第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 (1) 経営方針

当社グループは、以下の経営方針のもと、建設・不動産業を中心とした事業を通じて、取引先や従業員をはじめとするステークホルダーと「協働共生」の関係を構築し、相互に利益を享受し、成長することを目指しております。

 1. グループ各社、提携・協力会社、従業員、関係者と「協働共生」の関係を構築し、相互に利益を享受し成長することを目標とする。

 2. 既存事業との親和性・相乗効果が高く成長性が見込まれる事業に積極的にM&A投資と事業提携を行いグループの拡大を図るものとする。

 3. 安定的に利益を追求することにより、従業員の雇用および生活の向上を図ることとする。

 4. 当社グループの営む事業は様々な法的規制を受けていることから、法令遵守については細心の注意を払うものとする。

 5. 事業の拡大については、堅実を基本とし、倫理性に裏付けされた数値に基づき事業計画を策定する。

 6. 利益の配分については、継続的かつ安定的に行うこととする。

 7. 株主および投資家に対しては、経営の透明性を高め、環境に配慮し、持続可能な社会の実現に向けて公正な経営を実現することとする。

 8. 取引先に対しては、当社グループに不測の事態が生じた場合においても誠実に対応することとする。

 

 (2) 経営戦略等

当社グループは、注文建築事業、分譲マンション事業及び戸建分譲事業を主たる事業セグメントと位置付けております。分譲マンション事業は、経済市況、プロジェクト用地の仕入状況、工事の引渡時期等により、期毎の業績が大きく変動する事業となります。その一方で、注文建築事業及び戸建分譲事業は、年間を通じて安定的に売上高と利益を計上できる事業となります。このため、当社グループでは、各事業の売上高の及び利益の比率をバランス良く構成することで、グループ全体の業績の安定化を図っております。

また、旺盛な建設需要及び建設従事者の減少により、注文建築事業の受注環境や収益性は大幅に改善されております。将来的には更なる収益性の改善が見込めることから、当社グループでは、注文建築事業の売上高及び利益の比率をグループ全体の50%まで引き上げることを目標としております。今後も労働環境の改善、技術系の若年層社員の育成を通じて建設技術者数を増やすことで、既存の注文建築事業の売上拡大を図ると共に、建設会社のM&Aを通じて、注文建築事業の事業規模拡大を進めてまいります。

 

 (3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、利益成長の実現と安定的な事業展開を行うため、自己資本の拡充による財務基盤の強化を目指しております。このため、当社グループでは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として営業利益及び自己資本比率を重視しております。これらの目標を設定し、その達成に向けて取り組んでまいります。

 

 

 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

建設・不動産業界においては、プロジェクト用地、建築資材価格の高止まりや建設労務費の値上がりが続いております。また、我が国の金融緩和策が変更された場合、住宅ローン金利の上昇や事業資金の調達コストの上昇が懸念されております。コロナ禍において比較的堅調に推移していた建設・不動産市場においても、先行きの見通しがつきにくい状況となっております。このような環境のもと、当社グループは以下の課題に対処してまいります。

① プロジェクト用地仕入の強化

分譲マンション事業及び戸建分譲事業におけるプロジェクト用地は、交通の利便性が良く、生活に便利な立地であることが必須となりますが、このような用地は人気が高く、同業他社や他業種も含め、取得競争が激しくなっております。また、相対取引ではなく、入札による取引も増加しており、今後も用地価格の上昇は継続するものと想定されます。このため、用地取得ルートの拡大、土地所有者との相対商談の強化、他社との協働開発等を通じて、早期売却が可能なプロジェクト用地の仕入、開発、販売を積極的に進めてまいります。

 

② 原価低減及び建設従事者の確保

高齢化により建設従事者数は年々減少しており、建設労務費の上昇も続いております。この傾向は今後も継続することが見込まれるため、設計段階での仕様の見直し、当社グループ内での設計・施工の内製化、外国籍社員による工事の内製化を推進し、原価低減と建設従事者の確保に努めてまいります。また、働き方改革により、若年層社員及び技術系社員の労働環境の整備・改善を積極的に行い、その質の向上を図ることで建設技術者の確保に努めてまいります。

 

