第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 業績の状況

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、弱さもみられるものの、緩やかな回復基調が続いております。先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復に向かうことが期待されますが、海外経済で弱さがみられ、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気の下振れや、英国のEU離脱問題などの海外経済の不確実性の高まりが、わが国の景気を下押しするリスクとなっております。

 航空業界におきましては、航空自由化(オープンスカイ)やLCC(ロー・コスト・キャリア)の路線拡大等による競争の激化、上下一体化による効率運営を目指した空港経営改革や首都圏空港の機能強化の具体化に向けた動きが進むなか、昨年には2020年の政府目標であった訪日外国人旅客数2,000万人を概ね達成し、本年3月には、政府は「観光先進国」という新たな挑戦に向けて2020年の目標値を4,000万人へ大幅に上方修正するなど、事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。

 当第1四半期連結累計期間の航空旅客数につきましては、羽田空港の国内線航空旅客数は前年同期をわずかに上回りました。羽田空港、成田空港、関西空港などの国際線航空旅客数は、各月の訪日外国人旅客数が過去最高記録を更新し続けており、1月から6月の半年で初めて1,000万人を超え過去最高の1,171万人を記録するなど、前年同期を上回っております。

 このような状況の中、当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(平成28年度から平成32年度)を策定し、羽田空港の「あるべき姿」の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んでおります。

 羽田空港の「あるべき姿」の追求につきましては、羽田空港国内線第1旅客ターミナルビルにおいて、フィッティングルームや授乳室、キッズトイレなどを備えた多目的レストルームを供用開始するなど、国内外のお客様の受入環境を整備することで利便性、快適性及び機能性の向上を図ってまいりました。加えて、日本の技術の発信と空港利用者に対する安全・安心・便利を前提とした良質なサービスを提供すべく、次世代型ロボットの導入を進めてまいりました。今後も未来の空港のあり方を見据え、空港の省力化・高度化等を目的とする新しいロボットの研究開発にも取り組み、新しい空港価値の創造と利便性の質的向上に努めてまいります。

 また、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化につきましては、新たな市場開拓の先駆けとして、本年1月27日に三越銀座店の8階に空港型市中免税店「Japan Duty Free GINZA」を、4月27日に羽田空港国際線旅客ターミナルビルに家電製品を中心に外国人旅客に人気のアイテムを取り揃えた「Air BIC CAMERA」をそれぞれ開業いたしました。昨年下期からいわゆる「爆買い」の沈静化傾向が見られ、当第1四半期連結累計期間においても営業収益は目標を下回る状況でありますが、中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費は、今後も免税市場を中心に拡大していくものと思われます。

 以上の結果、当第1四半期連結累計期間の業績につきましては、営業収益は 488億9千6百万円(前年同期比 1.0%増)、営業利益は 17億2千4百万円(前年同期比 40.7%減)、経常利益は 26億9千4百万円(前年同期比 24.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 18億1千6百万円(前年同期比 25.3%減)となりました。

 なお、羽田空港旅客ターミナルビルは、昨年、英国SKYTRAX社による国際空港評価において、2年連続で世界最高水準の旅客ターミナルビルであると評価され「5スターエアポート」を受賞しました。また、本年3月には、国内線空港総合評価部門で4年連続世界第1位のほか、空港の清潔さなどを評価する部門でも世界第1位の評価をいただきました。今後もこれに満足することなく、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今まで以上に羽田空港全体で連携しながら、空港を利用されるお客様を第一に考え、安全性はもちろん、利便性、快適性及び機能性に優れたサービスを提供し、お客様から信頼され続ける世界ナンバーワン品質の旅客ターミナルビルを目指し、航空輸送の発展に貢献してまいりたいと考えております。

 セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、営業利益はセグメント利益に該当します。

 

(施設管理運営業)

 家賃収入につきましては、一般貸室の増加等により、前年同期をわずかに上回りました。

 施設利用料収入につきましては、国内線航空旅客数の増加により、国内線旅客取扱施設利用料が増加となる等、前年同期を上回りました。

 その他の収入につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおける業務受託料収入や、広告料収入の増加等により、前年同期を上回りました。

 その結果、施設管理運営業の営業収益は 128億1千6百万円(前年同期比 4.3%増)、営業利益は修繕費の増加等により、12億9千9百万円(前年同期比 13.0%減)となりました。

