第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

 

国際会計基準

決算年月

2014年3月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

営業収益

(百万円)

113,846

106,167

114,776

107,885

120,711

税引前利益

(百万円)

54,786

54,887

67,774

60,604

72,990

親会社の所有者に帰属する当期利益

(百万円)

33,304

34,427

44,877

42,124

50,484

親会社の所有者に帰属する当期包括利益

(百万円)

33,954

40,863

41,902

41,676

50,208

親会社の所有者に帰属する持分

(百万円)

207,101

235,611

257,194

257,955

273,771

総資産額

(百万円)

17,479,946

27,746,771

29,546,776

41,288,932

41,316,341

1株当たり親会社所有者帰属持分

(円)

377.19

429.11

468.43

477.31

510.99

基本的1株当たり当期利益

(円)

60.66

62.70

81.74

77.00

94.17

希薄化後1株当たり当期利益

(円)

親会社所有者帰属持分比率

(%)

1.2

0.8

0.9

0.6

0.7

親会社所有者帰属持分当期利益率

(%)

17.1

15.6

18.2

16.4

19.0

株価収益率

(倍)

20.8

27.8

21.1

20.6

20.9

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

62,722

37,346

61,069

47,462

66,018

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

30,035

5,563

33,591

19,330

26,164

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

71,362

22,364

21,030

21,119

34,393

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

50,713

60,114

66,547

73,553

78,999

従業員数

(名)

1,161

1,131

1,088

1,085

1,093

(注)1.営業収益には、消費税等は含まれておりません。

2.希薄化後1株当たり当期利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3.2015年3月期より国際会計基準(以下、「IFRS」という。)に基づいて連結財務諸表を作成しております。

4.2013年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき5株の割合をもって株式分割を行い、2015年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割を行っております。そのため、2014年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり親会社所有者帰属持分及び基本的1株当たり当期利益を算出しております。

 

 

 

日本基準

決算年月

2014年3月

2015年3月

営業収益

(百万円)

116,251

106,232

経常利益

(百万円)

52,801

51,912

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

29,835

31,421

包括利益

(百万円)

28,990

38,110

純資産額

(百万円)

202,018

228,771

総資産額

(百万円)

1,403,713

2,047,974

1株当たり純資産額

(円)

357.60

405.81

1株当たり当期純利益

(円)

54.34

57.23

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

14.0

10.9

自己資本利益率

(%)

16.0

15.0

株価収益率

(倍)

23.2

30.4

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

62,722

37,346

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

30,035

5,563

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

71,362

22,364

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

50,713

60,114

従業員数

(名)

1,161

1,131

(注)1.営業収益には、消費税等は含まれておりません。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3.2013年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき5株の割合をもって株式分割を行い、2015年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割を行っております。そのため、2014年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算出しております。

 

<参考>

 当社グループの資産及び負債には、連結子会社である株式会社日本証券クリアリング機構が清算機関として引き受けた「清算引受資産・負債」及び清算参加者から担保として預託を受けた「清算参加者預託金」が両建てで計上されております。「清算引受資産・負債」及び「清算参加者預託金」は、多額かつ清算参加者のポジションなどにより日々変動することから、当社グループの資産及び負債の額は、これらの変動に大きな影響を受けます。その他、金融商品取引の安全性を確保するための諸制度に基づく「信認金」、「取引参加者保証金」及び「違約損失積立金」が資産及び負債または資本に両建てで計上されております。

 連結経営指標等のうち、これらの資産及び負債または資本を控除した数値は、以下のとおりです。

 

国際会計基準

決算年月

2014年3月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

親会社の所有者に帰属する持分

(百万円)

179,153

207,663

229,246

230,006

245,823

総資産額

(百万円)

273,314

288,149

313,351

330,089

354,618

1株当たり親会社所有者帰属持分

(円)

326.29

378.21

417.52

425.60

458.83

親会社所有者帰属持分比率

(%)

65.5

72.1

73.2

69.7

69.3

親会社所有者帰属持分当期利益率

(%)

20.0

17.8

20.5

18.3

21.2

(注)1.総資産額は「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」、親会社所有者に帰属する持分は、「違約損失積立金」をそれぞれ控除して算出した数値であります。

2.2013年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき5株の割合をもって株式分割を行い、2015年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割を行っております。そのため、2014年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり親会社所有者帰属持分を算出しております。

 

