第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

第26期

第27期

第28期

第29期

第30期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(千円)

48,340,224

57,195,645

61,638,038

68,999,416

74,597,912

経常利益

(千円)

6,703,403

7,237,287

8,000,033

7,001,643

8,575,047

親会社株主に帰属する

当期純利益

(千円)

4,306,211

4,474,627

5,070,100

4,506,481

5,428,687

包括利益

(千円)

4,313,798

4,442,046

5,050,419

4,556,280

5,460,546

純資産

(千円)

38,824,825

42,726,600

47,198,032

51,137,007

55,698,637

総資産

(千円)

63,304,726

67,664,476

80,494,181

104,879,914

114,315,904

1株当たり純資産

(円)

2,516.13

2,769.02

3,058.84

3,314.13

3,609.82

1株当たり当期純利益

(円)

279.07

289.99

328.58

292.06

351.83

潜在株式調整後1株当たり

当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

61.3

63.1

58.6

48.8

48.7

自己資本利益率

(%)

11.7

11.0

11.3

9.2

10.2

株価収益率

(倍)

7.9

5.2

4.2

5.8

4.8

営業活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

681,953

1,777,145

10,872,012

9,059

9,371,076

投資活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

26,660

56,368

1,287,986

799,878

1,060,030

財務活動による

キャッシュ・フロー

(千円)

1,025,030

899,727

7,502,598

12,990,634

6,411,011

現金及び現金同等物の

期末残高

(千円)

26,228,315

23,495,074

18,837,673

31,019,369

26,999,274

従業員数

(人)

280

299

314

363

380

(外、臨時従業員数)

(325)

(341)

(357)

(384)

(606)

 (注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第26期

第27期

第28期

第29期

第30期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(千円)

43,389,350

50,188,114

53,957,767

57,712,105

58,798,368

経常利益

(千円)

5,975,145

6,160,288

6,946,579

4,736,532

6,420,244

当期純利益

(千円)

3,920,800

3,832,485

4,446,023

3,162,277

4,196,938

資本金

(千円)

1,983,000

1,983,000

1,983,000

1,983,000

1,983,000

(発行済株式総数)

(株)

(15,465,600)

(15,465,600)

(15,465,600)

(15,465,600)

(15,465,600)

純資産

(千円)

34,629,806

37,889,439

41,736,794

44,331,565

47,942,824

総資産

(千円)

57,413,972

60,081,178

72,701,833

91,013,620

98,937,781

1株当たり純資産

(円)

2,244.26

2,455.53

2,704.90

2,873.08

3,107.16

1株当たり配当額

(円)

30.00

35.00

40.00

40.00

40.00

(内1株当たり中間配当額)

(12.50)

(17.50)

(20.00)

(20.00)

(20.00)

1株当たり当期純利益

(円)

254.10

248.37

288.14

204.94

272.00

潜在株式調整後1株当たり

当期純利益

(円)

自己資本比率

(%)

60.3

63.1

57.4

48.7

48.5

自己資本利益率

(%)

11.9

10.6

11.2

7.3

9.1

株価収益率

(倍)

8.6

6.1

4.8

8.2

6.2

配当性向

(%)

11.81

14.09

13.88

19.52

14.71

従業員数

(人)

216

221

213

220

224

(外、臨時従業員数)

(5)

(6)

(4)

(10)

(11)

株主総利回り

(%)

146.8

104.8

99.1

120.7

122.9

(比較指標:TOPIX(配当込))

(%)

(115.9)

(110.0)

(99.6)

(141.5)

(144.3)

最高株価

(円)

2,639

2,193

2,280

1,909

1,829

最低株価

(円)

