文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社はオンライン金融事業を営むマネックス証券株式会社(日本)及びTradeStation Group, Inc.(米国)並びに暗号資産交換業を営むコインチェック株式会社(日本)を中核子会社として、その他国内外に金融関連の子会社及び持分法適用会社を有する持株会社です。当社グループは、次に掲げる企業理念および行動指針を基に、個人投資家の日々の生活及び資産形成に必要な総合金融サービスの提供を目指していきます。
① 企業理念
MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来における人の活動を表しています。
常に変化し続ける未来に向けてマネックスグループは、最先端のIT技術と、グローバルで普遍的な価値観とプロフェッショナリズムを備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインすると共に、個人の自己実現を可能にし、その生涯バランスシートを最良化することを目指します。
② 行動指針
・お客さまと社員の多様性を尊重します。
・最先端のIT技術と金融知識の追究を惜しみません。
・新しい価値を創造しステークホルダーに貢献します。
(2) 目標とする経営指標及び現状の経営環境
当社グループは連結における年度の業績予算を策定していますが、当社グループがオンライン証券ビジネスやクリプトアセットビジネスなどをグローバルに展開しており、経済環境や相場環境等の影響を大きく受けるため、業績予想を行うことが困難な状況にあります。当社の業績予想および収益計画は、投資家に対して誤った情報を提供する可能性があることから適切でないと考えているため、開示しておりません。一方、資本効率に関する目標としてROEが妥当と考えており、10%を達成すべき水準と考えております。
2021年3月期は、2010年に掲げた「グローバル・ヴィジョン」によるオンライン証券業の海外展開と、2017年の「第二の創業」による暗号資産関連事業への参入という、かねて当社グループが掲げてきたビジョンがついに実を結び、株価上昇にみられるように、大きな企業価値向上を実現した1年となりました。当社は、過去に掲げたビジョンが業績に結実した2021年3月期に続き、2022年3月期も企業理念の実現に向けた経営施策を実行します。昨今、新型コロナウイルス感染拡大による新たな生活様式の広まり等を背景に、様々な環境変化の中でも事業機会を逃さない、機動的かつ先見的な経営の重要性が高まっています。このような中、当社は、個人の生活・経済活動をを支える企業体として、そのミッションも進化させるべきとの認識の下、このたび企業理念を改定しました。今後、マネックスグループおよび各セグメントは、この新たな理念の実現を通して持続的な企業価値向上を目指していきます。
(3) 対処すべき課題
当社グループは、安定したコア事業であるオンライン証券事業や暗号資産販売所事業以外の収益ドライバーの構築を課題と認識しており、新たなビジネスモデルへの転換に長期的な観点で取り組んでいます。日本セグメントにおいてはブローカーモデルからアセマネモデルへの移行、米国セグメントについては顧客基盤の多様化および強化、クリプトアセット事業セグメントについては新事業展開を進めていきます。
1)日本セグメント
日本セグメントは、日本株売買にかかる委託手数料依存度の軽減および収益構造の変革が重要な課題であり、アセマネモデル推進を継続して取組みます。お客様の資産増加に資する商品・サービスの提供およびグループ各社の運用力を活かした運用アドバイスの提供により、預かり資産を増やすとともに日本株市況に依存しない安定的な収益を積み上げていきます。
例えば、米国株取引は、時間外取引、豊富な注文方法、スマホアプリおよび銘柄スカウター米国株などの機能やアナリストによるきめ細やかな情報提供が評価され、2021年度で大きく伸ばしました。また、投信つみたておよび貸株などのストック型ビジネスを拡充させました。更に、独立系フィナンシャルアドバイザーとの協業により富裕層との取引を仲介する「IFAサービス」や、若年層から注目度の高い暗号資産サービス「マネックスビットコイン(暗号資産CFD)」の提供により、従来の顧客層とは異なる投資家層へのアクセスが可能となりました。これらの施策を着実に実施することで、預かり資産の増加を見込んでいます。
また、新たなプラットフォームビジネスとして、マネックス証券の証券取引システム上で新生銀行グループのお客様の資産管理が可能となる包括的業務提携を進めています。新生銀行グループのお客様の多様なニーズに適した金融サービスを提供することができ、さらなる預かり資産の増加を見込んでいます。この提携を機に他の金融機関との提携も視野に入れた業務拡大を図り、収益拡大を目指します。
更に、アセマネモデル推進における中核的な商品である「マネックス・アクティビスト・ファンド」は、日本の株式市場の活性化を目指し、企業の実質的な価値を高めるためのエンゲージメント活動に取組んでいます。中長期的な成長分野である本ファンドの運用残高拡大が個人投資家の資産増大および日本株の株価向上につながると考えます。
2)米国セグメント
米国のTradeStationは、長年にわたり高評価を得ている自社開発の取引プラットフォームを強みとし、取引数の多いアクティブトレーダーを中心とした顧客から高い支持を受けています。近年は、ゼロ手数料化に加え、コロナ禍を自宅で過ごす人々の増大、世界的な金融緩和を背景とした株式相場の上昇等を背景に、アクティブトレーダー層やよりカジュアルなトレーダー層が増大しており、稼働口座数や預かり資産は過去最高を記録しています。 米国セグメントは、TradeStationに対する認知度が高くないことが課題であると認識しており、マーケティングを強化すること等により、顧客基盤を強化し更なる成長を目指します。
戦略的成長ドライバーとしては、クリプトアセットビジネス(暗号資産取引および貸暗号資産)に期待しています。例えば、投資家の保有暗号資産に付利する「Crypto Earn」は、超低金利の環境下において投資家に安定的な金利収入を得る機会を提供するサービスとして、収益の柱となる商品に成長してきました。TradeStationは引き続き暗号資産市場の活況に伴うアップサイドを狙っていきます。
