第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針・経営戦略等

 当社グループは、国内航空輸送網の拠点である羽田空港における旅客ターミナル等を建設、管理運営する企業として、公共性と企業性の調和を経営の基本理念としております。

 この基本理念の下、今後とも、旅客ターミナルにおける絶対安全の確立、お客様本位の旅客ターミナル運営、安定的かつ効率的な旅客ターミナル運営に努めることにより確実に社会的責任を果たしてまいります。

 また、グループ全体の継続的な企業価値の向上を図るため、戦略的かつ適切な投資の実行及び投資管理によるさらなる旅客ターミナルの利便性、快適性及び機能性の向上や顧客ニーズの高度化・多様化に的確に対応するとともに、航空会社、空港利用者、取引先、株主等関係者への適切な還元を心がけることを経営の基本方針としております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、ROA(EBITDA)、営業利益率に加え、安定性指標である自己資本比率を重要な経営指標と位置付けております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、前提としていた事業環境が著しく変化していることから、目指す目標数値については、収束の兆しや今後の旅客数の回復動向等を見極め、再検討を進めてまいります。

 

(3) 経営環境・対処すべき課題等

 当社グループはこれまでに、全てのステークホルダーに最高に満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し持続的成長を果たすべく、長期ビジョンである「To Be a World Best Airport」に基づき、中期経営計画(2016年度から2020年度)を策定し取り組みを進めてまいりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で計画の前提である事業環境が著しく変化しております。

 その中で当社は、早期の収支改善に向けた売上増進策やコスト削減を積極的に実行し、資金手当てについても、既存のコミットメントライン90億円に加え、長期借入金50億円の調達や短期借入枠200億円の設定、本年3月には公募増資等により総額567億円の資金調達を行いました。

 一方、コロナ禍により社会全体が「ニューノーマル(新常態)」に移行する中で、当社グループでは新たな空港運営を目指して、旅客ターミナルの運営方法や事業内容について、従来の枠組みにとらわれない発想で抜本的な見直しを行っております。

 その基盤として当社の経営理念である「絶対安全の確立」のもと、旅客ターミナルでの防犯、防災等に向けた安全対策を実行しつつ、コロナ禍における安全・安心な旅の提供のために、積極的な感染防止策を進めております。これまでにターミナル内の換気能力向上や、消毒液や飛沫感染防止シートの設置、体温測定用サーモグラフィー導入のほか、第3ターミナル一部エリアをPCR検査用スペースとして提供してまいりました。さらに、出発前のPCR検査が可能な環境を整えるために、東邦大学羽田空港第3ターミナルクリニックでは海外渡航者向けPCR検査及び陰性証明書の発行を行い、本年4月からは第1、第2ターミナルに「木下グループ 新型コロナPCR検査センター」が開設されております。また当社では以前より、羽田空港での利便性向上に加え、労働人口減少など今後の社会環境への対応に向けた、先端技術の実証実験と活用を行ってまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大以降は、非対面・非接触サービスの拡充も踏まえて取り組みを推進しております。その中で、国内線では昨年に自動運転車椅子や遠隔案内ロボットなどの導入に取り組みました。さらに国際線では、本年7月からの本格運用に向けて、顔認証技術を用いた新しい搭乗手続き「Face Express」の実証実験を行い、各手続きの迅速化、非対面化及び非接触化による、利便性向上や感染防止に加え、運営の効率化を目指しております。コロナ禍で行われる東京オリンピック・パラリンピックでは、オフィシャルパートナーとして、選手団をはじめ、観客や大会関係者など全てのお客さまの安全で円滑な入出国や移動に万全を期してまいります。今後も羽田空港では先端技術の積極的な活用などにより、柔軟で効率的なターミナル運営を目指してまいります。

 また、現在のような厳しい事業環境においても、安定的な事業運営を可能とする強靭な企業体質となるべく、収益源の多様化とコスト構造改革を行っております。収益源の多様化としては、ロボットなど羽田空港を使い共同開発してきた技術や製品を他空港等へ展開する販売代理店事業の推進に加え、既存の当社ECサイトを活かしたEC事業の規模拡大などにも取り組み、旅客に依存しない収益源の確立を進めております。またコスト構造改革としては、グループ会社を横断し人材を融通することで人員の効率的活用とマルチタスク化を進めるとともに、業務内容の見直しを行いコストの最適化を図っております。当社はこれらの取り組みを通して、変化する事業環境下でも柔軟で安定した事業運営が可能な体制の構築を目指してまいります。

