(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、弱さもみられるものの、緩やかな回復基調が続いております。先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待されますが、海外経済で弱さがみられており、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気の下振れが、わが国の景気を下押しするリスクとなっております。
航空業界におきましては、航空自由化(オープンスカイ)やLCC(ロー・コスト・キャリア)の路線拡大等による競争の激化、上下一体化による効率運営を目指した空港経営改革や首都圏空港の機能強化の具体化に向けた動きに加え、昨年には2020年の政府目標であった訪日外国人旅客数2,000万人を概ね達成するなか、本年3月に、政府は「観光先進国」という新たな挑戦に向けて2020年の目標値を4,000万人へ大幅に上方修正するなど、事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。
当連結会計年度の航空旅客数につきましては、羽田空港の国内線航空旅客数は前年並の旅客数を維持いたしましたが、羽田空港国際線を始め成田空港、関西空港などの国際線航空旅客数は各月の訪日外国人旅客数が過去最高記録を更新し続け、特に3月単月においては初めて過去最高の200万人を突破するなど、前年を大幅に上回っております。
このような状況の中、当社グループは、中期経営計画(平成25年度から平成27年度)の最終年度として、さらなる羽田国際化への対応、新しい空港運営の未来の構築、事業収益性の改善、人材・組織力の強化を重点課題として取り組んでまいりました。
免税事業につきましては、主に中国や東南アジア等からの訪日外国人旅客の増加に対応した集客施策が奏功し、当連結会計年度の業績に大きく寄与いたしました。加えて、新たな市場の先駆けとして本年1月27日に三越銀座店の8階に空港型市中免税店(Japan Duty Free GINZA)を開業いたしました。下期に入りいわゆる「爆買い」は沈静化傾向が見られ、当連結会計年度においては当該市中免税店の営業収益も目標を下回る状況でありますが、中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費は、今後免税市場を中心にさらに拡大していくものと思われます。
羽田空港国内線ターミナルビルにおきましては、昨年7月、第2旅客ターミナルビルにレストラン、カフェ、ラウンジのスペースを備えたアジア初の新たなブランド情報の発信拠点である「Mercedes me Tokyo HANEDA」を展開したほか、8月には、「東京食賓館」をこれまでの対面型販売から商品を直接手に取ってお選びいただける形態に変更するなど、利便性の向上、事業収益性の改善に取り組んでまいりました。
さらに、国内線旅客ターミナルビルのリニューアルを進めており、第1旅客ターミナルビルにおいて、3階南北テラスへのエスカレーターの増設及びさらなる国際化を見据えた案内サインの改修、PBB(旅客搭乗橋)の更新工事(ステップレス化)を実施するとともに、フィッティングルームや授乳室、キッズトイレなどを備えた多目的レストルームを供用開始するなど、利便性、快適性及び機能性の向上を図ってまいりました。
加えて、日本の技術の発信と空港利用者に対する安全・安心・便利を前提とした良質なサービスを提供すべく、次世代型ロボットの導入を進めてまいりました。今後も未来の空港のあり方を見据え、空港の省力化・高度化等を目的とする新しいロボットの研究開発にも取り組み、新しい空港価値の創造と利便性の質的向上に努めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業収益は 2,041億3千4百万円(前期比 17.7%増)、営業利益は 113億2百万円(前期比 14.3%増)、経常利益は 136億5千4百万円(前期比15.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 88億7千万円(前期比 33.4%増)となりました。
なお、羽田空港旅客ターミナルビルは開館60周年を迎えた節目に当たる昨年、2年連続で世界最高水準の旅客ターミナルビルであると評価され、英国SKYTRAX社による「5スターエアポート」を受賞しました。また、本年3月には、国内線空港総合評価部門、空港の清潔さなどを評価する部門の2部門で世界第1位の評価をいただきました。今後もこれに満足することなく、2020年に控える東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今まで以上に羽田空港全体で連携しながら、空港を利用されるお客様を第一に考え、安全性はもちろん、利便性、快適性及び機能性に優れたサービスを提供し、お客様から信頼され続ける世界ナンバーワン品質の旅客ターミナルビルを目指し、航空輸送の発展に貢献してまいりたいと考えております。
セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、営業利益はセグメント利益に該当します。
(施設管理運営業)
家賃収入につきましては、一般借室の増加により、前年をわずかに上回りました。
施設利用料収入につきましては、国内線航空旅客数のわずかな減少に伴い、国内線旅客取扱施設利用料が減収となる等、前年をわずかに下回りました。
