第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度、世界経済は、英国のEU離脱決定等を受けて不透明感が高まる局面もありましたが、米国の経済が底堅く推移するとともに、同国の財政拡大への期待等から世界的な景況感の改善もみられ、全体として緩やかに景気が回復しました。

 わが国経済は、個人消費の回復には力強さが欠けるものの、生産や輸出が持ち直し、景気は緩やかに回復しました

  このような情勢のもと損害保険・生命保険を中心に事業展開を行った結果、当連結会計年度の連結経営成績は以下のとおりとなりました。

 保険引受収益4兆5,586億円、資産運用収益5,650億円などを合計した経常収益は、前連結会計年度に比べて6,535億円増加し、5兆2,326億円となりました。一方、保険引受費用3兆8,800億円、資産運用費用768億円、営業費及び一般管理費8,681億円などを合計した経常費用は、前連結会計年度に比べて6,516億円増加し、4兆8,449億円となりました。

 この結果、経常利益は前連結会計年度に比べて18億円増加し、3,876億円となりました。

 経常利益に特別利益、特別損失、法人税等合計などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて193億円増加し、2,738億円となりました。

 

 報告セグメント別の状況は以下のとおりであります。

 

[国内損害保険事業]

  国内損害保険事業におきましては、経常収益は前連結会計年度に比べて1,029億円減少し、2兆6,361億円となりました。経常収益から正味支払保険金などの経常費用を差し引いた経常利益は、前連結会計年度に比べて151億円増加し、2,544億円となりました。国内損害保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりであります。

 

① 保険引受業務

a)元受正味保険料(含む収入積立保険料)

 区分

  前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

  当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

 火災保険

408,612

15.70

8.74

384,945

14.69

△5.79

 海上保険

71,450

2.75

△2.02

62,678

2.39

△12.28

 傷害保険

304,684

11.71

4.38

291,873

11.14

△4.20

 自動車保険

1,140,486

43.82

4.17

1,165,423

44.49

2.19

 自動車損害賠償責任保険

290,741

11.17

0.16

301,045

11.49

3.54

 その他

386,505

14.85

9.22

413,747

15.79

7.05

 合計

2,602,480

100.00

4.96

(9.76)

2,619,712

100.00

0.66

(△8.49)

(うち収入積立保険料)

(125,092)

(4.81)

(114,477)

(4.37)

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金および元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含みます。)

 

b)正味収入保険料

 区分

 前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

 火災保険

318,067

13.90

11.30

289,103

12.67

△9.11

 海上保険

66,235

2.90

0.02

58,983

2.58

△10.95

 傷害保険

184,448

8.06

3.14

180,951

7.93

△1.90

 自動車保険

1,136,704

49.68

4.26

1,161,890

50.92

2.22

 自動車損害賠償責任保険

303,422

13.26

2.14

302,727

13.27

△0.23

 その他

278,979

12.19

2.55

288,121

12.63

3.28

 合計

2,287,857

100.00

4.46

2,281,778

100.00

△0.27

 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

c)正味支払保険金

 区分

 前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

 火災保険

166,193

13.17

1.70

147,681

11.67

△11.14

 海上保険

37,112

2.94

7.53

36,241

2.86

△2.35

 傷害保険

85,525

6.78

0.41

82,983

6.55

△2.97

 自動車保険

606,679

48.08

1.23

612,521

48.38

0.96

 自動車損害賠償責任保険

228,534

18.11

△0.64

225,645

17.82

△1.26

 その他

137,750

10.92

11.94

160,924

12.71

16.82

 合計

1,261,795

100.00

2.13

1,265,997

100.00

0.33

 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

② 資産運用業務

a)運用資産

区分

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

預貯金

472,619

6.04

265,546

3.30

コールローン

21,000

0.27

220,800

2.74

買現先勘定

4,999

0.06

34,999

0.43

買入金銭債権

42,127

0.54

44,271

0.55

金銭の信託

63,049

0.81

101,650

1.26

有価証券

5,676,799

72.53

5,793,273

71.97

貸付金

527,546

6.74

606,763

7.54

土地・建物

210,741

2.69

214,592

2.67

運用資産計

7,018,884

89.68

7,281,896

90.46

総資産

7,826,385

100.00

8,049,612

100.00

 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

b)有価証券

区分

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国債

1,915,593

33.74

1,803,401

31.13

地方債

106,073

1.87

94,513

1.63

社債

641,164

11.29

711,705

12.29

株式

2,315,852

40.80

2,459,150

42.45

外国証券

661,646

11.66

696,699

12.03

その他の証券

36,469

0.64

27,802

0.48

合計

5,676,799

100.00

5,793,273

100.00

 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

c)利回り

イ)運用資産利回り(インカム利回り)

区分

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

225

232,364

0.10

365

360,740

0.10

コールローン

237

257,924

0.09

0

38,750

0.00

買現先勘定

329

339,994

0.10

0

12,635

0.00

債券貸借取引支払保証金

7

10,873

0.07

85

85,412

0.10

買入金銭債権

69

49,578

0.14

17

29,126

0.06

金銭の信託

97

13,410

0.72

2,524

82,839

3.05

有価証券

114,890

3,831,805

3.00

106,431

3,840,324

2.77

貸付金

2,477

356,964

0.69

1,762

623,928

0.28

土地・建物

8,474

217,550

3.90

8,263

211,708

3.90

小計

126,808

5,310,465

2.39

119,451

5,285,466

2.26

その他

718

559

合計

127,526

120,011

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」および「金銭の信託運用損」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額であります。