 さらに、長期的には日本の航空需要は着実に伸びていくと見込まれる中で、日本及び首都圏の空の玄関口である羽田空港として遅滞なく需要を取り込むため、今後も羽田空港の機能強化を進めてまいります。既に、本年7月の供用開始を目指して第3ターミナルではビジネスジェット専用施設を整備しておりますが、さらに第1ターミナル北サテライト新設と、第2ターミナルの本館とサテライトの接続工事の着工に向け準備を進めております。今後も、アフターコロナの航空需要拡大を見据えて、間断ない設備投資に取り組んでまいります。

 このように今後の事業環境の変化に応じた課題を的確に捉えつつ、基本理念である公共性と企業性の調和に基づいた持続的成長に向けた取り組みを進めてまいります。特に地球規模での環境対策や社会的問題への対応が求められている中、空港ターミナルと関連施設における環境対策の整備の強化や、労働環境の整備と業務の効率化に向けた取り組み、そして株主・投資家との対話機会の拡大により、さらなるガバナンスの強化に取り組んでまいります。

 今後も当社グループは、空港法に基づく羽田空港の旅客ターミナルを建設・管理運営する空港機能施設事業者としての責務を果たすべく、国土交通省や航空会社をはじめとする関係者と連携しながら、グループ一丸となって利便性、快適性及び機能性の向上を目指し、顧客第一主義と絶対安全の確立に努め、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

   有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うリスク及びその対応につきましては、以下(2)の国際情勢・自然災害等に伴うリスクに位置付けております。


(1) 当社グループの営業基盤について

 当社グループは、旅客ターミナル等を建設、管理運営する企業として事務室等の賃貸、物品販売、飲食、旅行サービスの提供を中核的な事業として展開しております。また、成田空港、関西空港、中部空港等の拠点空港においても物品販売、飲食サービス等の提供に係る事業展開を行うほか、空港外に保有する社有地を有効活用した不動産賃貸等を行っており、長年培ってきた経験を生かして空港内外における新たな事業展開についても取り組んでおります。

 

(2) 当社グループの事業等のリスクについて

 事業等のリスクとしては次に挙げる事項を想定しておりますが、これらのリスクとして想定した事項が発生、拡大した場合においても、当社グループの経営に対する影響を最小限に留めるよう、地域別(羽田空港、成田空港等)、業種別(施設管理運営業、物品販売業、飲食業)に売上構成を多様化することによりリスクの分散を図るとともに、各事業分野における運営諸費用の増加への対策強化等により当社グループの企業体質の強化と総合力の向上に努めております。

 

①国際情勢・自然災害等に伴うリスク

  当社グループの事業の根幹は、旅客ターミナルにおける事務室等の賃貸や航空旅客に対する物品の販売、飲食や旅行サービスの提供であり、主要賃貸先の航空会社や主要顧客である航空旅客への依存度が高く、国際情勢の変化、自然災害発生及び感染症の流行等の影響による国際線及び国内線航空旅客数の変動や航空会社の業績等は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

※新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う対応について

  世界的に流行している新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループでは、「航空分野における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(定期航空協会及び全国空港ビル事業者協会共同作成)に基づき、ターミナル内の換気能力の向上や館内各所への消毒液配置、飛沫感染防止シートの設置、保安検査場での体温測定用サーモグラフィー導入などに取り組み、空港利用者・従業員の安全・安心の確保に努めております。

  航空会社や入居テナント等に対する支援措置としては、昨年4月から家賃減免措置を実施し、旅客動向に応じて減免内容を見直しながら現在も継続しております。

  これらの影響により、家賃収入、施設利用料収入、駐車場収入、有料ラウンジ売上、商品売上、飲食売上の減少が続くなど、当社グループの業績に大きな影響が生じております。

  この影響は一定期間継続するものと見込まれ、これに対し収支面におきましては、不要不急コストの削減に加え、旅客動向に合わせたターミナルの一部閉鎖や運営方法の見直しによる施設維持管理費用の削減、業務内製化による外部委託費の削減を実施し、人件費についても役員報酬の一部返上や従業員賞与および臨時給料の削減等、固定費の削減を進めております。

