文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社はオンライン金融事業を営むマネックス証券株式会社(日本)及びTradeStation Group, Inc.(米国)並びに暗号資産交換業を営むコインチェック株式会社(日本)を中核子会社として、その他国内外に金融関連の子会社及び持分法適用会社を有する持株会社です。当社グループは、次に掲げる企業理念および行動指針を基に、個人投資家の日々の生活及び資産形成に必要な総合金融サービスの提供を目指していきます。
① 企業理念
MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来における人の活動を表しています。
常に変化し続ける未来に向けてマネックスグループは、最先端のIT技術と、グローバルで普遍的な価値観とプロフェッショナリズムを備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインするとともに、個人の自己実現を可能にし、その生涯バランスシートを最良化することを目指します。
② 行動指針
・お客様と社員の多様性を尊重します。
・最先端のIT技術と金融知識の追究を惜しみません。
・新しい価値を創造しステークホルダーに貢献します。
(2) 目標とする経営指標及び現状の経営環境
当社グループは連結における年度の業績予算を策定していますが、当社グループはオンライン証券ビジネスやクリプトアセットビジネスなどをグローバルに展開しており、経済環境や相場環境等の影響を大きく受けるため、業績予想を行うことが困難な状況にあります。当社の業績予想および収益計画は、投資家に対して誤った情報を提供する可能性があることから適切でないと考えているため、開示しておりません。一方、資本効率に関する目標としてROEが妥当と考えており、10%を達成すべき水準と考えております。
2023年3月期の連結決算については、営業収益は793億円となり、前年比11%減となりました。当期の暗号資産市場は「クリプトウィンター」とも呼ばれ、ウクライナ戦争や中国のゼロコロナ政策などの影響によるインフレの高止まりや、大手暗号資産取引所FTXグループの破綻を受け、日本を含む世界の暗号資産取引量が大幅に減少しました。その一方、米国で異例の大幅連続利上げが行われたことを背景に、当社の米国セグメントにおける顧客預り金の運用益が、収益全体を大きく押し上げました。また、日本セグメントは日本株委託手数料改定後も、FX市場の活況やアセマネモデルの進捗等を理由に安定した収益を生んでいます。
(3) 対処すべき課題
当社グループは、激変する事業環境においても持続的かつ長期的な企業価値を向上させることが課題と認識しています。日本セグメントは、アセマネモデルの推進による事業基盤の強化、米国セグメントは、アクティブトレーダー層のロイヤリティ向上と取引活性化によるLTV(Life Time Value)の向上、クリプトアセット事業セグメントは、デジタル経済圏の創出やグローバル戦略の展開により、成長を加速させていきます。
1) 日本セグメント
日本セグメントは、アセマネモデルの推進による事業基盤強化を重要な課題として、新規口座獲得及び預かり資産の増加に継続して取り組んでいます。機能やサービスが業界最高水準の米国株、マネックス銘柄スカウター、単位未満株「ワン株」や、マネックスカードの高ポイント還元率等を訴求して、新規口座獲得を進めていきます。なお、2023年1月より米国株信用取引を開始し、米ドル預り金運用も含めた米国株関連収益が増加しています。
また、ウェルスマネジメントサービスの柱となる「IFAサービス」、イオン銀行等との「金融商品仲介業務サービス」、ウェルスマネジメントサービス、マネックスカード投信積立や投資信託毎日つみたてサービスおよび企業の実質的な価値を高めるためのエンゲージメントファンド「マネックス・アクティビスト・ファンド」などを通じて、預かり資産を増加させていきます。
2) 米国セグメント
米国のTradeStationは、長年にわたり高評価を得ている自社開発の取引プラットフォームを強みとして高頻度に取引をするアクティブトレーダー層から高い支持を受けているなか、新たなミッションの「究極のトレーダー体験を提供する」ことが課題と認識しています。アクティブトレーダー層に対するマーケティングと世界最高水準の取引サービスを提供していきます。
具体的な施策として、世界最高水準の最適な取引体験の提供や強力なトレーディングツール、分析ツールの活用により、高付加価値顧客のロイヤリティ向上を目指します。また、お客様に対するコンシェルジュ体制を構築し、顧客の取引活性化を進めていきます。さらに、強固なAPI技術を活用し、サードパーティの革新的な取引・分析ソリューションへのアクセスを拡充させていきます。
3) クリプトアセット事業セグメント
コインチェック株式会社(以下、「コインチェック」)は、BTCやETHなどの暗号資産を取扱う販売所と取引所を運営しています。対処すべき課題は、国内での競争優位性の堅持と、それを実現するための盤石な事業基盤の構築です。足元では暗号資産販売所の収益が大きな割合を占めています。暗号資産市場の不透明な現況を鑑み、収益源の多角化を進めます。
具体的な施策として、暗号資産事業では、トークン発行による資金調達を支援するIEOの促進や取扱暗号資産数の拡大を軸に、認知度向上を図るとともに、積立サービスなどを通じて顧客層のすそ野を広げ、安定的な収益基盤を構築します。
また、法人顧客向けには、ブロックチェーン技術を活用した新たな事業分野の創出を含め、多様な要望に応える窓口を開設し、需要の取り込みを狙います。
成長分野であるNFT・メタバース事業では、グローバル先端企業との協業により仮想空間での新たな経済圏構築を目指すとともに、優良なNFTを選別して取扱うことで差別化を進めます。さらに、Sharely事業においては、2022年開催のバーチャルオンリー型株主総会支援件数No.1の実績を基に、顧客満足度向上に努め、顧客層の拡大を進めます。
コインチェックの持株会社となる予定のCoincheck Group B.V.は米国のSPACとの統合によりナスダック市場への上場に向けた手続を進めています。
4) アジア・パシフィックセグメント
アジア・パシフィックセグメントは、香港のマネックスBoom証券の規模と収益の拡大が喫緊の課題です。現在、中国大陸からの顧客獲得を目的とした事業開始を準備しており、中国本土、香港におけるマーケティング手法の長所を相互に活用して、顧客獲得を進めるなどを通じてシナジーを追求していきます。
5) 投資事業セグメント
投資セグメントは、投資能力の強化による収益機会の多様化および既存投資先への継続的な成長支援による実現益の獲得が課題です。マネックスベンチャーズは、社会的課題の解決に貢献することを目的として、東京ウェルネスインパクト投資事業有限責任組合を組成し、投資領域の拡大と収益機会の多様化を図ります。また、実現益の獲得については、MV1号、2号投資事業有限責任組合を含め、セグメント全体での投資件数105件(2023年3月末現在)への投資先管理を強化し、IPOやM&A等のEXIT機会も積み上げていきます。
文中の将来に関する事項は、連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)サステナビリティ全般に関する開示
1)企業理念に沿った当社グループの基本方針および取組み
当社は、「MONEXとはMONEYのYを一歩進め、一足先の未来における人の活動を表わしています。常に変化し続ける未来に向けて、最先端のIT技術と、グローバルで普遍的な価値観とプロフェッショナリズムを備え、新しい時代におけるお金との付き合い方をデザインすると共に、個人の自己実現を可能にし、その生涯バランスシートを最良化すること」を目指すことを企業理念に掲げています。
当社は、当社グループの役員および従業員(名称の如何に関わらず当社グループの業務に従事する者のすべてを含む。以下、総称して「役職員」)が上記企業理念を実現するための行動指針を制定し、役職員一人ひとりが遵守すべき規律を定めています。そして、当社グループ役職員を対象とする社内報への掲載や社内研修の実施を通じ、上記企業理念を役職員に浸透させるための取組みを行っています。
2)ガバナンス体制
当社グループ独自の経営課題と社会課題の解決を目指すため、当社グループのステークホルダーにとっての重要度(縦軸)と当社グループの業績に与える影響についての重要度(横軸)を「マネックスグループのマテリアリティ・マトリックス」(以下、「マテリアリティ・マトリックス」)として特定しています。
マテリアリティ・マトリックスは、ステークホルダーの考えや財務的影響度および当社グループの企業理念への影響度を数値化することによって、当社グループがリスクと機会の観点で取組むべき各課題を解決するための優先順位を可視化したものです。こうして、当社グループでは、執行役との協議を重ねたうえでマテリアリティ・マトリックスを策定し、最終的には取締役会での報告、協議を経て決定しました。当社グループのウェブサイトにて上記の過程を踏まえたマテリアリティ・マトリックスを公開(※)しています。