3.平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しております。ただし、コールローン、買現先勘定、債券貸借取引支払保証金および買入金銭債権については日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

ロ)資産運用利回り(実現利回り)

区分

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

 ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

 ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

3,032

232,364

1.30

4,120

360,740

1.14

コールローン

237

257,924

0.09

0

38,750

0.00

買現先勘定

329

339,994

0.10

0

12,635

0.00

債券貸借取引支払保証金

7

10,873

0.07

85

85,412

0.10

買入金銭債権

864

49,578

1.74

△218

29,126

△0.75

金銭の信託

345

13,410

2.58

△1,697

82,839

△2.05

有価証券

239,217

3,831,805

6.24

187,589

3,840,324

4.88

貸付金

2,912

356,964

0.82

2,113

623,928

0.34

土地・建物

8,474

217,550

3.90

8,263

211,708

3.90

金融派生商品

31,660

1,339

その他

△9,022

△2,962

合計

278,058

5,310,465

5.24

198,633

5,285,466

3.76

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」および「積立保険料等運用益」の合計額から「資産運用費用」を控除した金額であります。

3.平均運用額(取得原価ベース)は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しております。ただし、コールローン、買現先勘定、債券貸借取引支払保証金および買入金銭債権については日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しております。

[国内生命保険事業]

国内生命保険事業におきましては、経常収益は前連結会計年度に比べて2,378億円増加し、7,220億円となりました。経常収益から生命保険金等などの経常費用を差し引いた経常利益は、前連結会計年度に比べて151億円減少し、132億円となりました。国内生命保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりであります。

 

① 保険引受業務

a)保有契約高

区分

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

金額

(百万円)

対前年増減

(△)率(%)

金額

(百万円)

対前年増減

(△)率(%)

個人保険

24,608,641

5.78

26,618,725

8.17

個人年金保険

3,201,597

△10.19

2,813,871

△12.11

団体保険

2,606,825

1.78

2,548,290

△2.25

団体年金保険

3,440

△1.78

3,373

△1.97

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2.個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものであります。

3.団体年金保険については、責任準備金の金額であります。

 

b)新契約高

区分

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

新契約+転換による純増加

(百万円)

新契約

(百万円)

転換による純増加

(百万円)

新契約+転換による純増加

(百万円)

新契約

(百万円)

転換による純増加

(百万円)

個人保険

3,037,913

3,037,913

4,125,916

4,125,916

個人年金保険

303,526

303,526

73,446

73,446

団体保険

192,184

192,184

31,674

31,674

団体年金保険

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

2.新契約の個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資の額であります。

 

② 資産運用業務

a)運用資産

区分

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

預貯金

250,902

3.60

152,726

2.08

債券貸借取引支払保証金

21,597

0.31

21,809

0.30

買入金銭債権

252,985

3.63

160,996

2.20

有価証券

6,217,055

89.32

6,765,267

92.24

貸付金

79,717

1.15

84,666

1.15

土地・建物

564

0.01

572

0.01

運用資産計

6,822,823

98.02

7,186,040

97.97

総資産

6,960,762

100.00

7,334,635

100.00

 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

b)有価証券

区分

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国債

4,927,407

79.26

5,747,646

84.96

地方債

11,593

0.17

社債

35,431

0.57

97,734

1.44

株式

234

0.00

258

0.00

外国証券

332,226

5.34

479,769

7.09

その他の証券

921,756

14.83

428,265

6.33

合計

6,217,055

100.00

6,765,267

100.00

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

     2.前連結会計年度の「その他の証券」は、証券投資信託の受益権921,756百万円であります。

  当連結会計年度の「その他の証券」は、証券投資信託の受益権428,265百万円であります。

 

c)利回り

イ)運用資産利回り(インカム利回り)

区分

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

30

100,051

0.03

13

114,171

0.01

コールローン

21

23,396

0.09

0

316

0.00

債券貸借取引支払保証金

18

22,134

0.09

3

19,757

0.02

買入金銭債権

387

423,330

0.09

32

223,663

0.01

有価証券

84,352

4,691,523

1.80

92,162

5,897,121

1.56

貸付金

2,256

77,837

2.90

2,374

81,863

2.90

土地・建物

624

0.00

597

0.00

小計

87,067

5,338,899

1.63

94,586

6,337,490

1.49

その他

合計

87,067

94,586

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。なお、保険業法第118条に規定する特別勘定に係る収入金額および平均運用額については除外しております。

2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」であります。

3.平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しております。ただし、コールローン、債券貸借取引支払保証金および買入金銭債権については日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

ロ)資産運用利回り(実現利回り)

区分

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

 ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

 ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

31

100,051

0.03

△22

114,171

△0.02

コールローン

21

23,396

0.09

0

316

0.00

債券貸借取引支払保証金

18

22,134

0.09

3

19,757

0.02

買入金銭債権

387

423,330

0.09

32

223,663

0.01

有価証券

70,290

4,691,523

1.50

89,168

5,897,121

1.51

貸付金

2,256

77,837

2.90

2,374

81,863

2.90

土地・建物

624

0.00

597

0.00

金融派生商品

15,798

△754

その他

合計

88,805

5,338,899

1.66

90,801

6,337,490

1.43

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。なお、保険業法第118条に規定する特別勘定に係る資産運用損益および平均運用額については除外しております。

