが、対象分野における市場動向や他社との競争環境の変化により、必ずしも見込み通りに業容の拡大が進む保証はありません。

 

(2) 他の金融機関との競争について

当社は、個人投資家向けの株式ブローキング事業を主たる事業としておりますが、同事業を行う競合他社には、当社に比べ、資金力、技術力、マーケティング力、サービス面、知名度、顧客基盤等において強みを持つ者が存在し、厳しい競争に晒されています。中でも、顧客獲得のため、より低価格の委託手数料を提示するオンライン証券会社が多数存在しております。また、米国のオンライン証券業界において、大手各社が株式委託手数料の全面無料化に踏み切ったことを受けて、日本のオンライン証券各社において、株式委託手数料の一部を無料とする動きや、既に無料としている取引の対象を拡大する動き等が広がりました。その他、近年は、異業種やフィンテックベンチャーによる新規参入が相次ぎ、競争環境はこれまで以上に厳しくなることも想定されます。今後、他の金融機関との競争がさらに激化した場合には、当社の既存顧客の他社への流出、新規顧客獲得数の減少、顧客獲得に要する広告宣伝費の増加により、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 信用取引等に関するリスクについて

①信用取引が自己資本規制比率に及ぼす影響について

金融商品取引業者には、金融商品取引法、金融商品取引業等に関する内閣府令及び金融商品取引業者の市場リスク相当額、取引先リスク相当額及び基礎的リスク相当額の算出の基準等を定める金融庁告示(以下「金融庁告示」といいます。)に基づき、一定の自己資本規制比率の維持が求められています。自己資本規制比率とは、固定化されていない自己資本額の、保有する有価証券の価格の変動その他の理由により発生し得るリスク相当額に対する比率をいいます(金融商品取引法第46条の6)。
 金融商品取引業者は自己資本規制比率が120%を下回ることのないようにしなければなりませんが(同法同条第2項)、当社の自己資本規制比率は、2022年3月末現在、十分な水準を維持しております。
 金融庁告示により信用取引資産の2%が取引先リスク相当額とされており、信用取引残高の増大は、当社の取引先リスクを増大させることから、自己資本規制比率を引き下げる要因となります。今後、当社の信用取引残高が増加し続けた場合、自己資本規制比率を維持するためには、自己資本等の調達が必要となります。その際、当社が十分な自己資本等の調達が行えなかった場合、当社は顧客への信用供与を制限せざるを得なくなります。その場合には、当社の株式等委託手数料収入・金利収入において機会損失が発生する可能性があります。また、規制内容が改正され、取引先リスク等の算定方法が変更された場合、自己資本規制比率を引き下げる要因となり得ます。
 

 

②顧客の信用リスクについて

当社が収益の柱としている信用取引においては、顧客への信用供与が発生するため、市況の変動によっては顧客の信用リスクが顕在化する可能性があります。すなわち、顧客が信用取引等で損失を被った場合、または担保となっている代用有価証券の価値が下落した場合、顧客が預託する担保価値が十分なものでなくなり、顧客への信用取引貸付金を十分に回収できない可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 なお、株価指数先物取引、日経平均株価指数オプション取引(売建)及びFX(外国為替証拠金取引)においても、類似のリスクがあります。

 

③資金調達に係るリスクについて

当社は、信用取引貸付金の原資として、制度信用取引については、自己調達資金に加え証券金融会社からの借入を利用しておりますが、市況の変動により、証券金融会社に差入れた有価証券等の担保価値が低下した場合、追加の担保の差入れを求められることがあり、そのための借入等は当社が独自に行う必要があります。また、一般信用取引については、通常制度信用取引に比して証券金融会社からの資金の借入に制約があるため、現在は主に金融機関からの借入等により賄っておりますが、金融市場の動向、当社の経営状況あるいは当社の格付けの低下等によっては、適切な資金調達が行えない可能性があります。今後、調達費用の水準によっては当社の金融収支が悪化する可能性、あるいは必要資金の手当てができない場合、一般信用取引の利用を制限する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、手数料収入・金利収入において機会損失が発生する可能性があります。
 また、金融機関からの借入金の返済等に際して、金融市場の動向、当社の経営状況あるいは当社の格付けの低下等によっては、借り換えあるいは新規の借入や社債の発行等による資金調達が適切な条件で行えない可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) システムリスクについて

