第2【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、施工不備対応及び施工不備対応に伴う入居率の悪化を主因に、2期連続の大幅な赤字を計上する結果となりました。こうした状況を踏まえ、当社は、ステークホルダーの信頼回復を実現し、業績回復を確固としたものにすべく、「事業基盤の再構築(選択と集中)」「構造改革」「社会的信頼の回復」を柱とする事業計画(中長期戦略)を策定し、2020年6月5日に公表いたしました。

■ 事業基盤の再構築(選択と集中)

・これまでの事業多角化を志向した戦略から、賃貸事業における収益力強化を志向する戦略へ方針転換

■ 構造改革

・賃貸事業をコア事業、シルバー事業を戦略的事業と位置づけ、ノンコア・不採算事業であるホテルリゾート事業及び国際事業は、譲渡・撤退を推進

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■ 社会的信頼の回復

・構造改革及び賃貸事業の収益力強化による業績回復

・施工不備問題解決の確実な実行

事業計画においては、2021年3月期・2022年3月期の課題を「構造改革」の断行、2023年3月期以降の課題を「賃貸事業における収益力強化、更なる挑戦」としております。

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(2) 経営環境及び対処すべき課題

経営環境のうち人口動向については、総世帯数は減少見込みとなっておりますが、当社のターゲットである単身の生産年齢人口(15歳〜64歳)の世帯数は今後20年近く横ばいの見通しであり、三大都市圏では人口の転入超過が続いております。また、2025年までには、65歳以上が人口の約30%に達する超高齢化社会が到来することとなります。

2019年度の家の新設着工戸数は、金融機関による融資条件の厳格化に伴い、3年連続の減少(前年度比14.2%減)となりました。わが国の賃貸住宅市場においては、空家数の増加が続いており、全国的な需要回復は難しい中で安定した入居率を確保するには、将来的にも高い入居率が見込めるエリアに絞った物件供給、外国人労働者の増加・単身世帯の増加・高齢化といった社会の変化を捉えた商品の開発、当社独自の強みを活かした付加価値サービスの提供による差別化戦略が重要となります。単身者向けに家具家電を備えたワンルームを短期利用でも可能な形で大都市圏に集中して提供している当社は、賃貸住宅市場において競合他社とは異なる独自のポジションを確立していると認識しております。

なお、このような状況下において、新型コロナウイルス感染症が当社グループの事業へ与える影響については以下の事項を想定しており、今後の状況を注視しながら対応策を検討してまいります。

①賃貸事業

経済活動が大幅に抑制された結果、入居率の下振れや家賃の滞納増加等により、賃貸事業の業績に影響を与える可能性があります。

②開発事業

請負工事の受注減少や施工業者の工事自粛等により請負業務が停滞する結果、開発事業の業績に影響を与える可能性があります。

③シルバー事業

感染リスクを懸念した介護サービスの利用者の減少等により、シルバー事業の業績に影響を与える可能性があります。

④ホテルリゾート・その他事業

旅行需要の回復時期が遅れること等により、ホテルリゾート・その他事業の業績に影響を与える可能性があります。

⑤補修工事

当社施工物件の界壁等の施工不備に係る補修工事の延期及び中断により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

・当社施工物件における界壁等の施工不備に係る再発防止策

当社施工物件において、界壁の施工不備、界壁内部充填材の相違、外壁構成における大臣認定との不適合、天井部施工不備及び耐火建築物の界壁における大臣認定との不適合(以下、各施工不備を総称して「界壁等の施工不備」といいます。)が発見された問題につきまして、当社施工物件の所有者様、入居者様をはじめとする関係者の皆様及び各ステークホルダーの皆様には多大なるご心配及びご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。

界壁等の施工不備について、共同住宅という商品を扱う建設業者としてあるまじき問題であることを重く受けとめ、2019年5月に示された外部調査委員会の調査結果と提言を踏まえ、「1.企業風土の抜本的改革」「2.コンプライアンス・リスク管理体制の再構築」「3.建築請負事業体制の見直し」の3つの方針を柱とする再発防止策を策定いたしました。

当社グループは、当該再発防止策を経営上の最重要課題と位置づけ、速やかに実施するとともに、再発防止に全力で取り組んでおります。再発防止に向けた取り組みの進捗については、当社ウェブサイトをご参照ください。

(https://www.leopalace21.co.jp/saihatsuboushi/)

