第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

   (1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、政府の様々な経済対策もあって、緩やかに回復していくことが期待できるものの、海外経済の減速や金融資本市場の変動の影響、米国の政権移行等、先行きが不透明な状況にもあります。

 当社グループが属する不動産業界においては、金融緩和政策による低金利等により底堅く堅調に推移しているものの、地価の上昇や土地取得競争の激化等、楽観視できない状況にあります。

 このような事業環境のもと、中核事業である不動産販売事業において、収益不動産の販売及び土地企画販売等を行うとともに、分譲マンションの販売も順調に進捗いたしました。

 分譲事業においては当期竣工の「レ・ジェイド豊田(東京都日野市、総戸数53戸(非分譲10戸含む))」、「レ・ジェイド横濱鶴見(横浜市鶴見区、総戸数45戸)」、「レ・ジェイド高槻(大阪府高槻市、総戸数136戸)」、「レ・ジェイド西田辺 阿倍野阪南町(大阪市阿倍野区、総戸数38戸)」が全戸引渡完売するとともに平成29年竣工予定の「レ・ジェイド高槻ザ・マークス(大阪府高槻市、総戸数95戸)」が契約完売する等、順調に進捗いたしております。

 当期竣工した「レ・ジェイド世田谷砧(東京都世田谷区、総戸数25戸)」には、マンション1階部分に当社グループ直営のコンシェルジュ機能を有し、かつ地域の皆様のコミュニケーションの場を創出し心地よい空間づくりにこだわったカフェダイニング「Cafe Apartment 183」がオープンしております。また、商業施設や住宅、図書館が入る複合の「花の北モールマンション建替事業(兵庫県姫路市)」について、参加組合員の一社として当社が参画しております。このように新しい取組みも含め引き続き、暮らしを開発する「ライフ・デベロッパー」としての開発を行ってまいります。

 商業開発事業においては、複数の商業施設の底地を取得するとともに、かねてより取り組んできた大型複合開発「福岡春日プロジェクト」の開発が全て完了し、総戸数約670戸の新しい「まち」が完成いたしました。また、まちづくり事業(大阪府河内長野市上原・高向地区)の事業化検討パートナーにも選定される等、当社の持つ商業開発ノウハウを活かした事業展開を着実に推進しております。

 さらに、インバウンドニーズを捉えたホテル開発事業にも注力し、札幌、金沢、東京、大阪において既に15プロジェクトの事業用地の取得を行っております。

 このように、当連結会計年度において分譲、商業、ホテル等多面的な開発予定地として、首都圏12案件、近畿圏15案件、その他地域6案件の新規事業用地の取得を行い、着実かつ積極的に事業を展開いたしております。

 平成28年6月には、東京証券取引所市場第一部へ指定替えを果たしました。次なる成長戦略の一環として、平成28年9月に当社100%出資子会社である株式会社エスコンリビングサービスを設立し、マンション管理事業、カフェ事業、ホテルオペレート事業、リノベーション事業等オペレーション事業の創出、強化を図り、事業領域の拡大を推進いたしております。

 平成28年8月には商業施設の底地を主要な投資対象とする総合型投資法人「エスコンジャパンリート投資法人」を設立し、地域社会の生活の利便性に資する、地域コミュニティに根付いた地域密着型の商業底地を主要な投資資産とし、長期安定的に収益を確保する特徴あるREITを目指して東京証券取引所上場に向けた準備にも取り組んでおります。

 不動産賃貸事業においては、当社が保有する商業施設における安定的な賃料収入の確保と資産価値の向上に努めております。

 不動産企画仲介コンサル事業においては、当社が強みとする企画力等を活かし、業務受託、企画仲介コンサル事業等ノンアセットで利益率の高い事業として注力いたしております。

 このように、多面的な事業展開を行い、更なる発展と企業価値の向上に努めております。

 

 この結果、当連結会計年度の業績は売上高34,347百万円(前連結会計年度比24.0%増)、営業利益4,680百万円(前連結会計年度比16.6%増)、経常利益3,575百万円(前連結会計年度比14.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,936百万円(前連結会計年度比29.5%増)となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

①不動産販売事業

 不動産販売事業においては、分譲マンションの販売を推進したこと及び販売用不動産、仕掛販売用不動産の販売等を行った結果、売上高30,687百万円(前連結会計年度比24.5%増)、セグメント利益4,798百万円(前連結会計年度比27.3%増)となりました。

 

②不動産賃貸事業

 不動産賃貸事業においては、保有する収益不動産の賃料収入の増加を含めた資産価値の向上を図るべくリーシング活動及びプロパティマネジメント事業に注力した結果、売上高3,594百万円(前連結会計年度比25.8%増)、セグメント利益2,058百万円(前連結会計年度比28.1%増)となりました。

 

③不動産企画仲介コンサル事業

 不動産企画仲介コンサル事業においては、企画力、多面的な事業構築力を最大限に活かし、企画コンサル等の業務受託等に積極的に取り組みましたが、売上高65百万円(前連結会計年度比67.3%減)、セグメント利益65百万円(前連結会計年度比62.5%減)となりました。

