文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社はオンライン金融事業を営むマネックス証券株式会社(日本)及びTradeStation Group, Inc.(米国)並びに暗号資産交換業を営むコインチェック株式会社(日本)を中核子会社として、その他国内外に金融関連の子会社及び持分法適用会社を有する持株会社です。当社グループは、次に掲げる企業理念および行動指針を基に、個人投資家の日々の生活及び資産形成に必要な総合金融サービスの提供を目指していきます。
① 企業理念
MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来における人の活動を表しています。
常に変化し続ける未来に向けてマネックスグループは、最先端のIT技術と、グローバルで普遍的な価値観とプロフェッショナリズムを備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインすると共に、個人の自己実現を可能にし、その生涯バランスシートを最良化することを目指します。
② 行動指針
・お客さまと社員の多様性を尊重します。
・最先端のIT技術と金融知識の追究を惜しみません。
・新しい価値を創造しステークホルダーに貢献します。
(2) 目標とする経営指標及び現状の経営環境
当社グループは連結における年度の業績予算を策定していますが、当社グループはオンライン証券ビジネスやクリプトアセットビジネスなどをグローバルに展開しており、経済環境や相場環境等の影響を大きく受けるため、業績予想を行うことが困難な状況にあります。当社の業績予想および収益計画は、投資家に対して誤った情報を提供する可能性があることから適切でないと考えているため、開示しておりません。一方、資本効率に関する目標としてROEが妥当と考えており、10%を達成すべき水準と考えております。
2022年3月期の連結決算については、営業収益は888億円となり、前年比14%増と過去最高を記録しました。また、このような着実な成長を背景に、主要3セグメント(日本セグメント、米国セグメント、クリプトアセット事業セグメント)においては中長期的な成長への投資を推し進めることができた1年となりました。特に、米国セグメントおよびクリプトアセット事業セグメントにおいては、さらなる成長を実現するための積極的な先行投資を断行し、これに伴う米国市場への上場計画も発表しています。子会社上場計画の遂行を通じ、各社の資金および人的資本の調達手段を確保し、グループ企業理念の実現を目指していきます。
(3) 対処すべき課題
当社グループは、激変する事業環境においても持続的な成長を確保することが課題と認識しています。日本セグメントは、新規口座獲得および預かり資産の増加、米国セグメントは、一般投資家層の新規口座獲得の推進による顧客基盤の拡大、クリプトアセット事業セグメントは、グローバル戦略の展開により、成長を加速させていきます。
1) 日本セグメント
日本セグメントは、日本株取引手数料以外の収益多様化や事業基盤強化を重要な課題として、新規口座獲得及び預かり資産の増加に継続して取り組んでいます。
2022年3月より、マネックス証券の日本株の現物取引手数料を、主要ネット証券と同水準に引き下げました。機能やサービスが業界最高水準の米国株、マネックス銘柄スカウター、単位未満株「ワン株」や、マネックスカードの高ポイント還元率等を訴求して、新規口座獲得を進めていきます。
また、ウェルスマネジメントサービスの柱となる「IFAサービス」、提携金融機関との「金融商品仲介業務サービス」、マネックスカード投信積立や投資信託毎日つみたてサービスおよび企業の実質的な価値を高めるためのエンゲージメントファンド「マネックス・アクティビスト・ファンド」などを通じて、引き続き預かり資産を増加させていきます。
2) 米国セグメント
米国のTradeStationは、長年にわたり高評価を得ている自社開発の取引プラットフォームを強みとして高頻度に取引をするアクティブトレーダー層から高い支持を受けている一方、一般投資家層の認知度が低いことが課題です。米国投資家人口が拡大している現在の状況を成長ステージへの転換の好機と捉え、大規模なマーケティング施策とサービス向上への積極的な投資を実行するための成長資金の調達手段として、当社グループは、TradeStation Group, Inc.(TSG)をニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場している特別買収目的会社(SPAC)との統合により、NYSEに上場させることを目指しています。
マーケティング施策については、コアとなるパフォーマンスマーケティング(SEO 対策や Apple Store、Google Play 等での展開)に加え、顧客認知度を高めるためのブランドマーケティングを機動的に実施し、個人投資家の更なる獲得を目指します。成長が期待される暗号資産取引サービスについては、取扱い暗号資産を追加しつつ、株式や先物取引のウェブ/モバイルプラットフォームとのよりシームレスな統合等を実施する計画です。さらに、B to B to Cビジネスを成長の柱の一つと位置づけ、APIの提供等を通じ、金融コミュニティや資産運用会社等のユーザーに、株式・オプション・先物・暗号資産の取引の機会を提供する連携をさらに拡充させていきます。
3) クリプトアセット事業セグメント
暗号資産交換業を営むコインチェック株式会社(以下、「コインチェック」)は、BTCを含む17種類の暗号資産を取扱う取引所及び販売所を運営しており、本人確認済み口座の約6割は20-30代と若年層を中心とした顧客基盤となっています。主な収益源は暗号資産販売所における売買価格スプレッドであり、この他にトークン発行による資金調達とマーケティングを暗号資産取引所が支援するIEO(Initial Exchange Offering)、NFT(Non Fungible Token)マーケットプレイス事業等を手掛け、収益源の拡大を図っています。コインチェックは法定通貨と暗号資産の接点を持つ同社のポジションを活かして「デジタル経済圏へのゲートウェイ」となることを掲げています。
対処すべき第一の課題は、日本国内に強固な顧客基盤を築き競合優位を維持することです。新しいユーザーを開拓するマーケティング力と使いやすいUI及びUXを提供できる技術力を活かして、ユーザーと取引の増加に取り組みます。
第二に、暗号資産交換業を核にNFT及びメタバース事業を育成し、暗号資産及びNFTのユースケース、並びにユーザーの取引機会をつくることです。当社グループはコインチェックのさらなる成長のためグローバルに事業機会を追求することを決定し、コインチェックの持株会社となる予定のCoincheck Group B.V.を米国のSPACとの統合によりナスダック市場に上場させることを目指します。
第三に、急成長を続ける暗号資産市場において事業を安定して継続させていくために強固な組織体制を整備することであり、特に、グローバル展開を見据えたリスク管理体制の整備と、エンジニア及びコーポレート部門の強化が課題です。多様なバックグラウンドを持つ社員が自由な発想と挑戦ができる組織を目指して、人材採用に注力しています。
4) アジア・パシフィックセグメント
