当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、国内航空輸送網の拠点である羽田空港における旅客ターミナル等を建設、管理・運営する企業として、「公共性と企業性の調和」を経営の基本理念としております。
この基本理念の下、今後とも、旅客ターミナルにおける絶対安全の確立、お客様本位の旅客ターミナル運営、安定的かつ効率的な旅客ターミナル運営に努めることにより確実に社会的責任を果たしてまいります。
また、グループ全体の継続的な企業価値の向上を図るため、戦略的かつ適切な投資の実行及び投資管理によるさらなる旅客ターミナルの利便性、快適性及び機能性の向上や顧客ニーズの高度化・多様化に的確に対応するとともに、航空会社、空港利用者、取引先、株主等関係者への適切な還元を心がけることを経営の基本方針としております。
経営戦略では、サステナビリティを戦略推進の中核と位置づけ、「サステナビリティ基本方針」のもと、持続可能な社会の実現及び持続的な当社グループの成長を追求します。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2022年度から2025年度に係る中期経営計画において、2025年度に旅客数が新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の計画水準まで回復することを前提として、以下の目標指標を定めております。
[連結当期純利益]
旅客数がコロナ前水準に回復すると見込む2025年度において、2021年3月の増資による希薄化を考慮し、1株当たり利益で、前中計の2020年度目標を上回る収益力を確保する。
[コスト削減策]
コロナ禍におけるターミナル運営の抜本的な見直し等によりコストのリバウンドを抑制し、効率性・生産性向上の目標として、前中計の2020年度営業利益目標250億円の1割相当をコスト削減により創出する。
[ROA(EBITDA)]
旅客ターミナルや駐車場を保有し、施設整備をしながら事業展開する特性を踏まえ、引き続きSKYTRAX TOP10空港の最新の平均値を参考値としつつ、前中計を上回ることを設定。
[自己資本比率]
コロナ禍の事業環境で自己資本比率は低下しているが、引き続き、格付(A+)の維持と財務基盤の早期安定化を図ることとして、40%以上の回復を目指す。
[配当性向]
株主に対する利益還元を重要課題と位置付け、大規模投資等を考慮し内部留保を確保すると同時に安定した配当を継続することを基本方針として、自己資本の蓄積と経営成績に基づく株主還元を重視する観点から「配当性向」を指標とし、配当性向30%以上を目途とする。
[SKYTRAX評価順位]
2017年以降維持しているWorld's Best Airports TOP3を維持するとともに、より一層の高品質・高効率なオペレーションを目指す。
各指標及び目標値は以下のとおりです。
|
分類 |
指標 |
2025年度目標値 |
|
収益性(総合) |
連結当期純利益 |
160億円以上 |
|
収益性 |
コスト削減策 |
25億円 |
|
効率性 |
ROA(EBITDA) |
12%以上 |
|
安定性 |
自己資本比率 |
40%台への回復を目指す |
|
株主還元 |
配当性向 |
30%以上 |
|
空港評価 |
SKYTRAX評価順位 |
World's Best Airports TOP3 |
(3) 経営環境・対処すべき課題等
羽田空港におきましては、首都圏空港の機能強化として2020年3月に国際線の発着枠が約1.4倍に拡大され、当社グループでは発着枠拡大に対応する施設整備を実施しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、航空需要は著しく減退しました。その後3年を経て、国内での行動制限の撤廃や水際対策の段階的な緩和により航空需要は回復してきており、2025年度には羽田空港の旅客数は発着枠拡大後の計画水準に達すると予想しております。
以上の状況を踏まえて、当社グループは中期経営計画「To Be a World Best Airport 2025~人にも環境にもやさしい先進的空港2030に向けて~」において、計画最終年度の2025年度にコロナ前の計画水準を超える収益拡大を目標に掲げ、サステナビリティを戦略推進の中核とし、空港事業の成長、再成長土台の確立、収益基盤の拡大、経営基盤の強化に取り組んでおります。
サステナビリティについては、本年5月にはマテリアリティ(重要課題)の分析を踏まえたサステナビリティ中期計画を公表いたしました。マテリアリティごとにKPI(重要業績評価指標)及び目標を設定し、進捗を管理してマテリアリティの解決に向け全社横断的に取り組んでまいります。気候変動への対策については、社会の持続可能性と両立する環境にやさしい空港を目指して事業を継続していく上で重要な課題であると認識しており、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づき「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目に関する情報開示を開始いたしました。今後も2030年及び2050年のCO2排出削減目標の達成に向けて、具体的な対策に取り組んでまいります。
ターミナル運営においては、高品質と利益向上の両立を果たすべく、ロボット等の技術も活用しながらオペレーションを見直し、維持管理コストの削減や賃料等の増収を図り、2030年の訪日外客数目標に向け空港インフラとしての機能強化を推進します。その一環として、将来の航空需要の拡大への対応や旅客利便性のさらなる向上を見据え、第2ターミナル本館-サテライト接続工事を着実に推進し、第1ターミナル北サテライト新設工事に着手する予定です。また、商業施設のリニューアルや空き区画のリーシングを進め、収益の向上に取り組みます。
営業面では、免税店へのトップブランド導入をはじめとした店舗の再配置を進めております。引き続き商品構成やサービス、オペレーション、原価率等の見直しを行いつつ、ショールーム型店舗展開、オリジナル商品展開等の施策を通じて収益拡大を図ります。さらに、消費動向の変容に対応すべく、羽田空港公式アプリ「Haneda Airport」を活用したOne to Oneマーケティングを強化し、顧客ニーズの発掘に取り組みます。
また、国際線旅客需要の増加を取り込むべく免税品予約サービスを拡大しつつ、一方で旅客に依存しない収益の強化に向けて、越境ECでは新たな販売チャネルの開拓を目指すなど、EC事業による販路拡大を進めます。加えて、羽田の価値・ネットワークや空港運営ノウハウを活用して収益向上を図るほか、新しい事業の研究・開拓を目指します。
これらの施策を支える経営基盤として、お客さま本位のターミナル運営を目指してマーケティングを強化し、DX戦略の明確化、財務体質の早期健全化や資本コストに基づく事業評価等に取り組みます。また、人財の多様性確保やインナーブランディング活動“プラスワンプロモーション”を通じて自ら考え挑戦する企業風土を構築し、最高のおもてなしを提供すべく戦略に活かしてまいります。
足元においては、昨年秋の入国制限の大幅緩和以降、国際線需要の急速な回復に伴い、航空業界全体で人手不足が課題となっております。当社グループはこの課題解決に向けて国や航空会社等と連携して積極的に取り組んでまいります。
