第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当社の当連結会計年度(2015年4月1日~2016年3月31日)の連結業績は、現物の売買代金、デリバティブの取引高ともに前年を上回ったことなどから営業収益は1,147億76百万円(前年同期比8.1%増)となる一方、営業費用が509億25百万円(前年同期比3.7%減)となったため、営業利益は662億71百万円(前年同期比23.8%増)、税引前利益は677億74百万円(前年同期比23.5%増)となりました。

また、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は448億77百万円(前年同期比30.4%増)となりました。

 

<参考>

 

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

  至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

 

 

前連結会計年度末

(2015年3月31日)

 

当連結会計年度末

(2016年3月31日)

TOPIX

1,132.76ポイント

~1,592.25ポイント

1,543.11ポイント

1,196.28ポイント

~1,691.29ポイント

1,347.20ポイント

日経平均株価

13,910.16円

~19,754.36円

19,206.99円

14,952.61円

~20,868.03円

16,758.67円

JPX日経400

10,314.83ポイント

~14,475.35ポイント

14,022.96ポイント

10,780.40ポイント

~15,251.93ポイント

12,161.79ポイント

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ64億33百万円増加し、665億47百万円となりました。

 

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益677億74百万円に、減価償却費及び償却費107億27百万円及び支払法人所得税等172億43百万円等を加減した結果、610億69百万円の収入となりました。

 

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、デリバティブシステムや清算システムの開発に伴う無形資産の取得による支出等により、335億91百万円の支出となりました。

 

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、支払配当金等により、210億30百万円の支出となりました。

 

 

(3)並行開示情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。

(のれんの償却停止)

日本基準では、のれんを一定期間にわたり均等償却しておりましたが、IFRSでは、のれんの償却は行わず毎期減損テストを行っております。

この影響により、IFRSの営業費用は日本基準に比べて、前連結会計年度3,442百万円、当連結会計年度3,442百万円減少しております。

2【生産、受注及び販売の状況】

 業務の性格上、該当する情報がないため記載しておりません。

 

3【対処すべき課題】

当社グループは、その「企業理念」において、「公共性及び信頼性の確保、利便性、効率性及び透明性の高い市場基盤の構築並びに創造的かつ魅力的なサービスの提供により、市場の持続的な発展を図り、豊かな社会の実現に貢献」するとの方針を掲げています。

当社グループの運営する現物市場の売買代金及びデリバティブ市場の取引高は、グローバルな経済環境や市況の動向によって大きく影響を受ける傾向がありますので、「市場の持続的な発展」を実現するには、国内外の市場利用者から支持される質の高いサービスの提供に努めることに加え、短期的に外部環境が悪化した場合でも安定的な市場運営を可能とするだけの十分な財務基盤を確保するために、相対的に高い成長性が見込まれる事業分野への積極的な投資を通じて、ビジネスポートフォリオの充実を図っていく必要があります。

そこで、当社グループでは、2016年3月に策定した「第二次中期経営計画(2016年度~2018年度)」において、「統合の成功を基礎に市場の持続的な発展に向けた投資を強化」するとの基本方針を定め、事業部門間の連携・相互補完により市場基盤やサービスの質的向上などの取組を強化しつつ、新たなビジネスへの積極的な進出を図ることを通じて、「現物市場ビジネス」、「デリバティブ市場ビジネス」及び「周辺ビジネス」のバランスがとれたビジネスポートフォリオを有する姿の実現を中長期的に目指してまいります。

また、当社グループは、財務の安全性と株主還元のバランスをとりつつ、積極的な成長投資に伴う収益・利益の拡大及び安定性向上を図ることを資本政策の基本方針としております。当社グループは、こうした方針のもと、市況により大きく変動する当社ROE*について、資本効率を意識した経営を行うことにより、市況変動にかかわらず資本コストを上回る10%を中長期的に実現することを目指してまいります。

* 2008年度~2012年度(統合前の合算値)の平均ROEは5%程度、2013年度~2015年度(第一次中期経営計画期間)の平均ROEは16%程度

 

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第二次中期経営計画の概要

第二次中期経営計画(2016年度~2018年度)のもとで、当社グループは次の課題に取り組んでまいります。

 

① 投資者の多様な投資ニーズの充足と中長期的な資産形成の活性化

我が国では、生産年齢人口の減少や超高齢社会の到来を背景に、分散投資による中長期的な資産形成を活性化していく観点から、個人投資者の金融リテラシーの向上と機関投資家の資産運用の高度化・多様化の必要性が高まっています。また、当社グループの運営する市場における価格形成の円滑性・公正性を維持し、その持続的な発展を図るうえでは、多様な投資判断を有する投資者の市場参加を促していくことが重要です。

そこで、当社グループでは、投資未経験の若年層に対する情報提供・啓発活動の強化のほか、投資者の多様なニーズに合致した投資商品の上場、機関投資家に対する営業・プロモーション体制の拡充、新指数の開発による日本株の新たな投資魅力の提示などに取り組みます。

さらに、デリバティブ市場については、金利関係デリバティブ商品の拡充に加えて、投資者によるデリバティブ取引の活用促進に取り組みます。また、総合取引所化の可能性についても継続的に検討してまいります。

 

② 上場会社の価値向上の支援

コーポレート・ガバナンスの実効性向上のため、上場会社の取組の進展を内外の投資家に積極的に情報発信するとともに、JPX日経インデックス400の活用や上場会社と機関投資家との円滑な対話に向けた環境整備等を図ります。また、成長分野へのリスクマネーの円滑な供給を通じて、我が国経済の持続的な成長を実現する観点から、IPOの裾野の拡大に加えて、ベンチャーエコシステムの改善に向けた環境整備などに取り組みます。また、債券発行・流通市場について、その育成を推進してまいります。

③ 市場基盤の強化

当社グループが運営する市場の公共インフラとしての重要性を踏まえ、引き続き、その安定的かつ円滑な運営を図るとともに、その競争力を維持するため、利便性、効率性及び透明性の向上に努めていく必要があります。

そこで、清算・決済サービスに係るリスク管理の高度化や利用者の利便性向上を図るとともに、決済リスク削減に向けた決済期間の短縮化にも対応してまいります。また、最新の知見を踏まえた事業継続計画(BCP)の抜本的な見直しに着手するほか、サイバーセキュリティの強化を実施いたします。さらに、次世代の売買システムの検討に着手します。新しい取引手法の実態を的確に把握し、売買審査やシステムリスク考査の強化を図ります。

 

④ 取引所ビジネスの拡大

中長期的に当社グループの財務の安定性を向上する観点から、OTCデリバティブ取引に係る清算対象の拡大その他の市場インフラを活用した新たなビジネス領域への進出を推進します。また、国際的な金融規制の強化や新たな金融・IT技術(フィンテック)の発展により、既存のビジネス環境が大きく変化する可能性を見据えつつ、取引所ビジネスの要素技術の開発や実証研究を進めるほか、M&Aの実施に備えた社内環境の整備や創造的な組織風土の醸成、海外事業展開の積極化に向けた組織体制の拡充を図るとともに、規制環境の変化等に係る調査及び政策提言等の意見発信の強化を行います。

 

4【事業等のリスク】

以下、当社グループの事業その他に関し、リスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しておりますが、これらのリスクは必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、提出日現在では想定していないリスクや重要性が低いと考えられるリスクも、今後、当社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、必ずしもリスク要因には該当しないと考えられる事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。