アジア・パシフィックセグメントは、中核である香港のマネックスBoom証券の収支が安定する規模に成長しているものの、マネックスオーストラリア証券と合わせたアジア・パシフィックセグメントとして、規模と収益の拡大が喫緊の課題です。現在、中国大陸からの顧客獲得を目的とした事業開始を準備しており、中国本土、香港、豪州の各地域におけるマーケティング手法の長所を相互に活用して、顧客獲得を進めるほか、共通コストの削減などを通じてシナジーを追求していきます。
5) 投資事業セグメント
投資セグメントにおける投資件数は、マネックスベンチャーズが設立したMV1号、2号投資事業有限責任組合を含め、セグメント全体で108件(2022年3月末現在)となりました。2021年4月に設立したMV2号投資事業有限責任組合は、デジタルテクノロジーを活用した先進的、革新的なサービスを提供する有望なスタートアップへの投資活動がほぼ完了しました。今後は、投資先管理の強化およびEXIT実績を積み上げて、実現益を獲得していくことが課題です。IPOやM&A等のEXIT機会の創出にも注力していきます。
1.当社に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下の通りです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) ビジネスリスクについて
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、日本セグメントでは日本株取引手数料以外の収益多様化や事業基盤強化を重要な課題としており、日本株の現物取引手数料引き下げ等により新規口座獲得及び「アセマネモデル」(顧客預かり資産の増加)を推進しています。また、米国セグメントでは一般投資家層の認知度向上を目的として、大規模なマーケティング施策とサービス向上への積極的な投資を実行するための成長資金を調達するべく、ニューヨーク証券取引所への上場を目指しています。さらに、クリプトアセット事業セグメントでは、ブロックチェーン・暗号資産・NFTの領域において世界戦略を推進するため、コインチェックの持株会社となる予定のCoincheck Group. B.Vを米国ナスダック市場に上場させることを目指しています。
しかしながら、日本セグメントにおいて、新規口座を獲得できず中長期での事業基盤を強化できない場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。また、米国セグメントのマーケティング施策の効果が発揮されず、想定より収益が見込めない可能性があります。さらに、米国セグメントおよびクリプトアセット事業セグメントでの米国上場が想定より遅延する場合には、投資に一定の制限がかかることで、将来の収益や利益を逸失する可能性があります。
(2) 信用リスクについて
a. 顧客取引に関わる信用リスク
当社グループは、信用取引、先物・オプション取引、FX取引、暗号資産レンディング取引等により、顧客に対して信用供与するため、株式市況、為替市況等の変動によっては顧客に対する信用リスクが顕在化する可能性があります。ただし、当社グループは、前金、保証金又は担保の差し入れを受けており、また、取引状況の日常的なモニタリングを通じたポジションの偏り等のリスクを把握し管理していることなどから、顧客に対する信用リスクの顕在化は限定的と判断しています。
ただし、今後の市場環境等の急激な変動により、顧客立替金が生じる場合において、顧客からこれを十分回収できない可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b. 取引金融機関等に関わる信用リスク
当社グループは、FX取引及び暗号資産取引におけるカバー取引、貸株取引等により、取引金融機関及び暗号資産交換業者等に対する信用リスクに晒されています。当社グループの取引金融機関及び暗号資産交換業者等は、基本的には国内又は海外で認知された金融機関及び暗号資産交換業者であるため信用リスクは限定的です。また、取引金融機関に対する格付引下げ等の信用不安につながり得る情報を入手した場合には、関係部門間で連携をとりながらリスク回避のために必要な措置を講じておりますが、今後の市況等の急激な変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、信用リスクを含む金融リスクに関する定量的な分析は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載しています。
(3) 情報セキュリティリスクについて
当社グループは、主要セグメントである日本、米国、クリプトアセット事業セグメントにおいて、取引の根幹をなす基幹システムを内製開発・自社保有しておりますが、システムの不具合、処理能力不足、通信回線の障害などによりシステムの機能不全に陥った場合には、事業運営に重大な支障が生じるおそれがあります。
グローバルにビジネス展開をしている当グループでは、深刻化するサイバーセキュリティに対する脅威からお客様の情報や資産を守り、安心してお取引を行っていただくため、金融庁が制定している金融商品取引業者向けの総合的な監督指針や、米国国立標準技術研究所(NIST)800シリーズを参照し、包括的なサイバーセキュリティ対策の強化に努めています。また、マネックスグループ全体でサイバー攻撃により発生した事象への対応、および被害を軽減させるためのグローバルな体制を構築しており、当社に設置したマネックスグループCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心に、当社グループ各社にもCSIRTを設置しています。マネックスグループCSIRTはグループ各社のCSIRTとの協力体制の下、ガバナンスの強化を行い、各社のCSIRTは各社の業務、情報資産、そしてシステムを守る機能を果たしており、組織運営、システム対応、人的対応、外部連携の以上4つの軸でサイバーセキュリティ対策を推進しています。
しかしながら、上記の対応において、何らかの不備、あるいは現段階では予測できない原因により、当社グループの適切な対応が遅れる、又は適切な対応がなされなかった場合や、外部からのサイバー攻撃等により個人情報や機密情報などが漏えいした場合には、当社グループの信用低下や被害者からの損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、暗号資産交換業を営むコインチェックおよびTradeStation Crypto Inc.は、不正アクセスに対する備えとして、預り暗号資産の大半を安全性の高いコールドウォレット(※1)で保管しており、不正アクセスに対するリスクの低減を図っています。しかしながら、外部からの攻撃等により、ホットウォレット(※2)で保管している暗号資産を窃取され、不正送金が行われた場合には、当社グループの信用低下や被害者からの損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
※1 インターネット等の外部とのネットワークと繋がっていない遮断された環境に保管されているウォレット
※2 外部とのネットワークとつながっている環境に保管されているウォレット
(4) 災害リスクのうち新型コロナウイルス感染拡大について
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大および拡大後の株式市場のボラティリティ上昇による取引活況の中にあっても、堅牢なシステム及びオペレーションを維持しております。リモートワーク可能な業務を特定し、サービス水準を下げずに収益を確保できる体制を推進しております。しかしながら、リモートワークが続くことによる生産性の低下による競争力の低下および従業員の感染が発生し拡大した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) その他のリスク
