第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当第1四半期連結累計期間より、「売上原価」に含めていた海外子会社の人件費等の費用について、経済的実態をより適切に四半期連結財務諸表に表示するため、「販売費及び一般管理費」に含めて表示する方法に変更しております。そのため、第24期第1四半期連結累計期間及び第24期連結会計年度との比較・分析は、この表示方法の変更を反映させた組替え後の数値で行っております。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が「5類」に移行され経済社会活動の制約が大幅に緩和されたことで飲食・サービス関連を中心に個人消費は持ち直し、企業収益も総じて改善の動きが見られました。一方、ウクライナ情勢の長期化に伴う地政学的リスクのさらなる深刻化、世界的金融引き締めによる欧米の景気後退リスクの顕在化、中国経済の一段の下振れリスクの顕在化等が国内経済に与える影響が懸念されており、依然として先行き不透明な状況が続きました。

外国為替(以下、「FX」といいます。)市場におきましては、マイナス金利政策が続く日本円を調達して高金利の外貨で運用するキャリー取引の増加により円安の勢いが強まったとの見方もあり、円安基調が続きました。2023年4月に1米ドル=132円97銭で始まった米ドル/円相場は、世界的な金融システム不安への懸念が後退するにつれ、低リスク通貨である円を売る動きがみられる中、4月下旬の金融政策決定会合で日銀が大規模な金融緩和を維持する姿勢を示したことで、日米金利差の拡大を見据えた円売りドル買いが一段と加速し1米ドル=137円台となりました。5月に入ると米銀破綻による金融システム不安の再燃や、FRBの利上げ停止示唆により、一時1米ドル=133円台半ばまでドルが売られましたが、5月中旬に、米債務上限問題に対する警戒感が和らいだことでドルを買う動きが続きました。さらに、6月中旬に米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げを見送ったものの年内2回の追加利上げの可能性を示唆したことで、ドルを買う動きが一層強まり、当第1四半期連結会計期間末は1米ドル=144円32銭で取引を終了しました。

このような市場環境のもと、当社グループの主力事業であるFX取引事業を中核とする金融商品取引事業は、子会社であるトレイダーズ証券株式会社(以下、「トレイダーズ証券」といいます。)において、『みんなのFX』(FX証拠金取引)、『LIGHT FX』(FX証拠金取引)、『みんなのシストレ』(自動売買ツールを利用したFX証拠金取引)及び『みんなのオプション』(FXオプション取引)、『みんなのコイン』(暗号資産証拠金取引)、『LIGHT FXコイン』(暗号資産証拠金取引)のサービスを提供し収益確保を図ってまいりました。FX収益を確保する上で重要な指標となるFX顧客からの預り資産は、当第1四半期連結会計期間末において882億36百万円(前連結会計年度末比78億69百万円増、9.8%増)となりました。当第1四半期連結累計期間のトレーディング損益は預り資産を順調に積み上げていった結果、27億46百万円(前年同期比4億63百万円増、20.3%増)と昨年を大きく上回りました。

また、子会社である株式会社FleGrowth(以下、「FleGrowth」といいます。)が営むシステム開発・システムコンサルティング事業は、トレイダーズ証券向けにFX取引システムの開発及び保守・運用を行うとともに、外部顧客向けにFX取引及び暗号資産証拠金取引に関連したシステム開発などのフィンテックサービス、物流や医療などの分野のDX支援、Web制作及びセールスコンサルティングを行い収益の確保を図ってまいりました。当第1四半期連結累計期間のシステム開発・システムコンサルティング事業における外部顧客に対する営業収益は、77百万円(前年同期比6百万円減、7.2%減)と前年をやや下回る結果となりました。

以上の結果、営業収益合計は、28億40百万円(前年同期比4億42百万円増、18.5%増)となり、金融費用、原価等を差し引いた純営業収益合計は、27億87百万円(前年同期比4億55百万円増、19.5%増)となりました。

一方、販売費及び一般管理費は11億94百万円(前年同期比29百万円減、2.4%減)となりました。減少の主な要因は、FX取引事業において広告代理店を変更したことで広告宣伝費が減少したことから、取引関係費が3億39百万円(前年同期比2億39百万円減、41.4%減)に減少したこと等によります。

その結果、営業利益は、15億93百万円(前年同期比4億84百万円増、43.8%増)となりました。

営業外収益は、前期にFleGrowthにおける宮城県の企業立地促進奨励金等の助成金収入7百万円を計上いたしましたが、当第1四半期連結累計期間は特段の発生要因がなかったため0百万円(前年同期比8百万円減、89.9%減)となりました。営業外費用は、支払利息3百万円(前年同期比0百万円減、3.6%減)及び為替差損8百万円(前年同期比3百万円減、27.2%減)等により、12百万円(前年同期比3百万円減、21.9%減)となりました。

その結果、経常利益は15億82百万円(前年同期比4億79百万円増、43.5%増)となりました。

特別利益は、賞与引当金戻入額3百万円を計上した結果、3百万円(前年同期比3百万円増)となりました。特別損失は、本社移転費用9百万円を計上した結果、11百万円(前年同期比11百万円増)となりました。

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は13億12百万円(前年同期比3億60百万円増、37.9%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。

 

(金融商品取引事業)

トレイダーズ証券が営む当セグメントの営業収益は27億62百万円(前年同期比4億50百万円増、19.5%増)、セグメント利益は13億16百万円(前年同期比4億59百万円増、53.6%増)となりました。

なお、FX取引事業の当第1四半期連結会計期間末における顧客口座数、預り資産は以下のとおりとなりました。

  顧客口座数      511,898口座(前連結会計年度末比     11,135口座増)

