第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営方針

  当社はオンライン金融事業を営むマネックス証券株式会社(日本)及びTradeStation Group, Inc.(米国)を中核的子会社として、その他国内外に金融関連の子会社・持分法適用会社を有する持株会社です。当社グループは、次に掲げる企業理念を基に、個人投資家の日々の生活及び資産形成に必要な総合金融サービスの提供を目指して参ります。

 

 ① 企業理念

  MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来の金融を表わしています。

  常に変化し続ける未来に向けて、マネックスグループは、最先端のIT技術、世界標準の金融知識を備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインし、更には新しい時代の金融を再定義し、全ての個人の投資・経済活動をサポートすることを目指します。

 

 ② 行動指針

  ・お客さまと社員の多様性を尊重します

  ・最先端のIT技術と金融知識の追究を惜しみません

  ・新しい価値を創造しステークホルダーに貢献します

 

  また、これらの企業理念の実現に向けた当社グループの活動状況は、当社が策定・開示している「ディスクロージャーポリシー」に従って情報を開示しており、機関投資家と個人投資家の間で情報の内容及び開示時期について格差が生じないよう留意しています。

 

(2) 目標とする経営指標

  当社グループは、個人投資家向けオンライン証券ビジネスを中心に事業を展開しています。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家が顧客層の中心であるため、「口座数」「稼動口座数」「預かり資産残高」を増加させることを目指しています。

  一方、米国セグメントにおいてはアクティブトレーダーを主要な顧客層とし、その顧客層を拡大させるため「DARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)」「稼働口座数」を増加させること、また預かり資産の運用により金融収益を得ているため「預かり資産残高」を増加させること等を目指しており、これらを経営指標としています。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

  当社グループは、2017年4月より実行してきた中長期的な会社の経営戦略「グローバル・ヴィジョンII - Bloom」をさらに進めます。第一の柱であるセグメントごとの独立した経営力と収益力を高めることに加え、第二の柱である事業持株会社としてのマネックスグループによる各セグメントへのガバナンス強化や、グローバルな経営体制の強化と重層化を図ります。

  さらに、コインチェック株式会社がお客様に安心・安全なサービスを提供できるよう全社をあげてバックアップし、クリプトアセット事業を育成します。

  そして、セグメント間のコラボレーションにより、新たな金融グループの設計に取り組み、未来の金融の在り方をデザインすることを通じて、企業価値の増大を目指します。

 

(4) 経営環境

  経営環境については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しています。

 

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 ① 連結営業利益率の引き上げ

  当社グループが事業基盤を有する日本、米国及びアジア・パシフィックの地域セグメントごとに営業利益率(※)を引き上げ、連結営業利益率を高い水準で維持できる構造をつくることが、当社グループの最も重要な課題です。当社グループの収益は主に日本及び米国の株式市場の売買動向の影響を大きく受けるものですが、中長期的には当社グループの連結営業利益率30%を安定的に計上できる事業構造をつくることを目指します。

 

 (※)営業利益率=営業利益相当額÷金融費用及び売上原価控除後営業収益

    営業利益相当額=営業収益-(金融費用+売上原価+販売費及び一般管理費)

    金融費用及び売上原価控除後営業収益=営業収益-(金融費用+売上原価)

 

 ② グローバルな経営基盤及び自社開発システムを活かした収益及び利益拡大

  「グローバル・ビジョン」の成果である日本セグメントの証券基幹システム、日本株取引ツール、米国株取引ツール及び投資情報サービス等を活用し、また、差別化されたサービスを開発することで収益を拡大させることが課題です。自社開発の強みを活かし、顧客のニーズを汲んだサービスを迅速に開発し、収益化することに取り組みます。また、自社保有のシステムを第三者に提供するBtoBビジネスも進めてまいります。

 

 ③ サイバーセキュリティの強化

  当社グループは、オンライン金融ビジネスをグローバルに展開していますが、その根幹をなす取引の基幹システムのほとんどを内製開発・自社保有しています。近年増え続ける外部からのサイバー攻撃からシステム等を守るためのサイバーセキュリティの強化が課題です。

  そのため、2018年4月にグループ入りしたコインチェック株式会社を含めた当社グループ各社に、サイバーセキュリティに関する専門知識・技術を有する人材を確保すること、および品質管理やリスク管理の体制強化に取り組んでいます。

 

 ④ グローバルな経営管理体制の強化

  当社グループは、2018年3月末現在、日本、米国及びアジア・パシフィックに個人投資家の顧客基盤および個人投資家向けオンライン金融ビジネスの事業基盤を有しております。複数の国・地域に顧客基盤を持ち、また、金融当局の規制のもとで事業を運営しているため、グローバルな経営管理体制を強化することは優先順位の高い課題です。経営に関する計数やリスクに関する情報を的確に把握し管理することにより、効率的な経営資源配分とコスト抑制を実現できると考えています。

