文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社はオンライン金融事業を営むマネックス証券株式会社(日本)及びTradeStation Group, Inc.(米国)を中核子会社として、その他国内外に金融関連の子会社及び持分法適用会社を有する持株会社です。当社グループは、次に掲げる企業理念および行動指針を基に、個人投資家の日々の生活及び資産形成に必要な総合金融サービスの提供を目指していきます。
① 企業理念
MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来の金融を表わしています。
常に変化し続ける未来に向けて、マネックスグループは、最先端のIT技術、世界標準の金融知識を備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインし、更には新しい時代の金融を再定義し、全ての個人の投資・経済活動をサポートすることを目指します。
② 行動指針
・お客さまと社員の多様性を尊重します。
・最先端のIT技術と金融知識の追究を惜しみません。
・新しい価値を創造しステークホルダーに貢献します。
(2) 目標とする経営指標及び現状の経営環境
当社グループは連結における年度の業績予算を策定していますが、当社グループがオンライン証券ビジネスやクリプトアセットビジネスなどをグローバルに展開しており、経済環境や相場環境等の影響を大きく受けるため、業績予想を行うことが困難な状況にあります。当社の業績予想および収益計画は、投資家に対して誤った情報を提供する可能性があることから適切でないと考えているため、開示しておりません。一方、資本効率に関する目標としてROEが妥当と考えており、10%を達成すべき水準と考えております。
当社グループは、ROE10%を達成するためには、ビジネスモデルの転換が不可欠と考えております。1999年、対面販売が当たり前だった時代に創業した当社は、個人投資家にインターネットで安価かつ便利に証券取引ができることを付加価値として提供してきました。しかし、創業から20年経過し、個人投資家がインターネットで証券取引を行うのが当たり前となった現在では、証券取引のブローキング業務はコモディティ化し、安価かつ便利な証券取引以上の価値をお客様に提供することが求められています。また、新型コロナウイルスの感染拡大は経済活動全般に影響を及ぼしましたが、人々の行動様式の変化が持続する可能性もあり、こうした外部環境の変化に対しても十分な対応をしていく必要があります。こうした認識の下、資本市場の本来の主権者である個人投資家の声をより反映させることを目的とし、事業セグメントの特徴に合わせた、ビジネスモデルの転換を進めていきます。
(3) 対処すべき課題
当社グループの中核事業であるオンライン証券業は、株式委託手数料のゼロ化といった外部環境の大きな変化に直面しており、ビジネスモデルを変革することで対処していきます。主要セグメントである日本セグメントにおいてはブローカーモデルからアセマネモデルへの移行、米国セグメントについては収益源の多様化、他のセグメントについては市況の影響を受ける中でも安定的に利益を出していく構造へと転換を進めて参ります。
1)日本セグメント
日本のオンライン証券業界は、株式委託手数料の自由化が始まった1999年から各社が手数料競争を続けておりますが、株式取引のコモディティ化が進んでいく中で低廉なブローカー業務以外の付加価値をお客様に提供していくため、オンライン証券の社会的意義や個人投資家の株式取引に対する本源的付加価値の再定義が必要になります。
マネックス証券の主な顧客層は40~50代を中心とした中長期の資産形成層であり、アクティブトレーダー層の割合は同業他社に比べると低いことや、営業収益に占める委託手数料の割合は約4割と同業他社比で高く手数料依存の収益構造を変革していくことが喫緊の重要課題と認識しています。一方で預かり資産残高は3.8兆円と、総口座数約190万口座を母数とする1人当たり預かり資産の額は同業他社比で高位であるため、この特徴を活かしてお客様資産の増加を目的とした収益モデルを構築することが今後のマネックス証券の存在価値と考えるに至りました。今後は、手数料や運用報酬を控除した、お客様一人当たりはもとよりお客様全体の運用資産額の増加にコミットし、アセマネモデルへの事業構造の転換を進めていきます。
なお、マネックス証券の預かり資産の内訳は株式が2.3兆円、各金融商品に投資するための待機資金である現金・MRFは0.8兆円です。預かり資産のうち約6割を占める日本株の株価は、先進諸国のそれに比して低迷しており、株価の低迷は我が国の資本市場における課題です。マネックス証券としては、当該課題に向き合い、日本の上場企業の株価の向上に取組むことで、証券会社としての社会的意義を果たしたいと考えています。具体的には、当社グループ内に設立した日本の上場企業に対するエンゲージメント活動を推進するカタリスト投資顧問株式会社が助言する「マネックス・アクティビスト・ファンド」に、マネックス証券のお客様が資金を投入頂くことで、株価向上とお客様の資産増大に寄与したいと考えます。
短期的には、世界最大の市場である米国株の取引環境拡充による米国株関連収益増、資産の有効活用を目的とした貸株サービスの利便性向上策に伴う金融収支増など、ストック収益の増加に取組みながら、中長期的な成長分野である「マネックス・アクティビスト・ファンド」からの信託報酬の積み上げにより、株式の市況に依存しない安定的な収益の積み上げであるアセマネモデルを推進し、持続的な成長を実現していきます。
2)米国セグメント
米国のTradeStationは、長年にわたり高評価を得ている自社開発の取引プラットフォームを強みとして、取引数の多いアクティブトレーダーを中心とした顧客からの高い支持を受けています。市場のボラティリティ上昇に伴い増加する委託手数料や、流動性を伴った注文の提供に対するマーケットメイカー等からのインセンティブであるPFOF(ペイメント・フォー・オーダー・フロー)およびお客様の預かり金の資金運用収支が収益の大半を占めてきました。2019年9月以降に米国のオンライン証券各社が株式やオプション取引の委託手数料を無料とする施策を発表する中でTradeStationも同様の対抗策を導入し、これによる減収および米国金利の低下による資金運用収支の減少による影響を受けています。上述の事業環境変化を受けて、2020年4月末には従業員の約1割の削減を断行、年間7.5億円の削減効果を見込むなど、固定費の削減に取り組んでいますが、中長期的には減収分を上回る新たな収益モデルを構築することが課題です。