1,405

1,319

1,241

1,110

1,519

 (注)1.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。

2.最高株価及び最低株価は東京証券取引所(市場第一部)におけるものであります。

2【沿革】

年月

事項

1992年5月

大阪市北区西天満に、日本エスリード株式会社(現、エスリード株式会社)を設立。

1992年6月

宅地建物取引業免許(大阪府知事免許)を取得。

1992年9月

福岡市中央区渡辺通に福岡支店(現、福岡市中央区天神)を設置。

1993年3月

宅地建物取引業免許(建設大臣免許)を取得。

1993年5月

エスリードシリーズ第1棟「エスリード福島」を販売開始。

1993年11月

本店を大阪市北区梅田に移転。

1995年11月

本店を大阪市北区梅田一丁目1番3-2400号に移転。

1996年4月

エスリード企画株式会社を吸収合併。

1996年5月

エスリード管理株式会社(現、エスリード賃貸株式会社)を設立(当社100%出資)。

1997年4月

株式の額面金額を変更するため、イーエルコーポレーション株式会社(形式上の存続会社)と合併。

1998年9月

老朽化マンション建替え事業物件「エスリード堂ヶ芝」を販売開始。

1999年4月

ホームワランティを日本で初めて標準装備。

1999年7月

神戸市総合設計制度許可及び住宅市街地総合整備事業適用マンション「エスリード六甲第2」を販売開始。

1999年10月

大阪証券取引所市場第二部に株式を上場。

2000年2月

社団法人日本高層住宅協会(現、一般社団法人不動産協会)に加盟。

2001年3月

大阪証券取引所市場第一部に株式を上場。

2001年11月

東京証券取引所市場第一部に株式を上場。

2005年1月

エスリードシリーズ供給戸数10,000戸目となる「エスリード長岡天神」を販売開始。

2006年5月

綜電株式会社を設立(当社100%出資)。

2006年6月

関西で初めて「マンション建替え円滑化法」を適用した「エスリード高野台」を販売開始。

2006年6月

イー・エル建築工房株式会社(現、イー・エル建設株式会社)を設立(当社100%出資)。

2007年5月

エスリード住宅流通株式会社を設立(当社100%出資)。

2008年4月

大阪市で初めて「マンション建替え円滑化法」を適用した「エスリード帝塚山」を販売開始。

2009年9月

本店を大阪市福島区福島六丁目25番19号(現所在地)に移転。

2012年2月

森トラスト株式会社と資本業務提携契約を締結。

2013年1月

森トラスト株式会社による当社株式に対する公開買付けに賛同表明。

2013年3月

森トラスト株式会社による当社株式に対する公開買付けが成立。同社が当社の親会社となる。

2016年6月

エスリードハウス株式会社を設立(当社100%出資)。

2018年10月

名古屋市中村区名駅に名古屋支店を設置。

2018年11月

エスリード建物管理株式会社を設立(当社100%出資)。

2019年4月

名古屋支店を名古屋市中区栄に移転。

2019年4月

エスリード管理株式会社の不動産管理事業及び保険代理店事業をエスリード建物管理株式会社へ吸収分割。

2019年4月

エスリード管理株式会社の商号をエスリード賃貸株式会社に変更。

2019年10月

日本エスリード株式会社からエスリード株式会社に商号変更。

2019年11月

Eクリーンアップ株式会社を設立(エスリード建物管理株式会社100%出資)。

2020年6月

東海圏第1号となる「エスリード名古屋東別院」を販売開始。

2021年3月

エスリード・アセットマネジメント株式会社を設立(当社100%出資)。

2021年10月

南都ビルサービス株式会社の全株式を取得し、同社を連結子会社化(エスリード建物管理株式会社の100%子会社)。

2022年4月

東京証券取引所市場第一部からプライム市場に移行。

 

3【事業の内容】

 当社グループは、当社及び子会社11社により構成されており、事業はマンションの開発分譲を中心として、マンションの管理事業、賃貸関連事業、電力供給事業、建設・リフォーム事業、不動産の仲介・買取再販事業、戸建分譲事業、宿泊施設の運営・管理事業、不動産証券化事業、デジタルマーケティング事業、マンション・ビルの清掃事業、ビルメンテナンス事業等を行っております。

 事業内容と当社及び子会社の位置づけは、次のとおりであります。

区分

主要な事業内容

主要な会社

不動産販売事業

マンションの分譲事業

エスリード株式会社(当社)

その他

マンションの賃貸事業

エスリード株式会社(当社)

 

マンションの管理事業

エスリード建物管理株式会社

 

マンションの賃貸管理事業

エスリード賃貸株式会社

 

電力供給事業

綜電株式会社

 

建設・リフォーム事業

イー・エル建設株式会社

 

不動産の仲介・買取再販事業

エスリード住宅流通株式会社

 

戸建分譲事業

エスリードハウス株式会社

 

デジタルマーケティング事業

デジメーション株式会社

 

宿泊施設の運営・管理事業

エスリードホテルマネジメント株式会社

 

不動産証券化事業

エスリード・アセットマネジメント株式会社

 

マンション・ビルの清掃事業

Eクリーンアップ株式会社

 

ビルメンテナンス事業

南都ビルサービス株式会社

(注)上記の他、親会社として株式会社森トラスト・ホールディングス、森トラスト株式会社があります。

 親会社の森トラスト株式会社は、不動産開発、ホテル経営及び投資事業を営んでおります。また、森トラスト株式会社の親会社である株式会社森トラスト・ホールディングスは、グループ会社の株式保有を行っております。

 なお、事業内容と当社グループ及び親会社(株式会社森トラスト・ホールディングス、森トラスト株式会社)の位置づけは、次のとおりであります。

0101010_001.jpg

4【関係会社の状況】

(1)親会社

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業内容

議決権の被所有割合

(%)

関係内容

役員の兼任

資金援助

営業上の取引

業務提携等

同社

役員

(人)

同社

従業員

(人)

㈱森トラスト・ホールディングス

(注1)

東京都港区

51,000

グループ会社の株式保有

53.9

(53.9)

森トラスト㈱

東京都港区

30,000,000

不動産開発、ホテル経営及び投資事業

53.9

資本業務提携

 (注)1.「議決権の被所有割合」欄の( )内は、間接被所有割合で内数であります。

2.上記親会社は有価証券届出書または有価証券報告書を提出しておりません。

 

(2)連結子会社

名称

住所

資本金

(千円)

主要な事業内容

議決権の所有割合

(%)

関係内容

役員の兼任

資金援助

営業上の取引

設備の賃貸借等

当社

役員

(人)

当社

従業員

(人)

エスリード建物管理㈱

大阪市北区

10,000

その他

100.0

分譲物件の管理

建物及び設備の賃貸

エスリード賃貸㈱

大阪市北区

10,000

同上

100.0

賃貸物件の管理及び賃貸借管理

建物及び設備の賃貸

綜電㈱

大阪市北区

90,000

同上

100.0

電力関連商品等の販売

建物及び設備の賃貸

イー・エル建設㈱

大阪市北区

100,000

同上

100.0

建設工事の受注・賃貸物件の修繕工事

建物及び設備の賃貸

エスリード住宅流通㈱

大阪市北区

10,000

同上

100.0

販売物件の買取・売却

建物及び設備の賃貸

エスリードハウス㈱

大阪市北区

10,000

同上

100.0

分譲物件の販売代理

建物及び設備の賃貸

デジメーション(株)

大阪市福島区

10,000

同上

100.0

デジタルマーケティング業務の受託

エスリードホテルマネジメント㈱

大阪市北区

10,000

同上

100.0

宿泊施設の運営業務の受託及び分譲物件の売却補助

建物及び設備の賃貸

エスリード・アセットマネジメント㈱

大阪市福島区

10,000

同上

100.0

アドバイザリー業務の受託

建物及び設備の賃貸

Eクリーンアップ㈱

(注5)