顧客基盤の多様化と強化については、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)連携を通じたパートナー数が74社(2021年3月末現在)に達し、パートナー企業の顧客からの取引などが着実に増大しています。また、トレーディングコミュニティサービス「YouCanTrade」は、投資スキルおよび投資成績を高めたいと希望するユーザーに対して熟練のコーチがトレーディングに関する教育を実施して報酬を得るサービスです。YouCanTradeによってよりカジュアルなトレーダー層や投資経験の浅い層にも金融商品取引サービスを訴求してさらなる新たな顧客層を獲得し、成長加速に努めていきます。
3)クリプトアセット事業セグメント
暗号資産交換業を営むコインチェック株式会社(以下、「コインチェック」とする)は、ミレニアル世代を中心とした資産運用未経験層が主な顧客層であり、BTCを含む16種類の暗号資産を取引できる国内No.1販売所の売買価格スプレッドを主な収益源としています。また、口座開設から暗号資産のウォレット管理までの全ての暗号資産取引に関する処理を内製化したシステム内で管理できる高い技術力が強みです。
取引ボリュームは暗号資産市場のボラティリティなどにより増減し、販売所からの収益は市況の影響を大きく受けるため、暗号資産取引量に大きく依存する収益構造からの変革が喫緊の課題です。
具体的には、バーチャル株主総会運営支援サービス「Sharely」のサービス提供、代替不可能トークンであるNFT(Non Fungible Token)マーケットプレイス事業、およびトークン発行による資金調達とマーケティングを暗号資産取引所が支援するIEO(Initial Exchange Offering)などの取組みを通じて、コインチェックの強みである高い商品開発力、技術力を活用して新たな価値創造に取り組みます。NFTマーケットプレイス事業は、コインチェックに口座をお持ちの方であればワンストップでNFTの出品・購入・保管ができる「Coincheck NFT」と、オンチェーン(ブロックチェーンに直接取引データを記録する取引形態)でのNFTマーケットプレイス(miime)の提供により、NFTの取引市場拡大に貢献していきます。
更に、個人投資家の投資の選択肢を広げるために安心して取引できる新たな暗号資産の取扱の追加にも引き続き取り組んでいます(2021年3月期はBasic Attention Token、IOST、Enjin Coinの取扱を開始、うちIOSTとEnjin Coinは国内初の取扱)。
4)アジア・パシフィックセグメント
アジア・パシフィックセグメントについては、中核であるマネックスBoom証券の収支は安定する規模に成長しているものの、2018年よりオンライン証券事業を開始したマネックスオーストラリア証券と合わせたアジア・パシフィックセグメントとして、継続的に利益を計上する構造の構築が喫緊の課題です。中国大陸からの顧客獲得や、マネックスBoom証券とマネックスオーストラリア証券が協力してマーケティング手法の長所を相互に活用したり、共通コストの削減等を通じて、安定的に利益が上がるようにシナジーを追求していきます。
5)投資事業セグメント
投資セグメントにおける投資件数は、マネックスベンチャーズが設立したMV1号投資事業有限責任組合を含め、セグメント全体で95件(2021年3月末現在)となりました。うち、マネックスベンチャーズが設立したMV1号投資事業有限責任組合では、デジタルテクノロジーを活用した先進的、革新的なサービスを提供する有望なスタートアップへの投資活動は順調に進んでおります。今後は、投資先管理の強化およびEXIT実績を積み上げて実現益を獲得していくことが課題です。少数精鋭チームで効率的なファンド運営を心掛けるとともに、IPO等の出口戦略を意識してEXIT機会の創出にも注力していきます。また、MV1号投資事業有限責任組合は投資組入れが終了したため、次号ファンドの設立により有望な投資先への投資活動を継続していきます。
6)その他
昨年から継続する新型コロナウイルス感染拡大による影響は現時点において僅少と認識しておりますが、今後の事業環境の変化および市況の悪化による取引量の大幅減少など影響が生じる可能性があります。
1.当社に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) ビジネスリスクについて
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、日本セグメントでは取引量に応じた手数料に依存するブローカーモデルから、顧客資産の増加に資することで自らも収益を得て成長を継続していく「アセマネモデル」への新たなビジネスモデルの変革を進めております。また、米国セグメントでは顧客基盤や収益源の多様化、クリプトアセット事業セグメントでは新事業展開を進めています。しかしながら、日本セグメントの新たな収益モデルが未構築のまま、同業他社により委託手数料が大幅に引き下げられる場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。また、顧客基盤や収益源の多様化が想定より遅延することにより、将来の収益や利益を逸失する可能性があります。
(2) 信用リスクについて
a. 顧客取引に関わる信用リスク
当社グループは、信用取引、先物・オプション取引、FX取引等により、顧客に対して信用供与するため、株式市況、為替市況等の変動によっては顧客に対する信用リスクが顕在化する可能性があります。ただし、当社グループは、前金、保証金又は担保の差し入れを受けており、また、取引状況の日常的なモニタリングを通じたポジションの偏り等のリスクを把握し管理していることなどから、顧客に対する信用リスクの顕在化は限定的と判断しています。
ただし、今後の市場環境等の急激な変動により、顧客立替金が生じる場合において、顧客からこれを十分回収できない可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b. 取引金融機関等に関わる信用リスク