株式会社静岡銀行は、当社の議決権の5%超を保有しています。現在の状況が継続する場合、当社は銀行法第16条の2第1項各号に掲げる会社以外の会社の議決権の50%超を保有することができない等の制約を受けます。その結果、当該制約により経営環境等の変化に適切に対応できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
2. 当社のリスク管理状況
(1)リスク管理体制
当社は、経営に影響を与えるリスクを許容できる一定の範囲内にとどめることが事業目的達成に資するという考えに基づき、「統合リスク管理規程」等に定めたリスクを適切に識別、分析、評価したうえで、各々のリスクに応じた適切な当社および当社グループ会社のリスクについての管理体制を整備しています。以下の体制の通り、CEOが任命するリスク管理統括責任者がリスク管理体制に関する整備状況、運用状況を把握し、VaR管理も含めて定期的に取締役会に報告しています。
(2)リスク管理方法
1)グループVaRにおける定量的なリスク管理
当社グループは、グループ全体で保有するリスク量が許容額に収まっているかを把握するため、毎月グループVaRを計算し、定量的に管理しています。市場リスクについては、一定の期間内(保有期間二週間)に一定の確率(信頼区間片側99%)で被りうる最大損失額、信用およびオペレーショナルリスクについては、上記に準じて発生しうる最大損失額を算出しており、その合計値であるグループ全体のリスク量がリスク許容額(連結株主資本から固定的な資産を控除した額の1/2)と比べどういう状況にあるか取締役会に報告し、取締役が確認しています。
① 市場VaR
市場リスクは、株式、金利、為替、暗号資産など、当社グループが保有する資産価格の変動により損失を被るリスクとして、月末時点の各資産残高にそれぞれの金融商品等における価格変動率を乗じてリスク額を計算しています。なお、当社グループにおける金融商品取引業においては、ブローカー業務における収益の計上がほとんどであり、トレーディング目的として自己で保有することで収益を計上する取引はごく一部であり、当社グループの金融商品取引業における市場リスクは限定的です。
② 信用VaR
信用リスクは、各社の金融商品取引、暗号資産取引における取引先および顧客の貸倒れリスクとして、取引先リスクおよび顧客リスクを計算しています。取引先リスクについては、取引金融機関に対する預金残高や金融商品取引等で発生する保証金および証拠金の残高に対して、各金融機関に付与されている外部格付評価機関の格付け評価に紐づいたデフォルト率を乗じて、リスク額を計算しています。顧客リスクは、信用供与された各社の金融商品取引等における過去の貸倒れ実績に基づくデフォルト率に、該当する取引の残高を乗じて計算したリスク額や、過去リターン実績に基づく一日のリターンの範囲をリスク額として算出しています。
③ オペレーションVaR
オペレーションVaRは、暗号資産取引における顧客の預かり資産であるウォレット残高に、コールドウォレットおよびホットウォレット毎に設定した不正送金リスク率を乗じてサイバー攻撃によって生じうる損失をサイバーセキュリティリスクとしてリスク額として計算しています。サイバーセキュリティリスク以外のオペレーショナルリスクとして、各セグメントの金融費用控除後営業収益に一定の率を乗じた額により、リスク額を算出しています。
2)グループRCMにおける定性的なリスク管理と主要な取組み
グループVaRとしての定量的なリスク管理に加えて、網羅的に残存リスク(グループ全体の影響度×発生確率/統制)の算出、評価をしたリスクコントロールマトリックスを取締役会に報告して、当社グループのリスクの状況を定性的に管理しています。
グループRCMにおけるリスクの定義および主要な取組み
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リスク カテゴリー1 |
リスク カテゴリー2 |
リスクの定義 |
主要な取組み |
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ビジネス リスク |
戦略リスク |
既存ビジネスの競争力低下および新規ビジネスへの参入遅延などのリスク
|
日本セグメントは日本株取引手数料引下げ等により新規口座獲得の増加とシェア拡大を目指し、米国セグメントおよびクリプトアセット事業セグメントは、さらなる成長を実現するための積極的な先行投資を断行し、これに伴う米国市場への上場計画も発表(1.(1)で詳細を記載) |
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経営管理リスク |
会社全体の業績やコストを管理できず、グループ全体の収益性が低下するリスク |
取締役会等に月次でセグメント毎の業績やKPIを報告 |
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市場関連 リスク |
市場関連リスク |
市場リスク要因の変動による保有資産(オフバランスシート資産を含む)の変動による損失のリスク |
FX取引につきカバー取引に関する規定に基づき、外国為替ポジションを適切に制御(暗号資産交換取引につき、基本的に自己ポジションは保持していない) VaRの計算対象として、重点的にリスク量を計算 |
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信用リスク |
信用リスク |
取引先および顧客へのクレジットリスク(気候変動リスクに晒されている取引先のクレジットリスクを含む) |
取引状況の日常的なモニタリングを通じてポジションの偏り等のリスクを把握 VaRの計算対象として、重点的にリスク量を計算(1.(2)で詳細を記載) |
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流動性 リスク |
流動性リスク |
資金繰り管理における不備等で資金確保が困難になるリスク |
直接金融・間接金融の活用等資金調達手段を多様化 |
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情報セキュリティ リスク |
情報セキュリティリスク |
情報資産の漏洩、毀損等により機密性、完全性等が損なわれることで損失を被るリスク |
情報セキュリティ委員会の実施や定期的モニタリング、従業員へのセキュリティ教育の継続的実施 |
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サイバーセキュリティリスク |
サイバー攻撃等により、重要情報漏洩、システムの不正使用、又はサービス停止をすることで損失を被るリスク |
グローバルな体制を構築し、組織運営、システム対応、人的対応、外部連携の軸で対策を推進 暗号資産取引におけるウォレット残高をVaRの計算対象として、重点的にリスク量を計算(1.(3)で詳細を記載) |
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システム リスク |
システム構築リスク |
システムダウンや誤作動およびシステムの不正使用等により顧客ならびに当社が損失を被るリスク |
