文中の将来に関する事項は、別段の記載がない限り、当中間会計期間の末日現在において、当社が判断したものであります。
当中間会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は以下のとおりであり、変更箇所は下線で示しております。
なお、以下の見出し及び本文中に付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。
(5) 顧客口座に対する不正アクセス及び不正取引のリスクについて
当社は、顧客口座に対する不正アクセスや不正取引の予防及び検知のためのセキュリティ対策の実施に努めておりますが、顧客口座へのログインや取引の実行に必要な認証情報の顧客からの不正取得等(いわゆるフィッシング詐欺やマルウェア被害を含みますが、必ずしもそれに限られません。)により、悪意がある第三者が顧客口座に対する不正アクセス及び不正取引を行う場合、当社システムのセキュリティに対する信用が低下し、顧客離れが生じる可能性がある他、不正取引等に伴う顧客の損害に対する一定の補償を行う必要が生じる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります(注)。
(注)なお、(5)に関しては、主として2025年3月以降、当社を含む証券各社において、フィッシング詐欺やマルウェア被害によるものとみられる顧客口座に対する不正アクセスや不正取引が発生しており、当社におきましては、証券業界の信頼回復のため個別の事案に応じて顧客に一定の補償を行うこととし、その結果、当中間会計期間において支払補償金369百万円の計上に至っております。また、当社は補償と並行してセキュリティの強化に最優先で取り組み、2025年7月26日にはログイン時の多要素認証を必須化いたしました。
経営者の視点による当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、当社はオンライン証券取引サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において、当社が判断したものであります。
当中間会計期間の国内株式市場は、期首に35,900円台で取引を開始した日経平均株価が、米国の関税政策による世界的な景気後退リスクの高まりから、4月7日には31,100円台まで急落しました。その後は、貿易摩擦による世界景気悪化懸念の後退、イスラエル・イランの停戦合意報道による地政学リスクの後退や米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待から、6月末には年初来高値の40,400円台を突破しました。7月は節目の40,000円を意識した展開が続きましたが、中旬に日本への関税率が15%と発表されたことを受け、株価は続伸し一時42,000円台に乗せました。8月以降も、FRBの利下げ観測や米関税政策の不透明感解消から株価は連日で最高値を更新し、9月25日には石破首相の辞任表明を受けた次期政権の財政拡張政策に対する思惑や、FRBの利下げ決定を受けた米株高を背景に、株価は45,754円を記録しました。月末は自民党総裁選の見極めムードで軟調に推移し、9月末の日経平均株価は44,900円台で取引を終えました。
このような市場環境の中で、二市場(東京、名古屋の各証券取引所)合計の株式等売買代金は、前中間会計期間と比較して10%増加しました。当社の主たる顧客層である個人投資家については、4月に株価が大きく動いた局面とその後の堅調な株価推移を背景に取引が拡大し、二市場全体における個人の株式等委託売買代金は同19%増加となりました。なお、二市場における個人の株式等委託売買代金の割合は26%と、前中間会計期間の24%から上昇しました。当社の株式等委託売買代金については同17%の増加となりました。
当中間会計期間における当社の取組みとしては、認知度向上を目的に、俳優の菜々緒さんを起用したCMを放映しました。投資の「おもしろさ」を伝えるYouTube公式チャンネルにおいては、人気の「資産運用!学べるラブリーシリーズ」初のLIVE配信等、継続して新たなコンテンツを提供しました。登録者数は50万人、総再生回数は1億4千万回を越え、引き続き業界No.1ブランドを確立しています。投資情報メディア「マネーサテライト」においては、米関税政策や日本の政権の動きに関するマーケット情報を迅速に解説し、多様なアイデアの提供に努めました。株式ビジネスでは、投資をアクティブに行う顧客から好評をいただいている「東証売買内訳データ」をもとにした分析機能をアプリだけでなくPCでも利用可能とし、利便性の向上を図りました。FXビジネスでは、人気通貨のスプレッド縮小恒久化やアプリの継続的な機能改善に取り組みました。米国株ビジネスでは、プレマーケット取引への対応と投資情報ツールマーケットラボ米国株の提供を通じ、より快適な取引環境を実現しました。
以上を背景に、営業収益は23,839百万円(同17.5%増)、純営業収益は22,323百万円(同15.2%増)と大幅な増加となりました。また、営業利益は10,263百万円(同15.3%増)、経常利益は10,152百万円(同14.0%増)、中間純利益は6,535百万円(同7.2%増)となりました。なお、当中間会計期間末までに発生した、フィッシング詐欺やマルウェア被害によるものとみられる顧客口座に対する不正アクセスに伴う不正取引について、被害を受けた顧客へ一定の補償を行うための費用を支払補償金として計上しております。