  また、財務面におきましては、既存のコミットメントライン契約の90億円に加え、昨年6月までに長期借入金50億円の調達や短期借入枠200億円の設定を行い、さらに、本年3月には公募増資等により総額567億円の資金調達を行うことにより、減収による資金不足のリスクを回避する対策をとっております。

  一方、運営面では、旅客や取引先、従業員の安全を第一に考えるとともにさらなる感染拡大を防ぐため、旅客ターミナル館内各所における衛生管理・消毒等の基本的な予防対策の徹底、及び従業員の体調管理の徹底の他、時差出勤や在宅勤務、Web会議の推進、出張の制限等の対応を実施しております。

  なお、当連結会計年度業績への影響額については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況」に記載しております。

 

 

②公的規制におけるリスク

 (ⅰ)当社グループの事業基盤の中心である羽田空港の国内線及び国際線における空港ビル事業については、当該

   事業主体が空港法に基づく、空港機能施設事業者としての指定を受けることとされており、空港ビル事業に

   係る法令や制度の変更及び空港の設置管理者である国や行政当局の空港運営方針が、当社グループの経営成

   績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (ⅱ)航空分野の成長及び日本経済の活性化を目的として、国土交通省は、航空自由化の推進・LCCなどの新規

   企業の参入促進・空港経営改革による三位一体の取組みを進めており、中でも空港経営改革については、

   民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律が施行され、一層の進展が図られております。

   今後、国や行政当局が定める方針によっては、将来の当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を

   及ぼす可能性があります。

 

③防災・防犯上のリスク

  当社グループは、羽田空港において旅客ターミナル3棟及び立体駐車場2棟を建設所有し、事務室等を賃貸するほか、物品販売、飲食や旅行サービスの提供等を行っております。これら旅客ターミナルについて安全かつ快適にご利用いただけるよう防災、防犯、事故防止に全力を傾注しておりますが、地震、火災、テロ行為等により空港又は旅客ターミナルに人的・物的損害が発生するような事態が生じた場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④商品取引上のリスク

  当社グループは、空港内店舗における飲食店舗の運営、物販店舗における食材・加工品を含む食料品の販売、機内食の製造・販売等を行っております。食品の安全性については日頃より細心の注意を払い、事業運営を行っておりますが、飲食店舗や物販店舗等において食中毒、異物混入等の品質保証問題が発生した場合には、企業イメージの失墜、行政処分等により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤財務面におけるリスク

  当社グループは、事業資金を効率的かつ安定的に調達するため、取引金融機関との間でシンジケートローン契約を締結しております。当該契約には財務制限条項等が付されており、税制変更や事業環境の変化等によって、当社の信用格付けが一定程度以上格下げされるなど、当該条項に抵触した場合には、期限の利益を喪失し、資金繰りや経営成績、財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)経営成績等の業績の概要

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にある中で持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さが見られます。先行きについては、感染拡大の防止策を講じる中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、国内外の感染拡大による下振れリスクの高まりや、金融資本市場の変動等の影響に注視する必要があります。

このような経済情勢のもと、昨年末からの感染症の再拡大により「Go To トラベル」が全国で一斉停止し、2021年1月には緊急事態宣言が再発出されたことで、国内観光需要は再び落ち込みました。この中で羽田空港国内線の旅客数は、第3四半期では前期比約54%減であったのに対し、本年1月以降は75%以上の減少となりましたが、昨年の緊急事態宣言期間中ほどの落ち込みではなく、年度末にかけて航空需要は徐々に回復しました。一方、国際線では本年1月より外国人の新規入国が全面的に停止され、コロナウイルスに対する厳格な水際措置も継続しております。これに伴い羽田空港国際線の旅客数は、年間を通じて前期比95%以上の減少となりました。また、当社グループが事業を営む成田空港等の国際線拠点空港でも同様の状況にあり、各空港で国際線旅客の大幅な減少が続いております。