マテリアリティ・マトリックスにて数値化、可視化された各課題は、縦横の3象限ずつ計9象限に分けてプロットしており、数値的に重要とされる課題は、本業のなかで取組むべき最重要項目として、各執行役が推進責任者となり、目標設定、進捗管理をして、半期ごとに進捗状況および今後の課題を取締役会に報告しています。
また、様々なステークホルダーとともに社会的課題の解決に取組み、新しい価値を創造することで持続可能な社会の実現に貢献することを「MONEX サステナビリティ・ステートメント」として制定しており、取締役全員がコミットしています。
(※)https://www.monexgroup.jp/jp/esg/mg_esg.html
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マテリアリティ・マトリックスにおける最重要項目 |
執行役/担当 |
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コーポレート・ガバナンス |
代表執行役社長CEO |
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リスクマネジメント |
リスク管理統括責任者 |
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イノベーション |
代表執行役会長 |
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金融リテラシーの向上 |
代表執行役社長CEO |
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金融サービスへのアクセス向上 |
代表執行役社長CEO |
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セキュリティ&プライバシー |
情報セキュリティ担当執行役 |
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人材採用・人材育成、労働慣行、 ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン |
人事担当執行役 |
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コンプライアンス(AML&腐敗防止) |
内部統制担当執行役 |
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サステナブルファイナンス |
日本セグメント担当執行役 |
当社グループは、ESG活動に取組むに当たり、社内の横断組織である「ESG/サステナビリティ推進タスクフォース」が中心となり、上記のマテリアリティ・マトリックスにおける最重要項目での取組みや気候変動をはじめとする環境問題に関して、審議および検討を行っています。これらのESGに関する取組みについては、定期的に取締役会に報告され、承認を受けながら、グループ全体を巻き込んで、各種課題の取組みとESGに関する情報開示を推進しています。
3)リスク管理
当社は、事業目的を安定的に達成するためには、経営に影響を与えるリスクを常に許容範囲にとどまるように管理することが重要と考えています。こうした経営方針に基づき、「統合リスク管理規程」等に定めた10のリスクを適切に識別、分析、評価したうえで、セグメントを担当する執行役が各リスクについての具体的な管理方法、体制を決定しています。セグメントを担当する執行役は、リスクが発生あるいはリスクが発生する蓋然性が高いと判断した場合、CEOが定めるリスク管理統括責任者と各リスクを担当する執行役に対して報告する体制を構築しており、リスク管理統括責任者は、リスク管理体制に関する整備状況、運用状況を把握し、毎月取締役会に報告しています。
また、サステナビリティにおけるリスク管理は、マテリアリティ・マトリックスの特定プロセスの中で、当社グループの業績に与える影響としての重要度(横軸)を決定するうえで、各課題のリスクと機会に対する財務的影響度を数値化して評価しており、各執行役は、マテリアリティ・マトリックスにおける最重要項目として評価された課題の推進責任者として、リスクを管理しています。
4)戦略、指標および目標
短期および中長期にわたる当社グループの戦略に影響を与える指針として、上記のとおり、当社は企業理念への影響度を数値化して、マテリアリティ・マトリックスを特定しています。特定されたマテリアリティ・マトリックスのうち、最重要項目においては、推進責任者である各執行役が進捗を管理しながら、半期ごとに進捗状況および今後の課題を目標設定して取締役会に報告しています。
5)取組み実績
当社はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が採用する日本株式を運用対象とする6つのESG指数である「FTSE Blossom Japan Index」「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」「MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数」「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」「S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数」「Morningstar Japan ex-REIT Gender Diversity Tilt Index」のすべての構成銘柄に選定されています。
(2)人的資本、多様性に関する開示
1)基本方針および取組み
当社グループは、人材を最も重要な経営資本と捉え、経営理念の実現を促す3つの行動指針を定め、求められる人材の能力や行動を明らかにします。さらに、人材育成方針および社内環境整備方針を策定することにより、人的資本および多様性の充実をもたらす体制づくりに取組んでいます。
行動指針
「自主性をもって事業を創造する」
一人一人が、未来のあるべき姿と当社事業の成長のために自ら考え進んでいく。プロフェッショナル意識を持ち、必要な知識や技術を追求し、自らの価値を高めるよう努める。
「公正であることを尊重する」
多様な背景や考え方を尊重する。一人一人の能力が最大限発揮できる透明性のある公正なチームを構築することで、当社の企業価値の向上につなげるとともに、より良い社会の実現を目指す。
「企業理念の実現に貢献する」
私たちのステークホルダーの価値創造に貢献する。未来における人の活動において、生涯バランスシートを最良化するため、何が望まれているかを想像して、個人およびチームが短期的かつ長期的な目標に向かって邁進する。
少子高齢化に伴う労働人口の減少や経済のグローバル化に伴う安価で高品質な商品やサービスとの競争の激化などが深刻化している現状では、限られた労働力で最大限の成果を生み出す「効率性や生産性の改善・向上」がこれまで以上に重要な課題となります。より高いレベルで「効率性や生産性の改善・向上」を実現するために最先端のテクノロジーを積極的に取入れ、新しい未来やイノベーションに対して野心的な自律型人材を育成し、役職員一人ひとりの生産性を高めることで、組織として最大のパフォーマンスを発揮できる体制が必要です。
2)戦略
当社グループは、人的資本および多様性の充実に取組むうえで、当社グループが求める人材が、その能力を最大限発揮できる就業環境を整えるため、以下の2つの方針を策定しています。
・人材育成方針
「当社グループは、高い志と情熱をもって変革を試みる役職員のチャレンジ精神を鼓舞する環境を整えることにより、組織やチームの出力の質を高め新たな未来の価値を創造できる自律型人材を育成します。」
・社内環境整備方針
「当社グループは、多様な人材の多様な働き方を受入れ、組織やチームの活性化を実現する役職員一人ひとりの主体性ある取組みが公正に評価される環境を整えます。」
3)重点課題(指標)および目標
人材育成方針と社内環境整備方針に沿って行動する際に次の重点課題にフォーカスし、その改善に取り組んでいます。
(a)多様性の確保と公正な評価制度(報酬体系)
当社グループの人事制度においては、性別、年齢、国籍などによらず、企業価値への貢献度を唯一の評価基準として人事評価をおこなっており、その結果にのみ基づいて人事処遇するため、多様性を損ねない組織体制を構築しています。
賃金格差(ペイギャップ)については、男女別の報酬体系を持たないため、個々人の貢献度に対する評価結果や職種の違いに伴う格差は生じますが、性差による格差は生じません。
なお、多様性がどの程度の品質で確保されているかを測る指標として、評価と報酬の観点から「女性管理職比率」と「男女賃金格差」を計測しています。(2023年3月期の実績は下表のとおり)
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項目 |
区分 |
男性 |
女性 |
評価 |
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人数比率 |
全社員 |
72% |
28% |
女性の数を人口比に近づく程度まで増やしたいと考えています。 |
