文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、国内航空輸送網の拠点である羽田空港における国内線旅客ターミナルビル等を建設、管理運営する企業として、公共性と企業性の調和を経営の基本理念としております。
この基本理念の下、今後とも、旅客ターミナルビルにおける絶対安全の確立、お客様本位の旅客ターミナルビル運営、安定的かつ効率的な旅客ターミナルビル運営に努めることにより確実に社会的責任を果たしてまいります。
また、グループ全体の継続的な企業価値の向上を図るため、戦略的かつ適切な投資の実行及び投資管理によるさらなる旅客ターミナルビルの利便性、快適性及び機能性の向上や顧客ニーズの高度化・多様化に的確に対応するとともに、航空会社、空港利用者、取引先、株主等関係者への適切な還元を心がけることを経営の基本方針としております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおいて、これまで東京国際空港ターミナル株式会社(以下、TIAT)が、連結財務諸表に持分法適用会社として反映されていたことから「ROA(経常利益)」を当社グループの総合力指標としていましたが、今後は連結子会社として反映されるため「ROA(EBITDA)」を総合力指標に変更し、新たに「営業利益率」を収益性指標とします。また、TIAT連結子会社化により、安定性指標である自己資本比率が大幅に低下いたしますが、早期の安定を目指してまいります。
(3) 経営環境・対処すべき課題等
当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(2016年度から2020年度)を策定し、羽田空港の“あるべき姿”の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・ガバナンスの再編・強化に取組んでおります。
航空業界におきましては、2020年東京オリンピック・パラリンピックとその先を見据えた首都圏空港の機能強化に向けた取組みや、「観光先進国」の実現に向けて訪日外国人旅行者の目標2020年4,000万人、2030年6,000万人に向けた地方空港等のゲートウェイ機能強化が進められています。また、テロ対策の強化や安全な運航の確保に向けたセキュリティ・セイフティの万全な確保の取組みも進められています。このように事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。
当社グループはこのような変化に対応するため、羽田空港の基盤強化はもとより、これまでに培ったノウハウを活かした空港外での事業展開を始め、より一層競争力強化に向けた取組みが必要であると考えております。
具体的には、2020年東京オリンピック・パラリンピック及び羽田空港におけるさらなる首都圏空港の機能強化に向けて、国土交通省の「平成30年度航空局関係予算の決定概要」に基づき、国内線第2旅客ターミナルビルの一部国際化等の計画を着実に推進してまいります。
羽田空港における首都圏空港の機能強化につきましては、国において、地元のご理解をいただけるよう、住民説明会などを通じた丁寧な情報提供を行っているところです。このような状況の下、地元のご理解をいただきつつ、施設整備に着手しており、当社においては、連結子会社であるTIATと連携して、羽田空港の最大の特色である国内線・国際線ハブ機能を十分に発揮して利用者利便のさらなる向上を図るとともに、国内線・国際線旅客ターミナルビルの一体的運用による、より一層の効率的な旅客ターミナルビル運営に取組んでまいりたいと考えております。
強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化につきましては、海外での空港運営事業としては初めてとなるパラオ国際空港の運営事業に、双日株式会社とともに参画しており、当社の空港運営における品質管理等のノウハウを、パラオ国際空港の利便性の向上や収益力の強化に生かしていく予定であります。
また、今後は羽田空港で培った当社の経験とノウハウをより広範囲に活用するとともに、外部の知見も活かして、さらなる事業領域を拡大するために専門の子会社を設立し、新たなビジネス機会の創出を通じ、収益機会の拡大を推進してまいります。
また、地方創生事業の推進や最先端技術の導入を図りながら、SKYTRAX社の空港評価における連続受賞など羽田空港の包括的なブランディングに努めてまいります。そして、他業種との連携や羽田空港外への展開により事業領域の拡大を進めるとともに、羽田空港旅客ターミナルビルの顧客満足度の向上と収益拡大に向けた施設の改修やオペレーション改善による効率化など、確固たる羽田空港の基盤強化に努めてまいります。
営業面における課題としては、市中免税店事業の対策に取組んでまいりましたが、各種営業施策の効果が表れております。今後は、免税事業全般について、中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費機会を確実に捉え、主要な事業領域の一つとしてより一層強化するべく努めてまいります。
さらに、航空業界における脅威として、航空機自体又は旅客ターミナルビル施設等を標的とした犯罪行為が起こる可能性がある中、当社は日本の空の玄関口である羽田空港の旅客ターミナルビルを管理運営する空港機能施設事業者として、安全性確保により一層取組んでまいります。
このように当社を取り巻く事業環境の変化及び課題を的確に捉えつつ、新たな価値を創造する環境の整備や株主・投資家に対する対話機会の拡大と各施策の確実性を高めるために組織・ガバナンスの再編・強化を図りながら、中期経営計画を推進してまいります。
当社は、空港法に基づく、羽田空港における国内線旅客ターミナルビルを建設・管理運営する空港機能施設事業者としての責務を果たすべく、国際線旅客ターミナルビルを建設・管理運営する連結子会社であるTIATと連携して、今後とも日本経済や航空業界の動向等を見極め、公共性と企業性の調和という基本理念と中期経営計画に基づき、グループ一丸となって旅客ターミナルビルの利便性、快適性及び機能性の向上を目指し、顧客第一主義と絶対安全の確立に努め、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