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 売上高について

当社物件は単身者の利用が多く、法人契約の場合には出張などの短期滞在用や社員寮などとして利用頂いています。従って、景気や企業業績などを背景とした雇用状況や出張ニーズなどの変動が、当社物件の利用状況に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクは新型コロナウイルス感染症の流行により一部顕在化しており、就職や転勤に伴う入居需要の落ち込みが賃貸事業の経営成績に影響を与えております。

また、当社グループは、顧客との建物建築請負契約の締結をもって受注計上しておりますが、その遂行において顧客の金融機関借入、即ちローン利用可否は重要なファクターとなります。金融機関の貸出姿勢、土地担保評価や金利動向等の情勢が変化した場合には、売上高の変動を通して当社業績に影響が及ぶ場合があります。

(2) 売上原価について

当社は、オーナー様との建物賃貸借契約に基づき対象物件の一括借上げを行い、当初契約時に定められた期間において、同じく定められた固定賃料をオーナー様にお支払いしています。従って、この期間中に当社が受け取る住居人からの家賃収入に変動が発生した場合には、当社の収益性に影響が及ぶ可能性があります

(3) 有形固定資産及び有価証券

当社グループが保有している有形固定資産、有価証券及びその他の資産は、時価の下落等による減損または評価損の計上によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

撤退の方針としているグアムのリゾート事業及び国際事業に係る有形固定資産については、当連結会計年度において鑑定評価額に基づく正味売却可能価額まで減損損失を計上しておりますが、今後の不動産市況の動向等によっては、追加の損失処理が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

(4) 空室損失引当金

当社は、空室増加による損失リスクにあらかじめ備えるべく、合理的な見積可能期間内に発生が見込まれる損失の額に対して「空室損失引当金」を設定しております。空室損失引当金は、個別賃貸物件毎の設定家賃、世帯数及び個別に算定された将来予測入居率に基づいて算出しているため、これらの計数が悪化した場合、引当額の増加につながり、賃貸事業部門の業績に影響を与える可能性があります

当該リスクに対応するため、将来的にも高い入居率が見込めるエリアに絞った物件供給や外国籍顧客・シニア層向けの商品開発等により安定した入居率を維持するとともに、ダイナミックプライシングを用いた家賃設定などITを活用したオペレーションにより家賃収入の最大化を図ってまいります。

(5) 長期預り敷金保証金

当社は、アパート修繕に備えるためのオーナー様からの長期預り金があります。これは主にレオパレス共済会の解散に伴う、各オーナー様からの将来の修繕費用の一部としての預り金であります。当社は、賃貸事業としてオーナー様から一括で借上げ運営管理をしているアパートの維持管理体制には万全を期しており、定期修繕費用についても綿密な長期計画に基づく予算化を行っておりますが、予想外の大規模修繕等が発生した場合には、当社の財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります

また、ホテルリゾート事業に係るレオパレスリゾート会員権の預託金があり、1993年7月の開場以来、預託されているものであります。今後、予想外の預託金償還請求が発生した場合には、当社の財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

(6) 当社施工物件における不備の影響について

2018年4月27日付、2018年5月29日付、2019年2月7日付及び2019年5月29日付で公表したとおり、当社施工物件において、界壁等の施工不備があることが判明いたしました。当社といたしましては、共同住宅という商品を扱う建設業者としてあるまじき問題であることを重く受けとめ、再発防止に全力で取り組んでおります。

これらに関連して、不備に係る補修工事費用及び付帯費用等の追加発生、補修の遅れによる入居率の停滞、信用低下に伴う建物建築請負工事の受注減少などにより、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 財務制限条項

当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入れ及び社債に係る契約には財務制限条項が定められております。従って、連結の純資産、連結及び単体の営業損益・経常損益、太陽光発電事業におけるDSCR(デットサービスカバレッジレシオ)の各項目が当該財務制限条項に抵触した場合には、金融機関の請求により、当該借入れ並びに社債その他の借入れについて期限の利益を喪失し、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります

(8) 重要事象等について

当社グループは、当社施工物件で判明した界壁等の施工不備の影響により、当連結会計年度において営業損失を計上し、2期連続で親会社株主に帰属する当期純損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しております。

また、前連結会計年度末における連結純資産の金額が一定水準を下回ったこと及び当連結会計年度において営業損失を計上したことにより、当社の子会社である株式会社レオパレス・パワーが当社を保証人として金融機関との間で締結している借入契約に付されている財務制限条項に抵触しております。