顧客の取引に関する情報を、瞬時かつ大量に処理するオンライン株式委託売買業務にあっては、システムの安定稼動は重要な要素であり、システムに何らかの障害またはサイバー攻撃による被害等が発生し、機能不全に陥った場合には、当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

これらのシステム障害は、ハードウエア、ソフトウエアの不具合及び人為的ミスによるものの他、アクセス数の突発的な増加、通信回線の障害、コンピュータウィルス、コンピュータ犯罪、災害等によっても生じ得るものであります。当社が利用しているシステムは、アクセス数の増加を見込んだ上で設計されている他、システムの二重化等想定される様々なリスクへの対策を講じておりますが、想定を大幅に上回る注文が集中した場合や、その他の要因によりシステムに被害または停止等の影響が生じる場合には、顧客からの注文を適切に処理することができなくなる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社は、サイバー攻撃に対するシステムの防御に努めておりますが、それが十分または適切でなく、サイバー攻撃による被害が発生する場合には、システムの機能不全や顧客情報の漏洩等が発生する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

システム障害やサイバー攻撃が発生した場合、あるいはシステム障害やサイバー攻撃の発生時に当社が適切に対応できなかった場合には、当社が、監督官庁による処分を受ける可能性または損害賠償請求を含む何らかの責任を問われる可能性がある他、当社のシステム及びサポート体制に対する信頼が低下し、顧客離れが生じる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

誤操作・誤処理等の人為的な要因による予期せざるシステム処理あるいは事務処理が発生あるいはそれらを適切に制御できない場合、システムの機能不全あるいはその処理に伴う損失が発生し、当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社は、外部委託先を含む関係者のシステムへの接続について、それぞれの業務に応じて権限を付与するとともに、利用状況をモニタリングしておりますが、それが十分または適切でなく、システムの不正利用等を防げなかった場合には、当社のシステムに対する信頼が低下し、顧客離れが生じる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 引受業務について

当社は、新規公開株式等の引受業務を行っておりますが、有価証券の引受けを行う際、当社に引受責任が生じるため、引受リスクが発生します。当社は、公募・売出残株が生じないよう慎重に引受金額等の決定を行っておりますが、当社が引き受けた有価証券を販売することができない場合、公募・売出残株の株価動向によっては、当社は損失を被る可能性があります。また、引受業務を行った企業に何らかの不祥事が発生した場合、当社に対する信頼が低下し、顧客離れが生じる可能性がある他、顧客より損害賠償請求等の責任を問われる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 個人情報等の取扱いについて

顧客の個人情報及び個人番号の不正取得や改変等の被害を防止することは、当社が事業を行う上で重要であります。当社は個人情報等が不正に使用されないよう十分なセキュリティ対策や、社内の管理及び業務委託先に対する監督を行っておりますが、今後、個人情報等の漏洩等があった場合、損害賠償の請求や、監督官庁による処分を受ける可能性がある他、当社の信用が著しく低下する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、他の証券会社や電子商取引を行う企業のセキュリティや情報管理に対する信頼の低下が、インターネット、さらには、当社のシステムの信頼性の低下につながる可能性もあります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 外部事業者との契約について

当社は、様々な業務に関して、多くの外部事業者と契約を結んだ上で業務を委託しております。特に、当社の株式取引システムの運用・開発、ならびに、法定帳簿の作成及びデータ処理等バックオフィス関連業務を委託しているSCSK株式会社は、当社の重要な業務委託先であります。顧客に提供している自動更新型のトレーディングツールの運用、開発についても複数の外部事業者に委託しております。札幌センターにおける顧客問合せ対応業務については、トランスコスモス株式会社から労働者派遣を受けて運営しております。また、当社が顧客へ提供する企業情報・市況情報・株価情報は、株式会社QUICKをはじめとする情報提供業者からサービスの提供を受けております。

