(1)経営方針
① 経営理念
当社は、東京海上グループの全役職員が共有する経営理念を策定しており、その内容は次のとおりです。
<東京海上グループ経営理念>
東京海上グループは、お客様の信頼をあらゆる活動の原点におき、企業価値を永続的に高めていきます。
○お客様に最高品質の商品・サービスを提供し、安心と安全をひろげます。
○株主の負託に応え、収益性・成長性・健全性を備えた事業をグローバルに展開します。
○社員一人ひとりが創造性を発揮できる自由闊達な企業風土を築きます。
○良き企業市民として公正な経営を貫き、広く社会の発展に貢献します。
② 東京海上グループ中期経営計画2023~成長への変革と挑戦~
2021年度からスタートした3か年計画「東京海上グループ中期経営計画2023~成長への変革と挑戦~」では、「世界のお客様に“あんしん”をお届けし、成長し続けるグローバル保険グループ~100年後もGood Companyをめざして~」という長期ビジョンに向けて実現する姿として「ステークホルダーとのWin-Win」、「グローカル×シナジー」、「成長と安定的な高収益の実現」を定め、「経営を支える基盤」をベースに「2+1の成長戦略」に取り組んでいます。
③ 目標とする経営指標等
東京海上グループは、グループ全体の業績を示す経営指標として、企業価値を的確に把握しその拡大に努める観点から、修正純利益と修正ROEを掲げており、2021年度からスタートした「東京海上グループ中期経営計画2023~成長への変革と挑戦~」では、「修正純利益の年平均成長率3~7%」(2020年度補正ベース(自然災害の影響を平年並みとし、新型コロナウイルスおよび為替変動の影響を控除したもの)の実績を基準とした数値)、「修正ROE12%程度」を達成することをめざしています。
2022年度の修正純利益および修正ROEは、当事業年度の第3四半期報告書提出日時点においては、それぞれ4,000億円、9.7%を見込んでいましたが、その実績はそれぞれ4,440億円、11.1%となりました。
2023年度の修正純利益および修正ROEは、国内での自然災害および国内外の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う発生保険金等の2022年度の一過性の減益要素の反動に加え、政策株式の売却益の増加および海外保険事業での増益を主因とし、本有価証券報告書提出日現在においては、それぞれ6,700億円、17.1%を見込んでいます。
なお、修正純利益および修正ROEは、次の方法で算出します。
・修正純利益*1
修正純利益=連結当期純利益*2+異常危険準備金繰入額*3+危険準備金繰入額*3+価格変動準備金繰入額*3+自然災害責任準備金*4繰入額*3+初年度収支残*5の影響額*6-ALM*7債券・金利スワップ取引に関する売却・評価損益-事業投資に係る株式・固定資産に関する売却損益・評価損+のれん・その他無形固定資産償却額-その他特別損益・評価性引当等
・修正純資産*1,8
修正純資産=連結純資産+異常危険準備金+危険準備金+価格変動準備金+自然災害責任準備金*4+初年度収支残-のれん・その他無形固定資産
・修正ROE
修正ROE=修正純利益÷修正純資産
*1 各調整額は税引後です。
*2 連結財務諸表上の「親会社株主に帰属する当期純利益」です。
*3 戻入の場合はマイナスとなります。
*4 大規模自然災害リスクに対応した火災保険の未経過保険料です。
*5 保険料から発生保険金の一部と事業費を控除した残高を、翌期以降の保険事故に備えて繰り越すものです。
*6 普通責任準備金積増額のうち、未経過保険料の積増額を控除したものです。
*7 ALMとは、資産・負債の総合管理をいいます。
*8 平均残高ベースで算出しています。
(2)経営環境及び対処すべき課題
2023年度の世界経済は、物価の高止まりに加え、米国金融機関の経営破綻にみられるようなこれまでの金融引締めの影響の顕在化等により、米国や欧州が景気後退に陥る懸念が高まっています。わが国経済は、経済活動の正常化や政府による総合経済対策によって下支えされるものの、世界経済鈍化の影響を受けて緩やかな回復に留まる見込みです。
東京海上グループは、長期ビジョン「世界のお客様にあんしんをお届けし、成長し続けるグローバル保険グループ」の実現に向け、積極果敢に挑戦してまいります。2023年度は、現中期経営計画の最終年度として、この達成に向け、急激に変化するお客様のニーズに的確に対応する「新しいマーケット×新しいアプローチ」と、商品内容および保険料率の見直しやデジタル活用を通じた業務効率化等による「保険本業の収益力強化」を取組みの両輪としつつ、「次の成長ステージに向けた事業投資」を加えた「2+1の成長戦略」に引き続き取り組んでまいります。また、サステナブルな社会の実現に向け、各事業セグメントにおける取組みを通じ、社会課題の解決に向けたサステナビリティ戦略を強力に推進してまいります。
国内損害保険事業では、東京海上日動は、保険の提供に留まらず、事故の未然防止といった「事前」の領域、あるいは早期復旧・再発防止といった「事後」の領域を含め、トータルにサポートするソリューション・プロバイダーとしての機能を充実させてまいります。こうした取組みのひとつとして、防災・減災が大きな社会課題となるなか、様々な業界から集結した企業等とともに「防災コンソーシアムCORE」を本格稼働させ、防災・減災に関する4要素(現状把握・対策実行・避難・生活再建)の高度化に挑戦しています。国・自治体等との連携を通じて防災・減災に寄与するソリューションを創出・社会実装し、災害に負けない強靭な社会の実現をめざします。
国内生命保険事業では、あんしん生命は、シニア、ヘルスケア、資産形成等の領域にフォーカスし、各領域において独自性のある商品を最適な販売チャネルを通じてお客様にお届けすることで、人生100年時代の社会課題の解決に貢献してまいります。
海外保険事業では、高度な保険引受能力や専門性を活かした保険料収入の拡大、保険料率の見直し等を通じて、保険引受利益を持続的かつ安定的に拡大してまいります。加えて、競争力ある商品のグローバル展開や資産運用の高度化等、海外保険事業全体におけるシナジーの拡大にも取り組んでまいります。また、戦略的なM&Aの実行に向けた市場動向調査にも継続的に取り組み、優良な投資機会を着実に捉えてまいります。
資産運用では、国内外のグループ会社と連携しながら、資産と負債の総合管理(ALM)を軸としたグローバルな運用態勢の強化に引き続き努めてまいります。今後の世界経済や金融市場の変化を注視しつつ、資産ポートフォリオの多様化とリスク分散を進めることによって、長期安定的な運用収益の確保と健全な財務基盤の維持に取り組んでまいります。
これらの各事業を支えるのは人です。人材を資本と捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値向上につなげる「人的資本経営」の考え方が注目されています。「Peoples’s Business」(人とその信用・信頼からなる事業)である保険事業を営む東京海上グループの競争力の源泉は、昔も今もこれからも人です。社員一人ひとりが適材適所で情熱と意欲をもって活躍できるよう支援するとともに、将来に向けた人材投資も行い、100年後もお客様と地域社会のいざをお守りする存在であり続けるための人的資本および人材基盤の強化にグループを挙げて取り組んでまいります。
株主還元については、配当を基本とする方針としています。事業を通じた利益成長と配当の拡大は整合的であるべきとの考えに基づき、現中期経営計画期間においては、力強い利益成長と配当性向の引上げを通じ、継続的な増配を実現できるよう努めてまいります。
東京海上グループは、「お客様の信頼をあらゆる活動の原点におく」という経営理念を掲げ、健全性と透明性の高いガバナンス体制を基盤に、収益性と成長性を兼ね備えた企業グループとしてさらに発展していくため、グループを挙げて業務に邁進してまいります。
(1)サステナビリティ共通
東京海上グループは、「お客様や地域社会の“いざ”をお守りする」というパーパスを起点に、時代ごとの社会課題を自ら探し出し、保険本業を通じてその課題解決に貢献することで成長してきました。当社の事業活動が社会課題解決そのものであるため、使命感を持って事業活動に取り組むことは、安心・安全に生活し、かつ果敢に挑戦できるサステナブルな社会の実現に貢献することに繋がると考えています。
① ガバナンス
グループ全体でサステナビリティ戦略を推進するため、グループCEOおよびサステナビリティの取組みを総括するチーフオフィサー(以下「CSUO」といいます)を含むチーフオフィサー、海外の経営陣等で構成されるサステナビリティ委員会を設置し、取組内容や方針等をグローバルベースで審議しています。サステナビリティ委員会は原則として四半期に一回開催し、サステナビリティ課題への対応方針等に関する審議および各施策の進捗状況のモニタリングを行っています。CSUOは、サステナビリティ戦略の推進および浸透を統括し、取締役会に方針を諮るとともに進捗状況を報告する役割を担っています。
また、取締役会は定期的にその報告を受けサステナビリティに関する取組みについて論議し、執行を適切に監督しています。
上記の体制により、グループ社員にサステナビリティ戦略を浸透させ、事業活動を通じた社会課題の解決に取り組んでいます。
また、2022年度から、取締役の業績連動報酬にサステナビリティ戦略に係る非財務指標を取り入れています。
○サステナビリティ推進体制図
② 戦略
東京海上グループは、「次の世代に明るい未来を引き継ぐことは私たちの責務である」との強い想いから、「お客様」、「社会」、「社員」および「株主・投資家」に加え、「未来世代」をステークホルダーに位置付けています。
東京海上グループは、パーパスを起点に取り組むべき8つの領域を設定していますが、「気候変動対策の推進」、「災害レジリエンスの向上」、「健やかで心豊かな生活の支援」および「ダイバーシティ&インクルージョン(以下「D&I」といいます)の推進・浸透」の4つを、特に各ステークホルダーにとって重要と考えられる主要課題として特定し、様々な取組みを行っています。事業活動と社会課題解決を循環させながらサステナブルな社会づくりに貢献し、その結果として社会的価値と経済的価値を同時に高めていきます。
③ リスク管理
東京海上グループを取り巻くリスクは、グローバルな事業進展や経営環境の変化等を受けて一層多様化・複雑化してきています。また、不透明感が強く、変化の激しい昨今の政治・経済・社会情勢においては、新たなリスクの発現を常に注視し適切に対応していかなければなりません。そのため、東京海上グループは、リスクの軽減、回避等を目的とした従来型のリスク管理に留まらず、定性・定量の両面での網羅的なリスク把握に取り組んでいます。環境・社会に関しては、環境基本方針、人権基本方針および人事に関する基本方針に基づいて、当該リスクが発生する可能性の高いセクターを特定し、負の影響を与えるリスクを適切に把握、管理できるよう努めています。
④ 指標と目標
東京海上グループは、サステナビリティに関する中長期目標(非財務指標)を課題ごとに掲げ、実効性のあるPDCAサイクルを回し続けることで各種取組みを着実に進めています(詳細は以下のとおりです)。
(2)気候変動対策
気候変動は、グローバルな課題であるとともに、保険業界に直接的な影響を及ぼします。そのため、東京海上グループは、気候変動対策を、本業である保険事業はもとより、機関投資家、そしてグローバルカンパニーとして真正面から取り組むべき最重要課題に位置付けています。
東京海上グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下「TCFD」といいます)の提言を支持しており、そこで推奨されている「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」および「指標と目標」の4つの柱に沿った情報開示を行っています。なお、TCFD提言に沿った気候関連情報開示の詳細については、東京海上グループのサステナビリティレポート等に記載のとおりです。
① ガバナンス
「
② 戦略
戦略にはその前提となるリスク認識が重要です。東京海上グループは、気候変動リスクが高まることを想定し、事業への影響を特定・評価しています。気候変動リスクには、気候変動に伴う自然災害の頻度の高まりや規模の拡大等によって生じる物理的リスクに加え、脱炭素社会への移行が投資先の企業価値や東京海上グループの保有資産価値に影響を及ぼすこと等によって生じる移行リスクがあります。
また、気候変動の緩和および適応に向けた対応から生まれるビジネス機会を認識し、保険商品・サービスの開発・提供、お客様企業および投資先とのエンゲージメント(対話)、事業活動に伴う温室効果ガス排出量削減等を通じて、脱炭素社会への移行に取り組んでいきます。
物理的リスク、移行リスクおよび機会について、TCFD提言の分類ごとの事象例および東京海上グループの事業活動における具体例は以下のとおりです。