これらの結果、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

このような状況を解消すべく、物件の補修工事に経営資源を集中的に投入、かつ、組織的に実行することにより早期の入居者募集再開を進めておりましたが、界壁等の施工不備問題の対応を安定して実施するためには業績の回復が不可欠であることから、2020年6月5日付で公表しております「抜本的な事業戦略再構築の検討結果を踏まえた構造改革の実施について」に基づき、1,000名規模の希望退職を含む人的・物的資源の再配置を実施するとともに、2020年7月以降、補修工事の規模・体制を一旦縮小させ、業績及び財務状況の改善を図ることといたしました。

資金面については、健全な財務バランスを保ちつつ、有価証券や固定資産の売却なども含め事業活動に必要な資金の安定的な確保及び流動性の維持に努めており、資金計画に基づき想定される需要に十分対応できる資金を確保しております。具体的な事項として、2020年6月26日開催の取締役会において保有する投資有価証券(上場有価証券1銘柄)の売却を決議し、2020年7月より売却を開始しております

また、役員報酬の減額、取締役・執行役員数の削減等を実施することといたしました。

なお、財務制限条項への抵触に関しては、金融機関から期限の利益喪失の権利行使を行わないことについて承諾を得ております。

以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

(9) 新型コロナウイルス感染症流行に関するリスク

当社グループでは、新型コロナウイルス緊急対策本部を設置して全社的な対応方針を策定することにより、重要業務の維持継続や事業への影響の最小化に取り組んでおります。具体的には、オーナー様への定期訪問や面談、法人企業への訪問を原則休止するほか、時差出勤やシフト制勤務、テレワークの活用等によりお客様と従業員の健康と安全を最優先に考慮し、政府や自治体等の関係機関の方針に沿いながら、社内外への感染拡大防止に努めております。

新型コロナウイルス感染症の影響は当社グループの事業全般に及ぶことを想定しておりますが、とりわけ主力事業である賃貸事業における入居契約については、2020年6月まで弱含みで推移するとの仮定を置いており、こうした仮定に基づいて会計上の見積りを行っております。

同感染症の収束に時間を要し、経済活動への影響が長期間にわたるような場合、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性がありますが、有価証券報告書提出日現在において、その影響額を合理的に見積ることは困難であります

(10) 情報漏洩

当社グループは、お客様など取引先の同意や機密保持契約に基づいて入手した個人情報をはじめとして、多くの情報を保有しております。情報セキュリティ管理の実現のために必要な行動指針を定め、コンプライアンス委員会を主体として役員、社員への教育と徹底に努めておりますが、万一、何らかの情報漏洩が発生した場合には、当社グループの信頼性を損なうこととなり、業績に影響を与える可能性があります

(11) その他

当社グループは、事業展開上、様々なリスクがあることを認識し、それらをできる限り防止、分散あるいは回避するように努めております。

しかしながら、当社グループが事業を遂行するにあたり、経済情勢、不動産市況、金融・株式市況、法的規制や災害及びその他の様々な影響が発生した場合には、当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況及び分析の内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況及び分析

(単位:百万円)

 

2019年3月期

2020年3月期

増減額

増減率

売上高

505,223

433,553

△71,669

△14.2%

営業利益又は営業損失(△)

7,390

△36,473

△43,864

-%

経常利益又は経常損失(△)

7,063

△36,341

△43,404

-%

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△68,662

△80,224

△11,561

-%

当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、緩やかな回復基調で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、感染症の拡大防止と経済活動の早期再開の両立という舵取りの難しい状況が生じております。

また、貸家の新設着工戸数は、金融機関による融資条件の厳格化に伴い、3年連続の減少(前年度比14.2%減)となりました。わが国の賃貸住宅市場においては、空家数の増加が続いており、全国的な需要回復は難しい中で安定した入居率を確保するには、将来的にも高い入居率が見込めるエリアへの重点的な物件供給や当社独自の強みを活かした付加価値サービスの提供による差別化戦略が重要と考えております。

このような状況の中、当社グループは、中期経営計画「Creative Evolution 2020」で掲げた「企業価値の更なる向上に資するコア事業の継続的成長と成長分野の基盤構築」を基本方針とし、企業価値と新たな社会価値の創造に取り組むとともに、界壁等の施工不備問題の早期解決に会社を挙げて取り組んでまいりましたが、施工不備に起因した事業収益の悪化等により大幅な赤字決算となりました。