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第13期

第14期

第15期

第16期

第17期

決算年月

2014年3月

2015年3月

2016年3月

2017年3月

2018年3月

営業収益

(百万円)

12,248

33,102

35,072

47,887

41,119

経常利益

(百万円)

8,444

28,747

31,309

43,682

36,441

当期純利益

(百万円)

7,380

27,728

30,275

42,774

35,503

資本金

(百万円)

11,500

11,500

11,500

11,500

11,500

発行済株式総数

(株)

274,534,550

274,534,550

549,069,100

549,069,100

536,351,448

純資産額

(百万円)

81,221

102,104

110,107

111,061

111,970

総資産額

(百万円)

165,956

215,218

230,071

244,641

252,081

1株当たり純資産額

(円)

147.93

185.96

200.54

205.50

208.99

1株当たり配当額

(円)

107

50

71

47

67

(内、1株当たり中間配当額)

(円)

(80)

(18)

(42)

(21)

(24)

1株当たり当期純利益

(円)

13.44

50.50

55.14

78.19

66.22

潜在株式調整後1株当たり当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

48.9

47.4

47.9

45.4

44.4

自己資本利益率

(%)

8.9

30.3

28.5

38.7

31.8

株価収益率

(倍)

93.7

34.5

31.3

20.3

29.7

配当性向

(%)

160.0

49.5

90.7

60.1

101.2

従業員数

(名)

209

219

208

197

193

(注)1.営業収益には、消費税等は含まれておりません。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

3.2013年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき5株の割合をもって株式分割を行い、2015年10月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割を行っております。そのため、2014年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益を算出しております。

4.2018年3月期の1株当たり配当額には、記念配当10円が含まれております。

 

2【沿革】

当社は、2013年1月1日に、株式会社大阪証券取引所(存続会社)と株式会社東京証券取引所グループとの合併(同日付で商号を「株式会社日本取引所グループ」に変更。)により、発足しました。

 

 (合併存続会社である株式会社大阪証券取引所の沿革)

1878年6月

大阪株式取引所設立免許(大阪証券取引所の前身)

1949年4月

大阪証券取引所(会員組織)設立(同年5月に株券の売買を開始)

1956年4月

債券の売買を開始

1961年10月

市場第二部制度を導入

1966年10月

国債の売買を開始

1974年9月

相場情報伝達システム稼働

1983年11月

市場第二部特別指定銘柄制度(新二部市場)導入

1988年9月

日経平均株価先物取引を開始

1989年6月

日経平均株価オプション取引を開始

1991年12月

カントリーファンド売買取引を開始

1994年2月

日経300先物取引・オプション取引を開始

1996年4月

日経300先物限月間スプレッド取引を開始

1996年10月

外国株券上場制度を導入(1997年8月売買取引開始)

1997年5月

日経平均株価先物限月間スプレッド取引を開始

1997年7月

株券オプション取引を開始(2008年4月 個別証券オプションに名称変更)

1997年12月

株券に関する立会外取引制度導入

1999年1月

J-NET(相対)市場開設(同月売買開始)

1999年7月

立会場廃止

2000年5月

ナスダック・ジャパン市場を開設(同年6月売買開始)

2000年6月

東京事務所設置

2001年3月

京都証券取引所と合併

2001年4月

株式会社大阪証券取引所に組織変更

2001年6月

株価指数連動型上場投資信託受益証券(ETF)上場制度を導入(同年7月売買開始)

2001年12月

ベンチャーファンド上場制度を導入(2002年1月売買開始)

2002年9月

東京事務所を東京支社に変更

2002年11月

市場間監視グループ(ISG)に加入

2002年12月

ナスダック・ジャパン市場をニッポン・ニュー・マーケット-「ヘラクレス」に変更

2003年1月

デリバティブの清算機関として有価証券債務引受業を開始

株式会社日本証券クリアリング機構を株券等の清算機関に指定

2004年4月

株式を「ヘラクレス」に上場

2005年4月

Russell/Nomura Prime インデックス先物取引を開始

2006年7月

日経225mini取引を開始

2006年10月

株式分割の実施(1:3)

2007年9月

デリバティブ市場におけるイブニング・セッションの開始

2007年10月

金融商品取引法に基づく自主規制委員会を設置

2008年12月

株式会社ジャスダック証券取引所株式の76.1%を取得し同社を子会社化

 

 