これらの外部事業者が、何らかの理由で当社へのサービスの提供を中断または停止する事態が生じ、当社が速やかに代替策を講じることができない場合、当社の業務に支障をきたす可能性があります。特に、SCSK株式会社との契約関係が維持できなくなった場合、または、同社のソフトウエア開発能力の低下等により、当社のシステムに問題が生じまたはそれが陳腐化し、顧客の信用を維持することができなくなった場合、当社あるいは第三者が新たに代替システムを構築する必要性が生じます。その際、速やかに適切な代替手段を講じることができない場合、当社は顧客へのサービスの提供を停止する可能性があり、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、外部事業者との契約の改定等により、外部事業者に支払う費用の増額を求められる可能性があり、その場合には同様に、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、外部事業者において法令・規則等に対する違反等があった場合、委託元である当社が監督官庁による処分を受ける可能性がある他、当社の信用が著しく低下する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(8) FX(外国為替証拠金取引)及び米国株取引について

当社は、顧客に対するFX(外国為替証拠金取引)サービスの提供とそれに伴う利益獲得を目的として、顧客との間で外国為替証拠金取引を行う一方、その為替変動リスクを制御するために、カウンターパーティーと外国為替証拠金取引を行っております。顧客との取引で発生したポジションにつき、カバー取引を行わない範囲については、ポジションを保有するリスクが発生するため、為替変動リスクに晒されておりますが、原則として、各営業日の取引終了時点における顧客のポジションについては、すべてカバーすることとしています。

当社は、外国為替証拠金取引に係るトレーディングに関して、リスク限度額を社内規程で定めるほか、社内規程等に基づき、原則として事前に設定されたアルゴリズムに基づくカバー取引・マリー取引・その他のディーリングを行うことで為替変動リスクの制御に努めております。

しかしながら、こうした当社の方針にも関わらず、予期せぬ為替相場の変動により、アルゴリズムにおける想定を超える為替損失が発生した場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

なお、カバー先に差し入れている保証金は当社の自己資金で充当しているため、当社はカバー先の信用リスクを負っております(顧客の証拠金は、自己の資金とは完全に区分して、信託銀行に預託しています)。今後の経済情勢等の変化により、カバー先の信用リスクが顕在化した場合には当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、米国株取引においても取次先に保証金を差し入れており、その保証金は当社の自己資金で充当しているため、当社は取次先の信用リスクを負っております(顧客の預り金は、自己の資金と完全に区分して、信託銀行に預託しています)。このため、上記の外国為替証拠金取引に関してカバー先へ差し入れている保証金と同様のリスクがあります。

 

(9) 法令・規則等の改定による新たな規制の導入について

金融商品取引法、金融サービスの提供に関する法律、犯罪による収益の移転防止に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、個人情報の保護に関する法律、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、その他の法令・規則等の改定等により、当社が行っている業務に対し、新たな規制が導入された場合には、関係業務の収益性が低下する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 法令・規則等の遵守について

当社は、金融商品取引法、金融サービスの提供に関する法律、その他の法令・規則等に服しており、コンプライアンス体制の強化に努めておりますが、今後、法令・規則等に対する違反等があった場合、監督官庁による処分を受ける可能性がある他、当社の信用が著しく低下する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社は、法令・規則等を遵守するよう、役職員等に対するコンプライアンスの徹底を図っておりますが、その対策が有効に機能せず、役職員等による不正や内部者取引等の金融商品取引法その他の法令・規則等に対する違反等があった場合、当社の信用の低下につながる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 自然災害等について

当社は、自然災害、火災、感染症の流行等によって通常の事業運営が困難となった場合に備え、事業継続計画を策定し、関連マニュアルの整備、定期的な訓練等を実施しておりますが、地震等の自然災害、火災、長期間の停電、感染症の流行、国際紛争、テロ攻撃等が発生した場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社は本社オフィス等の主要な事業所を首都圏に置いていることから、首都圏において自然災害等が発生した場合には、サービスの提供を停止する等の影響が生じる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) その他

当事業年度末現在において、重要な訴訟等は発生しておりません。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。また、当社はオンライン証券取引サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2022年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況及び分析