① 売上高

売上高は、前連結会計年度比71,669百万円(14.2%)減少の433,553百万円となりました。これは主に、補修工事完了と入居者募集の再開が遅れたことにより、賃貸事業売上高が前連結会計年度比37,449百万円(8.8%)減少の388,939百万円、界壁等の施工不備問題の発生を受けて建築請負工事の新規受注を停止していることから、開発事業売上高が前連結会計年度比35,185百万円(59.6%)減少の23,806百万円となったことによるものであります。

② 売上総利益

売上総利益は、前連結会計年度比50,793百万円(66.6%)減少の25,441百万円、売上総利益率は5.9%(前連結会計年度比9.2ポイント低下)となりました。これは主に、賃貸事業の入居率低下に伴う売上総利益率の低下によるものであります。

③ 営業損失

営業損失は、36,473百万円(前連結会計年度は営業利益7,390百万円となりました。これは主に、コスト削減等により販売費及び一般管理費が前連結会計年度比6,929百万円(10.1%)減少したものの、売上総利益の減少を抑えるには至らなかったことによるものであります。なお、売上高営業利益率は△8.4%(前連結会計年度は同1.5%)となりました。

④ 経常損失

経常損失は、営業損失の計上に伴い、36,341百万(前連結会計年度は経常利益7,063百万円となりました。なお、売上高経常利益率は△8.4%(前連結会計年度は同1.4%)となりました。

⑤ 親会社株主に帰属する当期純損失

親会社株主に帰属する当期純損失は、80,224百万円(前連結会計年度比11,561百万円損失増加)となりました。これは主に、界壁等の施工不備に係る補修工事費用の損失負担見込額等24,395百万円、固定資産及びのれんの減損損失7,620百万円を特別損失に計上したこと、繰延税金資産の取り崩しに伴い法人税等調整額(損)21,485百万円を計上したこと等によるものであります。

なお、1株当たり当期純損失は328.77円(前連結会計年度比50.19円損失増加)となりました

(セグメント別の経営成績の状況及び分析)

(単位:百万円)

 

 

売上高

 

 

営業利益

 

 

前期

当期

増減額

前期

当期

増減額

賃貸事業

426,388

388,939

△37,449

14,987

△20,828

△35,815

開発事業

58,992

23,806

△35,185

△995

△5,181

△4,185

シルバー事業

13,922

14,620

698

△846

△559

286

ホテルリゾート・その他事業

5,919

6,186

266

△1,346

△1,000

346

調整額

△4,407

△8,903

△4,496

合計

505,223

433,553

△71,669

7,390

△36,473

△43,864

① 賃貸事業

賃貸事業においては、入居する部屋を自分好みにアレンジできる「my DIY」、スマートフォンで遠隔からの家電操作や施錠などが可能なスマートアパート化の推進、業界初となる賃貸契約の電子化、大手警備保障会社との提携によるセキュリティサービスなど豊富な付加価値を提供するとともに、法人の寮社宅需要の取り込み、外国人入居者サポート体制の充実等により安定した入居率の確保を図っております。また、ASEAN諸国の子会社において、サービスアパートメント・オフィス等の開発・運営を行っております。

入居率については、界壁等の施工不備の全棟調査を優先させたことや施工体制の整備が遅れたこと等により、補修工事完了と入居者募集の再開が遅れたこと、新型コロナウイルス感染症の影響により繁忙期である年度末にかけて就職や転勤に伴う入居需要が抑制されたこと等により、当連結会計年度末の入居率は83.07%(前期末比△1.26ポイント)、期中平均入居率は80.78%(前期比△7.56ポイント)となりました。また、当連結会計年度末の管理戸数は575千戸(前期末比1千戸増)となりました。

これらの結果、当連結会計年度の業績は、入居率の低下に伴う賃料収入等の減少に加え、空室損失引当金を3,178百万円繰り入れた結果、売上高388,939百万円(前連結会計年度比8.8%減)、営業損失20,828百万円(前連結会計年度は営業利益14,987百万円)となりました。

② 開発事業

開発事業においては、人口流入が続き、将来的にも高い入居率が見込める三大都市圏に絞った受注活動、理想の土地活用を実現する建築バリエーションの拡大、商品価格や仕入ルートの見直し等による採算性の向上に取り組んでおり、子会社の株式会社もりぞうは木曾ひのきを用いた戸建注文住宅の建築請負事業を展開しております。

