文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社はオンライン金融事業を営むマネックス証券株式会社(日本)及びTradeStation Group, Inc.(米国)を中核的子会社として、その他国内外に金融関連の子会社・持分法適用会社を有する持株会社です。当社グループは、次に掲げる企業理念を基に、個人投資家の日々の生活及び資産形成に必要な総合金融サービスの提供を目指して参ります。
① 企業理念
MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来の金融を表わしています。
常に変化し続ける未来に向けて、マネックスグループは、最先端のIT技術、世界標準の金融知識を備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインし、更には新しい時代の金融を再定義し、全ての個人の投資・経済活動をサポートすることを目指します。
② 行動指針
・お客さまと社員の多様性を尊重します
・最先端のIT技術と金融知識の追究を惜しみません
・新しい価値を創造しステークホルダーに貢献します
また、これらの企業理念の実現に向けた当社グループの活動状況は、当社が策定・開示している「ディスクロージャーポリシー」に従って情報を開示しており、機関投資家と個人投資家の間で情報の内容及び開示時期について格差が生じないよう留意しています。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中期的な会社の経営戦略「グローバル・ヴィジョンⅢ」を策定していますが、当社グループが証券ビジネスなどの事業をグローバルに展開しており、経済環境や相場環境等の影響を大きく受けるため、業績予想を行うことが困難な状況にあります。そのため、当社が業績予想を行うことは、投資家に対して誤った情報を提示する可能性があるため、適切でないと考えており、また、収益計画の策定もしておりません。一方、資本効率に関する目標としてROE10%を最低水準と考えています。ROE10%を達成するため、日本セグメントでは「口座数」「稼動口座数」「預かり資産残高」の増加を目指しています。また、米国セグメントでは「DARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)」「稼働口座数」「預かり資産残高」の増加を目指しています。さらに、クリプトアセット事業セグメントでは、「本人確認済み口座数」「預かり資産残高」の増加を目指しています。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、2017年4月より実行してきた中長期的な会社の経営戦略「グローバル・ヴィジョンII - Bloom」をさらに進めます。第一の柱であるセグメントごとの独立した経営力と収益力を高めることに加え、第二の柱である事業持株会社としてのマネックスグループによる各セグメントへのガバナンス強化や、グローバルな経営体制の強化と重層化を図ります。
さらに、コインチェック株式会社がお客様に安心・安全なサービスを提供できるよう全社をあげてバックアップし、クリプトアセット事業を育成します。
そして、セグメント間のコラボレーションにより、新たな金融グループの設計に取り組み、未来の金融の在り方をデザインすることを通じて、企業価値の増大を目指します。
(4) 経営環境
経営環境については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しています。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① 資本コストを上回るROEの達成
当社グループの2019年3月期におけるROEは1.5%であり、資本コストとの対比で最低の目標水準と考えているROE10%に到達していません。当社グループにおいては、マーケット環境が厳しい中で損益分岐点を低下させるための費用削減、特に固定費の削減が急務と認識しています。2020年3月期は、マネックス証券株式会社においてソフトウェアの減価償却スケジュールの適正化等により減価償却費が前年度対比年間約16億円減少する見込みです。引き続きより一層のソフトウェア投資の効率化に取り組んでまいります。
米国セグメントは金利やボラティリティの上昇により2019年3月期は過去最高のセグメント利益を計上しましたが、今後委託手数料の減少や金利のフラット化、ボラティリティの低下等の状況に直面する可能性があります。主要顧客であるアクティブトレーダーだけでなく、カジュアルトレーダー層やミレニアル層を取り込み顧客層の拡大を図ります。また、仮想通貨事業への参入により商品ラインナップの充実に努めます。
クリプトアセット事業セグメントでは、2018年1月の仮想通貨NEMの不正送金の原因となったセキュリティの対策として、経営管理態勢、内部管理態勢を改善し、セキュリティ態勢を強化しました。その結果、2019年1月に金融庁に仮想通貨交換業者として登録され、個人投資家の皆様に安心して取引できる環境を整備しておりますが、同時にオペレーションを収益の金額に見合った規模に適切化し費用削減を進めます。
② グループの融合(ガバナンス、顧客層)
当社グループは、1999年のマネックス証券株式会社の設立以来、日本、米国、香港のオンライン証券会社だけでなく、仮想通貨交換業を営むコインチェック株式会社をグループに迎え、グローバルなオンライン金融機関グループとして特色ある経営資源を構築してきました。
これらの経営資源を有効活用していくことは、当社の今後の持続的な成長にとっても重要な課題であり、グループガバナンスの強化と各セグメントの融合が必須と考えています。
グループガバナンスの強化においては、現在、当社代表執行役社長CEOの松本大が、日本のオンライン証券を営むマネックス証券株式会社、米国のオンライン証券の持株会社であるTradeStation Group, Inc.およびコインチェック株式会社の代表取締役会長または取締役会長に就任しており、グループ全体の企業価値の向上に取り組むとともに、日本、米国、クリプトアセット事業セグメントの経営課題の解決に速やかに対処できる体制にしています。
マネックス証券株式会社の主な顧客層は40-50代であるのに対し、コインチェック株式会社では20-30代の比率が多く、年齢層や各顧客の預かり資産に違いがあります。顧客の相互送客により仮想通貨取引を行うミレニアル世代の顧客層に対してオンライン証券取引のサービスを提供し、反対にオンライン証券の顧客層に対して仮想通貨取引のサービスを提供することは当社グループが中長期的な成長を続けていくために重要であり、これらの融合を推進していきます。
また、米国のTradeStation証券は、アクティブトレーダー層から取引プラットフォームについて支持を受けており、米国内のオンライン証券における技術力やサービス内容などの部門で数々の賞を獲得してきました。その技術力を日本株取引ツールに活用した「トレードステーション」は、日米のグループ会社間で共同開発した成果物の一つです。マネックス証券内における「トレードステーション」の株式取引シェアは、2019年3月現在で8%と、着実にその存在感を示しつつあります。マネックス証券株式会社はこのツールによってアクティブトレーダー層を獲得し、顧客基盤、収益の拡大を目指していきます。
③ サイバーセキュリティおよびリスクマネジメントの不断の強化
オンライン証券業および仮想通貨交換業を事業の中心とする当社グループは、取引の根幹をなす基幹システムをすべてのセグメントにおいて内製開発・自社保有しており、近年増え続ける外部のサイバー攻撃からシステム等を守るためのサイバーセキュリティの強化が課題です。