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事象例 |
東京海上グループの事業活動における リスク・機会の例 |
時間軸 |
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物理的リスク |
急性 |
・台風や洪水等の頻度の高まりや規模の拡大の可能性 |
・保険金支払への影響 ・拠点ビル等が被災することによる事業継続への影響 |
短期~ |
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慢性 |
・気温の上昇 ・干ばつや熱波等、その他気象の変化 ・海面の上昇 ・節足動物媒介感染症への影響 |
中期・長期 |
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移行リスク |
政策および法規制 |
・炭素価格の上昇 ・環境関連の規制・基準の強化 ・気候関連の訴訟の増加 |
・炭素価格上昇による投資先企業の企業価値や東京海上グループの保有資産価値の下落 ・賠償責任保険に係る支払保険金の増加 |
中期・長期 |
|
技術 |
・脱炭素社会への移行に向けた技術革新 |
・脱炭素社会への移行に乗り遅れた投資先企業の企業価値や東京海上グループの保有資産価値の下落 ・技術革新やお客様ニーズの変化を捕捉できないことによる収益の低下 |
中期・長期 |
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市場 |
・商品・サービスの需要と供給の変化 |
短期~ |
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|
評判 |
・脱炭素社会への移行の取組みに対するお客様や社会の認識の変化 |
・東京海上グループの取組みが不適切とみなされることに伴うレピュテーションの毀損 |
短期~ |
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機会 |
資源の効率性、エ ネルギー源、製品・サービス、市場、レジリエンス |
・エネルギー源の変化やレジリエンス向上に向けた製品・サービス需要や社会の認識の変化 |
・再生可能エネルギー事業に関する保険ニーズの飛躍的増大 ・脱炭素化対応に伴う企業の資金需要の増加による投融資機会の増大 ・災害レジリエンス向上に向けた防災・減災ニーズの増加 |
短期~ |
(注)表中の時間軸における「短期」は3年未満、「中期」は3年超~10年未満、「長期」は10年超の期間を指します。
東京海上グループは、物理的リスクおよび移行リスクに関するシナリオ分析を行い、気候変動が及ぼす保険金支払、投資先の企業価値および東京海上グループの保有資産価値への影響を評価しています。そして、サステナビリティ戦略を、シナリオ分析の結果も踏まえ、充実させながら実践しています。損害保険事業は比較的短期の保険契約が多いことや東京海上グループの運用資産は流動性の高い金融資産が中心であることから、これらの影響に柔軟に対応し、レジリエンスを確保することが可能であると考えています。
③ リスク管理
東京海上グループは、リスクベース経営(以下「ERM」といいます)に基づいてグループ全体のリスク管理を行うとともに、その高度化に取り組んでいます。気候変動リスクについてもERMの枠組みのなかで適切に管理しています(
④ 指標と目標
東京海上グループは、パリ協定を踏まえ、以下の指標と目標を設定しています。
・2050年度までに、東京海上グループが排出する温室効果ガスの実質ゼロをめざす(含む保険引受先・投融資先)。
・2030年度までに、東京海上グループが排出する温室効果ガスを2015年度対比60%削減するとともに、東京海上グループの主要拠点において使用する電力を100%再生可能エネルギーとする。
(3)災害レジリエンス
① ガバナンス
「
② 戦略
東京海上グループにとって、災害課題を解決することによる「災害レジリエンスの向上」は、対処すべき重要課題です。災害リスクをカバーする保険商品を提供し、人工衛星やAI等を活用した迅速な保険金支払体制を整備するなど、お客様の“いざ”をお守りするサービスの開発・提供の取組みを強化しています。
また、有事における保険金の支払いに留まらず、事故を未然に防ぎ、仮に発生してもその負担を軽減し早期復旧等に繋げるための「事前・事後」のサービスを継続的に提供することを通じて、災害に負けない社会づくりに貢献していきます。そのために、業界の垣根を超えた防災コンソーシアムをリードし、各社が持つ技術やインフラを活用した防災・減災ソリューションを開発しています。
さらに、産学連携に基づく科学的知見を踏まえた気候変動および災害リスク研究を行うとともに、セミナーの開催、子どもへの「ぼうさい授業」の継続的な実施等の防災教育・啓発活動を推進しています。
③ リスク管理
東京海上グループは、ERMに基づいてグループ全体のリスク管理を行うとともに、その高度化に取り組んでいます。災害に関するリスクについても、ERMの枠組みのなかで自然災害が保険引受に及ぼす影響等を考慮しながら適切に取り組んでいます(「
④ 指標と目標
東京海上グループの指標と目標は以下のとおりです。
・社会の災害レジリエンス向上に不可欠な火災保険制度を持続的に運営する。
・防災・減災につながる保険商品を開発し、提供するソリューションを増加させる。
・BCP(事業継続計画)策定支援の内容を充実させるとともに、支援の提供先を増加させる。
(4)人的資本
① ガバナンス
「内部統制基本方針」に基づき「人事に関する基本方針」を定め、人事に関しての基本的な考え方、統括部署の設置、各種基準の策定等の態勢整備等を示すとともに、グループ会社における重要な人事制度改定等の事前承認事項および報告事項を定め、人事に関するガバナンス体制を構築しています。
② 戦略
a)人事戦略
人事戦略は、パーパスを起点として経営戦略と連動しグループの成長を後押しするものと考えています。東京海上グループの人事戦略は、ステークホルダーに向けた価値創出の源泉となる「グループ一体経営を支える“人材”」と、パーパスを起点にグループが一つになる「グループ一体経営を支える“企業文化”」の2つを構成要素としています。これら2つの要素の相乗効果が、グループ経営戦略においてめざす姿の実現確度を高めていきます。そのために、めざす姿の実現に必要なケイパビリティを特定のうえ、現状とのギャップを把握し、そのギャップを埋めるために必要な人事施策を策定しています。
b)人材育成方針
東京海上グループの人材に対する考え方、人材育成に関する方針を“Tokio Marine Group - Our People”として整理し、社内外に開示しています。
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“Tokio Marine Group - Our People”
・Human resources are Tokio Marine Group’s most valuable asset and serve as the driving force for realizing the Group’s “Good Company” vision. 東京海上グループにとって最も大切な資産は人材であり、‘Good Company’ビジョンを実現するための原動力です。 ・Tokio Marine Group will secure essential human resources in all business areas to provide safety and security to customers and society. 東京海上グループは、お客様や社会に安心と安全を提供するためにあらゆる事業領域において不可欠な人材を確保します。 ・Tokio Marine Group provides employees, who tackle challenges with passion and motivation, with active roles and opportunities conducive to growth. 東京海上グループは、情熱と意欲をもって挑戦する社員に対して成長に資する役割や機会を与えます。 ・Tokio Marine Group aims to be a truly global company that respects diversity and inclusion. We will continuously walk an endless path toward becoming a “Good Company” by creating an environment where diverse human resources can fully demonstrate their inherent capabilities. 東京海上グループは、真のグローバルカンパニーを目指し、ダイバーシティ&インクルージョンを尊重します。多様な人材が持てる力を遺憾なく発揮できる環境をつくることを通じて‘Good Company’への果てしない道を歩み続けます。 |
c)社内環境整備方針
東京海上グループの人事戦略の構成要素である「グループ一体経営を支える“企業文化”」を強化する観点から取組みを進めています。具体的には、「パーパスの浸透」および「D&I推進」による「グループ一体感の醸成」ならびに「働きがいの実感と働きやすさ」による「エンゲージメントの向上」の実現に向け、社内環境を整備する方針としています。
イ)パーパスの浸透
グループCEO自身がカルチャーを総括するチーフオフィサーとして、経営陣とグループ社員がマジメな話を気楽にする「マジきら会」等の取組みを先頭に立って推進し、パーパスの浸透によるグループ一体感の醸成に努めています。「マジきら会」はグループCEOや経営陣が参加するものから各職場内で開催されるものまで、様々な場面で実施されています。また、東京海上グループ内の多様な人材のエンゲージメントの把握やパーパスの浸透度等を測るため、毎年カルチャー&バリューサーベイを実施し、その結果をグループ一体感のさらなる醸成へと繋げています。
グローバルベースでパーパスを浸透させる取組みとして、東日本大震災の被災地を訪問し世界各国のグループ会社の経営幹部候補が参加する研修プログラム(Middle Global Leadership Development Program)を実施しています。東北の被災地を実際に訪れ、当時震災対応を行った社員や代理店と対話を行い、震災時の行動や想いに触れることで、保険の意義や“Good Company”の意味を体感するプログラムとなっています。
ロ)D&I推進
多様な価値観を持ち、意欲と能力のある社員がジェンダー・年齢・国籍・障がいの有無等にかかわらず能力を最大限発揮していくことが、世界中のお客様に提供する商品・サービスの品質を高めていくうえで重要であると考えています。具体的には、ジェンダーギャップの解消、高年齢社員や障がい者等、誰もが活躍できる職場づくり、国籍や人種を問わない採用、多様な経験を持つ社員の中途採用・育成等を進め、グループ全体のD&I推進に取り組んでいます。
D&I推進を加速するため、D&Iの取組みを総括するチーフオフィサーおよびダイバーシティカウンシルを設置し、ビジョンやアクションプランについて議論を重ねています。D&Iの取組みを通じて「真にインクルーシブなグローバル保険グループ」をめざすために、以下のとおり4つの観点から「D&Iビジョン」を策定しています。
ハ)働きがいの実感と働きやすさ(エンゲージメントの向上)
社員一人ひとりのエンゲージメントの状態を的確に把握するため、エンゲージメントサーベイを年1回実施しています。サーベイの結果とその変化を分析し、組織全体の状況を経営陣が把握するとともに、専任コンサルタントの支援等も受けながら自律的に課題解決に取り組むPDCAサイクルを回しています。
2022年度、東京海上日動火災保険株式会社は、社員のエンゲージメント向上に取り組む専任チームである「エンゲージメントデザインチーム」を新設し、「地域社会・お客様への貢献」や「自己成長・自己実現の実感」等によりエンゲージメントを向上させる取組みを展開しています。これらの取組みに加え、リモートワークや勤務時間自由選択制度の活用および副業の解禁等の働きやすさを高める施策により、エンゲージメント向上を図っています。また、役員報酬の業績連動部分について、「会社目標」として「サステナビリティ戦略に係る指標」および「社員エンゲージメント指標」を追加し、経営陣がエンゲージメントの向上にコミットする姿勢を明確にしています。