なお、記載事項のうち将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報等に基づいて判断したものであります。

 

1.経営体制・事業戦略に関するリスク

(1)経営体制の特徴等について

① 企業理念等について

取引所金融商品市場の運営については、金融商品取引法において、「有価証券の売買及び市場デリバティブ取引を公正かつ円滑にし、並びに投資者の保護に資するよう運営されなければならない」と規定されており、当社グループでは、以下の内容を企業理念として、事業を遂行いたします。

・ 私たちは、公共性・信頼性の確保、利便性・効率性・透明性の高い市場基盤の構築、創造的・魅力的なサービスの提供により、市場の持続的な発展を図り、豊かな社会の実現に貢献します。

・ 私たちは、これらを通じて、投資者を始めとする市場利用者の支持及び信頼の増大が図られ、その結果として、利益がもたらされるものと考えます。

 

② 取締役会の構成について

当社では、経営の監視・監督機能と業務執行機能を制度上明確に分離し、経営監視・監督機能の強化及び経営の透明性の向上を図るため、指名委員会等設置会社形態を採用しており、経営監視・監督機能の中心的役割を担う取締役会は、経営の透明性及びアカウンタビリティの向上を図り、業務執行の妥当性を監督する機能を強化する観点から、過半を社外取締役で構成しております(2016年3月31日現在の取締役12名中、8名が社外取締役)。

当社では、上場会社の役員等、法律専門家、公認会計士及び学識経験者を社外取締役として選任しており、各人はそれぞれの分野で高い見識を認められた人材であることから、経営に多面的な社外の視点を積極的に取り入れることができる充実した体制が構築されているものと認識しております。

また、公共性・公益性の高い清算・決済インフラの提供主体として、中立的かつ利用者の意見を反映させた業務運営を実現する観点から、株式会社日本証券クリアリング機構の取締役会についても社外取締役を中心とした構成としており、過半を参加者である証券会社や学識経験者等から選任しております。

当社グループは、収益の多くを証券会社や上場会社から得ていることから、当社グループと証券会社や上場会社は利害が対立する可能性がありますが、当社グループでは、市場の利用者である証券会社や上場会社等のステークホルダーの意見等を経営に反映していくことが、市場全体の安全性・利便性・効率性の維持・改善に寄与し、ひいては当社グループの企業価値の向上にも資するものと認識しております。

 

③ 持株会社であることについて

当社は持株会社であるため、収入は、経営管理料収入や子会社や関連会社からの配当金に大きく依存しますが、法律上又は事業上の制約により、当社への子会社や関連会社からの配当金の支払いは制限される可能性があります。

当社の子会社である日本取引所自主規制法人は、金融商品取引法において、営利の目的をもって業務を行ってはならない旨、規定されていることから配当を行うことができず、また、子会社である株式会社日本証券クリアリング機構は、清算機関としての企業の継続性及び決済履行保証スキーム(「7.決済履行確保の枠組みについて」参照)の機能確保の観点から、一定の剰余金を確保する必要があります。(「金融市場インフラのための原則」(2012年4月:国際決済銀行・支払決済システム委員会、証券監督者国際機構専門委員会の共同報告書)においても、「(より複雑なリスク特性を伴う清算業務に従事しているCCPは)極端であるが現実に起こり得る市場環境において最大の総信用エクスポージャーをもたらす可能性がある2先の参加者とその関係法人の破綻を含み、かつこれに限定されない広範な潜在的ストレスシナリオを十分にカバーするだけの追加的な財務資源を保持すべきである。」との原則が掲げられております。)

当社グループは、配当について「金融商品取引所グループとしての財務の健全性、清算機関としてのリスクへの備え、当社市場の競争力強化に向けた投資機会等を踏まえた内部留保の重要性に留意しつつ、業績に応じた配当を実施することを基本とし、具体的には、配当性向を60%程度とすること」を目標としておりますが、当社の子会社や関連会社が、当社に配当を行うだけの十分な収益やキャッシュ・フローを確保できなかった場合には、当社の株主に対する配当が困難もしくは不可能となる可能性があります。

 

④ 自主規制機能について

投資者が取引所金融商品市場に安心して参加するためには、市場が公正で信頼できるものである必要があり、市場の公正性・信頼性を確保するためには、自主規制機能が適切に発揮されることが不可欠です。

当社グループの企業体としての利害と市場の公正性との間の利益相反問題の回避に万全を期するとともに、その実効性を確保するため、持株会社の傘下に市場運営会社(株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所)と自主規制法人(日本取引所自主規制法人)を置いており、日本取引所自主規制法人は株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所からの委託を受けて自主規制業務を行っております。

この自主規制業務の委託料については、金融商品取引法において、自主規制法人が委託を受けた自主規制業務を行うために適正かつ明確な算出方法が委託契約に定められていることが求められていることから、長期かつ固定的な金額を基本としております。

当社グループでは、自主規制機能は市場運営と密接不可分な市場開設者としての機能の根幹であり、市場についての一種の品質保証であるとともに、市場のブランドを維持向上させるものであると認識しており、中長期的に収益の獲得・向上に資するものであると考えておりますが、短期的には、自主規制機能の発揮が営利性の追求と相反する側面があるとともに、市場環境の悪化等により、当社グループの経営成績が順調に進展しない場合には、自主規制機能にかかる業務に必要な経営資源を投入した結果、当社グループの経営成績に影響を及ぼす業績が圧迫される可能性があります。加えて、自主規制機能が適切に発揮されない場合には、市場参加者や投資者等の信頼を著しく損ね、ひいては市場のブランド価値を毀損することにより、当社グループ全体の事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。

また、金融商品取引所との比較において自主規制業務に関する負担が著しく低い私設取引システム(いわゆるPTS。以下、「PTS」といいます。)等との競争においては、コスト構造上、不利に働く可能性があります。

 

(2)事業戦略に関するリスク

① 事業戦略が失敗するリスク

当社グループは、2016年3月に公表した、2016年度から2018年度までの3年間を対象期間とする当社グループの第二次中期経営計画に基づき、様々な施策を実行しております。

中期経営計画の進捗状況については、実現に向けて、定期的に経営層でモニタリングを行い、臨機応変の対応を取るようにしておりますが、こうした戦略や施策が実行できない、あるいは、たとえ戦略や施策が実行できた場合でも当初想定した成果の実現に至らない可能性があります。また、本項に示した各種リスクの顕在化又は中期経営計画の前提となる経済環境の変化等により中期経営計画で発表した数値目標を達成できない可能性があります。

 

② システム投資について

近年のIT技術の発展により金融商品取引所もシステムの高度化が進んでおり、その安定性・処理性能等が市場間競争における優位性確保に大きな影響を及ぼす状況となっております。

当社グループでは、現物市場の売買システムとして、高速性・信頼性・拡張性を兼ね備えた「arrowhead」を、デリバティブ市場の取引システムとして、世界標準の取引機能と世界水準の注文処理性能を兼ね備えた「J-GATE」をそれぞれ稼働しております。

今後も、金融テクノロジーの発達に伴う投資手法の高度化・多様化等、刻々と変化を続ける利用者のニーズに適切に対応し、金融商品取引所としての競争力を維持していくためには、ITに関する設備投資を継続し、取引システム等の改良に努めていく必要があり、「J-GATE」については、2016年7月にリプレースを予定しており、「arrowhead」については、今後詳細な更改スケジュールを検討してまいります。