2018年4月に当社グループ入りをしたコインチェック株式会社においても、サイバーセキュリティの強化は急務の課題でした。2019年1月に仮想通貨交換業登録が完了するにあたっては、グループ内のオンライン証券業の経営で蓄積したノウハウや経験のあるリソースを投入し、重点的にサイバーセキュリティやそれに付随する社内管理態勢を整備しました。今後もサイバーセキュリティの強化を続けていくことが、持続的な成長につながると認識しています。
また、リスクマネジメントにおいても、当社グループの強化すべき課題として、取り組んでいきます。リスクは、収益を獲得する機会と表裏一体であり、適切なリスクマネジメントが競争力のある企業を創る基盤になると考えています。その実現のため、各事業拠点におけるリスクマネジメント体制の強化をより推進していきます。
④ 個人投資家に対する投資教育
当社グループにおいては、投資教育が当社グループの中長期的な成長の源泉であり、この取組みが、当社の持続的な成長に不可欠との認識から、マネックス証券株式会社では、創業以来、個人投資家に対する地道な投資教育に取り組んでいます。2019年3月期のオンラインでのセミナーには、約200回、延べ約10万人の個人投資家に参加していただきました。また、毎年日本全国で500名規模の全国投資セミナーを年5回ほど開催し、マネックス証券のストラテジスト、アナリストといった専門家や、経営陣の登壇に加え、外部の講師も招へいしながら、対面形式の投資教育の場を提供しています。さらに、マネックス証券株式会社内にある「マネックス・ユニバーシティ」という投資教育を担う組織体が、投資初心者の方々や資産運用になじみのない方々に向けた教育コンテンツの提供や投資セミナーなどを継続的に行っています。
また、投資の一側面でもある、株主としての権利やその権利の行使方法を個人投資家に理解していただくために、個人投資家と上場企業とのコミュニケーションを活性化させ、日本の上場企業の株式価値を高めることを目的とする「マネックス・アクティビストフォーラム」活動を2019年1月より開始しました。マネックス証券におけるこのようなブローカーの枠組みを超えた、当社独自の個人投資家に対する取組みにより、「貯蓄から資産形成」を実現できるように、今後も中長期的な成長を目指していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 法的規制について
(日本の法的規制)
① 金融商品取引業者登録について
子会社のマネックス証券株式会社は、金融商品取引法の下で第一種金融商品取引業者としての登録を受けています。
内閣総理大臣は、金融商品取引業者が金融商品取引業又はこれに付随する業務に関し、法令等に違反した場合には、当該金融商品取引業者の登録の取り消し、業務停止等の行政処分を出すことができる監督・規制権限を有しています。
仮に、業務停止命令や登録取消等の事態に至った場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
② 自己資本規制比率について
第一種金融商品取引業者には、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、自己資本規制比率という健全性の指標が設けられています。
仮に、第一種金融商品取引業者であるマネックス証券株式会社が、かかる一定の自己資本規制比率を維持できなかった場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
なお、自己資本規制比率の状況は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載しています。
③ 資金決済に関する法律(資金決済法)及び仮想通貨交換業の登録について
コインチェック株式会社は、資金決済法に基づき、仮想通貨交換業者として登録を受けています。
内閣総理大臣は、仮想通貨交換業者が法令等に違反した場合には、当該仮想通貨交換業の登録の取り消し、業務停止等の行政処分を出すことができる監督・規制権限を有しています。
仮に、コインチェック株式会社が登録取消や業務停止等の事態に至った場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
④ 犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)について
犯罪収益移転防止法は、テロ資金や犯罪収益の追跡のための情報確保とマネー・ロンダリング及びテロ資金供与等の防止を目的としています。
マネックス証券株式会社及びコインチェック株式会社は、同法の定めに基づき、本人確認を実施するとともに、本人確認記録及び取引記録を保存しています。
しかしながら、仮に、業務方法が同法に適合しない事実が発生した場合には、監督官庁による行政処分や刑事罰等を受けることがあり、その場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
⑤ 銀行法について
株式会社静岡銀行は、当社の議決権の5%超を保有しています。現在の状況が継続する場合、当社は銀行法第16条の2第1項各号に掲げる会社以外の会社の議決権の50%超を保有することができない等の制約を受けます。その結果、当該制約により経営環境等の変化に適切に対応できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 今後の法的規制の変更について
日本における金融商品取引等に関連する法的規制は、今後も、より広範な規制内容へと変更される可能性があります。
また、日本では他国に先駆けて仮想通貨に関連する法規制が行われましたが、仮想通貨は新しい概念であり、仮想通貨に関連する法的規制は、今後も変更される可能性があります。また、業界の自主規制ルールの制定又は改定等が行われる可能性があります。なお、資金決済法等改正法案が2019年5月に成立しており、当該影響を受けることを見込んでいます。
これら規制内容の変更があった場合には、当社グループの事業領域の縮小や追加コストの発生、また、当社グループの顧客の取引動向に影響を与える可能性もあり、適時適切な対応がとれない場合には、当社グループの事業に支障をきたし、ひいては当社グループの競争力低下により、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
(海外の法的規制)
① 金融事業者としての登録・免許について
海外においては、子会社のTradeStation Securities, Inc.が米国で一定の金融事業を行うために法令上必要となる登録を受けており、また、子会社のMonex Boom Securities (H.K.) Limitedが香港特別行政区で一定の金融事業を行うために法令上必要となる免許を受けているほか、その他の国においても当該国に所在する子会社が同様の登録又は免許を受けています。
海外各国又は地域における規制当局は、金融事業者が金融事業にかかる法令等に違反した場合には、当該事業者に対して、罰金及び登録・免許の取消等の処分を行うことができる権限を有しています。
仮に、登録・免許の取消等の事態に至った場合には当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
② 自己資本に関する規制について
TradeStation Securities, Inc.、Monex Boom Securities (H.K.) Limitedその他金融事業を行う当社の海外子会社には、それぞれの所在地において適用される法令等に基づき、一定以上の自己資本を維持することが求められています。これらの適用を受ける各子会社が、かかる自己資本の維持に関する規制に反した場合には、金融事業を行うために必要となる登録・免許を取り消され、事業の継続が不可能となる場合があり、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
