当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う事業等への影響については、引き続き今後の状況を注視してまいります。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きがみられます。先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されますが、感染症による影響や供給面での制約、原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要があります。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
このような経済情勢のもと、航空業界においては、感染者数の減少や10月からの緊急事態宣言の全面解除を受け、国内線では需要回復のペースが上向きました。羽田空港国内線の旅客数は、第3四半期連結累計期間では2019年同期比で約40%、10月から12月の期間では約60%まで回復しております。一方、国際線では、11月に外国人の新規入国や1日あたりの入国者数などの制限が緩和されましたが、オミクロン変異株の世界的な感染拡大に伴い入国制限が再度強化され、需要の低迷が続いております。羽田空港国際線の旅客数は、2019年同期比では95%以上の減少と低水準で推移しております。
このような状況のもと、当社グループでは「航空分野における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(定期航空協会及び全国空港ビル事業者協会共同作成)に基づき、ターミナル各所で感染防止対策を実施することにより空港利用者の安全・安心の確保に努めております。また、第3ターミナルでの入国前PCR検査スペースの国への提供に加え、出発旅客に対しても第1、第2ターミナル(株式会社木下グループ)および第3ターミナル(東邦大学羽田空港第3ターミナルクリニック)においてPCR検査体制を整備しております。これらの取り組みにより、英国のSKYTRAX社が実施する新型コロナウイルス感染症対策に関する監査“COVID-19 Airport Safety Rating”において、羽田空港は日本国内の空港では初めて世界最高水準である「5スター」を獲得しております。
営業面においては、国内線を中心に旅客が回復する中、国内外の有名ショコラティエが作った世界最高峰のチョコレートが集結する祭典「HANEDA CHOCOLATE JOURNEY」を第1ターミナルで開催しております。また、地方創生の取組として、軽飲食スペースを併設した北海道公式アンテナショップ「北海道どさんこプラザ羽田空港店」の開業のほか、「食を通じて日本各地の魅力を伝える」ことをコンセプトとした情報発信型カフェ「和蔵場~WAKURABA~」をリニューアルオープンするなど、需要の取り込みを図っております。加えて、非航空分野の収益力強化にも取り組んでおり、10月には当社グループが培ってきた保税管理手法を応用し、国内初となる保税蔵置場を活用したアートオークションを第1ターミナルで開催しました。EC事業では、ご好評を得ております機内食セットの新メニュー等の商品を拡充したほか、LINEミニアプリ版「HANEDA Shopping」を開設し、拡販に努めております。さらに、第2ターミナル国際線施設については、旅客エリアとしての利用は休止しておりますが、映画やドラマなどの撮影場所として提供しているほか、12月には空港ターミナルでは国内初となるスポーツの公式大会「第2回パルクール日本選手権」の開催場所となり、飛行機に乗り降りする場所という空港のイメージにとらわれず新しいことに挑戦し続ける羽田空港の姿を発信しております。(パルクールは新しい都市型スポーツで、国際体操連盟が2017年に新種目として採用し、将来のオリンピックでの実施を目指しています。)
施設面においては、安全面へ配慮した特定天井の改修工事や、お客様へのサービス向上につながる公衆無線LANの改善工事などを、順次、行っております。さらに、7月から自動運転技術搭載のパーソナルモビリティ「WHILL」による運行サービスを国内線出発ゲート全域に展開し、多くのお客様にご利用いただいております。同時に、国際線では顔認証技術を活用した「Face Express」の本格運用や、従来の5倍の規模のビジネスジェット専用施設の供用を開始しております。これらの取り組みにより、利便性の向上に加えて非対面・非接触化による感染防止策を強化し、アフターコロナを見据えた羽田空港全体のスマートエアポート化を推進しております。
環境問題への対応については、羽田空港が7月に国土交通省による空港の脱炭素化に向けた具体的な検討を進めるための重点調査空港の一つに選定されたことを受け、東京国際空港長を会長とした「東京国際空港エコエアポート協議会」が、羽田空港全体の環境負荷削減に向けて今後の取りまとめを行うことになっております。当社は、これまでも東京都が大規模事業所に対して課している温室効果ガス排出削減義務量を達成しておりますが、同協議会の一員として羽田空港に従事する各事業者とともに、脱炭素社会「2050年カーボンニュートラル」の実現に邁進してまいります。
ガバナンス強化については、当社は次回の株主総会での承認を前提として、監査等委員会設置会社へ移行することを12月の取締役会にて決議しました。委員の過半数が社外取締役で構成される監査等委員会が、業務執行の適法性、妥当性の監査・監督を担うことでより透明性の高い経営を実現し、国内外のステークホルダーの期待に、より的確に応えうる体制の構築を目指します。また、取締役会の業務執行決定権限を取締役に委任することにより、取締役会の適切な監督のもとで経営の意思決定および執行のさらなる迅速化を図ります。