当社グループは、FX取引及び暗号資産取引におけるカバー取引、貸株取引等により、取引金融機関及び暗号資産交換業者等に対する信用リスクに晒されています。当社グループの取引金融機関及び暗号資産業者等は、基本的には国内又は海外で認知された優良な金融機関及び暗号資産交換業者であるため信用リスクは限定的です。また、取引金融機関に対する格付引下げ等の信用不安につながり得る情報を入手した場合には、関係部門間で連携をとりながらリスク回避のために必要な措置を講じておりますが、今後の市況等の急激な変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、信用リスクを含む金融リスクに関する定量的な分析は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載しています。
(3) システムリスクについて
当社グループは、主要セグメントである日本、米国、クリプトアセット事業セグメントにおいて、取引の根幹をなす基幹システムを内製開発・自社保有しておりますが、システムの不具合、処理能力不足、通信回線の障害などによりシステムの機能不全に陥った場合には、事業運営に重大な支障が生じるおそれがあります。
グローバルにビジネス展開をしている当グループでは、深刻化するサイバーセキュリティに対する脅威からお客様の情報や資産を守り、安心してお取引を行っていただくため、金融庁が制定している金融商品取引業者向けの監督指針や、米国国立標準技術研究所(NIST)800シリーズを参照し、包括的なサイバーセキュリティ対策の強化に努めています。また、マネックスグループ全体でサイバー攻撃により発生した事象への対応、および被害を軽減させるためのグローバルな体制を構築しており、当社に設置したマネックスグループCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心に、当社グループ各社にもCSIRTを設置しています。マネックスグループCSIRTはグループ各社のCSIRTとの協力体制の下、ガバナンスの強化を行い、各社のCSIRTは各社の業務、情報資産、そしてシステムを守る機能を果たしており、組織運営、システム対応、人的対応、外部連携、以上4つの軸でサイバーセキュリティ対策を推進しています。しかしながら、何らかの不備、あるいは現段階では予測できない原因により、当社グループの適切な対応が遅れる、又は適切な対応がなされなかった場合や、外部からのサイバー攻撃等により個人情報や機密情報などが漏えいした場合には、当社グループの信用低下や被害者からの損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 災害リスクのうち新型コロナウイルス感染拡大について
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大および拡大後の株式市場のボラティリティ上昇による取引活況の中にあっても、堅牢なシステム及びオペレーションを維持しております。リモートワーク可能な業務を特定し、サービス水準を下げずに収益を確保できる体制を推進しております。しかしながら、リモートワークが続くことによる生産性の低下や競争力低下および従業員の感染が発生し拡大した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) その他のリスク
株式会社静岡銀行は、当社の議決権の5%超を保有しています。現在の状況が継続する場合、当社は銀行法第16条の2第1項各号に掲げる会社以外の会社の議決権の50%超を保有することができない等の制約を受けます。その結果、当該制約により経営環境等の変化に適切に対応できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
2. 当社のリスク管理状況
(1)リスク管理体制
当社は、経営に影響を与えるリスクを許容できる一定の範囲内にとどめることが事業目的達成に資するという考えに基づき、「統合リスク管理規程」等に定めたリスクを適切に識別、分析、評価したうえで、各々のリスクに応じた適切な当社および当社グループ会社のリスクについての管理体制を整備しています。以下の体制の通り、CEOが任命するリスク管理統括責任者がリスク管理体制に関する整備状況、運用状況を把握し、VaR管理も含めて定期的に取締役会に報告しています。
(2)リスクの定義および主要な取組み
当社ではリスクの種類を下表のように分類し、定期的に残存リスク(グループ全体の影響度×発生確率/統制)を算 出し、評価しています。また、それぞれのリスクに対する主な取り組みは以下の通りです。
|
リスク カテゴリー1 |
リスク カテゴリー2 |
リスクの定義 |
主要な取組み |
|
ビジネス リスク |
戦略リスク |
既存ビジネスの競争力低下および新規ビジネスへの参入遅延などのリスク
|
日本セグメントはアセマネモデルへの転換、米国セグメントは顧客基盤及び収益源の多様化、クリプトアセット事業セグメントでは新事業展開を図り、新たなビジネスモデルの構築を推進(1.(1)で詳細を記載) |
|
経営管理リスク |
会社全体の業績やコストを管理できず、グループ全体の収益性が低下するリスク |
取締役会等にセグメント毎の業績やKPIを報告 |
|
|
市場関連 リスク |
市場関連リスク |
市場リスク要因の変動による保有資産(オフバランスシート資産を含む)の変動による損失のリスク |
FX取引につきカバー取引に関する規定に基づき、外国為替ポジションを適切に制御 |
|
信用リスク |
信用リスク |
取引先および顧客へのクレジットリスク |
取引状況の日常的なモニタリングを通じてポジションの偏り等のリスクを把握(1.(2)で詳細を記載) |
|
流動性 リスク |
流動性リスク |
資金繰り管理における不備等で資金確保が困難になるリスク |
直接金融・間接金融の活用等資金調達手段を多様化 |
|
情報セキュリティ リスク |
情報セキュリティリスク |
情報資産の漏洩、毀損等により機密性、完全性等が損なわれることで損失を被るリスク |
情報セキュリティ委員会の実施や定期的モニタリング、従業員へのセキュリティ教育の継続的実施 |
|
リスク カテゴリー1 |
リスク カテゴリー2(*) |
リスクの定義 |
主要な取組み |
|
システム リスク |
サイバーセキュリティリスク |
サイバー攻撃等により、重要情報漏洩、システムの不正使用、又はサービス停止をすることで損失を被るリスク |
グローバルな体制を構築し、組織運営、システム対応、人的対応、外部連携の軸で対策を推進(1.(3)で詳細を記載) |
|
システム構築リスク |
システムダウンや誤作動およびシステムの不正使用等により顧客ならびに当社が損失を被るリスク |
第三者による定期的脆弱性診断の実施や脆弱性検知時における即時対応 |
