第2【事業の状況】

 

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは、2018年4月に判明した施工不備問題に伴う入居率の悪化を主因に、2期連続で大幅な赤字を計上する結果となった状況を踏まえ、ステークホルダーの信頼回復を実現し、業績回復を確固としたものにすべく、「事業基盤の再構築(選択と集中)」「構造改革」「社会的信頼の回復」を柱とする事業計画(中長期戦略)を策定し、2020年6月に公表しております。

■ 事業基盤の再構築(選択と集中)

・これまでの事業多角化を志向した戦略から、賃貸事業における収益力強化を志向する戦略へ方針転換

■ 構造改革

・賃貸事業をコア事業、シルバー事業を戦略的事業と位置づけ、ノンコア・不採算事業であるホテルリゾート事業及び国際事業は、譲渡・撤退を推進

■ 社会的信頼の回復

・構造改革及び賃貸事業の収益力強化による業績回復

・施工不備問題解決の確実な実行

構造改革の概要

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当該事業計画においては、2021年3月期・2022年3月期の課題を「構造改革」の断行、2023年3月期以降の課題を「賃貸事業における収益力強化、更なる挑戦」としております。

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構造改革の施策及びその進捗状況は以下のとおりです。

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(2) 経営環境及び対処すべき課題

(経営環境)

経営環境のうち人口動向については、総世帯数は減少見込みとなっておりますが、当社のターゲットである単身の生産年齢人口(15歳〜64歳)の世帯数は今後20年近く横ばいの見通しであり、三大都市圏全体では人口の転入超過が続いております。また、2025年までには、65歳以上が人口の約30%に達する超高齢化社会が到来することとなります。

2020年度の貸家の新設着工戸数は、金融機関による融資条件の厳格化等に伴い、4年連続の減少(前年度比9.4%減)となりました。わが国の賃貸住宅市場においては、空家数の増加が続いており、全国的な需要回復は難しい中で安定した入居率を確保するには、将来的にも高い入居率が見込める三大都市圏を中心とした物件供給、外国人労働者の増加・単身世帯の増加・高齢化といった社会の変化を捉えた商品の開発、当社独自の強みを活かした付加価値サービスの提供による差別化戦略が重要となります。単身者向けに家具家電を備えたワンルームを短期利用でも可能な形で大都市圏に集中して提供している当社は、賃貸住宅市場において競合他社とは異なる独自のポジションを確立していると認識しております。

なお、このような状況下において、新型コロナウイルス感染症が当社グループの事業へ与える影響については以下の事項を想定しており、今後の状況を注視しながら対応策を検討してまいります。

①賃貸事業

当社の事業特性として、賃貸事業の売上高が90%以上を占めており、主要顧客は法人企業の単身者、学生及び外国籍の方であるため、出張や転勤の中止、オンライン授業の普及、入国制限措置等により経済活動が大幅に抑制された結果、入居率の下振れや家賃の滞納増加等により、賃貸事業の業績に影響を与える可能性があります。

②シルバー事業

感染リスクを懸念した介護サービスの利用者の減少等により、シルバー事業の業績に影響を与える可能性があります。

③その他事業

渡航制限の解除や旅行需要の回復時期が遅れること等により、リゾート事業の業績に影響を与える可能性があります。

④補修工事

当社施工物件の界壁等の施工不備に係る補修工事の延期及び中断により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(対処すべき課題)

・抜本的構造改革の継続

賃貸事業を主軸とした事業ポートフォリオに転換し、ノンコア・不採算事業であるリゾート事業及び国際事業については、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染状況及びその影響を見極めつつ、譲渡・撤退の方針としております。

また、賃貸事業における管理原価の抑制、一括借上家賃の適正化、店舗の統廃合による固定費の圧縮、人事制度改定による人件費構造の見直しのほか、全ての費用における聖域なきコストカットを実施することで、収益構造の改革を図ります。