TradeStationにおいては、営業収益に占める委託手数料の割合が約4割と手数料依存度が依然として高く、こうした収益構造に対する改善が必要です。トレーディングコミュニティサービス「YouCanTrade」の定期購買顧客の獲得、クリプトアセットビジネスの開始、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を通じた外部プラットフォームを利用する顧客からの取引導入など、収益の多角化を進めています。
マーケットメイカーにお客様の取引を取り次ぐことで証券会社が収益を享受できるPFOFという仕組みは、TradeStationにおいては手数料ゼロ化の減収影響をカバーする働きをしております。また、トレーディングコミュニティサービス「YouCanTrade」は、投資スキルおよび投資効率を高めたいと希望するユーザーに対して熟練のコーチがトレーディングに関する教育をして報酬を得ることで、TradeStationの収益多角化に寄与しています。さらに、ライセンスを受けた州から順次クリプトアセット取引サービスの提供を開始、市場規模が拡大しているクリプトアセットの貸付市場を活用するなどして取引商品の多角化を進め、アクティブトレーダーだけでなく、よりカジュアルなトレーダー層や投資経験の浅い層にも訴求することで新たな顧客層を獲得し、預り資産を増やし、多様な収益源の確保に努めていきます。
3)クリプトアセット事業セグメント
暗号資産交換業を営むコインチェックは、ミレニアル世代を中心とした資産運用未経験層が主な顧客層であり、BTCを含む12種類の暗号資産を取引できる販売所の売買価格スプレッドが主な収益源となっています。取引ボリュームは暗号資産市場のボラティリティなどにより増減し、収益額もその影響を大きく受けるため、収益の安定化が課題です。当期においては、取引ボリュームが低い期間においても利益が確保できるよう費用水準を削減(前期比13億円減)いたしましたが、さらなる収益の安定性確保のため、ストック収益を計上できるサービスとして、Liskのステーキングサービスや国内暗号資産交換業者で唯一の積み立てサービス等の開発を進めました。また、個人投資家の暗号資産の選択肢を広げるために安心して取引できる新たな暗号資産の取扱いの追加にも引き続き取り組んでいます(2020年3月期はMONA、XLM、QTUMの取扱いを開始、うちXLMとQTUMは国内初の取扱い)。
4)アジア・パシフィックセグメント
アジア・パシフィックセグメントについては、中核であるマネックスBoom証券について収支が安定する規模の業容に成長させること、2018年よりオンライン証券事業を開始したマネックスオーストラリア証券と合わせてアジア・パシフィックセグメントとして早期に黒字化を達成することが喫緊の課題です。オーストラリアにおいて近年、中国からの移民が増加していることを背景に、マネックスオーストラリア証券では中国系の顧客の口座開設が増加しています。マネックスBoom証券とマネックスオーストラリアが協力し、マーケティング手法の長所を相互に活用すると共に共通コストを削減する努力などを通じて、安定的に利益が上がるようにシナジーを追求していきます。
5)投資事業セグメント
マネックスベンチャーズが設立したMV1号投資事業有限責任組合では、プロダクト開発段階や成長段階のデジタルテクノロジーを活用した先進的、革新的なサービスを提供するスタートアップに積極的に投資をしており、2020年3月末現在で投資先は合計34件となりました。シード、アーリーステージにおける有望な投資先への投資活動は順調ですが、少数精鋭体制のため、今後、投資先が増える中での投資先管理の強化が課題です。マネックスベンチャーズにおいて人員確保するとともに、効率的な運営を進めることで、出資者に対する収益分配を高められるよう基盤を強化していきます。
6)その他
新型コロナウイルス感染拡大による影響は現時点では僅少と認識していますが、今後の事業環境の変化および市況の悪化による取引量の大幅減少など影響が生じる可能性があります。
1.当社に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) ビジネスリスクについて
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、日本セグメントでは、ブローカーモデルからアセマネモデルへの新たなビジネスモデルの変革、米国セグメントでは、教育コンテンツや暗号資産ビジネスなどの新たなサービスの追加による収益源の多様化を進めています。しかしながら、日本セグメントの新たな収益モデルが未構築のまま、同業他社により委託手数料が大幅に引き下げられる場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。また、新たなビジネスモデル構築が想定より遅延することにより、将来の収益や利益を逸失する可能性があります。
(2) 信用リスクについて
a. 顧客取引に関わる信用リスク
当社グループは、信用取引、先物・オプション取引、FX取引等により、顧客に対して信用供与するため、株式市況、為替市況等の変動によっては顧客に対する信用リスクが顕在化する可能性があります。ただし、当社グループは、前金、保証金又は担保の差し入れを受けており、また、取引状況の日常的なモニタリングを通じたポジションの偏り等のリスクを把握し管理していることなどから、顧客に対する信用リスクの顕在化は限定的と判断しています。
ただし、今後の市場環境等の急激な変動により、顧客立替金が生じる場合において、顧客からこれを十分回収できない可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b. 取引金融機関等に関わる信用リスク
当社グループは、FX取引及び暗号資産取引におけるカバー取引、貸株取引等により、取引金融機関及び暗号資産交換業者等に対する信用リスクに晒されています。当社グループの取引金融機関及び暗号資産業者は、基本的には国内又は海外で認知された優良な金融機関及び暗号資産交換業者であるため信用リスクは限定的です。また、取引金融機関に対する格付引下げ等の信用不安につながり得る情報を入手した場合には、関係部門間で連携をとりながらリスク回避のために必要な措置を講じておりますが、今後の市況等の急激な変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、信用リスクを含む金融リスクに関する定量的な分析は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載しています。