なお、TradeStation Securities, Inc.の自己資本の状況は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載しています。
③ 今後の法的規制の変更について
海外における金融事業に関連する法的規制は、今後も、より広範な規制内容へと変更される可能性があります。
これら規制内容の変更があった場合には、当社グループの事業領域の縮小や追加コストの発生、また、当社グループの顧客の取引動向に影響を与える可能性もあり、適時適切な対応がとれない場合には、当社グループの事業に支障をきたし、ひいては当社グループの競争力低下により、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
(2) 市場環境の影響について
当社グループにおいて、営業収益は受入手数料(主に委託手数料)、トレーディング損益、金融収益、その他の営業収益で構成されています。委託手数料及びトレーディング損益は、当連結会計年度においては、営業収益の約50%を占めていますが、委託手数料は主に顧客の株式取引に、トレーディング損益は主に顧客のFX取引及び仮想通貨取引に大きく影響を受けます。また、金融収益は、当連結会計年度においては、営業収益の約37%を占めていますが、金融収益のうち顧客の預り金から得られる金利収入は主に短期金利の情勢に、信用取引から得られる金利収入や有価証券貸借取引収益等は顧客取引や市場環境に大きく影響を受けます。
当社グループは、日本、米国及びアジア・パシフィックに事業を展開することで地域分散を図っており、また、仮想通貨交換業や投資事業など金融商品取引業以外の事業ポートフォリオの構築に取り組んでいます。
① 信用リスクについて
a. 顧客取引に関わる信用リスク
当社グループは、信用取引、先物・オプション取引、FX取引等により、顧客に対する信用供与が発生し、株式市況、為替市況等の変動によっては顧客に対する信用リスクが顕在化する可能性があります。当社グループは、前金、保証金又は担保の差し入れを受けており、また、取引状況の日常的なモニタリングを通じたポジションの偏り等のリスク把握を行っていることなどから、顧客に対する信用リスクは限定的です。
ただし、今後の市場環境等の急激な変動により、顧客立替金が生じる場合において、顧客からこれを十分回収できない可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b. 取引金融機関等に関わる信用リスク
当社グループは、FX取引及び仮想通貨取引におけるカバー取引、貸株取引等により、取引金融機関及び仮想通貨業者に対する信用リスクに晒されています。当社グループの取引金融機関及び仮想通貨業者は、基本的には国内又は海外で認知された優良な金融機関及び仮想通貨業者であるため信用リスクは限定的です。また、取引金融機関に対する格付引下げ等の信用不安につながり得る情報を入手した場合には、関係部門間で連携をとりながらリスク回避のために必要な措置を講じておりますが、今後の市況等の急激な変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、信用リスクに関する定量的な分析は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載しています。
② 外国為替リスクについて
当社グループは、金融商品取引業者等の行うFX取引及び外貨建金融商品在庫等の外貨建資産・負債などに関連する為替変動リスクに晒されています。FX取引についてはカバー取引に関する規定を定め、外国為替ポジションの適切な制御に努めており、外貨建金融商品在庫等の外貨建資産・負債に関してはネットポジションに対して為替予約取引等を利用しリスクをヘッジしていますが、これらの対応を行っても為替変動リスクを完全に回避することができないため、予期せぬ為替変動により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 金利リスクについて
当社グループは、預託金及び金銭の信託の運用や金融機関からの借入や資本市場における社債の発行による長期的な資金調達に関して、金利変動リスクに晒されています。
これら資産・負債から生じる金利変動リスクをモニタリングし、急激な金利変動時には、金利スワップ等のデリバティブ取引等を利用することで、純損益の変動を機動的にヘッジする体制を整えていますが、今後の金利動向により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、金利リスクに関する定量的な分析は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載しています。
④ 有価証券投資の価値変動について
当社グループは、マネックスグループ株式会社、マネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合などにおいて多数のスタートアップ企業に投資を行っているため、有価証券等に関連する価値変動リスクに晒されています。
これらの投資のほとんどは、純損益を通じて公正価値測定する金融資産に分類していることから、評価損益及び売却損益は当社グル―プの純損益に計上されます。
1件あたりの投資額は多額ではなく、また、保有する有価証券等の価格変動の状況を監視することにより、リスクの状況を把握していますが、これら有価証券投資の価値変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、有価証券投資の価値変動に関する定量的な分析は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」、評価技法及び公正価値ヒエラルキーなどに関する情報は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 16.公正価値測定」に記載しています。
(3) 当社グループにおけるシステムの運営及びサイバーセキュリティについて
顧客による取引注文の大部分をインターネット経由で受注し、一連のコンピュータ処理システム及び取引所等や第三者への接続を通じて取引を執行しています。当社グループは、すべてのセグメントにおいて、取引の根幹をなす基幹システムを内製開発・自社保有しておりますが、システムの不具合、処理能力不足、通信回線の障害などによりシステムの機能不全に陥った場合には、事業運営に重大な支障が生じるおそれがあります。当社グループ各社は、システムの安定稼動を業務運営上の重要課題と認識し、様々な対策を講じています。しかしながら、何らかの不備、あるいは現段階では予測できない原因により、当社グループの適切な対応が遅れる、又は適切な対応がなされなかった場合には、当社グループの信用低下や損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、近年増え続ける外部のサイバー攻撃等により個人情報や機密情報などが漏えいするおそれがあります。当社グループ各社は、サイバーセキュリティの強化は優先的すべき課題として取り組んでいます。しかしながら、仮にこのような情報が漏洩した場合は、当社グループの信用低下や損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(仮想通貨の消失について)