当事業年度の国内株式市場は、期首に29,400円台で取引を開始した日経平均株価が、4月に30,000円台を回復した後、5月に入ると、米長期金利の上昇に伴う世界的なハイテク株安や、量的金融緩和の縮小(テーパリング)議論の早期化が懸念されたことを受けて大きく値を下げました。その後も、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大や国内の緊急事態宣言の発令で経済正常化の遅れが嫌気されるなど軟調な相場となり、8月には一時27,000円を割り込みました。9月は菅首相退陣の意向が報道され、新総裁候補が打ち出す経済政策に対する期待感から株価は大きく上昇し、再び30,000円台を回復しましたが、中国の不動産大手企業による債務不履行懸念や、米国の債務上限問題、原油高に伴うインフレ懸念等を背景に、10月に株価は27,500円台まで下落しました。年末にかけては米株価指数の上昇や日本政府による経済政策への期待感等を受けて持ち直す一方、新型コロナの変異型オミクロン株の感染拡大懸念や、岸田首相による金融所得課税への言及などから上値が重い展開となりました。1月以降は、米国のインフレ懸念の高まりやウクライナ情勢を巡る先行き不透明感を背景に株価は下落し、3月上旬には1年4カ月ぶりに25,000円を割り込みました。その後は円安ドル高の進行に伴う輸出企業の業績改善期待などから持ち直し、3月末の日経平均株価は27,800円台で取引を終えました。

このような市場環境の中で、二市場(東京、名古屋の各証券取引所)合計の株式等売買代金は、前事業年度と比較して6%増加しました。当社の主たる顧客層である個人投資家についても、大きく株価が動いた局面で取引が拡大し、二市場全体における個人の株式等委託売買代金は同5%増加しました。二市場における個人の株式等委託売買代金の割合は22%と、前事業年度と同様の水準となりました。また、当社の株式等委託売買代金についても、同3%の増加となりました。

当事業年度における当社の取り組みとしては、長期的な顧客層の維持・拡大のため、テレビCMの配信やインターネット広告の強化、FXにおける新ブランド「松井証券MATSUI FX」のプロモーションを積極的に展開するなど、認知度向上に努めました。商品・サービスについては、個人投資家に人気の米国株サービスの取り扱いを開始しました。また、スマートフォン向けに、新サイトの提供開始や口座開設における「eKYC」の導入を実施したほか、「松井証券 株アプリ」の機能を継続的に拡充し株式取引における注文機能の強化を図るなど、利便性向上に努めました。その他、投資情報メディア「マネーサテライト」において、若年層や投資初心者の方も楽しく資産運用を学べる動画や、投資判断に役立つマーケット関連の動画をタイムリーに配信するなど、顧客とのコミュニケーションの充実を図りました。

以上を背景に、当事業年度においては、株式等委託売買代金が増加したものの、委託手数料率の低下等により受入手数料が17,454百万円(対前事業年度比5.9%減)となりました。また、信用取引平均買残高の増加等により金融収支は同19.6%増の11,108百万円となりました。

この結果、営業収益は30,616百万円(同1.8%増)、純営業収益は29,439百万円(同2.7%増)となりました。また、営業利益は12,772百万円(同0.4%減)、経常利益は12,791百万円(同1.0%減)となりましたが、投資有価証券売却益2,590百万円及び固定資産売却益1,279百万円を計上したこと等により、当期純利益は11,439百万円(同11.2%増)となりました。

収益・費用の主な項目については以下の通りです。

 

(受入手数料)

受入手数料は17,454百万円(同5.9%減)となりました。そのうち、委託手数料については、株式等委託売買代金が同3%増加したものの、委託手数料率の低下等により、16,639百万円(同6.6%減)となりました。

 

(トレーディング損益)

トレーディング損益は、主としてFX取引のトレーディング益により、876百万円の利益となりました。

 

 

(金融収支)

金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は11,108百万円(同19.6%増)となりました。これは主として、信用取引平均買残高が増加したことによるものです。

 

(販売費・一般管理費)

販売費・一般管理費は、同5.2%増の16,667百万円となりました。これは主として、広告宣伝費の増加等による取引関係費の増加(同4.8%増)や減価償却費の増加(同12.0%増)、人件費の増加(同7.8%増)によるものです。

 

(特別損益)

特別損益は合計で3,680百万円の利益となりました。これは主として、投資有価証券売却益2,590百万円や、固定資産売却益1,279百万円を計上したことによるものです。

 

以上を背景に当事業年度のROE(自己資本当期純利益率)は、14.5%となりました。当社は、株主資本コスト(8%)を上回るROEを中長期的に達成することを経営目標としております。当事業年度のROEは、投資有価証券売却益や固定資産売却益を計上したこと等を背景に、前事業年度の12.9%から上昇しました。これは目標値を達成しており、今後も中長期的な資本効率の向上に努めてまいります。