第三者による定期的脆弱性診断の実施や脆弱性検知時における即時対応 |
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事務リスク |
事務リスク |
従業員等のヒューマンエラーおよび清算機構やシステムベンダーなどの第三者に頼る事務リスク |
新規プロジェクトや商品サービス導入時の主要事務リスクのレビューによる形式知化等 |
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リスク カテゴリー1 |
リスク カテゴリー2(*) |
リスクの定義 |
主要な取組み |
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リーガル リスク |
マネー・ロンダリング及びテロ資金供与リスク |
マネー・ロンダリング、及びテロ資金供与に利用されそうになるリスク |
各グループ会社における対策の徹底及びグローバルな報告体制構築を通じたマネー・ロンダリング対策に係る課題の把握と対応 |
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コンプライアンスリスク |
社内外の法令・規制等の厳守を怠ったために罰則・訴訟等を受けるリスクや、契約上の障害により損失を被るリスク |
コンプライアンス責任者からの定期的な法令遵守項目の周知徹底や、契約締結における確認フローのシステム化 |
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レピュテーション リスク |
風評リスク |
マスコミ報道、風評・風説等により会社の評判が悪化することで損失を被るリスク(気候変動を含む環境問題への対応が遅れることにより、当社の評判が悪化し、顧客取引の減少等により損失を被るリスクを含む) |
マスコミ関係者やPR支援会社との連携強化による、風評被害発生リスクの最小化努力 気候変動対応に関する取組みを積極的に情報開示 |
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災害リスク |
自然災害リスク |
自然災害によるビジネス持続性リスク(自然災害による取引先の事業停滞に起因する資産の毀損リスクを含む) |
当社グループの主要な拠点において災害、テロ攻撃等の発生に備えた事業継続計画の策定や、有事の対応策の事前検討(新型コロナウイルス感染拡大について1.(4)で詳細を記載) |
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その他の リスク |
組織に関するリスク |
組織内で発生するモラル低下などにより事業目的の達成を制限されるリスク |
主要セグメントで実施しているタウンホールミーティングや、個人投資家向けオンライン説明会での当社CEOによる質疑応答の公開、および当社CEOから内部通報制度の対象者であるグループ全社員への定期的な周知 |
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情報開示リスク |
不正な会計、IR情報を開示するリスク |
適切な内部統制の構築・運用に加え、公認会計士資格を有する社外取締役と会計監査人の連携等による、不正な会計処理を未然に防止する体制構築 情報開示委員会による適時開示等プレスリリースの事前チェック |
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その他 |
カントリーリスク、政治リスク |
グローバル拠点間の経営陣が出席する会議における、グローバルな経営環境等の情報共有 |
(*)上記のリスクカテゴリー2に対応する残存リスク(グループ全体の影響度×発生確率/統制)を算出
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、「日本」・「米国」・「クリプトアセット事業」・「アジア・パシフィック」・「投資事業」の5つの報告セグメントとしています。なお、報告セグメントの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6セグメント情報」をご参照下さい。
(連結) (単位:百万円)
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|
前連結会計年度 (2021年3月期) |
当連結会計年度 (2022年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
36,864 |
37,361 |
497 |
1.3%増 |
|
トレーディング損益 |
24,504 |
30,477 |
5,973 |
24.4%増 |
|
金融収益 |
15,394 |
18,886 |
3,492 |
22.7%増 |
|
売上収益 |
- |
950 |
950 |
- |
|
その他の営業収益 |
1,144 |
1,109 |
△35 |
3.0%減 |
|
営業収益 |
77,905 |
88,783 |
10,878 |
14.0%増 |
|
収益合計 |
79,668 |
96,311 |
16,644 |
20.9%増 |
|
金融費用 |
4,211 |
5,183 |
972 |
23.1%増 |
|
売上原価 |
- |
51 |
51 |
- |
|
販売費及び一般管理費 |
49,861 |
68,601 |
18,739 |
37.6%増 |
|
費用合計 |
58,372 |
75,510 |
17,138 |
29.4%増 |
|
税引前利益 |
21,296 |
20,801 |
△495 |
2.3%減 |
|
法人所得税費用 |
6,911 |
7,770 |
859 |
12.4%増 |
|
当期利益 |
14,385 |
13,032 |
△1,354 |
9.4%減 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
14,354 |
13,017 |
△1,337 |
9.3%減 |
当連結会計年度は、米国セグメントでその他の受入手数料が増加したことなどにより、受入手数料が37,361百万円(前連結会計年度比1.3%増)となりました。また、クリプトアセット事業セグメントで暗号資産取引が活性化したことにより、トレーディング損益が30,477百万円(同24.4%増)となりました。さらに、日本セグメントで信用取引収益が増加したことなどにより、金融収益が18,886百万円(同22.7%増)となりました。その結果、営業収益88,783百万円(同14.0%増)となり、収益合計は96,311百万円(同20.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、日本セグメント、米国セグメント及びクリプトアセット事業セグメントで増加した結果、68,601百万円(同37.6%増)となり、費用合計は75,510百万円(同29.4%増)となりました。
以上の結果、税引前利益が20,801百万円(同2.3%減)となりました。また、法人所得税費用が7,770百万円(同12.4%増)となりました。当期利益は13,032百万円(同9.4%減)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は13,017百万円(同9.3%減)となりました。