大阪市北区

10,000

同上

100.0

(100.0)

本社設備および宿泊施設等の清掃

建物及び設備の賃貸

南都ビルサービス(株)

(注5)

奈良市芝辻町

10,000

同上

100.0

(100.0)

 (注)1.上記子会社は、特定子会社ではありません。

2.上記子会社は、有価証券届出書または有価証券報告書を提出しておりません。

3.上記子会社は、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が100分の10以下であるため、主要な損益情報等の記載を省略しております。

4.「主要な事業内容」欄には、セグメントの名称を記載しております。

5.「議決権の被所有割合」欄の( )内は、間接被所有割合で内数であります。

 

(3)持分法適用関連会社

  該当事項はありません。

(4)その他の関係会社

  該当事項はありません。

5【従業員の状況】

 

(1)連結会社の状況

 

2022年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

不動産販売事業

188

7

その他

156

595

全社(共通)

36

4

合計

380

606

 (注)1.従業員数は就業人員数であります。

2.臨時従業員数は、( )内に当連結会計年度末人員を外数で記載しております。

3.臨時従業員には準社員、嘱託社員、派遣社員及びパートタイマーを含んでおります。

4.全社(共通)には、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属する従業員数を記載しております。

5.臨時従業員が前連結会計年度末と比べ222名増加しております。これは主として2021年10月1日付で南都ビルサービス株式会社を連結子会社化したためであります。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

 

 

 

2022年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢

平均勤続年数

平均年間給与(円)

224

11

32

5ヶ月

5

10ヶ月

9,072,179

 

セグメントの名称

従業員数(人)

不動産販売事業

188

7

その他

-

-)

全社(共通)

36

4

合計

224

11

 (注)1.平均年間給与は、税込支払給与額であり、基準外賃金、業績給、その他の臨時手当及び賞与を含んでおります。

2.従業員数は就業人員数であります。

3.臨時従業員数は、( )内に当事業年度末人員を外数で記載しております。

4.臨時従業員には準社員、嘱託社員、派遣社員及びパートタイマーを含んでおります。

5.全社(共通)には、特定のセグメントに区分できない管理部門に所属する従業員数を記載しております。

 

(3)労働組合の状況

  労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。

 

第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、2023年3月期においても一定の影響が残ることが想定され、2024年3月期以降については不確定要素が多く、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。しかし、「2 事業等のリスク (1)新型コロナウイルス感染症に関するリスク」に掲げた対応策を徹底し、同感染症による事業上及び財務上の影響を最小限にすることで、経営戦略や経営方針に大きな影響を与えるものとはならないと認識しております。ただし、わが国経済は同感染症の影響で依然として厳しい状況の中にあるため、今後も感染拡大状況や経済の動向を注視しながら適時適切に事業内容を見直していく必要があると考えております。

 

(1)経営方針

 私たちは、総合デベロッパーとしてお客様の暮らしのステージを支えたい、都市と住まいの未来を見据えたサービスをご提供したい、このような想いのもと経営理念を掲げています。

 

 <経営理念>

  総合デベロッパーとして。

  都市と住まいの未来を見据えて。

 

 ◇都市と住まいは日々の暮らしのステージです。そのステージが快適で豊かなものとなるよう、エスリードグルー

  プが一体となって、将来にわたり皆様の暮らしを幅広くサポートし永く快適にお住まい頂くことが、私たちの想

  いです。

 

 また、事業を通じて経営理念を実現するための経営方針を掲げています。

 

 <経営方針>

  厳選された良質なマンション供給体制を維持する。

  グループ一体となりシナジーを生みながらマンション周辺事業を拡充する。

  マンション事業に縛られず、多様化する社会のニーズに適合できる総合不動産会社として新たな事業領域に挑戦

  する。

 

 ◇私たちは、立地に優れ、ご納得いただける価格で供給できる土地だけを、厳選して取得してきました。また、培

  ってきた人脈、ノウハウとマーケティング分析を駆使するとともに、細部まで商品企画にこだわって、マンショ

  ンを分譲してきました。今後もこのマンション供給体制を堅持します。

 ◇お住まいの方の安心を支えるマンション管理、長期保証、修繕維持に加えて、ご転居の際には買取再販のお手伝

  いも行うことで、マンションを適切に維持管理し、その価値の向上も実現してきました。今後は、シナジーが見

  込まれる新規事業にも参入するなど、さらにマンション周辺事業を拡充してまいります。

 ◇不動産に関する社会のニーズは多様化しています。私たちは、総合不動産会社として、マンション分譲事業に縛

  られず、新たな事業領域に積極的に挑戦し、社会の多様なニーズに対応できる事業体制を実現します。

 

 そして、経営理念及び経営方針をもって事業活動を行うことで、私たちは社会に貢献します。

 

 <社会的使命>

  総合不動産会社として都市の豊かさに貢献する。

  お客様の暮らしの豊かさ向上に貢献する。

  多様化する社会のニーズへの対応を通じ、持続可能な社会に貢献する。

 

 ◇総合不動産会社として、都市の価値向上に努め、都市の豊かさに貢献します。

 ◇厳選された良質な住まいは、お客様の暮らしの豊かさに貢献します。

 ◇多様化する社会のニーズは、私たちが総合デベロッパーとしての力を発揮できる環境であり、中古物件再生や再

  生可能エネルギーの活用などあらゆるチャレンジを通じて持続可能な社会に貢献します。

 