しかしながら当期においては、大都市圏での競争激化やアパートローンの融資環境変化等に加え、界壁等の施工不備問題を背景に新規受注を停止していることから、当連結会計年度の総受注高は7,814百万円(前連結会計年度比87.9%減)、当連結会計年度末の受注残高は27,696百万円(前連結会計年度末比55.6%減)となりました。

なお、当社の連結子会社であったライフリビング株式会社は、当社保有株式の全てを売却し、連結の範囲から除外したため、同社の総受注高および受注残高は含めておりません。

これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高23,806百万円(前連結会計年度比59.6%減)、営業損失5,181百万円(前連結会計年度比4,185百万円損失増加)となりました。

③ シルバー事業

成長戦略事業であるシルバー事業は、既存施設の稼働率が上昇し始めたことにより全体の採算性が改善し、黒字化に向けて順調に推移いたしました。当連結会計年度末の施設数は87施設となっております。

なお、シルバー事業においては、新型コロナウイルスの感染リスクを懸念して介護サービスの利用者が減少するなどの影響を受けており、当該状況は2020年6月まで継続するものと想定しております。

当連結会計年度の業績は、売上高14,620百万円(前連結会計年度比5.0%増)、営業損失559百万円(前連結会計年度比286百万円改善)となりました。

ホテルリゾート・その他事

グアムリゾート施設や国内ホテルの運営、旅行事業、ファイナンス事業等を行っているホテルリゾート・その他事業の当連結会計年度の業績は、売上高6,186百万円(前連結会計年度比4.5%増)、営業損失1,000百万円(前連結会計年度比346百万円改善)となりました。

(生産、受注及び販売の実績)

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

開発事業(百万円)

19,415

△56.5

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.生産実績の著しい変動は、金融機関のローン審査厳格化や施工不備問題に伴う新規受注停止により生産活動が低迷したことに加え、連結子会社であったライフリビング株式会社を売却して連結の範囲から除外したことによるものであります。

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

総受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

開発事業

7,814

△87.9

27,696

△55.6

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.上記以外の事業につきましては、受注の形態を取っておりませんので記載しておりません。

4.受注実績の著しい変動は、金融機関のローン審査厳格化や施工不備問題に伴う新規受注停止に加え、連結子会社であったライフリビング株式会社を売却して連結の範囲から除外したことによるものであります。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比(%)

賃貸事業(百万円)

388,939

△8.8

開発事業(百万円)

23,806

△59.6

シルバー事業(百万円)

14,620

5.0

ホテルリゾート・その他事業(百万円)

6,186

4.5

合計(百万円)

433,553

△14.2

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当社グループの相手先は不特定の法人・個人であるため、主要な販売先の記載は省略しております。

3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

4.開発事業の販売実績の著しい変動は、金融機関のローン審査厳格化や施工不備問題に伴う受注の低迷に加え、連結子会社であったライフリビング株式会社を売却して連結の範囲から除外したことによるものであります。

(2)財政状態の状況及び分析

(単位:百万円)

 

2019年3月期

2020年3月期

増減額

増減率

資産

291,790

196,953

△94,837

△32.5%

負債

210,452

195,363

△15,088

△7.2%

純資産

81,338

1,589

△79,748

△98.0%

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末比94,837百万円減少の196,953百万円となりました。これは主に、業績の悪化や補修工事関連の支払等により現金及び預金が24,034百万円、自社所有の賃貸用住宅及びホテルの売却、減損損失の計上等により建物及び構築物(純額)が16,678百万円、土地が12,328百万円、リース資産(純額)が4,534百万円、事業資金の安定的な確保を目的とした保有株式の売却等により有価証券及び投資有価証券が4,043百万円、翌期以降の事業計画の見直しに伴い繰延税金資産が22,352百万円それぞれ減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比15,088百万円減少の195,363百万円となりました。これは主に、補修工事単価の上昇等により補修工事関連損失引当金が5,540百万円、補修工事の遅延に伴い入居者募集再開の遅れを見込んだこと等により空室損失引当金が3,178百万円増加した一方、有利子負債が11,909百万円、入居者募集停止に伴うアパートのマンスリー利用減少等による前受金及び長期前受金が5,056百万円、工事未払金が3,469百万円それぞれ減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比79,748百万円減少の1,589百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が766百万円増加した一方、親会社株主に帰属する当期純損失80,224百万円を計上したことによるものであります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末比27.0ポイント下落し0.7%となりました。