  また、当社グループは、事業の拠点を置くそれぞれの国・地域におけるリスク管理体制及び内部統制システムの一層の強化にも取り組んでいます。

 

 ⑤ 安定した収益・利益を創出できる事業ポートフォリオの構築

  当社グループの主要な事業である個人投資家向けのオンライン証券ビジネスは、顧客である個人投資家による売買が株式の市場動向に左右され、その影響を大きく受けるビジネスです。そのため、当社グループにおいては、顧客の株式取引から得る手数料収入のみに依存せず、安定した収益・利益を創出できる事業ポートフォリオを構築することが課題であり、これに中長期的に取り組んでまいります。具体的には、金融収益や預かり資産から得られる固定的な収益を増加させること、グローバルな経営基盤を活かした収益源の地域分散を行うこと、さらにクリプトアセット事業などオンライン証券ビジネス以外の収益源の創出による事業ポートフォリオの構築などを目指しています。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 法的規制について

 (日本における法的規制)

 ① 金融商品取引業者登録及び自己資本規制比率について

子会社のマネックス証券株式会社は、金融商品取引法の下で第一種金融商品取引業者としての登録を受けています。

内閣総理大臣は、金融商品取引業者が金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し、法令等に違反した場合には、当該金融商品取引業者の登録の取り消し、業務停止等の行政処分を出すことができる監督・規制権限を有しています。

また、第一種金融商品取引業者には、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、自己資本規制比率という健全性の指標が設けられています。

仮に、業務停止命令や登録取消等の事態に至った場合、及び第一種金融商品取引業者であるマネックス証券株式会社が、かかる一定の自己資本規制比率を維持できなかった場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

 ② 金融商品の販売等に関する法律について

金融商品の販売等に関する法律(金融商品販売法)は、金融商品の販売等に際しての顧客の保護を図るため、金融商品販売業者等の説明義務及びかかる説明義務を怠ったことにより顧客に生じた損害の賠償責任並びに金融商品販売業者等が行う金融商品の販売等に係る勧誘の適正の確保のための措置について定めています。

上記法令に適合していないと認められる事象が発生し、顧客から当該事象を理由として訴訟等が提起された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 ③ 今後の法的規制の変更について

日本における金融商品取引等に関連する法的規制は、今後も、より広範な規制内容へと変更される可能性があります。かかる規制内容の変更に伴う事業領域の縮小、追加コストの発生、あるいは責任範囲の拡大があった場合には、当社グループの各種業務・財務方針や当社グループの顧客の取引動向に影響を与える可能性もあり、適時適切な対応がとれない場合には、当社グループの事業に支障をきたし、ひいては当社グループの競争力低下や業績に影響を与える可能性があります。

 

 (海外における法的規制)

 ① 金融事業者としての登録・免許について

海外においては、子会社のTradeStation Securities, Inc.が米国で一定の金融事業を行うために法令上必要となる登録を受けており、また、子会社のMonex Boom Securities (H.K.) Limitedが香港特別行政区で一定の金融事業を行うために法令上必要となる免許を受けているほか、その他の国においても当該国に所在する子会社が同様の登録又は免許を受けています。

海外各国又は地域における規制当局は、金融事業者が金融事業にかかる法令等に違反した場合には、当該事業者に対して、罰金及び登録・免許の取消等の処分を行うことができる権限を有しています。

仮に、登録・免許の取消等の事態に至った場合には当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

 ② 自己資本に関する規制について

TradeStation Securities, Inc.、Monex Boom Securities (H.K.) Limitedその他金融事業を行う当社の海外子会社には、それぞれの所在地において適用される法令等に基づき、一定以上の自己資本を維持することが求められています。これらの適用を受ける各子会社が、かかる自己資本の維持に関する規制に反した場合には、金融事業を行うために必要となる登録・免許を取り消され、事業の継続が不可能となる場合があり、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

 ③ 今後の法的規制の変更について

海外における金融事業に関連する法的規制は、今後も、より広範な規制内容へと変更される可能性があります。かかる規制内容の変更に伴う事業領域の縮小、追加コストの発生、あるいは責任範囲の拡大があった場合には、当該規制を受ける子会社の各種業務・財務方針や顧客の取引動向に影響を与える可能性もあり、適時適切な対応がとれない場合には、当該子会社の事業に支障をきたし、ひいては当社グループの競争力低下や業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 株式市況等の影響について

当社グループにおいて、営業収益の大部分は委託手数料及び金融収益が占めており、当連結会計年度においては、営業収益の約78%を占めています。過去においても、顧客による売買注文数、売買取引量は、株式市況等の影響を受け、大きく増減しました。

