第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

前事業年度の有価証券報告書の提出日後、当四半期報告書の提出日までにおいて、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりです。変更箇所は下線で示しており、変更箇所の前後については記載を一部省略しています。

また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2.事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものです。

 

(前略)

2.事業環境等に関するリスク

(中略)

(2)金融市場の動向による影響について

① 収益構造の特徴等について

  当社グループの営業収益のうち、「取引関連収益」及び「清算関連収益」(それぞれ2020年3月期の連結営業収益に占める割合が39.3%、21.4%)は有価証券やデリバティブ商品の売買代金・取引高の水準に、「上場関連収益」(同11.6%)は上場する企業の時価総額や資金調達額、新規上場会社数の水準などにそれぞれ大きく依拠しております。

現在、景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい状況にあります。先行きについては、各種政策の効果もあって、極めて厳しい状況から持ち直しに向かうことが期待されるものの、国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。

(中略)
(3)競合による影響について

(中略)

③ 取引所間の経営統合について

取引所業界においては、情報通信技術の発展に伴うクロスボーダー取引の拡大や市場間競争の激化、取引所の株式会社化・上場を背景とした規模拡大や経営効率向上の取組強化、国際的な規制の調和の進展などを背景に、主に欧米地域を中心に、特に2000年代後半以降、主要取引所間での合従連衡の動きが顕著となりました。例えば2007年には、NYSEグループとユーロネクスト間及びNasdaqとOMX間の経営統合、ロンドン証券取引所によるイタリア取引所の買収などが実施され、その後も2012年のHKExによるロンドン金属取引所の買収、2013年のインターコンチネンタル取引所によるNYSEユーロネクストの買収(2014年にユーロネクストをスピンオフ)などが実現しています。欧州を中心に、ユーロネクストによるオスロ取引所の買収(2019年)やスイス取引所によるスペイン取引所の買収(2020年)など、足元でも取引所間統合の動きがありますが、一方で、経営統合を発表しながらも、規制当局による承認等が得られず、見送りとなった事例もこれまで少なからずあり、また昨今では、清算分野、IT関連や情報ビジネスなどビジネス領域の拡大を目的にした取引所による買収事例も増加しています。

(後略)

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

1.業績等の概要

(1)業績

当社グループの当第1四半期連結累計期間(2020年4月1日~2020年6月30日)の連結業績は、営業収益は326億66百万円(前年同期比12.4%増)、営業費用が152億35百万円(前年同期比11.7%増)となったため、営業利益は183億65百万円(前年同期比13.0%増)、税引前四半期利益は184億14百万円(前年同期比12.3%増)となりました。

また、法人所得税費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する四半期利益は120億82百万円(前年同期比12.8%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ77億79百万円減少し、641億3百万円となりました。

 

①営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益184億14百万円に、減価償却費及び償却費44億81百万円及び支払法人所得税等187億9百万円などを加減した結果、102億99百万円の収入となりました。

 

②投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、無形資産の取得による支出29億34百万円及び投資有価証券の売却による収入31億33百万円などにより、8億71百万円の支出となりました。

 

③財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより、172億26百万円の支出となりました。

 

2.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

本項に記載した予想、予見、見込み、見通し、方針等の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであり、将来に生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。

 

(1)当四半期連結累計期間の経営成績の分析

(営業収益の状況)

①取引関連収益

 取引関連収益は、現物の売買代金並びに金融デリバティブ及び商品デリバティブの取引高等に応じた「取引料」、取引参加者の取引資格に応じた「基本料」、注文件数に応じた「アクセス料」、利用する売買システム施設の種類に応じた「売買システム施設利用料」等から構成されます。

 当第1四半期連結累計期間の取引関連収益は、現物の売買代金及び金融デリバティブの取引高が前年同期を上回り、取引料が増加したことなどから、前年同期比23.3%増の136億30百万円となりました。

 

 

・取引関連収益の内訳

 

 

(単位:百万円)

 

前第1四半期

連結累計期間

(自 2019年4月1日

 至 2019年6月30日)

当第1四半期

連結累計期間

(自 2020年4月1日

 至 2020年6月30日)

 

 

 増減(%)

取引関連収益

11,057

13,630

23.3

 

取引料

8,735

11,175

27.9

 

 

現物

6,141

7,725

25.8

 

 

金融デリバティブ

2,593

2,920

12.6

 

 

 TOPIX先物取引

493

474

△4.0

 

 

 日経平均株価先物取引(注1)

1,038

1,340

29.1

 

 

日経平均株価指数オプション取引(注2)

559

823

47.3

 

 

 長期国債先物取引

467

232

△50.3

 

 

 その他

34

49

41.4

 

 

商品デリバティブ

530

 

基本料

249

258

3.7

 

アクセス料

1,149

1,283

11.7

 

売買システム施設利用料

901

887

△1.6

 

その他

21

25

17.1

(注1) 日経225mini先物取引を含めております。

(注2) Weeklyオプション取引を除きます。

 

②清算関連収益

 清算関連収益は、株式会社日本証券クリアリング機構が行う金融商品債務引受業及び株式会社日本商品清算機構が行う商品取引債務引受業に関する清算手数料等から構成されます。

 当第1四半期連結累計期間の清算関連収益は、前年同期比20.5%増の74億18百万円となりました。

 

③上場関連収益

 上場関連収益は、新規上場や上場会社の新株券発行の際に発行額に応じて受領する料金等から構成される「新規・追加上場料」及び時価総額に応じて上場会社から受領する料金等から構成される「年間上場料」に区分されます。

 当第1四半期連結累計期間の上場関連収益は、新規・追加上場料が減少したことなどから、前年同期比5.0%減の31億26百万円となりました。

 

・上場関連収益の内訳

 