(4) 株式会社の支配に関する基本方針
当社の会社支配に関する基本方針及び会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み、並びに会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの各概要は以下のとおりです。
① 会社の支配に関する基本方針
当社は、当社株式の大規模買付行為が行われる場合に、これを受け入れるか否かの最終的な判断はその時点における株主の皆様に委ねられるべきものであると考えます。
当社は羽田空港において、航空系事業として、国内線旅客ターミナルビルの建設、管理運営を行うとともに、国際線旅客ターミナルビルを建設、管理運営する東京国際空港ターミナル株式会社の筆頭株主として、同社から国際線旅客ターミナルビルの主要な運営業務の一括受託などを行っております。一方、非航空系事業として、羽田空港、成田国際空港、関西国際空港並びに中部国際空港において物品販売業等を営み、その収益を基盤として航空界の急速な発展に即応した旅客ターミナルビルの拡充整備に努めており、また、これまで培ったノウハウを活かした空港外での事業展開を図ってまいりました。そのため、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、旅客ターミナル事業の有する高度の安全性と公共性についての適切な認識に加え、当社の企業価値の源泉をなす重要な経営資源(独創性の高い技術・ノウハウ、特定の市場分野における知識・情報、長期にわたり醸成された取引先との深い信頼関係、専門分野に通暁した質の高い人材等)への理解が不可欠であると考えます。
また、中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費を取り込む施策を実施し、これらを支える、新たな価値を創造する環境の整備や株主・投資家に対する対話機会の拡大と各施策の確実性を高めるために組織・ガバナンスの再編・強化を図りながら、中期経営計画を邁進していきます。
当社は、大規模買付者が突然現れた場合に、当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に与える影響について株主の皆様が短期間の内に適切に判断するためには、大規模買付者及び当社取締役会の双方から、大規模買付行為が当社に与える影響や、大規模買付者の経営方針等の情報が適切かつ十分に提供されることが不可欠と考えます。さらに、当該大規模買付行為に関する当社取締役会による検討結果等の提示は、株主の皆様の判断に資するものであると考えます。
当社としましては、大規模買付行為が行われる場合には、大規模買付者において、株主の皆様の判断のために、当社が設定して事前に開示する一定のルールに従って、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供していただく必要があると考えております。また、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損することとなる悪質な当社株式の大規模買付行為を防止するため、大規模買付者に対して相応の質問や大規模買付者の提案内容等の改善を要求し、あるいは株主の皆様にメリットのある相当な代替案が提示される機会を確保し、さらには当該大規模買付ルールを遵守しない大規模買付行為に対しては企業価値ひいては株主共同の利益の維持・向上の観点から相当な措置がとられる必要があると考えております。
② 会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、会社の支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組みとして、下記③で記載するもののほか、以下の取組みを行い、企業価値ひいては株主共同の利益の維持・向上に努めております。
(ⅰ)中期経営計画に基づく取組み
当社は、旅客ターミナルビルにおける絶対安全の確立のため、さらなる安全対策強化に全力を傾注するとともに、羽田空港国内線第1旅客ターミナルビル及び第2旅客ターミナルビルの一体的運営による一層の効率化を図り、運営諸費用の増加等への対策に努めております。また、国際線旅客ターミナルビルの運営主体である東京国際空港ターミナル株式会社につきましては、同社の筆頭株主として、主要な運営業務の一括受託などを行っております。併せてお客様本位の旅客ターミナルビルの運営を目指し、当社グループCS理念「訪れる人に安らぎを、去り行く人にしあわせを」の下、顧客第一主義を徹底するほか、積極的な人材育成を図り、全社を挙げて一層のサービス向上、さらなる収益の向上に努めることとし、中期経営計画に基づく諸施策に積極的に取組んでおります。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化充実に向けた取組み
当社はコーポレート・ガバナンスが経営上重要な問題であるとの基本的認識に立ち、経営の透明性の確保を図るため、創業以来、社外取締役及び社外監査役を選任しております。原則毎月1回開催される取締役会は、常勤取締役11名、独立役員2名を含む非常勤の社外取締役4名で構成され、経営の基本方針、法令で定められた事項やその他経営に関する重要事項を決定するとともに業務執行状況の監督機能を果たしております。監査役会は、常勤監査役2名、独立役員2名を含む非常勤の社外監査役3名で構成され、監査役は、取締役会やその他重要な会議に出席し、取締役の業務執行の適法性、妥当性及び経営の透明性、健全性を監視できる体制となっております。
③ 会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配される
ことを防止するための取組み
当社は、①で述べた会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するため、「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下「本対応方針」という。)により、大規模買付行為が行われる場合に関して大規模買付ルールを定め、かつ、大規模買付者が当該ルールを遵守しなかった場合における対抗措置の発動に係る手続について定めております。
(ⅰ)独立委員会の設置
