第2【事業の状況】

◎以下に掲げる金額については消費税抜きの金額によっております。

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における国内経済は、中国経済の減速や急激な円高進行など先行き不透明な面はあるものの、企業収益や雇用・所得環境の改善、堅調な個人消費を背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました

賃貸住宅市場においても、消費税増税後の落ち込みから回復が進み、貸家の新設着工戸数は2年ぶりの増加(前年度比7.1%増)となりました。一方、賃貸住宅の空き家数は一貫して増加しており、全国的な需要回復が難しい中で安定した入居率を確保するには、エリアを限定した物件供給、高品質・高性能な商品の投入、入居者ニーズを捉えたサービスの提供が求められております

このような状況のなか、当社グループは、中期経営計画「EXPANDING VALUE」の目標達成に向けて、賃貸事業と建築請負事業というコア事業を主軸に強固な経営基盤を築き上げるとともに、将来の当社グループの成長に資する新規事業へ挑戦し、活動領域の拡大に取り組んでまいりました。

これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,114億24百万円(前連結会計年度比5.8%増)、営業利益は209億96百万円(前連結会計年度比42.2%増)、経常利益は198億20百万円(前連結会計年度比47.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は194億32百万円(前連結会計年度比33.9%増)となりました。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」 (企業会計基準第21号 平成25年9月13日) 等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 賃貸事業

当連結会計年度末の入居率は90.53%(前期末比+1.24ポイント)、期中平均入居率は87.95%(前期比+1.38ポイント)となりました

賃貸事業においては、お部屋カスタマイズ・入居者専用サイト等のサービス拡充による長期入居促進、セキュリティシステムの設置拡大による女性・法人需要の取込み強化、外国人契約の拡大のためのサポート体制整備等により、入居率の向上による安定的な収益確保を図っております

なお、当連結会計年度末の管理戸数は561千戸(前期末比7千戸増)、直営店舗数は189店(前期末比1店舗増)、パートナーズ店舗数は130店(前期末比11店舗減)といたしました。

これらの結果、売上高は4,105億52百万円(前連結会計年度比2.8%増)、営業利益は227億60百万円(前連結会計年度比10.9%増)となりました。

② 建築請負事業

当連結会計年度の総受注高は864億39百万円(前連結会計年度比1.1%減)、当連結会計年度末の受注残高は663億47百万円(前連結会計年度末比14.1%増)となりました

建築請負事業においては、高入居率が見込める都市部へのアパート供給、耐震性・遮音性等に優れた高品質な商品の投入、競争力強化と入居者イメージの一新を図る新ブランドの展開、「理想の土地活用」に基づく建築バリエーションの拡大、商品価格や仕入ルートの見直し等による採算性の向上に取り組んでおります

また、子会社の㈱もりぞうは、木曾ひのきを用いた戸建注文住宅の建築請負事業を展開しております。

これらの結果、売上高は741億60百万円(前連結会計年度比21.0%増)、営業利益は33億39百万円(前連結会計年度比31億28百万円の増加)となりました。

③ シルバー事業

売上高は107億98百万円(前連結会計年度比1.8%増)、営業損失は13億54百万円(前連結会計年度比7億48百万円の損失増加)となりました。

④ ホテルリゾート関連事業

グアムリゾート施設および国内ホテルの売上高は114億27百万円(前連結会計年度比27.7%増)、営業損失は6億97百万円(前連結会計年度比5億91百万円の損失減少)となりました

⑤ その他事業

太陽光発電事業、少額短期保険業、ファイナンス事業等のその他事業は、売上高は44億85百万円(前連結会計年度比49.5%増)、営業利益は3億37百万円(前連結会計年度比979.3%増)となりました

(2)キャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、221億4百万円の収入(前連結会計年度比63億89百万円の収入増加)となりました。これは主に、前受金の減少額が53億86百万円、仕入債務の減少額が27億1百万円となった一方、税金等調整前当期純利益が190億61百万円、減価償却費が96億14百万円となったことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、110億87百万円の支出(前連結会計年度比64億62百万円の支出減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が90億53百万円あったことによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、13億74百万円の収入(前連結会計年度比3億73百万円の収入減少)となりました。これは主に、借入金およびリース債務の返済が168億75百万円(借入による収入差引後)あった一方、社債発行による収入が182億27百万円(社債償還による支出差引後)あったことによるものであります。

この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は868億26百万円となり、前連結会計年度末比123億21百万円増加いたしました。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

前年同期比(%)

建築請負事業(百万円)

54,236

9.3

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

(2)受注状況

当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。

セグメントの名称

 総受注高(百万円)

 前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

建築請負事業

86,439

△1.1

66,347

14.1

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.上記以外の事業につきましては、受注の形態を取っておりませんので記載しておりません。

(3)販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

前年同期比(%)

賃貸事業(百万円)

410,552

2.8

建築請負事業(百万円)

74,160

21.0

シルバー事業(百万円)

10,798

1.8

ホテルリゾート関連事業(百万円)

11,427

27.7

報告セグメント計(百万円)

506,939

5.6

その他(百万円)