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管理職者 |
76% |
24% |
貢献度に沿って適正に処遇すべきで、目標は定めません。 |
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ペイギャップ |
全社員 |
100% |
83% |
男女別の給与体系を持たないため、原則男女間格差は生じませんが、左記は報酬に関する職種間格差から生じたものです。 |
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非管理職 |
100% |
77% |
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管理職者 |
100% |
86% |
対象会社:マネックスグループ株式会社、マネックス証券株式会社、コインチェック株式会社、TradeStationグループ各社
(b)人材の育成・開発
Off-JTや自己研鑽により机上で習得した基礎能力や専門分野に必要となる知識・スキルを、OJTで繰返しの実践を通じて、自身の経験値として、成功体験に昇華させる機会を創出するように設計しています。
また、同時にストレッチアサインメントや最適配置を意識した育成方針を掲げており、ジョブローテーションを活用することでさらに充実した人材育成環境を構築しています。
(c)働き方の柔軟性
当社グループは、役職員一人ひとりが最も高いアウトプットを出せる働き方環境を選択できるように様々な制度を設計しております。
時間や場所の制約を受けない制度設計(フレックスタイム制度や在宅勤務制度)や重大なライフイベントに対する支援体制(育児や介護支援)など、役職員の相互関係における理解と協力が得られる企業風土や文化に根差した体制が形成されており、出産や育児および介護による休職者が100%復職できる環境を維持します。
また、役職員の健康維持も会社の重要な責務と考えて、健康診断受診率100%を目指して取組んでいます。
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項目 |
育児休暇を取得した人数 |
取得比率 |
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男性育児休業取得率 |
10人 |
77% |
対象会社:マネックスグループ株式会社、マネックス証券株式会社、コインチェック株式会社
(d)組織エンゲージメントサーベイ
2022年より日本拠点の当社およびマネックス証券株式会社の役職員を対象にした組織エンゲージメントサーベイを実施しています。上述の(a)~(c)の課題のうち、多くの評価が、その調査結果に反映されるため、総合スコアが良好と評価される水準に維持できることを目指します。
(a)~(c)の課題にフォーカスしたスコアについては、役職員全員に対して所属する部門やグループの結果を周知しているため、部門やグループごとに改善策を討議し、日々試行錯誤に努めることができる体制を構築しています。
組織エンゲージメントサーベイにより、多くの役職員が当社グループの経営理念に賛同し、多様な価値観を尊重するとともに当社グループが抱える課題に対して、当事者意識をもって取組み、企業価値の向上に向けた活動に参画するような企業文化や風土が醸成されていることが結果として表れています。
1.当社に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクについては、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) ビジネスリスクについて
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、日本セグメントではお客様の資産増加にコミットする「アセマネモデル」を推進し、事業基盤の強化を目指しています。また、米国セグメントでは2022年第2四半期より戦略転換を行い、アクティブトレーダー層のロイヤリティ向上と取引活性化によるLTV(Life Time Value)の向上に取り組んでおります。さらに、クリプトアセット事業セグメントでは、デジタル経済圏の創出やコインチェックの持株会社となる予定のCoincheck Group. B.V.を米国ナスダック市場に上場させることを目指しており、グローバル戦略の展開により成長を加速させていきます。
しかしながら、日本セグメントにおいて、新規口座や預かり資産を獲得できず中長期での事業基盤を強化できない場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。また、米国セグメントの戦略転換の効果が発揮されず、想定より収益が見込めない可能性があります。さらに、クリプトアセット事業セグメントでの米国上場が想定より遅延する場合には、投資に一定の制限がかかることで、将来の収益や利益を逸失する可能性があります。
(2) 信用リスクについて
a. 顧客取引に関わる信用リスク
当社グループは、信用取引、先物・オプション取引、FX取引等により、顧客に対して信用供与するため、株式市況、為替市況等の変動によっては顧客に対する信用リスクが顕在化する可能性があります。ただし、当社グループは、前金、保証金又は担保の差し入れを受けており、また、取引状況の日常的なモニタリングを通じたポジションの偏り等のリスクを把握し管理していることなどから、顧客に対する信用リスクの顕在化は限定的と判断しています。
ただし、今後の市場環境等の急激な変動により、顧客立替金が生じる場合において、顧客からこれを十分回収できない可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b. 取引金融機関等に関わる信用リスク
当社グループは、FX取引及び暗号資産取引におけるカバー取引、貸株取引等により、取引金融機関及び暗号資産交換業者等に対する信用リスクに晒されています。当社グループの取引金融機関及び暗号資産交換業者等は、基本的には国内又は海外で認知された金融機関及び暗号資産交換業者であるため信用リスクは限定的です。また、取引金融機関に対する格付引下げ等の信用不安につながり得る情報を入手した場合には、関係部門間で連携をとりながらリスク回避のために必要な措置を講じておりますが、今後の市況等の急激な変動により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
なお、信用リスクを含む金融リスクに関する定量的な分析は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載しています。
(3) 情報セキュリティリスクについて
当社グループは、主要セグメントである日本、米国、クリプトアセット事業セグメントにおいて、取引の根幹をなす基幹システムを内製開発・自社保有しておりますが、システムの不具合、処理能力不足、通信回線の障害などによりシステムの機能不全に陥った場合には、事業運営に重大な支障が生じるおそれがあります。
グローバルにビジネス展開をしている当グループでは、深刻化するサイバーセキュリティに対する脅威からお客様の情報や資産を守り、安心してお取引を行っていただくため、金融庁が制定している金融商品取引業者向けの総合的な監督指針や、米国国立標準技術研究所(NIST)800シリーズを参照し、包括的なサイバーセキュリティ対策の強化に努めています。また、マネックスグループ全体でサイバー攻撃により発生した事象への対応、および被害を軽減させるためのグローバルな体制を構築しており、当社に設置したマネックスグループCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心に、当社グループ各社にもCSIRTを設置しています。マネックスグループCSIRTはグループ各社のCSIRTとの協力体制の下、ガバナンスの強化を行い、各社のCSIRTは各社の業務、情報資産、そしてシステムを守る機能を果たしており、組織運営、システム対応、人的対応、外部連携の以上4つの軸でサイバーセキュリティ対策を推進しています。
しかしながら、上記の対応において、何らかの不備、あるいは現段階では予測できない原因により、当社グループの適切な対応が遅れる、又は適切な対応がなされなかった場合や、外部からのサイバー攻撃等により個人情報や機密情報などが漏えいした場合には、当社グループの信用低下や被害者からの損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、暗号資産交換業を営むコインチェックおよびTradeStation Crypto Inc.は、不正アクセスに対する備えとして、預り暗号資産の大半を安全性の高いコールドウォレット(※1)で保管しており、不正アクセスに対するリスクの低減を図っています。しかしながら、外部からの攻撃等により、ホットウォレット(※2)で保管している暗号資産を窃取され、不正送金が行われた場合には、当社グループの信用低下や被害者からの損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
※1 インターネット等の外部とのネットワークとつながっていない遮断された環境に保管されているウォレット