 

(物品販売業)

 国内線売店売上につきましては、国内線航空旅客数の増加等により、前年同期をわずかに上回りました。

 国際線売店売上につきましては、成田空港および関西空港において前年のいわゆる「爆買い」需要からの反動減が大きく、空港型市中免税店の開業に伴う増収はあるものの、前年同期を下回りました。

 その他の売上(卸売)につきましては、羽田空港国際線旅客数の増加に伴い、同ターミナルビル店舗への卸売が好調に推移したこと等により、前年同期を上回りました。

 その結果、物品販売業の営業収益は 322億4千5百万円(前年同期比 1.5%減)、営業利益は空港型市中免税店の営業費用増もあり、16億6千9百万円(前年同期比 38.3%減)となりました。

 

(飲 食 業)

 飲食店舗売上につきましては、国内線航空旅客数の増加等により、前年同期をわずかに上回りました。

 機内食売上につきましては、顧客である外国航空会社の増便や新規取引等により、前年同期を大きく上回りました。

 その他の売上につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルでの業務受託料収入の増加等により、前年同期を上回りました。

 その結果、飲食業の営業収益は 50億7千3百万円(前年同期比 9.6%増)、営業利益は外注費の増加等により、3千2百万円(前年同期比 19.1%減)となりました。

 

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 航空業界におきましては、航空自由化(オープンスカイ)やLCC(ロー・コスト・キャリア)の路線拡大等による競争の激化、上下一体化による効率運営を目指した空港経営改革や首都圏空港の機能強化の具体化に向けた動きが進むなか、昨年には2020年の政府目標であった訪日外国人旅客数2,000万人を概ね達成し、本年3月には、政府は「観光先進国」という新たな挑戦に向けて2020年の目標値を4,000万人へ大幅に上方修正するなど、事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。

 当社グループはこのような変化に対応するため、羽田空港の基盤強化はもとより、これまでに培ったノウハウを活かした空港外での事業展開を始め、より一層競争力強化に向けた取組みが必要であると考えております。

 以上のことを背景に、当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(平成28年度から平成32年度)を策定し、羽田空港の「あるべき姿」の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んでおります。

 具体的には、東京オリンピック・パラリンピックに向けた確実な対応とともに、日本の玄関口として世界最高水準の安全性確保はもとより、地方創生事業の推進や最先端技術の導入を図りながら、SKYTRAX社の空港評価における連続受賞など羽田空港の包括的なブランディングに努めてまいります。また、他業種との連携や羽田空港外への展開により事業領域の拡大を進めるとともに、羽田空港国内線旅客ターミナルビルの顧客満足度の向上と収益拡大に向けた施設の改修やオペレーション改善による効率化など、確固たる羽田空港の基盤強化に努めてまいります。営業面における当面の課題としては市中免税店事業への対策が柱となりますが、中長期的にも増加が見込まれる訪日外国人による国内消費を確実に取り込むべく、必要な施策を実施してまいります。あわせて、これらを支えるべく、新たな価値を創造する環境の整備や株主・投資家に対する対話機会の拡大と各施策の確実性を高めるために組織・ガバナンスの再編・強化を図りながら、中期経営計画を推進してまいります。

 当社グループは、今後とも、航空会社との協力・協調関係を一層強め、航空業界と一体となって首都圏空港の新たな発展に寄与しつつ、企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

 当社の会社支配に関する基本方針、及び会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み、並びに会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの各概要は以下のとおりです。

 

 ①会社の支配に関する基本方針

  当社は、当社株式の大規模買付行為が行われる場合に、これを受け入れるか否かの最終的な判断はその時点における株主の皆様に委ねられるべきものであると考えます。

  当社は羽田空港において、航空系事業として、国内線旅客ターミナルビルの建設、管理運営を行うとともに、国際線旅客ターミナルビルを建設、管理運営する東京国際空港ターミナル株式会社の筆頭株主として、同社から国際線旅客ターミナルビルの主要な運営業務の一括受託などを行っております。一方、非航空系事業として、羽田空港、成田国際空港、関西国際空港並びに中部国際空港において物品販売業等を営み、その収益を基盤として航空界の急速な発展に即応した旅客ターミナルビルの拡充整備に努め、事業規模の拡大を図ってまいりました。そのため、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、旅客ターミナル事業の有する高度の安全性と公共性についての適切な認識に加え、当社の企業価値の源泉をなす重要な経営資源(独創性の高い技術・ノウハウ、特定の市場分野における知識・情報、長期にわたり醸成された取引先との深い信頼関係、専門分野に通暁した質の高い人材等)への理解が不可欠であると考えます。