しかしながら、これらの設備投資により、必ずしも直ちに収益が拡大するとは限らず、市況の悪化等により、コストに見合う収益を生み出すことができなかった場合には、当社グループの業績が圧迫されるとともに、その後における追加的な設備投資に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2.事業環境等に関するリスク

(1)法令等による規制等について

① 免許制の事業であることについて

当社グループは金融商品取引法及び関連する諸法令の規制の下、事業を行っております。

当社は、金融商品取引法が定める内閣総理大臣の認可(以下、「取引所持株会社認可」といいます。)を受けた「金融商品取引所持株会社」であり、当社の子会社である株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所は、同法が定める内閣総理大臣の免許(以下、「取引所業免許」といいます。)を受けて、取引所金融商品市場を開設・運営する「金融商品取引所」であります。なお、株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所は、同法が定める内閣総理大臣の認可(以下、「自主規制業務の委託認可」といいます。)を受けて、自主規制業務を日本取引所自主規制法人に委託しており、日本取引所自主規制法人は同法が定める内閣総理大臣の認可(以下、「自主規制業務認可」といいます。)を受けて、自主規制業務を行っております。

また、株式会社日本証券クリアリング機構は、同法が定める内閣総理大臣の免許を受けて、金融商品取引清算機関として金融商品債務引受業等を行っております。

さらに、金融商品取引清算機関の総株主の議決権の100分の20(その財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実として内閣府令で定める事実がある場合には、100分の15)以上の数の議決権を取得し、若しくは保有しようとする場合、あらかじめ、内閣総理大臣の認可を受けなければならないとされており、当社及び株式会社日本証券クリアリング機構は当該認可を受けております。

現時点におきましては、上記免許又は認可が取消しとなるような事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により、同法が定める取消事由等に該当し、内閣総理大臣より免許又は認可の取消処分を受けることとなった場合又は業務の全部若しくは一部の停止等の処分を受けることとなった場合等には、当社グループの事業運営及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

<許認可等の概要>

許認可等の名称

根拠条文

会社名

有効期限

免許又は認可の取消事由

取引所持株会社認可

金融商品取引法

第106条の10第1項

株式会社日本取引所グループ

なし

同法 第106条の26、第106条の28第1項

取引所業免許

同法 第80条

株式会社東京証券取引所

株式会社大阪取引所

なし

同法 第134条第1項、第148条、第152条第1項

自主規制業務の委託認可

同法 第85条第1項

株式会社東京証券取引所

株式会社大阪取引所

なし

同法 第153条の2

自主規制業務認可

同法 第102条の14

日本取引所自主規制法人

なし

同法 第153条の4

金融商品債務引受業免許

同法 第156条の2

株式会社日本証券クリアリング機構

 

なし

同法 第156条の17第1項、第2項

金融商品取引清算機関の主要株主認可

同法 第156条の5の5

株式会社日本取引所グループ

株式会社日本証券クリアリング機構

なし

同法 第156条の5の9第1項

 

② 業務内容の制限等について

金融商品取引法において、金融商品取引所持株会社である当社は、子会社である株式会社金融商品取引所等の経営管理を行うこと及びこれに附帯する業務のほか、他の業務を行うことができないとされており、金融商品取引所である株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所は、取引所金融商品市場の開設及びこれに附帯する業務以外の業務を行うこと、自主規制法人である日本取引所自主規制法人は、自主規制業務及びこれに附帯する業務以外の業務を行うことを禁止されており、業務範囲が制限されております。同様に、金融商品取引清算機関である株式会社日本証券クリアリング機構も、金融商品債務引受業等及びこれに附帯する業務のほか、他の業務を営むことができないとされており、内閣総理大臣の承認を受けた場合にのみ、金融商品債務引受業に関連する業務を行うことができるとされております。

また、子会社につきましても、金融商品取引所持株会社及び金融商品取引所は、取引所金融商品市場の開設及びこれに附帯する業務を行う会社以外の会社を子会社としてはならないとされており、内閣総理大臣の認可を受けた場合にのみ、取引所金融商品市場の開設に関連する業務を行う会社を子会社とすることができることとされております。

このほか、株式会社東京証券取引所、株式会社大阪取引所、日本取引所自主規制法人及び株式会社日本証券クリアリング機構は、定款、業務規程、受託契約準則、業務方法書を変更する場合には、内閣総理大臣の認可が必要である旨、定められているなど、当社グループは法令による広範な規制の下、業務を行っております。これらの規制は、有価証券の売買及び市場デリバティブ取引を公正かつ円滑にし、並びに投資者の保護に資することを目的としており、必ずしも当社の株主を保護することを目的とはしていないため、将来、何らかの理由により、業務上必要な認可が得られないような場合には、当社グループが必要とする施策を実行できず、事業機会を逸失するなど、当社グループの事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

当社の発行済株式の取得及び所有に係る制限等について

金融商品取引法において、金融商品取引所持株会社である当社が発行する株式につきましては、認可金融商品取引業協会、金融商品取引所、金融商品取引所持株会社、商品取引所、商品取引所持株会社又は地方公共団体その他政令で定める者を除いて、何人も、総株主の議決権の100分の20(その財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実として内閣府令で定める事実がある場合には、100分の15)以上の数の議決権(取得又は保有の態様その他の事情を勘案して内閣府令で定めるものを除きます。以下、「対象議決権」といいます。)を取得し、又は保有してはならないとされております。

また、総株主の議決権の100分の5を超える対象議決権の保有者となった者は、内閣府令で定めるところにより、対象議決権保有割合、保有の目的その他内閣府令で定める事項を記載した対象議決権保有届出書を、遅滞なく、内閣総理大臣に提出しなければならないものとされております。

 

④ 法改正による影響等について

当社グループの事業に関連する法規制の導入・改正・撤廃や法規制の執行に関する方針の変更は、直接的に又はその結果生じる市場環境の変化を通じて、当社グループに悪影響を及ぼす可能性があります。

例えば、規制内容の変更に伴う競争環境の変化や証券税制の変更は、当社グループの市場シェアや取引量の減少に繋がる可能性があります。

将来における法規制の変更内容及びそれが当社グループの事業に与える影響を予測することは困難であり、当社グループがコントロールしうるものでもありませんが、新たな規制等が実施された場合には、当社グループの業務遂行や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)金融市場の動向による影響について

① 収益構造の特徴等について

当社グループの営業収益のうち、「取引関連収益」及び「清算関連収益」(それぞれ2016年3月期の連結営業収益に占める割合が45.7%、20.2%)は有価証券やデリバティブ商品の売買代金・取引高の水準に、「上場関連収益」(同11.5%)は上場する企業の時価総額や資金調達額、新規上場会社数の水準などにそれぞれ大きく依拠しております。

したがって、当社グループの収益は、有価証券やデリバティブ商品の流通市場並びに有価証券の発行市場の動向、ひいては世界的な金融市場の動向や国内外の経済情勢の影響を大きく受けることとなります。

特に、上場会社の大多数は日本企業であることから、日本経済の状況が当社グループの業績に及ぼす影響は大きく、景気の低迷等により、流通市場及び発行市場を取り巻く環境が悪化し、現物市場及びデリバティブ市場における取引量、上場会社の時価総額、資金調達額等が減少した場合には、当社グループの業績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