※2 外部とのネットワークとつながっている環境に保管されているウォレット
(4) その他のリスク
株式会社しずおかフィナンシャルグループは、当社の議決権の5%超を保有しています。現在の状況が継続する場合、当社は銀行法第52条の23第1項各号に掲げる会社以外の会社の議決権の50%超を保有することができない等の制約を受けます。その結果、当該制約により経営環境等の変化に適切に対応できず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
2. 当社のリスク管理状況
(1)リスク管理体制
当社は、経営に影響を与えるリスクを許容できる一定の範囲内にとどめることが事業目的達成に資するという考えに基づき、「統合リスク管理規程」等に定めたリスクを適切に識別、分析、評価したうえで、各々のリスクに応じた適切な当社および当社グループ会社のリスクについての管理体制を整備しています。以下の体制のとおり、CEOが任命するリスク管理統括責任者がリスク管理体制に関する整備状況、運用状況を把握し、VaR管理も含めて定期的に取締役会に報告しています。
(2)リスク管理方法
1)グループVaRにおける定量的なリスク管理
当社グループは、グループ全体で保有するリスク量が許容額に収まっているかを把握するため、毎月グループVaRを計算し、定量的に管理しています。市場リスクについては、一定の期間内(保有期間二週間)に一定の確率(信頼区間片側99%)で被りうる最大損失額、信用およびオペレーショナルリスクについては、上記に準じて発生しうる最大損失額を算出しており、その合計値であるグループ全体のリスク量がリスク許容額(連結株主資本から固定的な資産を控除した額の1/2)と比べどういう状況にあるか取締役会に報告し、取締役が確認しています。
① 市場VaR
市場リスクは、株式、金利、為替、暗号資産など、当社グループが保有する資産価格の変動により損失を被るリスクとして、月末時点の各資産残高にそれぞれの金融商品等における価格変動率を乗じてリスク額を計算しています。なお、当社グループにおける金融商品取引業においては、ブローカー業務における収益の計上がほとんどであり、トレーディング目的として自己で保有することで収益を計上する取引はごく一部であり、当社グループの金融商品取引業における市場リスクは限定的です。
② 信用VaR
信用リスクは、各社の金融商品取引、暗号資産取引における取引先および顧客の貸倒れリスクとして、取引先リスクおよび顧客リスクを計算しています。取引先リスクについては、取引金融機関に対する預金残高や金融商品取引等で発生する保証金および証拠金の残高に対して、各金融機関に付与されている外部格付評価機関の格付け評価に紐づいたデフォルト率を乗じて、リスク額を計算しています。顧客リスクは、信用供与された各社の金融商品取引等における過去の貸倒れ実績に基づくデフォルト率に、該当する取引の残高を乗じて計算したリスク額や、過去リターン実績に基づく一日のリターンの範囲をリスク額として算出しています。
③ オペレーションVaR
オペレーションVaRは、暗号資産取引における顧客の預かり資産であるウォレット残高に、コールドウォレットおよびホットウォレットごとに設定した不正送金リスク率を乗じてサイバー攻撃によって生じうる損失をサイバーセキュリティリスクとしてリスク額として計算しています。サイバーセキュリティリスク以外のオペレーショナルリスクとして、各セグメントの金融費用控除後営業収益に一定の率を乗じた額により、リスク額を算出しています。
2)グループRCMにおける定性的なリスク管理と主要な取組み
グループVaRとしての定量的なリスク管理に加えて、網羅的に残存リスク(グループ全体の影響度×発生確率/統制)の算出、評価をしたリスクコントロールマトリックスを取締役会に報告して、当社グループのリスクの状況を定性的に管理しています。
当社グループがオンライン金融商品取引業のサービスを営む上で、最も重要なリスクであるサイバーセキュリティリスクにおいては、マネックスグループCSIRTを中心に、各社で設置されたCSIRTとの協力体制のもと、グローバルな体制を構築しています。一方、暗号資産取引を営むコインチェックおよびTradeStation Crypto Inc.のウォレット管理においては、各社が不正送金に対して適切な管理体制を構築し、リスクの低減を図っています。
グループRCMにおけるリスクの定義および主要な取組み
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リスク カテゴリー1 |
リスク カテゴリー2 |
リスクの定義 |
主要な取組み |
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ビジネス リスク |
戦略リスク |
既存ビジネスの競争力低下および新規ビジネスへの参入遅延などのリスク
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日本セグメントはアセマネモデルの推進により事業基盤強化を目指し、米国セグメントはアクティブトレーダー層のロイヤリティ向上と取引活性化によるLTVの向上、クリプトアセット事業セグメントは、デジタル経済圏の創出やグローバル戦略の展開を目指す(1.(1)で詳細を記載) |
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経営管理リスク |
会社全体の業績やコストを管理できず、グループ全体の収益性が低下するリスク |
取締役会等に月次でセグメントごとの業績やKPIを報告 |
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市場関連 リスク |
市場関連リスク |
市場リスク要因の変動による保有資産(オフバランスシート資産を含む)の変動による損失のリスク |
FX取引につきカバー取引に関する規定に基づき、外国為替ポジションを適切に制御(暗号資産交換取引につき、基本的に自己ポジションは保持していない) VaRの計算対象として、重点的にリスク量を計算 |
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信用リスク |
信用リスク |
取引先および顧客へのクレジットリスク(気候変動リスクに晒されている取引先のクレジットリスクを含む) |
取引状況の日常的なモニタリングを通じてポジションの偏り等のリスクを把握 VaRの計算対象として、重点的にリスク量を計算(1.(2)で詳細を記載) |
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流動性 リスク |
流動性リスク |
資金繰り管理における不備等で資金確保が困難になるリスク |
直接金融・間接金融の活用等資金調達手段を多様化 |
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情報セキュリティ リスク |
情報セキュリティリスク |
情報資産の漏洩、毀損等により機密性、完全性等が損なわれることで損失を被るリスク |
情報セキュリティ委員会の実施や定期的モニタリング、従業員へのセキュリティ教育の継続的実施 |
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サイバーセキュリティリスク |
サイバー攻撃等により、重要情報漏洩、システムの不正使用、又はサービス停止をすることで損失を被るリスク |
グローバルな体制を構築し、組織運営、システム対応、人的対応、外部連携の軸で対策を推進 暗号資産取引におけるウォレット残高をVaRの計算対象として、重点的にリスク量を計算(1.(3)で詳細を記載) |
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システム リスク |
システム構築リスク |
システムダウンや誤作動およびシステムの不正使用等により顧客ならびに当社が損失を被るリスク |
第三者による定期的脆弱性診断の実施や脆弱性検知時における即時対応 |
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事務リスク |
事務リスク |
従業員等のヒューマンエラーおよび清算機構やシステムベンダーなどの第三者に頼る事務リスク |
新規プロジェクトや商品サービス導入時の主要事務リスクのレビューによる形式知化等 |
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リスク カテゴリー1 |
リスク カテゴリー2(*) |
リスクの定義 |
主要な取組み |
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リーガル リスク |
マネー・ロンダリング及びテロ資金供与リスク |
マネー・ロンダリング、及びテロ資金供与に利用されそうになるリスク |
各グループ会社における対策の徹底及びグローバルな報告体制構築を通じたマネー・ロンダリング対策に係る課題の把握と対応 |
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コンプライアンスリスク |