2009年7月

取引所外国為替証拠金取引(大証FX)を開始(2014年10月取引休止)

2009年9月

株式会社ジャスダック証券取引所の全株式を取得し同社を完全子会社化

2010年4月

株式会社ジャスダック証券取引所を吸収合併

2010年10月

新JASDAQ市場開設(「ヘラクレス」、JASDAQ及びNEOを市場統合)

2011年2月

デリバティブ売買システム「J-GATE」を稼働

2011年7月

デリバティブ市場におけるナイト・セッションの開始

2011年11月

株式会社東京証券取引所グループとの経営統合に関する合意

2012年2月

日経平均ボラティリティー・インデックス先物取引を開始

2012年5月

大証NYダウ先物取引を開始

2012年8月

株式会社東京証券取引所グループによる公開買付けにより、同社の連結子会社となる

2012年9月

新大証設立準備株式会社(現株式会社大阪取引所)を設立

2012年10月

株式会社東京証券取引所グループと合併契約を締結(2013年1月1日)

2013年1月

株式会社東京証券取引所グループと合併

「株式会社日本取引所グループ」に商号変更

会社分割により金融商品取引所事業を新大証設立準備株式会社に承継

新大証設立準備株式会社は、「株式会社大阪証券取引所」に商号変更

 

株式を東京証券取引所 市場第一部に上場

2013年7月

大阪証券取引所の現物市場、清算機能及び自主規制機能をそれぞれ東京証券取引所の現物市場、日本証券クリアリング機構、東京証券取引所自主規制法人に統合

2013年10月

株式分割の実施(1:5)

株式会社日本証券クリアリング機構、株式会社日本国債清算機関と合併

2014年1月

JPX日経インデックス400の算出・公表を開始

2014年3月

東京証券取引所のデリバティブ市場を大阪証券取引所のデリバティブ市場に統合

株式会社大阪証券取引所が、「株式会社大阪取引所」に商号変更

2014年4月

東京証券取引所自主規制法人が、「日本取引所自主規制法人」に名称変更

2014年7月

中国銀行と包括的な協力協定を締結

2014年8月

東京証券取引所、LEI(Legal Entity Identifier)指定業務を開始

2014年11月

香港駐在員事務所を開設

大阪取引所、JPX日経インデックス400先物取引を開始

2014年12月

ヤンゴン証券取引所設立のための合弁契約をミャンマー経済銀行、大和総研と締結(出資比率18.75%)。

2015年4月

東京証券取引所、インフラファンド市場開設

2015年5月

シンガポールに支店を開設(駐在員事務所を廃止)

大阪取引所、日経225オプションに係る限月取引を拡充(Weeklyオプションの導入)

2015年10月

株式分割の実施(1:2)

2016年3月

ヤンゴン証券取引所、取引開始

2016年7月

大阪取引所、東証マザーズ指数、台湾加権指数、FTSE中国50の先物取引及びJPX日経インデックス400オプション取引を開始

2017年3月

サウジ証券取引所(タダウル)と包括的な協力協定を締結

2017年12月

Sustainable Stock Exchanges Initiativeへ参加

2018年3月

韓国取引所及び台湾証券取引所と三社間協力協定を締結

 

(参考情報)

(株式会社東京証券取引所グループの沿革)

 

1878年5月

東京株式取引所設立免許(東京証券取引所の前身)

1949年4月

東京証券取引所(会員組織)設立(同年5月に株券の売買を開始)

