本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営環境
日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響等により不透明感が残るものの、感染抑制と経済活動の両立に向けた基盤の整備や繰越需要の顕在化等により、その影響は徐々に和らぎ、回復の動きを続けていくと見込まれます。
生命保険業界におきましても、新型コロナウイルス感染症への対応を迅速かつ着実に継続していく必要があります。加えて、少子高齢化の進展、お客さまニーズの多様化、低金利環境の長期にわたる継続等により経営環境が変化しており、社会的課題(SDGs:持続可能な開発目標)を踏まえた企業経営、お客さま本位の商品・サービスの提供、資本効率の向上や資産運用の高度化等、業務運営の更なる質の向上に取り組んでいく必要があります。
(注)SDGs(Sustainable Development Goals):2015年国連サミットで採択された持続可能な世界を目指して
取組む17の目標。
(2)経営方針
当社グループは、「Try & Discover(挑戦と発見)による価値の創造を通じて、人と社会に貢献する」ことを経営理念として事業運営を行っております。2021年4月には、不確実性の高い現代において、コロナ禍をはじめとするあらゆる環境変化に左右されない企業として、中長期的にグループが目指す姿をあらためて明確にする必要があると考え、5年間の新たな経営方針『グループ長期ビジョン「Try & Discover 2025」~すべてのステークホルダーのしあわせのために~』を策定いたしました。
このグループ長期ビジョンでは、グループKPIとグループ成長戦略を新たに設定することにより、資本効率の向上を伴った成長ストーリーを推進していくことを全体方針として掲げております。また、グループ経営の道しるべを社内外に明示すべく、グループ経営ビジョンを以下のとおり一新いたしました。

この経営ビジョンには、これまで以上に1人・1社のステークホルダーのみなさまと丁寧に向き合うことで様々な変化を感じとり、従来の枠組みにとらわれない大胆な挑戦につなげていく、という想いを込めております。お客さまや金融市場から選ばれ続けるために、これまで以上に経済的価値と社会的価値の双方を追求する「共有価値の創造」を実践してまいります。
(3)グループKPI
グループ長期ビジョンの策定にあわせて、定量的な目標指標であるグループKPI(Key Performance Indicator)を以下のとおり設定しております。
(グループ長期ビジョン「Try & Discover 2025」におけるグループKPI)
(注)1 グループ修正利益=当期純利益±資産・負債の会計処理のアンマッチ等による評価性損益
+負債性内部留保の超過繰入額
2 修正ROE=修正利益/((前年度末純資産+当年度末純資産)/2)
3 ROEV=EV増減額/((前年度末EV+当年度末EV)/2)
4 「EV」、「新契約価値」については、「第2 事業の状況-3 経営者による財政状態、
経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析-(5)その他重要事項-(参考3) 市場整合的
エンベディッド・バリュー(MCEV)」をご参照ください。
(4)経営戦略(グループ成長戦略)
具体的な経営戦略として、強固な経営基盤と競争優位性を確保するための5つの重点テーマと11の戦略方針を設定し、「資本効率の向上によるグループ収益の拡大」と「事業を通じた社会課題の解決」を目指してまいります。

①コアビジネスの強化
当社グループは、“複数の独自性ある生命保険会社がそれぞれ特化戦略を追求”していることが強み・特徴と考えております。生命保険会社3社は、各社の特化戦略追求を通じた事業の領域拡大・強化により、保険収益力を強化し、グループ収益基盤の強靭化を図ってまいります。
また、コロナ禍における新しい生活様式や変化するお客さまニーズに対応するため、今後もリアルとデジタルのそれぞれの良さを融合した営業活動の変革とお客さまニーズを捉えた最適な商品・サービスの提供を通じて、それぞれの特化市場で、引き続きトップブランドの構築を目指してまいります。

<各社の具体的な取組方針>
(注)DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、進展するデジタル技術とビッグデータ・AIを
活用してお客さま・社会のニーズを理解し、新たな価値の創出に向けてビジネスモデルや組織、業
務、企業文化・風土を変革することを指します。
②事業ポートフォリオの多様化・最適化
生命保険会社3社がフォーカスするシニアマーケットは、今後も拡大が見込まれる一方で、超長期では国内市場は縮小の可能性があることや、今後デジタル技術が加速度的に進化するとの認識から、事業ポートフォリオの領域拡大を経営戦略の一つとしています。国内の生命保険事業を基盤としつつ、生命保険事業と親和性の高い領域でグループの強みを発揮するべく、クローズドブック事業における事業展開を拡大・発展させるとともに、新規事業の創出にも取り組んでまいります。また、資本を有効活用することで、グループ全体の資本効率を向上させるべく、グループ既存事業の最適化を含め、グループの事業ポートフォリオマネジメントを行ってまいります。
③ERMの高度化(資本マネジメントの進化)
資本マネジメントにおきましては、資本十分性を確保しつつ、ERM(注)の一層の活用を通じて、収益性の向上に取り組むことで、資本の効率性を高めていくことを基本としております。新型コロナウイルス感染症の影響による金融市場の変動等にも的確に対応しながら、グループ経営資源の最適化や成長投資と株主還元のバランスを図り、資本効率の向上に努めてまいります。
また、リスクマネジメントにおきましては、経済価値ベースの資本規制の導入を見据え、不確実性が高く、リスク対比リターンが低い、金利リスクの削減や政策保有株式の縮減を図ってまいります。これにより、資産運用リスクをコントロールする一方で、事業投資によるリスク量の拡大を進め、保険引受リスクとの最適なバランスを図っていく方針です。
(注)ERMとは、エンタープライズ・リスク・マネジメントの略で、資本・収益・リスクを一体的に管理するこ
とにより、企業価値の増大や収益の最大化といった経営目標を達成することを目的とした戦略的な経営管理
手法のことを言います。リスクを回避すべきものととらえる受動的なリスク管理と異なり、ERMでは、リ
スクは排除・削減するだけのものではなく、資本の一定範囲内に抑えて健全性を確保したうえで、収益追求
のために取るべきリスクを能動的に選択するものととらえます。
④グループ一体経営の推進
不確実性の高い経営環境に対応していくため、グループ内の経営資源を最大限に有効活用する必要があるとの認識のもと、保険商品の相互販売や資産運用の高度化等の分野において、グループ各社間の事業シナジー、コストシナジーをより一層追求してまいります。また、そのためのグループガバナンスの強化に向けて、新たなグループ文化の醸成やコミュニケーションの活性化を図り、人的資本の充実に取り組んでまいります。
⑤SDGs経営と価値創造
グループの事業を通じて、すべての人の健康で豊かな暮らしの実現、すべての人が活躍できる働く場づくり、気候変動の緩和と適応への貢献、投資を通じた持続可能な社会への貢献といったサステナビリティ重点テーマ(4つのマテリアリティ)の解決に取り組むことで共有価値を創造し、SDGs達成への貢献を推進してまいります。

(注)当社グループにおけるCO2排出量の削減目標
以上、2022年度は、グループ長期ビジョンの実現に向けた取組みを継続し、保険を通じて世の中のしあわせをつくってまいります。
経営環境や人々の価値観が大きく変化し、不確実性が高まっている現在においても、当社グループは役職員とその家族の健康と安全・安心を守りつつ、円滑かつ安定的な業務運営に取り組んでまいります。生命保険事業は、国民生活の安定・向上、経済発展や社会インフラの基盤として、持続可能な社会の実現に関わりを持つ、社会的使命を有する事業です。その社会的使命を果たすべく、グループ一丸となって取り組んでまいります。
以下において、当社及び当社グループの事業その他に関して投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項について記載しております。当社グループでは、これらのリスクを認識した上で、事態の発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。なお、本項において、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
本項においては、当社の傘下生命保険子会社である太陽生命保険株式会社(以下「太陽生命」といいます。)、大同生命保険株式会社(以下「大同生命」といいます。)及びT&Dフィナンシャル生命保険株式会社(以下「T&Dフィナンシャル生命」といいます。)の3社を「生命保険会社3社」、「生命保険会社3社」とともに当社が直接保有している「T&Dユナイテッドキャピタル株式会社」(以下「T&Dユナイテッドキャピタル」といいます。)、「T&Dアセットマネジメント株式会社」(以下「T&Dアセットマネジメント」といいます。)及び「ペット&ファミリー損害保険株式会社」(以下「ペット&ファミリー損害保険」といいます。)を併せた6社を「直接子会社」といいます。