(3) システムリスクについて
当社グループは、主要セグメントである日本、米国、クリプトアセット事業セグメントにおいて、取引の根幹をなす基幹システムを内製開発・自社保有しておりますが、システムの不具合、処理能力不足、通信回線の障害などによりシステムの機能不全に陥った場合には、事業運営に重大な支障が生じるおそれがあります。
グローバルにビジネス展開をしている当グループでは、深刻化するサイバーセキュリティに対する脅威からお客様の情報や資産を守り、安心してお取引を行っていただくため、金融庁が制定している金融商品取引業者向けの監督指針や、米国国立標準技術研究所(NIST)800シリーズを参照し、包括的なサイバーセキュリティ対策の強化に努めています。また、マネックスグループ全体でサイバー攻撃により発生した事象への対応、および被害を軽減させるためのグローバルな体制を構築しており、当社に設置したマネックスグループCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心に、当社グループ各社にもCSIRTを設置しています。マネックスグループCSIRTはグループ各社のCSIRTとの協力体制の下、ガバナンスの強化を行い、各社のCSIRTは各社の業務、情報資産、そしてシステムを守る機能を果たしており、組織運営、システム対応、人的対応、外部連携、以上4つの軸でサイバーセキュリティ対策を推進しています。しかしながら、何らかの不備、あるいは現段階では予測できない原因により、当社グループの適切な対応が遅れる、又は適切な対応がなされなかった場合や、外部からのサイバー攻撃等により個人情報や機密情報などが漏えいした場合には、当社グループの信用低下や被害者からの損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 災害リスクのうち新型コロナウイルス感染拡大について
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大および拡大後の株式市場のボラティリティ上昇による取引活況の中にあっても、堅牢なシステム及びオペレーションを維持しております。リモートワーク可能な業務を特定し、サービス水準を下げずに収益を確保できる体制を推進しており、2020年5月末現在で約70%の社員がリモートワークを行っております。しかしながら、リモートワークが続くことによる生産性の低下や競争力低下および従業員の感染が発生し拡大した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) その他のリスク
株式会社静岡銀行は、当社の議決権の5%超を保有しています。現在の状況が継続する場合、当社は銀行法第16条の2第1項各号に掲げる会社以外の会社の議決権の50%超を保有することができない等の制約を受けます。その結果、当該制約により経営環境等の変化に適切に対応できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
2. 当社のリスク管理状況
(1)リスク管理体制
当社は、経営に影響を与えるリスクを許容できる一定の範囲内にとどめることが事業目的達成に資するという考えに基づき、「統合リスク管理規程」等に定めたリスクを適切に識別、分析、評価したうえで、各々のリスクに応じた適切な当社および当社グループ会社のリスクについての管理体制を整備しています。以下の体制の通り、CEOが任命するリスク管理統括責任者がリスク管理体制に関する整備状況、運用状況を把握し、定期的に取締役会に報告しています。
(2)リスクの定義および主要な取組み
当社ではリスクの種類を下表のように分類し、定期的に評価しています。また、それぞれのリスクに対する主な取り組みは以下の通りです。
|
リスク カテゴリー1 |
リスク カテゴリー2(*) |
リスクの定義 |
主要な取組み |
|
ビジネス リスク |
戦略リスク |
既存ビジネスの競争力低下および新規ビジネスへの参入遅延などのリスク
|
日本セグメントはアセマネモデルへの転換、米国セグメントは収益源の多様化を図り、新たなビジネスモデルの構築を推進(1.(1)で詳細を記載) |
|
経営管理リスク |
会社全体の業績やコストを管理できず、グループ全体の収益性が低下するリスク |
取締役会等にセグメント毎の業績やKPIを報告 |
|
|
市場関連 リスク |
市場関連リスク |
市場リスク要因の変動による保有資産(オフバランスシート資産を含む)の変動による損失のリスク |
FX取引につきカバー取引に関する規定に基づき、外国為替ポジションを適切に制御 |
|
信用リスク |
信用リスク |
取引先および顧客へのクレジットリスク |
取引状況の日常的なモニタリングを通じてポジションの偏り等のリスクを把握(1.(2)で詳細を記載) |
|
流動性 リスク |
流動性リスク |
資金繰り管理における不備等で資金確保が困難になるリスク |
直接金融・間接金融の活用等、資金調達手段を多様化 |
|
情報セキュリティ リスク |
情報セキュリティリスク |
情報資産の漏洩、毀損等により機密性、完全性等が損なわれることで損失を被るリスク |
定期的モニタリング、従業員へのセキュリティ教育の継続的実施 |
|
リスク カテゴリー1 |
リスク カテゴリー2(*) |
リスクの定義 |
主要な取組み |
|
システム リスク |
サイバーセキュリティリスク |
サイバー攻撃等により、重要情報漏洩、システムの不正使用、又はサービス停止をすることで損失を被るリスク |
グローバルな体制を構築し、組織運営、システム対応、人的対応、外部連携の軸で対策を推進(1.(3)で詳細を記載) |
|
システム構築リスク |
システムダウンや誤作動およびシステムの不正使用等により顧客ならびに当社が損失を被るリスク |
第三者による定期的脆弱性診断の実施。脆弱性検知時における、即時対応 |
|
|
事務リスク |
事務リスク |
従業員等のヒューマンエラーおよび清算機構やシステムベンダーなどの第三者に頼る事務リスク |
新規プロジェクトや商品サービス導入時の主要事務リスクのレビューによる形式知化等の対応 |
|
リーガル リスク |
マネー・ローンダリング及びテロ資金供与リスク |
マネー・ローンダリング、及びテロ資金供与に利用されそうになるリスク |
各グループ会社における対策の徹底、及びグローバルな報告体制構築を通じたマネー・ローンダリング対策に係る課題の把握と対応 |