その他の収入につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおける業務受託料収入や、前年度9月に開業した「ロイヤルパークホテル ザ 羽田」による収入の増加等により、前年を大きく上回りました。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 548億8千7百万円(前期比 7.6%増)、営業利益は増収に加え減価償却費の逓減等により、61億3千5百万円(前期比 14.3%増)となりました。
(物 品 販 売 業)
円安の影響や東南アジア等に対するビザ発給要件の緩和などにより、訪日外国人旅客数が前期より大幅に増加し、下期に入りいわゆる「爆買い」は沈静化傾向が見られたものの、国際線売店売上及びその他の売上(卸売)が通期では大幅に増加いたしました。
国際線売店売上につきましては、主に中国や東南アジア等からの訪日外国人旅客を対象とした集客施策が奏功し、ブランド品を中心に売上が好調に推移し、前年を大きく上回りました。
その他の売上(卸売)につきましても、羽田空港、成田空港、関西空港、中部空港といった主要空港に加え他空港への卸売も好調に推移したこと等により、前年を大きく上回りました。
国内線売店売上につきましては、国内線航空旅客数が前年並に推移するなか、前年度に営業を開始したイセタン羽田ストア2店舗の売上貢献等により、前年をわずかに上回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 1,344億7千1百万円(前期比 22.9%増)、営業利益は空港型市中免税店の開業準備及び営業に伴う費用増もあり、94億7千6百万円(前期比 7.2%増)となりました。
(飲 食 業)
飲食店舗売上につきましては、羽田空港国内線旅客ターミナルビル及び国際線旅客ターミナルビルでの新規店舗展開等により、前年を上回りました。
機内食売上につきましては、顧客である外国航空会社の増便や新規取引等により、前年を大きく上回りました。
その他の売上につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルでの業務受託料収入の増加により、前年を上回りました。
その結果、飲食業の営業収益は 200億6千3百万円(前期比 10.7%増)、営業利益は各種コスト削減効果もあり、5億6千4百万円(前期比 216.9%増)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ
33億3千2百万円減少し、435億6千5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ 42億8千4百万円減少(前期比 22.0%減)し、152億3千5百万円となりました。
これは主に、たな卸資産と法人税の支払額が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ 38億2百万円増加(前期比 94.8%増)し、
78億1千万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、107億5千9百万円となりました。(前連結会計年度は 162億5千1百万円の収入)
これは主に、長期借入金の返済による支出等によるものであります。
当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「1.業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
施設管理運営業(百万円) |
52,880 |
49,036 |
7.8 |
|
|
|
家賃収入(百万円) |
12,900 |
12,895 |
0.0 |
|
|
施設利用料収入(百万円) |
17,851 |
17,917 |
△0.4 |
|
|
その他の収入(百万円) |
22,128 |
18,223 |
21.4 |
|
物品販売業(百万円) |
133,718 |
108,751 |
23.0 |
|
|
|
国内線売店売上(百万円) |
33,424 |
33,168 |
0.8 |
|
|
国際線売店売上(百万円) |
35,124 |
28,078 |
25.1 |
|
|
その他の売上(百万円) |
65,169 |
47,503 |
37.2 |
|
飲食業(百万円) |
17,535 |
15,717 |
11.6 |
|
|
|
飲食店舗売上(百万円) |
9,549 |
9,204 |
3.7 |
|
|
機内食売上(百万円) |
5,685 |
4,511 |
26.0 |
|
|
その他の売上(百万円) |
2,300 |
2,000 |
15.0 |
|
|
合計(百万円) |
204,134 |
173,505 |
17.7 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。
|
区 分 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
|||
|
|
比率(%) |
|
比率(%) |
||
|
所有総面積(㎡) |
616,310 |
|
616,677 |
|
|
|
貸付可能面積(㎡) |
233,196 |
100.0 |
233,482 |
100.0 |
|
|
貸付面積(㎡) |
215,395 |
92.4 |
214,315 |
91.8 |
|
|
|
航空会社(㎡) |
119,598 |