(1) リスク管理
① リスク管理の基本的な考え方
当社グループでは、当社がグループにおけるリスク管理の基本的な考え方を定めた「グループリスク管理基本方針」を策定し、直接子会社は当方針のもと、関連会社を含めたリスク管理体制を整備しています。
当社は、グループにおけるリスクを統括管理するためグループリスク統括委員会を設置し、統一した経済価値ベースのリスク管理指標等に基づくリスクの状況について、直接子会社から定期的及び必要に応じて報告を受け、グループ各社が抱える各種リスクの状況を把握しています。また、当社は、グループ各社のリスクの状況を取締役会に報告するとともに、必要に応じて直接子会社に対し指導・助言を行うことにより、各社におけるリスク管理を徹底し、グループ全体のリスク管理体制の強化に取り組んでいます。
② リスク管理体制
当社グループでは、生命保険事業の社会公共性等に鑑み、経営の健全性及び適切性を確保するため、リスクを的確に把握し管理していくことを経営の重要課題の一つと位置づけ、持株会社である当社の統括管理のもと、グループ各社は自己責任原則に基づき事業特性に応じて適切なリスク管理を実施しています。
③ リスクの分類と対応
当社グループでは、金融市場の混乱、巨大災害、パンデミック、気候変動、サイバー攻撃など、経営上の様々なリスクを下記のとおり分類し、リスク分類ごとに管理方針を定め、リスクの発生を防止又は一定の許容範囲内にコントロールするよう努めています。
当社及び当社グループの事業その他に関して、重要であると考えられるリスクは次のとおりです。
(注)オペレーショナルリスクは、事務リスク(個人情報の漏えいリスクを含みます)・システムリスク・法務リスク・労務人事リスク・災害リスクに分類して管理しています。
④ リスクの認識と評価(リスクプロファイル)
当社グループでは、リスクの多様化・複雑化に対応するため、リスクプロファイル(注)を用いて、当社グループを取り巻くリスクを網羅的に整理しています。リスクカテゴリー別にリスクを網羅的に洗い出し、当該リスクを把握・評価するとともに、各リスクの重要性、影響度、コントロール状況等を総合的に勘案し、取組事項の優先順位づけに活用し、必要に応じて経営計画等へ反映しています。なお、新たな重要なリスクの発生や、既に認識しているリスクの大きな変更、社内・業界慣行の世間からの乖離等を的確に認識・把握するため、原則として半期ごとにリスクプロファイルの見直しを行い、グループリスク統括委員会及び取締役会に報告しています。
(注)「リスクプロファイル」とは、リスクの性質、規模など各リスクの特性を表すさまざまな要素により構成されるものの総称です。
⑤ 統合的リスク管理の取組み
当社グループでは、グループを取り巻く様々なリスクをリスク種類毎に定量化し、損失発生時の影響を把握するとともに、定量化していないリスクも含めた事業全体のリスクの適切なコントロールを通じて、経営目標の達成等に繋げる統合的リスク管理に取り組んでいます。
ア.リスクの定量化
当社グループでは、資産運用リスク、保険引受リスク、オペレーショナルリスク等について、内部モデルを用いてリスクを計測しています。具体的には、これらのリスクについて、バリュー・アット・リスクという指標を用いて計測し、計測期間1年、信頼水準99.5%の損失額をリスク量としています。
イ.リスクコントロール
上記の通り定量化したリスク(エコノミック・キャピタル)を、経済価値ベースの資産から負債を差し引いた純資産(サープラス)の一定の範囲内にコントロールするとともに、健全性に係る監督規制も踏まえつつ、財務の健全性、資本の十分性の確保を図っています。
2022年3月末のエコノミック・キャピタルは1兆4,802億円であり、サープラス3兆4,914億円に対して一定の範囲内にコントロールしています。
ウ.ストレステストの実施
定量化したリスクをコントロールしつつ、定量化で捉えきれないリスクにも適切に対応できるよう、幅広くリスクの把握に努めています。幅広く洗い出したリスクや、金融市場の大幅な悪化、大規模災害等、想定を上回る大きなショックが発生した場合の影響を確認するため、ストレステストを実施しています。ストレステストの結果を分析し、事前に対応策等を確認することにより、様々な局面においても健全性を維持できる態勢を構築しています。
(2) 持株会社のリスク
① 生命保険事業の業績への依存等に関するリスク
当社グループは、生命保険事業を主たる事業とする生命保険会社3社の業績に大きく依存しております。そのため、生命保険会社3社の経営状況が大きく変動した場合、又は生命保険会社3社の役割及び位置付けに大きな変更が生じた場合等は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。生命保険会社3社の業績については、当社取締役会等において予算実績差異管理や経営計画等の進捗状況をモニタリングするとともに、必要な助言・支援を実施しております。また、「事業ポートフォリオの多様化・最適化」をグループ長期ビジョンの成長戦略の柱の1つに掲げ、推進しております。
② 配当収入に関するリスク
当社の収入の大部分は、当社が直接保有している生命保険会社3社が当社に対して支払う配当となっております。一定の状況下では、保険業法及び会社法上の規制等により、生命保険会社3社が当社に支払うことができる配当の金額が制限される場合があります。また、生命保険会社3社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当を支払えない状況が生じた場合等には、当社は配当を支払えなくなるおそれがあります。生命保険会社3社の財務の健全性に関するリスクを適切にコントロールするとともに、予算実績差異管理や経営計画等の進捗状況に係るモニタリング等を通じて生命保険会社3社が当社に対して支払う配当の財源が確保できるよう管理しております。
③ 業務範囲の拡大に伴うリスク
当社グループは、今後も持株会社の利点を活かし、法令その他の条件の許す範囲内で、生命保険事業以外の分野に業務範囲を広げていくことを検討しております。当社グループは、拡大する業務範囲について全く経験がないか、限定的な経験しか有していないことがあります。また、業務範囲の拡大が進展しないか、又は当該業務の収益性が悪化した場合等には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。業務範囲の拡大にあたっては、生命保険事業に親和性のある分野を対象にするともに、当該業務に経験がある団体・企業との提携・協業を通じて事業を推進することで、リスクの抑制を図っております。また、実施計画を事前に検証し、実施後は適宜、モニタリングすることで、適切にリスクコントロールを実施しております。
④ 規制変更のリスク
当社及び当社グループの事業は、保険業法によって規制され、金融庁による監督を受けております。また、その他の規制(法令、実務慣行、解釈運用及び財政政策等の影響を含みます)の制約の下で業務を遂行しております。そのため、将来における規制の変更及びそれらによって発生する事態が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。法令・規制改正情報を継続的に確認し、当社グループの事業運営に与える影響が大きいと想定される変更については、グループ各社と情報を連携しながら影響を検証・対応する態勢としております。
(3) 事業のリスク
直接子会社における主なリスクは以下のとおりです。これらのリスクは当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があり、特に、生命保険事業における保険引受リスク及び資産運用リスクの影響が大きいと考えております。
① 生命保険事業のリスク
ア.保険引受リスク
経済情勢や保険事故の発生率等が、保険料設定時の予測に反して変動することにより損失を被るリスクであり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大等により保険金や給付金等の支払いが急増するリスクも含まれます。
当社グループでは、保険引受が長期にわたって経営に重大な影響を与えることを認識したうえで、保険引受リスクの把握・分析・評価を行い、適切なリスクコントロールを行っています。
保険料の検討段階では、経済情勢の変化や保険事故発生率等の推移を考慮した適切な保険料が設定されていることを検証するとともに、ご加入者の公平性・モラルリスク防止の観点から、保険商品の特性に応じた適切な引受基準を設定しています。販売開始後は、保険事故の発生率等の実績の分析や、責任準備金の積立に関する適切性や十分性の確認を定期的に行い、必要に応じて保険商品の販売方針、引受基準及び保険料率の変更等の措置を講じています。
大規模災害や感染症の大流行が発生した場合に多額の保険金等の支払いが発生するリスクに対して、保険業法に基づく危険準備金を積み立てておりますが、この準備金が実際の保険金等の支払いに十分でない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
また、当社グループは、再保険契約を活用しております。再保険契約はカウンターパーティー・リスク(再保険会社の信用リスク)を有しており、カウンターパーティーに債務不履行が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があるため、カウンターパーティーの債務不履行時に担保される金額の設定や、再保険の取引量のコントロール等により、カウンターパーティー・リスクを適切に管理しております。