1956年4月

債券の売買を開始

1961年6月

株式会社東京証券計算センター(現株式会社東証コンピュータシステム)設立

1961年10月

市場第二部制度を導入

1966年10月

国債の売買を開始

1969年7月

東証株価指数 (TOPIX) の算出・公表開始

1970年5月

転換社債の売買を開始

1973年12月

外国株の売買を開始

1974年9月

相場報道システム稼働

1985年10月

国債証券先物取引を開始

1986年5月

ニューヨーク調査員事務所(現駐在員事務所)開設

1986年6月

株式会社東京証券計算センターの子会社として株式会社東証システムサービスを設立

1988年9月

株価指数(TOPIX)先物取引を開始

1989年10月

株価指数(TOPIX)オプション取引を開始

1990年5月

国債証券先物オプション取引を開始

1990年7月

ロンドン調査員事務所(現駐在員事務所)開設

1991年10月

財団法人証券保管振替機構が株券保管振替業務を開始

1996年12月

シンガポール駐在員事務所開設

1997年7月

株券オプション取引を開始

1997年11月

株券及び転換社債券に係る立会外取引制度導入

1998年2月

債券売買立会場を閉場

1998年7月

TDnet(適時開示情報伝達システム)稼働

1999年4月

株券売買立会場を閉場

1999年11月

新興企業向け市場「マザーズ」を創設

2000年3月

広島証券取引所及び新潟証券取引所と合併

2001年7月

株価指数連動型投資信託受益証券(ETF)の売買を開始

2001年8月

証券会員制法人東京証券取引所に商号変更

2001年9月

不動産投資信託証券(REIT)の売買を開始

2001年11月

株式会社東京証券取引所に組織変更

2002年1月

財団法人証券保管振替機構の株式会社化に際し出資

2002年2月

株式会社東証システムサービスを子会社化

株式会社東証コンピュータシステムを非子会社化(関連会社化)

2002年7月

株式会社日本証券クリアリング機構を設立

2003年1月

株式会社日本証券クリアリング機構、業務開始(現物清算業務を移管)

2004年2月

株式会社日本証券クリアリング機構にデリバティブ清算業務を移管

2004年7月

株式会社ICJを日本証券業協会、Automatic Data Processing, Inc. (現 Broadridge Nederland Ⅱ B.V.)とともに設立。

 

 

2005年10月

TOPIXを浮動株ベースの指数に移行開始

2007年6月

シンガポール取引所株式を取得(所有割合:約4.99%)

2007年8月

株式会社東京証券取引所グループを設立(単独株式移転により設立)

2007年10月

東京証券取引所自主規制法人を設立(同年11月より業務開始)

2008年1月

ToSTNeT市場を創設(立会市場から独立)

北京駐在員事務所開設

2008年6月

ミニTOPIX、TOPIX Core30、東証REIT指数の先物取引を開始

2009年3月

ミニ長期国債先物取引を開始

2009年6月

株式会社TOKYO AIM取引所が取引所業務を開始(ロンドン証券取引所との共同出資)(2012年3月、ロンドン証券取引所が保有する全株式を取得。同年7月、株式会社東京証券取引所に吸収合併)

2009年10月

オプション取引にマーケットメイカー制度を導入

2010年1月

現物取引システム「arrowhead」を稼働

2010年7月

配当指数(日経平均・TOPIX・TOPIX Core30配当指数)先物取引を開始

2010年9月

株式会社日本証券クリアリング機構が株式会社日本国債清算機関株式を取得(所有割合:35.6%)

2011年7月

株式会社日本証券クリアリング機構、CDS清算業務を開始

2011年11月

株式会社大阪証券取引所との経営統合に関する合意

2012年8月

公開買付けにより、株式会社大阪証券取引所株式を取得(所有割合:66.7%)

2012年10月

株式会社日本証券クリアリング機構、金利スワップ取引清算業務を開始

2012年10月

株式会社大阪証券取引所と合併契約を締結(効力発生日:2013年1月1日)

2013年1月

株式会社大阪証券取引所と合併

 

3【事業の内容】

当社は、株式会社東京証券取引所、株式会社大阪取引所、日本取引所自主規制法人及び株式会社日本証券クリアリング機構を含む連結子会社5社並びに持分法適用関連会社3社を有する金融商品取引法上の金融商品取引所持株会社であり、当社グループは、株式会社東京証券取引所及び株式会社大阪取引所が開設する取引所金融商品市場の開設・運営を主な事業内容としております。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。

 

当社グループの特徴及び収益内容は、次のとおりです。

 

(1)当社グループの特徴について

① 現物市場

当社グループの現物市場の中核に位置づけられるのが、市場第一部、市場第二部、マザーズ及びJASDAQです。

これらの市場に上場する企業の時価総額合計(2018年3月末時点)は、世界の取引所の中で第3位、アジアでは最大の市場であり、日本国内における上場株式の売買代金の8割超を占めるなど、当社グループの現物市場は、世界でも有数の市場規模であるとともに、我が国証券市場のセントラル・マーケットとしての地位を確立しております。

近年、当社グループでは投資家の多様なニーズに応える観点から、上場商品の多様化に積極的に取り組み、少額、低コストで幅広い銘柄に分散投資することを可能にするETF及びETNのラインナップの拡充を推進しております。2018年3月末現在、現物市場には240銘柄以上が上場しており、国内の株価指数のみならず、外国株指数や原油、貴金属、農作物といったコモディティ、REIT指数やレバレッジ型指数に連動する商品など、多様な商品を提供しております。