各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(日本) (単位:百万円)
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前連結会計年度 (2021年3月期) |
当連結会計年度 (2022年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
17,811 |
16,978 |
△833 |
4.7%減 |
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トレーディング損益 |
4,553 |
4,350 |
△203 |
4.4%減 |
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金融収益 |
8,469 |
10,156 |
1,687 |
19.9%増 |
|
その他の営業収益 |
130 |
381 |
251 |
192.8%増 |
|
営業収益 |
30,962 |
31,865 |
903 |
2.9%増 |
|
金融費用 |
1,864 |
1,427 |
△436 |
23.4%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
24,136 |
25,250 |
1,113 |
4.6%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
2,314 |
6,819 |
4,505 |
194.6%増 |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
△1 |
△42 |
△41 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
7,276 |
11,965 |
4,690 |
64.5%増 |
日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社とマネックス・アセットマネジメント株式会社で構成されています。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家を主要な顧客層としており、売買動向の影響を受けます。
当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルスの感染拡大が継続し経済の下押し圧力となる一方で、徐々に経済正常化に向けた取り組みも模索されるなか日本銀行がこれまで同様緩和的な金融政策を継続していることもあり、持ち直し傾向となりました。ロシアのウクライナ侵攻によるマーケットセンチメントの悪化や原材料の高騰、大幅な円安進行による先行きの不透明感が指摘されるなか株価は調整基調となり、第3四半期末時点で28,791円だった日経平均株価は当期末時点では27,821円となりました。また、米金利の上昇や昨年までの大幅な株価上昇の反動もあるなか新興成長株は特に売られ、第3四半期末時点で987ポイントだった東証マザーズ指数は、当期末時点で790ポイントと約20%の大幅下落となっています。
当連結会計年度における東京、名古屋二市場の株式等(株式、ETF及びREIT)の1営業日平均個人売買代金は1兆5,995億円となり、前連結会計年度比で7.0%増加しました。
このような環境の下、日本セグメントにおいては、当連結会計年度の株式等の1営業日平均委託売買代金は、売買代金シェアが低下した結果、726億円(前連結会計年度比7.5%減)と減少しました。そのため、受入手数料は16,978百万円(同4.7%減)となりました。また、トレーディング損益は4,350百万円(同4.4%減)となりました。一方、信用取引平均残高の増加により金融収益が10,156百万円(同19.9%増)となりました。その結果、営業収益は31,865百万円(同2.9%増)となりました。
金融費用は1,427百万円(同23.4%減)となり、金融収支は8,729百万円(同32.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、IFAや金融商品仲介による支払手数料、人件費、広告宣伝費の増加などの結果、25,250百万円(同4.6%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が6,819百万円の利益(同194.6%増)となっていますが、暗号資産売却益3,956百万円が含まれております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は11,965百万円(同64.5%増)となりました。
(米国) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2021年3月期) |
当連結会計年度 (2022年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
17,988 |
18,583 |
595 |
3.3%増 |
|
金融収益 |
6,309 |
7,773 |
1,463 |
23.2%増 |
|
売上収益 |
27 |
132 |
106 |
392.8%増 |
|
その他の営業収益 |
1,051 |
727 |
△324 |
30.9%減 |
|
営業収益 |
25,375 |
27,214 |
1,839 |
7.2%増 |
|
金融費用 |
2,394 |
3,520 |
1,126 |
47.1%増 |
|
売上原価 |
23 |
115 |
92 |
392.8%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
19,771 |
29,587 |
9,816 |
49.6%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
13 |
451 |
438 |
3,435.9%増 |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
3,200 |
△5,557 |
△8,757 |
- |
米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層をはじめ多様な投資家を顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)の上昇および稼働口座数増加にともなう取引量増加が収益に貢献する傾向にあります。また、顧客の預り金を運用することで金融収益を獲得していることから、金利が上昇すると収益に貢献する傾向にあります。
当連結会計年度の米国経済は、新型コロナウイルスの感染者数は増加したものの、FRBが大規模な金融緩和政策を継続したことやワクチン接種率の高まりによる重症化率の低下などを背景に、回復が継続しました。労働市場の回復に支えられて個人消費が堅調に推移すると、資源価格の高騰の影響もあり物価上昇率が高まりました。こうした経済の回復や物価高を受けFRBは量的金融緩和政策の縮小(テーパリング)を開始すると表明し、2022年3月に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では利上げが実施されるとともに、2022年には複数回の積極的な利上げが行われる可能性が示唆されました。FRBによる積極的な金融引締め方針やロシアのウクライナ侵攻がマーケットセンチメントを冷やす中、第3四半期末時点で36,338ドルだったNYダウ平均は調整色を強めて当期末時点で34,678ドルとなりました。米長期金利はFRBの金融引締め観測が強まると徐々に上昇しました。