イ.資産運用リスク
資産運用リスクは、市場リスク、信用リスク及び不動産投資リスクに分類し、それぞれの資産特性に応じて適切なリスクコントロールを行っています。
◇市場リスク
金利、有価証券等の価格、為替等の様々なリスクファクターの変動により、保有する資産・負債(オフバランス資産を含む)の価値が変動することにより損失を被るリスクをいいます。
◇信用リスク
信用供与先の財務状況の悪化等により、資産(オフバランス資産を含む)の価値が減少ないし消失することにより損失を被るリスクをいいます。
◇不動産投資リスク
賃貸料等の変動等を要因として不動産に係る収益が減少する、又は市況の変化等を要因として不動産価格自体が減少することにより損失を被るリスクをいいます。
当社では、グループ全体での特定の業種・グループ等に対する与信集中の状況や、問題債権の管理・回収状況等についてモニタリングを行っています。
なお、当社グループでは、2022年3月期に当社グループの関連会社の再保険会社であるFortitude Reinsurance Company, Ltd.や当社グループ外の再保険会社に対し、太陽生命の個人年金保険契約の一部を出再することで、お客様に年金等を安定的にお支払いする財源を確保するとともに、資産運用リスクを削減し、将来の収益及び資本効率の向上を図っております。
ウ.流動性リスク
流動性リスクは、資金繰りリスクと市場流動性リスクに区分されます。
◇資金繰りリスク
事業収支の悪化、巨大災害での資金流出等により資金繰りが悪化し、資金の確保に通常よりも著しく低い価格での資産売却を余儀なくされることにより損失を被るリスクをいいます。
◇市場流動性リスク
市場の混乱等により市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクをいいます。
当社グループでは、生命保険会社3社が資金繰りの状況をその逼迫度に応じて区分したうえで、各区分に応じた管理方法を定め、一定の流動性を確保するとともに、資金調達のために資産の流動化を円滑に行えるよう体制を整備することにより適切なリスクコントロールを行っています。
エ.オペレーショナルリスク
オペレーショナルリスクは、事務リスク(個人情報の漏えいリスクを含みます)・システムリスク・法務リスク・労務人事リスク・災害リスクに分類して管理しております。
◇事務リスク
役職員等が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正・情報漏洩等を起こすことにより損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、すべての業務に事務リスクが存在することを認識し、グループ各社ごとに事務リスクの管理体制を整備することにより事務リスクの発生防止・軽減に努めています。
また、個人情報の取扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」及びその特別法である「行政手続における特定の個人を識別するための番号利用等に関する法律」等に対応し、個人情報保護に関する方針や個人情報保護宣言(プライバシーポリシー)の制定、各種規程・マニュアルの整備、個人情報保護に関する統括推進組織の設置、教育・研修の実施等を通じて、個人情報の保護・情報セキュリティ管理の徹底等に努めるなど、細心の注意を払っております。
万一、個人情報が漏洩した場合には、当社グループへの社会的信用、評判、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
◇システムリスク
コンピュータシステムのダウンや誤作動等、システムの不備等に伴い損失を被るリスク、又はコンピュータが不正に使用されることにより損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、すべての業務を取扱うシステムに、システムリスクが存在することを認識し、システムリスクの管理体制を整備することにより、システムリスクの発生防止・軽減、及びリスク発生時の損失の極小化に努めています。
また、ファイアウォールやウィルス対策ソフト等による不正侵入・不正使用防止等のセキュリティ対策を講じ、コンピュータシステムの安定稼動の確保に努めています。
システムに重大な障害が発生した場合には、各種業務において支障をきたすとともに、当社グループへの信頼が損なわれ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
◇法務リスク
諸法令等の遵守を怠ること等により損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、コンプライアンスを推進することにより、リスクの発生防止に努めています。また、訴訟等の紛争が生じることにより損害賠償費用等の損失を被る懸念が生じた場合は、弁護士等と連携することなどにより早期解決を図り、損失の極小化に努めています。
当社グループは、「T&D保険グループCSR憲章」、「T&D保険グループコンプライアンス行動規範」及び「T&D保険グループコンプライアンス態勢整備基本方針」を制定のうえ、役職員に周知し、コンプライアンスの推進に取り組んでおります。また、当社及び直接子会社では、コンプライアンスに関する具体的な実践計画として「コンプライアンス・プログラム」を事業年度ごとに策定・実施し、コンプライアンスの徹底を図っているほか、業務遂行において遵守すべき法令等の解釈などを具体的に解説した「コンプライアンス・マニュアル」を作成し、手引書及び研修教材として活用しております。さらに、内部通報制度として「T&D保険グループヘルプライン」を設置し、グループ内のすべての役職員からコンプライアンス違反等の通報を受け付け、早期発見・未然防止に取り組んでおります。
これらの取組みにもかかわらず、今後当社グループの役職員により、法令・諸規則の違反、詐欺的行為その他不適切な行為等が行われ、それに伴う処分や訴訟提起など、法令等違反に起因した様々な問題が生じた場合には、当社グループの社会的信用、評判、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
◇労務人事リスク
雇用問題、労務管理、人材流出、人権問題等、労務・人事上のトラブルが発生することにより損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、労務人事リスクの存在を認識し、労務人事リスクの管理体制を整備することにより、労務人事リスクの発生防止・軽減に努めています。
◇災害リスク
大規模災害等に対する予防対策、あるいは発生時の緊急措置体制が整備されていないことにより損失を被るリスクをいいます。
当社グループでは、大地震や風水害等の災害や、感染症の流行を想定し、予防対策及び発生時の緊急対応体制を整備することにより、災害リスクの発生防止・軽減に努めています。
※新型コロナウイルス感染症への対応について
当社グループでは、今般の新型コロナウイルス感染症に対して、グループ内で緊密に情報連携を行い適切かつ迅速に対応するため、当社社長を本部長とするグループ危機対策本部を設置し、グループ全体での緊急措置体制をとっております。
当該緊急措置体制のもと、政府や都道府県の方針・要請、業界のガイドライン等に従い、基本的な感染予防の徹底、リモートシステムによる会議や在宅勤務の活用等により、感染拡大防止に努めるとともに、国民の経済活動を支援する金融機能の維持や顧客保護の観点から、保険金・給付金の確実なお支払や、コールセンターをはじめとする各種業務の継続について、適切な対応に努めております。
オ.風評リスク
当社グループ又は生命保険業界に関する悪評・信用不安情報等が保険契約者、投資家、マスコミ、インターネット、その他社会一般等に広がり、株価の下落、グループ各社の業績に悪影響が生じる等の事態が発生することにより損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、風評リスクに関する情報、噂の収集を図るとともに、風評に接した場合の対応・報告体制を明確にすることにより、風評リスクの発生防止・軽減に努めています。
カ.関連会社等リスク
直接子会社の子会社・関連会社及び事業投資先において収支が悪化あるいは各種リスクが顕在化すること等により損失を被るリスクをいいます。当社グループでは、生命保険会社3社等の子会社・関連会社及び事業投資先における収支の状況、各種リスクの発生状況を把握し、適切なリスクコントロールを行っています。
キ.その他
ⅰ 競合について
a 生命保険会社の状況
◇競合する生命保険会社
国内で「生命保険業免許」又は「外国生命保険業免許」を受けている会社は、当社グループの生命保険会社3社を含めて、合計42社あります(2022年3月末現在)。これらの保険会社は、生命保険契約を募集・維持管理する上においてはすべて当社グループと競合関係にあるといえ、これらの会社との競争が激化することにより、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
◇生命保険業界の動向