2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」から「資産運用費用」を控除した金額であります。

3.平均運用額(取得原価ベース)は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しております。ただし、コールローン、債券貸借取引支払保証金および買入金銭債権については日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しております。

[海外保険事業]

海外保険事業におきましては、経常収益は前連結会計年度に比べて4,073億円増加し、1兆8,357億円となりました。経常収益から正味支払保険金などの経常費用を差し引いた経常利益は、前連結会計年度に比べて18億円増加し、1,140億円となりました。海外保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりであります。

 

① 保険引受業務

a)正味収入保険料

 区分

 前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

 火災保険

276,159

28.24

11.94

237,174

19.78

△14.12

 海上保険

41,267

4.22

△8.04

39,835

3.32

△3.47

 傷害保険

14,871

1.52

△40.36

37,189

3.10

150.07

 自動車保険

236,628

24.20

△0.24

260,018

21.69

9.88

 その他

408,901

41.82

6.54

624,572

52.10

52.74

 合計

977,829

100.00

4.30

1,198,790

100.00

22.60

 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

b)正味支払保険金

 区分

 前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

 火災保険

103,412

25.83

△15.26

112,187

20.43

8.49

 海上保険

22,430

5.60

△4.58

21,874

3.98

△2.48

 傷害保険

11,858

2.96

7.01

16,771

3.05

41.43

 自動車保険

123,844

30.93

0.67

149,067

27.15

20.37

 その他

138,855

34.68

4.00

249,135

45.38

79.42

 合計

400,402

100.00

△3.09

549,036

100.00

37.12

 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

② 資産運用業務

a)運用資産

区分

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

預貯金

286,527

4.06

260,589

3.62

コールローン

5

0.00

買入金銭債権

1,050,746

14.90

1,060,569

14.72

有価証券

3,561,422

50.51

3,537,694

49.11

貸付金

271,646

3.85

562,141

7.80

土地・建物

28,687

0.41

27,727

0.38

運用資産計

5,199,029

73.74

5,448,727

75.64

総資産

7,050,807

100.00

7,203,028

100.00

 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。

 

b)利回り

イ)運用資産利回り(インカム利回り)

区分

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

収入金額

(百万円)

平均運用額

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

3,818

232,246

1.64

4,217

275,896

1.53

コールローン

2

0.00

買入金銭債権

40,511

824,214

4.92

49,794

1,052,153

4.73

有価証券

111,285

2,825,827

3.94

120,311

3,481,345

3.46

貸付金

15,884

185,036

8.58

37,587

416,893

9.02

土地・建物

900

27,309

3.30

794

28,207

2.82

小計

172,401

4,094,634

4.21

212,706

5,254,499

4.05

その他

379

798

合計

172,780

213,504

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。なお、連結貸借対照表における有価証券には持分法適用会社に対する株式が含まれておりますが、平均運用額および年利回りの算定上は同株式を除外しております。

2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」であります。

3.平均運用額は、期首・期末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

ロ)資産運用利回り(実現利回り)

区分

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

 ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

資産運用損益

(実現ベース)

(百万円)

平均運用額

(取得原価

 ベース)

(百万円)

年利回り

(%)

預貯金

3,342

232,246

1.44

6,526

275,896

2.37

コールローン

2

0.00

買入金銭債権

42,380

824,214

5.14

51,033

1,052,153

4.85

有価証券

114,808

2,825,827

4.06

146,591

3,481,345

4.21

貸付金

15,794

185,036

8.54

34,716

416,893

8.33

土地・建物

900

27,309

3.30

794

28,207

2.82

金融派生商品

△3,938

△11,525

その他

△3,866

△7,993

合計

169,421

4,094,634

4.14

220,143

5,254,499

4.19

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺前の金額であります。なお、連結貸借対照表における有価証券には持分法適用会社に対する株式が含まれておりますが、平均運用額および年利回りの算定上は同株式を除外しております。

2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」から「資産運用費用」を控除した金額であります。

3.平均運用額(取得原価ベース)は、期首・期末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しております。

 

(参考)全事業の状況

① 元受正味保険料(含む収入積立保険料)

 区分

 前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

 火災保険

637,312

18.41

5.06

615,492

16.30

△3.42

 海上保険

117,379

3.39

△9.17

117,392

3.11

0.01

 傷害保険

327,351

9.46

3.25

331,854

8.79

1.38

 自動車保険

1,325,897

38.31

2.37

1,371,609

36.32

3.45

 自動車損害賠償責任保険

290,741

8.40

0.16

301,045

7.97

3.54

 その他

762,675

22.03

9.28

1,039,023

27.51

36.23

 合計

3,461,357

100.00

3.75

3,776,418

100.00

9.10

(うち収入積立保険料)

(125,092)

(3.61)

(9.76)

(114,477)

(3.03)

(△8.49)

 (注)1.諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。

2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金および元受その他返戻金を控除したものであります。(積立型保険の積立保険料を含みます。)

 