このような状況のもと、当社グループでは「航空分野における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(定期航空協会及び全国空港ビル事業者協会共同作成)に基づき、空港利用者・従業員の安全・安心の確保に努めております。これまでにターミナル内の換気能力の向上や館内各所への消毒液配置、飛沫感染防止シートの設置、保安検査場での体温測定用サーモグラフィー導入などに取り組み、第3ターミナルでは国による入国前PCR検査体制拡充の動きに合わせて一部エリアを検査用スペースとして提供してまいりました。また、東邦大学羽田空港第3ターミナルクリニックでは、海外渡航者向けにPCR検査を行い、最短2時間での陰性証明書発行が可能な体制を整えております。さらに、第1、第2ターミナルにおいて、本年4月より株式会社木下グループによるPCR検査センターが開設され、約15分で結果がわかるクイック検査を提供するなど、空港利用客に対する安心安全な旅のサポートとなる、さまざまな取り組みを進めております。なお、羽田空港のこれらの取り組みは、ACI(国際空港評議会)が実施する「Airport Health Accreditation (AHA) プログラム」の認証を取得いたしました。

一方で、航空需要の落ち込みが続く中で売上回復に向けて、国内線売店を中心に売上増進策を進め、「HANEDA CHOCOLATE JOURNEY」等の新たなオリジナルブランドを立ち上げるなど、羽田空港限定商品の展開強化に努めております。また、EC事業では既存のショッピングサイト展開商品の拡充を進める中で、新たに当社グループ会社が製造する機内食を限定で販売するなどの取り組みを推進しております。なお、旅客数が著しく減少する中で、航空会社や入居テナント等に対する支援措置として、昨年4月から家賃減免措置を実施し、旅客動向に応じて減免内容を見直しながら現在も継続しております。

また、減収影響を最小限に留めるべく徹底的なコスト削減策を実施しており、これまでに不要不急コストの削減に加え、旅客動向に合わせたターミナルの一部閉鎖や運営方法の見直しによる施設維持管理費用の削減、業務内製化による外部委託費の削減を実施し、人件費についても役員報酬の一部返上や従業員賞与及び臨時給料の削減を行ってまいりました。引き続き削減効果の維持に努めるとともに、今後の旅客回復に伴うコスト増加を抑制し、より効率的に利益創出する体制を構築すべくコスト構造の見直しに取り組んでまいります。

財務面では、既存コミットメントライン契約の90億円に加えて、手元流動性の確保のために昨年6月までに長期借入金50億円の調達や短期借入枠200億円の設定を行いました。さらに、本年3月には、減収影響が長期化する中で、アフターコロナを見据えた羽田空港の機能向上のための設備投資資金の確保を目的とし、公募増資等により総額567億円の資金調達を行いました。これにより、財務体質は新型コロナ拡大以前の水準まで回復し、投資余力を確保できる堅固な財務基盤の確立につながりました。

当社グループはこれまでに、すべてのステークホルダーに最高に満足していただける空港を目指すとともに、事業及び収益機会を創造し持続的成長を果たすべく、長期ビジョンである「To Be a World Best Airport」に基づき、中期経営計画(2016年度から2020年度)を策定し取り組みを進めてまいりました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で計画の前提である事業環境が著しく変化し、さらに、社会全体が「ニューノーマル(新常態)」へ移行する中で、当社グループとしては旅客ターミナルの運営方法や事業内容について、従来の枠組みにとらわれない発想で抜本的な見直しを行っております。

当期は、羽田空港国際線においてストレスフリーで快適な搭乗手続きを実現する「FAST TRAVEL」の推進や、顔認証技術を活用した「One ID」の導入を進めてまいりました。これらの取り組みを経て、本年4月からは「One ID」を「Face Express」との呼称に改めて実証実験を行い、利便性の向上に加えて非対面・非接触化による感染防止策の強化の一環として、東京オリンピック・パラリンピックが開催される本年7月からの本格運用を目指しております。同様に、本大会の開催とその後の需要拡大を見据えた取り組みとして、約10億円を投じて第3ターミナルにビジネスジェット専用施設の整備を進めており、本年7月に供用開始する予定です。また、2016年より進めている「Haneda Robotics Lab」でのロボット技術の活用については、自動運転車椅子、遠隔案内ロボット、消毒作業ロボットを導入し、翻訳ロボット技術を応用した多言語翻訳スマートマスク「C-FACE」は、昨年12月より販売も開始しております。なお、これらの取り組みが評価され、内閣府より「クールジャパン・マッチングアワード2021」にて特別賞を受賞しました。今後もデジタル技術を積極的に活用し、柔軟で効率的なターミナル運営を推進するとともに、こうした羽田空港を舞台に共同開発してきた世界に誇れる技術や製品を他空港などへ展開する販売代理店事業にも取り組んでまいります。また、本年3月末には、羽田空港公式アプリを公開しました。当該アプリは空港情報や店舗特典情報などの提供に加えオンラインショッピングも可能であり、今後も追加機能をアップデートすることにより利便性の向上を図ってまいります。