少子高齢化の進展や労働力人口の減少等により、将来的には新契約高や保有契約高が減少する可能性があります。その中にあって、新たなチャネルを有する保険会社の新規参入や様々な形態での業界再編、戦略的提携が行われており、今後さらに国内市場における業界再編等が進展する可能性があります。また、銀行等による保険販売の全面解禁に見られるように、自由化・規制緩和の動きが今後も進むことが予想されます。その結果、生命保険の商品価格、サービス面等の競争激化が予想され、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
b 生命保険事業における競合関係
民間生命保険会社が提供する生命保険と類似する機能を持つものとして、全国共済農業協同組合連合会、全国労働者共済生活協同組合連合会及び全国生活協同組合連合会等による生命共済等があり、生命保険会社3社が従事している生命保険事業と競合関係にあります。
また、金融機能に関わる分野では、企業年金資産の管理及び運用等の受託については主として信託銀行と、その資産運用の受託については主として投資顧問会社と競合関係にあります。
他社と競合関係にある事業について、生命保険会社3社の競争力が低下した場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
ⅱ 生命保険契約者保護機構に係る負担金について
生命保険契約者保護機構(以下「保護機構」といいます)は、生命保険会社が破綻した場合の保険契約者の保護を充実させるため、保険業法に基づいて、1998年12月に設立された法人であり、国内で営業を行うすべての生命保険会社(外国保険会社の日本支店を含みます)が会員として加入しております。保護機構は、保険契約者等のための相互援助制度として、生命保険会社が破綻した場合に、破綻生命保険会社の保険契約の移転等における資金援助、承継生命保険会社の経営管理、保険契約の引受け、補償対象保険金の支払いに係る資金援助及び保険金請求権等の買取り等を行います。保護機構が行う破綻生命保険会社に係る資金援助等の財源は、会員各社の負担金からまかなうこととなっております。ただし、2027年3月末までに生命保険会社が破綻した場合で、会員各社の負担金だけで資金援助等の対応ができない場合には、国から保護機構に対して補助金を交付することが可能とされております。会員は保護機構に対してこれまでの破綻処理に対する負担金を保護機構の定款に定める基準により毎年納付しており、支出した年度毎に事業費として計上しております。
当社グループは今後も当面負担金を計上することになりますが、生命保険業界における生命保険会社3社の収入保険料や責任準備金のシェアが変動した場合、それに応じて当社グループの負担額も変動します。また、前記のとおり保護機構からの資金援助を要する生命保険会社の破綻が生じた場合には当社グループの負担額が増加する可能性があります。
ⅲ 繰延税金資産について
当社グループは、日本の会計基準に基づき、将来の税金負担額の軽減効果を有すると見込まれる額を繰延税金資産として納税主体毎に繰延税金負債と相殺したうえで連結貸借対照表に計上しております。繰延税金資産の計上は、将来の課税所得の見積りに関する前提を含め様々な前提に基づいており、実際の課税所得は前提とは異なる可能性があります。また、今後、会計基準等の変更や、当社グループの将来の課税所得の見積額の変更等により、当社グループの繰延税金資産の一部又は全部の回収が困難であると当社グループが判断した場合、当社グループは、繰延税金資産の計上額を減額する可能性があります。なお、法人税制の改正により、法定実効税率が引き下げとなった場合には、繰延税金資産の計上額を減額することとなります。それらの結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
ⅳ 格付けについて
生命保険会社の保険金支払能力等に対して、格付機関が格付けを付与しております。今後、生命保険会社3社の支払余力、収益力、資産の質等の悪化により保険金支払能力格付け等が引き下げられた場合又は引き下げの検討を行うことが公表された場合、新契約の減少や解約の増加等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
② その他事業のリスク
ア.アセット・マネジメント事業に関するリスク
当社は、直接子会社であるT&Dアセットマネジメントを通じて、第二種金融商品取引業や投資運用業、投資助言・代理業により、国内外の年金・機関投資家及び個人投資家に資産運用サービスを提供しております。これらのサービスの対価である委託者報酬や運用受託報酬は、投資家より受託した運用資産の残高に基づいているため、市場価格の変動、又は解約が増加するなどにより運用資産残高が減少する場合には、同社の収入が減少し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
運用資産残高は、同社の執行役員会、取締役会での月次報告等により現状を把握し、リスク発生の予兆把握又は影響軽減等の管理に努めております。また、持株会社である当社においても、四半期毎に経営計画進捗状況についての定量面、定性面を含めたモニタリングを行っております。
イ.損害保険事業に関するリスク
当社は、直接子会社であるペット&ファミリー損害保険を通じて、ペット保険事業を営んでおります。同社の市場は拡大傾向にあり、今後も成長ポテンシャルを有していると考えていますが、一方で近年支払保険金の増加傾向が顕著であり、収支の圧迫要因となっています。当社は同社の財務基盤強化を目的として、2021年12月に17億円の資本増強を実施しました。今後も同社の財務基盤の強化又は事業拡大のための支援のために、同社への追加投資、その他の経営資源の投入が必要となる可能性があります。また、他社との競合が激しくなった場合、若しくはペット保険への需要が減少した場合、又はペットの伝染病発生等により損害率が上昇した場合には、同社の収益が悪化し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
同社の業績及び財務健全性の基準であるソルベンシー・マージン比率の状況に関しては毎月、また、保険引受リスクに関しては四半期ごとに、同社取締役会等の会議体において確認しており、それらの情報は当社に報告されております。実績が予算に対して著しく悪化している場合には、適宜必要な対応策を講じることとしております。
ウ.クローズドブック事業に関するリスク
クローズドブックとは、新規引受を停止した保険商品の保有契約ブロックを指します。また、クローズドブック事業とは、他の保険会社が事業環境の変化等に応じて事業戦略・商品ポートフォリオを見直した結果として分離されるクローズドブックを取得・集約し、事業の効率化等による価値向上の取組みを通じて収益を獲得する保険会社の事業形態・ビジネスモデルです。なお、欧米では、事業環境の変化等に応じた事業戦略・商品ポートフォリオの見直しの一環として、クローズドブック取引の市場が普及しており、大きな市場となっております。
当社は、直接子会社であるT&Dユナイテッドキャピタルを通じて、クローズドブック専業保険会社であるFGH Parent, L.P. (以下「フォーティテュード社」といいます。)を当社の持分法適用の関連会社としております。
フォーティテュード社において、新たなクローズドブックの取得が順調に進捗しない場合や、保険・運用収支が悪化した場合等には、フォーティテュード社の収益が減少し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは、T&Dユナイテッドキャピタルの北米拠点であるT&D United Capital North America Inc.からフォーティテュード社へ取締役を派遣するなど、フォーティテュード社事業への直接的関与・牽制・モニタリングを行うとともに、グループの知見を活用した継続的なリスク管理態勢の強化を行っています。
なお、フォーティテュード社は、ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)を通じて経済価値ベースの企業価値及び規制上の健全性の安定化を図っておりますが、米国会計基準を採用していることから、会計上は、資産の大半を占める再保険貸資産(再保険取引に関連して元受保険会社に留め置かれている社債等に対する債権)の時価変動を当期の損益として認識する一方で、保険負債については評価方法に相違(例えば、金利上昇局面では計算前提となる割引率の見直しを行わない等)があり、市場の変動によっては、会計上の利益に一時的な影響を与える場合があります。
そのため、当社グループでは2021年3月期より、市場の変動により会計上生じる一時的な評価性損益を一部調整した「グループ修正利益」をグループの経営実態を表す指標として導入しています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、本項において、「当社」とは株式会社T&Dホールディングスを意味し、「当社グループ」とは当社並びにその連結子会社及び関連会社を意味しております。また、当社の傘下生命保険子会社である太陽生命保険株式会社(以下「太陽生命」といいます)、大同生命保険株式会社(以下「大同生命」といいます)及びT&Dフィナンシャル生命保険株式会社(以下「T&Dフィナンシャル生命」といいます)の3社を「生命保険会社3社」といいます。