 

 

(単位:百万円)

 

前第1四半期

連結累計期間

(自 2019年4月1日

 至 2019年6月30日)

当第1四半期

連結累計期間

(自 2020年4月1日

 至 2020年6月30日)

 

 

増減(%)

上場関連収益

3,290

3,126

△5.0

 

新規・追加上場料

734

432

△41.0

 

年間上場料

2,556

2,693

5.4

 

④情報関連収益

 情報関連収益は、情報ベンダー等への相場情報の提供に係る収益である相場情報料のほか、指数ビジネスに係る収益及びコーポレートアクション情報等の各種情報の提供に係る収益から構成されます。

 当第1四半期連結累計期間の情報関連収益は、相場情報料が増加したことなどから、前年同期比7.1%増の57億23百万円となりました。

 

⑤その他の営業収益

 その他の営業収益は、売買・相場報道等の各種システムと取引参加者・ユーザをつなぐarrownetに係る利用料、注文の送信時間等の短縮による売買執行の効率化を目的として、システムセンター内に取引参加者及び情報ベンダー等が機器等を設置するコロケーションサービスに係る利用料及び株式会社東証システムサービスが行うシステム開発・運用収益等から構成されます。

 当第1四半期連結累計期間のその他の営業収益は、前年同期比14.0%減の27億67百万円となりました。

 

・その他の営業収益の内訳

 

 

(単位:百万円)

 

前第1四半期

連結累計期間

(自 2019年4月1日

 至 2019年6月30日)

当第1四半期

連結累計期間

(自 2020年4月1日

 至 2020年6月30日)

 

 

増減(%)

その他の営業収益

3,218

2,767

△14.0

 

arrownet利用料

837

819

△2.1

 

コロケーションサービス利用料

1,019

1,025

0.6

 

その他

1,360

922

△32.2

 

(営業費用の状況)

 当第1四半期連結累計期間の人件費は、前年同期比11.3%増の45億82百万円となりました。

 システム維持・運営費は、現物及びデリバティブの売買システムをはじめとした各種システムの維持及び管理運用に係る費用等から構成されます。システム維持・運営費は、前年同期比9.8%増の32億23百万円となりました。

 減価償却費及び償却費は、前年同期比17.8%増の44億79百万円となりました。

 その他の営業費用は、前年同期比5.7%増の29億49百万円となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

(資産、負債及び資本の状況)

 当社グループの資産及び負債には、株式会社日本証券クリアリング機構及び株式会社日本商品清算機構が清算機関として引き受けた「清算引受資産・負債」及び清算参加者から担保として預託を受けた「清算参加者預託金」が両建てで計上されております。「清算引受資産・負債」及び「清算参加者預託金」は、多額かつ清算参加者のポジションなどにより日々変動することから、当社グループの資産及び負債の額は、これらの変動に大きな影響を受けます。その他、金融商品取引及び商品先物取引の安全性を確保するための諸制度に基づく「信認金」、「取引参加者保証金」及び「違約損失積立金」が資産及び負債または資本に両建てで計上されております。

 当第1四半期連結会計期間末の資産は、「清算引受資産」が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ6兆4,592億34百万円減少し、60兆8,270億68百万円となりました。また、「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」を控除した後の資産は、前連結会計年度末に比べ54億81百万円減少し、3,733億39百万円となりました。

 当第1四半期連結会計期間末の負債は、資産と同様に「清算引受負債」が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ6兆4,549億32百万円減少し、60兆5,259億94百万円となりました。また、「清算引受負債」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「取引参加者保証金」を控除した後の負債は、前連結会計年度末に比べ10億18百万円減少し、921億25百万円となりました。

 当第1四半期連結会計期間末の資本は、親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上により増加した一方、配当金の支払により減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ43億1百万円減少し、3,010億73百万円となりました。また、違約損失積立金を控除した後の資本は、2,731億25百万円となりました。

 

<参考>

 

資産合計

資本合計

親会社の所有者に

帰属する持分

親会社所有者

帰属持分比率

 

2021年3月期第1四半期

2020年3月期

百万円

60,827,068 (373,339)

67,286,302 (378,820)

百万円

301,073 (273,125)

305,375 (277,427)

百万円

293,747 (265,799)

298,228 (270,280)

0.5 (71.2)

0.4 (71.3)

(注) 各指標における( )内は、資産合計は「清算引受資産」、「清算参加者預託金」、「信認金」及び「違約損失積立金」、資本合計及び親会社の所有者に帰属する持分は、「違約損失積立金」をそれぞれ控除して算出した数値です。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

(キャッシュ・フローの状況)

キャッシュ・フローの状況については、「1.業績等の概要-(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(契約債務)

当第1四半期連結会計期間末現在における契約債務の概要は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

契約債務

合計

1年以内

1年超5年以内

5年超

借入金

32,500

32,500

社債

20,000

20,000

 

(4)経営方針、中期経営計画、経営環境及び対処すべき課題等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針、中期経営計画、経営環境及び当社グループが優先的に対処すべき課題等について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間において、該当事項はありません。

 

(6)経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの収益のうち、過半を占める「取引関連収益」及び「清算関連収益」は有価証券やデリバティブ商品の売買代金・取引高の水準に、「上場関連収益」は上場する企業の時価総額や資金調達額、新規上場会社数の水準などにそれぞれ大きく依拠しております。

現在、景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、極めて厳しい状況にあります。先行きについては、各種政策の効果もあって、極めて厳しい状況から持ち直しに向かうことが期待されるものの、国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。

当社グループの収益は、有価証券やデリバティブ商品の流通市場並びに発行市場の動向、ひいては世界的な金融市場の動向や国内外の経済情勢の影響を大きく受けることとなります。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。