大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するものか否かの検討・審議を行い、大規模買付行為に関する当社取締役会の判断及び対応の公正を担保する機関として、独立委員会を設置します。独立委員会の委員は3名以上とし、公正で中立な判断を可能とするため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役及び社外有識者のいずれかに該当する者の中から選任します。
当社取締役会は、大規模買付行為が開始された場合に当該大規模買付行為との関係では対抗措置を発動しない旨の不発動決議の是非について独立委員会に諮問することとし、当社取締役会はその勧告を最大限尊重するものとします。
(ⅱ)大規模買付ルール
大規模買付ルールとして、大規模買付者は、定められた手続に従い情報提出等を行うものとし、かつ、情報提出手続等を経て、当社取締役会が不発動決議を行うまで、大規模買付行為を行わないこととします。
(ア)大規模買付意向表明書の当社への事前提出
大規模買付者は、大規模買付ルールに従って大規模買付行為を行う旨の大規模買付意向表明書(当社所定の書式)を事前に当社に対して提出していただきます。
(イ)大規模買付行為に関する情報の提出
大規模買付者から大規模買付意向表明書をご提出いただいた場合、当社は当該大規模買付者に対し、改めてご提出いただく情報の項目を記載した情報リストを10営業日(初日不算入)以内に交付いたします。
大規模買付者は、情報リストに基づき、株主の皆様のご判断及び独立委員会の検討のために必要かつ十分な大規模買付行為に関する情報を当社にご提出いただきます。
(ウ)独立委員会による検討開始に係る通知
当社は、当該大規模買付行為に関する情報の提出が完了したと認められる場合等、独立委員会による検討を開始するのが適当と合理的に判断される場合には、その旨を大規模買付者に通知し開示するとともに、独立委員会による検討の開始を依頼いたします。
(エ)独立委員会による検討及び不発動勧告決議
独立委員会は、独立委員会検討期間として定められた期間内に、大規模買付行為の内容の検討、当社取締役会等の提供する代替案の検討等を行います。
大規模買付者は、独立委員会が検討資料その他の情報提供、協議・交渉等を求めた場合には、速やかにこれに応じなければならないものとします。独立委員会は、当該大規模買付行為に関する情報の検討等の結果、全員一致の決議により、当該大規模買付行為が当社企業価値を毀損し会社の利益ひいては株主共同の利益を害するおそれがないものと認める場合には、当社取締役会に対して、不発動勧告決議を行うこととします。
(オ)株主総会における株主意思確認
独立委員会は、独立委員会検討期間内に不発動勧告決議を行うに至らなかった場合には、当該大規模買付行為に対する対抗措置に係る株主意思確認総会を開催する旨を勧告することとし、かかる勧告を受けて当社取締役会は、株主意思確認総会の招集を速やかに決定するものとします。
株主意思確認総会の決議は、出席株主の議決権の過半数によって決するものとします。
(カ)取締役会の不発動決議
当社取締役会は、独立委員会が当該大規模買付行為について不発動決議を行うべき旨勧告した場合、取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情が存しない限り、不発動決議を速やかに行うものとします。
また、当社取締役会は、上記③(ⅱ)(オ)に定める株主意思確認総会において対抗措置を発動すべきでない旨の株主意思が示された場合、不発動決議を速やかに行うものとします。
(キ)大規模買付ルールに従わない大規模買付行為に対する対抗措置の発動
当社取締役会が不発動決議を行うまで、大規模買付者は、大規模買付行為を行ってはならないものとします。当社取締役会は、大規模買付ルールに従わない大規模買付行為が行われ対抗措置の発動が相当である場合、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を目的として、本対応方針に基づく対抗措置を行うものとします。本対応方針の対抗措置としては、新株予約権の無償割当てその他の法令及び当社の定款上許容される手段を想定しております。
(ⅲ)株主・投資家に与える影響
本対応方針は、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断されるために必要な情報を提供し、さらには、当社株主の皆様が大規模買付行為に係るより良い提案や、当社取締役会等による代替案の提示を受ける機会を保証するための相応の検討時間・交渉力等が確保されることを目的としています。これにより、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為への応諾その他の選択肢について適切な判断をされることが可能となり、そのことが当社株主全体の利益の保護につながるものと考えます。従いまして、本対応方針の設定は、当社株主及び投資家の皆様が適切な投資判断をなされる上での前提となるものであり、当社株主及び投資家の皆様の利益に資するものであると考えております。
④取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画、コーポレート・ガバナンスの強化充実等の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。
また、本対応方針は上記の基本方針に沿うものであり、またその合理性を高めるため以下のような特段の工夫が施されておりますので、本対応方針は、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、また当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
(i)本対応方針は、平成29年6月29日開催の第73回定時株主総会においてその基本的内容につき、株主の皆様の事前承認を受けております。当該株主総会の承認は、当該定時株主総会から3年を有効期間とします。当社取締役会は、3年が経過した時点で、改めて本対応方針に関する株主意思の確認を行い、株主の皆様にご判断いただくことを予定しております。当社取締役会は、当該株主総会承認の有効期間中、関連する法制度の動向その他当社を取り巻く様々な状況を勘案して、当該株主総会承認の趣旨の範囲内で、本対応方針の細目その他必要な事項の決定や修正等を行うこととします。