2021年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続いたものの、海外経済の回復や緩和的な金融環境、政府の経済対策等に支えられて、持ち直しの傾向にありました。
生命保険業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が依然としてありましたが、保障ニーズの高まりや営業活動におけるデジタル活用の定着等によって、新契約業績は前年度より増加しました。
資産運用環境につきましては、世界的な需要拡大等を受けたインフレ率の上昇やそれに伴う米国金融緩和策の引き締め方向への転換等により、海外金利は年度末にかけて上昇しました。この間、国内金利は、10年長期国債利回りが日本銀行の許容する変動幅の上限(0.25%)近くまで上昇しました。一方、国内株式は、ロシアのウクライナ侵攻により地政学リスクが高まったことや世界経済の先行きに対する不透明感が増したことで下落しました。
当社グループは、グループ長期ビジョン「Try & Discover 2025」に基づく、グループ成長戦略に取り組み、絶えず変化する人と社会の課題の解決に貢献することで、社会とともに成長する保険グループを目指しております。
つきましては、2021年度の当社グループの主な取組みについてご報告いたします。
①コアビジネスの強化
当社グループは、「お客さま本位」をグループ共通の価値観として、お客さまの利益に繋がる真摯・誠実かつ公正・適切な企業活動を行うために、「T&D保険グループお客さま本位の業務運営に係る基本方針」を定めており、基本方針の趣旨・精神を尊重する企業文化の醸成に取り組んでまいります。この基本方針のもと、生命保険会社3社は、それぞれの特化市場における独自のビジネスモデルに基づき、「コアビジネスの強化」に取り組みました。
(注)1 「健康経営® 」は、「特定非営利活動法人 健康経営研究会」の登録商標です。
2 企業の健康診断の受診促進の支援、経営者・従業員個々の生活習慣病等の発症リスク分析、継
続的な健康増進の取組みを促す健康促進ソリューションとインセンティブの提供等、健康経営
に必要なPDCAサイクルの実践を一貫してサポートするWebサービスです。
なお、太陽生命では、2022年3月に、将来収益及び資本効率の向上を図ることを目的として、個人年金保険の一部を再保険会社に出再いたしました。
②事業ポートフォリオの多様化
当社グループは、国内生命保険事業をコアとするグループ既存事業での利益拡大に加え、グループの経営資源を成長事業に配賦し、資本効率の向上に取り組んでまいります。この方針のもと、T&Dユナイテッドキャピタルは、クローズドブック事業等への投資を通じて、ポートフォリオの多様化に取り組みました。
当連結会計年度の業績は、次のとおりです。
なお、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)に記載のとおり、旧フォーティテュード社におけるグループ組織再編に伴い、米国会計基準上、旧フォーティテュード社において、2020年6月2日に遡って同社の負債が新たな計算方式で再評価されていることから、前連結会計年度は当該取扱いを反映した遡及適用後の数値を記載するとともに、当該数値で前年同期及び前連結会計年度末との比較を行っております。
(連結収支)
① 経常収益
ア 保険料等収入
保険料等収入は、概ね前期並みとなっております。
イ 資産運用収益
資産運用収益は、株式配当金や外国証券利息配当金の増加による利息及び配当金等収入の増加等により、前期比で増加しております。
(当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)の資産運用収益の状況)
ウ その他経常収益
その他経常収益は、太陽生命の既契約年金ブロック再保険取引に伴う責任準備金戻入額の増加等により、前期比で大幅に増加しております。
エ 持分法による投資利益
持分法による投資利益は、米国金利上昇に伴いフォーティテュード社において再保険貸資産評価損を計上したこと等により、前期比で減少しております。なお、持分法による投資利益には、太陽生命とフォーティテュード社の再保険取引に係る未実現利益の調整227億円が含まれます。
② 経常費用
ア 保険金等支払金
保険金等支払金は、太陽生命の既契約年金ブロック再保険取引に伴う再保険料※の増加等により、前期比で大幅に増加しております。
※再保険契約に基づいて再保険会社へ支払う保険料。
イ 責任準備金等繰入額
責任準備金等繰入額は、太陽生命の既契約年金ブロック再保険取引に伴う責任準備金戻入額の発生等により、前期比で大幅に減少しております。
ウ 資産運用費用
資産運用費用は、為替ヘッジコスト低下等に伴う金融派生商品費用の減少、有価証券売却損の減少等により、前期比で減少しています。
(当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)の資産運用費用の状況)
③ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前期比で大幅に減少しております。
④ 特別利益・特別損失
特別利益は、固定資産等処分益の減少等により、前期比で減少しております。
特別損失は、減損損失の減少や前期に新型コロナウイルス感染症による損失を計上した反動等により、前期比で減少しております。
⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比で大幅に減少しております。
なお、親会社株主に帰属する当期純利益に対し、市場の変動により会計上生じる一時的な評価性損益等△250億円を控除したグループ修正利益は、392億円(前期比49.6%減)となりました。
(セグメントの収支)
○生命保険会社3社
<太陽生命>
① 経常収益
ア 保険料等収入
保険料等収入は、保有契約の減少等により、前期比で減少しております。
イ 資産運用収益
資産運用収益は、株式配当金や外国証券利息配当金等の増加による利息及び配当金等収入の増加や、円安に伴う為替差益の増加等により、前期比で増加しております。
ウ その他経常収益
その他経常収益は、既契約年金ブロック再保険取引に伴う責任準備金戻入額の増加等により、前期比で大幅に増加しております。
② 経常費用
ア 保険金等支払金
保険金等支払金は、既契約年金ブロック再保険取引に伴う再保険料の増加等により、前期比で大幅に増加しております。
イ 責任準備金等繰入額
責任準備金等繰入額は、既契約年金ブロック再保険取引に伴う責任準備金戻入額の増加等により、前期比で大幅に減少しております。
ウ 資産運用費用
資産運用費用は、主にヘッジコスト低下に伴う金融派生商品費用の減少、有価証券売却損の減少により、前期比で減少しております。
エ 事業費
事業費は、新契約業績好調等による営業職員報酬の増加等により、前期比で増加しております。
③ 経常利益又は経常損失
以上の結果、経常利益は前期比で減少し、経常損失となっております。
④ 特別損失
特別損失は、減損損失の減少や前期に新型コロナウイルス感染症による損失を計上した反動等により、前期比で減少しております。
⑤ 当期純利益又は当期純損失
以上の結果、当期純利益は前期比で減少し、当期純損失となっております。
<大同生命>
① 経常収益
ア 資産運用収益
資産運用収益は、外国証券利息配当金の増加等により、前期比で増加しております。
② 経常費用
ア 保険金等支払金
保険金等支払金は、解約返戻金の増加等により、前期比で増加しております。
イ 資産運用費用
資産運用費用は、ヘッジコスト低下に伴う金融派生商品費用の減少等により、前期比で減少しております。
ウ 事業費
事業費は、新契約業績好調等による代理店報酬増やシステム経費増等により、前期比で増加しております。
③ 経常利益
以上の結果、経常利益は、前期比で増加しております。
④ 特別損失
特別損失は、前期に減損損失や新型コロナウイルス感染症による損失を計上した反動等により、前期比で減少しております。
⑤ 当期純利益
以上の結果、当期純利益は、前期比で増加しております。
<T&Dフィナンシャル生命>
① 経常収益
ア 保険料等収入
保険料等収入は、新商品(変額保険)の販売開始等により、前期比で増加しております。
イ 資産運用収益
資産運用収益は、金銭の信託運用益の増加等により、前期比で増加しております。
② 経常費用
ア 保険金等支払金
保険金等支払金は、再保険料及び解約返戻金の増加等により、前期比で増加しております。
イ 責任準備金等繰入額
責任準備金等繰入額は、金利の上昇等に伴う一時払終身保険の責任準備金繰入額の減少等により、前期比で減少しております。
③ 経常利益又は経常損失
以上の結果、経常利益は、前期比で増加しております。
④ 特別損失
特別損失は、概ね前期並みとなっております。
⑤ 当期純利益又は当期純損失
以上の結果、当期純利益は、前期比で増加しております。
○T&Dユナイテッドキャピタル(連結)
主に米国金利上昇に伴いフォーティテュード社において再保険貸資産評価損を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から533億円減少し、79億円の親会社株主に帰属する当期純損失(前期は454億円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。 なお、修正利益については、前期から60億円増加し、186億円(前期比48.7%増)となりました。