|
|
事務リスク |
事務リスク |
従業員等のヒューマンエラーおよび清算機構やシステムベンダーなどの第三者に頼る事務リスク |
新規プロジェクトや商品サービス導入時の主要事務リスクのレビューによる形式知化等 |
|
リーガル リスク |
マネー・ロンダリング及びテロ資金供与リスク |
マネー・ロンダリング、及びテロ資金供与に利用されそうになるリスク |
各グループ会社における対策の徹底及びグローバルな報告体制構築を通じたマネー・ロンダリング対策に係る課題の把握と対応 |
|
コンプライアンスリスク |
社内外の法令・規制等の厳守を怠ったために罰則・訴訟等を受けるリスクや、契約上の障害により損失を被るリスク |
コンプライアンス責任者からの定期的な法令順守項目の周知徹底や、契約締結における確認フローのシステム化 |
|
|
レピュテーション リスク |
風評リスク |
マスコミ報道、風評・風説等により会社の評判が悪化することで損失を被るリスク |
マスコミ関係者やPR支援会社との連携強化による、風評被害発生リスクの最小化努力 |
|
災害リスク |
自然災害リスク |
自然災害によるビジネス持続性リスク |
当社グループの主要な拠点において災害、テロ攻撃等の発生に備えた事業継続計画の策定や、有事の対応策の事前検討(新型コロナウイルス感染拡大について1.(4)で詳細を記載) |
|
その他の リスク |
組織に関するリスク |
組織内で発生するモラル低下などにより事業目的の達成を制限されるリスク |
当社CEOが回答する社内質問会や外部弁護士への内部通報制度の設置 |
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情報開示リスク |
不正な会計、IR情報を開示するリスク |
適切な内部統制の構築・運用に加え、公認会計士資格を有する社外取締役と会計監査人の連携等による、不正な会計処理を未然に防止する体制構築 |
|
|
その他 |
カントリーリスク、政治リスク |
グローバル拠点間の経営陣が出席する会議における、グローバルな経営環境等の情報共有 |
(*)上記のリスクカテゴリー2に対応する残存リスク(グループ全体の影響度×発生確率/統制)を算出
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、「日本」・「米国」・「アジア・パシフィック」・「クリプトアセット事業」・「投資事業」の5つの報告セグメントとしています。なお、報告セグメントの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6セグメント情報」をご参照下さい。
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2020年3月期) |
当連結会計年度 (2021年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
25,375 |
36,864 |
11,488 |
45.3%増 |
|
トレーディング損益 |
8,550 |
24,504 |
15,954 |
186.6%増 |
|
金融収益 |
18,579 |
15,394 |
△3,185 |
17.1%減 |
|
その他の営業収益 |
722 |
1,144 |
422 |
58.5%増 |
|
営業収益 |
53,226 |
77,905 |
24,680 |
46.4%増 |
|
収益合計 |
53,380 |
79,668 |
26,288 |
49.2%増 |
|
金融費用 |
5,236 |
4,211 |
△1,025 |
19.6%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
42,835 |
49,861 |
7,027 |
16.4%増 |
|
費用合計 |
49,249 |
58,372 |
9,122 |
18.5%増 |
|
税引前利益 |
4,131 |
21,296 |
17,165 |
415.6%増 |
|
法人所得税費用 |
1,310 |
6,911 |
5,600 |
427.4%増 |
|
当期利益 |
2,820 |
14,385 |
11,565 |
410.1%増 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
3,011 |
14,354 |
11,343 |
376.8%増 |
当連結会計年度は、日本セグメント、米国セグメント及びアジア・パシフィックセグメントで委託手数料が増加したことなどにより、受入手数料が36,864百万円(前連結会計年度比45.3%増)となりました。また、クリプトアセット事業セグメントで暗号資産取引が活性化したことにより、トレーディング損益が24,504百万円(同186.6%増)となりました。一方、米国セグメントで受取利息が減少したことにより、金融収益が15,394百万円(同17.1%減)となりました。その結果、営業収益77,905百万円(同46.4%増)となり、収益合計は79,668百万円(同49.2%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、日本セグメント、米国セグメント及びクリプトアセット事業セグメントで増加した結果、49,861百万円(同16.4%増)となり、費用合計は58,372百万円(同18.5%増)となりました。
また、上記に加えて、日本セグメントで暗号資産売却益1,149百万円、クリプトアセット事業セグメントで条件付対価の公正価値の変動による評価損3,788百万円を計上しました。
以上の結果、税引前利益が21,296百万円(同415.6%増)となりました。また、法人所得税費用が6,911百万円(同427.4%増)となりました。当期利益は14,385百万円(同410.1%増)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は14,354百万円(同376.8%増)となりました。
各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(日本) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2020年3月期) |