また、流通市場や発行市場の動向は、経済環境その他様々な要因により大きく変動する場合があるため、その動向を精緻に予測することは非常に困難です。

② 外国人投資家の動向による影響について

2015年1月~12月における外国人投資家の取引量は、株式の売買代金及びデリバティブ取引の主力商品である日経225先物やTOPIX先物の取引高においては過半を占めるなど、重要な割合を占めております。

したがって、日本経済、日本企業一般の株価パフォーマンス又は為替レートの状況や規制強化等により、外国人投資家にとっての日本市場への投資魅力が減退し、取引量が減少することとなった場合には、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)競合による影響について

① 現物市場に関する他の証券取引所、取引所外取引との競合について

現物取引等における競合は激しさを増してきており、市場の流動性、取引の執行にかかるスピード・コスト、取引システムの性能、取引参加者や上場会社に提供される商品やサービスの多様性、規制環境など、様々な分野において、今後も競合の激化は進展していくものと認識しております。

現状、当社グループにおける株式売買代金は、2015年1~12月における国内上場株式の売買代金の9割程度を占めており、日本における取引所外取引(PTS及びOTC等)は1割程度であり、諸外国と比較すると低い水準となっておりますが、近年、PTSにおける取引量は増加傾向にあり、将来的には当社グループのシェアを奪う脅威となる可能性があります。

当社グループがこうした競争環境に適切に対応できず、市場の流動性等が減少した場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

また、近年、世界的に取引所業界は激しい価格競争にも晒されております。競合他社が当社グループよりも低い手数料等でのサービスの提供を開始し、当社グループにおいても、取引や上場にかかる手数料の引下げ等を行う必要が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② シンガポール取引所の日経平均株価先物取引・オプション取引との競合について

大阪取引所市場における日経平均株価先物取引は主にシンガポール取引所市場の日経平均株価先物取引と競合しております。シンガポール取引所市場の日経平均株価先物取引は、大阪取引所市場における日経平均株価先物取引と同じく、我が国株式市場を代表する指数である日経平均株価を対象とした株価指数先物取引です。

 

過去3年間の大阪取引所市場及びシンガポール取引所市場の日経平均株価先物取引の取引高は、次のとおりです。

年度

大阪取引所市場

シンガポール取引所市場

2013年度

53,561,632単位

18,081,918単位

2014年度

45,895,007単位

13,131,419単位

2015年度

56,456,693単位

13,493,491単位

(注1)大阪取引所市場及びシンガポール取引所市場の日経平均株価先物取引には、それぞれ日経225mini及びMini Nikkei 225 Index Futuresを含みます。ただし、これらは、取引金額換算では大阪取引所市場における日経平均株価先物取引の10分の1であるため、実際の取引高の10分の1としております。

(注2)シンガポール取引所市場の日経平均株価先物取引(米ドル建を含み、Mini Nikkei 225 Index Futuresを除きます。)は、取引金額換算では大阪取引所市場における日経平均株価先物取引の半分であるため、実際の取引高の半分を記載しております。

 

指数オプション取引に関しては、大阪取引所市場における日経平均株価オプション取引が主に競合している商品として、シンガポール取引所市場の日経平均株価オプション取引があります。

過去3年間の大阪取引所市場及びシンガポール取引所市場の日経平均株価オプション取引の取引高は、次のとおりです。

年度

大阪取引所市場

シンガポール取引所市場

2013年度

52,419,426単位

5,114,293単位

2014年度

41,272,677単位

3,672,593単位

2015年度

38,407,629単位

2,573,955単位

(注)シンガポール取引所市場の日経平均株価オプション取引は、取引換算額では大阪取引所市場における日経平均株価オプション取引の半分であるため、実際の取引高の半分を記載しております。

 

2015年度の大阪取引所市場における日経平均先物取引及び日経平均株価オプション取引の取引高は、シンガポール取引所市場のそれを上回っておりますが、今後の市場参加者の動向によっては、大阪取引所市場の利用者がシンガポール取引所市場に移ることで大阪取引所市場における取引高が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 取引所間の経営統合について

取引所業界においては、2007年から2008年にかけて、欧米を中心にNYSEグループとユーロネクスト、ロンドン証券取引所とイタリア取引所、NasdaqとOMX等の国境を越えた取引所間の合従連衡の動きが見られました。

その後しばらくは目立った動きは見られませんでしたが、2010年10月にシンガポール取引所とオーストラリア証券取引所が経営統合を発表すると、2011年2月にはロンドン証券取引所グループとカナダのTMXグループ、ドイツ取引所とNYSEユーロネクストが相次いで経営統合を発表し、さらにはこれらの経営統合案に対抗するかたちで、カナダの銀行や年金基金から構成されるメイプル・グループがTMXグループの買収案を、Nasdaq OMXグループとインターコンチネンタル取引所が共同でNYSEユーロネクストの買収案を提示するなど、国際的な取引所再編を巡る動きが再燃しました。

しかしながら、シンガポール取引所とオーストラリア証券取引所は、オーストラリアの財務相が本経営統合提案を正式に却下したことから統合を断念し、また、Nasdaq OMX・インターコンチネンタル取引所は規制当局から承認が得られないことが確実になったこと、ロンドン証券取引所グループは株主の承認が得られない可能性が高まったことから、それぞれ提案を取り下げております。

結果としては、国境を越えた取引所間の統合は実現されませんでしたが、2012年12月にインターコンチネンタル取引所によるNYSEユーロネクストの買収が発表され、2013年11月に同買収が完了しました。また、2016年3月にドイツ取引所によるロンドン証券取引所グループの買収が発表されており、今後も国際的な取引所間の再編が起こる可能性があります。

他の取引所の経営統合による当社グループの事業への影響を予測することは困難ですが、国際的な取引所間の統合や提携が実現した場合には、より優れたサービスの提供やコスト削減につながる可能性があり、当社グループが競争優位性を失う可能性があるとともに、当社グループの国際的なプレゼンスの低下に繋がる懸念もあります。

 

3.事故・災害等に関するリスク

当社グループでは、市場開設者という社会インフラとしての責務を果たすべく、様々なリスクが発現した場合においても、事業を可能な限り継続し、止むを得ず中断する場合においても可能な限り早期に再開できるよう、BCP(緊急時事業継続計画)を策定しており、堅実かつ安定的な事業継続体制の整備に努めております。

しかしながら、地震・風水害・火災等の自然災害、電力・通信等の社会インフラの停止、物理的破壊行為・サイバーテロ等のテロ行為又は新型インフルエンザを始めとする疫病の蔓延等により、想定を上回る被害を受け、事業を長期的に中断せざるをえないこととなった場合には、甚大な経済的損失を被るとともに、社会的信用の低下等、深刻な事態をもたらす可能性があります。

また、事業の中断に至らなかった場合においても、被害の状況によっては、多額の回復費用が必要となり、当社グループの財政状態及び、経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

4.システム面に関するリスク

現物及びデリバティブの売買・清算並びにこれらに関連する業務は、システムを通じて処理されていることから、市場の安定性・信頼性を維持するためには、取引システムの安定稼働が必須の要件となっております。

また、近年、金融テクノロジーの発展に伴い、取引システムは高度化してきており、取引システムの性能が、取引所ビジネスにおける競争力の源泉となっております。

当社グループでは、過去にシステム障害やキャパシティの不足により売買停止に至った反省の下、同様の事態が発生することを防ぐためのリスク管理体制をとっておりますが、その可能性を完全に否定することはできません。