ESG関連では、脱炭素社会へ向けたCO2削減の取り組みとして、従来から行っている照明のLED化などに加え、羽田空港におけるゴミ排出量増大対策として進めていた新リサイクル棟の建設が昨年12月に完了しました。さらに、旅客利便性向上と大規模災害への備えとして、国内線の到着ロビー及びゲートラウンジ内に本年2月より順次、蓄電池内蔵充電設備を整備しております。また、ユニバーサルデザインサービス施設の充足を目指して、国内線では、障がいのある方が気持ちを落ち着かせることが必要になった場合にご利用いただける「カームダウン・クールダウンスペース」を手荷物検査場通過後の保安区域内に設置し、国際線では、指差しにてコミュニケーションが出来る「コミュニケーション支援ボード」を改訂したほか、「手で見るフロアマップ(点字マップ)」出国エリア編を発行するなど、さまざまな取り組みを進めております。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績については、国内線と国際線の旅客数の大幅な減少で、施設利用料収入や商品売上高、飲食売上高などの落ち込みが続き、営業収益は  525億7千2百万円(前年比 79.0%減)となり、また、徹底的なコスト削減に取り組みましたが、減収の影響と昨年度に供用開始した羽田国際化関連施設の減価償却費の増加などにより、営業損失は 590億2千万円(前年は営業利益 98億9千2百万円)、経常損失は 573億2千万円(前年は経常利益 87億5百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は 365億7千8百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純利益 50億1千2百万円)となりました。

 

                                                 (単位:百万円)

区 分

連結会計年度
(自 2019年4月1日
  至 2020年3月31日)

連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

前年比
増減率
(%)

営 業 収 益

249,756

52,572

△ 79.0

 

(施設管理運営業)

(82,942)

(35,917)

△ 56.7

 

(物品販売業)

(147,893)

(13,657)

△ 90.8

 

(飲食業)

(18,920)

(2,998)

△ 84.2

営 業 損 益

9,892

△ 59,020

経 常 損 益

8,705

△ 57,320

親会社株主に帰属する
当期純損益

5,012

△ 36,578

 

 

なお、羽田空港旅客ターミナルは2019年11月に、英国SKYTRAX社が実施する“Global Airport Rating”で、6年連続で世界最高水準である「5スターエアポート」を獲得し、さらに昨年5月には2020年国際空港評価の空港総合評価である「World's Best Airports」で、2年連続で世界第2位を受賞しました。また、部門賞である「World's Cleanest Airports」(5年連続)と、「World's Best Domestic Airports」(8年連続)、「World's Best PRM / Accessible Facilities」(2年連続)でも、世界第1位となりました。

引き続き航空業界は厳しい状況にありますが、国内線では本年3月の緊急事態宣言の全面解除前から、航空需要が着実に回復しております。一方、国際線では日本政府による感染症の水際対策強化の一環として、1日当たりの入国者数が制限され、航空会社には到着旅客数の抑制が要請されるなど、航空需要の回復には未だ時間を要する見通しです。当社グループとしてはこれらの動向を踏まえて、羽田空港利用者の安全・安心を確保していくとともに、需要を的確に捉えた旅客ターミナル運営を進めてまいります。なお、長期的には航空需要は着実に伸びていくと見込んでおり、今後も日本及び首都圏の空の玄関口である羽田空港の利便性、快適性、機能性をより一層向上させて、羽田空港の価値向上に向けて取り組んでまいります。

 

セグメント別の業績は次のとおりです。なお、営業利益(損失)はセグメント利益(損失)に該当します。

 

(施設管理運営業)

                                                 (単位:百万円)

区 分

連結会計年度
(自 2019年4月1日
  至 2020年3月31日)

連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

前年比

増減率

(%)

施設管理運営業

82,942

35,917

△ 56.7

 

家賃収入

18,259

17,712

△ 3.0

 

施設利用料収入

41,019

7,644

△ 81.4

 

その他の収入

23,662

10,560

△ 55.4

セグメント間の内部売上高

5,697

1,614

△ 71.7

売上高 合計

88,640

37,532

△ 57.7

セグメント損益

6,932

△ 36,283

 