・入居率の向上

当社の中核事業である賃貸事業はストックビジネスであることから、事業面の安定化を図るうえで入居率向上は必須の事項となります。

エリア戦略として全国を7エリアに分け、家賃設定の見直し、仲介業者との取引条件、販促活動等の権限をエリア責任者に付与し、現場主導で各エリアの入居率及び事業収益の改善を図ります。

また、WEB上での接客・内見・契約といったリモート化の推進、顧客属性別(法人・個人・外国籍)の営業戦略の推進、仲介業者との関係強化を主な戦略として実施してまいります。

・社会的信頼の回復

施工不備問題を早期に解決して提供物件の安全性を回復することを当社の重要課題と位置付ける方針に変更はございません。業績及び財務状況の安定化を図りながら補修工事を着実に進めるとともに、再発防止に向けた取組みを実施しており、その進捗状況については、補修工事の進捗状況と併せて当社ウェブサイトにて開示しております。(https://www.leopalace21.co.jp/saihatsuboushi/)

また、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた緊急事態宣言発令や外出自粛要請等の影響による営業収益の大幅な落ち込み等により、当連結会計年度末(2021年3月期末)時点において連結純資産は8,494百万円の債務超過(東京証券取引所の上場関係規則における純資産の定義(連結貸借対照表の純資産の部の合計額から新株予約権と非支配株主持分を控除した額)に基づく。以下同様)となっております。

上記の取組みを確実に実行することにより、2022年3月期には営業損益の黒字化、2023年3月期には親会社株主に帰属する当期純損益の黒字化及び債務超過解消を実現するよう努めてまいります。

(3) 目標とする経営指標

2022年3月期の連結業績については、抜本的構造改革の継続と入居率の向上を確実に実行することにより、売上高402,900百万円、営業利益2,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益△5,600百万円を計画しており、2019年3月期以来3期ぶりで営業損益の黒字化を達成する見込みです。

なお、東京証券取引所の上場関係規則における純資産の定義によると、当社グループは当連結会計年度末において8,494百万円の債務超過となっておりますが、2023年3月期の連結業績は、売上高426,300百万円、営業利益32,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益22,800百万円を計画しており、2018年3月期以来5期ぶりで最終損益の黒字化を達成するとともに、当該債務超過についても解消する見込みです。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 売上高について

当社物件は単身者の利用が多く、法人契約の場合には出張などの短期滞在用や社員寮などとして利用頂いています。従って、景気や企業業績などを背景とした雇用状況や出張ニーズなどの変動が、当社物件の利用状況に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクは新型コロナウイルス感染症の流行により一部顕在化しており、就職や転勤に伴う入居需要の落ち込みが賃貸事業の経営成績に影響を与えております。

また、当社グループは、顧客との建物建築請負契約の締結をもって受注計上しておりますが、その遂行において顧客の金融機関借入、即ちローン利用可否は重要なファクターとなります。金融機関の貸出姿勢、土地担保評価や金利動向等の情勢が変化した場合には、売上高の変動を通して当社グループの連結業績に影響が及ぶ場合があります。

(2) 売上原価について

当社は、オーナー様との建物賃貸借契約に基づき対象物件の一括借上げを行い、当初契約時に定められた期間において、同じく定められた固定賃料をオーナー様にお支払いしています。従って、この期間中に当社が受け取る住居人からの家賃収入に変動が発生した場合には、当社の収益性に影響が及ぶ可能性があります。

(3) 有形固定資産及び有価証券

当社グループが保有している有形固定資産、有価証券及びその他の資産は、時価の下落等による減損又は評価損の計上によって、当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

撤退の方針としているグアムのリゾート事業及び国際事業に係る有形固定資産については、前連結会計年度において鑑定評価額に基づく正味売却可能価額まで減損損失を計上し、当連結会計年度においても売却が決定した国際事業に係る有形固定資産について回収可能価額に基づき減損損失を計上しておりますが、今後の不動産市況の動向等によっては、追加の損失処理が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 空室損失引当金