  当社は、大規模買付者が突然現れた場合に、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に与える影響について株主の皆様が短期間の内に適切に判断するためには、大規模買付者及び当社取締役会の双方から、大規模買付行為が当社に与える影響や、大規模買付者の経営方針等の情報が適切かつ十分に提供されることが不可欠と考えます。さらに、当該大規模買付行為に関する当社取締役会による検討結果等の提示は、株主の皆様の判断に資するものであると考えます。

  当社としましては、大規模買付行為が行われる場合には、大規模買付者において、株主の皆様の判断のために、当社が設定して事前に開示する一定のルールに従って、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供していただく必要があると考えております。また、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損することとなる悪質な当社株式の大規模買付行為を防止するため、大規模買付者に対して相応の質問や大規模買付者の提案内容等の改善を要求し、あるいは株主の皆様にメリットのある相当な代替案が提示される機会を確保し、さらには当該大規模買付ルールを遵守しない大規模買付行為に対しては企業価値ひいては株主共同の利益の維持・向上の観点から相当な措置がとられる必要があると考えております。

 

 ②会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み

  当社は、会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みとして、下記③で記載するもののほか、以下の取組みを行い、企業価値ひいては株主共同の利益の維持・向上に努めております。

 

 (ⅰ)中期経営計画に基づく取組み

   当社は、旅客ターミナルビルにおける絶対安全の確立のため、さらなる安全対策強化に全力を傾注するとともに、羽田空港国内線第1旅客ターミナルビル及び第2旅客ターミナルビルの一体的運営による一層の効率化を図り、運営諸費用の増加等への対策に努めております。また、東京国際空港ターミナル株式会社を建設、管理運営主体とする国際線旅客ターミナルビルにつきましては、同社の筆頭株主として、主要な運営業務の一括受託などを行っております。併せてお客様本位の旅客ターミナルビルの運営を目指し、当社グループCS理念「訪れる人に安らぎを、去り行く人にしあわせを」の下、顧客第一主義を徹底するほか、積極的な人材育成を図り、全社を挙げて一層のサービス向上、さらなる収益の向上に努めることとし、中期経営計画に基づく諸施策に積極的に取り組んでおります。

 

 (ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化充実に向けた取組み

   当社はコーポレート・ガバナンスが経営上重要な問題であるとの基本的認識に立ち、経営の透明性の確保を図るため、創業以来、社外取締役及び社外監査役を選任しております。原則毎月1回開催される取締役会は、常勤取締役10名、非常勤取締役1名、独立役員2名を含む非常勤の社外取締役4名で構成され、経営の基本方針、法令で定められた事項やその他経営に関する重要事項を決定するとともに業務執行状況の監督機能を果たしております。常勤監査役2名、独立役員2名を含む非常勤の社外監査役3名からなる監査役は、取締役会やその他重要な会議に出席し、取締役の業務執行の適法性、妥当性及び経営の透明性、健全性を監視できる体制となっております。

 

 ③会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配される

  ことを防止するための取組み

  当社は、①で述べた会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため、「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下「本対応方針」という。)により、大規模買付行為が行われる場合に関して大規模買付ルールを定め、かつ、大規模買付者が当該ルールを遵守しなかった場合における対抗措置の発動に係る手続きについて定めております。

 

 (ⅰ)独立委員会の設置

   大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するものか否かの検討・審議を行い、大規模買付行為に関する当社取締役会の判断及び対応の公正を担保する機関として、独立委員会を設置します。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で中立な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役、及び社外有識者のいずれかに該当する者の中から選任します。

   当社取締役会は、大規模買付行為が開始された場合に当該大規模買付行為との関係では対抗措置を発動しない旨の不発動決議の是非について独立委員会に諮問することとし、当社取締役会はその勧告を最大限尊重するものとします。

 