51.3 |
118,409 |
50.7 |
|
|
一般テナント(㎡) |
55,481 |
23.8 |
55,913 |
24.0 |
|
|
当社グループ使用(㎡) |
40,316 |
17.3 |
39,993 |
17.1 |
(1) 当面の対処すべき課題の内容等
当社グループは、平成25年度から平成27年度までを対象とした中期経営計画に基づき、さらなる羽田国際化への対応、新しい空港運営の未来の構築、事業収益性の改善、人材・組織力の強化を重点課題として取り組んでまいりました。
航空業界におきましては、航空自由化やLCCの路線拡大等による競争の激化、上下一体化による効率運営を目指した空港経営改革や首都圏空港の機能強化の具体化に向けた動きに加え、昨年には2020年の政府目標である訪日外国人旅客数2,000万人を概ね達成するなか、本年3月に、政府は「観光先進国」という新たな挑戦に向けて2020年の目標値を4,000万人へ大幅に上方修正するなど、事業環境は大きく変化しつつあり、首都圏空港機能はさらに飛躍的な強化が求められております。
当社グループはこのような変化に対応するため、羽田空港の基盤強化はもとより、これまでに培ったノウハウを活かした空港外での事業展開を始め、より一層競争力強化に向けた取組みが必要であると考えております。
以上のことを背景に、当社グループは、全てのステークホルダーに満足いただける空港を目指しながら、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げることとしました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(平成28年度から平成32年度)におきましては、羽田空港の「あるべき姿」の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んでまいります。
具体的には、東京オリンピック・パラリンピックに向けた確実な対応とともに、日本の玄関口として世界最高水準の安全性確保はもとより、地方創生事業の推進や最先端技術の導入を図りながら、SKYTRAXの連続受賞など羽田空港の包括的なブランディングに努めてまいります。また、他業種との連携や羽田空港外への展開により事業領域の拡大を進めるとともに、羽田空港国内線旅客ターミナルビルの顧客満足度の向上と収益拡大に向けた施設の改修やオペレーション改善による効率化など、確固たる羽田空港の基盤強化に努めてまいります。営業面における当面の課題としては市中免税店事業への対策が柱となりますが、中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費を確実に取り込むべく、必要な施策を実施してまいります。あわせて、これらを支えるべく、新たな価値を創造する環境の整備や株主・投資家に対する対話機会の拡大と各施策の確実性を高めるために組織・ガバナンスの再編・強化を図りながら、中期経営計画を推進してまいります。
当社は、空港法に基づく、羽田空港における国内線旅客ターミナルビルを建設・管理運営する空港機能施設事業者としての責務を果たすべく、今後とも日本経済や航空業界の動向等を見極め、公共性と企業性の調和という基本理念と中期経営計画に基づき、グループ一丸となって旅客ターミナルビルの利便性、快適性及び機能性の向上を目指し、顧客第一主義と絶対安全の確立に努め、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
当社の会社支配に関する基本方針、及び会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み、並びに会社
支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止
するための取組みの各概要は以下のとおりです。
①会社の支配に関する基本方針
当社は、当社株式の大規模買付行為が行われる場合に、これを受け入れるか否かの最終的な判断はその時点に
おける株主の皆様に委ねられるべきものであると考えます。
当社は羽田空港において、航空系事業として、国内線旅客ターミナルビルの建設、管理運営を行うとともに、
国際線旅客ターミナルビルを建設、管理運営する東京国際空港ターミナル株式会社の筆頭株主として、同社から
国際線旅客ターミナルビルの主要な運営業務の一括受託などを行っております。一方、非航空系事業として、羽
田空港、成田国際空港、関西国際空港並びに中部国際空港において物品販売業等を営み、その収益を基盤として
航空界の急速な発展に即応した旅客ターミナルビルの拡充整備に努め、事業規模の拡大を図ってまいりました。
そのため、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、旅客ターミナル事業の有する高度の安全性と公共
性についての適切な認識に加え、当社の企業価値の源泉をなす重要な経営資源(独創性の高い技術・ノウハウ、
特定の市場分野における知識・情報、長期にわたり醸成された取引先との深い信頼関係、専門分野に通暁した質
の高い人材等)への理解が不可欠であると考えます。
当社は、大規模買付者が突然現れた場合に、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に
与える影響について株主の皆様が短期間の内に適切に判断するためには、大規模買付者及び当社取締役会の双方
から、大規模買付行為が当社に与える影響や、大規模買付者の経営方針等の情報が適切かつ十分に提供されるこ