家賃収入については、第3ターミナルでのPCR検査用スペース貸出に伴う増収がありましたが、昨年4月より実施している入居テナント等に対する家賃減免措置を継続していることもあり、前年を下回っております。

施設利用料収入については、国内線の旅客数は本年3月以降、再び回復傾向にありますが、年間では大きな減少となり、国際線の旅客数も落ち込みが続いていることで、旅客取扱施設利用料収入が大幅に減少し、前年を大きく下回っております。

その他の収入については、旅客数の減少に伴う駐車料収入やラウンジ収入、ホテル収入、広告料収入の減少の影響で、前年を大きく下回っております。

 

その結果、施設管理運営業の営業収益は  375億3千2百万円(前年比 57.7%減)となりました。また減収の影響と昨年度に供用開始した羽田空港第2ターミナル国際線施設と第3ターミナル拡張部の減価償却費の増加などにより、営業損失は 362億8千3百万円(前年は営業利益 69億3千2百万円)となりました。

 

 

 

 

(物 品 販 売 業)

                                                 (単位:百万円)

区 分

連結会計年度
(自 2019年4月1日
  至 2020年3月31日)

連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

前年比

増減率

(%)

物品販売業

147,893

13,657

△ 90.8

 

国内線売店売上

33,148

8,559

△ 74.2

 

国際線売店売上

84,420

2,751

△ 96.7

 

その他の売上

30,323

2,345

△ 92.3

セグメント間の内部売上高

1,378

779

△ 43.5

売上高 合計

149,272

14,436

△ 90.3

セグメント損益

10,823

△ 11,322

 

国内線売店売上については、第3四半期には旅客回復が続いていたことで商品売上も回復傾向にありましたが、第4四半期では旅客動向とともに再び売上が落ち込み、コロナ禍における消費マインドの変化などの影響もあり、前年を大きく下回っております。

国際線売店売上については、国際線旅客数の大幅な減少と当社直営免税店の多くで休業が続いていることで前年を大きく下回っております。なお、羽田空港第3ターミナルや成田空港等の当社直営店舗では、総合免税店を中心に営業を再開し、ブランドブティックでも曜日を限定して営業するなど、年間を通じて航空便の運航に合わせた営業体制を整えてまいりました。また、市中免税店「Japan Duty Free GINZA」でも昨年6月以降は営業を継続しておりましたが、各店舗で商品売上が厳しい状況は続いております。

その他の売上については、地方空港での旅客数減少による卸売上の落ち込みが続き、前年を大きく下回っております。

 

その結果、物品販売業の営業収益は 144億3千6百万円(前年比 90.3%減)となりました。また、売上減に加え、不透明な国際線旅客数見通しを反映し、翌期以降に発生が見込まれる一部の免税品の処分損を当期の評価損として取り込んだことなどにより、営業損失は  113億2千2百万円(前年は営業利益 108億2千3百万円)となりました。

 

 

 

 

 

(飲  食  業)

                                                 (単位:百万円)

区 分

連結会計年度
(自 2019年4月1日
  至 2020年3月31日)

連結会計年度
(自 2020年4月1日
  至 2021年3月31日)

前年比

増減率

(%)

飲食業

18,920

2,998

△ 84.2

 

飲食店舗売上

11,514

2,363

△ 79.5

 

機内食売上

6,543

365

△ 94.4

 

その他の売上

863

269

△ 68.8

セグメント間の内部売上高

2,641

1,093

△ 58.6

売上高 合計

21,561

4,091

△ 81.0

セグメント損益

451

△ 4,150

 

飲食店舗売上については、羽田空港国内線、国際線ともに旅客数の減少に加え、旅客動向に合わせて臨時休業や営業時間短縮を実施したことにより、前年を大きく下回りました。

機内食売上については、顧客である多くの外国航空会社の成田及び羽田路線における旅客数の大幅な減少が続いていることで、前年を大きく下回っております。

 

その結果、飲食業の営業収益は 40億9千1百万円(前年比 81.0%減)となり、営業損失は  41億5千万円(前年は営業利益 4億5千1百万円)となりました。

 

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ

485億5千9百万円増加し、 1,203億5千5百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 246億9百万円減少(前連結会計年度は

202億2千2百万円の収入)し、43億8千7百万円の支出となりました。

 これは主に、税金等調整前当期純利益が減少したこと等によるものであります。

 