なお、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で6.1%円安となったことから、米国セグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、米国セグメントにおいては、当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)は、オプションが増加したものの、株式・先物が減少した結果、217,405件(前連結会計年度比5.4%減)となり、委託手数料は米ドルベースで6.0%減少しました。一方、その他の受入手数料は米ドルベースで3.2%増加しました。その結果、受入手数料は米ドルベースでは2.6%減少し、円換算後では18,583百万円(同3.3%増)となりました。一方、金融収益は、株券貸借取引収益の増加などにより米ドルベースでは16.2%増加し、円換算後では7,773百万円(同23.2%増)となりました。
金融費用は3,520百万円(同47.1%増)となり、金融収支は米ドルベースで2.4%の増加、円換算後で4,252百万円(同8.6%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、成長のための先行投資として広告宣伝費、人件費などが増加した結果、米ドルベースで41.1%増加し、円換算後では29,587百万円(同49.6%増)となりました。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は5,557百万円(前連結会計年度は3,200百万円のセグメント利益)となりました。
(クリプトアセット事業) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2021年3月期) |
当連結会計年度 (2022年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
853 |
1,494 |
641 |
75.2%増 |
|
トレーディング損益 |
19,960 |
26,144 |
6,185 |
31.0%増 |
|
売上収益 |
- |
950 |
950 |
- |
|
その他の営業収益 |
14 |
85 |
71 |
498.5%増 |
|
営業収益 |
20,826 |
28,673 |
7,847 |
37.7%増 |
|
金融費用 |
5 |
1 |
△4 |
76.1%減 |
|
売上原価 |
- |
51 |
51 |
- |
|
販売費及び一般管理費 |
7,129 |
14,909 |
7,780 |
109.1%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△3,825 |
157 |
3,983 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
9,868 |
13,870 |
4,002 |
40.6%増 |
クリプトアセット事業セグメントは、主にコインチェック株式会社で構成されています。
当連結会計年度の暗号資産市場は、中国の暗号資産規制やマイニングの環境問題への懸念によって一時は低迷しましたが、米国で初めてビットコイン先物ETFが上場したことをきっかけに、ビットコインの価格が期初以来、史上最高値となる770万円台を記録するまで活況となりました。その後は米国における金融引き締めの動きやウクライナ情勢の悪化によって市場全体で調整色が強まりました。しかし、一部では暗号資産が逃避資産として注目を集め、日米金利差拡大による円安進行が影響したこともあり、第3四半期末時点で550万円台だったビットコインの価格は当期末時点においても同水準を維持しました。また、アルトコインでは、メタバース(仮想空間)やノンファンジブルトークン(NFT)に関連した銘柄への関心が続き、その基盤レイヤーとしてイーサリアムの他にソラナやテラ、アバランチなどの銘柄も新しく注目されました。
このような環境の下、コインチェック株式会社においては、当連結会計年度における取引所暗号資産売買代金は5兆3,382億円となり、前連結会計年度比で44.8%増加しました。販売所暗号資産売買代金は5,684億円となり、前連結会計年度比で28.9%増加しました。IEOの手数料収益や送金手数料の増加などにより受入手数料が1,494百万円(前連結会計年度比75.2%増)となり、ビットコインおよびアルトコインの販売所取引が活発だったことによりトレーディング損益は26,144百万円(同31.0%増)となりました。また、NFT等の販売売上を計上し売上収益は950百万円となりました。さらにNFTの販売手数料などを計上したことにより、その他の営業収益は85百万円(同498.5%増)となり、営業収益は28,673百万円(同37.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、新規口座獲得のための広告宣伝費及びDe-SPAC上場準備に伴う人件費が増加したことにより14,909百万円(同109.1%増)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は13,870百万円(同40.6%増)となりました。
(アジア・パシフィック) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2021年3月期) |
当連結会計年度 (2022年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
1,079 |
771 |
△308 |
28.6%減 |
|
トレーディング損益 |
△0 |
△0 |
0 |
- |
|
金融収益 |
166 |
131 |
△35 |
21.2%減 |
|
その他の営業収益 |
368 |
323 |
△45 |
12.2%減 |
|
営業収益 |
1,613 |
1,225 |
△388 |
24.1%減 |
|
金融費用 |
9 |
3 |
△6 |
69.7%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
1,145 |
1,083 |
△62 |
5.4%減 |
|
その他の収益費用(純額) |
△3 |
5 |
7 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
62 |
27 |
△34 |
55.6%減 |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
519 |
171 |
△347 |
66.9%減 |
アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(以下「マネックスBoom証券」)、豪州拠点のMonex Securities Australia Pty Ltd(以下「マネックスオーストラリア証券」)で構成されています。
当連結会計年度の香港経済は、中国経済の成長が鈍化していることなどから低調に推移しました。第3四半期末時点で23,397ポイントだったハンセン指数は一時18,000ポイント程度まで下落するなど厳しい下げとなり、当期末時点で21,996ポイントとなりました。