東京海上グループは、社員の健康を経営の重要なテーマとしています。社員が心身ともに健康にいきいきと働くことで満足度や働きがいを高め、お客様や地域・社会の健康増進や社会課題解決に貢献し、会社の持続的成長に繋げていくことをめざしています。こうした考えに基づき、「東京海上グループ健康経営憲章」を定め、グループCEOをトップに、健康経営を総括するチーフオフィサーの指揮のもと、専任組織がグループ全体の健康経営や労働安全衛生の推進に取り組んでいます。取組みの結果、健康経営に優れた企業として「健康経営銘柄」に8年連続で選定されています。東京海上グループは、これらの取組みの実効性を上げるため、様々な社員意識調査により、社員や組織全体の状況を定期的に確認し、課題の抽出と解決に向けた取組みを行うPDCAサイクルを回しています。
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Tokio Marine Group Wellness Charter 東京海上グループ健康憲章
The mental and physical well-being of our employees and their families is essential in order to increase employee engagement, live up to our corporate philosophy and therefore enhance our corporate value. With these principles in mind Tokio Marine Group (hereafter “Tokio Marine”) commits to promote the following for its staff and their families: 社員の働きがいを高め、経営理念の実践と企業価値の向上を追求し続けるためには、社員とその家族の心身の健康が重要であり、東京海上グループは、以下の観点から取り組みを推進します。
・Tokio Marine will promote a culture in which each employee thinks about how they can incorporate well-being into their lifestyle. 一人ひとりが、健康をかけがえのないものとして大切にし、主体的に健康増進に努めます。 ・Tokio Marine will invest in wellness initiatives, establish an environment and a corporate culture that will continuously encourage the promotion of wellness. 健康への投資を行い、健康増進に積極的に取り組む環境と企業風土を確固たるものとし、継承していきます。 ・Tokio Marine will contribute to the realization of a healthier and more prosperous future by supporting the wellness of our customers, communities, and society as a whole. お客様や地域・社会における健康増進への取り組みを支援することにより、社会課題の解決につなげ、健康で豊かな未来の実現に貢献します。 President and Group CEO 取締役社長 グループCEO |
③ リスク管理
「
④ 指標と目標
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指標 |
対象会社 |
目標 |
2022年度実績 |
該当する取組み |
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女性取締役・監査役比率 |
東京海上ホールディングス株式会社 |
2027年度 30.0% |
15.8% |
・D&I推進 |
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女性管理職以上比率(注1) |
東京海上日動火災保険株式会社 |
2030年度 30.0% |
10.4% |
・D&I推進 |
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カルチャー&バリューサーベイの 結果(注2) |
東京海上ホールディングス株式会社および国内外のグループ会社42社 |
維持・向上 |
4.4点 |
・パーパスの浸透 ・D&I推進 ・働きがいの実感と働きやすさ |
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エンゲージメントスコア(注3) |
東京海上ホールディングス株式会社 東京海上日動火災保険株式会社 |
維持・向上 |
61.4 |
・働きがいの実感と働きやすさ |
(注)1.「管理職以上」には取締役、監査役および執行役員を含みます。なお、2023年4月1日時点では11.2%まで向上しています。
2.エンゲージメントの把握やパーパスの浸透度等を測るための独自サーベイです。評価点は5点満点で算出されます。2020年度実績は4.3点、2021年度実績は4.3点です。
3.株式会社リンクアンドモチベーションのモチベーションクラウドで測定するものです。数値は偏差値として算出されます。2020年度実績は61.1、2021年度実績は62.1です。
なお、本項の記載には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
東京海上グループは、「リスク」、「資本」および「リターン」の関係を常に意識し、リスク対比での健全性と収益性を両立しながら高いROEをめざす「リスクベース経営(ERM:Enterprise Risk Management)」を行っています。
○リスクベース経営(ERM)のイメージ図
具体的には、リスクアペタイト・フレームワークを起点に、事業計画の策定および検証ならびに事業計画に基づいた資本配分計画を決定するERMサイクルにより「リスク」、「資本」および「リターン」を適切にコントロールし、企業価値の持続的な拡大をめざしています。
○ERMサイクルのイメージ図
(注)1.環境変化等により新たに現れるリスクであり、従来リスクとして認識されていないものおよびリスクの程度が著しく高まったものをいいます。具体的には、当社の子会社での洗出し結果に加え、外部機関等のリスク情報も参考にしたうえで、当社内での議論を経て洗い出します。
2.財務の健全性、業務継続性等に極めて大きな影響を及ぼすリスクをいいます。具体的には、エマージングリスクおよび前事業年度のグループの重要なリスクにつき、影響度(経済的影響、業務継続への影響およびレピュテーションへの影響で評価し、最も大きいものを採用)ならびに頻度・蓋然性を評価し、以下の5×5のマトリクスを用いて特定しています。
3.重要なリスクについて、対応策の策定(Plan)、実行(Do)、振返り(Check)および改善(Act)を行います。
(1)定性的リスク管理
事業運営を行うなかで直面する様々なリスクを網羅的に把握して対応するため、エマージングリスクの洗出しならびに重要なリスクの特定、評価およびPDCAを行い、毎年取締役会に報告しています。
○重要なリスクの一覧
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重要なリスク/シナリオ |
対応例 |
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①国内外の経済危機、金融・資本市場の混乱 〇リーマンショック級の世界金融危機、地政学リスク等に起因する金融・資本市場の混乱等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。 |
<経済的影響への対応> ・地政学リスク等の市場への影響を調査する。 ・信用リスク集積管理等により、エクスポージャーをコントロールする。 ・ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。 ・金融危機、金利上昇リスクのアクションプランを整備する。 |
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②日本国債への信認毀損 〇政府への信認毀損による日本国債暴落、ハイパーインフレーション等により、東京海上グループの保有資産の価値が下落する。 |
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③巨大地震 〇首都直下地震、南海トラフ巨大地震が発生し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 |
<経済的影響への対応> ・リスクの集積を含めて適切にリスクを評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険手配を行うことで利益の安定化を図る。 ・③、④および⑥については、ストレステストを行い、資本十分性や資金流動性を確認する。
<事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 ・⑦については、サイバーセキュリティ態勢も整備し、有事訓練により実効性を確認する。 |
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④巨大風水災(含む気候変動物理的リスク) 〇巨大台風や集中豪雨が発生し、物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 |
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⑤火山噴火 〇富士山噴火等が発生し、降灰等により物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。 |
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⑥新ウイルスのまん延 〇致死率の高い感染症がまん延し、保険金支払が多額になる。 |
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⑦サイバーリスク 〇多くの東京海上グループの顧客やそのサプライチェーンがサイバー攻撃を受け、保険金支払が多額になる。 〇東京海上グループのシステムがサイバー攻撃を受け、重要情報の漏えいや事業活動の停滞が発生する。 |
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⑧インフレーション 〇原材料費の高騰や世界的な物価の急激な上昇等により、保険金支払単価が上昇し、リスクに見合った商品改定や再保険調達ができず保険引受利益が減少する。 |
<経済的影響への対応> ・インフレーションの保険商品への影響を分析し、リスクに見合った商品改定や引受けを行う。 |
|
⑨破壊的イノベーション 〇デジタルトランスフォーメーション、革新的な新規参入者等により、産業構造が大きく転換するようなイノベーションが発生して東京海上グループの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。 |
<経済的影響への対応> ・デジタルトランスフォーメーションの基本戦略推進とプロジェクトの実行を通じて、保険事業の競争優位性を確保する。 ・保険事業と親和性の高い領域を中心とした新規事業を展開する。 |
|
⑩新型コロナウイルスの持続・変異 〇新型コロナウイルスの変異や感染持続により、事業活動が停滞する。 |
<事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・危機管理態勢(後記(3)参照)や事業継続計画等を整備し、有事訓練により実効性を確認する。 |
|
⑪地政学リスク 〇国家間の対立が軍事衝突に発展し、人的・物的被害が甚大となり、東京海上グループの事業を含む社会や経済活動が停滞する。 |
|
|
⑫コンダクトリスク 〇業界・企業慣行と世間の常識が乖離すること等により、東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。 |
<事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・従業員の意識や行動に関する調査を行い、好取組事例の収集や展開を通じて東京海上グループの取組みを改善する。 |
|
⑬法令・規制への抵触 〇個人情報保護、マネー・ローンダリング防止、米中対立やウクライナ戦争に関連した経済制裁強化等に関する規制等に抵触し、罰金等を科されるとともにレピュテーションを毀損する。 |