(ⅱ)本対応方針は、株主意思確認総会において対抗措置を発動すべきでない旨の株主意思が示された場合、当社取締役会は不発動決議を速やかに行うものとしております。また、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役及び社外有識者のいずれかに該当する者の中から選任される委員により構成される独立委員会が、株主意思確認総会の招集に先立つ独立委員会検討期間内において、当該大規模買付行為が当社企業価値を毀損し会社の利益ひいては株主共同の利益を害するおそれがないものと認め不発動勧告決議を行った場合には、当社取締役会は、取締役としての善管注意義務に明らかに反する特段の事情がない限り、速やかに同勧告決議に従い不発動決議を行うこととされています。このように、取締役の地位の維持等を目的とした恣意的な発動を防止するための仕組みを本対応方針は確保しております。
(ⅲ)当社は、取締役の解任決議要件の普通決議からの加重も行っておりません。本対応方針は、大規模買付者が自己の指名する取締役を当社株主総会の普通決議により選任し、係る取締役で構成される取締役会により、廃止させることが可能です。従いまして、本対応方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は、期差任期制を採用していないため、本対応方針はスローハンド型(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
(ⅳ)本対応方針は、経済産業省及び法務省が定めた平成17年5月27日付「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」が求める適法性の要件(新株予約権等の発行の差止めを受けることがないために充たすべき要件)、合理性の要件(株主や投資家など関係者の理解を得るための要件)をすべて充たしております。また、経済産業省企業価値研究会の平成20年6月30日付報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の提言内容にも合致しております。
⑤その他
本対応方針の詳細につきましては、当社ウェブサイトに掲載の「当社株式に対する大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の継続について」の本文をご覧ください。
( 参考URL http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/company/ir/ )
投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの営業基盤について
当社グループは、羽田空港国内線旅客ターミナルビル等を建設、管理運営する企業として事務室等の賃貸、物品販売、飲食、旅行サービスの提供を中核的な事業としつつ、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおいて受託業務や卸売等を展開しております。また、成田空港、関西空港、中部空港等の拠点空港においても物品販売、飲食サービス等の提供に係る事業展開を行うほか、空港外に保有する社有地を有効活用した不動産賃貸等を行っており、長年培ってきた経験を生かして空港内外における新たな事業展開についても取り組んでおります。
(2) 当社グループの事業等のリスクについて
事業等のリスクとしては次に挙げる事項を想定しておりますが、これらのリスクとして想定した事項が発生、拡大した場合においても、当社グループの経営に対する影響を最小限に留めるよう、地域別(羽田空港、成田空港等)、業種別(施設管理運営業、物品販売業、飲食業)に売上構成の多様化によりリスクの分散を図るとともに、各事業分野における運営諸費用の増加への対策強化等により当社グループの企業体質の強化と総合力の向上に努めております。
① 当社グループの事業の根幹は、空港旅客ターミナルビルにおける事務室等の賃貸や航空旅客に対する物品の販売、飲食や旅行サービスの提供であり、主要賃貸先の航空会社や主要顧客である航空旅客への依存度が高く、国際情勢の変化、自然災害発生及び新型インフルエンザの流行等の影響による国際線及び国内線航空旅客数の変動や航空会社の業績等は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 当社グループの事業基盤の中心である羽田空港の国内線及び国際線における空港ビル事業については、当該事業主体が空港法に基づく、空港機能施設事業者としての指定を受けることとされており、空港ビル事業に係る法令や制度の変更及び空港の設置管理者である国や行政当局の空港運営方針が、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
③ 航空分野の成長及び日本経済の活性化を目的として、国土交通省は、航空自由化の推進・LCCなどの新規企業の参入促進・空港経営改革による三位一体の取組みを進めており、中でも空港経営改革については、民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律が施行され、一層の進展が図られております。今後、国や行政当局が定める方針によっては、将来の当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