コインチェック株式会社は、同社が管理する電子ウォレットにおいて顧客の所有する仮想通貨の預託を受けています。コインチェック株式会社は、権限のない第三者により電子ウォレットに対して不正アクセスされるリスクを軽減する等のサイバーセキュリティ対策を講じています。また、すべての取扱仮想通貨に対してコールドウォレットを構築しており、顧客の所有する仮想通貨のほとんどをコールドウォレットで保管しています。
しかしながら、サイバーセキュリティ対策を講じていたとしても、そのような不正アクセスが起こらないことを保証するものではなく、仮に、コインチェック株式会社が権限のない第三者により不正アクセスが行われた場合には、これらの電子ウォレットに保管される仮想通貨が消失され、仮想通貨を取り戻せない可能性があります。コインチェック株式会社の顧客の仮想通貨の消失により、顧客に対する多額の弁済が生じる可能性があるとともに、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
(4) その他
① のれんを含む無形資産の減損について
当社グループは、TradeStation Group, Inc.及びオリックス証券株式会社等の買収に伴うのれんを含む無形資産を連結財政状態計算書に計上しています。のれんの2019年3月末残高は16,990百万円であり、親会社の所有者に帰属する持分に対する割合は22%になります。IFRSにおいては、のれんは償却されず毎期減損テストを行っています。減損テストの概要は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 23.無形資産」に記載しています。
今後において、当社グループの業績悪化等によりのれんを含む無形資産について減損処理を行う必要が生じ、これにより当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 自然災害等について
当社グループの主要な拠点において地震、津波等の自然災害、火災、停電、テロ攻撃等が発生した場合に備えた事業継続計画の策定を推進する等、有事の際の対応策を事前に検討していますが、自然災害等の発生による影響を完全に防止できる保証はなく、自然災害等による物的、人的損害が甚大である場合には、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟
コインチェック株式会社は、2018年1月に発生した仮想通貨NEMの不正送金に関して訴訟を提起されています。当連結会計年度末現在においては、引当金の認識基準を満たしていないため、引当金を計上していません。コインチェック株式会社は、こうした訴訟に適切に対処していきますが、当該訴訟が同社にとって不利な結果に終わった場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
④ 仮想通貨に係る新たな会計基準の制定等による会計方針の変更
当社グループの仮想通貨に係る会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に注記しています。これらの会計方針は、国際会計基準に基づいて、最も適切と考える方法を採用していますが、国際会計基準は仮想通貨に係る会計処理の要求事項や指針を定めていません。
仮に、今後、新たな会計基準の制定等があった場合、当社グループの会計方針を変更する可能性があり、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、金融商品取引業、仮想通貨交換業、有価証券の投資事業を主要な事業としています。
当連結会計年度より、コインチェック株式会社のグループ入りに加え、マネックスベンチャーズ株式会社を中心とした有価証券の投資事業も拡大していることから、当社グループの企業活動に即した適切な開示を行うために、従来の「日本」・「米国」・「アジア・パシフィック」の3つの報告セグメントから、「日本」・「米国」・「アジア・パシフィック」・「クリプトアセット事業」・「投資事業」の5つの報告セグメントに変更しています。なお、報告セグメントの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」をご参照下さい。また、前連結会計年度は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しています。
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2018年3月期) |
当連結会計年度 (2019年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
29,196 |
25,741 |
△3,455 |
11.8%減 |
|
トレーディング損益 |
3,865 |
6,461 |
2,596 |
67.2%増 |
|
金融収益 |
19,349 |
19,242 |
△107 |
0.6%減 |
|
その他の営業収益 |
1,225 |
731 |
△495 |
40.4%減 |
|
営業収益 |
53,635 |
52,175 |
△1,460 |
2.7%減 |
|
収益合計 |
54,223 |
53,480 |
△743 |
1.4%減 |
|
金融費用 |
4,480 |
4,758 |
278 |
6.2%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
39,853 |
44,690 |
4,836 |
12.1%増 |
|
費用合計 |
45,592 |
51,690 |
6,099 |
13.4%増 |
|
税引前利益 |
8,631 |
1,790 |
△6,841 |
79.3%減 |
|
法人所得税費用 |
2,052 |
761 |
△1,291 |
62.9%減 |
|
当期利益 |
6,579 |
1,029 |
△5,551 |
84.4%減 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
6,730 |
1,181 |
△5,549 |
82.4%減 |
当連結会計年度は、日本セグメントで委託手数料が減少したことなどにより受入手数料が25,741百万円(前連結会計年度比11.8%減)となりました。また日本セグメントでFX収益が増加したことやコインチェック株式会社を連結の範囲に含めたことなどによりトレーディング損益が6,461百万円(同67.2%増)となりました。米国セグメントで受取利息が増加したものの、投資セグメントで前連結会計年度は有価証券の売却益を計上したことなどから金融収益が19,242百万円(同0.6%減)となりました。その結果、営業収益は52,175百万円(同2.7%減)となり、収益合計は53,480百万円(同1.4%減)となりました。
販売費及び一般管理費はコインチェック株式会社を連結の範囲に含めたことなどにより44,690百万円(同12.1%増)となり、費用合計は51,690百万円(同13.4%増)となりました。
以上の結果、税引前利益が1,790百万円(同79.3%減)となりました。また、法人所得税費用が761百万円(同62.9%減)となっていますが、前連結会計年度は米国セグメントにおいて、税制改革法の成立により連邦法人税の最高税率を引き下げることが決定されたことに伴う法人所得税費用の減少額929百万円が含まれています。
当期利益は1,029百万円(同84.4%減)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,181百万円(同82.4%減)となりました。
各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(日本) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2018年3月期) |