  預り資産      882億36百万円(前連結会計年度末比   78億69百万円増)

 

(システム開発・システムコンサルティング事業)

FleGrowthが営む当セグメントの営業収益は7億46百万円(前年同期比99百万円増、15.4%増)となりました。同収益の内訳は、グループ会社であるトレイダーズ証券に対するFX取引及び暗号資産CFD取引システムの開発・保守運用等の内部売上が6億68百万円(前年同期比1億5百万円増、18.8%増)、外部顧客に対する売上が77百万円(前年同期比6百万円減、7.2%減)であります。セグメント利益は2億73百万円(前年同期比38百万円増、16.5%増)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して112億88百万円増加し、996億6百万円となりました。これは主に、外国為替差入証拠金が17億41百万円減少した一方で、顧客分別金信託が105億62百万円増加したこと及び現金及び預金が19億58百万円増加したこと等によるものです。

負債合計は、前連結会計年度末と比較して104億50百万円増加し、867億92百万円となりました。これは主に、受入保証金が97億66百万円増加したことに加え、FXのカバー取引先に対する評価損等の未払債務であるトレーディング商品が3億47百万円増加したこと等によるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比較して8億38百万円増加し128億13百万円となりました。主な増加要因は当第1四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益13億12百万円です。主な減少要因は剰余金の配当4億88百万円です。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当社グループの研究開発は、システム開発・システムコンサルティング事業を営むFleGrowthが、金融商品取引システムの開発に関する研究活動を行っており、当事業の当第1四半期連結累計期間における研究開発費は16百万円です。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)従業員の状況

当第1四半期連結累計期間において、従業員数の著しい増減はありません。

 

(7)生産、受注及び販売の状況

当第1四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。

 

(8)設備の状況

当第1四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。

3【経営上の重要な契約等】

当社は、2023年4月19日開催の取締役会において、国内のスタートアップ企業への投資を目的としたCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)ファンド「トレイダーズFinTech1号投資事業有限責任組合」の設立及び投資事業有限責任組合契約の締結を決議いたしました。当ファンドを当第1四半期連結会計期間より連結の範囲に含めております。

 

1.設立の背景・目的

当社グループは、2021年12月15日に公表したグループビジョン「Traders Group Vision for 2024」において、事業ポートフォリオの見直しによる不採算事業の撤退完了を掲げ、限られた経営資源を金融商品取引事業とシステム事業に集中して本業の収益強化に努めてまいりました。

このような状況下で、1999年の創業以来培ってきた経営理念、ノウハウ及び資源を有効活用し、かつ選りすぐりのスタートアップ企業が保有する革新的な技術・サービスを融合することにより、当社グループのミッションでもある「新たな価値を創造」することを目的としたCVCファンド(以下、「本ファンド」)を設立することに至りました。本ファンドは財務的リターンのみならず、成長を牽引しうる「FinTech領域・その他新規事業領域」における事業成長及び企業価値向上を企図しております。

これまでに当社グループが行ってきた直接投資におきましては、投資対象事業に対する専門的知見が不足していたことや投資先企業の管理に行き届かない点があったことから損失を計上した過去がありますが、その反省を活かすべく、ベンチャー投資運用のプロフェッショナル企業に運用・管理を一任する二人組合型ファンドという形式を選択いたしました。

ビジョンとして「投資の力で持続可能な未来を創る」を掲げ、高度な金融スキルを有するインベストメントLab株式会社とタッグを組み、社会課題の解決に取り組む有望なスタートアップ企業への投資を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献することを目指してまいります。

 

2.基本スキーム

インベストメントLab株式会社の役職員が設立した組合を無限責任組合員、当社を有限責任組合員とする投資事業有限責任組合(LPS)形式で本ファンドを設立し、当社は本ファンドへ出資いたします。インベストメントLab株式会社はアセット・マネージャーとして、無限責任組合員と投資判断の一任に係る契約を締結の上、本ファンドの運用・管理業務を行います。

 

3.本ファンドの概要

(1)

名称

トレイダーズFinTech1号投資事業有限責任組合

(2)

所在地

東京都中央区日本橋兜町8番1号

(3)

設立根拠等

「投資事業有限責任組合契約に関する法律」に基づく

(4)

設立目的

スタートアップ企業への投資・運用

(5)

設立及び契約締結日

2023年4月19日

(6)

運用期間

2023年4月から10年間(延長あり)

(7)

出資額

最大10.1億円(キャピタルコール方式)

(8)

出資者・出資比率

有限責任組合員

トレイダーズホールディングス株式会社 99.9%

無限責任組合員

i-LabCVC1号有限責任事業組合 0.1%

(9)

無限責任組合員の概要

名称

i-LabCVC1号有限責任事業組合

所在地

東京都中央区日本橋兜町8番1号

組合員の氏名

宇根尚秀 他4名

事業内容

ファンドの運用・管理

(10)

アセット・マネージャーの概要

名称

インベストメントLab株式会社

所在地

東京都中央区日本橋兜町8番1号

代表者の氏名

宇根尚秀

事業内容

①オルタナティブ投資にかかる投資運用業、

投資助言・代理業、及び第二種金融商品取引業

②コンサルティングサービス

(11)

上場会社(当社)と

当該ファンドとの関係

上場会社(当社)と当該ファンドとの間の関係

当社は有限責任組合員として当該ファンドへ出資いたします。

上場会社(当社)と無限責任組合員との関係

該当事項はありません。

 

4.連結業績に与える影響

2024年3月期において本件出資が連結業績に与える影響は軽微と考えております。今後、連結業績への重要な影響が認められる場合には速やかにお知らせいたします。