④ 当社グループは、羽田空港において国内線旅客ターミナルビル2棟及び立体駐車場1棟を建設所有し、事務室等を賃貸するほか、物品販売、飲食や旅行サービスの提供等を行っております。これら旅客ターミナルビルについて安全かつ快適にご利用いただけるよう防災、防犯、事故防止に全力を傾注しておりますが、地震、火災、テロ行為等により空港又は旅客ターミナルビルに人的・物的損害が発生するような事態が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 当社グループは、空港内店舗における飲食店舗の運営、物販店舗における食材・加工品を含む食料品の販売、機内食の製造・販売等を行っております。食品の安全性については日頃より細心の注意を払い、事業運営を行っておりますが、飲食店舗や物販店舗等において食中毒、異物混入等の品質保証問題が発生した場合には、企業イメージの失墜、行政処分等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 当社グループは、事業資金を効率的かつ安定的に調達するため、取引金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には財務制限条項等が付されており、税制変更や事業環境の変化等によって、当社の信用格付けが一定程度以上格下げされるなど、当該条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し、資金繰りや経営成績、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかに回復しております。先行きにつきましては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されますが、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある状況となっております。
航空業界におきましては、航空自由化(オープンスカイ)やLCC(ロー・コスト・キャリア)の路線拡大等による競争の激化、上下一体化による効率運営を目指した空港経営改革や首都圏空港の機能強化の具体化に向けた動きが進むなか、政府は「観光先進国」という新たな挑戦に向けて訪日外国人旅客数について2020年の目標値を4,000万人としており、2017年の訪日外国人旅客数は2,800万人を超えるなど、事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。
当連結会計年度の航空旅客数につきましては、羽田空港国内線、羽田空港・成田空港・関西空港の国際線の航空旅客数はいずれも前年を上回っております。
このような状況の中、当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(2016年度から2020年度)を策定し、羽田空港の“あるべき姿”の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・人財・ガバナンスの再編・強化に取り組んでおります。
羽田空港の強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化につきましては、ビジネスパーソンをターゲットとしたビジネスモールプロジェクト「THE HANEDA HOUSE」を進めており、「羽田で過ごす」通過する場所から滞在する場所へ、をコンセプトに、昨年5月に国内線第1旅客ターミナルにレンタルオフィス、会議室、ビジネスラウンジを置く「リージャスエクスプレス」をオープンし、本年12月のグランドオープンを目指して準備を進めております。また、既存ラウンジをリニューアルし、名称を「POWER LOUNGE」に改め、贈答品など事前に予約できるサービス等を開始しました。また、視認性と操作性の向上を目的に、ショッピングWEBサイト「HANEDA Shopping」及び免税品事前注文WEBサイト「JAPAN DUTY FREE」をリニューアルしたことに加え、昨年11月には中国の越境ECサイト「Kaola.com」にEC店舗、昨年12月には中部空港にブランドブティック3店舗、本年4月には家電製品を中心に訪日外国人旅客に人気のアイテムを取り揃えた「Air BIC CAMERA」、羽田国際線到着エリア内に到着時免税店を出店いたしました。空港型市中免税店「Japan Duty Free GINZA」につきましては、本年2月に新規ブランドの取り扱いを始めるなど各種集客対策に努めた結果、売上が順調に推移いたしました。今後も引き続き中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費の機会や、出国する日本人による消費機会を確実に捉え、収益の確保に努めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、営業収益は2,259億5千3百万円(前期比 10.2%増)、営業利益は134億2千9百万円(前期比 41.4%増)、経常利益は 166億9千6百万円(前期比 30.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は117億7千6百万円(前期比 71.0%増)となりました。
なお、羽田空港旅客ターミナルビルは、昨年9月に英国SKYTRAX社より、世界最高水準との評価を受け、「5スターエアポート」を4年連続で獲得し、さらには本年3月に実施された2018年国際空港評価の空港総合評価である「The World's Best Airports」においても世界第3位を受賞いたしました。また、部門賞である「The World's Cleanest Airports」については3年連続(5回目)の世界第1位、「The World's Best Domestic Airports」では6年連続で世界第1位となりました。今後もこれに満足することなく、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、今まで以上に羽田空港全体で連携しながら、空港を利用されるお客様を第一に考え、安全性はもちろん、利便性、快適性及び機能性に優れたサービスを提供し、お客様から信頼され続ける世界ナンバーワン品質の旅客ターミナルビルを目指し、航空輸送の発展に貢献してまいりたいと考えております。
羽田空港におきましては、現在、さらなる首都圏空港の機能強化に向け、国において、地元のご理解をいただけるよう、住民説明会などを通じた丁寧な情報提供を行っているところです。
このような状況の下、地元のご理解をいただきつつ、施設整備に着手しており、この一環として、東京国際空港ターミナル株式会社(以下「TIAT」という。)としては、国際線旅客ターミナルビルの拡充計画を進めており、同施設の拡充に要する資金調達計画の一つとして、新株発行により株主から資金を調達する計画を策定いたしました。