社内外の法令・規制等の厳守を怠ったために罰則・訴訟等を受けるリスクや、契約上の障害により損失を被るリスク |
コンプライアンス責任者からの定期的な法令遵守項目の周知徹底や、契約締結における確認フローのシステム化 |
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レピュテーション リスク |
風評リスク |
マスコミ報道、風評・風説等により会社の評判が悪化することで損失を被るリスク(気候変動を含む環境問題への対応が遅れることにより、当社の評判が悪化し、顧客取引の減少等により損失を被るリスクを含む) |
マスコミ関係者やPR支援会社との連携強化による、風評被害発生リスクの最小化努力 気候変動対応に関する取組みを積極的に情報開示 |
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災害リスク |
自然災害リスク |
自然災害によるビジネス持続性リスク(自然災害による取引先の事業停滞に起因する資産の毀損リスクを含む) |
当社グループの主要な拠点において災害、テロ攻撃等の発生に備えた事業継続計画の策定や、有事の対応策の事前検討(1.(4)で詳細を記載) |
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その他の リスク |
組織に関するリスク |
組織内で発生するモラル低下などにより事業目的の達成を制限されるリスク |
主要セグメントで実施しているタウンホールミーティングや、個人投資家向けオンライン説明会での当社CEOによる質疑応答の公開、および当社CEOから内部通報制度の対象者であるグループ全社員への定期的な周知 |
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情報開示リスク |
不正な会計、IR情報を開示するリスク |
適切な内部統制の構築・運用に加え、公認会計士資格を有する社外取締役と会計監査人の連携等による、不正な会計処理を未然に防止する体制構築 情報開示委員会による適時開示等プレスリリースの事前チェック |
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その他 |
カントリーリスク、政治リスク |
グローバル拠点間の経営陣が出席する会議における、グローバルな経営環境等の情報共有 |
(*)上記のリスクカテゴリー2に対応する残存リスク(グループ全体の影響度×発生確率/統制)を算出
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は、金融商品取引業、暗号資産交換業、有価証券の投資事業を主要な事業として、「日本」・「米国」・「クリプトアセット事業」・「アジア・パシフィック」・「投資事業」の5つの報告セグメントとしています。なお、報告セグメントの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6セグメント情報」をご参照下さい。
(連結) (単位:百万円)
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前連結会計年度 (2022年3月期) |
当連結会計年度 (2023年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
37,361 |
36,953 |
△408 |
1.1%減 |
|
トレーディング損益 |
30,477 |
10,788 |
△19,689 |
64.6%減 |
|
金融収益 |
18,886 |
29,413 |
10,526 |
55.7%増 |
|
売上収益 |
950 |
960 |
11 |
1.1%増 |
|
その他の営業収益 |
1,109 |
1,190 |
81 |
7.3%増 |
|
営業収益 |
88,783 |
79,304 |
△9,479 |
10.7%減 |
|
収益合計 |
96,311 |
81,221 |
△15,090 |
15.7%減 |
|
金融費用 |
5,183 |
5,778 |
595 |
11.5%増 |
|
売上原価 |
51 |
210 |
159 |
313.6%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
68,601 |
68,487 |
△113 |
0.2%減 |
|
費用合計 |
75,510 |
76,553 |
1,042 |
1.4%増 |
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税引前利益 |
20,801 |
4,669 |
△16,132 |
77.6%減 |
|
法人所得税費用 |
7,770 |
1,345 |
△6,425 |
82.7%減 |
|
当期利益 |
13,032 |
3,324 |
△9,707 |
74.5%減 |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
13,017 |
3,392 |
△9,625 |
73.9%減 |
当連結会計年度は、日本セグメント及びアジア・パシフィックセグメントで委託手数料が減少したものの、米国セグメントで委託手数料が増加したことなどにより、受入手数料が36,953百万円(前連結会計年度比1.1%減)となりました。また、クリプトアセット事業セグメントで暗号資産取引が減少したことにより、トレーディング損益が10,788百万円(同64.6%減)となりました。一方、日本セグメントのその他金融収益、および米国セグメントの受取利息が増加したことにより、金融収益が29,413百万円(同55.7%増)となりました。その結果、営業収益は79,304百万円(同10.7%減)となり、収益合計は81,221百万円(同15.7%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、日本セグメント及び米国セグメントなどで増加したものの、クリプトアセット事業セグメントで減少した結果、68,487百万円(同0.2%減)となり、費用合計は76,553百万円(同1.4%増)となりました。
以上の結果、税引前利益が4,669百万円(同77.6%減)となりました。当期利益は3,324百万円(同74.5%減)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,392百万円(同73.9%減)となりました。
各セグメントの詳細は「セグメント別の状況」でご説明します。
セグメント別の状況は以下のとおりです。
(日本) (単位:百万円)
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前連結会計年度 (2022年3月期) |
当連結会計年度 (2023年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
16,978 |
14,322 |
△2,656 |
15.6%減 |
|
トレーディング損益 |
4,350 |
5,244 |
894 |
20.6%増 |
|
金融収益 |
10,156 |
12,412 |
2,256 |
22.2%増 |
|
その他の営業収益 |
381 |
657 |
276 |
72.4%増 |
|
営業収益 |
31,865 |
32,635 |
770 |
2.4%増 |
|
金融費用 |
1,427 |
1,695 |
268 |
18.8%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
25,250 |
27,145 |
1,895 |
7.5%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
6,819 |
2,028 |
△4,791 |
70.3%減 |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
△42 |
△42 |
△0 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
11,965 |
5,781 |
△6,184 |
51.7%減 |
日本セグメントは、主にマネックス証券株式会社とマネックス・アセットマネジメント株式会社で構成されています。日本セグメントにおいては中長期での資産形成を志向する個人投資家を主要な顧客層としており、売買動向の影響を受けます。
当連結会計年度の日本経済は、原油価格の上昇や円安進行による輸入物価の上昇などでコストプッシュ型のインフレが進行しました。日銀が足元のインフレ進行は需要主導型ではないとの判断から金融緩和政策を継続すると、日米の金利差が拡大するとの思惑もあり、大幅な円安ドル高が進行しました。一時は米ドル/円が1ドル150円を上回る時期もありましたが、行き過ぎた円安が是正されると1ドル130円を割り込む水準まで短期間で円高が進行しました。2022年12月の金融政策決定会合で日銀がイールドカーブ・コントロール政策をサプライズで一部修正すると、日銀も諸外国の中央銀行と同様に金融引き締め政策に転じたのではとの不安が高まり、日経平均が26,000円を割り込む水準まで調整しました。その後の政策決定会合で日銀の金融政策維持が確認されると不安は後退し、日経平均株価は年度末にかけて再び上昇基調となりました。当連結会計年度末時点で日経平均株価は28,041円となりました。