|
コンプライアンスリスク |
社内外の法令・規制等の厳守を怠ったために罰則・訴訟等を受けるリスクや、契約上の障害により損失を被るリスク |
コンプライアンス責任者からの定期的な法令順守項目の周知徹底や、契約締結における確認フローのシステム化 |
|
|
レピュテーション リスク |
風評リスク |
マスコミ報道、風評・風説等により会社の評判が悪化することで損失を被るリスク |
マスコミ関係者やPR支援会社との連携強化による、風評被害発生リスクの最小化努力 |
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災害リスク |
自然災害リスク |
自然災害によるビジネス持続性リスク |
当社グループの主要な拠点において災害、テロ攻撃等の発生に備えた事業継続計画の策定や、有事の対応策の事前検討(新型コロナウイルス感染拡大について1.(4)で詳細を記載) |
|
その他の リスク |
組織に関するリスク |
組織内で発生するモラル低下などにより事業目的の達成を制限されるリスク |
当社CEOが回答する社内質問会や外部弁護士への内部通報制度の設置 |
|
情報開示リスク |
不正な会計、IR情報を開示するリスク |
適切な内部統制の構築・運用に加え、公認会計士資格を有する社外取締役と会計監査人の連携などによる、不正な会計処理を未然に防止する体制構築 |
|
|
その他 |
カントリーリスク、政治リスク |
グローバル拠点間の経営陣が出席する会議における、グローバルな経営環境などの情報共有 |
(*)上記のリスクカテゴリー2に対応する残存リスク(グループ全体の影響度×発生確率/統制)を算出
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、「日本」・「米国」・「アジア・パシフィック」・「クリプトアセット事業」・「投資事業」の5つの報告セグメントとしています。なお、報告セグメントの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6セグメント情報」をご参照下さい。
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2019年3月期) |
当連結会計年度 (2020年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
25,741 |
25,375 |
△366 |
1.4%減 |
|
トレーディング損益 |
6,461 |
8,550 |
2,089 |
32.3%増 |
|
金融収益 |
19,242 |
18,579 |
△663 |
3.4%減 |
|
その他の営業収益 |
731 |
722 |
△9 |
1.2%減 |
|
営業収益 |
52,175 |
53,226 |
1,051 |
2.0%増 |
|
収益合計 |
53,480 |
53,380 |
△100 |
0.2%減 |
|
金融費用 |
4,758 |
5,236 |
478 |
10.0%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
44,690 |
42,835 |
△1,855 |
4.2%減 |
|
費用合計 |
51,690 |
49,249 |
△2,441 |
4.7%減 |
|
税引前利益 |
1,790 |
4,131 |
2,341 |
130.8%増 |
|
法人所得税費用 |
761 |
1,310 |
549 |
72.1%増 |
|
当期利益 |
1,029 |
2,820 |
1,792 |
174.2%増 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
1,181 |
3,011 |
1,829 |
154.8%増 |
当連結会計年度は、委託手数料が米国セグメントで増加したものの、日本セグメントで減少したことなどにより受入手数料が25,375百万円(前連結会計年度比1.4%減)となりました。また、クリプトアセット事業セグメントで暗号資産取引が増加したことや、日本セグメントでFX収益が増加したことなどによりトレーディング損益が8,550百万円(同32.3%増)となりました。さらに、米国セグメントで受取利息が増加したものの、日本セグメントで信用取引残高が減少したことなどから金融収益が18,579百万円(同3.4%減)となりました。その結果、営業収益は53,226百万円(同2.0%増)となり、収益合計は53,380百万円(同0.2%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、日本セグメントで減価償却費が減少し、クリプトアセット事業セグメントで事務委託費等が減少した結果、42,835百万円(同4.2%減)となり、費用合計は49,249百万円(同4.7%減)となりました。
以上の結果、税引前利益が4,131百万円(同130.8%増)となりました。また、法人所得税費用が1,310百万円(同72.1%増)となりました。
当期利益は2,820百万円(同174.2%増)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,011百万円(同154.8%増)となりました。
各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(日本) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2019年3月期) |
当連結会計年度 (2020年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
13,301 |
12,614 |
△687 |
5.2%減 |
|
トレーディング損益 |
4,535 |
5,030 |
496 |
10.9%増 |
|
金融収益 |
9,808 |
8,652 |
△1,156 |
11.8%減 |
|
その他の営業収益 |
86 |
96 |
10 |
12.1%増 |
|
営業収益 |
27,729 |
26,393 |
△1,337 |
4.8%減 |
|
金融費用 |
1,990 |
2,050 |
60 |
3.0%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
23,013 |
21,671 |
△1,342 |