羽田空港旅客ターミナルは、SKYTRAX社による国際空港評価“Global Airport Rating”において、6年連続で世界最高水準である「5スターエアポート」を受賞しておりますが、国際空港評価の顧客調査において、8月にアジア空港の総合評価である「Best Airports in Asia」部門で日本の空港で初めて第1位、空港の総合評価である「World's Best Airports」で3年連続して世界第2位を獲得しました。さらに、部門賞である「World's Cleanest Airports」(6年連続)と、「World's Best Domestic Airports」(9年連続)、「World's Best PRM / Accessible Facilities」(3年連続)で世界第1位となりました。今後とも、羽田空港をご利用されるすべてのお客さまにご満足いただけるように全スタッフが一丸となってサービス向上に取り組んでまいります。
足元においては、1月に入りオミクロン変異株の市中感染等により新規感染者数が増加し、東京都等にまん延防止等重点措置が適用されるなど国内航空需要にその影響が出始めております。また、国際線はオミクロン変異株まん延に伴う入国制限措置が2月末まで延長されるなど引き続き厳しい状況が続いております。そのような状況のなか、当社グループは、日頃より羽田空港旅客ターミナルの利便性、快適性、機能性の向上に取り組んでおりますが、当該施設に係る固定的費用や運用経費などの変動的費用が増加していることもあり、3月に旅客取扱施設利用料の価格改定を行う予定です。今後とも、一層の経営効率化を推進するとともに、旅客需要を的確に捉えた施策を展開し、すべてのお客様の安全で円滑な出入国や移動を実現することで、日本及び首都圏の空の玄関口である羽田空港の価値向上に取り組んでまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績につきましては、次のとおりとなりました。
①財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ 40億3千4百万円増加し、1,474億4千1百万円となりました。これは主に、東京国際空港ターミナル株式会社(TIAT)が長期借入を実行したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ 185億6千5百万円減少し、3,572億1千9百万円となりました。これは主に、減価償却に伴う減少によるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ 145億3千1百万円減少し、5,046億6千1百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ 39億6千4百万円増加し、630億5千8百万円となりました。これは主に、国有財産使用料の計上に伴う未払費用の増加によるものです。固定負債は前連結会計年度末に比べ 116億8千7百万円増加し、2,762億4千3百万円となりました。これは主に、TIATが長期借入を実行したことによるものです。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ 156億5千2百万円増加し、3,393億1百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末に比べ 301億8千3百万円減少し、1,653億6千万円となりました。これは主に、その他の包括利益累計額が増加したものの、四半期純損失の計上により利益剰余金及び非支配株主持分が減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、31.6%(前連結会計年度末は 34.3%)となりました。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間の業績については、国内線と国際線の旅客数の段階的な回復に伴い施設利用料収入などが前年同期より増加し、営業収益は 425億9千万円となりました。一方で、売上の回復と前期からのコスト削減の堅持はあるものの、営業損失は 308億9千2百万円、経常損失は 332億4千万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は 193億2千6百万円となりました。
なお、第1四半期連結会計期間の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しているため、前年同期比(%)を記載せず説明しております。詳細については、「第4.経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等)」をご参照ください。
(単位:百万円)
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区 分 |
前第3四半期連結累計期間 |
当第3四半期連結累計期間 |
前年同期比 |
|
|
営 業 収 益 |
39,720 |
42,590 |
― |
|
|
|
(施設管理運営業) |
26,719 |
29,847 |
― |
|
|
(物品販売業) |
10,575 |
9,971 |
― |
|
|
(飲食業) |
2,426 |
2,771 |
― |
|
営 業 損 失 |
△ 44,025 |
△ 30,892 |
― |
|
|
経 常 損 失 |
△ 41,377 |
△ 33,240 |
― |
|
|
親会社株主に帰属する |
△ 26,478 |
△ 19,326 |
― |
|
セグメント別の業績は次のとおりです。なお、営業損失はセグメント損失に該当します。