当連結会計年度 (2019年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
16,968 |
13,301 |
△3,667 |
21.6%減 |
|
トレーディング損益 |
3,865 |
4,535 |
670 |
17.3%増 |
|
金融収益 |
9,640 |
9,808 |
168 |
1.7%増 |
|
その他の営業収益 |
732 |
86 |
△646 |
88.3%減 |
|
営業収益 |
31,205 |
27,729 |
△3,476 |
11.1%減 |
|
金融費用 |
2,177 |
1,990 |
△187 |
8.6%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
23,420 |
23,013 |
△407 |
1.7%減 |
|
その他の収益費用(純額) |
91 |
△1,552 |
△1,643 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
100 |
73 |
△27 |
27.4%減 |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
5,799 |
1,247 |
△4,552 |
78.5%減 |
日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社で構成されています。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家を主要な顧客層としており、株式市場での個人投資家の売買動向に影響を受けます。
当連結会計年度の日本経済は、労働市場の改善が継続したことや訪日外国人観光客によるインバウンド消費の好調などから底堅く推移しましたが、当連結会計年度後半は米中貿易問題の影響などにより一部企業の業績が大きく鈍化するなどやや弱含みました。日本の株式市場では、日経平均株価は2018年10月初旬にバブル崩壊後の高値となる24,000円台をつけるなど堅調に推移しましたが、その後は世界的な景気停滞への懸念などから一時は19,000円程度まで下落し、2019年3月末時点で日経平均株価は21,205円となりました。
当連結会計年度における東京、名古屋二市場の株式等(株式、ETF及びREIT)の1営業日平均個人売買代金は1兆1,241億円となり、個人投資家の売買が手控えられた影響もあり前連結会計年度比で13.2%減少しました。
このような環境の下、日本セグメントにおいては、当連結会計年度の株式等の1営業日平均委託売買代金は581億円(前連結会計年度比15.2%減)と前連結会計年度比で減少したこと、また信用取引手数料を引き下げたことにより委託手数料が減少し、受入手数料が13,301百万円(同21.6%減)となりました。一方で、信用取引残高の増加により金融収益が9,808百万円(同1.7%増)となりました。また、FX収益が増加したことによりトレーディング損益が4,535百万円(同17.3%増)となりました。その他の営業収益が86百万円(同88.3%減)となっていますが、前連結会計年度には新証券基幹システムのライセンス供与610百万円が含まれています。その結果、営業収益は27,729百万円(同11.1%減)となりました。
金融費用は1,990百万円(同8.6%減)となり、金融収支は7,818百万円(同4.8%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、システム関連費用などが増加したものの、広告宣伝費などの減少の結果、23,013百万円(同1.7%減)となりました。
その他の収益費用(純額)が1,552百万円の損失(前連結会計年度は91百万円の利益)となっていますが、当連結会計年度は日本株取引ツール「トレードステーション」に関する固定資産の減損損失1,788百万円が含まれています。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は1,247百万円(前連結会計年度比78.5%減)となりました。
(米国) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2018年3月期) |
当連結会計年度 (2019年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
11,858 |
12,014 |
156 |
1.3%増 |
|
金融収益 |
6,946 |
9,221 |
2,275 |
32.8%増 |
|
売上収益 |
56 |
282 |
226 |
402.6%増 |
|
その他の営業収益 |
1,141 |
1,282 |
140 |
12.3%増 |
|
営業収益 |
20,002 |
22,798 |
2,797 |
14.0%増 |
|
金融費用 |
2,535 |
3,214 |
679 |
26.8%増 |
|
売上原価 |
49 |
245 |
197 |
403.0%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
16,487 |
17,250 |
763 |
4.6%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△649 |
△111 |
538 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
281 |
1,978 |
1,696 |
602.6%増 |
米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層を主要な顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)が上昇すると取引量が増加し収益に貢献する傾向にあります。また、顧客の預り金を運用することで金融収益を獲得していることから、金利が上昇すると収益に貢献する傾向にあります。
当連結会計年度の米国経済は、労働市場の好調な推移などから景気の牽引役である個人消費が好調に推移したことなどにより概ね堅調に推移しました。好調な経済状況を受け連邦準備制度理事会(FRB)は2018年12月に2018年に入って4回目となるフェデラル・ファンド金利の誘導目標の引き上げを行いました。しかし、その後は米国経済に弱含みの兆候が見られるとFRBは方針を転換し今後しばらくの間金融引き締めを行わない姿勢を表明しました。米国の株式市場では、NYダウ平均やナスダック総合指数などは2018年10月に史上最高値を更新しましたが、米国経済や世界経済への悲観的な見方が強まり株価は急落しました。その後はFRBの方針変更なども追い風となり株価は徐々に値を戻しNYダウ平均は2019年3月末時点で25,928ドルまで上昇しました。
市場のボラティリティをもとに算出されるVIX指数は、株価の急落を受け2018年10月以降大きく上昇し、前連結会計年度比では31.7%上昇しました。
また、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で大きな変動はありません。
このような環境の下、米国セグメントにおいては、市場のボラティリティが上昇したことにより、当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)は78,989件(前連結会計年度比12.0%増)となり、委託手数料は5.9%増加しました。その結果、受入手数料は12,014百万円(同1.3%増)となりました。また、金融収益は、短期金利の上昇による受取利息の増加、有価証券貸借取引収益の増加などにより9,221百万円(同32.8%増)となりました。その結果、営業収益は22,798百万円(同14.0%増)となりました。