5.8%減 |
|
その他の収益費用(純額) |
△1,552 |
△420 |
1,131 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
73 |
- |
△73 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
1,247 |
2,251 |
1,004 |
80.5%増 |
日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社で構成されています。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家を主要な顧客層としており、株式市場での個人投資家の売買動向に影響を受けます。
当連結会計年度の日本経済は、米中対立やそれに伴う世界的な景気鈍化の影響などから国内景気が鈍化傾向となり、日韓の政治対立の影響で韓国からの観光客が顕著に減少したことなどからインバウンド消費も頭打ちになりました。その後米中の貿易交渉の進展やそれに伴う世界景気の回復期待から10月に入って株価が上昇し、2020年1月20日に24,083円の高値を付けました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による悪影響で日経平均株価は3月19日には16,552円まで下落し、当連結会計年度末時点は18,917円となりました。
当連結会計年度における東京、名古屋二市場の株式等(株式、ETF及びREIT)の1営業日平均個人売買代金は1兆478億円となり、前連結会計年度比で6.8%減少しました。
このような環境の下、日本セグメントにおいては、当連結会計年度の株式等の1営業日平均委託売買代金は561億円(前連結会計年度比3.2%減)と前連結会計年度比で減少したことや、投資信託の販売手数料の減少などにより受入手数料が12,614百万円(同5.2%減)となりました。また、信用取引残高の減少により金融収益が8,652百万円(同11.8%減)となりました。一方で、FX収益の増加によりトレーディング損益が5,030百万円(同10.9%増)となりました。その結果、営業収益は26,393百万円(同4.8%減)となりました。
金融費用は2,050百万円(同3.0%増)となり、金融収支は6,601百万円(同15.6%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、減価償却費の減少などの結果、21,671百万円(同5.8%減)となりました。
その他の収益費用(純額)が420百万円の損失(前連結会計年度は1,552百万円の損失)となっていますが、投資有価証券評価損344百万円、日本株取引ツール「トレードステーション」に関する固定資産の減損損失207百万円が含まれております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は2,251百万円(前連結会計年度比80.5%増)となりました。
(米国) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2019年3月期) |
当連結会計年度 (2020年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
12,014 |
12,270 |
256 |
2.1%増 |
|
金融収益 |
9,221 |
9,965 |
743 |
8.1%増 |
|
売上収益 |
282 |
412 |
130 |
46.2%増 |
|
その他の営業収益 |
1,282 |
999 |
△283 |
22.0%減 |
|
営業収益 |
22,798 |
23,645 |
847 |
3.7%増 |
|
金融費用 |
3,214 |
3,396 |
181 |
5.6%増 |
|
売上原価 |
245 |
363 |
117 |
47.8%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
17,250 |
17,877 |
627 |
3.6%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△111 |
△246 |
△135 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
1,978 |
1,763 |
△214 |
10.8%減 |
米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層を主要な顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)が上昇すると取引量が増加し収益に貢献する傾向にあります。また、顧客の預り金を運用することで金融収益を獲得していることから、金利が上昇すると収益に貢献する傾向にあります。
当連結会計年度の米国経済は、米中の貿易対立の激化の影響などから弱い経済指標が散見され景気鈍化懸念が強まった時期もありましたが、両国の貿易交渉の進展や金融緩和政策の効果等で徐々に持ち直しました。FRBによる金融緩和や安全資産への需要が高まったことの影響で金利は低下傾向となり、市場の値動きの度合いを示すS&P500のボラティリティ・インデックス(VIX指数)が秋口以降は徐々に低下しました。しかしながら、年度終盤に新型コロナウイルスの感染が米国内でも広がると米国経済は深刻な打撃を受け、FRBがゼロ金利政策の発動や量的金融緩和を再開するなど経済下支えのために大規模な政策の発動が行われました。2020年2月12日時点で29,551ドルの史上最高値をつけていたNYダウ平均は3月23日には18,591ドルまで約1ヶ月で11,000ドル近く下落し、市場のボラティリティをもとに算出されるVIX指数は急上昇しました。その結果VIX指数は、前連結会計年度比で15.7%上昇しました。