③ 財務基盤の強化

先行きが不透明な環境下においても経営の安定性を維持し、持続的な成長を実現するためには、財務基盤の強化を図ることが重要であると考えております。自己資本比率を30%以上を維持するとともに、販売用不動産の早期売却等により総資産回転率を改善してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

  当社グループは、「企業行動憲章」及び「経営方針書」を指針とし、建設・不動産業を中心とした事業を通じて、取引先や従業員をはじめとするステークホルダーと「協働共生」の関係を構築し、相互に利益を享受し、成長することを目標としております。また、経済発展と環境保全が両立する「持続可能な社会」を創造していくため、持続可能な開発目標(SDGs)の達成と中長期的な企業価値の向上に向け、挑戦を続けてまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) ガバナンス

当社では、取締役会において、当社グループのサステナビリティに関する重要課題を特定し、その解決に向けた方針や施策を決定しております。当社の取締役は、当社グループ各社の取締役を兼任しているため、各取締役を通じて、当社グループのサステナビリティに関する重要課題を各社の取締役会で共有し、その解決に向けた施策の実行を指示し、その進捗状況の監督を行っております。

 

(2) 戦略

当社グループの主業である建設・不動産業は、社内外で多くの人が関与する事業であり、今後もこの点は大きく変わらないものと考えております。このため、サステナビリティ経営の実践に際しては、特に人材が最も重要な経営資源であると考えており、人的資本を強化することで当社グループの企業価値の持続的な向上を図ってまいります。

また、人材を活かすためには、年齢、性別、国籍、人種、文化的背景、ライフスタイル、経験など多様な従業員が集い、その能力を高め合い、最大限に発揮することができる環境を整備することが重要であると認識しており、特に、性別・国籍を問わず、多様な人材を採用し、個々の価値観(個性)を尊重した人材育成及び社内環境の整備に取り組んでおります。

当社グループにおける人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりであります。

  ① 人材育成方針

当社グループは、次世代を担う人材の育成に取り組むとともに、個々人の能力、意欲さらにはライフステージに応じた活躍ができるように、自律的な学び合いやキャリア形成、資格取得、スキルアップ、スキルシフトを後押しするためのマネジメント施策の拡充に積極的に取り組みます。

 

  ② 社内環境整備に関する方針

当社グループは、年齢、性別、国籍、人種、文化等を理由とした差別を一切認めず、雇用、昇進、異動、報酬、研修等の機会を公平に提供することで、従業員が能力を最大限に発揮し、生き生きと働ける環境づくりに努めます。そして、適切な労働環境の提供、公正な労働条件の実現に努め、お互いの個性を認め合い、お互いに尊重し合うことで、ハラスメントのない安全で健康に配慮した職場の実現に取り組みます。

 

(3) リスク管理

当社グループにおけるリスク管理は、グループ各社のリスク管理委員会において行っております。リスク管理委員会においてリスクを特定し、その影響度や発生可能性等を分析し、重要と判断されたリスクについては各社の取締役会に報告がなされ、対応が実施されております。また、当該リスクへの対応状況は当社の取締役会にも報告され、進捗等の監督を行っております。

 

(4) 指標及び目標

建設・不動産業における用地仕入、設計、施工、販売等に関する知識や経験は、勤続年数が長くなることで深化し、中長期的な企業価値の向上に直結することとなります。また、勤続年数の長い従業員が知識や経験を若い従業員に伝えることで、事業の発展を持続することが可能となります。このため、当社グループにおいては、人的資本に関する指標として従業員の平均勤続年数を重視しております。

当連結会計年度末において、当社グループの従業員の平均勤続年数は10.2年となり、2023年3月期に目標として設定した10.5年をやや下回りましたが、従業員の勤続年数の積み上げは堅調に進んでおります。

今後も引き続き従業員が長期に渡って働ける環境を継続的に整備・改善し、従業員が勤続年数を積み上げ、その知識や経験を深化させていくことで、当社グループの中長期的な企業価値を向上させてまいります。

  当該指標にかかる目標及び実績は以下のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度末)

平均勤続年数

2027年3月末において11.6

10.2

 

 (注) 従業員兼務役員を含む正社員を集計対象としております。

 

 