(生命保険会社3社の契約業績等(単体))
生命保険会社3社(合算)の契約業績は以下のとおりであります。
個人保険及び個人年金保険を合計した新契約年換算保険料(新契約には、転換による純増加を含みます。以下同じ)は、保障ニーズの高まる中、対面・非対面を融合した営業の定着等により1,219億円(前期比10.5%増)となり、前期比で増加しました。医療保障・生前給付保障等の第三分野の新契約年換算保険料についても、359億円(同12.1%増)となり、前期比で増加しました。
また、個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約年換算保険料は1兆5,431億円(同0.5%増)となり、前期比で増加しました。
個人保険及び個人年金保険を合計した新契約高(新契約には、転換による純増加を含みます。以下同じ)は、3兆4,824億円(同9.5%増)となり、前期比で増加しました。
また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約高は54兆2,502億円(同2.9%減)となり、前期比で減少しました。
以下、生命保険会社3社の契約業績に重要な影響を与えた要因について説明いたします。
① 太陽生命
個人保険及び個人年金保険を合計した新契約年換算保険料は、保障ニーズの高まる中、対面・非対面を融合した営業の定着等により341億円(前期比3.2%増)となり、前期比で増加しました。医療保障・生前給付保障等の第三分野の新契約年換算保険料についても、197億円(同11.4%増)となり、前期比で増加しました。また、個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約年換算保険料は、5,800億円(同1.6%減)となり、前期比で減少しました。
個人保険及び個人年金保険を合計した新契約高は、1,796億円(同26.2%減)となり、前期比で減少しました。また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約高は14兆5,275億円(同10.8%減)となり、前期比で減少しました。
② 大同生命
個人保険及び個人年金保険を合計した新契約年換算保険料は、保障ニーズの高まる中、対面・非対面を組み合わせた丁寧なコンサルティング営業の実践等により606億円(前期比18.8%増)となり、前期比で増加しました。医療保障・生前給付保障等の第三分野の新契約年換算保険料についても、155億円(同11.1%増)となり、前期比で増加しました。また、個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約年換算保険料は、7,989億円(同0.1%増)となり、概ね前期並みとなりました。
個人保険及び個人年金保険を合計した新契約高は、2兆8,814億円(同14.7%増)となり、前期比で増加しました。また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約高は36兆7,252億円(同0.5%減)となり、概ね前期並みとなりました。
③ T&Dフィナンシャル生命
個人保険及び個人年金保険を合計した新契約年換算保険料は、新商品(変額保険)販売開始等により、271億円(前期比3.4%増)となり、前期比で増加しました。医療保障・生前給付保障等の第三分野の新契約年換算保険料についても、7億円(同72.8%増)となり、前期比で増加しました。また、個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約年換算保険料は、1,641億円(同11.0%増)となり、前期比で増加しました。
個人保険及び個人年金保険を合計した新契約高は、4,212億円(同1.3%減)となり、前期比で減少しました。また、当連結会計年度末の個人保険及び個人年金保険を合計した保有契約高は2兆9,973億円(同10.9%増)となり、前期比で増加しました。
以下、[保険引受業務] ア 保有契約高明細表、イ 新契約高明細表、ウ 保有契約年換算保険料明細表、エ 新契約年換算保険料明細表、オ 保険料明細表及びカ 保険金等明細表に記載の各数値は、太陽生命、大同生命及びT&Dフィナンシャル生命の合算数値であります。
当連結会計年度末のセグメント別保有契約高
(注) 1 個人年金保険、団体保険(年金特約)の金額は、年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資(ただし、変額個人年金保険は、責任準備金(最低保証に係る部分を除く))と年金支払開始後契約の責任準備金額の合計額であります。
2 団体年金保険の金額は、責任準備金額であります。
3 その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計で表示しております。なお、各々の計上基準については、財形保険、財形年金保険の金額は、責任準備金額(財形年金保険(財形年金積立保険を除く)の年金支払開始前契約は年金支払開始時における年金原資)、医療保障保険の金額は入院給付金日額、就業不能保障保険の金額は就業不能保険金月額であります。
当連結会計年度のセグメント別新契約高
(注) 1 個人保険及び個人年金保険は、転換による純増加を含みます。
2 個人年金保険の金額は、年金支払開始時における年金原資であります。
3 団体年金保険の金額は、第1回収入保険料であります。
4 その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計で表示しております。なお、各々の計上基準については、財形保険、財形年金保険の金額は、第1回収入保険料(財形年金保険(財形年金積立保険を除く)の年金支払開始前契約は年金支払開始時における年金原資)、医療保障保険の金額は入院給付金日額、就業不能保障保険の金額は就業不能保険金月額であります。
当連結会計年度末のセグメント別保有契約年換算保険料
(注) 1 年換算保険料とは、1回当たりの保険料について保険料の支払方法に応じた係数を乗じ、1年当たりの保険料に換算した金額であります(一時払契約等は、保険料を保険期間で除した金額)。
2 医療保障・生前給付保障等には、医療保障給付(入院給付、手術給付等)、生前給付保障給付(特定疾病給付、介護給付等)、保険料払込免除給付(障がいを事由とするものは除く。特定疾病罹患、介護等を事由とするものを含む。)等に該当する部分の年換算保険料を計上しております。
当連結会計年度のセグメント別新契約年換算保険料
(注) 転換による純増加を含みます。
当連結会計年度のセグメント別保険料
(注) その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計で表示しております。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当連結会計年度のセグメント別保険金等
保険金
年金
給付金
解約返戻金
その他返戻金
(注) その他は、財形保険、財形年金保険、医療保障保険、就業不能保障保険、受再保険の合計で表示しております。
(資本の財源及び資金の流動性)
資本の財源及び資金の流動性については、「(2)財政状態の状況」及び「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は17兆8,134億円(前年度末比0.1%減)となりました。
主な資産構成は、公社債を中心とする有価証券12兆9,481億円(同0.3%減)、貸付金1兆6,952億円(同2.3%減)、金銭の信託1兆3,248億円(同16.3%増)、現金及び預貯金8,906億円(同12.7%減)、有形固定資産3,726億円(同0.8%減)であります。
負債合計は16兆4,239億円(同0.6%増)となりました。その大部分を占める保険契約準備金は14兆5,053億円(同1.8%減)となっております。
純資産合計は1兆3,895億円(同7.5%減)となりました。純資産の部中、その他有価証券評価差額金は5,096億円(同11.3%減)となっております。
(3)キャッシュ・フローの状況
当社の営業活動によるキャッシュ・フローは、保険料等収入によるキャッシュイン、保険金等支払によるキャッシュアウトが大半を占めております。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前期から8,973億円支出増の3,968億円の支出となりました。
これは主に、太陽生命の既契約年金ブロック再保険取引に伴い保険金等支払金が増加したことによるものです。
なお、保険料等収入は、概ね前期並みの1兆7,819億円となりました。
当社の投資活動によるキャッシュ・フローは、収入保険料の運用に係るキャッシュ・フローが中心です。主な資産運用に関するキャッシュ・フローは有価証券の取得・売却等、資金の貸付・回収等です。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前期から5,446億円収入増の2,831億円の収入となりました。
これは主に、太陽生命の既契約年金ブロック再保険取引に伴い有価証券の売却を行ったことによります。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前期から143億円支出減の577億円の支出となりました。