<事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・国内外の社会環境、行政機関の動向、法令規制改正等を把握し、必要な対策を講じる。 |
○エマージングリスクの例
|
エマージングリスク/シナリオ |
対応例 |
|
①公共インフラ・企業設備の老朽化の進行 〇公共インフラ・企業設備の老朽化が進行することで大事故が頻発し、保険金支払が増大する。 |
<経済的影響への対応> ・リスクを適切に評価し、お客様のニーズに沿った商品の開発を行いつつ、リスクに見合った引受け、リスク分散および再保険調達を行うことで利益の安定化を図る。 ・④については、気候変動による影響評価について研究・分析に取り組んでいる。 |
|
②宇宙リスク 〇磁気嵐発生による広範囲の送電網故障、宇宙気象やスペースデブリの増加による通信障害の頻発等により、保険金支払が増大する。 |
|
|
③医療・生命工学の革新的な進化 〇がん診断技術や遺伝子診断技術の革新的な進化により、保険金支払が増大する。 |
|
|
④地球温暖化(気候変動物理的リスク) 〇地球温暖化により環境破壊や災害の激甚化が進み、保険金支払が増大する。 |
|
|
⑤脱炭素社会への不適切な対応(気候変動移行リスク) 〇脱炭素社会への移行に乗り遅れた投資先企業の企業価値が下落し、東京海上グループの保有資産の価値も下落する。 〇脱炭素社会への東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。 |
<事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・気候変動に対する基本的な考え方、保険引受・投融資の方針およびこれらを踏まえた取組みを公表するとともに、気候分野における専門家・アドバイザーとの意見交換を行う。 |
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⑥グローバルな人権重視厳格化への対応遅れ 〇人権尊重に関する東京海上グループの取組みが社会から不適切とみなされ、レピュテーションを毀損する。 |
<事業継続への影響やレピュテーションへの対応> ・人権に対する基本的な考え方、人権基本方針、人権尊重に係るマネジメント態勢、責任ある調達に関するガイドラインおよびこれらを踏まえた取組みを公表するとともに、人権分野における専門家・アドバイザーとの意見交換を行う。 |
(2)定量的リスク管理
格付けの維持および倒産の防止を目的として、保有しているリスク対比で実質純資産が十分な水準にあることを多角的に検証し、財務の健全性が確保されていることを、取締役会において確認しています。
具体的には、リスクをAA格相当の信頼水準である99.95%バリューアットリスク(VaR)(注1)で定量評価し、実質純資産(注2)をリスク量で除したエコノミック・ソルベンシー・レシオ(以下「ESR」といいます)の水準により、資本の十分性を確認するとともに、事業投資機会や今後の市場環境の見通し等を総合的に勘案して資本政策を決定しています。
東京海上グループのESRのターゲットレンジは100~140%ですが、2023年3月末時点におけるESRは124%となり、資本が適切な水準にあることを確認しています。
また、重要なリスクのうち、国内外の経済危機、金融・資本市場の混乱、日本国債への信認毀損、巨大地震、巨大風水災および新ウイルスのまん延等の経済的損失が極めて大きいと想定されるシナリオならびに複数の重要なリスクが同時期に発現するシナリオに基づくストレステストも実施し、資本十分性および資金流動性に問題がないことを別途確認しています。
(注)1.将来の一定期間のうちに、一定の確率の範囲内で被る可能性のある最大損失額のことをいいます。99.95%VaRとは、今後1年間の損失が99.95%の確率でその額以内に収まる金額水準です。
2.財務会計上の連結純資産に、資産と負債を時価評価し、異常危険準備金の加算やのれんの控除等の調整を加えて算出します。
○ESRの状況
(3)危機管理
定性的リスク管理および定量的リスク管理を行っていても、全てのリスクを完全にコントロールすることは困難であり、また、自然災害のように発生を抑えることが不可能なリスクも存在します。
そのため、有事に際して被る経済的損失等を極小化し、迅速に通常業務へ復旧するため、危機管理態勢や緊急事態時アクション等を整備しています。
また、当社はグループ会社に対し支援・指示・指導を行い、グループ会社は当社に対し報告・連絡・相談を行うことで、グループ会社においても平時から危機管理態勢や緊急事態時アクション等の整備を行うとともに、緊急事態時においては復旧や事業継続を迅速・的確に対応できるよう努めています。
さらに、自然災害やサイバー攻撃等、緊急事態(注)となり得る事象を想定した模擬訓練を実施し、緊急事態時の実践力・応用力も高めています。
(注)東京海上グループの各社と顧客・代理店等の利害関係者との関係に重大な影響が生じる事態または東京海上グループの各社の業務に著しい支障が生じると判断される事態です。具体的には、自然災害、パンデミック、システム障害、サイバー攻撃、重要情報の漏えい、重大な法令違反および業務停止命令等、重要なリスクの発現やそれに準じた事態の発生を想定しています。
○東京海上グループの危機管理態勢
なお、本項の記載には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、前連結会計年度から引き続き回復基調にありましたが、エネルギーの価格高騰や供給制約等の影響から記録的な物価上昇に見舞われ、回復ペースは鈍化しました。わが国経済は、物価上昇の影響がみられましたが、新型コロナウイルスに係る制限が徐々に緩和され経済活動が正常化しつつあること等から、個人消費を中心に緩やかに持ち直しました。
このような情勢のもと損害保険・生命保険を中心に国内外で事業展開を行った結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は、以下のとおりとなりました。
連結総資産は、前連結会計年度末に比べて4,539億円増加し、27兆6,998億円となりました。
保険引受収益5兆6,348億円、資産運用収益8,754億円等を合計した経常収益は、前連結会計年度に比べて7,848億円増加し、6兆6,486億円となりました。一方、保険引受費用4兆6,660億円、資産運用費用2,039億円、営業費及び一般管理費1兆1,356億円等を合計した経常費用は、前連結会計年度に比べて8,483億円増加し、6兆1,446億円となりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度に比べて635億円減少し、5,039億円となりました。
経常利益に特別利益、特別損失、法人税等合計などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて440億円減少し、3,764億円となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益から保険事業特有の各種準備金の影響や資産の売却・評価損益等の当該年度の特殊要因を控除した修正純利益(グループ全体の業績を示す管理会計上の経営指標)は、前連結会計年度に比べて1,342億円減少し、4,440億円となりました。
報告セグメント別の状況は、以下のとおりです。
[国内損害保険事業]
国内損害保険事業においては、経常収益は、前連結会計年度に比べて1,905億円増加し、3兆406億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて180億円減少し、2,845億円となりました。国内損害保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりです。
a)保険引受業務
イ)元受正味保険料(含む収入積立保険料)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
|
|
火災保険 |
495,041 |
17.82 |
0.94 |
530,932 |
18.65 |
7.25 |
|
海上保険 |
80,431 |
2.89 |
18.35 |
95,380 |
3.35 |
18.59 |
|
傷害保険 |
240,526 |
8.66 |
0.62 |
249,177 |
8.75 |
3.60 |
|
自動車保険 |
1,242,298 |
44.71 |
0.93 |
1,233,670 |
43.33 |
△0.69 |
|
自動車損害賠償責任保険 |
220,727 |
7.94 |
△7.36 |
223,400 |
7.85 |
1.21 |
|
その他 |
499,451 |
17.98 |
2.27 |
514,270 |
18.06 |
2.97 |
|
合計 |
2,778,476 |
100.00 |
0.85 |
2,846,830 |
100.00 |
2.46 |
|
(うち収入積立保険料) |
(63,091) |
(2.27) |
(△3.12) |
(50,480) |
(1.77) |
(△19.99) |
(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金および元受その他
返戻金を控除したものです(積立型保険の積立保険料を含みます。)。
ロ)正味収入保険料
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
|
|
火災保険 |
383,292 |
15.54 |
1.78 |
438,566 |
17.13 |
14.42 |
|
海上保険 |
73,565 |
2.98 |
19.75 |
85,019 |
3.32 |
15.57 |
|
傷害保険 |
173,932 |
7.05 |
4.04 |
192,583 |
7.52 |
10.72 |
|
自動車保険 |
1,236,399 |
50.11 |
0.84 |
1,228,971 |
48.01 |
△0.60 |
|
自動車損害賠償責任保険 |
232,657 |
9.43 |
△8.14 |
225,269 |
8.80 |
△3.18 |
|
その他 |
367,379 |
14.89 |
2.76 |
389,614 |
15.22 |
6.05 |
|
合計 |
2,467,227 |
100.00 |
1.03 |
2,560,025 |
100.00 |
3.76 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
ハ)正味支払保険金
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
|
|
火災保険 |
223,186 |
17.35 |
△1.45 |
273,740 |
18.85 |
22.65 |
|
海上保険 |
39,847 |
3.10 |
4.78 |
39,386 |
2.71 |
△1.16 |
|
傷害保険 |
81,342 |
6.32 |
0.75 |
102,314 |
7.04 |
25.78 |
|
自動車保険 |
601,476 |
46.74 |
2.16 |
664,930 |
45.78 |
10.55 |
|
自動車損害賠償責任保険 |
171,063 |
13.29 |
△8.49 |
157,832 |
10.87 |
△7.73 |
|
その他 |
169,826 |
13.20 |
8.86 |
214,307 |
14.75 |
26.19 |
|
合計 |
1,286,743 |
100.00 |
0.77 |
1,452,510 |
100.00 |
12.88 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
b)資産運用業務
イ)運用資産
|
区分 |
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
預貯金 |
457,568 |
6.00 |
452,953 |
6.04 |
|
買現先勘定 |
3,999 |
0.05 |
999 |
0.01 |
|
買入金銭債権 |
46,634 |
0.61 |
28,475 |
0.38 |
|
金銭の信託 |
- |
- |
8,000 |
0.11 |
|
有価証券 |
5,574,688 |
73.15 |
5,297,550 |
70.68 |
|
貸付金 |
387,837 |
5.09 |
481,547 |
6.43 |
|
土地・建物 |
204,524 |
2.68 |
204,537 |
2.73 |
|
運用資産計 |
6,675,254 |
87.59 |
6,474,064 |
86.38 |
|
総資産 |
7,620,856 |