なお、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で1.9%円高となったことから、米国セグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、米国セグメントにおいては、2019年10月以降ゼロ手数料プランの導入があったものの、市場のボラティリティが上昇したことにより、当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)が96,765件(前連結会計年度比22.5%増)となった結果、委託手数料は米ドルベースで5.1%増加しました。その結果、受入手数料は米ドルベースで4.1%増加し、円換算後では12,270百万円(同2.1%増)となりました。また、金融収益は、短期金利が2019年度後半以降下落傾向となりましたが、預り資産の増加による受取利息の増加などにより米ドルベースで10.2%増加し、円換算後で9,965百万円(同8.1%増)となりました。その結果、営業収益は米ドルベースで5.7%増加、円換算後では23,645百万円(同3.7%増)となりました。
金融費用は有価証券貸借取引費用の増加等により3,396百万円(同5.6%増)となり、金融収支は米ドルベースで11.5%増加、円換算後で6,569百万円(同9.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、減価償却費、株式取引増加による支払手数料及び人件費などの増加の結果、米ドルベースで5.7%増加、円換算後では17,877百万円(同3.6%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が246百万円の損失(前連結会計年度は111百万円の損失)となっておりますが、マネックス証券に提供している日本株取引ツール「トレードステーション」のサービス終了を同社が決定したことに伴い、米国セグメント保有の固定資産に関して影響を精査した結果、減損損失を216百万円計上しております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は1,763百万円(前連結会計年度比10.8%減)となりました。
(アジア・パシフィック) (単位:百万円)
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|
前連結会計年度 (2019年3月期) |
当連結会計年度 (2020年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
406 |
454 |
48 |
11.9%増 |
|
トレーディング損益 |
△3 |
0 |
3 |
- |
|
金融収益 |
301 |
280 |
△21 |
7.0%減 |
|
その他の営業収益 |
126 |
153 |
27 |
21.6%増 |
|
営業収益 |
829 |
887 |
57 |
6.9%増 |
|
金融費用 |
22 |
252 |
231 |
1,057.5%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
883 |
898 |
15 |
1.7%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△4 |
△15 |
△11 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
30 |
48 |
17 |
56.7%増 |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
△48 |
△230 |
△182 |
- |
アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(以下「マネックスBoom証券」)、豪州拠点のMonex Securities Australia Pty Ltd(以下「マネックスオーストラリア証券」)で構成されています。
当連結会計年度の香港経済は、年度前半は米中の貿易対立の影響や香港政府が進めた「逃亡犯条例」の改正に対する反発による民衆のデモ激化の影響等で冴えない推移となりました。中国政府が金融緩和や財政拡大などの景気刺激策を行ったことで年度後半になると一時は持ち直しの兆しも見せたものの、新型コロナウイルスの感染が香港内でも確認され、世界的に株価が大きく下落する中、香港ハンセン指数も大幅に下落して当連結会計年度末時点で23,603ポイントとなりました。
また、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で1.6%円高となったことから、アジア・パシフィックセグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、マネックスBoom証券において年度後半で市場のボラティリティが上昇したことにより、米国株取引を中心に株式委託売買代金が増加したことなどから受入手数料が454百万円(前連結会計年度比11.9%増)となりました。また、金融収益が280百万円(同7.0%減)となり、営業収益は887百万円(同6.9%増)となりました。
金融費用が252百万円(同1,057.5%増)となっていますが、これにはその他の金融資産(貸付金)に関する信用リスクの悪化に伴う金融費用229百万円が含まれています。
販売費及び一般管理費は、マネックスオーストラリア証券で広告宣伝費の減少等により費用が減少したものの、マネックスBoom証券で株式取引増加により支払手数料が増加したことなどにより898百万円(同1.7%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が15百万円の損失(前連結会計年度は4百万円の損失)となっています。
持分法による投資利益は48百万円(前連結会計年度比56.7%増)となっていますが、これは、中国本土で事業展開するジョイントベンチャーに関するものです。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は230百万円(前連結会計年度は48百万円のセグメント損失)となりました。
(クリプトアセット事業) (単位:百万円)
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|
前連結会計年度 (2019年3月期) |
当連結会計年度 (2020年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
186 |
287 |
101 |
54.2%増 |
|
トレーディング損益 |
1,929 |
3,528 |
1,599 |
82.9%増 |
|
営業収益 |
2,116 |
3,815 |
1,699 |
80.3%増 |
|
金融費用 |
39 |
3 |
△36 |
92.5%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