当連結会計年度 (2021年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
12,614 |
17,811 |
5,196 |
41.2%増 |
|
トレーディング損益 |
5,030 |
4,553 |
△478 |
9.5%減 |
|
金融収益 |
8,652 |
8,469 |
△183 |
2.1%減 |
|
その他の営業収益 |
96 |
130 |
34 |
35.7%増 |
|
営業収益 |
26,393 |
30,962 |
4,570 |
17.3%増 |
|
金融費用 |
2,050 |
1,864 |
△187 |
9.1%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
21,671 |
24,136 |
2,465 |
11.4%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△420 |
2,314 |
2,735 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
- |
△1 |
△1 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
2,251 |
7,276 |
5,025 |
223.3%増 |
日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社で構成されています。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家を主要な顧客層としており、売買動向に影響を受けます。
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で低迷しましたが、日銀による異例の大規模金融緩和の継続や国民一人当たり10万円の特別定額給付金や企業に対する資金繰り支援などの効果もありやや持ち直しました。冬場に入ると新型コロナウイルスの感染者数が大幅に増加し、再び緊急事態宣言が発出されました。その後は感染者数は減少に向かうと2021年3月下旬には全ての都府県で緊急事態宣言が解除されました。こうした中、来期以降企業業績がV字回復に向かうとの思惑や大規模な金融緩和による余剰マネーが株式市場に流入したこともあり、期初時点で18,000円台だった日経平均株価は大きく上昇して2021年2月15日に30,000円の節目を回復すると、当期末時点で29,178円となりました。
当連結会計年度における東京、名古屋二市場の株式等(株式、ETF及びREIT)の1営業日平均個人売買代金は1兆4,949億円となり、前連結会計年度比で42.7%増加しました。
このような環境の下、日本セグメントにおいては、当連結会計年度の株式等の1営業日平均委託売買代金は785億円(前連結会計年度比39.8%増)と増加し、受入手数料が17,811百万円(同41.2%増)となりました。一方、FX取引金額は増加したものの収益率の低下によりトレーディング損益が4,553百万円(同9.5%減)となりました。また、信用取引残高の伸長に伴い信用収益は増加したものの、貸株の平均貸出金利低下に伴い貸株収益が減少したため金融収益が8,469百万円(同2.1%減)となりました。その結果、営業収益は30,962百万円(同17.3%増)となりました。
金融費用は1,864百万円(同9.1%減)となり、金融収支は6,605百万円(同0.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、株式取引増加による支払手数料、広告宣伝費の増加などの結果、24,136百万円(同11.4%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が2,314百万円の利益(前連結会計年度は420百万円の損失)となっていますが、暗号資産売却益1,149百万円が含まれております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は7,276百万円(前連結会計年度比223.3%増)となりました。
(米国) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2020年3月期) |
当連結会計年度 (2021年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
12,270 |
17,988 |
5,719 |
46.6%増 |
|
金融収益 |
9,965 |
6,309 |
△3,655 |
36.7%減 |
|
売上収益 |
412 |
27 |
△385 |
93.5%減 |
|
その他の営業収益 |
999 |
1,051 |
52 |
5.2%増 |
|
営業収益 |
23,645 |
25,375 |
1,730 |
7.3%増 |
|
金融費用 |
3,396 |
2,394 |
△1,002 |
29.5%減 |
|
売上原価 |
363 |
23 |
△339 |
93.6%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
17,877 |
19,771 |
1,894 |
10.6%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△246 |
13 |
259 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
1,763 |
3,200 |
1,436 |
81.5%増 |
米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層をはじめ多様な投資家を顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)の上昇および稼働口座数増加にともなう取引量増加が収益に貢献する傾向にあります。また、顧客の預り金を運用することで金融収益を獲得していることから、金利が上昇すると収益に貢献する傾向にあります。