(2)経営戦略

 当社グループは、創業30周年を機にグループ総力を結集し、真の総合不動産会社へ新たな一歩を踏み出してまいります。

 マンション分譲事業では、建築費の値上がり等に鑑み、中期的には現在のマンション供給体制を堅持します。良質なマンションを数多く供給してきた実績と、創業以来培ってきた高い用地仕入力・商品企画力を生かし、これからもお客様に選ばれるマンションづくりを徹底してまいります。

 マンション周辺事業では、マンション分譲事業などの既存事業とのシナジーを生みながら、さらなる拡大・充実を目指します。マンション周辺事業は当社グループを支える収益源へと成長しましたが、今後さらなる拡大・充実を図るため、グループ外からの収益獲得を強化し、シナジーが見込まれる新規事業にも積極的に進出してまいります。

 その他の不動産事業では、多岐にわたる事業を積極的に拡大・成長させ、今後の当社グループの成長の原動力とします。リゾート開発やホテル事業、総合建設業、中央卸売市場及び官公庁ビジネスといった既存事業に加え、大型商業施設やデータセンター、物流施設、ニュータウン開発、コンパクトシティ開発など、マンション分譲事業に縛られない新たな事業を見据えて事業体制の構築を図ってまいります。

 また、当社グループは多様化する社会のニーズへの対応を通じ、持続可能な社会に貢献することを社会的使命として掲げています。グループ一体となって積極的に新たな取り組みにチャレンジし、ZEHなどの環境配慮型マンション開発や、電気自動車と急速充電器の導入などのクリーンエネルギー活用といった脱炭素社会の実現に向けた事業展開を推進してまいります。

 

(3)経営環境

 わが国経済は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、経済活動が抑制される厳しい状況で推移してきました。ワクチン接種の普及等で同感染症の影響は徐々に和らいでいるものの、新たな変異株の出現といった懸念は払拭されておらず、未だ終息の見通しは立っていません。また、ロシア・ウクライナ情勢は世界経済に深刻な影響を与えており、わが国経済の先行きは不透明な状況が続いています。

 当社グループの属する不動産販売事業においては、用地代・建築コストの値上がりに伴うマンション販売価格の上昇が長く続いているものの、住宅ローン金利が低水準で推移していること、政府による住宅ローン減税政策が続いていること、外出自粛や在宅勤務の浸透により住宅に対する消費者の意識が高まっていることなどから、住宅需要は底堅いままで推移しています。

 しかし、今後は、少子高齢化に伴う住宅需要減退や原材料・人件費高騰に伴うコスト増加などの影響により、当社グループを取り巻く環境は今後厳しさを増していくと予想しています。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 エスリード株式会社は1992年に大阪で創業して以来、関西圏を中心に良質なマンションを提供することで成長してまいりました。しかし、今後は、少子高齢化に伴う住宅需要減退や原材料・人件費高騰に伴うコスト増加などの影響により、当社グループを取り巻く環境は今後厳しさを増していくと予想しています。

 この課題に対処すべく、当社は2022年5月8日の創業30周年を機に、グループ総力を結集し真の総合不動産会社へ新たな一歩を踏み出すことといたしました。

 コスト増が見込まれるマンション分譲事業では、今後も引き続き「お客様から選ばれるマンションづくり」に努めて「完成在庫0」を達成しつつ、建築コストの値上がり等に鑑み、中期的には現在のマンション供給体制を維持してまいります。

 マンション周辺事業ではマンション分譲事業とのシナジーを生みながら、さらなる拡大・充実を目指してまいります。より一層強固な収益源とするために、グループ外からの収益獲得を強化してまいります。

 その他の不動産事業ではマンション分譲事業に縛られず、新たな事業領域に積極的に挑戦してまいります。リゾート開発やホテル事業、総合建設業、官公庁や中央卸売市場との取引といった既存事業を拡大・充実させながら、大型商業施設やデータセンター、物流施設、ニュータウン開発、コンパクトシティ開発などの多岐にわたる新たな事業を見据えて事業体制の構築を図ってまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、経常利益を採用しております。

 採用理由は、当社グループの主要事業であるマンション分譲事業において、棚卸資産の取得を目的とした資金調達を行うことも多いことから、いわゆる稼ぐ力にあたる営業利益に加えて支払利息などの財務コスト等も含めた経常利益が、当社グループの本来の稼ぐ力を測る最適な指標だと判断したためであります。

 なお、当連結会計年度における経常利益の実績は85億75百万円となり、期初に公表した業績予想の81億円を上回ることができました。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、発生しうるリスクに係る管理体制の整備、発生したリスクへの対応等を行うことにより業務の円滑な運営に資することを目的として、リスク管理規程を設け、これに基づきリスク管理委員会を開催しております。また、リスクを「事象発生の不確実性」と定義し、リスクには損失等発生の危険性のみならず、新規事業進出による利益又は損失の発生可能性等も含むものとしております。

 リスク管理委員会においては、当社グループのリスク管理に関する方針、体制及び対策の検討を適時に行っております。また、各本部等のリスクに係る総合的な調整や、以下に記載する個別のリスク等の重大性、緊急性等のあるリスクの管理等を行うことで、効果的かつ効率的なリスク管理を実施しております。

 なお、以下に掲げる個別のリスクについては、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響の内容を考慮し、特に重要なリスクを順に記載するとともに、その個別の対応策についても記載しております。

 

(1)新型コロナウイルス感染症に関するリスク

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の拡大について、以下のリスクを認識しております。

① 事業活動の継続について

 当社グループ内において、新型コロナウイルス感染症の感染者が多数発生した場合、同感染者数や感染範囲によっては事業活動全体を停止若しくは休止せざるを得なくなる可能性があります。