4,766 |
3,502 |
△1,264 |
26.5%減 |
|
その他の収益費用(純額) |
957 |
△17 |
△974 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
△1,732 |
293 |
2,025 |
- |
クリプトアセット事業セグメントは、コインチェック株式会社で構成されています。
コインチェック株式会社は、2018年10月に新規口座開設及び取扱暗号資産の新規取引を一部再開し、2018年11月末には顧客による全ての取扱暗号資産の取引が可能となりました。また、同社は2019年1月に暗号資産交換業の登録を完了しました。その後、新たに2019年6月にMONA、11月にXLM、2020年3月よりQTUMの取り扱いを開始し、同社の取り扱う暗号資産は12種類となりました。
当連結会計年度の暗号資産市場は、40万円台だったビットコインの価格が2019年6月に一時150万円近くまで急上昇し、価格の上昇に伴って暗号資産の取引も活況となりました。その後、2019年7月から12月にかけては低調となりましたが、2020年1月以降はビットコインの価格が110万円台まで上昇したことにより暗号資産の取引は再び活況となりました。
当連結会計年度は、前連結会計年度と異なり年間を通じて全ての取扱暗号資産について顧客による新規購入・売却等の営業活動を行ったこと及び暗号資産市場が一定の期間活況の様相を呈したことからトレーディング損益が3,528百万円(同82.9%増)となりました。また、受入手数料が287百万円(同54.2%増)となり、営業収益は3,815百万円(同80.3%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、事務委託費、人件費及びオフィス統合に伴う不動産関係費の減少などにより3,502百万円(同26.5%減)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は293百万円(前連結会計年度は1,732百万円のセグメント損失)となりました。
(投資事業) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2019年3月期) |
当連結会計年度 (2020年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
金融収益 |
414 |
148 |
△266 |
64.3%減 |
|
営業収益 |
414 |
148 |
△266 |
64.3%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
23 |
54 |
31 |
130.1%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△1 |
△0 |
0 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
△8 |
- |
8 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
382 |
94 |
△288 |
75.4%減 |
投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合で構成されています。
当連結会計年度は、保有銘柄の評価額上昇による評価益により金融収益が148百万円(前連結会計年度比64.3%減)となり、営業収益は148百万円(同64.3%減)となりました。なお、前連結会計年度の金融収益には保有銘柄の売却による売却益を計上したことによるものも含まれております。
販売費及び一般管理費は54百万円(同130.1%増)と増加していますが、これはMV1号投資事業有限責任組合を前第4四半期連結会計期間より連結の範囲に含めているためです。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は94百万円(同75.4%減)となりました。
② 財政状態の状況
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2019年3月末) |
当連結会計年度 (2020年3月末) |
増減 |
|
資産合計 |
1,027,849 |
1,022,934 |
△4,916 |
|
負債合計 |
947,707 |
945,909 |
△1,798 |
|
資本合計 |
80,142 |
77,024 |
△3,118 |
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
78,994 |
76,210 |
△2,784 |
当連結会計年度の資産合計は、預託金及び金銭の信託などが増加したものの、信用取引資産、現金及び現金同等物などが減少した結果、1,022,934百万円(前連結会計年度末比4,916百万円減)となりました。また、負債合計は、預り金、受入保証金などが増加したものの、社債及び借入金、有価証券担保借入金などが減少した結果、945,909百万円(同1,798百万円減)となりました。
資本合計は、当期利益などが増加したものの、自己株式の取得、配当金の支払などにより減少した結果、77,024百万円(同3,118百万円減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2019年3月期) |
当連結会計年度 (2020年3月期) |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
53,834 |
34,454 |
△19,380 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
22,763 |
△7,068 |
△29,832 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△5,909 |
△48,399 |
△42,490 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
150,926 |
127,832 |