また、当連結会計年度におきましては、国民の安定的な資産形成に対する重要性が高まっていることを背景に、少額分散投資に資する商品の一つであるETFの流動性を向上させるため、ETF市場におけるマーケットメイク制度の導入に向けた取組みを進めてまいりました。なお、同制度は、2018年7月2日から導入される予定です。今後も同市場の活性化に向けて精力的に取り組んでまいります。

 

② デリバティブ市場

当社グループのデリバティブ市場で取引を行うことができるデリバティブ取引には、指数先物取引、指数オプション取引、国債先物取引、国債先物オプション取引、有価証券オプション取引があります。また立会時間については、日中立会に加え、ナイト・セッションでの取引が可能です。

指数先物取引及び指数オプション取引には、国内外の指数を対象とする取引があり、中でも日経平均株価先物取引、日経225mini及び日経平均株価オプション取引、TOPIX先物取引は、我が国を代表するデリバティブ商品です。また、国債先物取引においては、長期国債先物取引が、その高い流動性から、長期金利市場の指標となっています。

当連結会計年度におきましては、国際的な店頭デリバティブ取引規制の導入を背景とした取引所取引のニーズの高まり等を踏まえ、新しい上場オプション取引の仕組みとして、「フレックス・オプション」のサービス導入に向けた市場の整備に取り組みました。なお、同サービスの導入は、2018年6月25日を予定しております。今後もデリバティブ市場の競争力の維持・強化に精力的に取り組んでまいります。
 

③ 取引システム

取引を円滑に行い、市場の安定性・信頼性を維持していくためには、システムの安定稼働が必須の要件となっております。また、金融テクノロジーの発達による取引手法の多様化・高度化や新商品の上場などに適切かつ機動的に対応し、市場利用者のニーズを実現していくためには、絶えずITインフラの整備を推進していく必要があります。

当社グループでは、現物市場の売買システムとして、高速性・信頼性・拡張性を兼ね備えた「arrowhead」を、デリバティブ市場の取引システムとして、世界標準の取引機能と世界水準の注文処理性能を兼ね備えた「J-GATE」をそれぞれ稼働しております。

投資家や取引参加者をはじめとした市場利用者にとっての信頼性・利便性をより向上させる観点から、2015年9月に「arrowhead」をリニューアルし、2016年7月に「J-GATE」を刷新いたしました。今後も更なる市場競争力の向上に向けた機能強化等の取組みを進めてまいります。

 

④ 情報サービス

当社グループでは、有価証券の売買及びデリバティブ取引に関する約定値段等の情報をその発生・変化の都度、即時に配信するとともに、株価情報等を基に算出した指数情報や各種統計情報も併せて、取引参加者や情報ベンダー等の市場参加者に提供しております。

また、上場会社の適時開示情報を検索できるサービスやコーポレート・アクション情報の提供等のサービスも行っており、市場参加者のニーズに応じて、各種市場情報の提供を行っております。

 

⑤ 自主規制機能

投資家が取引所金融商品市場に安心して参加するためには、市場が公正で信頼できるものである必要があり、市場の公正性・信頼性を確保するためには、自主規制機能が適切に発揮されることが不可欠です。

当社グループでは、持株会社の傘下に日本取引所自主規制法人を置き、“取引所の品質管理センター”として、市場の公正と信頼の維持を図っています。自主規制業務を、市場運営会社たる金融商品取引所とは別法人の形態の自主規制法人が行うことにより、市場に近い位置に身を置き、高い専門性を発揮すると同時に、中立性・実効性を確保しやすい組織体制を構築しています。

 

⑥ 清算・決済

投資家が取引所金融商品市場に安心して参加するためには、清算・決済が確実に行われることが極めて重要です。

株式会社日本証券クリアリング機構は、金融商品取引清算機関として、国内すべての金融商品取引所で成立した現物取引や株式会社大阪取引所のデリバティブ市場で成立した先物・オプション取引に係る清算業務を行うとともに、私設取引システム(PTS)を通じた売買、店頭デリバティブ取引及び国債店頭取引の清算業務も行っています。同社は、債権・債務の当事者となって決済の履行を保証するほか、有価証券と決済資金の効率的な授受のためのネッティングを行ったうえで、証券・資金の決済機関に対して振替指図を行っております。