4,485

49.5

合計(百万円)

511,424

5.8

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当社グループの相手先は不特定の法人・個人であるため、主要な販売先の記載は省略しております。

3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3【対処すべき課題】

当社グループは、「コア事業を基軸とし、新たな事業領域への挑戦」を中期経営計画の基本方針とし、堅固な経営基盤を築き上げるべく、以下の課題に取り組む方針であります。

・個人顧客の獲得、長期入居の促進

賃貸事業においては、法人契約は右肩上がりの一方で、個人・学生の契約を増やすことが課題となっております。好調な法人営業は引き続き強化していく方針ですが、法人顧客は景気変動による影響を受けやすい点も考慮し、安定的な収益確保という観点から、個人向け広告・キャンペーンの実施、入居者向け各種サービスの充実、研修・指導の強化による営業店舗網の質の向上等により、個人顧客の取り込み強化並びに長期入居の促進を図ってまいります

・収益力向上、新規事業開発

今後、当社グループが継続的成長を図るためには、賃貸事業の収益力向上並びに新たな事業領域の開発が必要となります。すでに当社グループは、入居者サービスの充実や物件価値向上施策の実行により収益力向上を図っているほか、太陽光発電事業会社を通じた「屋根借り太陽光発電プロジェクト」や韓国における合弁企業での住宅賃貸管理業、ASEAN諸国での現地不動産仲介事業やサービスアパートメント・オフィスの開発、運営を展開しておりますが、今後も新たな事業領域、商品・サービス、収益基盤の開発に努めてまいります

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があるリスクには、次のようなものがあります。ただし、当社グループの事業に関する全てのリスクを網羅したものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 売上高について

当社物件は単身者の利用が多く、法人契約の場合には出張などの短期滞在用や社員寮などとして利用頂いています。従って、景気や企業業績などを背景とした雇用状況や出張ニーズなどの変動が、当社物件の利用状況に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは、顧客との建物建築請負契約の締結をもって受注計上しておりますが、その遂行において顧客の金融機関借入、即ちローン利用可否は重要なファクターとなります。金融機関の貸出姿勢、土地担保評価や金利動向等の情勢が変化した場合には、売上高の変動を通して当社業績に影響が及ぶ場合があります。

(2) 売上原価について

当社は、オーナー様との建物賃貸借契約に基づき対象物件の一括借上げを行い、当初契約時に定められた期間において、同じく定められた固定賃料をオーナー様にお支払いしています。従って、この期間中に当社が受け取る住居人からの家賃収入に変動が発生した場合には、当社の収益性に影響が及ぶ可能性があります

(3) 有形固定資産及び有価証券

当社グループが保有している有形固定資産、有価証券及びその他の資産は、時価の下落等による減損または評価損の計上によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。また、ホテルリゾート関連事業などの設備更新・維持については、今後も継続的な投資を行う必要性があり、この結果、減価償却費の変動に伴う業績への影響が生じる可能性があります

(4) 貸倒引当金及び貸倒損失

当社グループは、ファイナンス事業を行っているため、アパートローンや不動産担保貸付金等の営業貸付金残高があります。また、住宅ローンや会員権ローン等を利用する顧客のために金融機関に対して債務保証を行っております。返済懸念先となったアパートローン等は、固定化営業債権として区別し、個別貸倒引当金を計上しておりますが、今後の回収不能の発生あるいは債務保証の履行によって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

(5) 空室損失引当金

当社は、空室増加による損失リスクにあらかじめ備えるべく、合理的な見積可能期間内に発生が見込まれる損失の額に対して「空室損失引当金」を設定しております。空室損失引当金は、個別賃貸物件毎の設定家賃、世帯数及び個別に算定された将来予測入居率に基づいて算出しているため、これらの計数が悪化した場合、引当額の増加につながり、賃貸事業部門の業績に影響を与える可能性があります

(6) 長期預り敷金保証金

当社は、アパート修繕に備えるためのオーナー様からの長期預り金があります。これは主にレオパレス共済会の解散に伴う、各オーナー様からの将来の修繕費用の一部としての預り金であります。当社は、賃貸事業としてオーナー様から一括で借上げ運営管理をしているアパートの維持管理体制には万全を期しており、定期修繕費用についても綿密な長期計画に基づく予算化を行っておりますが、予想外の大規模修繕等が発生した場合には、当社の財政状態に影響を与える可能性があります

また、ホテルリゾート関連事業に係るレオパレスリゾート会員権の預託金があり、平成5年7月の開場以来、預託されているものであります。当社グループでは会員の利用向上のため、施設の充実や会員向けサービスの向上を図っておりますが、今後、予想外の預託金償還請求が発生した場合には、当社の財政状態に影響を与える可能性があります

(7) 財務制限条項

当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入れ及び社債に係る契約には財務制限条項が定められております。従って、連結の純資産、連結及び単体の営業損益・経常損益、太陽光発電事業におけるDSCR(デットサービスカバレッジレシオ)の各項目が当該財務制限条項に抵触した場合には、金融機関の請求により、当該借入れ並びに社債その他の借入れについて期限の利益を喪失し、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります

(8) 情報漏洩

当社グループは、お客様など取引先の同意や機密保持契約に基づいて入手した個人情報をはじめとして、多くの情報を保有しております。情報セキュリティ管理の実現のために必要な行動指針を定め、コンプライアンス委員会を主体として役員、社員への教育と徹底に努めておりますが、万一、何らかの情報漏洩が発生した場合には、当社グループの信頼性を損なうこととなり、業績に影響を与える可能性があります

(9) その他

当社グループは、事業展開上、様々なリスクがあることを認識し、それらをできる限り防止、分散あるいは回避するように努めております。

しかしながら、当社グループが事業を遂行するにあたり、経済情勢、不動産市況、金融・株式市況、法的規制や災害及びその他の様々な影響が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」 (企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

(1)財政状態について

① 総資産

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比186億16百万円増加の3,268億90百万円となりました。これは主に、未収入金が13億83百万円、建物及び構築物(純額)が19億19百万円それぞれ減少した一方、現金及び預金が128億21百万円、繰延税金資産が32億91百万円、リース資産(純額)が15億36百万円、建設仮勘定が14億52百万円、投資有価証券が13億97百万円それぞれ増加したことによるものであります。

② 負債

負債の合計は、前連結会計年度末比11億22百万円減少の1,806億79百万円となりました。これは主に、社債発行等により長期有利子負債が241億59百万円、未払法人税等が19億74百万円増加した一方、短期有利子負債が178億23百万円、長短前受金が53億27百万円、未成工事受入金が19億3百万円、工事未払金が18億55百万円それぞれ減少したことによるものであります。

③ 純資産

純資産の合計は、前連結会計年度末比197億38百万円増加の1,462億11百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益194億32百万円の計上によるものであります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末比3.7ポイント上昇し44.7%となりました。

(2)経営成績について

① 売上高

売上高は、前連結会計年度比282億36百万円(5.8%)増加の5,114億24百万円となりました。これは主に、賃貸事業売上高が前連結会計年度比112億35百万円(2.8%)増加の4,105億52百万円、請負事業売上高が前連結会計年度比128億47百万円(21.0%)増加の741億60百万円となったことによるものであります。

② 売上総利益

売上総利益は、前連結会計年度比130億64百万円(17.2%)増加の888億20百万円、売上総利益率は17.4%(前連結会計年度比1.7ポイント上昇)となりました。これは主に、賃貸事業の収支改善により同事業の売上総利益が前連結会計年度比43億29百万円(7.0%)増加の663億6百万円、請負事業の採算性向上により同事業の売上総利益が前連結会計年度比82億16百万円(70.2%)増加の199億23百万円となったことによるものであります。

③ 営業利益

営業利益は、前連結会計年度比62億33百万円(42.2%)増加の209億96百万円となりました。これは主に、販売費及び一般管理費が前連結会計年度比68億31百万円増加したものの、売上総利益の増加がこれを上回ったことによるものであります。なお、売上高営業利益率は4.1%(前連結会計年度比1.0ポイント上昇)となりました。

④ 経常利益

経常利益は、前連結会計年度比63億96百万円(47.6%)増加の198億20百万円となりました。これは主に、営業利益の改善に加え、支払利息の減少等により営業外費用が前連結会計年度比1億36百万円(7.5%)減少したことによるものであります。なお、売上高経常利益率は3.9%(前連結会計年度比1.1ポイント上昇)となりました。

⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比49億24百万円(33.9%)増加の194億32百万円となりました。これは主に、経常利益が増加した一方、法人税、住民税及び事業税が前連結会計年度比19億83百万円増加したこと等によるものであります。なお、1株当たり当期純利益は73.92円(前連結会計年度比18.73円増加)となりました。

 なお、セグメント別の売上高及び営業損益については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(1)業績」をご参照ください。

(3)キャッシュ・フローの状況について

 キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。

(5)経営戦略及び今後の方針について

当社グループは、「コア事業を基軸とし、新たな事業領域への挑戦」を中期経営計画の基本方針とし、堅固な経営体質を築きあげることを目指しております。

賃貸事業においては、好調な法人営業のさらなる強化、「お部屋カスタマイズ」やセキュリティシステム装備による入居者ニーズ取込み、底堅い需要のある外国人留学生への取組み強化、直営店・パートナーズ・協力業者の店舗網を活用した客付け力の最大化、定型業務の見直し等によるコスト削減等により、高収益事業としての更なる展開を目指します。

建築請負事業においては、高入居率が見込める都市部へのアパート供給、先進的な新商品の展開、耐震性・遮音性等に配慮した高品質なアパート建築に加え、様々なニーズに対応できる建築バリエーションの拡大並びに土地活用のスペシャリスト育成に注力してまいります。

また、中期経営計画ではシルバー事業を成長分野と位置付け、建築請負事業との連携により介護施設の拡充を図ってまいります。全社的施策としては、低コスト構造を維持する一方、今後の収益拡大に必要なコスト(人件費・広告宣伝費・販売促進費)は戦略的に投入してまいります