3 【事業等のリスク】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 

 (1) 法的規制について

当社グループは、事業を運営する上で国土利用計画法、宅地建物取引業法、都市計画法、建築基準法、住宅品質確保促進等に関する法律、建設業法、建築士法等による法的規制を受けております。将来これらの法令等が改廃される場合や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの事業展開や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、宅地建物取引業者免許、建設業許可、建築士事務所登録等の許認可を受け事業を行っております。将来何らかの法令違反となる事態が発生し、当社グループの許認可の取消や業務の一時停止処分等を受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、上記リスクに対して、関連法令の改廃や新たな法的規制の設置等について、事前モニタリングを実施しており、施行日までに適切な対応ができる体制を構築しております。また、許認可の対象となる法令等の遵守に努めており、今後も従業員に対する情報発信・研修等の対策を継続してまいります。

 

 (2) 経営成績の変動要因について

当社グループの経営成績は、購入者の需要動向に左右される傾向があります。購入者の需要動向は、景気動向、不動産市況、住宅ローン等の金利動向、住宅税制等の変化により影響を受けることから、これらの動向により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、建築資材や土地等の価格変動により建築費用及び土地費用が上昇する場合、販売競争の激化等により需給バランスが悪化し、価格が低下する場合若しくは在庫が増加する場合があります。このような場合には、利益率が低下したり、販売用不動産としての価値が大きく減少した場合には、棚卸資産の簿価切下げに伴う損失が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。こうした厳しい状況の中でも販売への影響を僅少にするため、土地仕入について戸数を追求せず、厳選した土地のみでプロジェクト化を行い、当社グループ全体で適切な在庫保有量の維持及び在庫の保有日数の管理に努めております。

 

 (3) 有利子負債への依存について

当社グループは、用地仕入等の資金調達を主に金融機関からの借入に依存しております。このため、金融情勢の変化等により当社の資金調達に支障が生じた場合、又は市場金利の変動等により調達コストが変動した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

上記リスクを回避するため、特定の金融機関に限定せず、複数の金融機関よりプロジェクト融資を受けており、当該金融機関との関係性を継続的に維持・強化することで用地仕入等に必要な融資を獲得し、金利変動リスクを低減しております。また、親会社の運営するCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)にも参加し、適宜資金調達を行える体制を整えております。

 

 (4) 災害等の発生について

地震、台風等の自然災害、感染症の世界的な大流行、戦争その他予想し得ない状況の発生により、建築資材・住宅設備機器等の調達遅延、建築工事の遅延が発生し、これに伴う売上計上の期ずれ、建築コストの大幅な増加が予想され、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、災害の発生時にグループ会社間で人的・物的な支援を相互に行える体制を整えることで、上記リスクの軽減に努めております。

 

 

(5) 取引先の与信について

分譲マンション事業においては、建築工事の発注先が倒産した場合、工事の遅れにより引渡時期が遅れ、代替業者への発注に伴う追加コストが発生する可能性があります。また、注文建築事業においては、1件毎の工事請負金額が大きく、請負代金の受領前に発注者が倒産した場合、請負代金の回収に支障をきたす可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、取引前の与信調査の徹底、工事現場における厳格な出来高査定の実施、部門間での取引先の与信情報の共有等の措置を講じることで、上記リスクの軽減に努めております。

 

(6) 人材について

当社グループの各事業は、専門性の高い知識と豊富な経験を有する人材により成り立っております。これらの人材の育成・確保ができない場合、当社グループの成長力が鈍化し、当社グループの経営成績及び今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、従業員の労働環境の改善、業務効率化に寄与する設備機器の導入、資格取得支援制度の充実等の施策を積極的に推進することで、上記リスクの軽減に努めております。

 

(7) 契約不適合責任について

分譲マンション事業及び戸建分譲事業においては、住宅の品質確保の促進等に関する法律により、新築住宅の構造上主要な部分及び雨水の浸水を防止する部分について10年間の契約不適合責任を負っております。また、注文建築事業においても、顧客との工事請負契約に基づき、引渡後の一定期間に渡り契約不適合責任を負っております。万が一、これらの契約不適合が発生した場合、その補修費用又は損害賠償責任が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、社内検査の徹底及び過去に発生した契約不適合責任の事例共有を行い、また、住宅瑕疵担保責任保険や工事賠償責任保険への加入等の措置を講じることで、上記リスクの軽減に努めております。