当社は、空室増加による損失リスクにあらかじめ備えるべく、合理的な見積可能期間内に発生が見込まれる損失の額に対して「空室損失引当金」を設定しております。空室損失引当金は、個別賃貸物件ごとの借上家賃及び将来予測入居率に基づいて算出しているため、これらの計数が悪化した場合、引当額の増加につながり、賃貸事業部門の業績に影響を与える可能性があります。

当該リスクに対応するため、将来的にも高い入居率が見込める三大都市圏を中心とした物件供給、ITを活用したリモート契約やスマートアパート化の推進等により安定した入居率を維持するとともに、借上家賃の適正化を図ることにより物件収支の最大化を図ってまいります。

(5) 長期預り敷金保証金

当社は、アパート修繕に備えるためのオーナー様からの長期預り金があります。これは主にレオパレス共済会の解散に伴う、各オーナー様からの将来の修繕費用の一部としての預り金であります。当社は、賃貸事業としてオーナー様から一括で借上げ運営管理をしているアパートの維持管理体制には万全を期しており、定期修繕費用についても綿密な長期計画に基づく予算化を行っておりますが、予想外の大規模修繕等が発生した場合には、当社の財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

また、リゾート事業に係るレオパレスリゾート会員権の預託金があり、1993年7月の開場以来、預託されているものであります。今後、予想外の預託金償還請求が発生した場合には、当社の財政状態及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

(6) 当社施工物件における不備の影響について

2018年4月に公表した小屋裏界壁施工不備のほか、2018年5月、2019年2月及び2019年5月に公表したとおり、当社施工物件において、界壁等の施工不備があることが判明いたしました。当社といたしましては、共同住宅という商品を扱う建設業者としてあるまじき問題であることを重く受けとめ、再発防止に全力で取り組んでおります。

これらに関連して、補修工事の遅れによる入居率の停滞、信用低下に伴う建物建築請負工事の受注減少などにより、当社グループの連結業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 重要事象等について

当社グループは、当社施工物件で判明した界壁等の施工不備の影響により、前連結会計年度において営業損失を計上し、2期連続で親会社株主に帰属する当期純損失及びマイナスの営業キャッシュ・フローを計上いたしました。

当連結会計年度においては、補修工事並びに入居者の募集再開を進め、業績は回復基調にありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、賃貸事業の主要顧客である法人企業の異動が抑制されるなど入居需要が低迷した結果、営業損失29,182百万円、親会社株主に帰属する当期純損失23,680百万円を計上し、営業キャッシュ・フローはマイナス40,816百万円となりました。

これらの結果、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

このような状況を解消すべく、2020年11月2日付で第三者割当増資、新株予約権付ローンによる資金調達並びに連結子会社である株式会社レオパレス・パワーにおける優先株式の発行を実施し、合計57,215百万円の資金を調達いたしました。

また、2020年6月5日に公表した「抜本的な事業戦略再構築の検討結果を踏まえた構造改革の実施について」に基づき、ノンコア・不採算事業の譲渡・撤退(所有不動産・投資有価証券の売却・譲渡、子会社の譲渡・清算等)、希望退職の実施や役員報酬減額、人事制度改定といった人件費構造の見直し、賃貸事業の営業原価・管理原価抑制や店舗統廃合による固定費圧縮、広告宣伝費や販売促進費の見直し、株主優待の廃止など、あらゆるコストの見直しと削減施策を実施してまいりました。

2022年3月期においても同様の施策を継続しつつ、WEB上での接客・内見・契約といったリモート化の推進や仲介業者の積極活用による客付け強化、エリア単位で営業戦略の展開と収支管理を行う体制への変更等により入居率を向上させて事業面の安定化を図るとともに、一括借上家賃の適正化や管理原価の削減、補修工事スケジュールの調整等により財務面の安定化を図りながら、業績及び財務状況の改善に努めてまいります。