利用者の要望に適切に対応することができず、取引システムの性能が他の取引所等の提供するシステムに劣後することとなった場合又はシステム障害等の発生により、市場の信頼性が毀損した場合には、取引量が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5.情報漏えい等に関するリスク

当社グループでは、取引参加者、上場会社等の企業情報や個人情報を保有しているほか、様々な経営情報等の内部情報を保有しております。当社グループの多くの役職員は、金融商品取引法においても秘密保持義務が課せられておりますが、役職員の故意又は過失による情報漏えいの発生を完全に否定することはできません。

さらに、外部からの不正なアクセスの防止に関しても、個人情報保護法の下で、厳格な管理が要求されております。当社においても情報管理に関するポリシーや事務手続等を策定しており、役職員等に対する教育・研修等により情報管理の重要性の周知徹底、システム上のセキュリティ対策等を行っておりますが、こうした対策が必ずしも有効に機能するとは限らず、重要な情報が外部に漏洩した場合には、市場利用者等からの損害賠償、監督官庁からの処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

6.事務リスクについて

当社グループは、市場開設者として重要な業務に関して、事務過誤を未然に防止するための内部統制の整備やシステム化等を推進しておりますが、役職員の故意又は過失により重大な事務過誤が発生した場合には、損失の発生、監督官庁の処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

7.決済履行確保の枠組みについて

日本には株式会社東京証券取引所をはじめ、有価証券の売買を行うための金融商品取引所1が4つありますが、これらの取引所における有価証券の売買については、すべて株式会社日本証券クリアリング機構が清算業務を行っております。同社は、PTS2における有価証券の売買についても、清算業務の対象としております。また、株式会社大阪取引所における先物・オプション取引についても、同社が清算を行っており、さらには、店頭市場におけるクレジットデフォルトスワップ取引及び金利スワップ取引(以下、「店頭デリバティブ取引」といいます。)並びに国債店頭取引も清算業務の対象としております。

株式会社日本証券クリアリング機構は清算機関として市場参加者が行った取引の債務を負担し、債権・債務の当事者となって、決済の履行を保証しております。これにより、市場参加者は取引相手方の信用リスクを意識せずに取引を行うことが可能となりますが、一方で、清算参加者が決済不履行を起こした場合でも、株式会社日本証券クリアリング機構には他の清算参加者との決済を履行する義務があります。このため、同社では、清算参加者の決済不履行に伴い損失が生じた場合には、決済不履行を発生させた清算参加者の担保等によりその損失を補填する自己責任原則を基本としつつ、万が一不足が生じる場合には、株式会社日本証券クリアリング機構の自己資金を充てるほか、他の清算参加者にも負担を求める損失補償制度を設けております。

同社における決済履行確保のための取組み及び損失補償制度の概要は以下のとおりです。

 

(決済履行確保のための取組み)

清算参加者制度及びモニタリング

清算参加者の信用リスクの低減を図るため、清算資格の種類ごとに資格要件を定めるとともに、資格要件にはそれぞれ取得基準と維持基準を設けており、一定の財務基盤、経営体制及び業務執行体制を有する者を清算参加者とすることとしています。それらの状況については定期的にモニタリングを行い、問題があると認められた場合は、当該清算参加者の債務について引受けを停止することができるほか、清算資格の取消しを行うことが可能となっております。

また、清算参加者のポジションの状況も定期的にモニタリングしており、一部の清算参加者に対する過度な信用リスクの集中がないかを管理し、ポジションが過大である場合には、必要に応じて措置を検討しております。

 

担保制度

清算参加者の決済不履行による損失に備えるため、清算参加者に担保の預託を求めております。担保には、清算基金3等の清算預託金、取引証拠金4、当初証拠金5及び変動証拠金6があり、定期的に十分性を確認するとともに、適宜、担保所要額の算出モデルの検証及び見直しを行っております。

また、担保として預託を受ける金銭又は代用有価証券に対して一定の適格要件を設定するとともに、日々担保価値の評価を行っております。

 

DVP(Delivery Versus Payment)決済

株式会社日本証券クリアリング機構と清算参加者との有価証券の決済は、仮に決済不履行が生じても「取りはぐれ」が生じることのないよう、証券と資金の授受をリンクさせ、代金の支払いが行われることを条件に証券の引渡しを行う(証券の引渡しが行われることを条件に代金の支払いを行う)DVP決済で行われております。

 

流動性の確保

清算参加者の決済不履行時に必要となる流動性を確保するため、資金決済銀行との間で流動性供給に関する契約を締結しております。

また、資金の流動性供給枠の十分性については、定期的に確認を行っております。

 

(損失補償制度の概要)

清算参加者が決済不履行を起こした場合、株式会社日本証券クリアリング機構は、当該清算参加者を当事者とする債務の引受け又は負担の停止並びに株式会社日本証券クリアリング機構が当該清算参加者に引き渡すべき有価証券及び金銭の引渡しを停止するとともに、引渡しを停止した有価証券及び金銭を、当該清算参加者の決済不履行の弁済に充当します。

 

以上の処理後においても、株式会社日本証券クリアリング機構の損失が解消されない場合には、以下に記載する方法により、損失の補填を行います。なお、この補填は、原則として、有価証券の売買、先物・オプション取引、店頭デリバティブ取引及び国債店頭取引のそれぞれの清算に係る損失7について、不履行清算参加者の清算資格に応じて、個別に行います。

 

決済不履行発生時の有価証券の売買及び先物・オプション取引の清算に係る損失については、次に掲げる順序により、補填を行います。

① 不履行清算参加者が預託している担保(当初証拠金、取引証拠金及び清算基金等)による補填

② 金融商品取引所等の損失補償による補填8

③ 株式会社日本証券クリアリング機構による補填

④ 不履行清算参加者以外の清算基金による補填

⑤ 不履行清算参加者以外による相互保証

 

したがって、清算参加者の決済不履行により、株式会社日本証券クリアリング機構に損失が生じた場合で、上記①の対応によっても、同社の損失を補填しえない場合には、②については、損失補償契約に定められた金額(現物取引:104億円、先物・オプション取引:174億円)を上限として、株式会社東京証券取引所又は株式会社大阪取引所が補填を行うことにより、また、③については、株式会社日本証券クリアリング機構が証券取引等決済保証準備金として積み立てた金額(200億円)を上限として補填を行うことにより、当社グループに損失が生じる可能性があります。

 

また、決済不履行発生時の店頭デリバティブ取引の清算に係る損失については、次に掲げる順序により、補填を行います。

① 不履行清算参加者が預託している担保(当初証拠金及び清算基金)による補填

② 株式会社日本証券クリアリング機構による補填(第一階層決済保証準備金)

③ 不履行清算参加者以外の清算参加者の清算基金及び株式会社日本証券クリアリング機構による補填(第二階層決済保証準備金)

④ 不履行清算参加者以外の清算参加者の特別清算料による補填

⑤ 破綻後における変動証拠金等の累計が勝ち方の不履行清算参加者以外の清算参加者による補填

 