 (ⅱ)大規模買付ルール

   大規模買付ルールとして、大規模買付者は、定められた手続きに従い情報提出等を行うものとし、かつ、情報提出手続き等を経て、当社取締役会が不発動決議を行うまで、大規模買付行為を行わないこととします。

  (ア)大規模買付意向表明書の当社への事前提出

   大規模買付者は、大規模買付ルールに従って大規模買付行為を行う旨の大規模買付意向表明書(当社所定の書式)を事前に当社に対して提出していただきます。

 

  (イ)大規模買付行為に関する情報の提出

   大規模買付者から大規模買付意向表明書をご提出いただいた場合、当社は当該大規模買付者に対し、改めてご提出いただく情報の項目を記載した情報リストを10営業日(初日不算入)以内に交付いたします。

   大規模買付者は、情報リストに基づき、株主の皆様のご判断及び独立委員会の検討のために必要かつ十分な大規模買付行為に関する情報を当社にご提出いただきます。

 

  (ウ)独立委員会による検討開始に係る通知

   当社は、当該大規模買付行為に関する情報の提出が完了したと認められる場合等、独立委員会による検討を開始するのが適当と合理的に判断される場合には、その旨を大規模買付者に通知し開示するとともに、独立委員会による検討の開始を依頼いたします。

 

  (エ)独立委員会による検討及び不発動勧告決議

   独立委員会は、独立委員会検討期間として定められた期間内に、大規模買付行為の内容の検討、当社取締役会等の提供する代替案の検討等を行います。

   大規模買付者は、独立委員会が検討資料その他の情報提供、協議・交渉等を求めた場合には、速やかにこれに応じなければならないものとします。独立委員会は、当該大規模買付行為に関する情報の検討等の結果、全員一致の決議により、当該大規模買付行為が当社企業価値を毀損し会社の利益ひいては株主共同の利益を害するおそれがないものと認める場合には、当社取締役会に対して、不発動勧告決議を行うこととします。

 

  (オ)株主総会における株主意思確認

   独立委員会は、独立委員会検討期間内に不発動勧告決議を行うに至らなかった場合には、当該大規模買付行為に対する対抗措置に係る株主意思確認総会を開催する旨を勧告することとし、かかる勧告を受けて当社取締役会は、株主意思確認総会の招集を速やかに決定するものとします。

   株主意思確認総会の決議は、出席株主の議決権の過半数によって決するものとします。

 

  (カ)取締役会の不発動決議

   当社取締役会は、独立委員会が当該大規模買付行為について不発動決議を行うべき旨勧告した場合、取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情が存しない限り、不発動決議を速やかに行うものとします。

   また、当社取締役会は、上記(ⅱ)(オ)に定める株主意思確認総会において対抗措置を発動すべきでない旨の株主意思が示された場合、不発動決議を速やかに行うものとします。

 

  (キ)大規模買付ルールに従わない大規模買付行為に対する対抗措置の発動

   当社取締役会が不発動決議を行うまで、大規模買付者は、大規模買付行為を行ってはならないものとします。当社取締役会は、大規模買付ルールに従わない大規模買付行為が行われ対抗措置の発動が相当である場合、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目的として、本対応方針に基づく対抗措置を行うものとします。本対応方針の対抗措置としては、新株予約権の無償割当てその他の法令及び当社の定款上許容される手段を想定しております。

 

 (ⅲ)株主・投資家に与える影響

   本対応方針は、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断されるために必要な情報を提供し、さらには、当社株主の皆様が大規模買付行為に係るより良い提案や、当社取締役会等による代替案の提示を受ける機会を保証するための相応の検討時間・交渉力等が確保されることを目的としています。これにより、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為への応諾その他の選択肢について適切な判断をされることが可能となり、そのことが当社株主全体の利益の保護につながるものと考えます。従いまして、本対応方針の設定は、当社株主及び投資家の皆様が適切な投資判断をなされる上での前提となるものであり、当社株主及び投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。

 

 ④取締役会の判断及びその理由

  当社の中期経営計画、コーポレート・ガバナンスの強化充実等の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。

  また、本対応方針は上記の基本方針に沿うものであり、またその合理性を高めるため以下のような特段の工夫が施されておりますので、本対応方針は、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。

 