② 正味収入保険料

 区分

 前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

 火災保険

594,218

18.20

11.59

526,269

15.12

△11.43

 海上保険

107,502

3.29

△3.23

98,818

2.84

△8.08

 傷害保険

199,316

6.10

△2.18

218,133

6.27

9.44

 自動車保険

1,373,289

42.05

3.45

1,421,876

40.85

3.54

 自動車損害賠償責任保険

303,422

9.29

2.14

302,727

8.70

△0.23

 その他

687,829

21.06

4.89

912,652

26.22

32.69

 合計

3,265,578

100.00

4.41

3,480,478

100.00

6.58

 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。

 

③ 正味支払保険金

 区分

 前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

 当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

対前年増減(△)率(%)

 火災保険

269,605

16.22

△5.55

259,869

14.32

△3.61

 海上保険

59,511

3.58

2.64

58,091

3.20

△2.39

 傷害保険

97,242

5.85

1.16

99,629

5.49

2.46

 自動車保険

730,523

43.95

1.14

761,588

41.96

4.25

 自動車損害賠償責任保険

228,534

13.75

△0.64

225,645

12.43

△1.26

 その他

276,603

16.64

7.81

410,029

22.59

48.24

 合計

1,662,021

100.00

0.82

1,814,853

100.00

9.20

 (注)諸数値はセグメント間の内部取引相殺後の金額であります。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、保険料収入の増加などにより、前連結会計年度に比べて673億円増加し、9,416億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出や貸付けによる支出の増加などにより、前連結会計年度に比べて5,601億円支出が増加し、1兆4,556億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、資金調達目的の債券貸借取引受入担保金の増加などにより、前連結会計年度に比べて4,813億円増加し、3,653億円の収入となりました。

 これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より1,755億円減少し、1兆1,089億円となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 「生産、受注及び販売の状況」は、保険持株会社としての業務の特性から、該当する情報がないので記載しておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 ①経営理念

当社は、東京海上グループの全役職員が共有する経営理念を策定しており、その内容は次のとおりでありま

す。
<東京海上グループ経営理念>
 東京海上グループは、お客様の信頼をあらゆる活動の原点におき、企業価値を永続的に高めていきます。
 ○お客様に最高品質の商品・サービスを提供し、安心と安全をひろげます。
 ○株主の負託に応え、収益性・成長性・健全性を備えた事業をグローバルに展開します。
 ○社員一人ひとりが創造性を発揮できる自由闊達な企業風土を築きます。
 ○良き企業市民として公正な経営を貫き、広く社会の発展に貢献します。

 ②目標とする経営指標

東京海上グループは、グループ全体の業績を示す経営指標として、企業価値を的確に把握しその拡大に努める

観点から、修正純利益と修正ROEを掲げております。本有価証券報告書提出日現在において、2017年度の修正純利益は3,820億円、修正ROEは9.8%を見込んでおります。なお、修正純利益および修正ROEは次の方法で算出いたします。

・修正純利益(*1)

修正純利益=連結当期純利益(*2)+異常危険準備金繰入額(*3)+危険準備金繰入額(*3)+価格変動準備金繰入額(*3)-ALM(*4)債券・金利スワップ取引に関する売却・評価損益-事業投資に係る株式・固定資産に関する売却損益・評価損+のれん・その他無形固定資産償却額-その他特別損益・評価性引当等

・修正純資産(*1,5)

修正純資産=連結純資産+異常危険準備金+危険準備金+価格変動準備金-のれん・その他無形固定資産

・修正ROE

修正ROE=修正純利益÷修正純資産

(*1)各調整額は税引後であります。
(*2)連結財務諸表上の「親会社株主に帰属する当期純利益」であります。
(*3)戻入の場合はマイナスとなります。
(*4)ALM=資産・負債総合管理。ALMの負債時価変動見合いとして除外いたします。

(*5)平均残高ベースで算出しております。

(2)経営環境及び対処すべき課題

 2017年度、世界経済は、米国を中心とした緩やかな成長が続くと見込まれますが、米国新政府の政権運営や英国のEU離脱交渉に加え、地政学的なリスクも懸念されます。

 わが国経済は、個人消費の持ち直しや、公共投資による経済の押し上げ効果により、緩やかな景気回復が継続することが期待されます。

 こうした状況のなか、東京海上グループは、中期経営計画「To Be a Good Company 2017」の最終年度として、「リスクベース経営」を基軸に、資本効率の高い事業への投資やグローバルなリスク分散を進め、強みである財務の健全性を維持しつつ、持続的な利益成長と資本効率の向上をバランスよく達成することを目指します。また、すべての基盤となるグループ一体経営のさらなる強化に引き続き取り組んでまいります。

 国内損害保険事業では、生損一体のビジネスモデルをお客様の視点に立って一層深化させるとともに、地方創生や健康経営を積極的に支援してまいります。また、テクノロジーの進展等の環境変化を的確にとらえた商品・サービス戦略を展開しつつ、研究開発の強化により、サイバーセキュリティや農業、シェアリング・エコノミー等の新しい分野に関するリスクへの対応力を高めてまいります。