資金の流動性につきましては、当連結会計年度末の現預金残高は54,863百万円となっており、当面の事業継続を行うための十分な資金を有しております。

将来の営業収支の見積りにおける重要な仮定は、賃貸契約数、契約済戸数、賃料収入、一括借上家賃の適正化及び管理原価の削減であり、これらの仮定は一定の不確実性を伴うものの、上記の施策等を着実に実行することにより、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。

(8) 新型コロナウイルス感染症流行に関するリスク

当社グループでは、新型コロナウイルス緊急対策本部を設置して全社的な対応方針を策定することにより、重要業務の維持継続や事業への影響の最小化に取り組んでおります。具体的には、オーナー様への定期訪問や面談、法人企業への訪問を原則休止するほか、時差出勤やシフト制勤務、テレワークの活用等によりお客様と従業員の健康と安全を最優先に考慮し、政府や自治体等の関係機関の方針に沿いながら、社内外への感染拡大防止に努めております。

新型コロナウイルス感染症の拡大やそれに伴う経済活動停滞は当面続き、当社グループの事業全般に影響が及ぶことを想定しており、とりわけ主力事業である賃貸事業においては、主要顧客である法人企業の異動抑制や採用数の減少、大学におけるオンライン授業の普及や外国籍の方の入国制限等による新規入居需要の低迷が続くことが想定されます。

同感染症については、2022年3月期の下期以降は収束に向かうことを見込んでいるものの、その影響は通期にわたると仮定しており、当連結会計年度における繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りにおいては、これらの仮定を踏まえて見積りを行っております。

同感染症の収束に時間を要し、経済活動への影響が長期間にわたるような場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 情報漏洩

当社グループは、お客様など取引先の同意や機密保持契約に基づいて入手した個人情報をはじめとして、多くの情報を保有しております。情報セキュリティ管理の実現のために必要な行動指針を定め、コンプライアンス委員会を主体として役員、社員への教育と徹底に努めておりますが、万一、何らかの情報漏洩が発生した場合には、当社グループの信頼性を損なうこととなり、業績に影響を与える可能性があります。

(10) その他

当社グループは、事業展開上、様々なリスクがあることを認識し、それらをできる限り防止、分散あるいは回避するように努めております。

しかしながら、当社グループが事業を遂行するにあたり、経済情勢、不動産市況、金融・株式市況、法的規制や災害及びその他の様々な影響が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況及び分析の内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)経営成績の状況及び分析

(単位:百万円)

 

2020年3月期

2021年3月期

増減額

増減率

売上高

433,553

408,959

△24,594

△5.7%

営業損失(△)

△36,473

△29,182

7,290

-%

経常損失(△)

△36,341

△34,170

2,171

-%

親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△80,224

△23,680

56,543

-%

当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた緊急事態宣言発令や外出自粛要請等の影響により個人消費が低迷し企業収益が急激に悪化する中、一部に持ち直しの動きがみられるものの、依然として厳しい状況で推移いたしました。

また、貸家の新設着工戸数は、金融機関による融資条件の厳格化等に伴い、4年連続の減少(前年度比9.4%減)となりました。また、賃貸住宅市場においては、空家数の増加が続いており、全国的な需要回復は難しい中で安定した入居率を確保するには、将来的にも高い入居率が見込める三大都市圏を中心とした物件供給、高付加価値サービスの提供による差別化戦略が重要と考えております。

このような状況の中、当社グループは、前連結会計年度において施工不備問題に伴う入居率の悪化を主因として2期連続の大幅な赤字決算となったことを受け、2020年6月5日に公表した「抜本的な事業戦略再構築の検討結果を踏まえた構造改革の実施について」で掲げた方針を継続し、選択と集中により中核事業である賃貸事業に経営資源を投入するとともに、抜本的な体質改善のための構造改革を継続し、事業面及び財務面での安定化、持続的な収支の改善に取り組んでまいりました。