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の主たる事業は、個人投資家向けの株式等委託売買業務であり、収入項目としては受入手数料、とりわけ株式等売買に関する委託手数料が当社の業績に重要な影響を及ぼします。また、主として信用取引に起因する金融収益についても当社の業績に重要な影響を及ぼす要因となります。しかしながら、その水準はともに株式市場の相場環境に大きく左右されます。

 

(3) 財政状態の状況及び分析

当社の主な資産は、顧客からの預り金や受入保証金等を信託銀行に預託した顧客分別金信託(預託金に含まれます)と、信用取引貸付金を中心とする信用取引資産です。一方、信用取引貸付金に充当することを目的として、短期借入金等による調達を行っております。当社の主な負債は、預り金、受入保証金及び短期借入金です。

 

当事業年度末の資産合計は、対前事業年度末比8.6%減の879,394百万円となりました。これは主として、信用取引貸付金が同16.5%減の231,435百万円となったことや、預り金等の減少に伴い預託金が同5.9%減の530,512百万円となったことによるものです。

負債合計は、同9.3%減の800,675百万円となりました。これは主として、信用取引貸付金の減少等に伴い短期借入金が同19.3%減の167,850百万円となったことや、預り金が同7.9%減の309,469百万円となったことによるものです。

純資産合計は、同0.6%減の78,719百万円となりました。当事業年度においては、2021年3月期期末配当金及び2022年3月期中間配当金計10,280百万円を計上する一方、当期純利益11,439百万円を計上しております。

 

(4) キャッシュ・フローの状況及び分析

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、50,821百万円のプラス(前事業年度は111,926百万円のマイナス)となりました。これは、信用取引資産及び信用取引負債の増減や預託金の減少が主な要因です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、67百万円のプラス(前事業年度は1,607百万円のマイナス)となりました。当事業年度においては、無形固定資産の取得による支出2,999百万円や投資有価証券の取得による支出1,090百万円を計上する一方、投資有価証券の売却による収入2,597百万円や、有形固定資産の売却による収入1,774百万円を計上しております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、50,374百万円のマイナス(前事業年度は117,986百万円のプラス)となりました。これは、短期借入金の純減少が主な要因です。

 

以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、60,312百万円(前事業年度末は59,798百万円)となりました。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社は、株式ブローキング事業の強化とその他事業の拡充を経営戦略として位置付けております。各事業年度において、オンライン証券取引サービスを継続的に提供するとともに、各種新サービスの追加や取引システムの能力強化あるいは改良等に必要なシステム投資を中心とする設備投資を継続的に行っております。一方で、日々の業務運営に手元資金を必要とする他、主たる業務である信用取引貸付金の原資を必要としております。手元資金は、株式等委託売買や株券貸借取引等に伴う決済の他、顧客への出金等に対応するために十分な水準を確保しておりますが、日々の決済等の状況により、必ずしもその水準は一定しません。

 

当社が行う資金調達は、主として信用取引貸付金の原資に対応するものです。経常的な信用取引貸付金の増減については、銀行等金融機関からの短期借入金の増減を中心に対応しております。信用取引貸付金の水準が大きく増加する場合に備えて、社債による資金調達を機動的に行えるよう発行登録も行っておりますが、当事業年度末現在においては、信用取引貸付金と内部留保の水準を踏まえ、資金調達の大部分はコール・マネーを含む短期借入金によっております。

なお、複数の金融機関と当座貸越契約やコミットメントライン契約を締結することで、資金調達の安全性を確保しております。

 

当社は、中長期的に株主資本コストを上回るROEを達成することを経営目標としており、株主還元は、株主資本コスト相当額以上を配当として実施する方針です。当事業年度末現在の株主資本コストは、資本資産評価モデルを参考に8%と想定していることから、経営目標として中長期的に8%を上回るROEを達成するとともに、配当政策として各期8%以上の純資産配当率(DOE)を実現することとしております。併せて、各期の配当性向については60%以上とすることとしております。株主還元の結果内部留保が増加する場合においては、信用取引貸付金の原資や設備投資資金等として有効に活用いたします。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。