とが不可欠と考えます。さらに、当該大規模買付行為に関する当社取締役会による検討結果等の提示は、株主の
皆様の判断に資するものであると考えます。
当社としましては、大規模買付行為が行われる場合には、大規模買付者において、株主の皆様の判断のため
に、当社が設定して事前に開示する一定のルールに従って、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社
取締役会に事前に提供していただく必要があると考えております。また、当社の企業価値ひいては株主共同の利
益を毀損することとなる悪質な当社株式の大規模買付行為を防止するため、大規模買付者に対して相応の質問や
大規模買付者の提案内容等の改善を要求し、あるいは株主の皆様にメリットのある相当な代替案が提示される機
会を確保し、さらには当該大規模買付ルールを遵守しない大規模買付行為に対しては企業価値ひいては株主共同
の利益の維持・向上の観点から相当な措置がとられる必要があると考えております。
②会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みとして、下記③で記載するもののほか、
以下の取組みを行い、企業価値ひいては株主共同の利益の維持・向上に努めております。
(ⅰ)中期経営計画に基づく取組み
当社は、旅客ターミナルビルにおける絶対安全の確立のため、さらなる安全対策強化に全力を傾注すると
ともに、羽田空港国内線第1旅客ターミナルビル及び第2旅客ターミナルビルの一体的運営による一層の効
率化を図り、運営諸費用の増加等への対策に努めております。また、東京国際空港ターミナル株式会社を建
設、管理運営主体とする国際線旅客ターミナルビルにつきましては、同社の筆頭株主として、主要な運営業
務の一括受託などを行っております。併せてお客様本位の旅客ターミナルビルの運営を目指し、当社グルー
プCS理念「訪れる人に安らぎを、去り行く人にしあわせを」の下、顧客第一主義を徹底するほか、積極的
な人材育成を図り、全社を挙げて一層のサービス向上、さらなる収益の向上に努めることとし、中期経営計
画に基づく諸施策に積極的に取り組んでおります。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化充実に向けた取組み
当社はコーポレート・ガバナンスが経営上重要な問題であるとの基本的認識に立ち、経営の透明性の確保
を図るため、創業以来、社外取締役及び社外監査役を選任しております。原則毎月1回開催される取締役会
は、常勤取締役11名、独立役員2名を含む非常勤の社外取締役4名で構成され、経営の基本方針、法令で定
められた事項やその他経営に関する重要事項を決定するとともに業務執行状況の監督機能を果たしておりま
す。常勤監査役2名、独立役員2名を含む非常勤の社外監査役3名からなる監査役は、取締役会やその他重
要な会議に出席し、取締役の業務執行の適法性、妥当性及び経営の透明性、健全性を監視できる体制となっ
ております。
③会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配される
ことを防止するための取組み
当社は、①で述べた会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針
の決定が支配されることを防止するため、「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」
(以下「本対応方針」という。)により、大規模買付行為が行われる場合に関して大規模買付ルールを定め、
かつ、大規模買付者が当該ルールを遵守しなかった場合における対抗措置の発動に係る手続きについて定めて
おります。
(ⅰ)独立委員会の設置
大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するものか否かの検討・審議を行い、大規
模買付行為に関する当社取締役会の判断及び対応の公正を担保する機関として、独立委員会を設置します。
独立委員会の委員は3名以上とし、公正で中立な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から
独立している当社社外取締役、当社社外監査役、及び社外有識者のいずれかに該当する者の中から選任しま
す。
当社取締役会は、大規模買付行為が開始された場合に当該大規模買付行為との関係では対抗措置を発動し
ない旨の不発動決議の是非について独立委員会に諮問することとし、当社取締役会はその勧告を最大限尊重
するものとします。
(ⅱ)大規模買付ルール
大規模買付ルールとして、大規模買付者は、定められた手続きに従い情報提出等を行うものとし、かつ、
情報提出手続き等を経て、当社取締役会が不発動決議を行うまで、大規模買付行為を行わないこととしま
す。
(ア)大規模買付意向表明書の当社への事前提出
大規模買付者は、大規模買付ルールに従って大規模買付行為を行う旨の大規模買付意向表明書(当社所定
の書式)を事前に当社に対して提出していただきます。
(イ)大規模買付行為に関する情報の提出
大規模買付者から大規模買付意向表明書をご提出いただいた場合、当社は当該大規模買付者に対し、改め
てご提出いただく情報の項目を記載した情報リストを10営業日(初日不算入)以内に交付いたします。
大規模買付者は、情報リストに基づき、株主の皆様のご判断及び独立委員会の検討のために必要かつ十分
な大規模買付行為に関する情報を当社にご提出いただきます。