当連結会計年度における東京、名古屋二市場の株式等(株式、ETF及びREIT)の1営業日平均個人売買代金は1兆6,311億円となり前連結会計年度比で2.0%増加しましたが、日本セグメントにおいては、当連結会計年度の株式等の1営業日平均委託売買代金は720億円となり前連結会計年度比で0.9%減少しました。
こうした中、2022年3月からの国内現物株式手数料引下げもあり、日本株の手数料収益等が減少したことから、委託手数料が32.1%減少しました。一方、投信代行手数料収益等が増加したことにより、その他の受入手数料は44.5%増加しました。以上のことから、受入手数料は14,322百万円(同15.6%減)となりました。また、マネックス証券でFX取引金額が増加したことによりFX収益が4,471百万円(同34.2%増)となる一方、グループ会社間のスワップ取引に伴う為替変動の影響を受け、トレーディング損益は5,244百万円(同20.6%増)となりました。金融収益は、グループ会社間のスワップ取引に伴う為替変動の影響を受け、12,412百万円(同22.2%増)となりました。その結果、営業収益は32,635百万円(同2.4%増)となりました。
金融費用は1,695百万円(同18.8%増)となり、金融収支は10,717百万円(同22.8%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、IFAサービスや金融商品仲介による支払手数料の増加などの結果、27,145百万円(同7.5%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が2,028百万円の利益(同70.3%減)となっていますが、円安による為替差益が含まれております。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は5,781百万円(同51.7%減)となりました。
(米国) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2022年3月期) |
当連結会計年度 (2023年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
18,583 |
21,335 |
2,752 |
14.8%増 |
|
金融収益 |
7,773 |
16,693 |
8,920 |
114.8%増 |
|
売上収益 |
132 |
534 |
401 |
302.9%増 |
|
その他の営業収益 |
727 |
715 |
△11 |
1.5%減 |
|
営業収益 |
27,214 |
39,276 |
12,062 |
44.3%増 |
|
金融費用 |
3,520 |
4,309 |
789 |
22.4%増 |
|
売上原価 |
115 |
464 |
349 |
302.9%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
29,587 |
33,176 |
3,589 |
12.1%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
451 |
△1,554 |
△2,005 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
△5,557 |
△227 |
5,331 |
- |
米国セグメントは、主にTradeStation Securities, Inc.で構成されています。米国セグメントにおいてはアクティブトレーダー層を主要な顧客層としており、市場のボラティリティ(値動きの度合い)の上昇および稼働口座数増加にともなう取引量増加が収益に貢献する傾向にあります。また、顧客の預り金を運用することで金融収益を獲得していることから、金利が上昇すると収益に貢献する傾向にあります。
当連結会計年度の米国経済は、FRBが高インフレを抑え込むため金融引き締めを継続したことなどからやや低調に推移しました。消費者物価指数の上昇率が40年ぶりの水準となるなど高いインフレが進んだことから、FRBは非常にハイペースで金利の引き上げを実施しました。年度後半にかけて消費者物価指数の上昇率や住宅関連指標などの経済指標に鈍化の兆しが見られたことを受け、FRBが2022年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の引き上げ幅を縮小させると、一時は4%を上回って推移した時期もあった米長期金利も徐々に低下傾向となりました。2023年3月に入るとシリコンバレー銀行など複数の米国の銀行が経営破綻し、米国の金融システムに対する不安が高まって株価が下落しました。全額預金保護などの対策が講じられると徐々に不安心理は後退し、年度末にかけて株価は反発し、当連結会計年度末時点でNYダウ平均は33,274ドルとなりました。
なお、米ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で19.5%円安となったことから、米国セグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、米国セグメントにおいては、当連結会計年度のDARTs(Daily Average Revenue Tradesの略称で、1営業日当たりの収益を伴う約定もしくは取引の件数)は、株式が減少したものの、先物・オプションが増加した結果、213,992件(前連結会計年度比1.6%減)となり、委託手数料は米ドルベースで2.6%減少しました。また、株式の取引量が減少したことにより、その他の受入手数料は米ドルベースで5.9%減少しました。その結果、受入手数料は米ドルベースでは3.9%減少し、円換算後では21,335百万円(同14.8%増)となりました。また、金融収益は、金利上昇により米ドルベースでは79.8%増加し、円換算後では16,693百万円(同114.8%増)となりました。
金融費用は4,309百万円(同22.4%増)となり、金融収支は米ドルベースで143.7%の増加、円換算後で12,383百万円(同191.2%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、戦略転換に伴う退職金もあり人件費が増加した一方、広告宣伝費などが減少した結果、米ドルベースで6.2%減少し、円換算後では33,176百万円(同12.1%増)となりました。
その他の収益費用(純額)が1,554百万円の損失(前連結会計年度は451百万円の利益)となっていますが、戦略転換に伴う一時費用1,546百万円が含まれております。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は227百万円(前連結会計年度は5,557百万円のセグメント損失)となりました。
(クリプトアセット事業) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2022年3月期) |
当連結会計年度 (2023年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
1,494 |
1,055 |
△439 |
29.4%減 |
|
トレーディング損益 |
26,144 |
5,567 |
△20,578 |
78.7%減 |
|
売上収益 |
950 |
962 |
12 |
1.3%増 |
|
その他の営業収益 |
85 |
- |
△85 |
- |
|
営業収益 |
28,673 |
7,583 |
△21,090 |
73.6%減 |
|
金融費用 |
1 |
3 |
2 |
199.2%増 |
|
売上原価 |
51 |
210 |
159 |
313.6%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
14,909 |
8,090 |
△6,819 |
45.7%減 |
|
その他の収益費用(純額) |
157 |
△155 |
△313 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
13,870 |
△876 |
△14,746 |
- |
クリプトアセット事業セグメントは、主にコインチェック株式会社で構成されています。
当連結会計年度の暗号資産市場は、各国の金融引き締めが継続したことで株式市場とともに下落しました。ウクライナ戦争や中国のゼロコロナ政策などの影響で歴史的なインフレが高止まりし、米国では異例の大幅連続利上げに踏み切る中、暗号資産はリスク資産として売られました。5月にはテラUSDの崩壊によって市場から数兆円規模の価値が失われ、その影響で11月には大手暗号資産取引所FTXグループが破綻しました。これらの事件を受けてビットコインの価格は一時期初より約60%マイナスとなる210万円台まで大幅下落しましたが、事件の収束やインフレのピークアウトが意識されて次第に買いが戻りました。年度末に向けては米国において暗号資産関連企業と取引のある銀行破綻が相次ぎましたが、景気後退懸念が強まる中でビットコインは金とともに高騰し、また、ステーブルコインやDeFiへの懸念も強まる中で相対的に安全な暗号資産としても買われました。