100.00 |
7,494,722 |
100.00 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
ロ)有価証券
|
区分 |
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
国債 |
1,322,222 |
23.72 |
1,220,504 |
23.04 |
|
地方債 |
79,139 |
1.42 |
61,876 |
1.17 |
|
社債 |
571,797 |
10.26 |
520,867 |
9.83 |
|
株式 |
2,561,525 |
45.95 |
2,438,251 |
46.03 |
|
外国証券 |
1,013,321 |
18.18 |
1,030,826 |
19.46 |
|
その他の証券 |
26,682 |
0.48 |
25,223 |
0.48 |
|
合計 |
5,574,688 |
100.00 |
5,297,550 |
100.00 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
ハ)利回り
ⅰ)運用資産利回り(インカム利回り)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
収入金額 (百万円) |
平均運用額 (百万円) |
年利回り (%) |
収入金額 (百万円) |
平均運用額 (百万円) |
年利回り (%) |
|
|
預貯金 |
78 |
520,287 |
0.02 |
194 |
433,821 |
0.04 |
|
コールローン |
- |
2 |
0.00 |
- |
2 |
0.00 |
|
買現先勘定 |
1 |
9,081 |
0.01 |
0 |
1,987 |
0.02 |
|
買入金銭債権 |
42 |
85,009 |
0.05 |
20 |
23,260 |
0.09 |
|
金銭の信託 |
- |
504 |
0.00 |
△0 |
7,333 |
△0.00 |
|
有価証券 |
125,267 |
3,400,815 |
3.68 |
139,601 |
3,391,674 |
4.12 |
|
貸付金 |
11,380 |
359,976 |
3.16 |
18,003 |
410,926 |
4.38 |
|
土地・建物 |
7,763 |
210,223 |
3.69 |
5,693 |
207,706 |
2.74 |
|
小計 |
144,533 |
4,585,901 |
3.15 |
163,513 |
4,476,713 |
3.65 |
|
その他 |
635 |
- |
- |
2,531 |
- |
- |
|
合計 |
145,168 |
- |
- |
166,045 |
- |
- |
(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」に、「金銭の信託運用益」のうち利息及び配当金収入相当額を含めた金額です。
3.平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。ただし、コールローン、買現先勘定および買入金銭債権については、日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
ⅱ)資産運用利回り(実現利回り)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
資産運用損益 (実現ベース) (百万円) |
平均運用額 (取得原価 ベース) (百万円) |
年利回り (%) |
資産運用損益 (実現ベース) (百万円) |
平均運用額 (取得原価 ベース) (百万円) |
年利回り (%) |
|
|
預貯金 |
10,174 |
520,287 |
1.96 |
9,847 |
433,821 |
2.27 |
|
コールローン |
- |
2 |
0.00 |
- |
2 |
0.00 |
|
買現先勘定 |
1 |
9,081 |
0.01 |
0 |
1,987 |
0.02 |
|
買入金銭債権 |
42 |
85,009 |
0.05 |
20 |
23,260 |
0.09 |
|
金銭の信託 |
44 |
504 |
8.77 |
293 |
7,333 |
4.00 |
|
有価証券 |
215,483 |
3,400,815 |
6.34 |
244,208 |
3,391,674 |
7.20 |
|
貸付金 |
24,365 |
359,976 |
6.77 |
31,242 |
410,926 |
7.60 |
|
土地・建物 |
7,763 |
210,223 |
3.69 |
5,693 |
207,706 |
2.74 |
|
金融派生商品 |
△37,182 |
- |
- |
△59,617 |
- |
- |
|
その他 |
6,350 |
- |
- |
2,905 |
- |
- |
|
合計 |
227,042 |
4,585,901 |
4.95 |
234,594 |
4,476,713 |
5.24 |
(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」および「積立保険料等運用益」の合計額から「資産運用費用」を控除した金額です。
3.平均運用額(取得原価ベース)は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。ただし、コールローン、買現先勘定および買入金銭債権については、日々の残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
[国内生命保険事業]
国内生命保険事業においては、経常収益は、前連結会計年度に比べて147億円減少し、6,996億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて178億円減少し、517億円となりました。国内生命保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりです。
a)保険引受業務
イ)保有契約高
|
区分 |
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
||
|
金額 (百万円) |
対前年増減 (△)率(%) |
金額 (百万円) |
対前年増減 (△)率(%) |
|
|
個人保険 |
28,711,080 |
△0.95 |
28,386,051 |
△1.13 |
|
個人年金保険 |
1,963,806 |
△4.48 |
1,878,882 |
△4.32 |
|
団体保険 |
1,978,781 |
△6.29 |
1,912,540 |
△3.35 |
|
団体年金保険 |
3,074 |
△0.73 |
2,768 |
△9.96 |
(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
2.個人年金保険については、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と年金支払開始後契約の責任準備金を合計したものです。
3.団体年金保険については、責任準備金の金額です。
ロ)新契約高
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
新契約+転換による純増加 (百万円) |
新契約 (百万円) |
転換による 純増加 (百万円) |
新契約+転換による純増加 (百万円) |
新契約 (百万円) |
転換による 純増加 (百万円) |
|
|
個人保険 |
2,216,007 |
2,216,007 |
- |
2,123,212 |
2,123,212 |
- |
|
個人年金保険 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
団体保険 |
18,856 |
18,856 |
- |
25,092 |
25,092 |
- |
|
団体年金保険 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
2.新契約の個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資の額です。
3.新契約の団体年金保険の金額は、第1回収入保険料です。
b)資産運用業務
イ)運用資産
|
区分 |
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
預貯金 |
62,773 |
0.67 |
74,581 |
0.85 |
|
有価証券 |
8,999,053 |
95.50 |
8,238,754 |
94.23 |
|
貸付金 |
231,505 |
2.46 |
254,472 |
2.91 |
|
土地・建物 |
912 |
0.01 |
833 |
0.01 |
|
運用資産計 |
9,294,245 |
98.63 |
8,568,641 |
98.00 |
|
総資産 |
9,423,469 |
100.00 |
8,743,102 |
100.00 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
ロ)有価証券
|
区分 |
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
国債 |
7,941,635 |
88.25 |
7,130,635 |
86.55 |
|
地方債 |
4,811 |
0.05 |
5,610 |
0.07 |
|
社債 |
502,226 |
5.58 |
528,776 |
6.42 |
|
株式 |
155 |
0.00 |
151 |
0.00 |
|
外国証券 |
382,393 |
4.25 |
385,454 |
4.68 |
|
その他の証券 |
167,832 |
1.87 |
188,125 |
2.28 |
|
合計 |
8,999,053 |
100.00 |
8,238,754 |
100.00 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
ハ)利回り
ⅰ)運用資産利回り(インカム利回り)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
収入金額 (百万円) |
平均運用額 (百万円) |
年利回り (%) |
収入金額 (百万円) |
平均運用額 (百万円) |
年利回り (%) |
|
|
預貯金 |
0 |
61,534 |
0.00 |
0 |
85,026 |
0.00 |
|
有価証券 |
105,577 |
8,628,882 |
1.22 |
105,631 |
8,254,471 |
1.28 |
|
貸付金 |
10,821 |
219,698 |
4.93 |
13,885 |
243,558 |
5.70 |
|
土地・建物 |
- |
629 |
0.00 |
- |
1,025 |
0.00 |
|
小計 |
116,398 |
8,910,745 |
1.31 |
119,517 |
8,584,081 |
1.39 |
|
その他 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
116,398 |
- |
- |
119,517 |
- |
- |
(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、保険業法第118条に規定する特別勘定に係る収入金額および平均運用額については、除外しています。
2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」です。
3.平均運用額は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
ⅱ)資産運用利回り(実現利回り)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
資産運用損益 (実現ベース) (百万円) |
平均運用額 (取得原価 ベース) (百万円) |
年利回り (%) |
資産運用損益 (実現ベース) (百万円) |
平均運用額 (取得原価 ベース) (百万円) |
年利回り (%) |
|
|
預貯金 |
60 |
61,534 |
0.10 |
61 |
85,026 |
0.07 |
|
有価証券 |
108,082 |
8,628,882 |
1.25 |
140,138 |
8,254,471 |
1.70 |
|
貸付金 |
10,816 |
219,698 |