また、資源価格高騰に伴う原材料費・水道光熱費・物流費の上昇や人件費等の上昇が進行しておりますが、当社グループは引き続きロボットの活用、人員配置や仕様の見直し等によりコストリバウンドを抑制します。一方で、休止していた第2ターミナル国際線施設の再開に向けて万全の体制を整え、人的資本への投資や適正価格の検討に取り組むことで、これらの課題に対応してまいります。
今後も当社グループは、空港法に基づく羽田空港の旅客ターミナルを建設、管理・運営する空港機能施設事業者としての責務を果たすべく、国土交通省や航空会社をはじめとする関係者と連携し、コロナ禍での学びを活かしつつ、需要の回復にグループ一丸となってしっかりと対応してまいります。そして、利便性・快適性及び機能性の向上を目指し、顧客第一主義と絶対安全の確立に努め、絶え間ない羽田空港の価値創造と航空輸送の発展に貢献することにより、企業価値の向上を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
(サステナビリティ共通関連)
当社グループは、公共性の高い旅客ターミナルの建設、管理・運営を担う民間企業としての社会的役割を十分認識し、「公共性と企業性の調和」のとれた経営を目指しています。そのため、サステナビリティを戦略推進の中核と位置づけ、ESG関連の取組みの着実な実行と実効性を強化するためのガバナンス体制を構築しています。
2022年7月に、経営トップのリーダーシップを発揮するため代表取締役社長が委員長を務める「サステナビリティ委員会」を設置しました。また、新設された社長直轄の「サステナビリティ推進室」が各部署と連携し、サステナビリティ計画の立案、実施状況のモニタリングなどを担当しています。さらに、サステナビリティに関する専門的な視点を持つ社外の有識者との対話を実施することで外部視点を計画の策定に役立てています。
「サステナビリティ委員会」では、サステナビリティを推進する基盤としての方針類・計画の策定や、2023年5月に公表した「サステナビリティ中期計画」に定めるマテリアリティ(重要課題)、KPI(重要業績評価指標)など、気候変動や人財育成をはじめとした課題に対する取り組みの進捗について審議をしています。同委員会における審議内容については、経営会議において経営戦略との関係性・整合性を踏まえた審議がなされた後、取締役会に報告、決議されています。
これら経営トップのリーダーシップ、専門部門の設置、社外有識者との連携を通じて、サステナビリティに対するガバナンス体制を構築しています。
図1 サステナビリティ推進体制の全体像
(2)戦略
(サステナビリティ共通関連)
サステナビリティ中期計画を策定し(2023年5月公表)、以下の戦略を展開しています。
(詳細)https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/sustainability/medium_term_plan/
a)サステナビリティ基本方針の策定
顧客、株主、従業員、地域社会、パートナーなど、当社が関係するステークホルダーについて、経済社会の発展に貢献しながら持続可能な事業活動を推進するための方針を策定しています。
b)マテリアリティの特定
中期経営計画との整合性を図りつつ、8つのマテリアリティを特定しています。特定にあたっては、
①中長期的な視点で当社事業に影響を及ぼす可能性のある社会課題や事業環境について、業界団体(ACI)や
国際的なガイドライン(GRI、SASB等)の重要項目や事業戦略を踏まえリストアップした候補を、
②自社事業にとっての重要性(企業性)と社会にとっての重要性(公共性)の2軸での評価を実施、
③社外有識者とのダイアローグによる外部からの期待及び要請を反映しています。
c)取り組み及びKPIの策定
(気候変動関連)
異常気象の頻発化など気候変動が当社グループに及ぼす影響は大きい一方、当社グループは、ターミナル運営における電力消費など多くの温室効果ガスを排出し環境に負荷を与えています。社会の持続可能性と両立する環境にやさしい空港を目指して事業を継続していく上で、気候変動への対策は重要な課題であると認識しており、マテリアリティとして「気候変動への対策」を掲げています。2022年9月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、2023年5月にはTCFD提言に基づき情報を開示しています。
当社グループの事業に気候変動が与える影響を評価するため、下記の2つのシナリオ(「1.5℃シナリオ」及び「4.0℃シナリオ」)を用いて分析を実施しました。シナリオの設定にあたっては、IEA(International Energy Agency, 国際エネルギー機関)やIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change, 気候変動に関する政府間パネル)が公表するシナリオを参照しています。
表1 シナリオ分析の概要
|
名称 |
1.5℃シナリオ |
4.0℃シナリオ |
|
シナリオの概要 |
・ 抜本的な施策が機能することにより脱炭素 社会が実現、産業革命時期比で気温上昇 が約1.5℃未満に留まる。 ・ 脱炭素社会移行に関するリスクが主に 顕在化。
|
・ 現状を上回る施策を取らないことにより地球温暖化が進展、産業革命時期比で気温が約4℃ 上昇。 ・ 気候変動による物理リスクが主に顕在化。 |
|
世界観 |
・ カーボンプライシングや航空事業者のSAF使用規制等により、空港・航空業界はカーボンオフセットや再エネ・省エネ投資等の対応が必須となる。 ・ 代替移動手段へのシフトも想定されるが、SAFの普及につれ、空港ではサプライチェーンを含めたGHG排出削減が着実に進む。 |
・ 低炭素化社会への移行のための政策や規制導入は限定的。 ・ 気候変動の進行に伴い、気候パターンの変化や海面上昇、異常気象の激甚化・頻発化等により空港運営への悪影響が生じる。サプライチェーンリスク管理やBCPの見直しの重要性が高まる。 |
表2 気候変動に関わるリスク・機会及び影響度 ※一部抜粋
|
リスク・機会の種類 |
概要 |
セグメント |
時間軸 |
主に 関連する シナリオ |
影響度 |
||
|
施設 |
物販 飲食 |
||||||
|
移行 リスク |
GHG排出量 削減施策 (政策と法律/技術) |
カーボンプライシング導入にともなう、ターミナル運営コストや原材料仕入・物流コストの増加 |
✓ |
✓ |
短期~中期 |
1.5℃ |
大 |
|
気候変動関連法規制によるコストの増加(環境関連規制にともなう建設コストの増加等) |
✓ |
|
短期~長期 |
1.5℃ |
大 |
||
|
気候変動関連法規制によるコストの増加(プラスチック等の資源循環や自然資本に配慮した調達等) |
|
✓ |
短期~中期 |
1.5℃ |
中 |
||
|
再生可能エネルギー及び新エネルギーの導入等による気候変動対策投資コストの増加 |
✓ |
|
短期~中期 |
1.5℃ /4.0℃ |
大 |
||
|
その他 (市場/評判)
|
航空需要にネガティブに影響する政策措置による、空港利用者数の伸びの鈍化 |
✓ |
✓ |
短期~長期 |
1.5℃ |
中 |
|
|
環境対応の遅れによる、テナント・パートナー・顧客・取引先・従業員からの評判低下 |
✓ |
✓ |
短期~中期 |
1.5℃ /4.0℃ |
中 |
||
|
物理 リスク |
慢性 |
海面上昇による、空港アクセス交通への影響 |
✓ |
✓ |
中期~長期 |
4.0℃ |
中 |
|
気候パターンの変化にともなう、感染症発生等による影響 |
✓ |
✓ |
長期 |
4.0℃ |
大 |
||
|