これを受け、当社はTIATの代表企業としての責務を果たし、本事業のさらなる確実な実施に向けて協力していくため、TIATが発行する株式を本年4月27日に追加取得いたしました。これにより、当社の株式持分が51%となったことから、TIATは持分法適用会社から、連結子会社となりました。今後、国内線旅客ターミナルビル事業者である当社は、国際線旅客ターミナルビル事業者であるTIATと連携して、羽田空港の最大の特色である国内線・国際線ハブ機能を十分に発揮して利用者利便のさらなる向上を図ってまいりたいと考えております。
セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、営業利益はセグメント利益に該当します。
(施設管理運営業)
家賃収入につきましては、羽田空港国内線旅客ターミナルビルにおける航空会社事務室の貸増等により、前年を上回りました。
施設利用料収入につきましては、国内線航空旅客数の増加により、前年を上回りました。
その他の収入につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおける業務受託料収入や、請負工事収入の増加等により、前年を上回りました。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 604億5千1百万円(前期比 6.4%増)、営業利益は、修繕費や業務委託費の増加、国有財産一時使用料の増加等により、67億1千4百万円(前期比 3.8%増)となりました。
(物 品 販 売 業)
国内線売店売上につきましては、国内線航空旅客数の増加及び商品の販売促進に努めたこと等により、前年を上回りました。
国際線売店売上につきましては、関西空港において一部店舗の契約形態を変更したこと等による減収があったものの、成田空港の直営店と空港型市中免税店の増収があったことや、昨年12月に中部空港に免税店を出店したことにより、前年を上回りました。
その他の売上(卸売)につきましては、国際線の旅客数が増加し、特に羽田空港国際線旅客ターミナル店舗向けの卸売が好調に推移したことにより、前年を上回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 1,486億4千7百万円(前期比 12.7%増)、営業利益は空港型市中免税店での売上総利益の増加や営業費用の減少があったこと等により、113億2千2百万円(前期比 56.1%増)となりました。
(飲 食 業)
飲食店舗売上につきましては、国内線航空旅客数の増加及び新規メニュー開発に努めたこと等により、前年を上回りました。
機内食売上につきましては、顧客である外国航空会社の搭乗率の増加や新規取引等により、前年を上回りました。
その他の売上につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルでの業務受託料収入の増加により、前年を上回りました。
その結果、飲食業の営業収益は 222億8千5百万円(前期比 4.2%増)、営業利益は各種コスト削減効果もあり、8億9千6百万円(前期比 18.3%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ32億2千1百万円増加し、423億2千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは222億5千7百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が 66億3千6百万円増加(前期比 42.5%増)しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは284億7千4百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が 201億1百万円増加(前期比 240.1%増)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは94億3千8百万円の収入となりました。(前連結会計年度は117億2百万円の支出)これは主に、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものであります。
生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
前年同期比(%) |
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施設管理運営業(百万円) |
58,443 |
54,975 |
6.3 |
|
|
|
家賃収入(百万円) |
13,278 |
13,078 |
1.5 |
|
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施設利用料収入(百万円) |
18,754 |
18,194 |
3.1 |
|
|
その他の収入(百万円) |
26,410 |
23,703 |
11.4 |
|
物品販売業(百万円) |
147,787 |
131,098 |
12.7 |
|
|
|
国内線売店売上(百万円) |
35,153 |
33,829 |
3.9 |
|
|
国際線売店売上(百万円) |
35,497 |
32,991 |
7.6 |
|
|
その他の売上(百万円) |
77,136 |
64,277 |
20.0 |
|
飲食業(百万円) |
19,722 |
18,879 |
4.5 |
|
|
|
飲食店舗売上(百万円) |
9,846 |
9,657 |
2.0 |
|
|
機内食売上(百万円) |
6,588 |
6,405 |
2.9 |
|
|
その他の売上(百万円) |
3,286 |
2,816 |
16.7 |
|
|
合計(百万円) |
225,953 |
204,953 |
10.2 |
(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。
|
区 分 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
|||
|
|
比率(%) |
|
比率(%) |
||
|
所有総面積 (㎡) |
616,142 |
|
616,310 |
|