(ウ)独立委員会による検討開始に係る通知
当社は、当該大規模買付行為に関する情報の提出が完了したと認められる場合等、独立委員会による検討
を開始するのが適当と合理的に判断される場合には、その旨を大規模買付者に通知し開示するとともに、独
立委員会による検討の開始を依頼いたします。
(エ)独立委員会による検討及び不発動勧告決議
独立委員会は、独立委員会検討期間として定められた期間内に、大規模買付行為の内容の検討、当社取締
役会等の提供する代替案の検討等を行います。
大規模買付者は、独立委員会が検討資料その他の情報提供、協議・交渉等を求めた場合には、速やかにこ
れに応じなければならないものとします。独立委員会は、当該大規模買付行為に関する情報の検討等の結
果、全員一致の決議により、当該大規模買付行為が当社企業価値を毀損し会社の利益ひいては株主共同の利
益を害するおそれがないものと認める場合には、当社取締役会に対して、不発動勧告決議を行うこととしま
す。
(オ)株主総会における株主意思確認
独立委員会は、独立委員会検討期間内に不発動勧告決議を行うに至らなかった場合には、当該大規模買付
行為に対する対抗措置に係る株主意思確認総会を開催する旨を勧告することとし、かかる勧告を受けて当社
取締役会は、株主意思確認総会の招集を速やかに決定するものとします。
株主意思確認総会の決議は、出席株主の議決権の過半数によって決するものとします。
(カ)取締役会の不発動決議
当社取締役会は、独立委員会が当該大規模買付行為について不発動決議を行うべき旨勧告した場合、取締
役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情が存しない限り、不発動決議を速やかに行うものとし
ます。
また、当社取締役会は、上記(ⅱ)(オ)に定める株主意思確認総会において対抗措置を発動すべきでない
旨の株主意思が示された場合、不発動決議を速やかに行うものとします。
(キ)大規模買付ルールに従わない大規模買付行為に対する対抗措置の発動
当社取締役会が不発動決議を行うまで、大規模買付者は、大規模買付行為を行ってはならないものとしま
す。当社取締役会は、大規模買付ルールに従わない大規模買付行為が行われ対抗措置の発動が相当である場
合、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目的として、本対応方針に基づく対抗措置を行
うものとします。本対応方針の対抗措置としては、新株予約権の無償割当てその他の法令及び当社の定款上
許容される手段を想定しております。
(ⅲ)株主・投資家に与える影響
本対応方針は、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断されるために必要な情報を提供
し、さらには、当社株主の皆様が大規模買付行為に係るより良い提案や、当社取締役会等による代替案の提
示を受ける機会を保証するための相応の検討時間・交渉力等が確保されることを目的としています。これに
より、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為への応諾その他の選択肢について適切な判
断をされることが可能となり、そのことが当社株主全体の利益の保護につながるものと考えます。従いまし
て、本対応方針の設定は、当社株主及び投資家の皆様が適切な投資判断をなされる上での前提となるもので
あり、当社株主及び投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。
④取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画、コーポレート・ガバナンスの強化充実等の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利
益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に
沿うものです。
また、本対応方針は上記の基本方針に沿うものであり、またその合理性を高めるため以下のような特段の工
夫が施されておりますので、本対応方針は、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、また当
社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
(ⅰ)本対応方針は、平成26年6月27日開催の第70回定時株主総会においてその基本的内容につき、株主の皆様
の事前承認を受けております。当該株主総会の承認は、当該定時株主総会から3年を有効期間とします。当
社取締役会は、3年が経過した時点で、改めて本対応方針に関する株主意思の確認を行い、株主の皆様にご
判断いただくことを予定しております。当社取締役会は、当該株主総会承認の有効期間中、関連する法制度
の動向その他当社を取り巻く様々な状況を勘案して、当該株主総会承認の趣旨の範囲内で、本対応方針の細
目その他必要な事項の決定や修正等を行うこととします。
(ⅱ)本対応方針は、株主意思確認総会において対抗措置を発動すべきでない旨の株主意思が示された場合、当
社取締役会は不発動決議を速やかに行うものとしております。また、当社の業務執行を行う経営陣から独立
している当社社外取締役、当社社外監査役、及び社外有識者のいずれかに該当する者の中から選任される委
員により構成される独立委員会が、株主意思確認総会の招集に先立つ独立委員会検討期間内において、当該