 その対応策として、当社グループでは、「職場クラスター」発生への防止策を徹底しております。換気・マスク着用の徹底、座席間隔の確保、アクリル板の設置といった飛沫感染防止策に加え、全従業員への定期的なPCR検査実施と健康管理、厳格な自宅待機基準の運用、時差出勤の実施、本社オフィス入口に設置したサーモグラフィによる従業員並びに来訪者の体温管理等、さまざまな対策を講じ、感染拡大防止に努めております。

 

② 建築工事について

 当社グループの主力事業であるマンション分譲事業においては、多くの建築工事を外注しております。外注先に従事する者に新型コロナウイルス感染症の感染者が発生した場合、その対策の実施や人員不足等から工事の遅延が生じ、顧客への引渡しが当初の予定通りに行えず、結果として売上高及び利益水準が一時的に低下する可能性があります。また、事業の特性上、マンションの引渡時期が特定の四半期に偏重する傾向があり、第4四半期に偏重している場合、年間売上高及び利益の計上時期が遅延する可能性があります。

 その対応策として、外注先と頻繁に連絡を取り合いながら、工期に遅れが生じないように計画的に行動するよう努めております。

 

③ 販売活動について

 当社グループの主力事業である不動産販売事業においては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出等による外出自粛の影響により顧客との商談の機会が限られてしまうことや、金融機関のローン審査事務の遅延が顧客との金銭消費貸借契約締結や引渡しの遅延につながることで、結果として売上高及び利益水準が低下する可能性があります。

 その対応策として、顧客からの要望に応じてオンラインでの商談に対応できる体制を整えるとともに、IT重説を本格導入するなど、制約のある中においても販売活動の機会を捉えられるよう努めております。

 

 

④ ホテル・民泊事業について

 当社グループは、インバウンドや国内の旅行需要を事業機会と捉えてホテル・民泊事業を推進しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響によりこれらの需要の停滞が長期化した場合、ホテル・民泊事業の業績が伸び悩む可能性があります。

 その対応策として、物件によっては一時的に賃貸住宅への用途変更を行うなど、遊休資産が発生しないよう努めております。

 

(2)将来の事業環境に関するリスク

 少子高齢化などからくる需要の減退や社会構造の変化、顧客ニーズの多様化が進んだ場合、当社グループの主力事業である不動産販売事業のみで事業活動を永続的に発展させていくことは困難となる可能性があります。

 その対応策として、当社グループの事業戦略において、マンション分譲事業以外にマンション周辺事業とその他の不動産事業を展開しており、これらをさらに拡大・充実させることで、収益源の多角化を進めております。

 

(3)コンプライアンス違反に関するリスク

 当社グループ内でハラスメントや法令違反など重大なコンプライアンス違反が発生した場合、当社グループの信用失墜や、損害賠償を請求されるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 その対応策として、当社グループは、コンプライアンス体制の強化を経営上の重要課題として位置づけ、コンプライアンス経営によるリスク管理の徹底に努めております。また、これらコンプライアンス経営をより迅速に機能させるため、顧問弁護士や会計監査人等の第三者から業務遂行上の必要に応じて適宜相談を行い、助言・指導を受けております。

 さらに、当社グループ内へコンプライアンスの意識を浸透させるため、「エスリードグループ行動規範」を定めており、役員及び社員は日常の業務遂行において法令・社内規程等を遵守することはもとより、社会倫理を尊重し、この規範に定める事項を誠実に実施しなければならないとしております。特に、職場内の優位性を背景にした精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為であるパワーハラスメントや、性的嫌がらせであるセクシャルハラスメント、差別的行為、インサイダー取引、個人情報保護を含む情報セキュリティなどについては、適時適切に社員教育及び注意喚起を実施しております。

 

(4)新規事業に関するリスク

 当社グループにおいて、マンション周辺事業やその他の不動産事業を担う子会社11社の拡大・充実にあたって新規事業への進出を図る際、これを取り巻く事業環境が当初の思惑から変化することやその他予見できない事象が生じた場合、それらの影響により投資の回収に至らず固定資産の減損損失や棚卸資産の評価損が発生する可能性があります。

 その対応策として、当社グループは子会社が新たな事業を行う際には、その重要性に応じてエスリード株式会社における取締役会の承認も必要であるとする規程を整備・運用しており、当社グループ全体における業務の適正を確保するとともにリスクを適切に把握したうえで投資判断を行うことができるよう努めております。

 

(5)不動産販売事業に関するリスク

 当社グループの主力事業である不動産販売事業は、景気動向、金利動向、新規供給物件動向、不動産販売価格動向、住宅税制等の影響を受けやすいため、景気見通しの悪化や大幅な金利の上昇、あるいは供給過剰による販売価格の下落の発生等の諸情勢に変化があった場合には、購買者のマンション購入意欲を減退させる可能性があり、その場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、上記経済情勢の変化は、事業用地の購入代金、建築費等の変動要因ともなり、これらが上昇した場合には、当社グループの事業利益が圧迫され、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

① 開発用地の取得について

 開発用地の取得にあたり、新規供給物件の動向や不動産販売価格の動向、将来の景気見通し、宿泊事業など他の業界の活性化などからくる用地取得競争によって用地価格が高騰した場合、当社グループの事業利益が圧迫され、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 その対応策として、用地取得前のマーケティング調査により開発用地エリアの需給バランスや適正価格水準等を詳細に検討するなど、適切な価格での開発用地取得が可能となるよう努めております。

 

 

② 建築工事について

 当社グループは、多くの建築工事を外注していることから、工事中の事故、外注先の倒産や請負契約の不履行、その他予期せぬ事象が発生した場合、工事の中止又は遅延、建築コストの上昇等が生じる可能性があります。