金融費用は有価証券貸借取引費用の増加により3,214百万円(同26.8%増)となり、金融収支は6,007百万円(同36.2%増)となりました。
販売費及び一般管理費は株式取引増加による支払手数料の増加や人件費の増加などの結果、17,250百万円(同4.6%増)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は1,978百万円(同602.6%増)となりました。
(アジア・パシフィック) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2018年3月期) |
当連結会計年度 (2019年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
557 |
406 |
△151 |
27.1%減 |
|
トレーディング損益 |
0 |
△3 |
△3 |
- |
|
金融収益 |
227 |
301 |
74 |
32.8%増 |
|
その他の営業収益 |
155 |
126 |
△30 |
19.1%減 |
|
営業収益 |
939 |
829 |
△109 |
11.6%減 |
|
金融費用 |
8 |
22 |
14 |
174.5%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
922 |
883 |
△39 |
4.2%減 |
|
その他の収益費用(純額) |
△278 |
△4 |
274 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
44 |
30 |
△14 |
30.7%減 |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
△225 |
△48 |
176 |
- |
アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(以下「マネックスBoom証券」)、豪州拠点のMonex Securities Australia Pty Ltd(以下「マネックスオーストラリア証券」)で構成されています。
当連結会計年度の香港経済は、米中貿易問題の影響による中国経済鈍化への懸念から弱含む場面がありましたが中国政府が金融緩和や財政拡大などの景気刺激策を行うと徐々に持ち直しました。香港の株式市場では、香港ハンセン指数は、一時25,000ポイントを割り込む水準まで下落しましたが、2019年3月末時点で29,051ポイントとなりました。
また、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で大きな変動はありません。
このような環境の下、マネックスBoom証券の株式委託売買代金が減少したことから受入手数料が406百万円(前連結会計年度比27.1%減)となりました。また、金融収益が301百万円(同32.8%増)となり、営業収益は829百万円(同11.6%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、マネックスオーストラリア証券で人件費や広告宣伝費が増加したものの、マネックスBoom証券で株式取引減少により支払手数料が減少したことなどにより883百万円(同4.2%減)となりました。
その他の収益費用(純額)が4百万円の損失(前連結会計年度は278百万円の損失)となっています。なお、前連結会計年度はマネックスBoom証券でその他の金融資産(貸付金)に関する減損損失291百万円を計上したことによるものです。
持分法による投資利益は30百万円(前連結会計年度比30.7%減)となっていますが、これは、中国本土で事業展開するジョイントベンチャーに関するものです。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は48百万円(前連結会計年度は225百万円のセグメント損失)となりました。
なお、マネックスBoom証券グループの税引前利益は83百万円(前連結会計年度は144百万円の税引前損失)です。
(クリプトアセット事業) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2018年3月期) |
当連結会計年度 (2019年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
- |
186 |
186 |
- |
|
トレーディング損益 |
- |
1,929 |
1,929 |
- |
|
営業収益 |
- |
2,116 |
2,116 |
- |
|
金融費用 |
- |
39 |
39 |
- |
|
販売費及び一般管理費 |
- |
4,766 |
4,766 |
- |
|
その他の収益費用(純額) |
- |
957 |
957 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
- |
△1,732 |
△1,732 |
- |
クリプトアセット事業セグメントは、コインチェック株式会社で構成されています。コインチェック株式会社は新規口座開設及びサービスの一部を停止していましたが、2018年10月に新規口座開設及び一部取扱仮想通貨の取引を再開し、2018年11月末で全取扱仮想通貨の取引が可能となりました。また、同社は2019年1月11日に仮想通貨交換業の登録が完了しました。なお、2018年4月にコインチェック株式会社を連結の範囲に含めたため、前連結会計年度との対比は行っていません。
当連結会計年度は、出金・送金手数料などにより受入手数料が186百万円となりました。また、仮想通貨の売買損益等によりトレーディング損益が1,929百万円となり、営業収益は2,116百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費や事務委託費などにより4,766百万円となりました。
その他の収益費用(純額)が957百万円の利益となっていますが、これには未払金で計上している条件付対価の公正価値の変動による評価益960百万円が含まれています。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は1,732百万円となりました。
(投資事業) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2018年3月期) |
当連結会計年度 (2019年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
金融収益 |
2,772 |
414 |
△2,357 |
85.1%減 |
|
営業収益 |
2,772 |
414 |
△2,357 |
85.1%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
15 |
23 |
9 |
58.0%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
1 |
△1 |
△1 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
25 |
△8 |
△33 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
2,782 |