4.92 |
13,822 |
243,558 |
5.68 |
|
土地・建物 |
- |
629 |
0.00 |
- |
1,025 |
0.00 |
|
金融派生商品 |
△3,601 |
- |
- |
△19,356 |
- |
- |
|
その他 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
115,358 |
8,910,745 |
1.29 |
134,665 |
8,584,081 |
1.57 |
(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、保険業法第118条に規定する特別勘定に係る資産運用損益および平均運用額については、除外しています。
2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」から「資産運用費用」を控除した金額です。
3.平均運用額(取得原価ベース)は、原則として各月末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
[海外保険事業]
海外保険事業においては、経常収益は、前連結会計年度に比べて6,999億円増加し、2兆9,647億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて259億円減少し、1,595億円となりました。海外保険事業における保険引受および資産運用の状況は、以下のとおりです。
a)保険引受業務
イ)正味収入保険料
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
|
|
火災保険 |
268,462 |
18.90 |
19.64 |
379,239 |
19.86 |
41.26 |
|
海上保険 |
68,398 |
4.81 |
40.53 |
89,271 |
4.67 |
30.52 |
|
傷害保険 |
31,623 |
2.23 |
5.96 |
35,347 |
1.85 |
11.78 |
|
自動車保険 |
278,296 |
19.59 |
15.37 |
437,383 |
22.90 |
57.16 |
|
その他 |
773,867 |
54.47 |
24.74 |
968,777 |
50.72 |
25.19 |
|
合計 |
1,420,648 |
100.00 |
21.99 |
1,910,019 |
100.00 |
34.45 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
ロ)正味支払保険金
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
|
|
火災保険 |
149,966 |
22.42 |
29.48 |
153,486 |
18.25 |
2.35 |
|
海上保険 |
26,385 |
3.95 |
35.26 |
34,184 |
4.06 |
29.56 |
|
傷害保険 |
15,065 |
2.25 |
17.57 |
14,713 |
1.75 |
△2.33 |
|
自動車保険 |
148,923 |
22.27 |
6.76 |
223,401 |
26.56 |
50.01 |
|
その他 |
328,448 |
49.11 |
9.90 |
415,272 |
49.38 |
26.43 |
|
合計 |
668,789 |
100.00 |
14.03 |
841,058 |
100.00 |
25.76 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
b)資産運用業務
イ)運用資産
|
区分 |
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
預貯金 |
290,414 |
2.82 |
307,035 |
2.63 |
|
買入金銭債権 |
1,583,889 |
15.38 |
1,835,348 |
15.75 |
|
有価証券 |
4,712,188 |
45.76 |
4,951,147 |
42.48 |
|
貸付金 |
1,521,656 |
14.78 |
2,011,498 |
17.26 |
|
土地・建物 |
74,062 |
0.72 |
121,875 |
1.05 |
|
運用資産計 |
8,182,211 |
79.45 |
9,226,906 |
79.17 |
|
総資産 |
10,298,239 |
100.00 |
11,654,160 |
100.00 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。
ロ)利回り
ⅰ)運用資産利回り(インカム利回り)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
収入金額 (百万円) |
平均運用額 (百万円) |
年利回り (%) |
収入金額 (百万円) |
平均運用額 (百万円) |
年利回り (%) |
|
|
預貯金 |
1,885 |
299,932 |
0.63 |
3,071 |
298,727 |
1.03 |
|
買入金銭債権 |
55,205 |
1,395,272 |
3.96 |
90,030 |
1,759,258 |
5.12 |
|
有価証券 |
150,587 |
4,005,751 |
3.76 |
174,658 |
4,817,815 |
3.63 |
|
貸付金 |
91,914 |
1,354,823 |
6.78 |
140,078 |
1,767,610 |
7.92 |
|
土地・建物 |
787 |
68,800 |
1.14 |
1,000 |
97,969 |
1.02 |
|
小計 |
300,381 |
7,124,579 |
4.22 |
408,839 |
8,741,382 |
4.68 |
|
その他 |
1,133 |
- |
- |
2,088 |
- |
- |
|
合計 |
301,515 |
- |
- |
410,927 |
- |
- |
(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、連結貸借対照表における有価証券には持分法適用会社に対する株式が含まれていますが、平均運用額および年利回りの算定上は同株式を除外しています。
2.収入金額は、連結損益計算書における「利息及び配当金収入」です。
3.平均運用額は、期首・期末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
ⅱ)資産運用利回り(実現利回り)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
資産運用損益 (実現ベース) (百万円) |
平均運用額 (取得原価 ベース) (百万円) |
年利回り (%) |
資産運用損益 (実現ベース) (百万円) |
平均運用額 (取得原価 ベース) (百万円) |
年利回り (%) |
|
|
預貯金 |
330 |
299,932 |
0.11 |
31 |
298,727 |
0.01 |
|
買現先勘定 |
- |
- |
- |
2,531 |
- |
- |
|
買入金銭債権 |
54,088 |
1,395,272 |
3.88 |
81,777 |
1,759,258 |
4.65 |
|
有価証券 |
177,482 |
4,005,751 |
4.43 |
142,084 |
4,817,815 |
2.95 |
|
貸付金 |
87,057 |
1,354,823 |
6.43 |
127,133 |
1,767,610 |
7.19 |
|
土地・建物 |
787 |
68,800 |
1.14 |
1,000 |
97,969 |
1.02 |
|
金融派生商品 |
1,683 |
- |
- |
△13,254 |
- |
- |
|
その他 |
9,944 |
- |
- |
2,466 |
- |
- |
|
合計 |
331,373 |
7,124,579 |
4.65 |
343,770 |
8,741,382 |
3.93 |
(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺前の金額です。なお、連結貸借対照表における有価証券には持分法適用会社に対する株式が含まれていますが、平均運用額および年利回りの算定上は同株式を除外しています。
2.資産運用損益(実現ベース)は、連結損益計算書における「資産運用収益」から「資産運用費用」を控除した金額です。
3.平均運用額(取得原価ベース)は、期首・期末残高(取得原価または償却原価)の平均に基づいて算出しています。
(参考)全事業の状況
a)元受正味保険料(含む収入積立保険料)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
|
|
火災保険 |
926,362 |
20.39 |
12.23 |
1,097,688 |
21.39 |
18.49 |
|
海上保険 |
176,248 |
3.88 |
28.54 |
218,315 |
4.25 |
23.87 |
|
傷害保険 |
276,149 |
6.08 |
2.80 |
288,737 |
5.63 |
4.56 |
|
自動車保険 |
1,536,050 |
33.81 |
3.64 |
1,665,800 |
32.46 |
8.45 |
|
自動車損害賠償責任保険 |
220,727 |
4.86 |
△7.36 |
223,400 |
4.35 |
1.21 |
|
その他 |
1,407,059 |
30.97 |
15.41 |
1,637,835 |
31.92 |
16.40 |
|
合計 |
4,542,598 |
100.00 |
8.92 |
5,131,778 |
100.00 |
12.97 |
|
(うち収入積立保険料) |
(63,091) |
(1.39) |
(△3.12) |
(50,480) |
(0.98) |
(△19.99) |
(注)1.諸数値は、セグメント間の内部取引相殺後の金額です。
2.元受正味保険料(含む収入積立保険料)とは、元受保険料から元受解約返戻金および元受その他
返戻金を控除したものです(積立型保険の積立保険料を含みます。)。
b)正味収入保険料
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
|
|
火災保険 |
651,754 |
16.76 |
8.45 |
817,805 |
18.30 |
25.48 |
|
海上保険 |
141,964 |
3.65 |
28.94 |
174,291 |
3.90 |
22.77 |
|
傷害保険 |
205,548 |
5.29 |
4.34 |
227,923 |
5.10 |
10.89 |
|
自動車保険 |
1,514,695 |
38.96 |
3.23 |
1,666,353 |
37.28 |
10.01 |
|
自動車損害賠償責任保険 |
232,657 |
5.98 |
△8.14 |
225,269 |
5.04 |
△3.18 |
|
その他 |
1,141,201 |
29.35 |
16.70 |
1,358,345 |
30.39 |
19.03 |
|
合計 |
3,887,821 |
100.00 |
7.80 |
4,469,989 |
100.00 |
14.97 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺後の金額です。
c)正味支払保険金
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
金額 (百万円) |
構成比 (%) |
対前年増減 (△)率(%) |
|
|
火災保険 |
373,153 |
19.08 |
9.02 |
427,226 |
18.63 |
14.49 |
|
海上保険 |
66,158 |
3.38 |
15.15 |
73,482 |
3.20 |
11.07 |
|
傷害保険 |
96,257 |
4.92 |
3.11 |
116,804 |
5.09 |
21.35 |
|
自動車保険 |
750,399 |
38.38 |
3.04 |
888,330 |
38.74 |
18.38 |
|
自動車損害賠償責任保険 |
171,063 |
8.75 |
△8.49 |
157,832 |
6.88 |
△7.73 |
|
その他 |
498,275 |
25.48 |
9.55 |
629,573 |
27.45 |
26.35 |
|
合計 |
1,955,306 |