 

(8) 企業買収について

当社グループでは、事業規模を拡大し、企業価値を高める有効な手段のひとつとして、企業買収(M&A)を積極的に活用しております。企業買収にあたり、相手先企業の財務内容や契約関係等についてデューデリジェンスを行っておりますが、案件の性質や時間的な制約等から十分な調査が出来ない場合もあり、買収後に未認識債務が判明したり、偶発債務が発生する可能性があります。また、事業環境の変化等により、当初予定した事業計画が予定通りに進捗しなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、買収対象企業に対する入念なデューデリジェンスを実施し、事業環境と買収後の事業計画の実現可能性を慎重に検討することで、上記リスクの軽減に努めております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要等の影響により引き続き緩やかな回復基調が続いております。その一方で、米国の政策転換が世界経済に大きな影響を与え、国内の景気を下押しする可能性があり、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

不動産業界においては、地価の高止まりに加え、建設コストの値上がりが続いております。また、住宅ローン金利上昇による住宅取得費用の値上がりも懸念されることから、引き続き予断を許さない状況が続いております。

建設業界においては、法人による商業施設等への設備投資や建替えの需要は堅調に推移しておりますが、建設資材価格の値上げや建設従事者の減少による建設労務費の高騰は依然として続いており、建設従事者確保のための競争も激しさを増しております。

そのような状況の中、当社グループの当連結会計年度における業績は、売上高30,417百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益1,551百万円(前年同期比14.6%減)、経常利益1,442百万円(前年同期比15.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益975百万円(前年同期比10.6%減)となりました。

 

(2) セグメントの業績概況

(分譲マンション事業)

分譲マンション事業では、当連結会計年度において、新たに5棟236戸の新築マンション(モアグレース一宮本町、モアグレース尾張旭、モアグレース守山、モアグレース千種春岡、モアグレース住吉)の分譲を開始し、前期から販売開始した物件を併せ176戸(前期は182戸)並びに1棟売のマンションを成約しております。また、引渡しにつきましては、新規完成物件3棟、完成在庫を併せ144戸(前期は169戸)及び1棟売のマンションを行っております。

以上の結果、売上高6,744百万円(前年同期比5.0%増)、セグメント利益(営業利益)は、302百万円(前年同期比38.4%減)となりました。

 

(注文建築事業)

注文建築事業では、引き続き建築需要は旺盛に推移しており、当連結会計年度において、マンション、新車及び中古車販売店、収益不動産、教育施設等の引渡しを行っております。

以上の結果、売上高10,251百万円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益(営業利益)589百万円(前年同期比28.3%増)となりました。

 

 (戸建分譲事業)

戸建分譲事業では、当連結会計年度において321戸(前期は332戸)の新規契約、316戸(前期は327戸)の引渡しを行っております。新規契約数及び引渡数は概ね前年同期と同程度の水準で推移しておりますが、プロジェクト用地や建築資材等の価格上昇分を販売価格に転嫁することが難しくなっていることから、売上高は微増したものの、セグメント利益(営業利益)は前年同期を下回ることとなりました。

以上の結果、売上高12,750百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益(営業利益)1,080百万円(前年同期比10.0%減)となりました。

 

(不動産管理事業)

不動産管理事業では、エムジー総合サービス㈱において、分譲マンション246棟6,472戸の管理を手掛けております。また、㈱ハウメンテにおいて戸建て住宅6,513戸の保守・点検を手掛けております。

以上の結果、売上高765百万円(前年同期比8.1%増)、セグメント利益(営業利益)133百万円(前年同期比2.2%減)となりました。

 

(賃貸事業)