急性 |
異常気象の激甚化・頻発化による利用者数への影響 |
✓ |
✓ |
短期~中期 |
4.0℃ |
大 |
|
|
異常気象の激甚化・頻発化による設備損壊、浸水被害等 |
✓ |
✓ |
中期~長期 |
4.0℃ |
大 |
||
|
異常気象の激甚化・頻発化によるサプライチェーン分断 |
|
✓ |
短期~中期 |
4.0℃ |
大 |
||
|
機会 |
GHG排出量削減施策(エネルギー源) |
高効率なエネルギー利用や新技術等の普及によるコストの低減 |
✓ |
|
長期 |
1.5℃ |
中 |
|
脱炭素への貢献と新しい収益源の確保 |
✓ |
|
中期~長期 |
1.5℃ /4.0℃ |
大 |
||
|
その他 (資源効率性/製品・サービス/市場) |
脱炭素取組を通じたブランド価値向上 |
✓ |
✓ |
中期~長期 |
1.5℃ |
大 |
|
|
低炭素を実現する企業への政策支援の活用 |
✓ |
|
中期~長期 |
1.5℃ |
大 |
||
|
当社を中心とした循環型システムの構築 |
✓ |
|
短期~中期 |
1.5℃ /4.0℃ |
大 |
||
|
物理リスク |
ステークホルダーや地域との連携によるレジリエンス強化 |
✓ |
|
中期 |
1.5℃ /4.0℃ |
中 |
|
(注1) 時間軸について:短期:2025年まで、中期:2030年まで、長期:2050年まで
(注2) 影響度について:当社事業への影響を総合的に勘案し、大、中、小の3段階で評価
表3 対応策 ※一部抜粋
|
リスク・機会の種類 |
概要 |
|
|
移行リスク 関連 |
GHG排出量 削減施策 |
照明のLED化、空調機器更新、AI空調の導入を含めた省エネ施策 |
|
メガソーラー等の再生可能エネルギー導入、調達電源構成の見直し及び熱源使用効率化の推進 |
||
|
施設のZEB化、建物の木造木質化、放射冷却素材「ラディクール」の使用等による環境配慮性能向上 |
||
|
新エネルギーの利活用に向けた調査及び検討 |
||
|
その他 |
資源の有効活用(羽田空港の資材設備を地方空港や運営参画空港へ提供等)及び廃棄物抑制の事業化(廃油の回収とバイオ燃料への活用等) |
|
|
物理リスク関連 |
東京国際空港A2-BCPへの対応強化、BCP体制構築と定期訓練の実施 |
|
|
感染症対策の徹底、ロボットやデジタル技術を活用した非接触販売の実施 |
||
|
サプライチェーンの冗長化等、調達生産物流の全体最適化 |
||
(人的資本・多様性関連)
長期ビジョン"To Be a World Best Airport"を実現し、空港のリーディングカンパニーを目指す中では、「人財」が最重要資本であると認識しており、中期経営計画においても、空港事業の成長と、その実現に向けた再成長土台の確立、収益基盤の拡大を、高度かつ効率的に推進するための経営基盤の強化として、「人財のプロ集団化・組織力の最大化」を掲げており、サステナビリティ中期計画でも、重要な経営課題として「人財育成」及び「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」をマテリアリティに掲げています。
当社グループでは、公共性の高い旅客ターミナルの建設、管理・運営を担う企業グループとして、「公共性と企業性の調和」のとれた経営を目指し、空港ターミナルにおいて、施設管理運営業、物品販売業、飲食業など、多様な事業を展開しております。そのため、「人財育成」については、経営戦略の達成に向け、「自ら考え挑戦する人財」を人材育成方針として掲げ、これまでの幅広い専門知識や技術に加えて、ハード・ソフト両面における羽田空港の機能強化の実現に向け、進化を追求し続ける組織とそれを支える「人財」の育成に向けた研修体制と自律的な“学び”をサポートする制度を導入しています。また、多様なスキルを持つ中核人財の採用を進めることで、一層の組織力の強化を図ります。
「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」については、世界各国・日本全国から多くのお客さまを迎え入れる国際空港を運営する企業として、従業員に対して、多様な文化や考え方を受容する包摂性を涵養することは必要不可欠であり、「多様な人財が互いを高め合う企業風土」を社内環境整備方針として、ダイバーシティ&インクルージョンとワークライフバランスの推進を支える研修体制と制度、環境づくりに取り組んでいます。女性管理職比率の維持、外国人、障がい者採用の推進なども含め、多様な人財が能力を発揮し、活躍できる制度・環境を整備するとともに、働き方改革の推進など、従業員の生産性向上やエンゲージメントの向上にも取り組んでまいります。これら各方針に基づき人的資本への適切な投資を実行することで、長期ビジョン達成に向けた2030年のあるべき姿として「人財のプロ集団化・組織力の最大化」を目指してまいります。
(3)リスク管理
(サステナビリティ共通関連)
公共性の高い旅客ターミナルの建設、管理・運営を担う当社グループにとり、事業の継続性確保は社会的使命であり、新たなリスクが顕在化する不確実な社会において、事業を取り巻くリスクを把握し、対策を講じることは組織のレジリエンス確保において重要な課題であると認識しております。
グループ全体でのリスク管理体制の高度化を図るため、2023年4月に、代表取締役社長を委員長とし、副社長以下の全役員から構成される「リスク管理委員会」を設置しました。委員会では、重要性が高いと評価されたリスク(優先リスク)とその対応を決定し、対応状況の確認と効果検証を繰り返し見直す体制としています。
気候変動や人的資本を含むサステナビリティ関連のリスクのうち、「サステナビリティ委員会」において、当社の事業や業績に与える影響が大きいと判断されたものは、優先リスクとして「リスク管理委員会」による全社的リスク管理体制において統合管理されています。
「リスク管理委員会」での審議内容については、適宜取締役会へ報告され、リスク管理に関する監督を受ける体制となっています。
(4)指標及び目標
(サステナビリティ共通関連)
サステナビリティ中期計画において「環境」、「社会及び人」、「ガバナンス」の3領域における各マテリアリティについて、指標と目標を設定し、27項目を開示しています。
(詳細)サステナビリティ中期計画
(https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/sustainability/medium_term_plan/)
(気候変動関連)
GHG排出量スコープ1及びスコープ2(注)に関し、2030年までに2013年対比で46%削減、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを長期目標に掲げています。
(注)対象範囲:羽田空港内における当社グループのCO₂排出量
(羽田空港内の当社グループ保有の空港内車両による排出を除く)
排出範囲:事業の運営により自家で消費したエネルギー起源のCO₂
(詳細) TCFD提言に基づく情報開示
(https://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/files/sustainability/tcfd.pdf)
(人的資本・多様性関連)
|
人財育成方針「自ら考え挑戦する人財の育成」に関する指標 |
||
|
指標 |
目標年 |
実績 |
|
産産・産学連携等プロジェクト参加者数 |
毎年向上 |
2022年度:延べ20名 |
|