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 

 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 320億6千6百万円支出が減少(前年比

55.9%減)し、252億6千8百万円の支出となりました。

 これは主に、有形固定資産の取得による支出の減少等によるものであります。

 

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 

 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 565億8千4百万円収入が増加(前年比

261.4%増)し、782億2千8百万円の収入となりました。

 これは主に、株式の発行による収入等によるものであります。

 

 

 

 

生産、受注及び販売の状況

 当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。

 このため、生産、受注及び販売の状況については、「業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。

 なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

施設管理運営業(百万円)

35,917

82,942

△56.7

 

家賃収入(百万円)

17,712

18,259

△ 3.0

 

施設利用料収入(百万円)

7,644

41,019

△81.4

 

その他の収入(百万円)

10,560

23,662

△55.4

物品販売業(百万円)

13,657

147,893

△90.8

 

国内線売店売上(百万円)

8,559

33,148

△74.2

 

国際線売店売上(百万円)

2,751

84,420

△96.7

 

その他の売上(百万円)

2,345

30,323

△92.3

飲食業(百万円)

2,998

18,920

△84.2

 

飲食店舗売上(百万円)

2,363

11,514

△79.5

 

機内食売上(百万円)

365

6,543

△94.4

 

その他の売上(百万円)

269

863

△68.8

 

合計(百万円)

52,572

249,756

△79.0

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。

 

区      分

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 

比率(%)

 

比率(%)

所有総面積 (㎡)

966,191

 

953,957

 

貸付可能面積(㎡)

311,414

100.0

308,951

100.0

貸付面積  (㎡)

302,547

97.2

304,359

98.5

 

航空会社    (㎡)

157,744

50.7

158,917

51.4

 

一般テナント  (㎡)

62,556

20.1

63,152

20.4

 

当社グループ使用(㎡)

82,245

26.4

82,289

26.6

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社の連結財務諸表及び財務諸表は、わが国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、繰延税金資産については回収可能性を十分に検討した回収可能額を計上し、棚卸資産評価損については滞留品に対して評価損率を乗じて計算し、計上しております。

 本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「5〔経理の状況〕〔注記事項〕重要な会計上の見積りに記載のとおりであります。

 

 

(2)財政状態の分析

  (資産)

流動資産は、営業収益の落ち込みに伴う売掛金の減少があったものの、本年3月に公募増資等により総額567億円の資金を調達したことにより増加しました。固定資産は、建物及び構築物等の減価償却が進んだことなどにより減少しました。その結果、総資産は前連結会計年度末に比べ 21億7千万円減少し、5,191億9千3百万円となりました。

 

  (負債)

昨年度に完了した羽田空港国際線施設の拡張工事代金の支払いがあった一方で、長期借入により約300億円を調達した影響により増加しました。その結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ 41億8千4百万円増加
し、3,236億4千8百万円となりました。

 

  (純資産)

公募増資等により資本金および資本剰余金が増加した一方で、配当金の支払いや、当期純損失の計上により利益剰余金及び非支配株主持分が減少した結果、純資産合計は前連結会計年度末に比べ 63億5千5百万円減少し、1,955億4千4百万円となりました。

この結果、自己資本比率は、34.3%(前連結会計年度末は 31.2%)となりました。

 

 

(3)経営成績の分析

 国内線と国際線の旅客数の大幅な減少で、施設利用料収入や商品売上高、飲食売上高などの落ち込みが続き、営業収益は  525億7千2百万円(前年比 79.0%減)、徹底的なコスト削減に取り組みましたが、減収の影響と昨年度に供用開始した羽田国際化関連施設の減価償却費の増加などにより、営業損失は 590億2千万円(前年は営業利益 98億9千2百万円)、経常損失は 573億2千万円(前年は経常利益 87億5百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は 365億7千8百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純利益 50億1千2百万円)となりました。

 なお、セグメント別の売上につきましては、「3〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(1)経営成績等の業績の概要」に記載しております。

 

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析については、「3〔経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析〕(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、平素より旅客ターミナルビル等への大型設備投資に備えて内部留保の充実と株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。

 運転資金は自己資金を基本としておりますが、不測の事態に対応したコミット期間付タームローンおよびコミットメントライン契約を合計90億円の極度額で設定しており、当面の資金繰りに支障が生じることがないと考えております。