382 |
△2,400 |
86.3%減 |
投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合で構成されています。
当連結会計年度は、主に保有銘柄の評価額上昇による評価益などにより金融収益が414百万円(前連結会計年度比85.1%減)となり、営業収益は414百万円(同85.1%減)となりました。なお、前連結会計年度の金融収益は、保有銘柄の売却による売却益を計上したことによるものです。
販売費及び一般管理費は23百万円(同58.0%増)となりました。
持分法による投資損失は8百万円(前連結会計年度は25百万円の利益)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は382百万円(前連結会計年度比86.3%減)となりました。
② 財政状態の状況
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2018年3月末) |
当連結会計年度 (2019年3月末) |
増減 |
|
資産合計 |
973,520 |
1,027,849 |
54,329 |
|
負債合計 |
893,027 |
947,707 |
54,680 |
|
資本合計 |
80,493 |
80,142 |
△351 |
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
80,329 |
78,994 |
△1,335 |
当連結会計年度の資産合計は、信用取引資産などが減少したものの、現金及び現金同等物、預託金及び金銭の信託、有価証券担保貸付金などが増加した結果、1,027,849百万円(前連結会計年度末比54,329百万円増)となりました。また、負債合計は、預り金、有価証券担保借入金などが増加した結果、947,707百万円(同54,680百万円増)となりました。
資本合計は、当期利益、その他の包括利益などにより増加したものの、自己株式の取得、配当金の支払などにより減少した結果、80,142百万円(同351百万円減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2018年3月期) |
当連結会計年度 (2019年3月期) |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△38,701 |
53,834 |
92,535 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△5,872 |
22,763 |
28,635 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
49,870 |
△5,909 |
△55,779 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
81,456 |
150,926 |
69,470 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による収入53,834百万円(前連結会計年度は38,701百万円の支出)、投資活動による収入22,763百万円(同5,872百万円の支出)及び財務活動による支出5,909百万円(同49,870百万円の収入)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は150,926百万円(前連結会計年度末比69,470百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により取得した資金は、53,834百万円となりました。
預託金及び金銭の信託の増減により13,459百万円、受入保証金及び預り金の増減により8,699百万円の資金を使用する一方、信用取引資産及び信用取引負債の増減により56,498百万円、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減により2,334百万円の資金を取得しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により取得した資金は、22,763百万円となりました。
無形資産の取得により6,265百万円の資金を使用する一方、子会社の取得により30,695百万円の資金を取得しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、5,909百万円となりました。
長期借入債務の調達により58,924百万円、社債の発行により28,016百万円の資金を取得する一方、短期借入債務の収支により40,816百万円、社債の償還により26,557百万円、長期借入債務の返済により22,005百万円、自己株式の取得により2,000百万円、配当金の支払により2,408百万円の資金を使用しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。
当社は、連結財務諸表を作成するに当たり重要な判断や見積りを行っています。これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績等の状況
2019年3月期は、2018年4月のコインチェック株式会社のグループ入りにより、これまでの日本セグメント、米国セグメント、アジア・パシフィックセグメントの3事業セグメントから、クリプトアセット事業セグメントを新設するとともに、日本セグメントから投資事業セグメントを独立させ、5事業セグメントに変更しました。日本セグメントの収益は個人投資家の取引低迷などにより、前年度を下回りましたが、米国セグメントは収益性が向上し、稼ぎ頭のセグメントに成長いたしました。一方、クリプトアセット事業セグメントで損失を計上したことから、連結では前期比で減収減益という結果になりました。
日本セグメントは、マネックス証券のFX取引において、2018年11月にFX PLUSのスプレッド縮小により取引量が大幅に上昇し、FX関連収益が増加しましたが、株式取引は低調だったため、減収となりました。一方、費用は、マーケティングの効率化により広告宣伝費が3割減となり、販売費及び一般管理費全体の減少につながりました。また、収益実績に基づき保有資産を再評価し、日本株取引ツール「トレードステーション」の減損損失を計上(今後もツールのサービス提供は継続)したため、セグメント利益は12億円(前期比78%減)となりました。
米国セグメントは、手数料体系の簡略化、ブランドの刷新により顧客層を広げ、稼働口座数が順調に増加しました。預かり資産増および金利上昇に伴う金融収支の増加に加え、ボラティリティ上昇の結果、取引量が拡大、委託手数料が増加し、増収に結びつきました。取引量拡大による支払手数料や稼働口座数等の増加による業績連動賞与の増加による販売費及び一般管理費の増加を吸収し、増収増益となり、セグメント利益は20億円(前期比603%増)となりました。米国の収益性は向上しており、セグメントの稼ぎ頭として当社グループの利益を牽引するまでに成長しています。
アジア・パシフィックセグメントは、香港のオンライン証券事業は安定的に営業利益を計上していますが、グローバルな事業拡大を企図した豪州のオンライン証券事業において費用が先行したため、セグメント損失48百万円を計上しています。
クリプトアセット事業セグメントは、コインチェック株式会社においてお客様に安心してお取引いただける取引環境の構築に努め、2019年1月には仮想通貨交換業登録が完了しましたが、仮想通貨取引低迷により収益が振るわず、また、内部管理等の態勢整備やサイバーセキュリティへの投資などの負担増により、セグメント損失17億円を計上しました。