個人投資家の売買動向は市況に連動しており、また市況の将来予測は困難であるため、当社業績が株式市況の影響をどの程度受けるかの将来予測は困難であり、当社株価の変動を招く可能性があります。

特に、当社グループは現時点においては主に日本国内及び米国国内で事業を展開しており、日本及び米国の株式市場が低迷した場合には、当社グループの業績及び当社グループの成長見通しに影響を与える可能性があります。

 

(3) 事業のグローバル展開、商品・サービスの拡充について

当社グループは、事業のグローバル展開、グローバル水準での高品質な商品・サービスの拡充等を図っています。事業のグローバル展開にあたっては、専門知識を有する人材の確保やシステム等のインフラ整備の必要があり、これら人材の確保やインフラ整備が適切に行えず、又はコストの増大につながるといった可能性があります。さらには、新商品・サービスの提供内容やタイミングが顧客に受け入れられない可能性もあります。

また、グローバルに事業及び商品・サービスを展開していく上では、当社グループが現段階では予測できないリスクに直面する可能性があり、また、当社グループが行おうとするビジネスモデルや業務方法に関し、当社グループが現段階では予測できない法的制約を受ける可能性もあります。これらのリスクに対処できない場合には、当社グループの業績及び当社グループの成長見通しに影響を与える可能性があります。

 

(4) 引受業務について

マネックス証券株式会社では、引受業務を行っていますが、有価証券の引受けを行う場合には引受責任が生じます。マネックス証券株式会社は、公募・売出残株が生じないよう慎重に引受金額等の決定を行っていますが、引受けた有価証券を販売することができない場合、公募・売出残株の株価動向によっては、損失を被る可能性があります。また、同社は慎重な引受審査を行っていますが、引受業務の対象となった企業に不祥事が生じた場合、同社に対する信頼の低下、顧客からの損害賠償請求等の可能性があります。これらの場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 自然災害等について

当社グループの主要な拠点において地震、津波等の自然災害、火災、停電、テロ攻撃等が発生した場合に備えた事業継続計画の策定を推進する等、有事の際の対応策を事前に検討していますが、自然災害等の発生による影響を完全に防止できる保証はなく、自然災害等による物的、人的損害が甚大である場合には、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 個人情報の保護について

当社グループの事業展開上、個人情報の保護に関する法律の遵守は重要な経営課題です。

当社国内グループ各社においては、役員及び従業員への教育及び実務の整備等に取り組んでいます。当社国内グループ各社がその顧客情報を取り扱う業務を外部に委託する場合には、外部委託先に対して顧客情報の目的外利用を禁止し、あるいは秘密保持義務を課す等、その保護、管理には細心の注意を払っています。また、海外子会社においても、現地における個人情報保護法制に準拠した適切なコンプライアンス体制を構築しています。しかしながら、グループ各社において不測の事態によって個人情報の外部漏洩や不正利用が発生した場合には当社グループとして責任を問われる可能性があり、当社及び当社グループの信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 当社グループにおけるシステムの運営及び開発について

マネックス証券株式会社及び当社グループにおける金融事業者では、顧客による取引注文の大部分をインターネットを通じて受注し、一連のコンピュータ処理システム及び取引所等や第三者への接続を通じて取引を執行しています。そのため、システムの不具合、処理能力不足、通信回線の障害、コンピュータウィルスやハッカーの侵入等によるシステムの機能不全に陥った場合には、事業に重大な支障が生じるおそれがあります。

当社グループ各社は今後もシステムの安定稼動を業務運営上の重要課題と認識し、様々な対策を講じてまいります。しかしながら、何らかの不備、あるいは現段階では予測できない原因によりシステム障害や不正侵入が発生した際に、当社グループの適切な対応が遅れる、又は適切な対応がなされなかった場合には、当社グループの信用低下や損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 顧客への市況等の情報提供について

当社グループ各社が顧客に提供する企業情報や株価情報等は、情報提供業者等から契約に基づいて提供されていますが、提供業者との契約が維持できなくなった場合や情報提供システムのシステムダウン等により顧客に対して市況等の情報を提供できなくなった場合には、顧客からの損害賠償請求等の可能性があり、また、顧客の信頼を失って顧客が離反することなどにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 他社との競合について

当社グループは、独自性のある総合金融サービスの提供を明確に打ち出すことによりグローバルレベルにおける優位性を確保することを方針としています。しかし、今後において、既存の競合他社や新規参入企業によるより一層の株式委託売買手数料の引き下げやFX取引におけるスプレッド幅の縮小等、また、当社グループにない画期的な商品・サービスの提供などにより、顧客の離散等、当社グループの競争力及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 顧客、取引金融機関及び決済機関に対する与信について