外部出向者数 |
毎年向上 |
2022年度:18名 |
|
社内アカデミー「学びROOM」参加者数 |
毎年向上 |
2022年度:延べ30名(7講座) |
|
社内知識習得セミナー参加者数 |
毎年向上 |
2022年度:延べ220名 |
|
ITパスポート取得率100% |
2024年度 |
9.6%(累計取得者数:26名) |
|
インナーブランディング活動「プラスワンプロモーション」参加者数(連結) |
毎年向上 |
175名参加 ※グループ若手社員対象 |
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社内環境整備方針「多様な人財が互いを高め合う企業風土の醸成」に関する指標 |
||
|
指標 |
目標年 |
実績 |
|
女性管理職比率40%の維持 |
2027年度 |
2022年度実績:41.6% |
|
男性育児休業取得率100% |
2027年度 |
2022年度実績:71.4% |
|
男女間賃金格差(全労働者) |
毎年削減 |
2022年度実績:80.8% |
|
男女間賃金格差(正規雇用労働者) |
毎年削減 |
2022年度実績:84.4% |
|
男女間賃金格差(非正規雇用労働者※) |
毎年削減 |
2022年度実績:51.1% |
|
障がい者雇用率6.6% |
2025年度 |
2022年度実績:5.1% |
|
外国人社員比率 |
- |
2022年度実績:2.7% |
|
中途社員の管理職登用率 |
- |
2022年度実績:32.5% |
集計対象:日本空港ビルデング株式会社単体(※一部記載のあるものについては連結)
※部長級の嘱託社員、審議役、障がい者採用等
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、これらは当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載されていない他の事項が影響を及ぼす可能性もあります。また、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当社グループの営業基盤について
当社グループは、羽田空港において空港法に基づく空港機能施設事業者としての指定を受けており、旅客ターミナル3棟及び立体駐車場2棟を建設・所有し、管理・運営する企業として、事務室等の賃貸のほか、空港内店舗における物品販売(食料品を含む)、飲食店舗の運営、機内食の製造・販売や旅行サービスの提供等を行っております。
また、成田空港等の拠点空港においても、物品販売や機内食の製造・販売等の飲食サービスの提供を行うほか、空港外に保有する社有地を有効活用した不動産賃貸等を行っており、長年培ってきた経験を生かして空港内外における新たな事業展開についても取り組んでおります。
(2) 当社グループのリスク管理体制について
公共性の高い旅客ターミナルの建設、管理・運営を担う当社グループにとって、事業の継続性を確保することは社会的使命であり、新たなリスクが顕在化する不確実な社会において、事業を取り巻くリスクを把握し、対策を講じることは組織のレジリエンス確保において重要な課題であると認識しております。
グループ全体でのリスク管理体制の高度化を図るため、2023年4月に、代表取締役社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置しました。また、従前のリスクマップを前提に至近の状況分析を反映した上で、当社独自のリスクを補足し、優先リスクを更新しました。更新後の優先リスクは中期経営計画で認識した環境与件、サステナビリティ中期計画で認識した社会・環境課題を包含しております。リスク管理委員会では、全社的に収集したリスク情報をもとに優先リスクを定期的に更新し、対応状況の確認と効果検証を繰り返し見直す体制としています。当委員会での審議内容については、必要に応じて取締役会へ報告され、リスク管理に関する監督を受ける体制となっています。
(3) 当社グループの事業等のリスクについて
事業等のリスクとしては次に挙げる事項を想定しておりますが、これらのリスクとして想定した事項が発生、拡大した場合においても、当社グループの経営に対する影響を最小限に留めるよう、地域別(羽田空港、成田空港等)、業種別(施設管理運営業、物品販売業、飲食業)に売上構成を多様化することによりリスクの分散を図るとともに、新規事業への取り組みを強化しております。さらに、各事業分野における運営諸費用の増加への対策強化等により当社グループの企業体質の強化と総合力の向上に努めております。
①危機管理、業務プロセス
「危機管理、業務プロセス」には、事業運営上、顕在化を抑止する必要のあるリスクを分類しております。
当社グループは、旅客ターミナルを安全かつ快適にご利用いただけるよう防災、防犯、事故防止に全力を傾注し、商品管理やサプライチェーンマネジメントについては日頃より細心の注意を払い、事業運営を行っておりますが、以下のような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
・テロ行為・破壊活動等により、空港又は旅客ターミナルに人的・物的損害が発生するような事態が生じた
場合。
・地震・異常気象等の自然災害により、空港又は旅客ターミナルに人的・物的損害が発生するような事態や航空便の欠航が生じた場合。
・重大な感染症のまん延により、航空需要が著しく減少する事態が発生した場合。
・個人情報の漏洩や、当社グループの運用する情報システムあるいは通信ネットワークに重大な障害が発生した場合。
・飲食店舗や物販店舗等において食中毒、異物混入等の品質保証問題が発生し、企業イメージの失墜や行政処分等が生じた場合。
・外国製資材の入手困難化や物流の途絶、不適切な調達活動でのレピュテーションの悪化などの事態が生じた場合。
※新型コロナウイルス感染症対応について
当社グループは新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に対して、「航空分野における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」(定期航空協会及び全国空港事業者協会共同作成)に基づき、ターミナル内の換気能力の向上や館内各所への消毒液配置、飛沫感染防止シートの設置、保安検査場での体温測定用サーモグラフィー導入などに取り組み、空港利用者・従業員の安全・安心の確保に努めてまいりました。航空会社や入居テナント等に対する支援措置としては、2020年4月から旅客動向に応じて内容を見直しながら家賃減免措置を実施いたしました。
これらの影響により、家賃収入、施設利用料収入、駐車場収入、ラウンジ売上、商品売上、飲食売上が減少し、業績に大きな影響が生じております。これに対し収支面におきましては、不要不急コストの削減に加え、旅客動向に合わせたターミナルの一部閉鎖や運営方法の見直しによる施設維持管理費用の削減、業務内製化による外部委託費の削減を実施し、人件費についても役員報酬の一部返上や従業員賞与及び臨時給料の削減等、固定費の削減を実施いたしました。財務面におきましては、既存のコミットメントライン契約の90億円に加え、2020年6月までに長期借入金50億円の調達や短期借入枠200億円の設定を行い、さらに、2021年3月には公募増資等により総額567億円の資金調達を行うなど、減収による資金不足のリスクを回避する対策を実施しました。運営面では、旅客や取引先、従業員の安全を第一に考えるとともに感染拡大を防ぐため、旅客ターミナル館内各所における衛生管理・消毒等の基本的な予防対策の徹底、及び従業員の体調管理の徹底の他、時差出勤や在宅勤務、Web会議の推進、出張の制限等の対応を実施いたしました。