これは主に、自己株式の取得による支出454億円、配当金の支払による支出306億円、借入れによる収入311億円、借入金の返済による支出108億円によります。また、前期からの増減は、自己株式取得が増加する一方、借入れによる収入増及び前期に社債の償還による支出があったことの反動によります。
なお、当社の株主還元は、当社及びグループ会社の経営の健全性維持に留意し、グループとして必要な内部留保を確保したうえで株主価値の向上に取り組み、安定的な利益配分を実施していくことを基本方針としております。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期から1,702億円減少し、9,152億円(前年度末残高は1兆855億円)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
当社グループの主たる事業である生命保険業における業務の特殊性により、該当する情報がないため記載しておりません。
(5)その他重要事項
生命保険会社3社合算の基礎利益は1,840億円(前期比14.3%増)、順ざや額は948億円(同63.2%増)となりました。
当連結会計年度末の連結ソルベンシー・マージン比率は1,026.3%となりました(前連結会計年度末は1,094.7%)。また、連結実質純資産は2兆6,675億円となりました(同3兆1,008億円)。
生命保険会社3社のその他重要事項は以下のとおりです。
① 太陽生命
基礎利益は、順ざやの増加等により551億円(前期比4.6%増)となりました。順ざや額は、利息及び配当金等収入の増加等により429億円(同45.2%増)となりました。
ソルベンシー・マージン比率は734.2%(前年度末は852.8%)となりました。また、実質純資産額は8,520億円(同1兆1,542億円)となりました。
② 大同生命
基礎利益は、順ざやの増加等により1,316億円(前期比17.9%増)となりました。順ざや額は、利息及び配当金等収入の増加等により542億円(同74.9%増)となりました。
ソルベンシー・マージン比率は1,203.8%(前年度末は1,293.5%)となりました。また、実質純資産額は1兆5,661億円(同1兆6,858億円)となりました。
③ T&Dフィナンシャル生命
基礎利益は、△26億円(前期は△32億円)となりました。逆ざや額は22億円(前期比6.7%減)となりました。
ソルベンシー・マージン比率は749.5%(前年度末は826.8%)となりました。また、実質純資産額は1,097億円(同1,928億円)となりました。
(当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)の基礎利益)
(当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)の順ざやの状況)
(注) 1 順ざや額は、次の算式で算出しております。
順ざや額=(基礎利益上の運用収支等の利回り-(期中)平均予定利率)×一般勘定(経過)責任準備金
2 基礎利益上の運用収支等の利回りは、基礎利益に含まれる運用収支(一般勘定分の資産運用損益)から契約者配当金積立利息繰入額を控除したものの、一般勘定(経過)責任準備金に対する利回りのことであります。
3 (期中)平均予定利率は、予定利息の一般勘定(経過)責任準備金に対する利回りのことであります。
4 一般勘定(経過)責任準備金は、危険準備金を除く一般勘定部分の責任準備金について、以下の方式で算出しております。
一般勘定(経過)責任準備金=(期始責任準備金+期末責任準備金-予定利息)×1/2
(当連結会計年度末(2022年3月31日)のソルベンシー・マージン比率の状況)
(当連結会計年度末(2022年3月31日)の実質純資産額の状況)
(注) 1 上記は、保険業法施行規則第210条の11の3、第210条の11の4及び平成23年金融庁告示第23号の規定に基づいて算出しております。
2 「最低保証リスク相当額 R7」は、標準的方式を用いて算出しております。
太陽生命
(注) 1 保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
2 「最低保証リスク相当額 R7」は、標準的方式を用いて算出しております。
大同生命
(注) 1 保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
2 「最低保証リスク相当額 R7」は、標準的方式を用いて算出しております。
T&Dフィナンシャル生命
(注) 1 保険業法施行規則第86条、第87条及び平成8年大蔵省告示第50号の規定に基づいて算出しております。
2 「最低保証リスク相当額 R7」は、標準的方式を用いて算出しております。
①市場整合的エンベディッド・バリューについて
エンベディッド・バリュー(Embedded Value、以下、EV)とは、株主に帰属すると考えられる価値であり、貸借対照表などから計算される「修正純資産」と、保有契約に基づき計算される「保有契約価値」を合計したものであります。欧州では、生命保険会社の企業価値を評価する指標の一つとされております。
現行の生命保険会社の財務会計では、新契約獲得から会計上の利益の実現までにタイム・ラグがあります。
一方、EVでは、将来の利益貢献が新契約獲得時に認識されるため、財務会計による財務情報を補強することができると考えられております。
当グループでは、欧州の主要保険会社のCFO(Chief Financial Officer:最高財務責任者)から構成されるCFOフォーラムによって公表されたEV計算の基準である「The European Insurance CFO Forum Market Consistent Embedded Value Principles(※)(MCEV原則)」に基づいたEV(以下、MCEV)を開示しております。(※)Copyright© Stichting CFO Forum Foundation 2008
②MCEV及びGroup MCEV
(注) 1 当グループの生命保険事業を対象にしております。
2 当グループの生命保険以外の事業に係る会計基準に基づく純資産であります。
対象事業のMCEVの内訳
(注) 当年度中に販売した新契約(転換契約を含む)の年度末における価値を表したものであります。
当事業年度末のMCEVは、新契約の獲得等により1,625億円増加し、3兆4,146億円となりました。修正純資産は内外金利上昇に伴う債券の時価下落等により減少し、保有契約価値は新契約の獲得、国内金利上昇等により増加しました。
また、新契約価値は、235億円増加し、1,669億円となりました。
③各社別のMCEV
(注) T&Dフィナンシャル生命の新契約価値は契約獲得時点の評価としております。
④第三者機関の意見
当グループは、保険数理に関する専門的知識を有する第三者機関(アクチュアリー・ファーム)に、当グループのMCEV及びGroupMCEVについて検証を依頼し、意見書を受領しております。
(注) 「円貨額が確定した外貨建資産」は、為替予約等が付されていることにより決済時の円貨額が確定し、当該円貨額を資産の貸借対照表計上額としているものであります。
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成は、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「会計方針に関する事項」に、重要な見積りは「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、会計上の見積りについては、財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき、その現況が継続するとの仮定により、見積りを実施しております。新型コロナウイルス感染症による当期及び翌期以降の影響は、金額的に軽微であり、会計上の見積りへの影響も軽微です。
① 責任準備金の積立方法
保険契約に基づく将来における債務の履行に備えるため、責任準備金を積み立てております。保険料及び責任準備金の算出方法書に記載された計算前提(予定発生率・予定利率等の基礎率)が、直近の実績と大きく乖離することにより、将来の債務履行に支障を来すおそれがあると認められる場合には、追加の責任準備金を計上する必要があります。なお、責任準備金の積立方法は「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「会計方針に関する事項」、見積りの内容については「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「重要な会計上の見積り」にも記載しております。
② 支払備金の積立方法
保険契約に基づいて支払義務が発生したと認められる保険金等のうち、未だ支払っていない金額を見積り、支払備金として積み立てております。将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、支払備金の計上額が当初の見積り額から変動する可能性があります。