当社グループは、信用取引、先物・オプション取引、FX取引等により、顧客に対する信用供与が発生し、株式市況、為替市況等の変動によっては顧客に対する信用リスクが顕在化する可能性があります。当社グループは、有価証券取引については前金、保証金又は担保の差し入れを受けており、証拠金取引については取引状況の日常的なモニタリングを通じたポジション偏り等のリスク把握を行っていることなどから、顧客に対する信用リスクは限定的です。ただし、今後の市況等の急激な変動により、担保有価証券を処分した場合及び決済損が発生した場合等不足金が生じるケースにおいて顧客からこれを十分回収できない可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、FX取引におけるカバー取引、貸株取引等により、取引金融機関及び決済機関に対する信用リスクに晒されています。これら取引金融機関及び決済機関は、いずれも国内又は海外で認知された優良な金融機関及び決済機関であり、それら機関に対する債権に関する信用リスクは限定的であり、また、取引金融機関及び決済機関に対する格付引下げ等の信用不安につながり得る情報を入手した場合には、関係部門間で連携をとりながらリスク回避のために必要な措置を講じるようにしていますが、今後の市況等の急激な変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 外国為替の変動について

当社グループは、金融商品取引業者等の行うFX取引及び外貨建金融商品在庫等の外貨建資産・負債などに関連する為替変動リスクに晒されています。FX取引についてはカバー取引に関する規定を定め、外国為替ポジションの適切な制御に努めており、外貨建金融商品在庫等の外貨建資産・負債に関してはネットポジションに対して為替予約取引等を利用しリスクをヘッジしていますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避することができず、予期せぬ為替変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(12) 金利の変動について

当社グループは、預託金及び金銭の信託の運用や金融機関からの借入や資本市場における社債の発行による長期的な資金調達に関して、金利変動リスクに晒されています。これら資産・負債から生じる金利変動リスクをモニタリングし、急激な金利変動時には、金利スワップ等のデリバティブ取引等を利用することで、純損益の変動を機動的にヘッジする体制を整えていますが、今後の金利動向により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(13) 有価証券投資の価値変動について

当社グループは、有価証券等に関連する価値変動リスクに晒されています。保有する有価証券等の価格変動の状況を監視することにより、リスクの状況を把握していますが、これら有価証券投資の価値変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(14) のれんを含む無形資産の減損について

当社グループは、TradeStation Group, Inc.及びオリックス証券株式会社等の買収に伴うのれんを含む無形資産を連結財政状態計算書に計上しています。

今後において、当社グループの業績悪化等によりのれんを含む無形資産について減損処理を行う必要が生じ、これにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

 ① 経営成績の状況

  当社グループは、オンライン証券ビジネスを主要な事業として、「日本」、「米国」及び「アジア・パシフィック」の3つを報告セグメントとしています。

 (連結)                                     (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2017年3月期)

当連結会計年度

(2018年3月期)

増減

増減率

受入手数料

26,349

29,196

2,847

10.8%増

トレーディング損益

4,498

3,865

△633

14.1%減

金融収益

14,313

19,349

5,036

35.2%増

その他の営業収益

671

1,225

554

82.6%増

営業収益

45,831

53,635

7,804

17.0%増

収益合計

49,104

54,223

5,119

10.4%増

金融費用

3,979

4,480

501

12.6%増

販売費及び一般管理費

40,578

39,853

△725

1.8%減

費用合計

48,033

45,592

△2,441

5.1%減

税引前利益

1,071

8,631

7,561

706.1%増

法人所得税費用

910

2,052

1,142

125.5%増

当期利益

161

6,579

6,419

3,988.1%増

親会社の所有者に帰属する当期利益

298

6,730

6,433

2,162.1%増

 

  当連結会計年度は、日本セグメント及び米国セグメントにおいて、株式取引が増加したことにより委託手数料が増加し、受入手数料が29,196百万円(前連結会計年度比10.8%増)となりました。また、日本セグメントにおいてFX取引金額が減少したことによりトレーディング損益が3,865百万円(同14.1%減)となりました。さらに、日本セグメントにおいて有価証券貸借取引収益の増加及び営業活動目的で保有する有価証券の売却益の計上、米国セグメントにおいて受取利息が増加したことにより金融収益が19,349百万円(同35.2%増)となりました。新たな証券基幹システムのライセンスを他社へ供与したことなどによりその他の営業収益が1,225百万円(同82.6%増)となったことなどから、営業収益は53,635百万円(同17.0%増)となり、収益合計は54,223百万円(同10.4%増)となりました。

  販売費及び一般管理費は主に日本セグメントにおいてシステム関連費用が減少したことにより39,853百万円(同1.8%減)となり、費用合計は45,592百万円(同5.1%減)となりました。