|
|
貸付可能面積(㎡) |
232,648 |
100.0 |
232,798 |
100.0 |
|
|
貸付面積 (㎡) |
221,258 |
95.1 |
218,801 |
94.0 |
|
|
|
航空会社 (㎡) |
122,754 |
52.8 |
121,735 |
52.3 |
|
|
一般テナント (㎡) |
56,291 |
24.2 |
55,962 |
24.0 |
|
|
当社グループ使用(㎡) |
42,212 |
18.1 |
41,103 |
17.7 |
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、わが国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、繰延税金資産については回収可能性を十分に検討した回収可能額を計上し、退職給付債務や退職給付費用を測定するための数理計算上の基礎率や計算方法は当社グループの状況から適切なものであると考えております。
なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(2)財政状態の分析
① 資産面では、満期償還により有価証券が 70億円減少したものの、現金及び預金が 102億4千6百万円、売掛金が 25億7千5百万円増加し、また、設備投資等により有形固定資産が 172億9千6百万円、持分法による投資利益の計上等により投資有価証券が 41億6百万円増加となりました。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末と比較して 264億7千2百万円増加し、2,394億9千9百万円となりました。
② 負債面では、商品仕入の増加等により買掛金が 10億1千2百万円増加し、長期借入金が、国内線第2旅客ターミナルビルの国際化に伴う増築を目的とした工事資金の借入等で 147億6千万円の増加となりました。
これらの結果、負債総額は前連結会計年度末と比較して 157億5千4百万円増加し、1,033億4千2百万円となりました。
(3)経営成績の分析
① 収益面では、家賃収入につきましては、羽田空港国内線旅客ターミナルビルにおいて航空会社事務室の貸増等により、前年を上回りました。施設利用料収入につきましては、国内線航空旅客数の増加により、国内線旅客取扱施設利用料が増加となる等、前年を上回りました。その結果、家賃・施設利用料収入は前期比 2.4%増の 320億3千2百万円となりました。
その他の収入は、羽田空港国際線旅客ターミナルビルにおける業務受託料収入や、請負工事収入の増加等により、前期比 13.2%増の 296億6千5百万円となりました。
商品売上は、国内線売店売上につきましては、国内線航空旅客数の増加等により、前年を上回りました。国際線売店売上につきましては、関西空港において一部店舗の契約形態を変更したこと等による減収があったものの、成田空港の直営店と空港型市中免税店等の増収があったことや、昨年12月に中部空港に免税店を出店したことにより前年を上回りました。その他の売上(卸売)につきましては、国際線の旅客数が増加し、特に羽田空港国際線旅客ターミナル店舗向けの卸売が好調に推移したことにより、前年を上回りました。その結果、商品売上は前期比 12.5%増の 1,471億1千7百万円となりました。
飲食売上は、飲食店舗売上につきましては、国内線航空旅客数の増加及び新規メニュー開発に努めたことと等により、前年を上回りました。機内食売上につきましては、顧客である外国航空会社の新規取引や増便等により、前年を上回りました。その他の売上につきましては、羽田空港国際線旅客ターミナルビルでの業務受託料収入の増加により、前年を上回りました。その結果、飲食売上は前期比 2.5%増の 171億3千8百万円となりました。
これらの結果、営業収益合計では、前期比 10.2%増の 2,259億5千3百万円となりました。
② 費用面では、売上原価は、商品売上高が増加したこと等の影響により、前期比 11.6%増の 1,222億2千6百万円となりました。販売費及び一般管理費は、人件費及び業務委託料の増加等により、前期比 5.0%増の 902億9千6百万円となりました。
これらの結果、営業利益は、前期比 41.4%増の 134億2千9百万円となり、経常利益は、前期比 30.0%増の 166億9千6百万円となりました。
③ 特別損益では、関西空港等における固定資産減損損失 1億3千8百万円等を計上しました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は、前期比 47.1%増の 165億2千3百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比 71.0%増の 117億7千6百万円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ32億2千1百万円増加し、423億2千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは222億5千7百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入が 66億3千6百万円増加(前期比 42.5%増)しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したこと等によるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは284億7千4百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出が 201億1百万円増加(前期比 240.1%増)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは94億3千8百万円の収入となりました。(前連結会計年度は117億2百万円の支出)これは主に、長期借入れによる収入が増加したこと等によるものであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し