100.00 |
4.95 |
2,293,251 |
100.00 |
17.28 |
(注)諸数値は、セグメント間の内部取引相殺後の金額です。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、保険金支払の増加等により、前連結会計年度に比べて946億円収入が減少し、1兆75億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還による収入の増加等により、前連結会計年度に比べて6,836億円収入が増加し、181億円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、資金調達目的の債券貸借取引受入担保金の純増減額の減少等により、前連結会計年度に比べて5,045億円支出が増加し、1兆92億円の支出となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より731億円増加し、9,853億円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
保険持株会社としての業務の特性から、該当する情報がないので記載していません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
なお、本項に含まれる将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成には、経営者による会計方針の選択適用、合理的な見積りを必要としますが、実際には見積りと異なる結果となることもあります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5 経理の状況の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針および見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えています。
a)金融商品の時価の算定方法
有価証券、デリバティブ取引等について、時価の算定は原則として市場価格に基づいていますが、一部の市場価格のない有価証券、デリバティブ取引等については、将来キャッシュ・フローの現在価値や契約期間等の構成要素に基づく合理的な見積りによって算出された価額等を時価としています。
b)有価証券の減損処理
売買目的有価証券以外の有価証券について、時価または実質価額が取得原価に比べて著しく下落した場合、回復する見込みがあると認められるものを除き、減損処理を行っています。なお、その他有価証券(市場価格のない株式等を除く。)については、連結会計年度末の時価が取得原価に比べて30%以上下落した場合に減損処理を行っています。
c)固定資産の減損処理
収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、帳簿価額を減額する会計処理を行っています。資産または資産グループの回収可能価額は、正味売却価額(資産または資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される価額)と使用価値(資産または資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値)のいずれか高い方の金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定および予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しています。従って、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合およびのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
d)繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性の判断に際して、将来の課税所得を合理的に見積っています。将来の課税所得は過去の業績等に基づいて見積っているため、将来において当社グループを取り巻く環境に大きな変化があった場合、税制改正によって法定実効税率が変更された場合等においては、繰延税金資産の回収可能額が変動する可能性があります。
e)貸倒引当金
債権の貸倒れによる損失に備えて、回収不能見積額を貸倒引当金として計上していますが、貸付先の財務状況が変化した場合には、貸倒損失や貸倒引当金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。
f)支払備金
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てています。このうち既発生未報告の支払備金については、主に統計的見積法により算出しています。各事象の将来における状況変化、為替変動の影響等により、支払備金の計上額が、当初の見積額から変動する可能性があります。
g)責任準備金等
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金等を積み立てています。当初想定した環境や条件等が大きく変化し、責任準備金等を上回る支払が発生する可能性があります。
h)退職給付債務等
退職給付費用および退職給付債務は、連結会計年度末時点の制度を前提とし、割引率や長期期待運用収益率、将来の退職率および死亡率等、一定の前提条件に基づいて計算しています。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、また前提条件を変更する必要が生じた場合には、将来の退職給付費用および退職給付債務は変動する可能性があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、以下のとおりです。なお、当社グループの課題認識および経営成績に重要な影響を与えるリスクについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境及び対処すべき課題」および「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
a)経営成績の分析
当連結会計年度の状況については、以下のとおりです。
連結主要指標
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減 |
増減率 |
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経常収益 |
5,863,770 |
6,648,600 |
784,829 |
13.4% |
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正味収入保険料 |
3,887,821 |
4,469,989 |
582,167 |
15.0% |
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生命保険料 |
996,288 |
1,071,645 |
75,357 |
7.6% |
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経常利益 |
567,413 |
503,907 |
△63,506 |
△11.2% |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
420,484 |
376,447 |
△44,036 |
△10.5% |
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修正純利益 |
578,304 |
444,098 |
△134,206 |
△23.2% |
経常収益は、前連結会計年度に比べて7,848億円増加し、6兆6,486億円となりました。
経常利益は、国内損害保険事業において、自然災害や自動車事故の増加等により発生保険金(正味支払保険金と支払備金繰入額の合計。以下同じ。)が増加したことや、海外保険事業において、台湾に所在する持分法適用会社に起因して持分法による投資損失が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて635億円減少し、5,039億円となりました。
経常利益に特別利益、特別損失、法人税等合計などを加減した親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて440億円減少し、3,764億円となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益から保険事業特有の各種準備金の影響や資産の売却・評価損益等の当該年度の特殊要因を控除した修正純利益(グループ全体の業績を示す管理会計上の経営指標)は、前連結会計年度に比べて1,342億円減少し、4,440億円となりました。
報告セグメント別の状況は、以下のとおりです。
[国内損害保険事業]
国内損害保険事業において、東京海上日動火災保険株式会社は、社会課題の解決を通じた成長を果たすべく、「新たなマーケット創造」、「お客様ニーズに応える商品・サービスの提供」、「損害サービス力のさらなる強化」および「保険本業の収益力強化」に取り組み、積極的に事業を推進しました。
「新たなマーケット創造」および「お客様ニーズに応える商品・サービスの提供」の取組みとして、民間企業による月面探査という新たな挑戦を支援するため、宇宙保険のノウハウを活用し、月面探査専用の保険「月保険」を開発しました。また、地球温暖化や気候変動を背景に再生可能エネルギー事業への期待が高まるなか、洋上風力発電事業の発展を支えるため、発電事業者向けの保険に加え、工事請負業者や部品サプライヤー向けの保険を開発しました。さらに、糖尿病患者が年々増加し今や国民病のひとつともいわれるなか、糖尿病重症化予防を支援するため、日々の健康管理や予防プログラムを提供する保険を開発しました。
「損害サービス力のさらなる強化」に向け、デジタル技術を活用した自然災害対応力の強化に取り組みました。自然災害の被害状況を早期に把握し、お客様に迅速に保険金をお支払いできるよう、衛星の製造や衛星画像解析等を一貫して行う技術を有する海外の企業と提携を開始し、天候や昼夜を問わず高精度かつ高頻度に地球を観測する技術を損害サービスに活用しました。また、本技術から得られた情報を被災地でボランティア活動を行う団体に提供し、その活動を支援しました。
「保険本業の収益力強化」に向け、DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じて業務効率化を図るとともに、車両使用年数の長期化等を踏まえ、車両故障に対する補償を新設する等、自動車保険の補償やサービスを拡充しました。また、自然災害が多発・激甚化するなかでも安定的に火災保険制度を運営していくために、同保険の補償内容および料率の見直しを行いました。
上記のとおり事業に取り組んだ結果、正味収入保険料は、前連結会計年度に比べて927億円増加し、2兆5,600億円となりました。経常利益は、自然災害や自動車事故の増加等により発生保険金が増加したことを主因として、前連結会計年度に比べて180億円減少し、2,845億円となりました。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減 |
増減率 |
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正味収入保険料 |
2,467,227 |
2,560,025 |
92,797 |
3.8% |
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経常利益 |
302,684 |
284,594 |
△18,089 |
△6.0% |
[国内生命保険事業]
国内生命保険事業において、東京海上日動あんしん生命保険株式会社は、強みである生損一体のビジネスモデルを活かしつつ、就業不能や介護等の分野への保障を提供する「生存保障革命」を推進しています。
「生存保障革命」の一環として2022年2月に発売した「あんしんがん治療保険」がご好評をいただいています。同保険では、高額となる可能性のあるがんの最新治療等に対応できるよう最大1億円の保障を追加することが可能です。また、変額保険「マーケットリンク」の新シリーズ「マーケットリンク プロテクト」を2022年8月に発売しました。同保険では、保障や資産形成の機能はそのままに、重篤な疾病で所定の状態に該当された後の保険料のお支払いを不要とすることで、長寿社会における社会課題である豊かな老後のための計画的な資産形成をより強力にサポートします。