②経営基盤
「経営基盤」には、構築が不十分な場合にそれ自体がリスクになる項目を分類しております。
当社グループの運営には、旅客ターミナル事業の有する高度の安全性と公共性についての適切な認識及び、当社の企業価値の源泉をなす重要な経営資源(独創性の高い技術・ノウハウ、特定の市場分野における知識・情報、長期にわたり醸成された取引先との深い信頼関係、専門分野に通暁した質の高い人材等)への理解が必要となります。当社グループは中期経営計画に基づき、DX推進、組織・人材・ガバナンスの強化、財務戦略による経営基盤の強化に取り組んでおりますが、以下のような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
・人材不足等により、店舗営業や新技術導入、新規事業推進などが制約される事態が生じた場合。
・本社事業部門とグループ会社間における情報連携及び本社方針の浸透が不足する事態が生じた場合。
・個人に合った多様なサービスの提供不足や、仕入先商品における強制労働や児童労働など、多様性確保や人権尊重において企業イメージを失墜するような事態が生じた場合。
なお、人的資本・多様性関連の戦略については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
・当社の信用格付けが一定程度以上格下げされることなどにより、取引金融機関と締結しているシンジケートローン契約に付されている財務制限条項に抵触し、期限の利益を喪失する事態が生じた場合。
なお、当社の短期借入金及び長期借入金の一部については、当連結会計年度末において財務制限条項の一部に抵触しておりますが、期限の利益喪失に係る権利を行使しないことについて取扱金融機関の合意を得ております。その内容につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結貸借対照表関係)7 財務制限条項」に記載しております。
・不適切な者によって当社の財務及び事業方針の決定が支配され、当社企業価値を毀損し会社の利益ひいては株主共同の利益を害する事態が生じた場合。
③事業環境変化
「事業環境変化」には、外部環境の変化による顕在化が想定され、経営戦略において損失の防止もしくは機会の伸長及び転換が求められるリスクを分類しております。
当社グループの事業の根幹は、主要賃貸先の航空会社や主要顧客である航空旅客への依存度が高く、以下のような事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
・環境課題への対応において、顧客・取引先からの評判低下や資金調達難に陥るような事態や、温室効果ガス排出量の削減義務や取引制度の創設、課金等費用負担を伴う規制強化が行われる事態が生じた場合。
なお、気候変動関連の戦略及びリスク管理については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
・旅客の行動様式が変化し航空需要が減少するような事態や、技術革新により購買方式が変化し空港店舗での購買意欲が低下するような事態が生じた場合。
・国土交通省が進める空港経営改革については、民間の能力を活用した国管理空港等の運営等に関する法律が施行され一層の進展が図られており、空港の設置管理者である国や行政当局により、空港ビル事業に係る法令や制度、空港運営方針が変更された場合。
・新規事業への投資や設備投資の実施の結果、海外事業における政局不安や投資対効果の想定との乖離などの事態が生じた場合。
・市況の急激かつ大幅な変動により、物価高騰や為替の急変動等が生じた場合。
・主要事業である羽田空港や成田空港での航空旅客が減少した際に、売上構成の多様化が遅れ、航空依存の緩和が進まない場合。
・台湾有事による日中関係の悪化など国際情勢の変化により、国際線の航空需要が減少した場合。
※ロシア・ウクライナ情勢の影響について
ロシア・ウクライナ紛争は長期化しており、西側諸国のロシアへの経済制裁等により交易が滞り、世界経済に大きな影響を与えております。また本件発生前から、世界ではコロナ禍からの回復による、原油をはじめとしたさまざまな実需の急激な増加とサプライチェーンの混乱、それに伴う資材価格の高騰や、インフレリスク等が問題視されていましたが、ウクライナ侵攻以降、一層の資源価格や食糧価格の高騰、半導体の供給不足や為替市場における円安の進行等が起きております。当社事業においても、日本-欧州間の航空機の運航に影響を与えているほか、エネルギー価格や食品価格の上昇による水道光熱費や運送費用、飲食原価等の増加や、資材の高騰による設備投資額の増加が懸念されます。なお、当社が参画するハバロフスク国際空港事業については、出資額は僅少であり業績への大きな影響はありません。
(1)業績等の概要
①経営成績等の業績の概要
当連結会計年度における我が国経済は、一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直しています。先行きについては、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されます。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
このような経済情勢のもと、航空業界においては国内での行動制限の撤廃や水際対策の段階的な緩和により、着実な需要回復が続いております。当連結会計年度における羽田空港の旅客数は、国内線は前期比で約1.8倍、コロナ影響前の2019年(暦年)比で約8割の水準、国際線は前期比で約8倍、2019年比で約4割の水準となりました。特に当第4四半期の国際線は2019年1月~3月比で約7割の水準と、昨年10月の入国規制の大幅な緩和以降、急速に回復しております。
このような中、当社グループが昨年5月に発表した中期経営計画は訪日外客数6000万人の達成等の政府目標が掲げられる2030年に目指す姿からバックキャストした2025年までの計画としており、その経営目標達成に向け各施策を実行しております。また、戦略推進の中核と位置付けるサステナビリティについては、昨年7月に推進体制を整え、本年5月にサステナビリティ中期計画を発表しました。当社グループが経営戦略を推進するうえでのマテリアリティ(重要課題)を特定したうえで、KPI(重要業績評価指標)を設定し、サステナビリティ経営に向けた取り組みの実効性を強化することで、自社の持続的成長と持続可能な社会の実現への貢献を目指します。
当連結会計年度において、施設面では、各ターミナル保安エリアにリモートワークに適した個室型ワークボックスを設置し、国内線エスコートサービスを開始するなど、多様なニーズに対応したサービスを提供しているほか、大規模災害に備えた改修工事や、聴覚障がい者向けの非常用フラッシュライトの設置などのユニバーサルデザイン対応を順次行っております。また、夏場や冬場の電力需給ひっ迫期にはターミナル内の照明の一部消灯や空調の運転制御を実施することで経済産業省の節電要請に協力しました。加えて、第2ターミナル北側サテライトと本館との接続工事に着手し、将来へ向けた投資計画を着実に推進する一方で、羽田空港における空港車両のEV化の検討や水素エネルギーの潜在的な需要調査など、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みも進めております。