また、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で5.6%円安となったことから、アジア・パシフィックセグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、マネックスBoom証券で委託手数料が減少したことにより、受入手数料が771百万円(前連結会計年度比28.6%減)となりました。また、銀行の実効金利が低下したことから金融収益が131百万円(同21.2%減)となりました。その他の営業収益は323百万円(同12.2%減)となり、営業収益は1,225百万円(同24.1%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、マネックスBoom証券で株式取引減少による支払手数料の減少などにより1,083百万円(同5.4%減)となりました。
持分法による投資利益は27百万円(同55.6%減)となっていますが、これは、中国本土で事業展開するジョイントベンチャーに関するものです。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は171百万円(同66.9%減)となりました。
(投資事業) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2021年3月期) |
当連結会計年度 (2022年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
金融収益 |
672 |
1,079 |
406 |
60.4%増 |
|
営業収益 |
672 |
1,079 |
406 |
60.4%増 |
|
金融費用 |
163 |
614 |
451 |
276.4%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
71 |
89 |
18 |
24.9%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△0 |
△0 |
△0 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
438 |
376 |
△62 |
14.2%減 |
投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合、MV2号投資事業有限責任組合で構成されています。
当連結会計年度は、保有銘柄の評価額上昇による評価益及び保有銘柄の売却益により金融収益が1,079百万円(前連結会計年度比60.4%増)となり、営業収益は1,079百万円(同60.4%増)となりました。
金融費用は投資事業有限責任組合の持分損益を計上したことから614百万円(同276.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、事務委託費などの増加により89百万円(同24.9%増)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は376百万円(同14.2%減)となりました。
② 財政状態の状況
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2021年3月末) |
当連結会計年度 (2022年3月末) |
増減 |
|
資産合計 |
1,401,130 |
1,607,761 |
206,631 |
|
負債合計 |
1,310,605 |
1,501,742 |
191,137 |
|
資本合計 |
90,524 |
106,018 |
15,494 |
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
89,573 |
104,286 |
14,713 |
当連結会計年度の資産合計は、信用取引資産などが減少したものの、現金及び現金同等物、金銭の信託、有価証券担保貸付金などが増加した結果、1,607,761百万円(前連結会計年度末比206,631百万円増)となりました。また、負債合計は、預り金、有価証券担保借入金などが増加した結果、1,501,742百万円(同191,137百万円増)となりました。
資本合計は、配当金の支払などにより減少したものの、当期利益や新株発行などにより増加した結果、106,018百万円(同15,494百万円増)となりました。
なお、2018年4月23日の取締役会において資金の借入を行うことを決議し、2018年6月29日に借入を実行した借入金30,000百万円を2021年6月30日に満期返済しました。
③ キャッシュ・フローの状況
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2021年3月期) |
当連結会計年度 (2022年3月期) |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
△63,818 |
51,701 |
115,519 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△7,158 |
△6,026 |
1,132 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
95,483 |
13,763 |
△81,719 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
186,683 |
253,458 |
66,775 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による収入51,701百万円(前連結会計年度は63,818百万円の支出)、投資活動による支出6,026百万円(同7,158百万円の支出)及び財務活動による収入13,763百万円(同95,483百万円の収入)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は253,458百万円(前連結会計年度末比66,775百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により取得した資金は、51,701百万円となりました。
金銭の信託の増減により63,684百万円の資金を使用し、金融収益及び費用が16,002百万円となった一方、受入保証金及び預り金の増減により81,132百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減により11,099百万円の資金を取得しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、6,026百万円となりました。
有価証券投資等の売却及び償還による収入により1,719百万円の資金を取得する一方、無形資産の取得により5,964百万円の資金を使用しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により取得した資金は、13,763百万円となりました。