したがって、清算参加者の店頭デリバティブ取引に係る決済不履行により、株式会社日本証券クリアリング機構に損失が生じた場合で、上記①までの対応によっても、同社の損失を補填しえないときには、それぞれの清算業務について、②については、株式会社日本証券クリアリング機構が第一階層決済保証準備金として積み立てている金額(各20億円)を上限として補填することにより、③については、株式会社日本証券クリアリング機構が第二階層決済保証準備金として積み立てている金額(クレジットデフォルトスワップ取引:10億円、金利スワップ取引:20億円)を上限として補填することにより、当社グループに損失が生じる可能性があります。

 

さらに、決済不履行発生時の国債店頭取引の清算に係る損失については、次に掲げる順序により、補填を行います。

① 不履行清算参加者が預託している担保(当初証拠金及び清算基金)による補填

② 株式会社日本証券クリアリング機構による補填(第一階層決済保証準備金)

③ 不履行清算参加者以外の清算参加者の清算基金及び株式会社日本証券クリアリング機構による補填(第二階層決済保証準備金)

④ 不履行清算参加者以外の清算参加者の特別清算料による補填

⑤ 原取引按分清算参加者9の清算基金及び株式会社日本証券クリアリング機構による補填(第二階層決済保証準備金のうち③での未負担額)

⑥ 原取引按分清算参加者の特別清算料による補填

⑦ 破綻後における変動証拠金等の累計が勝ち方の不履行清算参加者以外の清算参加者による補填

 

したがって、清算参加者の国債店頭取引に係る決済不履行により、株式会社日本証券クリアリング機構に損失が生じた場合で、上記①までの対応によっても、同社の損失を補填しえないときには、②については、株式会社日本証券クリアリング機構が第一階層決済保証準備金として積み立てている17.5億円を上限として補填することにより、③及び⑤については、株式会社日本証券クリアリング機構が第二階層決済保証準備金として積み立てている17.5億円を上限として補填することにより、当社グループに損失が生じる可能性があります。

 

1 有価証券の売買を行うための金融商品取引所:東京証券取引所、名古屋証券取引所、札幌証券取引所及び福岡証券取引所

2 PTS:SBIジャパンネクスト証券株式会社及びチャイエックス・ジャパン株式会社が運営するPTS

3 清算基金:清算参加者の株式会社日本証券クリアリング機構に対する債務の履行を確保するため、清算参加者に預託を義務付けているものです。その所要額は、極端ではあるが現実に起こりうる市場環境下において複数の清算参加者が決済不履行を起こした場合等に、当該不履行清算参加者が預託する証拠金等が不足することで発生する損失をカバーするよう計算されます。

4 取引証拠金:清算参加者の株式会社日本証券クリアリング機構に対する先物・オプション取引に係る債務の履行を確保するため、清算参加者に預託を義務付けているもので、その所要額は、先物・オプション取引の建玉について、SPAN®※で計算した額から、ネット・オプション価値の総額を差し引いて得た額以上となります。

※ SPAN® :CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が開発した証拠金計算方法で、The Standard Portfolio Analysis of Riskの略。先物・オプション取引全体の建玉から生じるリスクに応じて証拠金額が計算されます。

5 当初証拠金:各清算参加者の株式会社日本証券クリアリング機構に対する債務の履行を確保するため、清算参加者に預託を義務付けているもので、その所要額は、それぞれの取引について清算参加者が破綻した場合に、そのポジション処理が完了するまでの間に価格(金利スワップ取引についてはイールド・カーブ)が変動することにより想定される損失額に、一定のリスクをカバーする額を加算して計算されます。

6 変動証拠金:各清算参加者のポジションについて、日々の価格変動をカバーするために、前日からのポジションの価値の変動分を、変動証拠金として現金により授受します。変動分が負となる清算参加者は株式会社日本証券クリアリング機構に支払い、正となる清算参加者は株式会社日本証券クリアリング機構から受け取ります。

7 株式会社日本証券クリアリング機構では、クロスマージン制度を導入しており、当該制度の対象とされた国債証券先物取引に係る損益については、店頭デリバティブ取引(金利スワップ取引)の清算に係る損益として取り扱われます。

8 金融商品取引所等の損失補償による補填:株式会社日本証券クリアリング機構が金融商品取引所等との間で締結している損失補償契約に基づき、当該契約に定める金額を上限に損失を補填します。現物取引に係る契約は株式会社日本証券クリアリング機構と5つの金融商品取引所との契約に加え、株式会社日本証券クリアリング機構と各PTSとの契約があり、補償限度額は合計で113億円(うち当社グループである株式会社東京証券取引所と株式会社大阪取引所の補償限度額の合計は104億円。)となっております。また、先物・オプション取引に係る契約は株式会社日本証券クリアリング機構と株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所との契約で、補償限度額は合計で174億円となっております。

原取引按分清算参加者:信託口を有する清算参加者をいいます。

 

 

 

8.保有するシンガポール取引所株式について

当社グループは、事業上の提携関係の強化などを通じて中長期的に当社グループの企業価値向上の効果が期待される場合、他の上場会社の発行する株式を保有することがあります。

このような方針のもと、当社グループは、2007年6月に、シンガポール取引所との緊密な提携関係の構築を目的として、シンガポール取引所に上場する同社株式53,051千株を取得(発行済株式の4.99%に相当。取得金額374億円)しましたが、同社株式の下落に伴い、2009年3月に207億円の投資有価証券評価損を計上しております。

その後も、シンガポール取引所との提携関係の強化を念頭に同社株式を継続的に保有しており、2014年12月4日には、相互協力に係る趣意書(LOI)を締結するなど、相互の企業価値向上に資する各種施策の検討・協力等を推進しております。当社グループでは、今後もシンガポール取引所との間で、当社グループの企業価値向上に資する連携等について協議を進めていく方針ですが、シンガポール取引所株式の株価や為替の変動は、当社グループの資本や包括利益に影響を及ぼす可能性があります。

 

9.契約等に関するリスク

シカゴ・マーカンタイル取引所とのSPAN利用に関するライセンス契約について

株式会社日本証券クリアリング機構は、先物・オプション取引の証拠金を受け入れておりますが、証拠金計算方式として、シカゴ・マーカンタイル取引所が開発したSPAN方式を採用しております。

同方式を採用するに際し、シカゴ・マーカンタイル取引所との間でSPANの利用に関するライセンス契約を締結しておりますが、不測の事態により当該契約が解消された場合には、SPAN方式に代わる証拠金計算方式の採用に伴うシステム改造負担等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 株式会社日本経済新聞社との日経平均株価利用許諾契約について

当社グループのデリバティブ市場の主力商品である日経平均株価先物、日経225mini及び日経平均株価オプションに関しては、原資産である日経平均株価の利用許諾について株式会社日本経済新聞社との間で利用許諾契約を締結しております。

株式会社大阪取引所は株式会社日本経済新聞社に対し、日経平均株価先物取引、日経225mini及び日経平均株価オプション取引に関する利用許諾契約に基づき、契約基本料の他、取引高に応じて月額対価を支払っております。当該契約は、一方の当事者による契約義務不履行の場合や、議決権の過半数の株式譲渡又は取得、合併といった事由による当該契約関連事業の支配権に重大な変動が生じた場合等には、他方の当事者が通知を行うことにより当該契約を解約することができる内容となっておりますが、一方の当事者が契約を終了させる通知を行わない場合は、現在締結している契約の満了日である2020年12月末から5年間ずつ自動更新されることとなっております。また、株式会社日本経済新聞社はやむを得ない事由が生じたときは、株式会社大阪取引所の了承を条件に日経平均株価の編集及び公表を廃止することができます。仮に上記の事由により、当該契約が終了した場合、株式会社大阪取引所は日経平均株価先物取引、日経225mini及び日経平均株価オプション取引の中断、あるいは中止を余儀なくされ、この場合、当社グループの経営成績が大きな影響を受ける可能性があります。