営業面においては、国内線では、アップサイクル商品を展開する、第2ターミナルの「GOOD NEWS TOKYO」をオープンし、第1ターミナルの「サマンサタバサ」をリニューアルしました。また、羽田空港限定品等を集めた「羽田空港セレクション」、「HANEDA CHOCOLATE JOURNEY」、全国各地の物産&観光フェア等の催事イベントを積極的に開催したほか、「HANEDA Sports」内に、サッカーのワールドカップや野球のWBCの開催に合わせて期間限定ストアを展開しました。国際線では、需要回復に合わせて免税店舗の営業を再開し、営業時間を随時、見直しているほか、「ルイ・ヴィトン」、「ディオール」などの免税店舗や「セブン-イレブン」を保安検査通過後の出発ゲートラウンジにオープンするなど、店舗の再配置を進めております。EC事業では、公式通販サイト「HANEDA Shopping」の機能強化を行い、認知度向上を図るとともに、通販サイトで予約した商品を羽田空港店舗で受け取れるなどECサイトと実店舗とを連携させた「クリック・アンド・コレクト」の取り組みを進めております。
羽田空港以外では、成田空港第1ターミナルに北海道産の食品を販売する「北海道食賓館」をオープンしたほか、羽田空港での導入実績や運用ノウハウを活かした販売代理店事業として、放射冷却素材「Radi-Cool」の他空港への展開や、案内や清掃などのロボットの導入実績を増やしております。また、当社が運営に参画するパラオ国際空港は昨年5月に、阿蘇くまもと国際空港は本年3月に、それぞれ新旅客ターミナルの供用を開始しました。
組織・ガバナンスの面では、当社は昨年6月に監査等委員会設置会社へ移行し取締役会の構成においては3分の1を独立役員として指定したほか、経営の透明性の向上と意思決定及び執行のさらなる迅速化を図っています。また、「自ら考え挑戦する人財」の活躍・多様な人財が互いを高め合う企業風土を目指し、産産連携・産学連携プロジェクトへの参画、障がい者採用の拡充・環境整備等、採用・育成・制度の面から組織力の強化に努めております。
羽田空港旅客ターミナルは、英国SKYTRAX社が実監査を行う“Global Airport Rating”において、昨年11月に世界最高水準である「5スターエアポート」を9年連続で獲得しました。また、本年3月には一般旅客のインターネット投票により決定する“WORLD AIRPORT AWARDS 2023”において、国際空港の総合評価である「World's Best Airports」部門で世界第3位、さらに「World's Cleanest Airports」部門(8年連続)、「World's Best Domestic Airports」部門(11年連続)、「World's Best PRM / Accessible Facilities」部門(5年連続)で世界第1位の評価をいただきました。
以上の結果、当連結会計年度の業績については、旅客数の回復に伴いすべてのセグメントで売上高が前年度より増加し、営業収益は1,130億5千万円(前年比98.1%増)となりました。また、資源価格の高騰により水道光熱費が増加したものの、売上の回復とコスト削減の堅持により赤字幅が前年度より縮小し、営業損失は
105億7千9百万円(前年は営業損失 412億5千5百万円)、経常損失は 120億6千4百万円(前年は経常損失 438億6千1百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は 39億1百万円(前年は親会社株主に帰属する当期純損失 252億1千7百万円)となりました。
(単位:百万円)
|
区 分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年比 |
|
|
営 業 収 益 |
57,057 |
113,050 |
98.1 |
|
|
|
(施設管理運営業) |
40,029 |
63,280 |
58.1 |
|
|
(物品販売業) |
13,174 |
41,317 |
213.6 |
|
|
(飲食業) |
3,852 |
8,452 |
119.4 |
|
営 業 損 失 |
△ 41,255 |
△ 10,579 |
- |
|
|
経 常 損 失 |
△ 43,861 |
△ 12,064 |
- |
|
|
親会社株主に帰属する |
△ 25,217 |
△ 3,901 |
- |
|
足元においては、羽田空港の旅客数は引き続き回復傾向を示しております。国内線では、全国旅行支援が4月以降も継続され、観光旅行需要の下支えが期待されます。国際線では、3月末開始の夏ダイヤから便数はコロナ前の水準に回復しております。5月には新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行したこともあり、今後も更なる需要回復が期待されます。
このような中、現在、航空業界全体では、航空機の運航を支援するグランドハンドリング業務や航空保安検査業務等の人手不足が大きな問題となっておりますが、当社グループはこの課題解決に向けて国や航空会社等と連携して積極的に取り組んでまいります。また、当社グループとしても合同会社説明会を実施し、採用活動を強化するなど、急速に回復する旅客需要に対応するために必要な人員確保に努めております。
当社グループは引き続きコロナ禍での学びをターミナル運営に活かしながら、羽田空港旅客ターミナルの利便性、快適性、機能性の向上に取り組み、すべてのお客さまの安全で円滑な出入国や移動を実現することで、日本及び首都圏の空の玄関口である羽田空港の価値向上に取り組んでまいります。
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。なお、各事業における売上高はセグメント間の内部売上高を含み、営業利益(損失)はセグメント利益(損失)に該当します。
(施設管理運営業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年比 増減率 (%) |
|
|
外部顧客への売上高 |
40,029 |
63,280 |
58.1 |
|
|
|
家賃収入 |
18,543 |
19,852 |
7.1 |
|
|
施設利用料収入 |
10,539 |
29,325 |
178.2 |
|
|
その他の収入 |
10,946 |
14,102 |
28.8 |
|
セグメント間の内部売上高 |
1,982 |
2,391 |
20.6 |
|
|
売上高 合計 |
42,012 |
65,672 |
56.3 |
|
|
セグメント損失 |
△ 24,863 |
△ 3,133 |
- |
|
家賃収入については、賃料減免の縮小や歩合賃料収入の増加等により、前年を上回りました。
施設利用料収入については、旅客数の回復及び料金の改定に伴う旅客取扱施設利用料収入の増加等により、前年を上回りました。
その他の収入については、請負工事収入が減少したものの、駐車場収入やラウンジ収入の増加等により、前年を上回りました。
その結果、施設管理運営業の営業収益は 656億7千2百万円(前年比56.3%増)となり、営業損失は
31億3千3百万円(前年は営業損失 248億6千3百万円)となりました。
(物 品 販 売 業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年比 増減率 (%) |
|
|
外部顧客への売上高 |
13,174 |
41,317 |
213.6 |
|