大規模買付行為が当社企業価値を毀損し会社の利益ひいては株主共同の利益を害するおそれがないものと認
め不発動勧告決議を行った場合には、当社取締役会は、取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段
の事情がない限り、速やかに同勧告決議に従い不発動決議を行うこととされています。このように、取締役
の地位の維持等を目的とした恣意的な発動を防止するための仕組みを本対応方針は確保しております。
(ⅲ)当社は、取締役の解任決議要件の普通決議からの加重も行っておりません。本対応方針は、大規模買付者
が自己の指名する取締役を当社株主総会の普通決議により選任し、かかる取締役で構成される取締役会によ
り、廃止させることが可能です。従いまして、本対応方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成
員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は、期差任
期制を採用していないため、本対応方針はスローハンド型(取締役会の構成員の交替を一度に行うことがで
きないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
(ⅳ)本対応方針は、経済産業省及び法務省が定めた平成17年5月27日付「企業価値・株主共同の利益の確保又
は向上のための買収防衛策に関する指針」が求める適法性の要件(新株予約権等の発行の差止めを受けるこ
とがないために充たすべき要件)、合理性の要件(株主や投資家など関係者の理解を得るための要件)をす
べて充たしております。また、経済産業省企業価値研究会の平成20年6月30日付報告書「近時の諸環境の変
化を踏まえた買収防衛策の在り方」の提言内容にも合致しております。
(ⅴ)その他
本対応方針の詳細につきましては、当社ホームページに掲載の「当社株式に対する大規模買付行為への対応
方針(買収防衛策)の継続について」の本文をご覧ください。
( 参考URL http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/company/ir/ )
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであ
ります。
(1)当社グループの営業基盤について
当社グループは、羽田空港国内線旅客ターミナルビル等を建設、管理運営する企業として事務室等の賃貸、物
品販売、飲食、旅行サービスの提供を中核的な事業としつつ、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおいて受託
業務や卸売等を展開しております。また、成田空港、関西空港等の拠点空港においても物品販売、飲食サービス
等の提供に係る事業展開を行うほか、空港外に保有する社有地を有効活用した不動産賃貸等を行っており、長年
培ってきた経験を生かして空港内外における新たな事業展開についても取り組んでおります。
(2)当社グループの事業等のリスクについて
事業等のリスクとしては次に挙げる事項を想定しておりますが、これらのリスクとして想定した事項が発生、
拡大した場合においても、当社グループの経営に対する影響を最小限に留めるよう、地域別(羽田空港、成田空
港等)、業種別(施設管理運営業、物品販売業、飲食業)に売上構成の多様化によりリスクの分散を図るととも
に、各事業分野における運営諸費用の増加への対策強化等により当社グループの企業体質の強化と総合力の向上
に努めております。
① 当社グループの事業の根幹は、空港旅客ターミナルビルにおける事務室等の賃貸や航空旅客に対する物品の
販売、飲食や旅行サービスの提供であり、主要賃貸先の航空会社や主要顧客である航空旅客への依存度が高
く、国際情勢の変化、自然災害発生及び新型インフルエンザの流行等の影響による国際線及び国内線航空旅客
数の変動や航空会社の業績等は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性がありま
す。
② 当社グループの事業基盤の中心である羽田空港の国内線及び国際線における空港ビル事業については、当該
事業主体が空港法に基づく、空港機能施設事業者としての指定を受けることとされており、空港ビル事業に係
る法令や制度の変更及び空港の設置管理者である国や行政当局の空港運営方針が、当社グループの経営成績及
び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 航空分野の成長及び日本経済の活性化を目的として、国土交通省は、航空自由化の推進・LCCなどの新規
企業の参入促進・空港経営改革による三位一体の取組みを進めており、中でも空港経営改革については、民間
の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律が施行され、一層の進展が図られております。今後、国
や行政当局が定める方針によっては、将来の当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能
性があります。
④ 当社グループは、羽田空港において国内線旅客ターミナルビル2棟及び立体駐車場1棟を建設所有し、事務
室等を賃貸するほか、物品販売、飲食や旅行サービスの提供等を行っております。これら旅客ターミナルビル
について安全かつ快適にご利用いただけるよう防災、防犯、事故防止に全力を傾注しておりますが、地震、火