収益・費用の主な項目については以下の通りです。
受入手数料は11,347百万円(同7.1%増)となりました。そのうち、委託手数料は10,819百万円(同7.5%増)となりました。これは主として、株式等委託売買代金の増加によるものです。
トレーディング損益は、主としてFX取引のトレーディング益により、3,054百万円(同58.7%増)の利益となりました。
信用取引買残高の減少に伴い信用取引収益は減少したものの、金利水準の上昇等を背景に預託金の収益分配金が増加したこと等により、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は7,922百万円(同15.6%増)となりました。
販売費・一般管理費は、同15.1%増の12,060百万円となりました。これは主として、広告宣伝費の増加等により取引関係費が増加したことや、サービス基盤及び業務基盤の拡大に伴い、事務費及び人件費が増加したことによるものです。
不正取引による被害を受けた顧客への補償費用を、支払補償金として計上しております。
当社の主たる事業は、個人投資家向けの株式等委託売買業務であり、収入項目としては受入手数料、とりわけ株式等売買に関する委託手数料が当社の業績に重要な影響を及ぼします。また、主として信用取引に起因する金融収益についても当社の業績に重要な影響を及ぼす要因となります。しかしながら、その水準はともに株式市場の相場環境に大きく左右されます。
当社の主な資産は、顧客からの預り金や受入保証金等を信託銀行に預託した顧客分別金信託(預託金に含まれます)と、信用取引貸付金を中心とする信用取引資産です。一方、信用取引貸付金に充当することを目的として、短期借入金等による調達を行っております。当社の主な負債は、預り金、受入保証金及び短期借入金です。
当中間会計期間末の資産合計は、対前事業年度末比11.6%増の1,251,800百万円となりました。これは主として、預り金及び受入保証金の増加等に伴い、預託金が同24.6%増の774,412百万円となったことによるものです。
負債合計は、同12.1%増の1,172,222百万円となりました。これは主として、預り金が同27.1%増の462,271百万円となったことや、受入保証金が同30.7%増の366,284百万円となったことによるものです。なお、信用取引貸付金が同9.4%減の302,022百万円となったこと等に伴い、短期借入金は同26.4%減の222,900百万円となりました。
純資産合計は、同3.9%増の79,578百万円となりました。当中間会計期間においては、2025年3月期期末配当金4,634百万円を計上する一方、中間純利益6,535百万円を計上しております。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、75,328百万円のプラス(前中間会計期間は455百万円のプラス)となりました。これは主に、預託金が増加したことに伴いキャッシュ・フローがマイナスとなった一方、預り金や受入保証金が増加したことに伴うキャッシュ・フローがプラスとなったことや、信用取引資産及び信用取引負債の増減によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,247百万円のマイナス(前中間会計期間は2,008百万円のマイナス)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出が主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、84,679百万円のマイナス(前中間会計期間は25,914百万円のプラス)となりました。これは、短期借入金が純減少となったことが主な要因です。
以上の結果、当中間会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、70,118百万円(前中間会計期間末は100,610百万円)となりました。
当社が行う資金調達は、主として信用取引貸付金の原資に対応するものです。経常的な信用取引貸付金の増減については、銀行等金融機関からの短期借入金の増減を中心に対応しております。信用取引貸付金の水準が大きく増加する場合に備えて、社債による資金調達を機動的に行えるよう発行登録も行っておりますが、当中間会計期間末現在においては、信用取引貸付金と内部留保の水準を踏まえ、資金調達の大部分はコールマネーを含む短期借入金によっております。
なお、複数の金融機関と当座貸越契約やコミットメントライン契約を締結することで、資金調達の安全性を確保しております。
当中間会計期間において、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
当中間会計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更はなく、新たに生じた課題もありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。