|
|
国内線売店売上 |
5,166 |
10,372 |
100.8 |
|
|
国際線売店売上 |
4,242 |
19,476 |
359.1 |
|
|
その他の売上 |
3,765 |
11,469 |
204.6 |
|
セグメント間の内部売上高 |
769 |
892 |
16.1 |
|
|
売上高 合計 |
13,944 |
42,210 |
202.7 |
|
|
セグメント損益 |
△ 6,134 |
1,640 |
- |
|
国内線売店売上については、国内線旅客数の回復に伴い前年を上回りました。
国際線売店売上については、羽田空港や成田空港等での国際線旅客数の増加により、前年を上回りました。特に羽田空港においては、下期にオープンしたブランド店の売上好調もあり、免税店の購買単価が大きく上昇しました。
その他の売上については、主に地方空港国際線向けの卸売売上が増加し、前年を上回りました。
その結果、物品販売業の営業収益は 422億1千万円(前年比202.7%増)となり、営業利益は 16億4千万円(前年は営業損失 61億3千4百万円)となりました。
(飲 食 業)
(単位:百万円)
|
区 分 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前年比 増減率 (%) |
|
|
外部顧客への売上高 |
3,852 |
8,452 |
119.4 |
|
|
|
飲食店舗売上 |
2,790 |
5,489 |
96.7 |
|
|
機内食売上 |
730 |
2,487 |
240.7 |
|
|
その他の売上 |
332 |
475 |
43.1 |
|
セグメント間の内部売上高 |
796 |
953 |
19.7 |
|
|
売上高 合計 |
4,649 |
9,405 |
102.3 |
|
|
セグメント損失 |
△ 3,091 |
△ 1,365 |
- |
|
飲食店舗売上については、主に国内線旅客数の回復により、前年を上回りました。
機内食売上については、羽田、成田における外国航空会社の旅客数の回復により、前年を上回りました。
その結果、飲食業の営業収益は 94億5百万円(前年比102.3%増)となり、営業損失は 13億6千5百万円(前年は営業損失 30億9千1百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ 68億8千7百万円減少し、
902億4千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 256億3千1百万円増加
(前連結会計年度は 93億5百万円の支出)し、163億2千6百万円の収入となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 57億1百万円支出が増加
(前年比115.7%増)し、106億2千7百万円の支出となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 36億5百万円支出が増加
(前年比39.9%増)し、126億4千1百万円の支出となりました。
これは主に、長期借入金の返済による支出であります。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業は、「第1 企業の概況 3.事業の内容」において記載したとおりの業種、業態により、生産実績等について、セグメントごとの生産規模及び受注規模を記載することは困難であります。
このため、生産、受注及び販売の状況については、「業績等の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
なお、当連結会計年度の営業収益実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
施設管理運営業(百万円) |
40,029 |
63,280 |
58.1 |
|
|
|
家賃収入(百万円) |
18,543 |
19,852 |
7.1 |
|
|
施設利用料収入(百万円) |
10,539 |
29,325 |
178.2 |
|
|
その他の収入(百万円) |
10,946 |
14,102 |
28.8 |
|
物品販売業(百万円) |
13,174 |
41,317 |
213.6 |
|
|
|
国内線売店売上(百万円) |
5,166 |
10,372 |
100.8 |
|
|
国際線売店売上(百万円) |
4,242 |
19,476 |
359.1 |
|
|
その他の売上(百万円) |
3,765 |
11,469 |
204.6 |
|
飲食業(百万円) |
3,852 |
8,452 |
119.4 |
|
|
|
飲食店舗売上(百万円) |
2,790 |
5,489 |
96.7 |
|
|
機内食売上(百万円) |
730 |
2,487 |
240.7 |
|
|
その他の売上(百万円) |
332 |
475 |
43.1 |
|
|
合計(百万円) |
57,057 |
113,050 |
98.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.施設管理運営業の家賃収入における貸付状況は、次のとおりであります。
|
区 分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
|
|
比率(%) |
|
比率(%) |
||
|
所有総面積 (㎡) |
970,497 |
|
970,497 |
|
|
|
貸付可能面積(㎡) |
332,653 |
100.0 |
332,856 |
100.0 |
|
|
貸付面積 (㎡) |
324,069 |
97.4 |
323,718 |
97.3 |
|
|
|
航空会社 (㎡) |
158,238 |
47.6 |
158,328 |
47.6 |
|
|
一般テナント (㎡) |
63,106 |
19.0 |
62,422 |
18.8 |
|
|
当社グループ使用(㎡) |
102,724 |
30.9 |
102,966 |
30.9 |
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
①財政状態の分析
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ 11億1千9百万円増加し、1,149億8千8百万円となりました。これは主に、旅客数の回復に伴い旅客取扱施設利用料収入等の売掛金が増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ 180億4千2百万円減少し、3,319億6千7百万円となりました。これは主に、減価償却に伴う減少によるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ 169億2千3百万円減少し、4,469億5千5百万円となりました。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 18億6千5百万円減少し、3,060億4百万円となりました。