補修工事並びに入居者の募集再開を進め、業績は回復基調に転じておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したため、賃貸事業の主要顧客である法人企業の異動抑制や採用数の減少、大学におけるオンライン授業の普及や外国籍の方の入国制限等により新規入居需要が低迷したことにより、3期連続の赤字決算となりました。

① 売上高

売上高は、前連結会計年度比24,594百万円(5.7%)減少の408,959百万円となりました。これは主に、期中2度にわたる緊急事態宣言の発動など、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したことにより、賃貸事業の主要顧客である法人企業の異動抑制や採用数の減少、大学におけるオンライン授業の普及や外国籍の方の入国制限等による新規入居需要の低迷により、賃貸事業売上高が前連結会計年度比20,781百万円(5.0%)減少の391,964百万円となったことによるものであります。

② 売上総利益

売上総利益は、前連結会計年度比4,355百万円(17.1%)減少の21,086百万円、売上総利益率は5.2%(前連結会計年度比0.7ポイント低下)となりました。これは主に、原価削減や空室損失引当金の戻入等により、売上原価は前連結会計年度比20,239百万円減少したものの、賃貸事業の入居率低下に伴う売上高の減少がそれを上回ったことによるものであります。

③ 営業損失

営業損失は、29,182百万円(前連結会計年度比7,290百万円改善)となりました。これは主に、希望退職の実施による従業員の減少やコスト管理の徹底等により、販売費及び一般管理費が前連結会計年度比11,645百万円(18.8%)減少したものの、売上総利益の減少を抑えるには至らなかったことによるものであります。なお、売上高営業利益率は△7.1%(前連結会計年度比1.3ポイント改善)となりました。

④ 経常損失

経常損失は、営業損失の計上に伴い、34,170百万円(前連結会計年度比2,171百万円改善)となりました。これは主に、当連結会計年度において実施した資金調達に伴い、支払利息2,171百万円、資金調達費用2,904百万円を計上したことによるものであります。なお、売上高経常利益率は△8.4%(前連結会計年度比0.0ポイント改善)となりました。

 

⑤ 親会社株主に帰属する当期純損失

親会社株主に帰属する当期純損失は、23,680百万円(前連結会計年度比56,543百万円改善)となりました。これは主に、一括発注や工法変更により工事単価が低減したこと等に伴う補修工事関連損失引当金戻入額15,374百万円の計上、投資有価証券売却益4,065百万円の計上があったものの、固定資産及びのれんの減損損失4,041百万円、希望退職の実施に伴う退職特別加算金2,479百万円を特別損失に計上したこと等によるものです。

なお、1株当たり当期純損失は84.88円(前連結会計年度比243.89円改善)となりました。

(セグメント別の経営成績の状況及び分析)

当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。

(単位:百万円)

 

 

売上高

 

 

営業利益

 

 

前期

当期

増減額

前期

当期

増減額

賃貸事業

412,746

391,964

△20,781

△25,966

△19,385

6,580

シルバー事業

14,620

14,524

△96

△541

△720

△179

その他事業

6,186

2,469

△3,716

△994

△1,551

△557

調整額

△8,971

△7,524

1,446

合計

433,553

408,959

△24,594

△36,473

△29,182

7,290

① 賃貸事業

賃貸事業においては、部屋を自分好みに変えられる「my DIY」、スマートフォンでの家電操作や施錠が可能なスマートアパート化の推進、WEB上での接客・内見・契約といったリモート化への対応、大手警備保障会社との提携によるセキュリティサービスなど豊富な付加価値を提供するとともに、法人の寮社宅需要の取り込み、外国人入居者サポート体制の充実等により安定した入居率の確保を図っております。また、ASEAN諸国の子会社において、サービスアパートメント・オフィス等の運営を行っております。