  税引前利益は8,631百万円(同706.1%増)となり、また、法人所得税費用が2,052百万円(同125.5%増)となっていますが、法人所得税費用には、当連結会計年度に米国セグメントにおいて、税制改革法の成立により連邦法人税の最高税率が引き下げられたことに伴い、繰延税金資産及び繰延税金負債の一部が取崩されたことによる法人所得税費用の減少額930百万円が含まれています。

  以上の結果、当期利益は6,579百万円(同3,988.1%増)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は6,730百万円(同2,162.1%増)となりました。

  各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。

 

 セグメント別の状況は以下のとおりです。

 (日本)                                     (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2017年3月期)

当連結会計年度

(2018年3月期)

増減

増減率

 受入手数料

15,267

16,968

1,701

11.1%増

 トレーディング損益

4,499

3,865

△634

14.1%減

 金融収益

8,803

12,412

3,609

41.0%増

 その他の営業収益

207

732

525

253.8%増

 営業収益

28,775

33,976

5,201

18.1%増

 金融費用

2,083

2,177

94

4.5%増

 販売費及び一般管理費

25,050

23,435

△1,616

6.4%減

 その他の収益費用(純額)

178

92

△87

48.6%減

 持分法による投資利益又は損失(△)

△52

125

177

 セグメント利益又は損失(△)

(税引前利益又は損失(△))

1,768

8,581

6,813

385.4%増

 

  日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社が主体となり活動しているセグメントです。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家を主要な顧客層としており、株式市場での個人投資家の売買動向に影響を受けます。

  当連結会計年度の日本経済は、労働市場の改善継続や訪日外国人観光客によるインバウンド消費、世界経済が堅調に推移した恩恵もあり上場企業の業績は最高益を記録するなど概ね堅調に推移しました。日本の株式市場では、当連結会計年度の期首に19,000円程度であった日経平均株価は20,000円を挟んだ推移が続きましたが、衆議院選挙の実施が2017年9月末に発表されると、与党の政治基盤が強まり今後も大規模な金融緩和が継続されるとの思惑が高まり株高が進行し、日経平均株価は2017年10月2日から24日まで16日続伸となり、これまでの連騰記録を更新しました。衆議院選挙で与党が圧勝するとその後も株高が加速し、日経平均株価は2018年1月に24,124円と1991年11月以来約26年ぶりの高値をつけましたが、その後は米国株の下落などから調整基調となり、2018年3月末時点で21,454円となりました。

  株高に伴い個人投資家の投資意欲が上昇したことなどから、当連結会計年度における東京、名古屋二市場の株式等(株式、ETF及びREIT)の1営業日平均個人売買代金は1兆2,950億円、連結会計年度との比較においては19.6%増となりました。また、当連結会計年度の米ドルの対円レートは110円前後を挟んで小幅な動きであったことからFX取引は減少しました。

  このような環境の下、日本セグメントにおいては、当連結会計年度株式等の平均株式委託手数料率が下落したものの、株式等の1営業日平均委託売買代金が684億円(前連結会計年度比25.9%増)と増加したことにより、委託手数料が14,082百万円(同12.2%増)となり、受入手数料が16,968百万円(同11.1%増)となりました。また、FX取引金額が前連結会計年度で10.9%減少したことなどによりトレーディング損益が3,865百万円(同14.1%減)となりました。さらに、有価証券貸借取引収益が増加したこと、営業活動目的で保有する有価証券の売却益2,772百万円を計上したことなどから金融収益が12,412百万円(同41.0%増)となりました。なお、当該有価証券の売却益は、ベンチャー投資を行っているマネックスベンチャーズ株式会社が、投資先の上場により株式を売却し発生したものです。また、新たな証券基幹システムの他社へのライセンス供与により610百万円を計上したことなどから、その他の営業収益は732百万円(同253.8%増)となりました。その結果、営業収益は33,976百万円(同18.1%増)となりました。

  販売費及び一般管理費は、株式取引の増加により支払手数料等が増加したものの、旧証券基幹システムの事務委託契約を前連結会計年度末に終了したことによるシステム関連費用の減少、人員の減少による人件費の減少などの結果、23,435百万円(同6.4%減)となりました。

  その他の収益費用(純額)が92百万円の利益(同48.6%減)となっていますが、これには投資有価証券売却益98百万円、受取補償金62百万円、受取配当金60百万円、本社移転費用131百万円、固定資産除却損61百万円が含まれています。

  以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は8,581百万円(同385.4%増)となりました。

 

 (米国)                                     (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2017年3月期)

当連結会計年度

(2018年3月期)

増減

増減率

 受入手数料

10,858

11,858

1,001

9.2%増

 金融収益

5,493

6,946

1,453

26.5%増

 売上収益

1,091

56

△1,035

94.9%減

 その他の営業収益

1,242

1,141

△101

8.1%減

 営業収益

18,684

20,002

1,318

7.1%増

 金融費用

2,115

2,535

420

19.9%増

 売上原価

953

49

△904

94.9%減

 販売費及び一般管理費

15,858

16,487

629

4.0%増

 その他の収益費用(純額)