 (ⅰ)本対応方針は、平成26年6月27日開催の第70回定時株主総会においてその基本的内容につき、株主の皆様の事前承認を受けております。当該株主総会の承認は、当該定時株主総会から3年を有効期間とします。当社取締役会は、3年が経過した時点で、改めて本対応方針に関する株主意思の確認を行い、株主の皆様にご判断いただくことを予定しております。当社取締役会は、当該株主総会承認の有効期間中、関連する法制度の動向その他当社を取り巻く様々な状況を勘案して、当該株主総会承認の趣旨の範囲内で、本対応方針の細目その他必要な事項の決定や修正等を行うこととします。

 

 (ⅱ)本対応方針は、株主意思確認総会において対抗措置を発動すべきでない旨の株主意思が示された場合、当社取締役会は不発動決議を速やかに行うものとしております。また、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役、及び社外有識者のいずれかに該当する者の中から選任される委員により構成される独立委員会が、株主意思確認総会の招集に先立つ独立委員会検討期間内において、当該大規模買付行為が当社企業価値を毀損し会社の利益ひいては株主共同の利益を害するおそれがないものと認め不発動勧告決議を行った場合には、当社取締役会は、取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り、速やかに同勧告決議に従い不発動決議を行うこととされています。このように、取締役の地位の維持等を目的とした恣意的な発動を防止するための仕組みを本対応方針は確保しております。

 

 (ⅲ)当社は、取締役の解任決議要件の普通決議からの加重も行っておりません。本対応方針は、大規模買付者が自己の指名する取締役を当社株主総会の普通決議により選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、廃止させることが可能です。従いまして、本対応方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は、期差任期制を採用していないため、本対応方針はスローハンド型(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

 (ⅳ)本対応方針は、経済産業省及び法務省が定めた平成17年5月27日付「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」が求める適法性の要件(新株予約権等の発行の差止めを受けることがないために充たすべき要件)、合理性の要件(株主や投資家など関係者の理解を得るための要件)をすべて充たしております。また、経済産業省企業価値研究会の平成20年6月30日付報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の提言内容にも合致しております。

 

 (ⅴ)その他

  本対応方針の詳細につきましては、当社ホームページに掲載の「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の継続について」の本文をご覧ください。

 

 ( 参考URL http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/company/ir/ )

 

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

 航空業界におきましては、航空自由化(オープンスカイ)やLCC(ロー・コスト・キャリア)の路線拡大等による競争の激化、上下一体化による効率運営を目指した空港経営改革や首都圏空港の機能強化の具体化に向けた動きが進むなか、昨年には2020年の政府目標であった訪日外国人旅客数2,000万人を概ね達成し、本年3月には、政府は「観光先進国」という新たな挑戦に向けて2020年の目標値を4,000万人へ大幅に上方修正するなど、事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。

 当社グループはこのような変化に対応するため、羽田空港の基盤強化はもとより、これまでに培ったノウハウを活かした空港外での事業展開を始め、より一層競争力強化に向けた取組みが必要であると考えております。

 以上のことを背景に、当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(平成28年度から平成32年度)を策定し、羽田空港の「あるべき姿」の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んでおります。

 具体的には、東京オリンピック・パラリンピックに向けた確実な対応とともに、日本の玄関口として世界最高水準の安全性確保はもとより、地方創生事業の推進や最先端技術の導入を図りながら、SKYTRAX社の空港評価における連続受賞など羽田空港の包括的なブランディングに努めてまいります。また、他業種との連携や羽田空港外への展開により事業領域の拡大を進めるとともに、羽田空港国内線旅客ターミナルビルの顧客満足度の向上と収益拡大に向けた施設の改修やオペレーション改善による効率化など、確固たる羽田空港の基盤強化に努めてまいります。営業面における当面の課題としては市中免税店事業への対策が柱となりますが、中長期的にも増加が見込まれる訪日外国人による国内消費を確実に取り込むべく、必要な施策を実施してまいります。あわせて、これらを支えるべく、新たな価値を創造する環境の整備や株主・投資家に対する対話機会の拡大と各施策の確実性を高めるために組織・ガバナンスの再編・強化を図りながら、中期経営計画を推進してまいります。

 当社グループは、今後とも、航空会社との協力・協調関係を一層強め、航空業界と一体となって首都圏空港の新たな発展に寄与しつつ、企業価値の向上に努めてまいります。