当連結会計年度の米国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きく落ち込みましたが大規模な財政支出や無制限の量的金融緩和の効果により大きく持ち直しました。11月に行われた大統領選でバイデン氏が勝利すると、トランプ大統領が選挙に不正があったと主張し政治的な混乱が発生した場面もありましたが、バイデン氏や民主党がより大規模な経済対策を打ち出すとの期待が高まったことや、高い有効性を示したワクチンの接種が進み感染者数の増加がピークアウトしたこともあり株価は堅調に推移しました。期初時点で21,000ドル程度だったニューヨークダウ平均は、史上最高値を更新し当期末時点で32,981ドルとなりました。
なお、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で2.1%円高となったことから、米国セグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、米国セグメントにおいては、主にボラティリティの上昇及び稼働口座数の増加により、当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)が229,827件(前連結会計年度比137.5%増)と過去最高件数を更新した結果、委託手数料は米ドルベースで30.9%、その他の受入手数料は米ドルベースで98.5%増加しました。その結果、受入手数料は米ドルベースでは49.8%増加し、円換算後では17,988百万円(同46.6%増)となりました。一方、金融収益は、短期金利の低下による受取利息の減少などにより米ドルベースでは35.3%減少し、円換算後では6,309百万円(同36.7%減)となりました。
金融費用は2,394百万円(同29.5%減)となり、金融収支は米ドルベースで39.1%の減少、円換算後で3,916百万円(同40.4%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、広告宣伝費、株式取引増加による支払手数料の増加などの結果、米ドルベースで13.0%増加し、円換算後では19,771百万円(同10.6%増)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は3,200百万円(同81.5%増)となりました。
(アジア・パシフィック) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2020年3月期) |
当連結会計年度 (2021年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
454 |
1,079 |
625 |
137.8%増 |
|
トレーディング損益 |
0 |
△0 |
△0 |
- |
|
金融収益 |
280 |
166 |
△114 |
40.7%減 |
|
その他の営業収益 |
153 |
368 |
216 |
141.1%増 |
|
営業収益 |
887 |
1,613 |
727 |
82.0%増 |
|
金融費用 |
252 |
9 |
△243 |
96.4%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
898 |
1,145 |
247 |
27.6%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△15 |
△3 |
12 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
48 |
62 |
14 |
29.6%増 |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
△230 |
519 |
749 |
- |
アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(以下「マネックスBoom証券」)、豪州拠点のMonex Securities Australia Pty Ltd(以下「マネックスオーストラリア証券」)で構成されています。
当連結会計年度の香港経済は、新型コロナウイルスの影響に加えて中国政府が「香港国家安全維持法」を制定したことによる混乱もありましたが、ハンセン指数は徐々に持ち直して当期末時点で28,378ポイントとなりました。
また、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で1.3%円高となったことから、アジア・パシフィックセグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、マネックスBoom証券及びマネックスオーストラリア証券で稼働口座数が増加し、株式委託売買代金が増加したことから受入手数料が1,079百万円(前連結会計年度比137.8%増)となりました。一方、証券担保ローンの貸出が減少したことと、銀行の実効金利が低下したことから金融収益が166百万円(同40.7%減)となりました。また、IPO手数料と為替手数料収益が増加したことからその他の営業収益は368百万円(同141.1%増)となり、営業収益は1,613百万円(同82.0%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、マネックスBoom証券で人件費、株式取引増加による支払手数料の増加などにより1,145百万円(同27.6%増)となりました。
持分法による投資利益は62百万円(同29.6%増)となっていますが、これは、中国本土で事業展開するジョイントベンチャーに関するものです。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は519百万円(前連結会計年度は230百万円のセグメント損失)となりました。
(クリプトアセット事業) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2020年3月期) |
当連結会計年度 (2021年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
287 |
853 |
566 |
197.2%増 |
|
トレーディング損益 |
3,528 |
19,960 |
16,431 |
465.7%増 |
|
その他の営業収益 |
- |
14 |
14 |
- |
|
営業収益 |
3,815 |
20,826 |
17,011 |
445.9%増 |
|
金融費用 |
3 |
5 |
2 |