 国内生命保険事業では、低金利環境の長期化が見込まれるなか、引き続き資産と負債の総合管理(ALM)を基本とした資産運用を行うとともに、就業不能、医療、介護等の分野への保障を提供する「生存保障革命」を推進することで、保障性商品の販売を強化してまいります。また、当年8月には、新しいテクノロジーを活用して、お客様の健康増進活動をサポートする業界初の医療保険を発売しますが、引き続き、こうしたイノベーションに挑戦してまいります。

 海外保険事業では、内部成長の強化と規律ある戦略的なM&Aの推進により、資本効率の向上と収益の拡大を目指してまいります。内部成長の強化については、当社グループのグローバルネットワークを活用してHCC社の専門性の高い保険商品の販売を一層推進していくことや、高度なノウハウを持つDelphi社への委託によって資産運用収益を拡大していくこと等を通じて、引き続きグループ全体のシナジーを実現してまいります。また、戦略的なM&Aについては、グローバルな成長機会の追求とリスク分散のさらなる推進に向けて取り組んでまいります。

 これらの各事業を支えていくのは人であります。当社グループは社員誰もが健康で能力を最大限に発揮しグループの成長に貢献できるよう取り組んでおり、2年連続で「健康経営銘柄」に選定されました。2017年度も、女性の活躍推進、グローバル人材の育成、障がい者雇用等に積極的に取り組むとともに、社員のやりがい、働きがいにつながる真の働き方改革の実現を目指してまいります。

 株主還元につきましては、配当を基本とする方針としており、利益水準の向上を通じた配当の充実を図ってまいります。

 東京海上グループは、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におく」という経営理念に基づき、収益性、成長性および健全性を兼ね備えた企業グループとしてさらに発展していくために、グループを挙げて業務に邁進してまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社および当社グル-プ(以下、東京海上グループと称します。)の事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を与える可能性があると考えられる主な事項および東京海上グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項を以下に記載しております。東京海上グループは、こうしたリスクを認識した上で、事態の発生の回避および発生した場合の対応に努める所存です。なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)保険引受リスク

①保険商品に関するリスク

 保険会社は、巨大なリスクや長期のリスク等さまざまなリスクを引き受けております。東京海上グループは、適正な補償内容および保険料水準を設定し、さらに再保険によりリスクの一部を他の保険会社に移転しておりますが、経済情勢や保険事故の発生率等が保険料設定時の予測に反して変動した場合、東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 また、わが国は、地震、台風、洪水といった自然災害の影響を受けやすい環境にあり、近年、世界各国でもこれらの災害が頻発しています。特に、日本国内または海外で大規模な自然災害が発生した場合は、東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②再保険に関するリスク

 保険会社は、保険金支払負担の一部を国内外の保険会社に移転する再保険によって危険の分散を図っていますが、東京海上グループも他の損害保険会社・生命保険会社と同様に、引受キャパシティーを確保するため、また巨大事故や大規模な自然災害に備えるために再保険を利用しております。再保険は、再保険市場環境の変化により再保険料水準が大きく変動することから再保険料が高騰する可能性があります。また、十分な再保険手当てができないことにより危険の分散を十分に図ることができない可能性があります。再保険を引き受けた保険会社からの再保険金回収には信用リスクが伴います。

 

③生命保険に関するリスク

 生命保険において、保険期間が長期に亘ることによる保険事故発生率・解約の動向、金利や株価水準等の前提条件の不確実性により、事前の想定と大きく異なる保険金や事業費が発生した場合には、東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(2)資産運用に関するリスク

①株価下落のリスク

 東京海上グループは、お客様との中長期的な関係維持の観点等から市場性のある株式を大量に保有しておりますが、今後大幅に株式相場が下落した場合には、評価損の発生等により東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②金利変動リスク

 東京海上グループは、資産運用の一環として債券をはじめ貸付金、金利スワップ等による運用を行っておりますが、金利が上昇した場合、投資した債券等の時価額が減少し、評価損の発生等により東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。なお、金利の変動は、債券等の時価額に限らず、積立保険や長期の生損保契約等の有利子負債の時価額にも影響を及ぼすため、金利変動リスクの評価に際しては、資産・負債両方の時価額の変動を考慮する必要があります。

 

③信用リスク

 東京海上グループは、資産運用の一環として社債や貸付金等による運用を行っておりますが、社債発行者や貸付先等が債務を履行できなくなり社債や貸付金等に関わる元本およびその利息等の支払が滞った場合には、貸倒損失の発生等により東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④為替変動リスク

 東京海上グループは、米ドル、ユーロ、英ポンド等の外貨建て資産・負債を保有しておりますが、これらが為替変動の影響を受け、資産価値が下落、または負債価値が増加した場合には、東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)流動性リスク

 東京海上グループは、台風・地震等の広域巨大災害の発生に伴う支払保険金の増加等により資金ポジションが悪化し、通常よりも著しく高いコストでの資金調達または著しく低い価格での資産売却を余儀なくされることにより損失を被る可能性があります。

 

(4)事業運営リスク

 事業運営リスクは東京海上グループの事業に内在しているものであり、例えば、法令違反、ヒューマンエラー、役職員による不正、外部の者による犯罪行為、法令違反等を原因とする監督官庁の行政処分等が考えられます。事業運営リスクが顕在化した場合、東京海上グループの社会的信用の低下または事業運営の効率の低下等により損失が発生する可能性があります。

 