その他、当該契約に関して、当社グループの経営成績が大きな影響を受ける可能性がある事態が生じる場合としては、以下のようなものが考えられます。

・ 利用許諾料については当該契約の他に別途締結している覚書により、契約基本料の他、1先物取引及び1オプション取引当たり一定額を月額対価として株式会社大阪取引所が株式会社日本経済新聞社へ支払うこととなっておりますが、当該覚書の内容については、株式会社大阪取引所と株式会社日本経済新聞社が協議のうえ、変更される可能性があります。当該利用許諾料が大幅に変更された場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

・ 当該契約は独占契約ではないため、今後、国内外において株式会社大阪取引所以外の者が株式会社日本経済新聞社との間で日経平均株価利用許諾契約を締結し、利用権を取得する可能性があります。株式会社大阪取引所以外の者が日経平均株価の利用権を取得し国内外において日経平均株価先物・オプション取引を行い、その利便性が高い等の事情により大阪取引所市場の取引高が減少した場合、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

10.訴訟等に関するリスク

① 法令遵守に関するリスク

当社グループでは、情報漏えいをはじめ、役職員の故意又は過失による法令違反行為を防止するための取組みに注力しておりますが、これらの取組みがすべての法令違反行為の発見・防止に対して有効であるとは限らず、役職員による法令違反行為を常に排除できるとは限りません。

役職員による法令違反行為が現実のものとなった場合には、監督官庁からの行政処分や市場利用者等からの損害賠償請求等、行政上又は司法上の制裁が科される可能性があるとともに、社会的信用の低下等により、当社グループの事業運営に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

② 訴訟に関するリスクについて

当社グループの事業は様々な法的責任に晒されており、これらには、役職員等又はコンピュータ・システムによる業務運営の中で、過誤が発生するリスク(いわゆるオペレーショナル・リスク)の顕在化による法的責任も含まれます。

オペレーショナル・リスクには、例えば次のようなものが考えられます。

・ 役職員が法令や当社グループの定款、業務規程その他の諸規則等に定められた適正な業務遂行(必要な市場規制措置等)を過誤等により怠る又は誤った措置を行うリスク

・ 障害や大規模災害によるシステム停止又はシステムに誤作動が発生するリスク

・ 役職員又はシステム運用業務委託先の過誤等により取引が中断されるリスク

・ 当社グループが算出を行っているTOPIX等の株価指数や統計情報等、配信を行う各種情報に誤謬が生じるリスク

 

上記のリスクが顕在化した場合には、監督官庁から処分等を科される可能性があるとともに、損害を被った市場利用者から損害賠償等を求められる可能性もあります。

当社グループでは、規則や契約等において、利用者が損害を受けた場合であっても、当社グループに故意又は重過失がある場合を除き、損害賠償の責を負わない旨を定めておりますが、オペレーショナル・リスクの顕在化を含むなんらかの要因により訴訟が提起された場合には、訴訟費用が多額にのぼる可能性があるとともに、訴訟において当社グループに不利な決定がなされた場合には、訴訟に伴う損害賠償のみならず、社会的な信用の低下等を通じて、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

11.レピュテーショナル・リスク

当社グループでは、社会的な信用力やブランド力を、競争力の源泉の一つとして認識しております。

当社グループの社会的な信用は、システム及び自主規制業務等における過誤等、当社グループに起因する様々な要因のみならず、取引参加者や上場会社等の市場参加者又はその他の第三者による不法行為等によっても毀損される可能性があります。

当社グループの社会的な信用の毀損は、取引高の減少や発行会社の当社グループが開設する市場への上場を妨げる要因となる可能性があり、ひいては、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 

契約内容

相手方の名称

契約会社名

契約期間

備考

日経平均先物取引、ミニ日経平均先物取引及び日経平均オプション取引に係る「日経平均株価」の利用許諾に関する契約

株式会社日本経済新聞社

株式会社大阪取引所

2011年1月1日から5年間

以後5年毎に自動更新

 

SPANの利用に係るライセンス契約

Chicago Mercantile

Exchange

株式会社日本証券クリアリング機構

2004年2月2日

Click XT(各種デリバティブ商品に係るソフトウェア)に係るライセンス契約

OMX TECHNOLOGY AB

株式会社大阪取引所

2009年9月18日から2016年7月26日まで

 

J-GATEの運用保守契約

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

株式会社大阪取引所

2010年10月16日から

2016年7月31日まで

 

※ 期間の定めのない契約のため、契約の効力発生日を記載しております。

 

 

 

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針等の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、将来に生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。

 この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表-連結財務諸表注記-3.重要な会計方針」に記載しております。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

(営業収益の状況)

①取引関連収益

取引関連収益は、現物の売買代金及びデリバティブの取引高等に応じた「取引料」、取引参加者の取引資格に応じた「基本料」、注文件数に応じた「アクセス料」、利用する売買システム施設の種類に応じた「売買システム施設利用料」等から構成されます。

当連結会計年度の取引関連収益は、現物の売買代金、デリバティブの取引高ともに前年同期を上回る状況で推移したことなどから、前年同期比7.7%増の524億71百万円となりました。

 

・取引関連収益の内訳

     (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

 至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

 至 2016年3月31日)

 

 

 増減(%)

取引関連収益

48,698

52,471

7.7

 

取引料

40,221

43,294

7.6

 

 

現物

28,705

30,783

7.2

 

 

デリバティブ

11,515

12,510

8.6

 

 

 TOPIX先物取引

1,816

1,934

6.5

 

 

 日経平均株価先物取引(注1)

4,382

5,136

17.2

 

 

日経平均株価指数オプション取引(注2)

3,374

3,543

5.0

 

 

 長期国債先物取引

1,679

1,597

△4.9

 

 

 その他

261

298

14.0

 

基本料

1,067

1,061

△0.6

 

アクセス料

4,730

5,165

9.2

 

売買システム施設利用料

2,600

2,854

9.8

 

その他

79

95

20.3

(注1) 日経225mini先物取引を含めております。

(注2) Weeklyオプション取引を除きます。

 

<参考>

・株券の売買代金及びデリバティブの取引高等(立会内外含む)

 

 

1 日 平 均

期 間 合 計

 

 

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

 至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

 至 2016年3月31日)

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

 至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

 至 2016年3月31日)

 

 

 

 

増減(%)

 

 

増減(%)

<現物>

 

 

 

 

 

 

 

東証市場第一部・二部

売買代金

(百万円)

2,440,775

2,914,804

19.4

600,430,531

714,126,887

18.9

 

マザーズ

売買代金

(百万円)

132,852

97,914

△26.3

32,681,486

23,988,944

△26.6

 

JASDAQ

売買代金

(百万円)

90,500

70,338

△22.3

22,263,088

17,232,911

△22.6

 

ETF・ETN等

売買代金

(百万円)

154,587

286,770

85.5

38,028,473

70,258,699

84.8

 

REIT等

売買代金

(百万円)

37,697

42,805

13.6

9,273,536

10,487,342

13.1

<デリバティブ>

 

 

 

 

 

 

 

TOPIX先物

取引高

(単位)