投資事業セグメントは、保有株式評価益および売却益の計上により、セグメント利益4億円を計上しています。
以上の結果、2019年3月期の親会社の所有者に帰属する当期利益は、12億円となりました。
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおり、資本効率に関する目標としてROE10%を最低水準と考えています。
当社グループの2019年3月期におけるROEは1.5%であり、資本コストとの対比で最低の目標水準と考えているROE10%に到達していません。資本コストを上回るROEの達成は当社グル―プの課題であり、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 事業上及び財務上の対処すべき課題 ① 資本コストを上回るROEの達成」に記載のとおり取り組んでまいります。
また上記以外に、2019年4月25日に公表しました「2019年3月期 決算説明資料」の「マネジメントによる現状認識」等もご参照下さい。
(b) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(資本の財源)
2019年3月末の財政状態計算書
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資産 10,279億円 |
|
負債 9,477億円 |
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主な資産は金融商品取引業 に関連するもの 7,641億円 |
|
主な負債は金融商品取引業 に関連するもの 9,400億円 |
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||
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|
|
||
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その他 557億円 |
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現金及び現金同等物 1,541億円 |
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その他 77億円 |
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資本 801億円 |
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固定的な資産(注) 539億円 |
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(注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。
当連結会計年度末の資本は801億円であり、固定的な資産539億円を上回っています。差額の263億円については以下の原資とする予定です。
1.海外含む証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応
2.将来の事業投資に備える内部留保
3.株主還元(配当金及び自己株式取得)
(重要な資本的支出の予定)
重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(資金の流動性)
当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また、資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。なお、債務の期日別の残高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。
(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
前連結会計年度
① のれんの償却
日本基準では合理的に見積もられたのれんの効果が及ぶ期間にわたって定額法によりのれんを償却しますが、IFRSでは企業結合により発生したのれんは、償却せずに毎期減損テストを行います。また日本基準で負債として認識し、毎期規則的に償却していた負ののれんは、IFRSでは移行日において利益剰余金に振替えています。IFRSにおいてのれんを償却しないことにより、IFRSにおける連結損益計算書の「税引前利益」は、日本基準に比べて1,189百万円増加しています。
② 特別法上の準備金
日本基準における金融商品取引責任準備金は、報告日において存在していない将来起こりうる損失に対して認識しており、IFRSでの負債の認識要件を満たしていないためIFRSでは認識していません。日本基準で計上した金融商品取引責任準備金の繰入をIFRS上で取消したことにより、IFRSにおける連結損益計算書の「税引前利益」は、日本基準に比べて4百万円増加しています。
③ 非上場の持分金融商品
日本基準では、非上場の持分金融商品を原則として取得原価で測定していますが、IFRSでは原則として公正価値により測定しています。日本基準で認識しなかったその他の包括利益をIFRSにおいて計上したことにより、IFRSにおける連結包括利益計算書の「税引後その他の包括利益」は、日本基準に比べて561百万円減少しています。
当連結会計年度
① のれんの償却
日本基準では合理的に見積もられたのれんの効果が及ぶ期間にわたって定額法によりのれんを償却しますが、IFRSでは企業結合により発生したのれんは、償却せずに毎期減損テストを行います。また日本基準で負債として認識し、毎期規則的に償却していた負ののれんは、IFRSでは移行日において利益剰余金に振替えています。IFRSにおいてのれんを償却しないことにより、IFRSにおける連結損益計算書の「税引前利益」は、日本基準に比べて1,189百万円増加しています。
② 特別法上の準備金
日本基準における金融商品取引責任準備金は、報告日において存在していない将来起こりうる損失に対して認識しており、IFRSでの負債の認識要件を満たしていないためIFRSでは認識していません。日本基準で計上した金融商品取引責任準備金の戻入をIFRS上で取消したことにより、IFRSにおける連結損益計算書の「税引前利益」は、日本基準に比べて37百万円減少しています。
③ 仮想通貨
日本基準では利用者から預託を受けた仮想通貨は資産として認識し、同時に、利用者に対する返還義務を負債として認識します。IFRSでは仮想通貨の取引等に係る基準は存在しませんが、当社グループでは、IFRSに基づいて、最も適切と考える方法を採用しており、利用者から預託を受けた仮想通貨は資産として認識しておらず、対応する負債についても認識していません。この結果、IFRSにおける連結財政状態計算書の「資産合計」及び「負債合計」は、日本基準に比べそれぞれ54,009百万円減少しています。
④ 金融商品の評価
日本基準では「その他有価証券」に分類される有価証券について、時価のあるものは時価評価を行い、時価を把握することが極めて困難と認められるものは取得原価で評価します。時価が著しく下落した場合又は実質価額が著しく下落した場合を除き、評価に係る損益は計上されません。IFRSではすべての金融商品について公正価値評価を行い、「純損益を通じて公正価値測定する金融資産」に分類される金融商品の公正価値の変動は純損益として認識し、「その他の包括利益を通じて公正価値測定する金融資産」の公正価値の変動はその他の包括利益として認識します。
該当事項はありません。
該当事項はありません。