 その対応策として、品質維持及び工期遅延防止のため、当社の設計室が定期的に現場監理を行い、外注先との定例会議を随時開催し、施工図及び工期スケジュール等の確認を行い、リスクの適時適切な把握に努めております。また、関連法令の改正等についても当社設計室やリスク管理委員会等により適時に情報収集を行っております。さらに、外注先の選定にあたっては品質、建築工期及びコスト等を勘案して決定しており、特定の外注先に依存しないように努めております。

 

③ 販売活動について

 販売活動は、景気動向や金利動向、住宅税制等の諸情勢の変化の影響を受けやすいため、景気見通しの悪化や大幅な金利の上昇があった場合には、お客様のマンション購入意欲が減退してしまう可能性があります。特に、外的要因等により住宅ローン審査が厳格化した場合、更なる購入意欲の減退が懸念されます。

 その対応策として、発売物件を無理なく完売できるだけの営業社員を採用・教育するとともに、良質な開発用地の取得からマンション竣工に至るまでの品質管理を徹底することで、契約数の維持向上に努めております。

 

④ 販売エリアについて

 マンション市場の販売環境は、地域間によってある程度の格差があるため、当社グループのマンションプロジェクトが集中している近畿圏のマンション市場の販売環境が他のエリアに比べて著しく悪化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 その対応策として、競合するマンションデベロッパー数が関西より限定的である東海圏への事業エリア拡大や、マンションの適切な維持管理に加えてマンションのみならず多様化する社会のニーズに適合した新たなサービスを提供することで、収益源の多角化を推進しております。

 

⑤ 金利動向について

 金利動向については、「③ 販売活動について」で示したリスクに加え、開発用地の取得資金を主として金融機関からの借入金により調達しており、他業種に比べて有利子負債への依存度が高い水準になりやすいことから、金利水準が上昇した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業用地の取得から物件の竣工まで約2年程度と比較的長期間にわたる資金回収が前提となっていることから、その影響は比較的長期間にわたる可能性があります。

 その対応策として、マンションプロジェクトの始まりである開発用地の取得段階においては金融機関からの借入を前提としつつも、迅速な意思決定によって同業他社との競争優位を図るべく手許資金での用地取得が可能となるよう一定以上の資金水準を保ちつつ、マンション竣工後の資金回収サイクルを最短化すべく「完成在庫0」を基本とした物件の早期完売体制を構築し、建築コストや金利分を含めたマンションプロジェクトの資金回収を当該マンションの販売代金で賄うことを前提とした健全な財務体質を追求しております。一方で、新規事業をはじめさまざまな事業拡大に向けた積極的かつ機動的な意思決定を行うべく一定以上の資金水準を維持することとしており、余剰資金は必要に応じてグループ間融資を行うなど、グループ資金マネジメントにより効率的な資金活用に努めております。

 

⑥ 資産価値の下落による影響について

 今後の景気動向や不動産市況の悪化等により、当社グループ保有の棚卸資産の資産価値が低下した場合は、棚卸資産の簿価切り下げ処理が適用され、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 その対応策として、当社グループは、「① 開発用地の取得について」「② 建築工事について」「③ 販売活動について」で示したように適切な事前調査とプロジェクト審査を経たうえで、マンション竣工に至るまで徹底した品質管理を行うことで、景気の動向や不動産市況の悪化など外部要因リスクにも耐えうるよう資産価値の維持向上に努めております。

 

 

(6)重要な訴訟に関するリスク

 当社グループは、開発用地の取得、建築工事請負契約、お客様との分譲マンションの販売契約、その他さまざまな契約を締結しております。契約書の内容の不備、契約不履行、契約の取消や契約の無効、その他の苦情などのトラブルが訴訟に発展するおそれがあり、重要な訴訟が提起された場合には、訴訟費用の発生や損害賠償金の支払いなどの損失が生じる可能性があります。

 その対応策として、契約の相手先からの苦情、クレーム、その他さまざまなトラブルについては、お客様相談室、総務部及び担当部署において対応をしており、お客様の声に迅速かつ適切に対応できる体制を整えております。また、クレーム台帳は全社分を総務部で一元管理して社内研修等で活用し、再発防止に努めています。

 

(7)個人情報の漏洩に関するリスク

 当社グループはマンション・戸建住宅をご購入いただいたお客様、もしくはご検討いただいたお客様、並びにマンション管理業務・電力管理業務等における区分所有者等の重要な個人情報をお預かりしており、「個人情報の保護に関する法律」に定められる個人情報取扱事業者に該当します。

 万が一、個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合は、当社グループの信用失墜や損害賠償を請求されるなど当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 その対応策として、当社グループとしましては、個人情報管理に関する基本的な方針を「プライバシーポリシー(個人情報保護方針)」として定めるとともに、個人情報の取扱に関するルール(規程・細則)を設け、体制整備を行い、社内研修等を通じて全従業員の意識を徹底させております。

 また、システム上においては、個人情報のファイル保管の厳重化、社内ネットワークの常時監視及び異常の検知、適切な権限に基づくアクセスコントロールを行っており、個人情報以外の情報の取扱いも含めて情報管理全般にわたる体制強化を図っております。

 

(8)気候変動に関するリスク

 気候変動によって慢性的な気温上昇や急性的な自然災害の激甚化などが発生した場合、進行中のマンションプロジェクト建設現場やその他当社グループの管理・保有する物件等において物理的・人的な損害を受ける可能性があります。また、気候変動への対策として低炭素社会へ移行していく過程において、消費者の嗜好の変化による売上の減少や、環境問題に関する法令規制の強化によるコストの増加等が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 その対応策として、当社グループはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示を行い、将来的な気候変動が事業にもたらすリスクと機会に関するシナリオ分析や戦略策定等を行っております。戦略の進捗についてはリスク管理委員会においてモニタリングを実施し、必要に応じて見直しを行う体制を構築しております。