賃貸事業では、保有物件の売却が進んだことから、売上高及びセグメント利益(営業利益)はともに前年同期を下回ることとなりました。

以上の結果、売上高98百万円(前年同期比8.4%減)、セグメント利益(営業利益)は67百万円(前年同期比8.1%減)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は3,056百万円(前年同期比0.4%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動の結果獲得した資金は4,266百万円(前年同期は3,040百万円使用)となりました。これは主に物件完成引渡による棚卸資産の減少2,811百万円(前年同期は4,117百万円増加)、売上債権の回収による減少652百万円(前年同期は1,076百万円増加)、工事代等の支払いによる仕入債務の減少816百万円(前年同期は719百万円増加)によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は30百万円(前年同期は58百万円獲得)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出77百万円(前年同期比140.4%増)によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は4,223百万円(前年同期は2,282百万円獲得)となりました。これは主にプロジェクト資金の短期借入による収入6,501百万円(前年同期比26.1%減)、長期借入による収入3,207百万円(前年同期比26.0%減)、短期借入金の返済による支出10,136百万円(前年同期比32.7%増)、長期借入金の返済による支出3,206百万円(前年同期比18.8%増)であります。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

 当社グループの主たる業務には生産に該当する事項がありませんので、記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における販売不動産の契約実績は次のとおりであります。

 

 

期首契約残高

前期比(%)

期中契約高

前期比(%)

期末契約残高

前期比(%)

分譲マンション事業

数量
(戸)

24

218.2

177

97.3

56

233.3

金額
(千円)

810,138

208.7

8,281,393

122.6

2,409,517

297.4

注文建築事業

数量
(戸)

38

97.4

69

98.6

45

118.4

金額
(千円)

9,766,366

120.1

8,394,176

88.3

8,492,114

87.0

戸建分譲事業

数量
(戸)

52

110.6

321

96.7

57

109.6

金額
(千円)

2,242,647

104.7

12,280,116

99.5

2,682,158

119.6

 

 (注) 1.分譲マンション事業は新築マンションのみを計上しております。

2.注文建築事業は請負金額500万円以上のものを計上しております。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

数量(戸)

前期比(%)

金額(千円)

前期比(%)

分譲マンション事業

145

85.8

6,679,078

105.4

注文建築事業

62

87.3

9,668,428

122.7

戸建分譲事業

316

96.6

11,840,605

96.7

合計

523

92.2

28,118,111

106.6

 

 (注) 1.分譲マンション事業は新築マンションのみを計上しております。

2.注文建築事業は請負金額500万円以上のものを計上しております。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績

 「(経営成績等の状況の概要) (1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

(2) 財政状態

  ① 資産

当連結会計年度末における流動資産は26,233百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,675百万円減少いたしました。これは主に売上代金の回収により受取手形、売掛金及び契約資産が642百万円、物件の完成により仕掛販売用不動産が2,948百万円減少したことによります。

固定資産は3,092百万円となり、前連結会計年度末に比べ146百万円減少いたしました。これは主に投資有価証券の売却による減少37百万円、固定資産の減価償却によります。

以上の結果、総資産は29,325百万円となり前連結会計年度末に比べ3,822百万円減少いたしました。

 

  ② 負債

当連結会計年度末における流動負債は14,607百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,919百万円減少いたしました。これは主にプロジェクト資金借入による1年内返済予定の長期借入金が1,032百万円増加し、物件完成引渡によるプロジェクト資金の返済により、短期借入金が3,384百万円、工事代等の支払いにより支払手形及び買掛金が823百万円減少したことによります。

固定負債は3,735百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,490百万円減少いたしました。これは主に物件完成引渡によるプロジェクト資金の返済により、長期借入金が1,281百万円減少したことによります。

以上の結果、負債合計は18,343百万円となり前連結会計年度末に比べ4,409百万円減少いたしました。

 

  ③ 純資産

当連結会計年度末における純資産は10,982百万円となり、前連結会計年度末に比べ587百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益975百万円の計上により増加し、配当金の支払により163百万円、自己株式の取得により137百万円減少したものであります。

以上の結果、自己資本比率は37.4%(前連結会計年度末は31.1%)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

  ① キャッシュ・フローの状況

   「(経営成績等の状況の概要) (3) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

  ② 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの事業活動に必要な資金の調達は、金融機関からの借入、内部資金の活用等を中心に行っており、期間や市場の金利動向、自己資本比率等の財務指標との乖離状況等を勘案の上、最適な調達を実施しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

  (繰延税金資産)

当社は、繰延税金資産について、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得に依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

5 【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。