③ 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、年金資産の期待運用収益率や将来の退職給付債務算出に用いる数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。このため、主要な仮定である割引率や長期期待運用収益率等が変動した場合、退職給付に係る資産・負債に重要な影響を与える可能性があります。なお、退職給付債務等の計算に関する事項は「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「退職給付関係」、見積りの内容については「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「重要な会計上の見積り」にも記載しております。
④ 固定資産の減損処理
固定資産については、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失に計上しております。回収可能価額は、資産グループの時価から処分費用見込み額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としております。今後、主要な仮定である保険営業活動から生じる損益や投資用資産の収支見込みが悪化し、割引前将来キャッシュ・フローが変動した場合、新たに減損損失が発生する可能性があります。なお、固定資産の減損処理に係る基準は「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「連結損益計算書関係」、見積りの内容については「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「重要な会計上の見積り」にも記載しております。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際し、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。なお、当社及び生命保険会社3社を含む一部子会社は、当社を連結納税親会社として連結納税制度を適用しております。そのため、連結納税グループ全体の連結課税所得の見積りに依存しますので、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
⑥ 有価証券の減損処理
当社グループは、資産運用を目的として株式等の有価証券を保有しております。売買目的有価証券以外の有価証券のうち、時価もしくは実質価額が著しく下落したものについては、合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っております。なお、減損処理に係る合理的な基準は「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「有価証券関係」の注記に記載しております。将来、株式市場が悪化した場合には、多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。
⑦ 金融商品の時価の算定方法
有価証券の一部及びデリバティブ取引は、時価法に基づいて評価しております。時価は、原則として市場価格に基づいて算定しておりますが、市場価格がない場合には合理的に算定された価額によっております。時価の算定方法については、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「金融商品関係」に記載しております。将来、見積りに影響する新たな事実の発生等により、見積り額は変動する可能性があります。
⑧ 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、資産の自己査定基準及び償却・引当基準に則り、債務者の状況に応じ、回収不能見積り額を計上しております。貸倒引当金の計上基準については、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表」の「会計方針に関する事項」に記載しております。将来、債務者の財務状況が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
(参考)固有指標の説明
1.基礎利益
基礎利益とは生命保険本業における期間収益を示す指標の一つであります。
生命保険会社においては、株式、債券、為替市況等の運用環境が変動した場合、有価証券売却損益、有価証券評価損及び為替差損益が発生し、経常利益に大きな影響を与えることがあります。そのため、生命保険会社各社は、ディスクロージャー推進の一環として一般社団法人生命保険協会が定める「ディスクロージャー開示基準」に基づき、2001年3月期決算から、保険本業の期間収益を示す指標として、基礎利益を公表しております。基礎利益は、「経常利益」から有価証券売却益、有価証券売却損、有価証券評価損等の「キャピタル損益」と危険準備金戻入額、危険準備金繰入額、貸付金償却等の「臨時損益」を控除したものであります。基礎利益については、損益計算書に項目が設けられていませんが、参考情報として開示しております。
2.順ざや・逆ざや
生命保険会社は、保険契約者が支払う保険料を計算するにあたって、あらかじめ資産運用による一定の運用収益を見込み、その分保険料を割り引いて計算しております。この割引率を予定利率といいます。そのため、保険会社は、毎年割り引いた分に相当する金額(予定利息)を運用収益等で確保する必要があります。
予定利息を実際の運用収益等でまかなえている状態を「順ざや」といい、まかなえていない状態を「逆ざや」といいます。
3.責任準備金
責任準備金とは、将来の保険金等の支払いを確実に行うため、保険料や運用収益等を財源として積み立てる準備金のことで、生命保険会社の負債の最も大きな部分を占めております。
なお、責任準備金は期末において繰入と戻入とを相殺した差額を損益計算書に計上します。すなわち、繰入額が戻入額を上回る場合はその差額を責任準備金繰入額として経常費用の科目に表示し、戻入額が繰入額を上回る場合はその差額を責任準備金戻入額として経常収益の科目に表示します。
4.ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージンは、大地震や株の暴落等、通常の予測を超えて発生するリスクに対応するための財務的な余裕である「支払余力」を意味しております。生命保険会社は、将来の保険金等の支払いに備えて通常予測できる範囲のリスクについては、責任準備金を積み立てて対応しておりますが、ソルベンシー・マージンは、これを超えるリスクへの備えとなります。ソルベンシー・マージン比率は、「ソルベンシー・マージン総額」(純資産の部合計、価格変動準備金、危険準備金、一般貸倒引当金等)を、通常の予測を超えて発生するリスクを計量化した「リスクの合計額」の2分の1で割ることにより算出される比率であります。
ソルベンシー・マージン比率が200%以上であれば、健全性について一つの基準を満たしていることを示しております。
5.実質純資産額
実質純資産額とは、貸借対照表の資産を基礎として計算した額(有価証券・不動産等について一定の時価評価を行ったもの)から負債を基礎として計算した額(負債の額から価格変動準備金・危険準備金等の額を差し引いた額)を控除した金額をいい、金融庁による早期是正措置において、実質的な債務超過の判定基準として用いられる行政監督上の指標の一つです。
(旧フォーティテュード社(Fortitude Group Holdings, LLC)における組織再編)
当社の連結子会社であるT&Dユナイテッドキャピタル株式会社(以下、「T&Dユナイテッドキャピタル」)は、2021年10月1日開催の取締役会において、持分法適用関連会社である米国再保険持株会社旧フォーティテュード社のグループ組織再編に同意することを決議し、T&Dユナイテッドキャピタルを含む旧フォーティテュード社に出資する全ての投資家が同日これに合意しました。
このグループ組織再編は、旧フォーティテュード社における成長戦略の一環として、グローバルのクローズドブック市場における一層の競争力強化を目的としたものです。新たにバミューダ籍のリミテッドパートナーシップであるフォーティテュード社(FGH Parent, L.P.)を設立し、既存投資家がそれぞれ保有する旧フォーティテュード社に対する持分をフォーティテュード社に拠出することで、既存投資家はその拠出に応じたフォーティテュード社への持分をそれぞれ取得しました。グループ組織再編に伴う新たな金銭等の払込みや、既存投資家間での持分比率の変動はありません。
なお、これに伴い当社の2021年3月期の連結決算において会計処理の遡及適用を行っております。詳細は、「第5 経理の状況-1 連結財務諸表等-(1)連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)をご参照ください。
(フォーティテュード社への追加出資)
T&Dユナイテッドキャピタルは、2022年3月31日開催の取締役会において、フォーティテュード社に対する追加出資に関して、525百万ドル(約643億円、1米ドル=122.39円)を上限としてコミットメントする方針を決議し、同日追加出資に関する契約を締結いたしました。
フォーティテュード社は、米The Carlyle Group Inc.が運営する投資ファンドであるCarlyle FRL, L.P.及び当社グループから、総額21億ドル(約2,570億円、1米ドル=122.39円)を調達し、成長資本その他運営資金等に充てる予定です。
該当事項はありません。