 

(9)大規模地震や気候変動などの自然災害や疫病の拡大等に関するリスク

 大規模地震や気候変動などの自然災害や疫病の拡大等(以下、「地震等」という。)が発生した場合に、進行中のマンションプロジェクト建設現場やその他当社グループの管理・保有する物件等において物理的・人的な損害を受ける可能性があり、また、社会インフラの機能不全やこれに伴う経済環境の悪化も想定され、そのような場合には当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 その対応策として、当社グループは、地震等に対し、平常時からの対策、地震等発生時の体制、対応、行動基準等の必要な事項を定めることにより、当社グループの地震等による人的・物的被害を最小限にとどめ、社員の安全及び事業の継続を確保するとともに、地震等発生後の復旧活動を迅速に行うことを目的として事業継続計画(BCP)及び各状況に応じたマニュアルを策定しております。また、新型コロナウイルス感染症のような新たな感染症にも適時適切に対応できるよう、内容の充実及び強化を図るようにしております。

 

 

(10)法的規制に関するリスク

 当社グループが事業活動を行うにあたり、「宅地建物取引業法」、「国土利用計画法」、「建築基準法」、「都市計画法」、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」、「建設業法」などの法的規制があります。これらの法規制に基づき、不動産販売、不動産賃貸、不動産管理、マンションの建設等の事業を行っており、規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合に、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 その対応策として、当社グループは、各種業界団体へ加入するとともに、同団体主催の研修会に参加するなどして事前に業界動向の把握や規制の改廃その他新たな法的規制等についての情報収集に努めております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、経済活動が抑制される厳しい状況で推移いたしました。ワクチン接種の普及等で同感染症の影響は徐々に和らいでいるものの、新たな変異株の出現といった懸念は払拭されておらず、未だ終息の見通しは立っていません。また、ロシア・ウクライナ情勢は世界経済に深刻な影響を与えており、わが国経済の先行きは不透明な状況が続いています。

 当社グループの属する不動産販売事業においては、用地代・建築コストの値上がりに伴うマンション販売価格の上昇が長く続いています。しかし、住宅ローン金利が低水準で推移していること、政府による住宅ローン減税政策が続いていること、外出自粛や在宅勤務の浸透により住宅に対する消費者の意識が高まっていることなどから、住宅需要は底堅いままで推移しました。

 

 マンション分譲事業においては、底堅い住宅需要に加え、出口戦略として従来の個人・法人顧客に加えて国内外の機関投資家などの選択肢が増えたことから、マンションの販売・引渡は好調に推移しました。2021年夏に販売した「エスリード鶴見緑地公園フォレスト」「エスリード鶴見緑地公園ブリーズ」が不動産情報サイトLIFULL HOME′Sの人気の新築マンションランキングで関西エリア1位、全国エリア2位を獲得するなどお客様にご好評いただいた結果、2022年3月期中に完成した新築分譲マンションを完売し、2017年3月期から6期連続で「完成在庫0」(※)という確かな実績を積み上げることができました。また、2020年12月から開始している名古屋市内での新築マンション分譲による売上が、当連結会計年度から通期で業績に寄与しました。

※各連結会計年度末において竣工済かつ未契約の住戸がゼロ(日刊不動産経済通信2022年3月31日号)

 

 マンション周辺事業においては、メガソーラーの新規取得やM&Aによる南都ビルサービス株式会社(ビルメンテナンス事業)の連結子会社化など、既存事業を拡大・充実させました。マンション周辺事業による良質な維持管理サービスが選ばれるマンションづくりに貢献し、良質なマンションの供給がマンション周辺事業の収益拡大に貢献するという従来からの好循環を、さらに加速させることができました。

 

 これらの結果、当社は創業以来最高の売上高・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益を達成しました。連結売上高は745億97百万円(前期比8.1%増)、連結営業利益は86億60百万円(前期比23.4%増)、連結経常利益は85億75百万円(前期比22.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は54億28百万円(前期比20.5%増)となりました。

 当社グループは、経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標として経常利益を採用しています。当連結会計年度における経常利益の実績は85億75百万円となり、期初に公表した業績予想の81億円を上回ることができました。

 

② セグメント別販売実績

(1)不動産販売事業
 不動産販売事業の中でもマンション分譲事業においては、底堅い住宅需要に加え、出口戦略として従来の個人・法人顧客に加えて国内外の機関投資家などの選択肢が増えたことから、マンションの販売・引渡が好調に推移した結果、外部顧客への売上高578億58百万円(前期比1.3%増)、セグメント利益は79億16百万円(前期比33.2%増)となりました。

(2)その他

 既存のマンション周辺事業が堅調に推移し、外部顧客への売上高は167億39百万円(前期比41.0%増)、セグメント利益は28億73百万円(前期比6.9%増)となりました。

③ 不動産販売事業における販売実績

 最近2連結会計年度の不動産販売事業の販売実績は次のとおりであります。

区分

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

物件名

引渡戸数

金額(千円)

物件名

引渡戸数

金額(千円)