長期借入債務の返済により38,857百万円、社債の償還により20,800百万円の資金を使用する一方、短期借入債務の収支により38,181百万円、長期借入債務の調達による収入により24,610百万円の資金を取得しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2022年3月期の連結決算については、金融費用及び売上原価控除後営業収益は835億円となり、前年比13%増と過去最高を記録しました。また、このような着実な成長を背景に、主要3セグメント(日本セグメント、米国セグメント、クリプトアセット事業セグメント)においては中長期的な成長への投資を推し進めることができた1年となりました。特に、米国セグメントおよびクリプトアセット事業セグメントにおいては、さらなる成長を実現するための積極的な先行投資を断行し、これに伴う米国市場への上場計画も発表しています。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
日本セグメントは、投資信託、信用金利などのストック収益や、米国株収益が継続的に伸長しました。また、預かり資産も着実に増加したため、セグメント利益(税引前利益)は120億円(前期比65%増)となりました。
米国セグメントは、新規口座獲得のための広告宣伝費65億円をかけ、積極的なマーケティング投資を実施したため、セグメント損失は56億円(前期比88億円減)となりました。
クリプトアセット事業セグメントは、口座数の増加により売買代金が伸長したため、当期の営業収益はグループ入り後過去最高の287億円となりました。また、中長期での収益基盤拡大を見据え、 新規顧客獲得のための広告宣伝費57億円を計上したため、セグメント利益は139億円(前期比41%増)となりました。
アジア・パシフィックセグメントは、低調なマーケット環境の中でも黒字を確保し、セグメント利益は2億円(前期比67%減)となりました。
投資事業セグメントは、複数の投資先においてEXITに成功し、トラックレコードを順調に積み上げました。また、2021年4月 に設立したMV2号投資事業有限責任組合も投資件数を順調に増やし、セグメント利益は4億円(前期比14%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
当社グループの事業活動における主な資金使途としては、金融商品取引業における信用取引に関するものの他、M&A及び事業投資等があります。これらの資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、社債による直接金融、シンジケートローン及び銀行借入等による間接金融により資金を調達しております。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(資本の財源)
2022年3月末の財政状態計算書
|
|
資産 16,078億円 |
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負債 15,017億円 |
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主な資産は金融商品取引業 に関連するもの 11,781億円 |
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主な負債は金融商品取引業 に関連するもの 14,486億円 |
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|
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||
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|
|
||
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|
その他 1,131億円 |
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現金及び現金同等物 2,535億円 |
|
その他 531億円 |
|
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資本 1,060億円 |
|
|
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固定的な資産(注) 630億円 |
|
(注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。
当連結会計年度末の資本合計は1,060億円であり、固定的な資産630億円を上回っています。差額については以下の原資とする予定です。
1.海外含む証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応
2.将来の事業投資に備える内部留保
3.株主還元(配当金及び自己株式取得)
(重要な資本的支出の予定)
重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(資金の流動性)
当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また、資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。なお、債務の期日別の残高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって、のれんの減損テストにおける使用価値の算定等重要な判断や見積りを行っていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」、同「22.無形資産」及び同「38.追加情報」に記載のとおりです。
(1)米国セグメントにおける合併関連諸契約
当社は、2021年11月4日開催の当社取締役会において、当社の米国子会社TradeStation Group, Inc.とその完全子
会社であるTSG Merger Sub, Inc.及びニューヨーク証券取引所に上場している特別買収目的会社(SPAC)である
Quantum FinTech Acquisition Corporationが、Quantum FinTech Acquisition Corporationを存続会社、TSG Merger
Sub, Inc.を消滅会社とする米国法上の逆三角合併を行うこと(以下、「本合併」)、並びに本合併に関し
て当事者が合併関連諸契約を締結すること、また、Galaxy Digital LPを割当予定先として第三者割当による新株式
を発行することについて決議しました。
詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 30.払込資本及びその他の資本」に記載のとおりです。
(2)クリプトアセットセグメントにおける合併関連諸契約
当社は、2022年3月22日開催の当社取締役会において、当社の子会社コインチェック株式会社、コインチェックの持株会社となる予定の Coincheck Group B.V.とナスダック(以下、「NASDAQ」)に上場している特別買収目的会社(SPAC)である Thunder Bridge Capital Partners Ⅳ,Inc.等との間でBusiness Combination Agreementを締結し、これにより Coincheck Group B.V.が NASDAQ 上場を目指すことを決議しました。
該当事項はありません。