各国における金融政策転換等によって、市場・経済環境の不確実性が増しているなか、資産と負債の総合管理(ALM)を基本とした資産運用に継続的に取り組む等、適切な金利リスクコントロールに努めました。
上記のとおり事業に取り組んだ結果、生命保険料は、「マーケットリンク」等の販売が好調であった一方で、事業保険の解約が増加したこと等により、前連結会計年度に比べて541億円減少し、5,134億円となりました。経常利益は、前連結会計年度に比べて178億円減少し、517億円となりました。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減 |
増減率 |
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生命保険料 |
567,545 |
513,442 |
△54,102 |
△9.5% |
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経常利益 |
69,579 |
51,749 |
△17,830 |
△25.6% |
[海外保険事業]
海外保険事業においては、グループ全体のグローバルな成長と分散の効いたポートフォリオの構築を実現すべく、持続的な内部成長と戦略的なM&Aを取組みの両輪としています。また、グループ各社の優れたノウハウを相互に活用し、保険料収入の拡大、資産運用の高度化、業務効率の向上等のシナジー実現にも幅広く取り組みました。
世界中の各拠点が着実な事業の成長実現をめざし、新たな保険商品の拡充や市場環境を踏まえた保険料率の見直し等による保険引受利益の拡大に取り組みました。また、資産運用面でも、金利上昇のタイミングを的確に捉えた運用を行うことで好成績を上げることができました。これらの結果として、北米の主要3社(Philadelphia Consolidated Holding Corp.、Delphi Financial Group, Inc.、およびHCC Insurance Holdings, Inc.)は2年連続で過去最高益を更新しました。
成長戦略の一環として自社の既存事業を強化するために主要な海外グループ会社が実施する「ボルトオンM&A」に加え、規律をもった事業売却にも継続的に取り組んできました。過去からのこうした取組みの積重ねが当連結会計年度の当社の連結業績にも貢献しています。
上記のとおり事業に取り組んだ結果、正味収入保険料は、前連結会計年度に比べて4,893億円増加し、1兆9,100億円となりました。生命保険料は、前連結会計年度に比べて1,294億円増加し、5,582億円となりました。経常利益は、円安により円換算後の海外グループ会社の利益が増加したことや、北米の子会社を中心に保険引受および資産運用がともに好調であった一方で、台湾に所在する持分法適用会社において、新型コロナウイルスの感染拡大による発生保険金の増加により、持分法による投資損失が増加したことを主因として、前連結会計年度に比べて259億円減少し、1,595億円となりました。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減 |
増減率 |
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正味収入保険料 |
1,420,648 |
1,910,019 |
489,371 |
34.4% |
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生命保険料 |
428,748 |
558,209 |
129,460 |
30.2% |
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経常利益 |
185,526 |
159,545 |
△25,981 |
△14.0% |
b)財政状態の分析
イ)連結ソルベンシー・マージン比率
当社は、保険業法施行規則第210条の11の3および第210条の11の4ならびに平成23年金融庁告示第23号の規定に基づき、連結ソルベンシー・マージン比率を算出しています。
当社グループの子会社では、損害保険事業、生命保険事業や少額短期保険業を営んでいます。保険会社グループは、保険金の支払等に備えて準備金を積み立てていますが、巨大災害の発生や資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」を示す「連結リスクの合計額」(下表の(B))に対する「保険会社グループが保有している資本金・準備金等の支払余力」(すなわち連結ソルベンシー・マージン総額:下表の(A))の割合を示すために計算された指標が、「連結ソルベンシー・マージン比率」(下表の(C))です。
連結ソルベンシー・マージン比率の計算対象となる範囲は、連結財務諸表の取扱いと同一ですが、保険業法上の子会社(議決権が50%超の子会社)については、計算対象に含めています。
連結ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社グループを監督する際に活用する客観的な判断指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。
当連結会計年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は、前連結会計年度末と比べて199.8ポイント低下して627.5%となりました。これは、その他有価証券評価差額金の減少による連結ソルベンシー・マージン総額の減少が主因です。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
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(A)連結ソルベンシー・マージン総額 |
5,953,649 |
4,947,004 |
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(B)連結リスクの合計額 |
1,439,272 |
1,576,526 |
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(C)連結ソルベンシー・マージン比率 [(A)/{(B)×1/2}]×100 |
827.3% |
627.5% |
ロ)国内保険会社の単体ソルベンシー・マージン比率
国内保険会社は、保険業法施行規則第86条および第87条ならびに平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づき、単体ソルベンシー・マージン比率を算出しています。
保険会社は、保険金の支払等に備えて準備金を積み立てていますが、巨大災害の発生や資産の大幅な価格下落等、通常の予測を超える危険が発生した場合でも、十分な支払能力を保持しておく必要があります。こうした「通常の予測を超える危険」を示す「単体リスクの合計額」(下表の(B))に対する「保険会社が保有している資本金・準備金等の支払余力」(すなわち単体ソルベンシー・マージン総額:下表の(A))の割合を示すために計算された指標が、「単体ソルベンシー・マージン比率」(下表の(C))です。
単体ソルベンシー・マージン比率は、行政当局が保険会社を監督する際に活用する客観的な判断指標のひとつですが、その数値が200%以上であれば「保険金等の支払能力の充実の状況が適当である」とされています。
当事業年度末の国内保険会社の単体ソルベンシー・マージン比率は、以下のとおりとなっています。東京海上日動火災保険株式会社については、前事業年度末と比べて15.6ポイント上昇して858.9%となりました。これは、巨大災害リスク相当額の減少による単体リスクの合計額の減少が主因です。
ⅰ)東京海上日動火災保険株式会社
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(単位:百万円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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(A) 単体ソルベンシー・マージン総額 |
5,384,523 |
5,287,626 |
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(B) 単体リスクの合計額 |
1,276,937 |
1,231,234 |
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(C) 単体ソルベンシー・マージン比率 [(A)/{(B)×1/2}]×100 |
843.3% |
858.9% |
ⅱ)日新火災海上保険株式会社
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(単位:百万円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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(A) 単体ソルベンシー・マージン総額 |
145,459 |
133,868 |
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(B) 単体リスクの合計額 |
23,361 |
22,542 |
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(C) 単体ソルベンシー・マージン比率 [(A)/{(B)×1/2}]×100 |
1,245.2% |
1,187.6% |
ⅲ)イーデザイン損害保険株式会社
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(単位:百万円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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(A) 単体ソルベンシー・マージン総額 |
15,484 |
12,988 |
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(B) 単体リスクの合計額 |
4,784 |
4,666 |
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(C) 単体ソルベンシー・マージン比率 [(A)/{(B)×1/2}]×100 |
647.2% |
556.6% |
ⅳ)東京海上日動あんしん生命保険株式会社
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(単位:百万円) |
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前事業年度 (2022年3月31日) |
当事業年度 (2023年3月31日) |
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(A) 単体ソルベンシー・マージン総額 |
648,429 |
555,469 |
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(B) 単体リスクの合計額 |
114,913 |
106,044 |
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(C) 単体ソルベンシー・マージン比率 [(A)/{(B)×1/2}]×100 |
1,128.5% |
1,047.6% |
c)資金の流動性に係る情報
当社グループの短期的な資金需要として、主に日々の保険金の支払等がありますが、強固なリスク管理態勢の下で保険事業を運営し、安定的にプラスの営業キャッシュ・フローを確保することにより、十分な流動性を保持しています。また、大規模自然災害による大口の支払や市場の混乱等により資金繰りが悪化する局面に備え、流動性の高い債券を保有すること等により、適切な流動性管理を行っています。
事業投資等の中長期的な資金需要に対しては、グループ内の自己資金を活用するほか、外部からの資金調達を行う等、資金需要の性質に応じて適切な資金源を確保しています。
d)目標とする経営指標の分析
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営方針 ③ 目標とする経営指標等」に記載のとおりです。
2022年度において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。
該当事項はありません。