(5)システムリスク

 システムリスクは東京海上グループにおける様々な事業運営に深く内在しているものです。自然災害、事故、サイバー攻撃による不正アクセス、情報システムの企画・開発・運用に関わる不備等により、情報システムの停止・誤作動・不正使用が発生するシステムリスクが存在します。東京海上グループはこれらのシステムリスクを管理し、一定程度に抑え、業務を継続的に運営できる態勢を整備しておりますが、これらのシステムリスクが発生した場合には、東京海上グループが損失を被る可能性があります。

 

(6)情報漏えいに関するリスク

 東京海上グループは、保険事業における契約者情報をはじめとする多数のお客様情報および東京海上グループ各社の機密に関する情報を取り扱っております。こうした情報に関しては、東京海上グループ各社において情報管理態勢を整備し厳重に管理しておりますが、グループ各社または外部の業務委託先のシステムへの不正アクセス、コンピュータウィルスの感染、SNSを経由した情報拡散等により重大な情報漏えいが発生した場合、社会的信用やブランドイメージの低下、発生した損害に対する賠償金の支払等により、東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(7)規制新設および変更のリスク

 東京海上グループが行う事業は、保険業法をはじめとする様々な規制の下にあります。こうした規制の新設または変更があった場合、その内容によっては、収益の減少または準備金の積み増し等による費用の増加をもたらし、東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(8)保険業界および東京海上グループに対する風評リスク

 保険業界および東京海上グループに対する否定的な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、東京海上グループの社会的信用に影響を与える可能性があります。東京海上グループは、こうした風評の早期発見および影響の極小化に努めておりますが、悪質な風評が流布した場合には、東京海上グループの社会的信用が毀損し、東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(9)事業中断に関するリスク

 東京海上グループは、地震、台風等の自然災害や新型インフルエンザ等のパンデミック(世界的な大流行)が発生した場合の事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)等を事前に作成し、業務を継続的に運営できる態勢を整備しておりますが、事業継続計画の遂行に支障が生じて事業が中断すること等により、東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(10)人事労務に関するリスク

 東京海上グループは、有能な人材の確保・育成に努めておりますが、人材獲得の競争激化に加え、東京海上グループの信頼が著しく低下することで、必要な人材の確保または育成が十分できない場合には、当社の円滑な業務運営に問題が生じる可能性があります。

 

(11)海外事業に伴うリスク

 東京海上グループは、海外のマ-ケットにおいて内部成長とM&A戦略の両面を通じた事業伸展を図ることとしております。海外において保険事業を営むことに伴い、東京海上グループは、次に掲げるようなリスクにより損失を被る可能性があります。また、こうしたリスクが東京海上グループの海外事業に影響を与える可能性があります。

a.通貨危機

b.法的規制等の予期しないまたは不利な変更や適用

c.為替の大幅な変動

d.現地で生じた利益や投下資本を日本に送金する際の規制

e.税制または税率の変更

f.自然災害等

g.上記以外の社会的、政治的、経済的なリスク

 

(12)関連事業に伴うリスク

 東京海上グループは、アセットマネジメント、ヘルスケア、シルバー関連事業等、保険事業以外の事業伸展も図っております。こうした事業を拡大または支援するために、東京海上グループには多額の投資、その他の経営資源の投入が必要となる可能性があります。事業を展開するそれぞれの競争の厳しいマ-ケットにおいて、安定した営業基盤を持つ会社に劣後するなど、成功を収めることができない場合は、東京海上グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(13)その他

①保険事業において競争環境が変化することによるリスク

 東京海上グループは、保険商品の販売における価格やサービスにおいて、他社との厳しい競争に直面しています。新規参入企業の増加や保険業界の再編、デジタル化の進展等により価格・サービスの競争がさらに激化した場合や、将来の保険市場や販売チャネル変化への対応が遅れた場合には、東京海上グループの収益力が低下する可能性があります。

 

②予想が困難な外的要因によるリスク

 上記に掲げるリスク以外にも、紛争、テロ、暴動、大規模な事故や災害等予想の困難な外的要因により、東京海上グループの業績、財政状態または事業活動の継続等に影響を受ける可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

 なお、本項に含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。

 当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 金融商品の時価の算定方法

 有価証券、デリバティブ取引等について、時価の算定は原則として市場価格に基づいておりますが、一部の市場価格のない有価証券、デリバティブ取引等については、将来キャッシュ・フローの現在価値や契約期間等の構成要素に基づく合理的な見積りによって算出された価格等を時価としております。

② 有価証券の減損処理

 売買目的有価証券以外の有価証券について、時価もしくは実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、減損処理を行っております。なお、その他有価証券で時価のある有価証券については、連結会計年度末の時価が取得原価に比べて30%以上下落した場合に減損処理を行っております。

③ 固定資産の減損処理

 収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、帳簿価額を減額する会計処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、正味売却価額(資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される価額)と使用価値(資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方の金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合およびのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。

④ 繰延税金資産

 繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積っているため、将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化があった場合、税制改正によって法定実効税率が変更された場合等においては、繰延税金資産の回収可能額が変動する可能性があります。

⑤ 貸倒引当金

 債権の貸倒れによる損失に備えて、回収不能見積額を貸倒引当金として計上しておりますが、貸付先の財務状況が変化した場合には、貸倒損失や貸倒引当金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。