災、テロ行為等により空港又は旅客ターミナルビルに人的・物的損害が発生するような事態が生じた場合は、
当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 当社グループは、空港内店舗における飲食店舗の運営、物販店舗における食材・加工品を含む食料品の販
売、機内食の製造・販売等を行っております。食品の安全性については日頃より細心の注意を払い、事業運営
を行っておりますが、飲食店舗や物販店舗等において食中毒、異物混入等の品質保証問題が発生した場合に
は、企業イメージの失墜、行政処分等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可
能性があります。
⑥ 当社グループは、事業資金を効率的かつ安定的に調達するため、取引金融機関との間でシンジケートローン
契約を締結しております。当該契約には財務制限条項等が付されており、税制変更や事業環境の変化等によっ
て、当社の信用格付けが一定程度以上格下げされるなど、当該条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失
し、資金繰りや経営成績、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
特記事項はありません。
特記事項はありません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、わが国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、繰延税金資産については回収可能性を十分に検討した回収可能額を計上し、退職給付債務や退職給付費用を測定するための数理計算上の基礎率や計算方法は当社グループの状況から適切なものであると考えております。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(2)財政状態の分析
① 資産面では、空港型市中免税店の開業等により、商品及び製品が 39億6千万円増加し、売掛金が 27億6千7百万円増加しました。
また、投資有価証券が 16億8千3百万円増加したものの、減価償却に伴い有形固定資産が 26億5千1百万円減少しました。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末と比較して 43億1千3百万円増加し、2,225億4千2百万円となりました。
② 負債面では、国内線第1及び第2旅客ターミナルビルの建設・改修等の工事資金としての借入金の返済等により、長期借入金が 71億6千6百万円減少、一年以内返済予定長期借入金を含む短期借入金は 7億3千6百万円減少し、借入金合計で 79億2百万円の減少となりました。
一方、国有財産一時使用料の支払が翌期にずれ込んだこと等により未払費用が 60億1千万円増加し、136億9千9百万円となりました。
これらの結果、負債総額は前連結会計年度末と比較して 15億5千1百万円減少し、1,041億4千8百万円となりました。
(3)経営成績の分析
① 収益面では、家賃収入につきましては、一般借室の増加により、前年をわずかに上回りました。施設利用料収入につきましては、国内線航空旅客数のわずかな減少に伴い、国内線旅客取扱施設利用料が減収となる等、前年をわずかに下回りました。その結果、家賃・施設利用料収入は前期比 0.2%減の 307億5千1百万円となりました。
その他の収入は、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおける業務受託料収入や、前年度9月に開業した「ロイヤルパークホテル ザ 羽田」による収入の増加等により、前期比 22.4%増の 239億7百万円となりました。
商品売上は、円安の影響や東南アジア等に対するビザ発給要件の緩和などにより、訪日外国人旅客数が前期より大幅に増加し、下期に入りいわゆる「爆買い」は沈静化傾向が見られたものの、国際線売店売上及びその他の売上(卸売)が通期では大幅に増加いたしました。国際線売店売上につきましては、主に中国や東南アジア等からの訪日外国人旅客を対象とした集客施策が奏功し、ブランド品を中心に売上が好調に推移し、前年を大きく上回りました。その他の売上(卸売)につきましても、羽田空港、成田空港、関西空港、中部空港といった主要空港に加え他空港への卸売も好調に推移したこと等により、前年を大きく上回りました。国内線売店売上につきましては、国内線航空旅客数が前年並に推移するなか、前年度に営業を開始したイセタン羽田ストア2店舗の売上貢献等により、前年をわずかに上回りました。その結果、商品売上は前期比 22.9%増の 1,336億4千7百万円となりました。
飲食売上は、飲食店舗売上につきましては、羽田空港国内線旅客ターミナルビル及び国際線旅客ターミナルビルでの新規店舗展開等により、前年を上回りました。機内食売上につきましては、顧客である外国航空会社の増便や新規取引等により、前年を大きく上回りました。その結果、飲食売上は前期比 9.9%増の 158億2千7百万円となりました。
これらの結果、営業収益合計では、前期比 17.7%増の 2,041億3千4百万円となりました。
② 費用面では、売上原価は、商品売上高が増加したこと等の影響により、前期比 22.4%増の 1,100億7千万円となりました。販売費及び一般管理費は、業務委託料及び賃借料の増加等により、前期比 12.4%増の 827億6千1百万円となりました。