このような環境の下、コインチェック株式会社においては、当連結会計年度における取引所暗号資産売買代金は2兆6,387億円となり、前連結会計年度比で50.5%減少しました。販売所暗号資産売買代金は1,571億円となり、前連結会計年度比で72.4%減少しました。こうした中、送金手数料の減少などにより受入手数料は1,055百万円(前連結会計年度比29.4%減)となり、ビットコイン及びアルトコインの販売所取引が減少したことによりトレーディング損益は5,567百万円(同78.7%減)となりました。一方、NFTの販売収益等により売上収益は962百万円(同1.3%増)と増加しました。その結果、営業収益は7,583百万円(同73.6%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、De-SPAC上場準備に伴う専門家報酬を計上したものの、広告宣伝費及び支払手数料が減少したことにより8,090百万円(同45.7%減)となりました。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は876百万円(前連結会計年度は13,870百万円のセグメント利益)となりました。
(アジア・パシフィック) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2022年3月期) |
当連結会計年度 (2023年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
受入手数料 |
771 |
630 |
△141 |
18.3%減 |
|
トレーディング損益 |
△0 |
△0 |
△0 |
- |
|
金融収益 |
131 |
212 |
82 |
62.6%増 |
|
その他の営業収益 |
323 |
261 |
△62 |
19.3%減 |
|
営業収益 |
1,225 |
1,103 |
△122 |
9.9%減 |
|
金融費用 |
3 |
50 |
47 |
1,721.4%増 |
|
販売費及び一般管理費 |
1,083 |
1,205 |
122 |
11.3%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
5 |
△45 |
△49 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
27 |
38 |
10 |
37.6%増 |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
171 |
△158 |
△330 |
- |
アジア・パシフィックセグメントは、主に香港拠点のMonex Boom Securities(H.K.) Limited(以下「マネックスBoom証券」)、豪州拠点のMonex Securities Australia Pty Ltd(以下「マネックスオーストラリア証券」)で構成されています。
当連結会計年度の香港経済は、中国本土で新型コロナウイルスの感染が爆発的に広がった影響等から縮小傾向となりました。一時は15,000ポイントを割り込んだハンセン指数ですが、今後の経済再開期待もあって年度末にかけて回復し、当連結会計年度末時点で20,400ポイントとなりました。
また、香港ドルの対円レート(期中平均)は前連結会計年度比で18.7%円安となったことから、アジア・パシフィックセグメントの業績はその影響を受けています。
このような環境の下、マネックスBoom証券で委託手数料が減少したことにより、受入手数料が630百万円(前連結会計年度比18.3%減)となりました。一方、銀行の実効金利が上昇したことから金融収益が212百万円(同62.6%増)となりました。その他の営業収益は261百万円(同19.3%減)となり、営業収益は1,103百万円(同9.9%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、マネックスオーストラリア証券で事業閉鎖費用を計上したことなどにより1,205百万円(同11.3%増)となりました。
持分法による投資利益は38百万円(同37.6%増)となっていますが、これは、中国本土で事業展開するジョイントベンチャーに関するものです。
以上の結果、セグメント損失(税引前損失)は158百万円(前連結会計年度は171百万円のセグメント利益)となりました。
(投資事業) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2022年3月期) |
当連結会計年度 (2023年3月期) |
増減 |
増減率 |
|
金融収益 |
1,079 |
705 |
△374 |
34.6%減 |
|
営業収益 |
1,079 |
705 |
△374 |
34.6%減 |
|
金融費用 |
614 |
397 |
△217 |
35.4%減 |
|
販売費及び一般管理費 |
89 |
91 |
2 |
1.9%増 |
|
その他の収益費用(純額) |
△0 |
4 |
4 |
- |
|
持分法による投資利益又は損失(△) |
- |
△5 |
△5 |
- |
|
セグメント利益又は損失(△) (税引前利益又は損失(△)) |
376 |
216 |
△160 |
42.5%減 |
投資事業セグメントは、主にマネックスベンチャーズ株式会社、MV1号投資事業有限責任組合、MV2号投資事業有限責任組合で構成されています。
当連結会計年度は、主に保有銘柄の評価額上昇による評価益および評価額低下による評価損により、金融収益が705百万円(前連結会計年度比34.6%減)となり、営業収益は705百万円(同34.6%減)となりました。
金融費用は主にMV1号投資事業有限責任組合等の持分損益を計上したことから397百万円(同35.4%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、91百万円(同1.9%増)となりました。
以上の結果、セグメント利益(税引前利益)は216百万円(同42.5%減)となりました。
② 財政状態の状況
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2022年3月末) |
当連結会計年度 (2023年3月末) |
増減 |
|
資産合計 |
1,607,761 |
1,504,110 |
△103,651 |
|
負債合計 |
1,501,742 |
1,403,355 |
△98,387 |
|
資本合計 |
106,018 |
100,754 |
△5,264 |
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
104,286 |
99,641 |
△4,645 |
当連結会計年度の資産合計は、金銭の信託、信用取引資産などが増加したものの、現金及び現金同等物、棚卸資産などが減少した結果、1,504,110百万円(前連結会計年度末比103,651百万円減)となりました。また、負債合計は、受入保証金、有価証券担保借入金などが増加したものの、預り金が減少した結果、1,403,355百万円(同98,387百万円減)となりました。
資本合計は、当期利益などにより増加したものの、配当金の支払などにより減少した結果、100,754百万円(同5,264百万円減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
(連結) (単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2022年3月期) |
当連結会計年度 (2023年3月期) |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
51,701 |
△30,977 |
△82,679 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△6,026 |
△21,873 |
△15,847 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
13,763 |
△34,156 |
△47,919 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
253,458 |
175,159 |
△78,299 |
当連結会計年度のキャッシュ・フローは営業活動による支出30,977百万円(前連結会計年度は51,701百万円の収入)、投資活動による支出21,873百万円(同6,026百万円の支出)及び財務活動による支出34,156百万円(同13,763百万円の収入)でした。この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は175,159百万円(前連結会計年度末比78,299百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動により使用した資金は、30,977百万円となりました。