△23,094 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による収入34,454百万円(前連結会計年度は53,834百万円の収入)、投資活動による支出7,068百万円(同22,763百万円の収入)及び財務活動による支出48,399百万円(同5,909百万円の支出)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は127,832百万円(前連結会計年度末比23,094百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により取得した資金は、34,454百万円となりました。
預託金及び金銭の信託の増減により60,603百万円、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減により19,477百万円の資金を使用する一方、受入保証金及び預り金の増減により74,781百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減により28,880百万円の資金を取得しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、7,068百万円となりました。
無形資産の取得により5,548百万円、有形固定資産の取得により841百万円の資金を使用しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、48,399百万円となりました。
社債の発行により15,495百万円、長期借入債務の調達により14,105百万円の資金を取得する一方、長期借入債務の返済により33,705百万円、短期借入債務の収支により26,730百万円、社債の償還により11,205百万円の資金を使用しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、クリプトアセット事業セグメントのトレーディング損益増加等により増収となったことに加え、日本セグメントの減価償却費減少等により販売費及び一般管理費が減少したため、親会社の所有者に帰属する当期利益は30億円(前連結会計年度比154.8%)となりました。一方、資本合計は、当期利益などが増加したものの、自己株式の取得、配当金の支払、在外営業活動体の換算差額等により減少した結果、77,024百万円(同3,118百万円減)となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
日本セグメントは、市場売買代金の水準が下半期以降回復し、費用を適切に管理した結果、セグメント利益(税引前利益)は23億円(前期比81%増)となりました(なお、投資有価証券評価損3億円、固定資産の減損損失2億円の一時要因を除くと、セグメント利益は28億円となります)。
米国セグメントは、相場変動に伴う取引増が金利低下やゼロ手数料による減収をカバーし、増収となりました。一方で、新規事業のサービス開始に伴い人件費と減価償却費が増加したため、セグメント利益は18億円(前期比11%減)となりました(なお、固定資産の減損損失2億円の一時要因を除くと、セグメント利益は20億円となります)。
アジア・パシフィックセグメントは、株式の取引活況による取引増に伴う収益増をマージンローンの引当金計上が上回ったため、セグメント損失2億円(前期比2億円減)となりました。
クリプトアセット事業セグメントは、暗号資産市場の取引活況を受けた取引増に伴う増収および固定費を中心とした大幅な費用削減により、セグメント利益は3億円(前期比20億円増)となりました。
投資事業セグメントは、保有株式評価益および売却益の計上により、セグメント利益は1億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、預託金及び金銭の信託が減少したこと等により営業活動による収入が34,454百万円(前連結会計年度は53,834百万円の収入)、子会社の取得による収入が剥落したこと等により投資活動による支出が7,068百万円(同22,763百万円の収入)、長期借入債務の調達による収入が減少したこと等により財務活動による支出が48,399百万円(同5,909百万円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は127,832百万円(前連結会計年度末比23,094百万円減)となりました。景気の不確実性に備えるため十分な手元流動性を確保しつつ、無形資産や有形固定資産等へ事業投資を行い、不要不急な資金調達を控えました。
(資本の財源)
2020年3月末の財政状態計算書
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|
資産 10,229億円 |
|
負債 9,459億円 |
|
|
主な資産は金融商品取引業 に関連するもの 7,824億円 |
|
主な負債は金融商品取引業 に関連するもの 9,319億円 |
|
|
|
||
|
|
|
||
|
|
その他 517億円 |
|
|
|
|
現金及び現金同等物 1,326億円 |
|
その他 140億円 |
|
|
|
資本 770億円 |
|
|
|
固定的な資産(注) 562億円 |
|
(注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。
当連結会計年度末の資本は770億円であり、固定的な資産562億円を上回っています。差額の208億円については以下の原資とする予定です。
1.海外含む証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応
2.将来の事業投資に備える内部留保
3.株主還元(配当金及び自己株式取得)
(重要な資本的支出の予定)
重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(資金の流動性)
当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また、資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。なお、債務の期日別の残高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって、のれんの減損テストにおける使用価値の算定等重要な判断や見積りを行っていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び同「38.追加情報」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。