△215

△649

△434

 セグメント利益又は損失(△)

(税引前利益又は損失(△))

△457

281

739

 

  米国セグメントは、主にTradeStation Group, Inc.の子会社であるTradeStation Securities, Inc.が主体となり活動しているセグメントです。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層を主要な顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)が上昇すると取引量が増加し収益に貢献する傾向にあります。

  当連結会計年度の米国経済は、景気の牽引役である個人消費が好調に推移したことなどにより堅調に推移しました。労働市場の改善が継続するとともに、トランプ大統領が進めた大規模な減税の期待もあって徐々に物価上昇圧力が高まってきたとの判断から連邦準備制度理事会(FRB)は2017年6月、12月、2018年3月の連邦公開市場委員会(FOMC)でフェデラル・ファンド金利の誘導目標を引き上げました。米国の株式市場では、好調な米景気への期待感などから主要な株価指数は軒並み史上最高値を更新し、当連結会計年度の期首に20,000ドル台であったNYダウ平均は2018年1月に26,616ドルまで上昇しました。しかし、2018年2月以降はFRBが金融引き締めペースを早めるとの懸念や貿易戦争勃発への不安などからNYダウ平均は大きく下落し、2018年3月末時点でNYダウ平均は24,103ドルとなりました。

  一方、市場のボラティリティをもとに算出されるVIX指数は、当連結会計年度は、前連結会計年度よりもさらに低い歴史的な低水準で推移していましたが、2018年2月の株価の急落に伴い急上昇し、その後も高い水準で推移しました。

  なお、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で1.9%円安となったことから、米国セグメントの業績はその影響を受けています。

  このような環境の下、米国セグメントでは、株式・オプション取引、先物取引に新しい手数料体系を導入し顧客層の拡大に取り組み、新規の口座開設数は過去最高となり、また口座解約率は減少しました。米国セグメントにおける当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)は、市場のボラティリティが2018年2月、3月に高い水準になったことを受け、105,162件(前連結会計年度4.8%増)となり、委託手数料は米ドルベースで7.7%増加しました。その結果、受入手数料は米ドルベースで7.2%増加し、円換算後では11,858百万円(同9.2%増)となりました。また、金融収益は、運用する商品の見直しや短期金利の上昇などによる受取利息の増加、有価証券貸借取引収益の増加などにより米ドルベースで24.1%増加し、円換算後では6,946百万円(同26.5%増)となりました。さらに、売上収益及び売上原価はそれぞれ56百万円(同94.9%減)、49百万円(同94.9%減)と大きく減少していますが、これは前連結会計年度に日本株取引ツールを日本セグメント向けに販売したためです。その結果、営業収益は米ドルベースで5.1%増加し、円換算後では20,002百万円(同7.1%増)となりました。

  金融費用は有価証券貸借取引費用の増加により2,535百万円(同19.9%増)となり、金融収支は米ドルベースで28.2%の増加、円換算後では4,410百万円(同30.6%増)となりました。

  販売費及び一般管理費は、株式取引の増加による支払手数料の増加や広告宣伝費の増加などの結果、米ドルベースで2.0%増加し、円換算後では16,487百万円(同4.0%増)となりました。

  その他の収益費用(純額)が649百万円の損失(前連結会計年度は215百万円の損失)となっていますが、これには2018年2月のボラティリティの急上昇などに伴い発生したその他の金融資産(顧客立替金)に関する減損損失643百万円が含まれています。

  以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は281百万円(前連結会計年度は457百万円のセグメント損失)となりました。

 

 (アジア・パシフィック)                             (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2017年3月期)

当連結会計年度

(2018年3月期)

増減

増減率

 受入手数料

347

557

209

60.3%増

 トレーディング損益

△1

0

1

 金融収益

236

227

△10

4.2%減

 その他の営業収益

131

155

25

18.9%増

 営業収益

714

939

225

31.6%増

 金融費用

6

8

2

27.5%増

 販売費及び一般管理費

731

922

190

26.1%増

 その他の収益費用(純額)

△27

△278

△251

 持分法による投資利益又は損失(△)

△46

44

90

 セグメント利益又は損失(△)

(税引前利益又は損失(△))

△97

△225

△127

 

  アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex International Limitedの子会社であるMonex Boom Securities(H.K.) Limitedが主体となり活動しているセグメントです。また、豪州のMonex Securities Australia Pty Ltdは、2018年1月にオンライン証券ビジネスを開始しました。

  当連結会計年度の香港経済は、中国経済や米国経済が堅調に推移したことから底堅く推移しました。香港の株式市場では、経済が好調に推移したことなどから当連結会計年度の期首に24,000ポイントであった香港ハンセン指数は2018年1月に33,154ポイントをつけるなど史上最高値を更新しましたが、世界的なマーケットの混乱もあり、2月以降は調整基調となって2018年3月末時点で30,093ポイントとなりました。