有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減により21,399百万円、短期差入保証金の増減により14,908百万円の資金を取得する一方、受入保証金及び預り金の増減により66,721百万円、信用取引資産及び信用取引負債の増減により15,262百万円の資金を使用しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動により使用した資金は、21,873百万円となりました。
有価証券投資等の売却及び償還による収入により495百万円の資金を取得する一方、定期預金の預入による支出により13,035百万円、無形資産の取得により6,919百万円の資金を使用しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により使用した資金は、34,156百万円となりました。
社債発行による収入により5,196百万円、長期借入債務の調達による収入により3,000百万円の資金を取得する一方、短期借入債務の収支により25,665百万円、社債の償還による支出により5,700百万円、自己株式の取得による支出により5,073百万円の資金を使用しました。
④ 生産、受注及び販売の実績
金融商品取引業を営む会社を中心とする企業集団であるため、「生産、受注及び販売の実績」は該当する情報がないので記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2023年3月期の連結決算は、金融費用及び売上原価控除後営業収益が733億円となり、前年比12%減となりました。当期の暗号資産市場は「クリプトウィンター」とも呼ばれ、ウクライナ戦争や中国のゼロコロナ政策などの影響によるインフレの高止まりや、大手暗号資産取引所FTXグループの破綻を受け、日本を含む世界の暗号資産取引量が大幅に減少しました。その一方、米国で 異例の大幅連続利上げが行われたことを背景に、当社の米国セグメントにおける顧客預り金の運用益が、収益全体を大きく押し上げました。また、日本セグメントは日本株委託手数料改定後も、FX市場の活況やアセマネモデルの進捗等を理由に安定した収益を生んでいます。
当期、トレードステーションは、ニューヨーク証券取引所(以下、NYSE)への上場計画に伴う大規模な広告宣伝費投下や人員採用を行いましたが、期中に市場動向を含む外部環境の変化を理由に上場計画中止を決断し、その後、大々的な費用抑制や人員削減を通じて利益創出に注力しました。さらに、クリプトアセット事業セグメントにおいても、暗号資産市場低迷を受けた迅速な費用抑制を断行し、収益水準に見合ったコスト管理に努めています。
このように、多様な環境下で各セグメントが補完的に収益計上した一方で、市況に合わせて機動的なコストコントロールも遂行した結果、当期の税引前利益は47億円となっています。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
当社グループの事業活動における主な資金使途としては、金融商品取引業における信用取引に関するものの他、M&A及び事業投資等があります。これらの資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、社債による直接金融、シンジケートローン及び銀行借入等による間接金融により資金を調達しております。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(資本の財源)
2023年3月末の財政状態計算書
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資産 15,041億円 |
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負債 14,034億円 |
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主な資産は金融商品取引業及び暗号資産交換業に関連するもの 12,265億円 |
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主な負債は金融商品取引業及び暗号資産交換業に関連するもの 13,675億円 |
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その他 370億円 |
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現金及び現金同等物 1,752億円 |
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その他 359億円 |
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資本 1,008億円 |
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固定的な資産(注) 654億円 |
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(注)固定的な資産は、有形固定資産、無形資産、持分法投資、有価証券投資(公正価値ヒエラルキーがレベル3のものに限る)です。
当連結会計年度末の資本合計は1,008億円であり、固定的な資産654億円を上回っています。差額については以下の原資とする予定です。
1.海外含む証券子会社における自己資本の維持に関する規制への対応
2.将来の事業投資に備える内部留保
3.株主還元(配当金及び自己株式取得)
(重要な資本的支出の予定)
重要な資本的支出の予定は、証券子会社における設備投資であり、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
(資金の流動性)
当社グループでは、経営に必要な資金を大手金融機関をはじめとする多数の金融機関からの借入、インターバンク市場からの調達、また、資本市場における社債の発行により調達し、一時的な余資は流動性の高い短期金融資産で運用しています。当社グループでは資金繰り状況及び見通しの把握を随時行っており、かつ、多数の金融機関との間で当座借越契約、コミットメントライン契約等を締結していることで、十分な流動性を確保しています。なお、債務の期日別の残高については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.金融リスク管理」に記載のとおりです。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループは、グローバルなオンライン金融機関グループとして事業展開を推進する中で、財務情報の国際的な比較可能性を向上させるため、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しています。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたって、のれんの減損テストにおける使用価値の算定等重要な判断や見積りを行っていますが、これらの見積りは実際の結果と異なる場合があります。当社が採用した重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」、同「22.無形資産」に記載のとおりです。
(1)米国セグメントにおける契約
2021年11月4日付当社プレスリリース「当社連結子会社 TradeStation Group, Inc.のQuantum FinTech Acquisition CorporationとのDe-SPACによるニューヨーク証券取引所上場に関するお知らせ」に関し、当社の子会社であるTradeStation Group, Inc.が、Quantum FinTech Acquisition Corporation との統合契約を2022年8月2日(米国東部標準時間)に解約いたしました。
(2)クリプトアセットセグメントにおける契約
当社は、当社の連結子会社でコインチェック株式会社の持株会社となる予定のCoincheck Group B.V.と米国のNasdaq Global Marketに上場している特別買収目的会社(SPAC)であるThunder Bridge Capital Partners IV, Inc.(以下「THCP」)との合併(以下「本合併」)に関して2022年3月22日付で締結しているBusiness Combination Agreementについて、THCP株主総会にて同社定款上の買収を実現するための期限である2023年7月2日を一年延長すること等の議案(以下「延長議案」)が承認されることを条件に、本合併を実現する期限を一年延長する等の変更契約を2023年5月31日付で締結しました。
そしてTHCP株主総会が2023年6月21日(米国東部標準時間)に開催され、延長議案が承認されました。
該当事項はありません。