入居率については、施工不備問題の影響は解消傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、当社の主要顧客である法人企業を中心に入居需要が低迷したこと等により、当連結会計年度末の入居率は81.72%(前期末比△1.35ポイント)、期中平均入居率は78.89%(前期比△1.89ポイント)と当初計画を大きく下回る結果となりました。なお、当連結会計年度末の管理戸数は573千戸(前期末比2千戸減)となりました。

また、リモート契約の推進や仲介業者の積極活用等による営業効率と生産性の向上に努めており、当連結会計年度末の直営店舗数は139店(前期末比50店舗減)といたしました。

アパート等の受注状況については、大都市圏での競争激化やアパートローンの融資環境変化等に加え、界壁等の施工不備問題を背景に新規受注を停止していることから、当連結会計年度の総受注高は5,927百万円(前連結会計年度比24.1%減)、当連結会計年度末の受注残高は9,651百万円(前連結会計年度末比65.2%減)となりました。

これらの結果、売上高は391,964百万円(前連結会計年度比5.0%減)、営業損失は19,385百万円(前連結会計年度比6,580百万円改善)となりました。

② シルバー事業

戦略事業であるシルバー事業は、継続的なオペレーション改善により原価抑制に努めておりますが、新型コロナウイルス感染症の感染リスクを懸念した介護サービス利用者の減少等により、売上高14,524百万円(前連結会計年度比0.7%減)、営業損失720百万円(前連結会計年度比179百万円損失増加)となりました。なお、当連結会計年度末の施設数は87施設となっております。

③ その他事業

グアムリゾート施設の運営、ファイナンス事業等を行っているその他事業は、新型コロナウイルス感染症拡大によるグアムリゾート施設の稼働率大幅低下に加え、国内ホテルの売却等による事業縮小に伴い、売上高2,469百万円(前連結会計年度比60.1%減)、営業損失1,551百万円(前連結会計年度比557百万円損失増加)となりました。

(生産、受注及び販売の実績)

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

前年同期比(%)

賃貸事業(百万円)

13,603

△29.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.生産実績の著しい変動は、金融機関のローン審査厳格化や施工不備問題に伴う新規受注停止により生産活動が低迷したことによるものであります。

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

総受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

賃貸事業

5,927

△24.1

9,651

△65.2

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.上記以外の事業につきましては、受注の形態を取っておりませんので記載しておりません。

4.受注実績の著しい変動は、金融機関のローン審査厳格化や施工不備問題に伴う新規受注停止によるものであります。

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

前年同期比(%)

賃貸事業(百万円)

391,964

△5.0

シルバー事業(百万円)

14,524

△0.7

その他事業(百万円)

2,469

△60.1

合計(百万円)

408,959

△5.7

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当社グループの相手先は不特定の法人・個人であるため、主要な販売先の記載は省略しております。

3.セグメント間の取引については相殺消去しております。

4.その他事業の販売実績の著しい変動は、新型コロナウイルス感染症拡大によるグアムリゾート施設の稼働率大幅低下や国内ホテルの売却等による事業縮小に加え、連結子会社であった株式会社ウイングメイトを清算して連結の範囲から除外したことによるものであります。

(2)財政状態の状況及び分析

(単位:百万円)

 