  なお、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で1.2%円安となったことから、アジア・パシフィックセグメントの業績はその影響を受けています。

  このような環境の下、Monex Boom Securities(H.K.) Limitedの株式委託売買代金増加したことから受入手数料が557百万円(前連結会計年度比60.3%増)となりました。また、有価証券担保貸付金などが減少したことから、金融収益が227百万円(同4.2%減)となり、営業収益は939百万円(同31.6%増)となりました。

  販売費及び一般管理費は、株式取引の増加による取引関係費の増加や豪州でのオンライン証券ビジネスの開始に向けた先行投資などの結果、922百万円(同26.1%増)となりました。

  その他の収益費用(純額)が278百万円の損失(前連結会計年度は27百万円の損失)となっていますが、これにはその他の金融資産(貸付金)に関する減損損失291百万円が含まれています。

  持分法による投資利益は44百万円(前連結会計年度は46百万円の損失)となっていますが、これは、中国本土で事業展開するジョイントベンチャーに関するものです。

  以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は225百万円(前連結会計年度は97百万円のセグメント損失)となりました。

 

 ② 財政状態の状況

 (連結)                                 (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2017年3月末)

当連結会計年度

(2018年3月末)

増減

 資産合計

936,776

973,520

36,744

 負債合計

855,090

893,027

37,937

 資本合計

81,687

80,493

△1,193

 親会社の所有者に帰属する持分

81,372

80,329

△1,043

 

  当連結会計年度の資産合計は、有価証券担保貸付金などが減少したものの、現金及び現金同等物、信用取引資産などが増加した結果、973,520百万円(前連結会計年度末比36,744百万円増)となりました。また、負債合計は、信用取引負債などが減少したものの、社債及び借入金などが増加した結果、893,027百万円(同37,937百万円増)となりました。

  資本合計は、当期利益などにより増加したものの、その他の包括利益、配当金の支払、自己株式の取得により減少した結果、80,493百万円(同1,193百万円減)となりました。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

 (連結)                                 (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2017年3月期)

当連結会計年度

(2018年3月期)

増減

 営業活動によるキャッシュ・フロー

43,715

△38,701

△82,415

 投資活動によるキャッシュ・フロー

△8,301

△5,872

2,429

 財務活動によるキャッシュ・フロー

△18,462

49,870

68,331

 現金及び現金同等物の期末残高

76,557

81,456

4,899

 

  当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による支出38,701百万円(前連結会計年度は43,715百万円の収入)、投資活動による支出5,872百万円(同8,301百万円の支出)及び財務活動による収入49,870百万円(同18,462百万円の支出)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は81,456百万円(連結会計年度末比4,899百万円増)となりました。

 

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における営業活動により使用した資金は、38,701百万円となりました。

  有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減により13,342百万円の資金を取得する一方、信用取引資産及び信用取引負債の増減により55,552百万円の資金を使用しました。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、5,872百万円となりました。

  無形資産の取得により4,969百万円の資金を使用しました。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  当連結会計年度における財務活動により取得した資金は、49,870百万円となりました。

  短期借入債務の収支により47,800百万円、社債の発行により14,483百万円、長期借入債務の調達により9,970百万円の資金を取得する一方、長期借入債務の返済により10,600百万円、社債の償還により6,000百万円、自己株式の取得により4,030百万円、配当金の支払により1,754百万円の資金を使用しました。

 

 ④ 生産、受注及び販売の実績

  金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

 ① 重要な会計方針及び見積り

  当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。

  当社は、連結財務諸表を作成するに当たり重要な判断や見積りを行っています。これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりです。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  (a) 経営成績等の状況

  当連結会計年度は、新たな中長期事業戦略「グローバル・ヴィジョンII - Bloom」を掲げ、各地域セグメントの独立した経営力と収益力の向上を目指してまいりました。その結果、日本セグメントは増収増益、米国セグメントは増収・利益大幅改善という結果となりました。

  日本セグメントでは、マネックス証券株式会社がアクティブトレーダー層を獲得するため、日本株取引ツール「トレードステーション」の更なる営業活動や、信用取引手数料の改定を実施しました。マネックス証券株式会社の株式売買代金に占める「トレードステーション」経由の取引の比率は着実に高まってきており、また信用取引手数料改定後におけるマネックス証券の信用取引売買代金シェアも上昇してきております。セグメントの業績としては、市場活況による株式委託手数料の増加、アーリーステージから支援してきたベンチャー投資の売却益などにより営業収益が増加する一方、固定的費用の削減により販売費及び一般管理費が減少し、セグメント利益が増加しました。