上記の通り、施工不備に起因した業績悪化により純資産が大きく毀損する結果となりましたが、事業計画で掲げた構造改革を断行し、賃貸事業の収益力を強化することにより純資産の改善に努めてまいります。

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(単位:百万円)

 

2019年3月期

2020年3月期

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

△7,212

△51,639

△44,427

投資活動によるキャッシュ・フロー

7,379

39,533

32,154

財務活動によるキャッシュ・フロー

△15,181

△12,048

3,132

現金及び現金同等物残高

83,019

58,916

△24,102

営業活動によるキャッシュ・フローは、51,639百万円の支出(前連結会計年度比44,427百万円の支出増加)となりました。これは主に、減価償却費が12,157百万円、減損損失が7,620百万円、補修工事関連損失引当金繰入額が21,501百万円、空室損失引当金の増加額が3,178百万円となった一方、税金等調整前当期純損失が58,013百万円、有形固定資産売却益が7,973百万円、投資有価証券売却益が2,368百万円、前受金の減少額が5,032百万円、補修工事関連支払額が18,855百万円となったことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、39,533百万円の収入(前連結会計年度比32,154百万円の収入増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が3,601百万円となった一方、有形固定資産の売却による収入が32,057百万円、投資有価証券の売却による収入が8,213百万円あったことによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、12,048百万円の支出(前連結会計年度比3,132百万円の支出減少)となりました。これは主に、リース債務の返済が5,093百万円、借入返済及び社債償還が6,955百万円あったことによるものであります。

資金の流動性につきましては、賃貸事業における入居率改善の遅れや多額の補修工事費用の支払等により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は58,916百万円(前連結会計年度末比24,102百万円減少)、フリーキャッシュ・フローは△12,106百万円(前連結会計年度末比12,273百万円減少)となりました。

当連結会計年度においては、有形固定資産及び投資有価証券の売却により資金調達を行いましたが、翌期以降についても、保有資産の売却等を含め事業活動に必要な資金の安定的な確保及び流動性の維持に努め、資金計画に基づき想定される需要に十分対応できる資金を引き続き確保してまいります。

キャッシュ・フロー指標の推移は次のとおりであります。

 

2016年3月期

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

自己資本比率(%)

44.2

47.0

47.2

27.7

0.7

時価ベースの自己資本比率(%)

54.6

44.7

66.3

18.5

33.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

2.3

1.8

2.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

23.6

39.8

38.2

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により計算しております。

(注3)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。

(注4)2019年3月期及び2020年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。

①補修工事関連損失引当金

当社施工物件(アパート)の施工不備に係る補修工事費用及び付帯費用の発生に備えるため、不備の発生率等に基づき、損失負担見込額を計上しております。

補修工事費用及び付帯費用(他社管理物件の空室補償費用、入居者様の住替費用、外部調査費用)については、工事の進捗状況、補修方法や補修単価、入居者様の住替えの必要性やその方法など、不備内容により異なる条件に応じて、その金額を合理的に見積っております。

なお、補修工事に経営資源を集中的に投入して組織的に実行することにより早期の入居者募集再開を進めておりましたが、施工不備問題の対応を安定して実施するためには業績の回復が不可欠であることから、2020年7月以降、補修工事の規模・体制を一旦縮小させ、業績及び財務状況の改善を図ることとしております。

これらの見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

②空室損失引当金

賃貸事業における一括借上契約による空室損失の発生に備えるため、個別賃貸物件ごとの設定家賃及び将来予測入居率に基づき、合理的な見積可能期間内に発生が見込まれる損失の額を計上しております。

空室損失引当金の計算にあたっては、補修工事による入居者募集停止等の影響(工事時期や募集再開時期)を見積って将来予測入居率に反映させております。なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、入居率は2020年6月まで弱含みで推移するとの仮定を置いております。

これらの見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。

③繰延税金資産の評価

当社施工物件で判明した界壁等の施工不備の影響により、2期連続で多額の繰越欠損金を計上したこと、補修工事の進捗遅延により翌期以降も十分な物件供給が困難であること、新型コロナウイルス感染症の蔓延よる経済活動の停滞等の影響により、業績の急激な回復は見込めないことから、一部の繰越欠損金に期限切れが発生する見込みとなっております。

このような状況を前提として、翌期以降に解消される将来減算一時差異に係る繰延税金資産についての回収可能性の有無を判断しております。

これらの見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。

4【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。