 旅客ターミナルビル等の大規模設備投資の調達については、金融機関からの長期借入、社債等を基本としており、シングルAプラス以上の格付け(日本の格付け機関)を維持することで資金調達の多様化、安定化および資金調達コストの低減を図っており、設備投資に対応する借入の一部については、長期調達するとともに過度に金利変動リスクにさらされないよう金利スワップなどの手段を活用しております。なお、連結子会社のうち、PFI事業である東京国際空港ターミナル株式会社につきましては、事業の安定性及び継続性が第一に求められており、旅客ターミナルビル等の大規模設備投資についてはプロジェクトファイナンスの手法を用いて長期借入金による調達等を実施しております。

 また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金調達・管理の一元化を行っております。

 なお、新型コロナウイルス感染拡大の影響により当社グループの事業は甚大な影響を受けており、資金不足となるリスクを回避する対策として複数行との間で200億円の短期借入枠を設定し、さらに財務健全性を早期に回復し、コロナ禍に耐えうる財務体質を維持しつつ投資余力を確保するために公募増資等により、567億円を調達しました。

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高が1,203億5千5百万円、借入金等を含む有利子負債残高は2,650億4千万円となりました。

 

(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況

 当社グループは、2016年度から2020年度に係る中期経営計画において、以下の目標指標を定めており、2020年度(最終年度)の目標指標達成を重要課題として取り組んでまいりました。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業環境、特に当社の業績に大きな影響を与える旅客数の見通しが極めて不透明な状況となり、目標指標の前提から見直しが必要な状況となっております。

 次期中期経営計画における目標指標につきましては、中長期的な旅客需要は見込めると考えるものの、足元の旅客動向は極めて不確実であるため、確度のある事業計画の策定が可能になった段階でお示しさせていただきたいと考えております。

 依然航空業界は厳しい状況にありますが、長期的には航空需要は着実に伸びていくと見込んでおり、引き続きコスト削減の堅持や収益事業の改善及び多様化を進めることで、航空需要の回復時にはコロナ禍前以上の営業利益率を確保できるよう取り組んでまいります。

 各種指標の推移は以下のとおりです。

 

 各種指標

各指標

2018年度実績

2019年度実績

2020年度実績

総合力指標:ROA(EBITDA)

13.0%

7.5%

 △4.7%

収益性指標営業利益率

 8.2%

 4.0%

 △112.3%

安定性指標:自己資本比率

33.7%

31.2%

   34.3%

 

 

(7)経営成績に重要な影響を与える要因と今後の見通し

 新型コロナウイルス感染症の影響で航空業界においても厳しい状況が続く中、日本を含む世界各国でワクチン接種が進むことにより航空需要の持ち直しが期待される一方、本年4月には東京都や大阪府等でまん延防止等重点措置が適用され、その後さらに緊急事態宣言が発出されるなど、引き続き国内外の感染動向に留意すべき状況となっております。

 羽田空港においても、国内線では段階的に需要回復が進んでいく一方で、国際線では1日当たりの入国者数制限や航空会社の国際線到着旅客数の抑制などもあり、需要回復には時間を要する見込みです。これに伴い、当社においても国内線事業は黒字化する一方で、国際線事業は厳しい状況が続くと見ております。

 この中で当社は、羽田空港限定商品の拡充やEC事業の強化などの積極的な売上増進策の実行とコスト削減の継続により収支改善に努めるとともに、徹底した感染防止策に取り組むことで空港利用客に対する安心安全な旅のサポートを行い、東京オリンピック・パラリンピックの円滑な開催にもつなげてまいります。さらにアフターコロナを見据えた設備投資として、第3ターミナルのビジネスジェット専用施設の整備や第1ターミナル北サテライトの新設、第2ターミナルの本館とサテライトの接続工事などに取り組み、羽田空港のさらなる機能向上を目指してまいります。

 なお、現在、見込まれるセグメント別の収益は以下のとおりです。

 施設管理運営業については、入居テナントに対する家賃減免措置を継続予定ではありますが家賃収入全体では増加し、羽田空港国内線と国際線での旅客数の回復等による施設利用料収入の増加などもあり、営業収益は前年を上回る予想です。

 物品販売業及び飲食業については、主に国内線における旅客数回復による商品売上や飲食売上の増加等で、営業収益は前年を上回ると予想しております。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 特記事項はありません。