2020年3月期

2021年3月期

増減額

増減率

資産

196,953

161,708

△35,244

△17.9%

負債

195,363

158,431

△36,932

△18.9%

純資産

1,589

3,277

1,687

106.2%

当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末比35,244百万円減少の161,708百万円となりました。これは主に、業績の悪化や補修工事関連費用の支払等により現金及び預金が5,638百万円、仕掛販売用不動産が2,447百万円、事業資金の安定的な確保を目的とした保有株式の売却等により有価証券及び投資有価証券が8,583百万円、前払費用及び長期前払費用が2,105百万円、賃貸用不動産の売却や減損損失の計上等により、土地が5,774百万円、建物及び構築物(純額)が4,306百万円、リース資産(純額)が3,691百万円、それぞれ減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末比36,932百万円減少の158,431百万円となりました。これは主に、アパートのマンスリー契約の減少により前受金及び長期前受金が5,340百万円、コスト削減により未払金が5,341百万円、一括発注や工法変更で工事単価が減少したこと等により補修工事関連損失引当金が22,738百万円、賃貸原価の圧縮による物件収支の改善を見込んでいることにより空室損失引当金が3,644百万円それぞれ減少したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末比1,687百万円増加の3,277百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失23,680百万円を計上したものの、第三者割当による新株式の発行並びに連結子会社における優先株式の発行を実施したこと等により、資本金が5,999百万円、資本剰余金が10,026百万円、非支配株主持分が11,366百万円増加したことによるものであります。なお、自己資本比率は前連結会計年度末比6.0ポイント下落し△5.3%となりました。

上記の通り、施工不備に起因した業績悪化並びに新型コロナウイルス感染症の影響が長期化したことにより純資産が大きく毀損する結果となりましたが、事業計画で掲げた構造改革を断行し、賃貸事業の収益力を強化することにより純資産の改善に努めてまいります。

(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(単位:百万円)

 

2020年3月期

2021年3月期

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

△51,639

△40,816

10,823

投資活動によるキャッシュ・フロー

39,533

11,829

△27,704

財務活動によるキャッシュ・フロー

△12,048

23,571

35,619

現金及び現金同等物残高

58,916

53,346

△5,570

営業活動によるキャッシュ・フローは、40,816百万円の支出(前連結会計年度比10,823百万円の支出減少)となりました。これは主に、減価償却費が10,416百万円、減損損失が4,041百万円となった一方、税金等調整前当期純損失が22,925百万円、補修工事関連損失引当金戻入額が15,374百万円、仕入債務の減少額が5,861百万円、前受金の減少額が5,327百万円、補修工事関連支払額が8,313百万円となったことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、11,829百万円の収入(前連結会計年度比27,704百万円の収入減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が2,328百万円となった一方、有形固定資産の売却による収入が4,167百万円、有価証券の償還による収入が5,600百万円、投資有価証券の売却による収入が4,341百万円あったことによるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、23,571百万円の収入(前連結会計年度は12,048百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が17,790百万円、社債の償還による支出が8,103百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出が4,181百万円、資金調達による支出が2,868百万円となった一方、長期借入れによる収入が30,234百万円、株式の発行による収入が11,999百万円、非支配株主からの払込みによる収入が15,000百万円あったことによるものであります。

 

資金の流動性につきましては、賃貸事業における入居率改善の遅れや多額の補修工事費用の支払等により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は53,346百万円(前連結会計年度末比5,570百万円減少)、フリーキャッシュ・フローは△28,986百万円(前連結会計年度末比16,880百万円減少)となりましたが、当面の事業継続を行うための十分な資金を有しております。

当連結会計年度においては、施工不備に係る補修工事費用、既存借入金の返済及び社債償還といった資金需要に対応するため、第三者割当増資、新株予約権付ローンによる資金調達並びに連結子会社である株式会社レオパレス・パワーにおける優先株式の発行により資金調達を行いました。翌期以降については、入居率を向上させるとともに原価削減を徹底することにより、事業活動に必要な資金の安定的な確保と流動性の維持に努め、資金計画に基づき想定される需要に十分対応できる資金を引き続き確保してまいります。

キャッシュ・フロー指標の推移は次のとおりであります。

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

自己資本比率(%)

47.0

47.2

27.7

0.7

△5.3

時価ベースの自己資本比率(%)

44.7

66.3

18.5

33.0

31.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.8

2.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

39.8

38.2

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により計算しております。

(注3)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。

(注4)2019年3月期、2020年3月期及び2021年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。