  米国セグメントでは、TradeStation Securities, Inc.が「カジュアル・トレーダー層」を新たな顧客層に定め、ロゴやブランドイメージの刷新、株式・オプション取引および先物取引の手数料改定を実施しました。これらの取り組みにより、通期の口座獲得数は過去最高を更新しました。セグメントの業績としては、市場のボラティリティ上昇による委託手数料の増加や、米国の金利上昇による金融収支拡大等により、グループ入り初の通期黒字となりました。

  アジア・パシフィックセグメントでは、香港のオンライン証券事業は好調に推移しました。また、豪州の証券子会社であるMonex Securities Australia Pty Ltdが2018年1月に営業を開始しました。

  以上の結果、当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、6,730百万円となりました。

 

  また上記以外に、2018年4月26日に公表しました「2018年3月期 決算説明資料」の「マネジメントによる現状認識」等もご参照下さい、

 

 

  (b) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  当連結会計年度末の財政状態計算書

 

資産 9,735億円

 

負債 8,930億円

 

 

主な資産は金融商品取引業

に関連するもの 7,750億円

 

 

 

主な負債は金融商品取引業

に関連するもの 8,831億円

 

 

 

 

 

その他 602億円

 

 

 

現金及び現金同等物 839億円

 

その他 99億円

 

 

 

資本 805億円

 

固定的な資産(注) 545億円

 

 (注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(売却可能資産に分類したもの、かつ、公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。

 

  当連結会計年度末の資本は805億円であり、固定的な資産545億円を上回っています。差額の260億円については以下の原資とする予定です。

  1.海外含む証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応

  2.将来の事業投資に備える内部留保

  3.株主還元(配当金及び自己株式取得)

 

  重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。

 

  当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また、資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性確保しています。なお、債務の期日別の残高については、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。

 

(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。

 

 前連結会計年度

 ① のれんの償却

  日本基準では合理的に見積もられたのれんの効果が及ぶ期間にわたって定額法によりのれんを償却しますが、IFRSでは企業結合により発生したのれんは、償却せずに毎期減損テストを行います。また日本基準で負債として認識し、毎期規則的に償却していた負ののれんは、IFRSでは移行日において利益剰余金に振替えています。IFRSにおいてのれんを償却しないことにより、IFRSにおける連結損益計算書の「税引前利益」は、日本基準に比べて1,168百万円増加しています。

 

 ② 特別法上の準備金

  日本基準における金融商品取引責任準備金は、報告日において存在していない将来起こりうる損失に対して認識しており、IFRSでの負債の認識要件を満たしていないためIFRSでは認識していません。日本基準で計上した金融商品取引責任準備金の戻入をIFRS上で取消したことにより、IFRSにおける連結損益計算書の「税引前利益」は、日本基準に比べて519百万円減少しています。

 

 ③ 非上場の持分金融商品

 日本基準では、非上場の持分金融商品を原則として取得原価で測定していますが、IFRSでは原則として公正価値により測定しています。日本基準で認識しなかったその他の包括利益をIFRSにおいて計上したことにより、IFRSにおける連結包括利益計算書の「税引後その他の包括利益」は、日本基準に比べて47百万円減少しています。

 

 当連結会計年度

 ① のれんの償却

  日本基準では合理的に見積もられたのれんの効果が及ぶ期間にわたって定額法によりのれんを償却しますが、IFRSでは企業結合により発生したのれんは、償却せずに毎期減損テストを行います。また日本基準で負債として認識し、毎期規則的に償却していた負ののれんは、IFRSでは移行日において利益剰余金に振替えています。IFRSにおいてのれんを償却しないことにより、IFRSにおける連結損益計算書の「税引前利益」は、日本基準に比べて1,189百万円増加しています。

 

 ② 特別法上の準備金

  日本基準における金融商品取引責任準備金は、報告日において存在していない将来起こりうる損失に対して認識しており、IFRSでの負債の認識要件を満たしていないためIFRSでは認識していません。日本基準で計上した金融商品取引責任準備金の繰入をIFRS上で取消したことにより、IFRSにおける連結損益計算書の「税引前利益」は、日本基準に比べて4百万円増加しています。

 

 ③ 非上場の持分金融商品

 日本基準では、非上場の持分金融商品を原則として取得原価で測定していますが、IFRSでは原則として公正価値により測定しています。日本基準で認識しなかったその他の包括利益をIFRSにおいて計上したことにより、IFRSにおける連結包括利益計算書の「税引後その他の包括利益」は、日本基準に比べて561百万円減少しています。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 (株式譲渡契約)

 当社は、2018年4月6日にコインチェック株式会社の株主と株式譲渡契約を締結し、2018年4月16日に同社の全株式を取得しました。

 詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 38.後発事象」に記載のとおりです。

 

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。