当社グループの事業の根幹は、空港旅客ターミナルビルにおける事務室等の賃貸や航空旅客に対する物品の販売及び飲食や旅行サービスの提供であることから、主要賃貸先である航空会社や物品販売等の主要顧客である航空旅客の動向への依存度が高く、国際情勢の変化や自然災害発生等の航空業界を取り巻く環境の変化が与える国内線・国際線の運航便数や航空旅客数の変動が、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因と考えております。また、景気の動向、少子高齢化等に伴う消費行動の構造的変化等による影響も大きいと考えております。
当社グループは、全てのステークホルダーに満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し、持続的成長を果たすべく、長期ビジョンとして「To Be a World Best Airport」を掲げました。その長期ビジョンに基づき、中期経営計画(2016年度から2020年度)を策定し、羽田空港の「あるべき姿」の追求、強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化、収益基盤再構築・競争優位の確立を戦略の3本柱とし、その実践基盤として組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んでおります。
航空業界におきましては、2020年東京オリンピック・パラリンピックとその先を見据えた首都圏空港の機能強化に向けた取り組みや、「観光先進国」の実現に向けて訪日外国人旅行者の目標2020年4,000万人、2030年6,000万人に向けた地方空港等のゲートウェイ機能強化が進められています。また、テロ対策の強化や安全な運航の確保に向けたセキュリティ・セイフティの万全な確保の取り組みも進められています。このように事業環境は大きく変化しつつあり、一層競争力強化に向けた取組みが求められております。
このような状況の下、当社は本年4月27日にTIATを連結子会社とし、羽田空港国際線事業の業績も取り込むことになりました。今後も国内線・国際線旅客ターミナルビルの一体的運用による、より一層の効率的な旅客ターミナルビル運営に取り組んでまいります。
具体的には、2020年東京オリンピック・パラリンピック及び羽田空港におけるさらなる首都圏空港の機能強化に向けて、国土交通省の「平成30年度航空局関係予算の決定概要」に基づき、国内線第2旅客ターミナルビルの一部国際化等の計画を着実に推進してまいります。
羽田空港における首都圏空港の機能強化につきましては、国において、地元のご理解をいただけるよう、住民説明会などを通じた丁寧な情報提供を行っているところです。このような状況の下、地元のご理解をいただきつつ、施設整備に着手しており、当社においては、連結子会社であるTIATと連携して、羽田空港の最大の特色である国内線・国際線ハブ機能を十分に発揮して利用者利便のさらなる向上を図るとともに、国内線・国際線旅客ターミナルビルの一体的運用による、より一層の効率的な旅客ターミナルビル運営に取組んでまいりたいと考えております。
強みを活かした事業領域の拡大・収益多元化につきましては、海外での空港運営事業としては初めてとなるパラオ国際空港の運営事業に、双日株式会社とともに参画しており、当社の空港運営における品質管理等のノウハウを、パラオ国際空港の利便性の向上や収益力の強化に生かしていく予定であります。
また、今後は羽田空港で培った当社の経験とノウハウをより広範囲に活用するとともに、外部の知見も活かして、さらなる事業領域を拡大するために専門の子会社を設立し、新たなビジネス機会の創出を通じ、収益機会の拡大を推進してまいります。
また、地方創生事業の推進や最先端技術の導入を図りながら、SKYTRAX社の空港評価における連続受賞など羽田空港の包括的なブランディングに努めてまいります。そして、他業種との連携や羽田空港外への展開により事業領域の拡大を進めるとともに、羽田空港旅客ターミナルビルの顧客満足度の向上と収益拡大に向けた施設の改修やオペレーション改善による効率化など、確固たる羽田空港の基盤強化に努めてまいります。
営業面における課題としては、市中免税店事業の対策に取組んでまいりましたが、各種営業施策の効果が表れております。今後は、免税事業全般について、中長期的な増加が見込まれる訪日外国人による国内消費機会を確実に捉え、主要な事業領域の一つとしてより一層強化するべく努めてまいります。
さらに、航空業界における脅威として、航空機自体又は旅客ターミナルビル施設等を標的とした犯罪行為が起こる可能性がある中、当社は日本の空の玄関口である羽田空港の旅客ターミナルビルを管理運営する空港機能施設事業者として、安全性確保により一層取組んでまいります。
このように当社を取り巻く事業環境の変化及び課題を的確に捉えつつ、新たな価値を創造する環境の整備や株主・投資家に対する対話機会の拡大と各施策の確実性を高めるために組織・ガバナンスの再編・強化を図りながら、中期経営計画を推進してまいります。
当社は、空港法に基づく、羽田空港における国内線旅客ターミナルビルを建設・管理運営する空港機能施設事業者としての責務を果たすべく、国際線旅客ターミナルビルを建設・管理運営する連結子会社であるTIATと連携して、今後とも日本経済や航空業界の動向等を見極め、公共性と企業性の調和という基本理念と中期経営計画に基づき、グループ一丸となって旅客ターミナルビルの利便性、快適性及び機能性の向上を目指し、顧客第一主義と絶対安全の確立に努め、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
当社は、平成29年9月15日開催の取締役会にて、東京国際空港ターミナル株式会社の臨時株主総会にて承認されることその他必要な手続きが履践されることを条件として第三者割当を引受け、同社株式を追加取得することの基本方針を決定しておりましたが、平成29年10月26日に当該条件が成立したことにより当該第三者割当に係る株式を引き受けることとなりました。これに基づき平成30年4月27日に東京国際空港ターミナル株式会社の第三者割当増資引受に伴う払込手続きを完了し連結子会社といたしました。
詳細につきましては「第5 経理の状況 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
特記事項はありません。