⑥ 支払備金

 保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てております。このうち既発生未報告の支払備金については、主に統計的見積法により算出しております。各事象の将来における状況変化、為替変動の影響などにより、支払備金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。

⑦ 責任準備金等

 保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てております。当初想定した環境や条件等が大きく変化し、責任準備金等を上回る支払が発生する可能性があります。

⑧ 退職給付債務等

 退職給付費用および退職給付債務は、連結会計年度末時点の制度を前提とし、割引率や長期期待運用収益率、将来の退職率および死亡率など、一定の前提条件に基づいて計算しております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、また前提条件を変更する必要が生じた場合には、将来の退職給付費用および退職給付債務は変動する可能性があります。

⑨ 資産除去債務

 法令や契約に基づく有害物質の除去義務および賃借物件の原状回復義務について、除去費用等の将来キャッシュ・フローを合理的に見積り、資産除去債務として計上しております。法令の改正により新たな資産除去債務が発生した場合や当初想定した条件等が大きく変化した場合については、資産除去債務の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。

 

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の状況については、以下のとおりであります。

連結主要指標

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

増減

増減率

経常収益(百万円)

4,579,076

5,232,602

653,526

14.3%

正味収入保険料(百万円)

3,265,578

3,480,478

214,899

6.6%

生命保険料(百万円)

471,666

904,418

432,751

91.7%

経常利益(百万円)

385,825

387,659

1,833

0.5%

親会社株主に帰属する

当期純利益(百万円)

254,540

273,856

19,315

7.6%

 

 経常収益は、保険料収入が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べて6,535億円増加し、5兆2,326億円となりました。

 経常利益は、国内損害保険事業における保険引受利益の増加などにより、前連結会計年度に比べて18億円増加し、3,876億円となりました。

 経常利益に特別利益、特別損失、法人税等合計などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて193億円増加し、2,738億円となりました。

 

 報告セグメント別の状況は以下のとおりであります。

[国内損害保険事業]

 国内損害保険事業におきましては、経常収益は前連結会計年度に比べて1,029億円減少し、2兆6,361億円となりました。正味収入保険料は、火災保険の減収などにより、前連結会計年度に比べて60億円減少し、2兆2,817億円となりました。経常収益から正味支払保険金などの経常費用を差し引いた経常利益は、自然災害の減少や異常危険準備金繰入額の減少などにより、前連結会計年度に比べて151億円増加し、2,544億円となりました。

 

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

増減

増減率

経常収益(百万円)

2,739,107

2,636,110

△102,996

△3.8%

正味収入保険料(百万円)

2,287,857

2,281,778

6,079

△0.3%

経常利益(百万円)

239,390

254,499

15,108

6.3%

 

[国内生命保険事業]

 国内生命保険事業におきましては、経常収益は前連結会計年度に比べて2,378億円増加し、7,220億円となりました。生命保険料は、変額年金保険の解約などによる返戻金が減少したことを主因として、前連結会計年度に比べて3,271億円増加し、5,851億円となりました。経常収益から生命保険金等などの経常費用を差し引いた経常利益は、事業費の増加や有価証券売却益の減少などにより、前連結会計年度に比べて151億円減少し、132億円となりました。

 

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

増減

増減率

経常収益(百万円)

484,205

722,018

237,813

49.1%

生命保険料(百万円)

257,974

585,108

327,134

126.8%

経常利益(百万円)

28,375

13,255

△15,120

△53.3%

 

[海外保険事業]

 海外保険事業におきましては、経常収益は前連結会計年度に比べて4,073億円増加し、1兆8,357億円となりました。正味収入保険料は、前連結会計年度に比べて2,209億円増加し、1兆1,987億円となりました。生命保険料は、前連結会計年度に比べて1,056億円増加し3,193億円となりました。経常収益から正味支払保険金などの経常費用を差し引いた経常利益は、自然災害の増加や円高の影響などがあったものの、資産運用収益の増加などにより、前連結会計年度に比べて18億円増加し、1,140億円となりました。

 

 

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

増減

増減率

経常収益(百万円)

1,428,470

1,835,773

407,303

28.5%

正味収入保険料(百万円)

977,829

1,198,790

220,961

22.6%

生命保険料(百万円)

213,699

319,316

105,617

49.4%

経常利益(百万円)

112,212

114,022

1,809

1.6%

 

(3)財政状態の分析

① 連結ソルベンシー・マージン比率

  当社は、保険業法施行規則第210条の11の3および第210条の11の4ならびに平成23年金融庁告示第23号の規定に基づき、連結ソルベンシー・マージン比率を算出しております。

  当社グループの子会社では、損害保険事業、生命保険事業や少額短期保険業を営んでおります。保険会社グループは、保険金の支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」を示す「連結リスクの合計額」(下表の(B))に対する「保険会社グループが保有している資本金・準備金等の支払余力」(すなわち連結ソルベンシー・マージン総額:下表の(A))の割合を示すために計算された指標が、「連結ソルベンシー・マージン比率」(下表の(C))であります。

  連結ソルベンシー・マージン比率の計算対象となる範囲は、連結財務諸表の取扱いと同一ですが、保険業法上の子会社(議決権が50%超の子会社)については計算対象に含めております。