84,785

93,824

10.7

20,857,097

22,986,847

10.2

 

日経平均株価

先物取引高

(単位)

104,037

120,358

15.7

25,593,103

29,487,683

15.2

 

日経225mini

先物取引高

(単位)

825,281

1,100,776

33.4

203,019,042

269,690,101

32.8

 

日経平均株価指数

オプション取引

金額

(百万円)(注)

27,848

30,690

10.2

6,850,730

7,519,072

9.8

 

長期国債先物

取引高

(単位)

36,745

34,658

△5.7

9,039,247

8,491,325

△6.1

(注)Weeklyオプション取引を除きます。

 

②清算関連収益

清算関連収益は、株式会社日本証券クリアリング機構が行う金融商品債務引受業に関する清算手数料等から構成されます。

当連結会計年度の清算関連収益は、主要な清算対象である現物、デリバティブの売買が増加したことなどから、前年同期比15.2%増の231億40百万円となりました。

③上場関連収益

上場関連収益は、新規上場や上場会社の新株券発行の際に発行額に応じて受領する料金等から構成される「新規・追加上場料」及び時価総額に応じて上場会社から受領する料金等から構成される「年間上場料」に区分されます。

当連結会計年度の上場関連収益は、新規・追加上場料及び年間上場料がともに増加し、前年同期比8.2%増の132億50百万円となりました。

 

・上場関連収益の内訳

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

  至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

 

 

増減(%)

上場関連収益

12,249

13,250

8.2

 

新規・追加上場料

4,762

5,330

11.9

 

年間上場料

7,486

7,919

5.8

 

<参考>

・上場会社数並びにETF、ETN及びREITの上場銘柄数

 

 

 

(単位:社、銘柄)

 

新規上場会社(銘柄)数

上場会社(銘柄)数

 

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

  至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

 至 2016年3月31日)

前連結会計年度末

(2015年3月31日)

当連結会計年度末

(2016年3月31日)

 

 

 

増減

 

 

増減

東証市場第一部・第二部

23

23

0

2,421

2,492

71

マザーズ

57

58

1

213

225

12

JASDAQ

11

14

3

834

786

△48

TokyoPro Market

5

4

△1

11

14

3

合計

96

99

3

3,479

3,517

38

ETF・ETN

31

21

△10

209

225

16

REIT

7

4

△3

51

53

2

(注) 新規上場会社(銘柄)数は、テクニカル上場(合併や株式移転等により設立された会社(銘柄)の新規上場)に係る会社(銘柄)数を除いております。

 

・上場会社の資金調達額

                                  (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

 至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

 

 

 

増減(%)

上場会社の資金調達額

1,345,833

994,291

△26.1

(注) 東証市場における公募(新規上場時の公募を含む。)、第三者割当及び株主割当による資金調達の合計金額

 

④情報関連収益

情報関連収益は、情報ベンダー等への相場情報の提供に係る収益(相場情報料)のほか、指数ビジネスに係る収益及びコーポレートアクション情報等の各種情報の提供に係る収益から構成されます。

当連結会計年度の情報関連収益は、相場情報料が増加したことに加え、指数ビジネスに係る収益が増加したことなどから、前年同期比8.6%増の177億6百万円となりました。

 

⑤その他の営業収益

その他の営業収益は、売買・相場報道等の各種システムと取引参加者・ユーザをつなぐarrownetに係る利用料、注文の送信時間等の短縮による売買執行の効率化を目的として、システムセンター内に取引参加者及び情報ベンダー等が機器等を設置するコロケーションサービスに係る利用料、並びに株式会社東証システムサービスが行うシステム開発・運用収益等から構成されます。

当連結会計年度のその他の営業収益は、システム開発・運用収益が減少したことなどから、前年同期比6.9%減の82億8百万円となりました。

 

・その他の営業収益の内訳

                                     (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2014年4月1日

  至 2015年3月31日)

当連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

 

 

増減(%)

その他の営業収益

8,815

8,208

△6.9

 

arrownet利用料

2,550

2,316

△9.2

 

コロケーション利用料

2,613

2,886

10.4

 

その他

3,651

3,005

△17.7

(注) 前連結会計年度におけるarrownet利用料は、ネットワーク回線統合前の株式会社大阪取引所が提供するGATENETに係る収益を含んでおります。

 

(営業費用の状況)

当連結会計年度の人件費は、前年同期比7.7%増の164億37百万円となりました。

システム維持・運営費は、現物及びデリバティブの売買システムをはじめとした各種システムの維持及び管理運用に係る費用等から構成されます。当連結会計年度のシステム維持・運営費は、前期に清算システム及びネットワーク回線の統合を実施したことなどにより、前年同期比4.7%減の94億80百万円となりました。

減価償却費及び償却費は、前期に旧現物売買システムの初期投資に係る減価償却が完了したことなどから、前年同期比7.7%減の99億73百万円となりました。

その他の営業費用は、東京証券取引所ビルの賃料の引下げにより、当連結会計年度は前年同期比10.8%減の150億34百万円となりました。

(3)財政状態に関する分析

(資産、負債及び資本の状況)

 当社グループの資産及び負債には、株式会社日本証券クリアリング機構が清算機関として引き受けた「清算引受資産・負債」及び清算参加者から担保として預託を受けた「清算参加者預託金」が両建てで計上されております。「清算引受資産・負債」及び「清算参加者預託金」は、多額かつ清算参加者のポジションなどにより日々変動することから、当社グループの資産及び負債の額は、これらの変動に大きな影響を受けます。その他、金融商品取引の安全性を確保するための諸制度に基づく「信認金」、「取引参加者保証金」及び「違約損失積立金」が資産及び負債または資本に両建てで計上されております。

 当連結会計年度末の資産は、「清算引受資産」が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1兆8,000億4百万円増加し、29兆5,467億76百万円となりました。また、「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」を控除した後の資産は、前連結会計年度末に比べ252億2百万円増加し、3,133億51百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債は、資産と同様に「清算引受負債」が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1兆7,786億57百万円増加し、29兆2,838億64百万円となりました。一方、「清算引受負債」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「取引参加者保証金」を控除した後の負債は、前連結会計年度末日に比べ38億64百万円増加し、709億58百万円となりました。

 当連結会計年度末の資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に伴う利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ213億46百万円増加し、2,629億12百万円となりました。また、違約損失積立金を控除した後の資本は、2,349億64百万円となりました。

 

<参考>

 

資産合計

資本合計

親会社所有者に

帰属する持分

親会社所有者

帰属持分比率

 

2016年3月期

2015年3月期

百万円

29,546,776 (313,351)

27,746,771 (288,149)

百万円

262,912 (234,964)

241,565 (213,617)

百万円

257,194 (229,246)

235,611 (207,663)

0.9 (73.2)

0.8 (72.1)

 

 

親会社所有者帰属持分

当期利益率

資産合計

税引前利益率

1株当たり親会社

所有者帰属持分

 

2016年3月期

2015年3月期

18.2 (20.5)

15.6 (17.8)

0.2 (22.5)

0.2 (19.6)

円 銭

468.43 (417.52)

429.11 (378.21)

(注)  各指標における( )内は、資産合計は「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」、資本合計及び親会社所有者に帰属する持分は、「違約損失積立金」をそれぞれ控除して算出した数値であります。

 

(キャッシュ・フローの状況)

キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況-1 業績等の概要-(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況-4 事業等のリスク」に記載しております。