これらの結果、営業利益は、前期比 14.3%増の 113億2百万円となり、経常利益は、前期比 15.2%増の 136億5千4百万円となりました。
③ 特別損益では、投資有価証券売却益 2千4百万円、固定資産除却損 1億7千8百万円、固定資産減損損失 3千万円等を計上しました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は、前期比 16.8%増の 134億5千9百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比 33.4%増の 88億7千万円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ 33億3千2百万円減少し、435億6千5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ 42億8千4百万円減少(前期比 22.0%減)し、152億3千5百万円となりました。
これは主に、たな卸資産と法人税の支払額が増加したこと等によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ 38億2百万円増加(前期比 94.8%増)し、78億1千万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、107億5千9百万円となりました。(前連結会計年度は 162億5千1百万円の収入)
これは主に、長期借入金の返済による支出等によるものであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し
当社グループの事業の根幹は、空港旅客ターミナルビルにおける事務室等の賃貸や航空旅客に対する物品の販売及び飲食や旅行サービスの提供であることから、主要賃貸先である航空会社や物品販売等の主要顧客である航空旅客の動向への依存度が高く、国際情勢の変化や自然災害発生等の航空業界を取り巻く環境の変化が与える国内線・国際線の運航便数や航空旅客数の変動が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。また、景気の動向、少子高齢化等に伴う消費行動の構造的変化等による影響も大きいと考えております。
当社グループは、平成25年度から平成27年度までを対象とした中期経営計画に基づき、さらなる羽田国際化への対応、新しい空港運営の未来の構築、事業収益性の改善、人材・組織力の強化を重点課題として取り組んでまいりました。
航空業界におきましては、航空自由化やLCCの路線拡大等による競争の激化、上下一体化による効率運営を目指した空港経営改革や首都圏空港の機能強化の具体化に向けた動きに加え、昨年には2020年の政府目標である訪日外国人旅客数2,000万人を概ね達成するなか、本年3月に、政府は「観光先進国」という新たな挑戦に向けて2020年の目標値を4,000万人へ大幅に上方修正するなど、事業環境は大きく変化しつつあり、首都圏空港機能はさらに飛躍的な強化が求められております。
当社グループはこのような変化に対応するため、羽田空港の基盤強化はもとより、これまでに培ったノウハウを活かした空港外での事業展開を始め、より一層競争力強化に向けた取組みが必要であると考えております。
以上のことを背景に、当社グループは、全てのステークホルダーに満足いただける空港を目指しながら、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げることとしました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(平成28年度から平成32年度)におきましては、羽田空港の「あるべき姿」の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んでまいります。
具体的には、東京オリンピック・パラリンピックに向けた確実な対応とともに、日本の玄関口として世界最高水準の安全性確保はもとより、地方創生事業の推進や最先端技術の導入を図りながら、SKYTRAXの連続受賞など羽田空港の包括的なブランディングに努めてまいります。また、他業種との連携や羽田空港外への展開により事業領域の拡大を進めるとともに、羽田空港国内線旅客ターミナルビルの顧客満足度の向上と収益拡大に向けた施設の改修やオペレーション改善による効率化など、確固たる羽田空港の基盤強化に努めてまいります。営業面における当面の課題としては市中免税店事業への対策が柱となりますが、中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費を確実に取り込むべく、必要な施策を実施してまいります。あわせて、これらを支えるべく、新たな価値を創造する環境の整備や株主・投資家に対する対話機会の拡大と各施策の確実性を高めるために組織・ガバナンスの再編・強化を図りながら、中期経営計画を推進してまいります。
当社は、空港法に基づく、羽田空港における国内線旅客ターミナルビルを建設・管理運営する空港機能施設事業者としての責務を果たすべく、今後とも日本経済や航空業界の動向等を見極め、公共性と企業性の調和という基本理念と中期経営計画に基づき、グループ一丸となって旅客ターミナルビルの利便性、快適性及び機能性の向上を目指し、顧客第一主義と絶対安全の確立に努め、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。