(施設管理運営業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
前第3四半期連結累計期間 |
当第3四半期連結累計期間 |
前年同期比 |
|
|
外部顧客への売上高 |
26,719 |
29,847 |
― |
|
|
|
家賃収入 |
12,450 |
13,787 |
― |
|
|
施設利用料収入 |
5,838 |
7,729 |
― |
|
|
その他の収入 |
8,430 |
8,330 |
― |
|
セグメント間の内部売上高 |
1,425 |
1,454 |
― |
|
|
売上高 合計 |
28,144 |
31,302 |
― |
|
|
セグメント損失 |
△ 27,408 |
△ 18,805 |
― |
|
家賃収入については、第3ターミナルでの入国前PCR検査スペースや海外在留邦人向けワクチン接種会場の国への提供に伴う増収等により、前年を上回っております。
施設利用料収入については、旅客数の回復に伴う旅客取扱施設利用料収入の増加等により、前年を上回っております。
その他の収入については、国内線及び国際線の広告料収入が減少したこと等により前年を下回りました。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 313億2百万円となり、営業損失は 188億5百万円となりました。
(物 品 販 売 業)
(単位:百万円)
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区 分 |
前第3四半期連結累計期間 |
当第3四半期連結累計期間 |
前年同期比 |
|
|
外部顧客への売上高 |
10,575 |
9,971 |
― |
|
|
|
国内線売店売上 |
6,853 |
3,837 |
― |
|
|
国際線売店売上 |
1,772 |
3,267 |
― |
|
|
その他の売上 |
1,949 |
2,866 |
― |
|
セグメント間の内部売上高 |
517 |
578 |
― |
|
|
売上高 合計 |
11,092 |
10,549 |
― |
|
|
セグメント損失 |
△ 7,746 |
△ 4,457 |
― |
|
国内線売店売上については、国内線旅客数の回復に伴い商品売上は前年を上回っておりますが、当期より「収益認識に関する会計基準」等を適用したことの影響により、収益計上額は前年を下回っております。
国際線売店売上については、羽田空港や成田空港等での国際線旅客数の増加により、前年を上回りました。
その他の売上については、地方空港への卸売売上が増加し、前年を上回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 105億4千9百万円となり、営業損失は 44億5千7百万円となりました。
(飲 食 業)
(単位:百万円)
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区 分 |
前第3四半期連結累計期間 |
当第3四半期連結累計期間 |
前年同期比 |
|
|
外部顧客への売上高 |
2,426 |
2,771 |
― |
|
|
|
飲食店舗売上 |
1,876 |
2,002 |
― |
|
|
機内食売上 |
286 |
522 |
― |
|
|
その他の売上 |
263 |
246 |
― |
|
セグメント間の内部売上高 |
773 |
594 |
― |
|
|
売上高 合計 |
3,200 |
3,365 |
― |
|
|
セグメント損失 |
△ 3,601 |
△ 2,365 |
― |
|
飲食店舗売上については、主に国内線旅客数の回復により、前年を上回りました。
機内食売上については、顧客である外国航空会社の旅客数の回復などにより、前年を上回っております。
その結果、飲食業の営業収益は 33億6千5百万円となり、営業損失は 23億6千5百万円となりました。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第3四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
なお、投資予定金額の既支払額、着手及び完了予定年月を変更しております。
①新設等
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会社名 |
所在地 |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
投資予定金額 |
資金調達方法 |
着手及び完了予定年月 |
完成後の増加能力 |
||
|
総額 (百万円) |
既支払額 (百万円) |
着手 |
完了 |
||||||
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当社 |
東京都 大田区 |
施設管理 運営業 |
第1旅客ターミナル 北サテライト (新設工事) |
20,000 ※1 |
373 |
自己資金 及び借入金 |
2022年 以降予定 |
2024年 以降予定 |
※2 |
|
当社 |
東京都 大田区 |
施設管理 運営業 |
第2旅客ターミナル (増築工事) |
30,000 ※1 |
462 |
自己資金 及び借入金 |
2022年 以降予定 |
2024年 以降予定 |
※2 |
※1 工事契約に係る見積合せ実施前であるため変動する可能性があります。
※2 完成後の増加能力については変動する可能性があるため、記載を省略しております。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。