さらに、株式会社証券保管振替機構は、振替機関として、証券会社や銀行等の間における有価証券の振替等を行っております。

 

(2)当社グループの収益内容について

内  訳

内  容

取引関連収益

売買代金・数量や注文件数に応じて取引参加者から得る収入など

清算関連収益

株式会社日本証券クリアリング機構が行う債務引受に係る収入など

上場関連収益

時価総額や増資の実施等に応じて上場会社から得る収入など

情報関連収益

取引参加者、情報ベンダー等への相場情報の提供料など

その他

arrownet利用料、コロケーション利用料など

 

当社グループの事業系統図は次頁のとおりです。

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4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な

事業の内容

議決権の所有割合

(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

株式会社東京証券取引所

(注)1,4

東京都中央区

 

11,500

 

有価証券の売買を行う取引所金融商品市場の開設

100.0

 

 

経営管理

設備賃貸借

役員の兼任6名

 

株式会社大阪取引所

(注)1,4

大阪府大阪市中央区

4,723

市場デリバティブ取引を行う取引所金融商品市場の開設

100.0

経営管理

役員の兼任5名

日本取引所自主規制法人

(注)1,2

東京都中央区

3,000

株式会社東京証券取引所等からの委託を受けて行う自主規制業務

100.0

経営管理

株式会社日本証券クリア

リング機構

(注)1,4

東京都中央区

8,950

金融商品債務引受業等

(注)5

役員の兼任2名

株式会社東証システム

サービス

東京都中央区

100

コンピュータシステムの開発受託等

100.0

(100.0)

役員の兼任1名

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

株式会社ICJ

東京都千代田区

200

機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームの運営

 

50.0

(50.0)

 

役員の兼任1名

株式会社東証コンピュータシステム

東京都江東区

400

情報処理事務の受託等

 

35.0

(35.0)

 

 

株式会社証券保管振替機構

東京都中央区

4,250

有価証券の振替に係る業務等

24.6

役員の兼任1名

(注)1.特定子会社に該当しております。

2.日本取引所自主規制法人の資本金の欄には、基本金の額を記載しております。

3.議決権の所有割合の( )内は、間接所有割合を内数で示しております。

4.株式会社東京証券取引所、株式会社大阪取引所及び株式会社日本証券クリアリング機構につきましては、営業収益(連結会社相互間の内部営業収益を除く。)の連結営業収益に占める割合が10%を超えております。

<主要な損益情報等(日本基準)>

 

株式会社東京証券取引所

株式会社大阪取引所

株式会社日本証券

クリアリング機構

(1) 営業収益

88,511百万円

18,059百万円

24,038百万円

(2) 経常利益

52,544百万円

7,818百万円

7,759百万円

(3) 当期純利益

36,491百万円

5,382百万円

5,364百万円

(4) 純資産額

120,998百万円

22,512百万円

57,410百万円

(5) 総資産額

152,635百万円

33,753百万円

3,657,376百万円

 

5.A種類株式99.2%、B種類株式100.0%、C種類株式60.4%、D種類株式52.9%

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

2018年3月31日現在

 

セグメントの名称

従業員数(人)

連結会社合計

1,093

(注)1.金融商品取引所事業の単一セグメントのため、連結会社の従業員数の合計を記載しております。

2.従業員数は、グループ外への出向者を除き、グループ外からの出向者を含んだ就業人員であります。

3.臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含みます。)は、当該臨時雇用者の総数が従業員数の100分の10未満であることから、記載を省略しております。

 

(2)提出会社の状況

2018年3月31日現在

 

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(円)

193

43.5

17.9

10,141,647

(注)1.従業員数は、グループ外への出向者を除き、グループ外からの出向者を含んだ就業人員であります。

2.臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員を含みます。)は、当該臨時雇用者の総数が従業員数の100分の10未満であることから、記載を省略しております。

3.平均年間給与は、グループ外からの受入出向者を除き、賞与及び基準外賃金を含んで算出しております。

 

(3)労働組合の状況

株式会社東京証券取引所には、東京証券取引所労働組合が組織されております。

また、株式会社大阪取引所には、大阪証券取引所労働組合と大阪証券労働組合の2つの労働組合が組織されております。

なお、労使関係に特記すべき事項はありません。