65.3%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
3,502 |
7,129 |
3,627 |
103.6%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△17 |
△3,825 |
△3,808 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
293 |
9,868 |
9,575 |
3,268.2%増 |
クリプトアセット事業セグメントは、主にコインチェック株式会社で構成されています。
当連結会計年度の暗号資産市場は、期初時点で60万円台だったビットコインの価格は2021年3月に600万円を突破、その後、当連結会計年度末時点で650万円台まで上昇しました。価格の上昇に伴い、コインチェックの月間の取引所暗号資産売買代金は2020年4月には98,925百万円でしたが、2021年1月には787,982百万円まで増加し、2021年3月は576,665百万円となりました。また、コインチェックの月間の販売所暗号資産売買代金は2020年4月は8,495百万円でしたが、2021年2月には103,647百万円まで増加し、2021年3月は95,890百万円となりました。
このような環境の下、コインチェック株式会社においては、前連結会計年度比でビットコインの現物取引及びオルトコイン等の取引が活発だったことによりトレーディング損益は19,960百万円(前連結会計年度比465.7%増)となりました。また、受入手数料が853百万円(同197.2%増)となり、営業収益は20,826百万円(同445.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、広告宣伝費及び人件費が増加したことにより7,129百万円(同103.6%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が3,825百万円の損失となっていますが、これにはその他の金融負債で計上している条件付対価の公正価値の変動による評価損3,788百万円が含まれています。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は9,868百万円(同3,268.2%増)となりました。
(投資事業) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2020年3月期) |
当連結会計年度 (2021年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
金融収益 |
148 |
672 |
524 |
353.9%増 |
|
営業収益 |
148 |
672 |
524 |
353.9%増 |
|
金融費用 |
- |
163 |
163 |
- |
|
販売費及び一般管理費 |
54 |
71 |
17 |
31.9%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△0 |
△0 |
0 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
94 |
438 |
344 |
366.7%増 |
投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合で構成されています。
当連結会計年度は、保有銘柄の評価額上昇による評価益及び保有銘柄の売却益により金融収益が672百万円(前連結会計年度比353.9%増)となり、営業収益は672百万円(同353.9%増)となりました。
金融費用はMV1号投資事業有限責任組合の持分損益を計上したことから163百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、事務委託費などの増加により71百万円(同31.9%増)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は438百万円(同366.7%増)となりました。
② 財政状態の状況
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2020年3月末) |
当連結会計年度 (2021年3月末) |
増減 |
|
資産合計 |
1,022,934 |
1,401,130 |
378,196 |
|
負債合計 |
945,909 |
1,310,605 |
364,696 |
|
資本合計 |
77,024 |
90,524 |
13,500 |
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
76,210 |
89,573 |
13,363 |
当連結会計年度の資産合計は、デリバティブ資産、無形資産などが減少したものの、預託金及び金銭の信託、信用取引資産及びその他の金融資産などが増加した結果、1,401,130百万円(前連結会計年度末比378,196百万円増)となりました。また、負債合計は、預り金、社債及び借入金などが増加した結果、1,310,605百万円(同364,696百万円増)となりました。
資本合計は、配当金の支払などにより減少したものの、当期利益などにより増加した結果、90,524百万円(同13,500百万円増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2020年3月期) |
当連結会計年度 (2021年3月期) |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
34,454 |
△57,696 |
△92,150 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△7,068 |
△7,158 |
△90 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△48,399 |
95,483 |
143,881 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
127,832 |
161,331 |