これは主に、商品仕入が増加したことにより買掛金が増加したものの、当社及び東京国際空港ターミナル株式会社(TIAT)の長期借入金が約定返済により減少したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末に比べ 150億5千8百万円減少し、1,409億5千1百万円となりました。これは主に、当期純損失の計上により利益剰余金及び非支配株主持分が減少したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、33.6%(前連結会計年度末は 33.2%)となりました。
②経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績及びセグメント別の売上につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ①経営成績等の業績の概要」に記載しております。
当社グループは、2022年度から2025年度の中期経営計画において、指標及び2025年度(最終年度)の目標値を以下のとおり定めております。
|
分類 |
指標 |
2025年度目標値 |
|
収益性(総合) |
連結当期純利益 |
160億円以上 |
|
収益性 |
コスト削減策 |
25億円 |
|
効率性 |
ROA(EBITDA) |
12%以上 |
|
安定性 |
自己資本比率 |
40%台への回復を目指す |
|
株主還元 |
配当性向 |
30%以上 |
|
空港評価 |
SKYTRAX評価順位 |
World's Best Airports TOP3 |
詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
2022年度の各指標の進捗状況は次の通りです。
[連結当期純利益][コスト削減策][配当性向]
当連結会計年度においては、旅客数の回復に伴い売上高は全てのセグメントで増収となり、損益は前期より大きく改善しましたが、連結業績は三期連続で赤字となりました。このような中、旅客回復に応じた柔軟なターミナル運営を行うことで、コスト削減を堅持しております。また、足元の事業環境、業績動向並びに当社の配当方針等を踏まえ、総合的に検討を重ねた結果、1株当たり16円の配当を行うことといたしました。
[ROA(EBITDA)]
当連結会計年度のROA(EBITDA)は4.0%となっております。
[自己資本比率]
当連結会計年度末時点の自己資本比率は33.6%となっております。
[SKYTRAX評価順位]
本年3月の“WORLD AIRPORT AWARDS 2023”において、羽田空港旅客ターミナルは「World's Best Airports」部門で世界第3位となりました。
2023年度につきましては、国際線旅客数の回復に伴い黒字化し、連結当期純利益は90億円を予想しております。資源価格の高騰やそれに伴う物価上昇は中期経営計画策定時の想定を上回って推移しておりますが、計画に掲げた各施策を着実に進めることにより、2025年度の目標達成を目指してまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など当社にとって最適な資本構成を追求しながら、平素より旅客ターミナルビル等への大規模設備投資に備えて内部留保の充実と株主への利益還元との最適なバランスを考え実施していくことを基本としております。
運転資金は自己資金を基本としておりますが、不測の事態に対応したコミット期間付タームローン及びコミットメントライン契約を合計90億円の極度額で設定しております。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大による資金不足リスク回避のため、複数行との間で設定した200億円の短期借入枠を継続しており、当面の資金繰りに支障が生じることがないと考えております。
旅客ターミナルビル等の大規模設備投資資金については、自己資金、金融機関からの長期借入及び社債等による調達を基本としております。さらに、シングルAプラス以上の格付(日本の格付機関)を維持することで資金調達の多様化、安定化及び資金調達コストの低減を図るとともに、設備投資に対応する借入の一部については、過度に金利変動リスクにさらされないよう金利スワップなどの手段を活用しております。連結子会社のうち、PFI事業である東京国際空港ターミナル株式会社につきましては、事業の安定性及び継続性が第一に求められており、旅客ターミナルビル等の大規模設備投資はプロジェクトファイナンスの手法を用いて長期借入金等による調達を実施しております。
また、当社グループは資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金調達・管理の一元化を行っております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は902億4千1百万円、借入金等を含む有利子負債残高は2,443億4百万円となりました。
④重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表及び財務諸表は、わが国における一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。これらの財務諸表の作成の基礎となる取引は会計記録に適切に記録しており、棚卸資産評価損については滞留品に対して評価損率を乗じて計算し、計上しております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5.経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑤今後の見通し
次期においては、社会経済活動が正常化する中、航空業界においても国内線・国際線ともに更なる需要回復が見込まれます。
羽田空港においても、国内線は観光需要がけん引し、コロナ前の2019年に近い水準まで回復すると見込んでおります。また、国際線は水際対策の終了により、中国人を含む訪日外国人を中心に急速に需要が回復し、通期では2019年とほぼ同じ水準に回復する見込みです。
この中で当社は、回復する旅客需要を取り込むべく、店舗の営業時間を拡大するとともに、地方と連携した産直事業の展開やEC事業のさらなる強化に取り組んでまいります。一方で、資源価格高騰に伴う原材料費・水道光熱費・物流費の上昇や人件費等の上昇を踏まえ、引き続きコストリバウンドの抑制に努めてまいります。また、コロナ禍で休止していた第2ターミナル国際線施設の再開に向けて、国や航空会社等の関係者間で協議を進めております。一方で、将来の旅客増への対応や更なる旅客利便性向上を見据え、第2ターミナル本館-サテライト接続工事を着実に推進し、第1ターミナル北サテライト新設工事に着手する予定です。
セグメント別の収益は以下のとおり見込んでおります。
施設管理運営業については、旅客数の回復に伴う施設利用料収入の増加等により、前年を大幅に上回る予想です。物品販売業及び飲食業については、主に羽田国内線及び国際線の旅客数回復による商品売上や飲食店舗売上の増加等により、前年を大幅に上回る予想です。
以上により、次期の連結業績見通しについては、営業収益は 1,957億円(前年比73.1%増)、損益面では4年ぶりに黒字に転換し、営業利益 154億円(前年は営業損失 105億7千9百万円)、経常利益 131億円(前年は経常損失 120億6千4百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益 90億円(前年は親会社株主に帰属する当期純損失 39億1百万円)を予想しております。
特記事項はありません。
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