  連結ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社グループを監督する際に活用する客観的な判断指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。

  当連結会計年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末と比べて105.9ポイント上昇して897.3%となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益等による連結ソルベンシー・マージン総額の増加が主因であります。

                                  (単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2016年3月31日)

当連結会計年度

(2017年3月31日)

(A)連結ソルベンシー・マージン総額

4,793,890

5,304,574

(B)連結リスクの合計額

1,211,446

1,182,223

(C)連結ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

791.4%

897.3%

 

② 国内保険会社の単体ソルベンシー・マージン比率

  国内保険会社は、保険業法施行規則第86条および第87条ならびに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づき、単体ソルベンシー・マージン比率を算出しております。

  保険会社は、保険金の支払等に備えて準備金を積み立てておりますが、巨大災害の発生や資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」を示す「単体リスクの合計額」(下表の(B))に対する「保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(すなわち単体ソルベンシー・マージン総額:下表の(A))の割合を示すために計算された指標が、「単体ソルベンシー・マージン比率」(下表の(C))であります。

  単体ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に活用する客観的な判断指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされております。

  当事業年度末の国内保険会社の単体ソルベンシー・マージン比率は以下のとおりとなっております。東京海上日動火災保険株式会社については、前事業年度末と比べて114.6ポイント上昇して860.9%となりました。これは、巨大災害リスク相当額の減少が主因であります。

 

a)東京海上日動火災保険株式会社

                               (単位:百万円)

 

前事業年度

(2016年3月31日)

当事業年度

(2017年3月31日)

(A)単体ソルベンシー・マージン総額

4,493,086

4,898,941

(B)単体リスクの合計額

1,204,068

1,138,044

(C)単体ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

746.3%

860.9%

 

b)日新火災海上保険株式会社

                               (単位:百万円)

 

前事業年度

(2016年3月31日)

当事業年度

(2017年3月31日)

(A)単体ソルベンシー・マージン総額

168,628

168,146

(B)単体リスクの合計額

29,904

25,370

(C)単体ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

1,127.7%

1,325.5%

 

c)イーデザイン損害保険株式会社

                               (単位:百万円)

 

前事業年度

(2016年3月31日)

当事業年度

(2017年3月31日)

(A)単体ソルベンシー・マージン総額

7,564

6,070

(B)単体リスクの合計額

2,793

3,512

(C)単体ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

541.5%

345.6%

 

d)東京海上日動あんしん生命保険株式会社

                               (単位:百万円)

 

前事業年度

(2016年3月31日)

当事業年度

(2017年3月31日)

(A)単体ソルベンシー・マージン総額

858,471

747,165

(B)単体リスクの合計額

50,825

52,072

(C)単体ソルベンシー・マージン比率

[(A)/{(B)×1/2}]×100

3,378.1%

2,869.7%

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況の分析は、1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローに記載しているとおりであります。

 

(5)中長期的な経営戦略

 東京海上グループは、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におく」という経営理念に基づき、収益性、成長性および健全性を兼ね備えた企業グループとしてさらに発展していくために、グループを挙げて業務に邁進しております。

 2015年度からスタートしている3か年の中期経営計画「To Be a Good Company 2017」では、持続的な利益成長を進め、より一層バランスのとれた事業ポートフォリオの構築を目指します。そのために、ビジネスモデルの深化、事業環境への変化対応力の強化、規律ある事業投資の推進による成長機会の追求、人材育成やダイバーシティの推進および経営基盤の高度化に取り組みます。

 また、「リスクベース経営(ERM)」を基軸に、資本効率の高い事業への投資やグローバルなリスク分散を進め、東京海上グループの強みである財務の健全性を確保するとともに、利益成長と資本効率を持続的に高めていきます。

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   (主要事業における取り組みの方向性)

 ①国内損害保険事業

リスクコンサルティングの高度化および損害サービスにおける対応力の向上等により、お客様に一層の安心をお届けするよう努めます。また、事業環境の変化を的確にとらえ、新たなリスクへの対応を推進します。加えて、規律ある引受の強化や事業費の効率的な活用により、コンバインド・レシオ(注)について、95%を安定的に下回る水準を確保することで、持続的な利益成長を目指します。

 ②国内生命保険事業

損害保険代理店を中心とした多様な販売チャネルの活用による成長力の強化や、独自性のある生存保障分野の商品の拡充により、健全性を維持しながら利益成長を目指します。また、お客様の視点に立って生損一体の取り組みを推進し、広くお客様に安心を提供します。

 ③海外保険事業

海外保険事業では、内部成長の強化と規律ある戦略的なM&Aの実施により、引き続き、先進国と新興
国、元受保険と再保険、損害保険と生命保険など、バランスのとれた成長戦略を推進し、グループ全体の
利益拡大の牽引を目指します。

 ④金融・一般事業

金融事業につきましては、フィービジネスを通じた安定的な収益貢献と高い資本効率の実現を目指します。一般事業につきましては、グループ総合力の発揮に貢献します。

 

(注)コンバインド・レシオは、保険料を分母、保険金+経費を分子としてパーセンテージで表示する損害保険会社の収益指標です。100%は収支均衡を示し、100%を下回るほど保険引受面での収益性が高いことを示します。

 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社の対処すべき課題および今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境及び対処すべき課題」に記載のとおりであります。