33,499 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による支出57,696百万円(前連結会計年度は34,454百万円の収入)、投資活動による支出7,158百万円(同7,068百万円の支出)及び財務活動による収入95,483百万円(同48,399百万円の支出)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は161,331百万円(前連結会計年度末比33,499百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により使用した資金は、57,696百万円となりました。
受入保証金及び預り金の増減により141,399百万円、有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減により21,877百万円の資金を取得する一方、預託金及び金銭の信託の増減により144,523百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減により67,217百万円の資金を使用しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、7,158百万円となりました。
無形資産の取得により4,917百万円、有価証券投資等の取得により1,715百万円の資金を使用しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により取得した資金は、95,483百万円となりました。
長期借入債務の返済により10,005百万円、社債の償還により4,000百万円の資金を使用する一方、短期借入債務の収支により91,979百万円、社債の発行により10,310百万円の資金を取得しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2021年3月期の連結決算については、親会社の所有者に帰属する当期利益は144億円となり、前期より113億円増加する好業績となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
日本セグメントは、年間を通しての市場活況を背景として、米国株を中心に取引量が大きく伸長したため、セグメント利益(税引前利益)は73億円(前期比223%増)となりました。
米国セグメントは、手数料無料プランの導入やマクロ環境の好転により、新規顧客数・顧客資産・取引量が大きく増加したことに加え、暗号資産事業からの収益も増加したため、前年比大幅な増収となりました。一方で、顧客獲得と新規事業の強化のため広告宣伝費が増加し、業績好調に伴い業績連動賞与による人件費が増加しましたが、費用は適切にコントロールされており、セグメント利益は32億円(前期比82%増)となりました。
アジア・パシフィックセグメントは、米国株を中心とした株式の取引活況による取引増により、セグメント利益は5億円(前期比7億円増)となりました
クリプトアセット事業セグメントは、テレビCMなど機動的なマーケティング施策の実施により、新規顧客を広く獲得しました。また、暗号資産市場の活況とオルトコインの取引量拡大により、収益は大幅に増加し、セグメント利益は99億円(前期比3,268%増)となりました。
投資事業セグメントは、MV1号投資事業有限責任組合の設立来初となる保有株式売却を達成し、セグメント利益は4億円(前期比367%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、預託金及び金銭の信託の増加等により営業活動による支出が57,696百万円(前連結会計年度は34,454百万円の収入)、無形資産の取得等により投資活動による支出が7,158百万円(同7,068百万円の支出)、短期借入債務の増加等により財務活動による収入が95,483百万円(同48,399百万円の支出)となりました。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は161,331百万円(前連結会計年度末比33,499百万円増)となりました。景気の不確実性に備えるため十分な手元流動性を確保しつつ、無形資産や有形固定資産等へ事業投資を行いました。
(資本の財源)
2021年3月末の財政状態計算書
|
|
資産 14,011億円 |
|
負債 13,106億円 |
|
|
主な資産は金融商品取引業 に関連するもの 10,626億円 |
|
主な負債は金融商品取引業 に関連するもの 12,653億円 |
|
|
|
||
|
|
|
||
|
|
その他 1,171億円 |
|
|
|
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現金及び現金同等物 1,640億円 |
|
その他 453億円 |
|
|
|
資本 905億円 |
|
|
|
固定的な資産(注) 574億円 |
|
(注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。
当連結会計年度末の資本は905億円であり、固定的な資産574億円を上回っています。差額の331億円については以下の原資とする予定です。
1.海外含む証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応
2.将来の事業投資に備える内部留保
3.株主還元(配当金及び自己株式取得)
(重要な資本的支出の予定)
重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(資金の流動性)
当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また、資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。なお、債務の期日別の残高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって、のれんの減損テストにおける使用価値の算定等重要な判断や見積りを行っていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」、同「22.無形資産」及び同「38.追加情報」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
該当事項はありません。