中高層住宅

 エスリード守山セントラル

103

3,696,749

エスリード岸和田駅前

116

3,987,834

 エスリード南草津グランプレイス

83

3,105,580

エスリード大津におの浜セントラル

96

3,259,779

 エスリードザ・ランドマーク神戸

119

1,935,806

エスリード鶴見緑地公園フォレスト

77

2,780,989

 エスリード中之島ザ・コア

120

1,910,300

エスリード大阪クレストコート

179

2,773,040

 エスリード大阪NAGAHORI GATE

110

1,737,987

エスリード葵桜通り

136

2,497,040

 エスリード神戸兵庫駅アクアヴィラ

105

1,650,033

エスリード鶴見緑地公園ブリーズ

60

2,126,086

 エスリード京都梅小路アヴェニテ

90

1,618,873

エスリード新栄プライム

117

2,094,789

 エスリード大阪梅田リュクス

87

1,545,188

エスリード神戸グランドール

130

1,952,587

 エスリード守口ミッドゲート

41

1,505,950

エスリード寝屋川ソレイユ

52

1,875,929

 エスプレイス大阪城サウスコンフォート

112

1,448,496

エスリード新栄マルス

104

1,855,773

 その他

1,818

32,317,858

その他

1,800

29,520,091

小計

2,788

52,472,824

小計

2,867

54,723,942

 中古マンション

23

526,303

 中古マンション

72

742,326

 学生寮

116

1,900,298

 学生寮

112

1,630,000

土地建物

 土地建物

1,958,890

 土地建物

581,000

その他

293,583

627,905

 

合計

57,151,899

合計

58,305,175

(注)区分「その他」は一部の棚卸資産から収受した賃貸料収入等であります。

④ 不動産販売事業における契約実績

 最近2連結会計年度の不動産販売事業の契約実績は次のとおりであります。

区分

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

期中契約高

期末契約残高

期中契約高

期末契約残高

戸数

金額(千円)

戸数

金額(千円)

戸数

金額(千円)

戸数

金額(千円)

中高層住宅

2,505

46,332,567

307

7,379,131

4,113

76,648,164

1,369

26,931,026

土地建物

1,754,490

581,000

2,505

48,087,058

307

7,379,131

4,113

77,229,164

1,369

26,931,026

 

⑤ 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて94億35百万円増加して1,143億15百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少41億21百万円、販売用不動産の増加53億17百万円、仕掛販売用不動産の増加53億円によるものです。

(負債)

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて48億74百万円増加して586億17百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の減少63億35百万円、長期借入金の増加63億89百万円、前受金の増加16億51百万円、電子記録債務の増加12億45百万円によるものです。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて45億61百万円増加して556億98百万円となりました。この結果、自己資本比率は48.7%となりました。

 

⑥ キャッシュ・フローの状況

(1)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ40億20百万円減少し、当連結会計年度末には269億99百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果減少した資金は93億71百万円(前年同期は9百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益85億75百万円、棚卸資産の増加108億85百万円、仕入債務の減少50億90百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果減少した資金は10億60百万円(前年同期は7億99百万円の減少)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出5億円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果増加した資金は64億11百万円(前年同期は129億90百万円の増加)となりました。これは主にマンションプロジェクト資金等として252億38百万円を借入れ、マンションが竣工したこと等に伴い借入金184億15百万円を返済したことによるものです。

 

(2)キャッシュ・フロー指標の推移

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率

58.6%

48.8%

48.7%

時価ベースの自己資本比率

26.8%

24.8%

22.6%

キャッシュ・フロー対
有利子負債比率

インタレスト・カバレッジ・レシオ

(注)各指標の基準は以下のとおりであります。いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

1)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

2)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3)営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

4)各期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率とインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(1) 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績

「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

(2) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(1)当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フロー

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ⑥ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(2) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性

(契約債務)

 2022年3月31日現在の契約債務の概要は次のとおりであります。

 

年度別要支払額(千円)

 

合計

1年以内

1年超3年以内

3年超5年以内

5年超

短期借入金

466,800

466,800

社債

500,000

500,000

長期借入金

42,266,230

12,826,840

26,561,880

640,080

2,237,430

リース債務

1,394,393

139,416

240,018

206,237

808,721

合計

44,627,423

13,433,056

27,301,898

846,317

3,046,151

 上記の表において、連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。

 

(財務政策)

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、不動産販売事業における事業用地の取得を目的とした資金であります。事業用地は、その取得から物件の竣工まで約2年程度と比較的長期間にわたる資金回収が前提となっております。このような中でマンションプロジェクトの始まりである開発用地の取得段階においては金融機関からの借入を前提としつつも、迅速な意思決定によって同業他社との競争優位を図るべく手許資金での用地取得が可能となるよう一定以上の資金水準を保っております。当該資金のうち、借入による資金調達に関しましては、主として変動金利の長期借入金で調達しております。

 また、マンション竣工後の資金回収サイクルを最短化すべく「完成在庫0」を基本とした物件の早期完売体制を構築し、建築コストを含めたマンションプロジェクトの資金回収を当該マンションの販売代金で賄うことを前提とした健全な財務体質の追求を図っております。

 一方、マンション周辺事業及び当社グループ全体においても、新規事業をはじめさまざまな事業拡大に向けた積極的かつ機動的な意思決定を行うべく一定以上の資金水準を維持することとしており、余剰資金は必要に応じてグループ間融資を行うなど、グループ資金マネジメントにより効率的な活用に努めております。

 上記の財務政策は当連結会計年度においても継続しており、新型コロナウイルス感染症による影響はありません。

 加えて、株主還元については安定した配当政策の実施を基本方針とし、成長投資や必要な手許資金を考慮した上で決定しております。

 なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は269億99百万円であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び(追加情報)に記載のとおりであります。

4【経営上の重要な契約等】

 2012年2月23日付で森トラスト株式会社との間で、資本業務提携契約を締結しております。当社と森トラスト株式会社は、本提携を通じて、当社と同社が相互に経営ノウハウを提供することにより、国内におけるマンションの企画・開発・販売等を協力して推進し、両社の企業価値向上を図ることを目的としております。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。