 

   (2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて3,976百万円増加し、8,191百万円(前連結会計年度末は4,214百万円)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により減少した資金は14,684百万円(前連結会計年度は3,877百万円の資金の減少)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益を2,628百万円計上したこと、非資金的費用である減損損失が1,042百万円、たな卸資産の増加額が17,033百万円となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動により増加した資金は7,656百万円(前連結会計年度は61百万円の資金の増加)となりました。これは主として固定資産の売却等による収入7,343百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動により増加した資金は11,003百万円(前連結会計年度は3,683百万円の資金の増加)となりました。これは主として、長期・短期借入金の借入れ、返済による純収入11,672百万円、自己株式の取得による支出54百万円及び配当金の支払額541百万円によるものであります。

 

2【契約及び販売の状況】

 (1)契約実績

最近2連結会計年度における不動産販売事業の契約実績は、次のとおりであります。

区分

前連結会計年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

期中契約高

期末契約残高

期中契約高

期末契約残高

物件戸数

(戸)

金額

(百万円)

物件戸数

(戸)

金額

(百万円)

物件戸数

(戸)

金額

(百万円)

物件戸数

(戸)

金額

(百万円)

中高層住宅等

399

17,174

226

9,332

473

20,246

208

8,713

その他

10,805

5,211

17,544

13,413

399

27,979

226

14,543

473

37,791

208

22,127

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 (2)主な販売実績

最近2連結会計年度の主な販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

物件名

物件

戸数

(戸)

金額

(百万円)

物件名

物件

戸数

(戸)

金額

(百万円)

不動産販売事業

分譲マンション

344

14,121

分譲マンション

469

19,625

京都六角

3,150

福岡春日7工区

3,079

淀川区宮原2丁目

1,807

中央区島町

2,223

渋谷区本町

1,800

神戸市西区王塚台

2,130

西区靭本町

1,450

分譲戸建

22

1,240

西東京市西原町

1,312

茨城県土浦市

969

福岡春日

350

名古屋砂田橋

480

分譲戸建

5

317

名張市桔梗が丘

477

墨田区石原

172

日光市豊田

352

八尾高美町

153

茅ヶ崎市美住町

81

その他

14

高槻市城西町

28

小計

349

24,649

小計

491

30,687

不動産賃貸事業

 

 

2,857

 

 

3,594

不動産企画仲介

コンサル事業

 

 

199

 

 

65

 

合計

27,705

合計

34,347

(注)1 セグメント間の取引はありません。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年1月1日

    至 平成27年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

    至 平成28年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

合同会社河原町ホールディングス

3,150

11.4

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 企業を取り巻く経営環境は、急速な高齢化、所得の格差、人口の減少、外国人の流入、インターネットにより広がる情報格差など、かつてない社会構造の急速な変化の中にあり、お客様の選別や評価はなお一層厳しく、競争は激化するとともに企業の存在価値を常に問われる事業環境にあります。当社グループが、このように加速度的に多様化する時代に、継続的に成長し社会貢献していくためには、これまでの前例や既成概念にとらわれることのない新しい姿勢で、優良な商品の安定供給、強固な財務基盤、安定した成長、お客様の満足を糧に確実に成長していくことを方針とし、なによりもそこに暮らす人たちの幸せを思い描き、理想を具現化し未来を創造する、暮らしそのものを開発する「ライフ・デベロッパー」を目指す必要があります。

 住宅開発、商業開発、ホテル開発、企画コンサルティング、施設運営管理、資産運用といった不動産ビジネスの多面的な展開により、常に事業の最適バランスを見据えた事業運営を図り、いかなる経済環境にも耐えうる強固な経営基盤を確立するとともに、企業価値の最大化、株主様への更なる還元を行うことにより、他にはないオンリーワンの企業を目指してまいります。

 

 具体的な課題としては次のとおりであります。

(1)経営管理体制

 一定の利益を確保できる土地の価格には当然上限があり、適正な価格での仕入れがもっとも重要な課題の一つであります。良質な用地の仕入れを行うためには、人材の確保と育成、情報ルートの常なる拡大、迅速な判断、慎重かつ大胆な決断が必要となります。

 業種がら、借入残高が多いため、金利上昇環境においては予定した利益計画に齟齬の出ることも予想され、調達コストの低減、調達方法の多様化、キャッシュ・フローの改善等を強化しつつ、更なる強固な財務基盤の構築継続が必要となります。第2次中期経営計画の達成はもとより、いかなる経済環境においても安定した経営を可能とする財務体質の強化に引き続き注力してまいります。

 

(2)自社独自体制の強化

 当社グループは暮らしをデベロップする「ライフ・デベロッパー」の具現化に取り組んでいます。分譲マンションについては、ファミリーを中心とした実需で購入いただくお客様目線で、将来に渡り、住み心地を追求し、それぞれのプロジェクトの立地や周辺環境等により企画デザイン間取り等を考慮し、お客さまのニーズを創造するものづくりを特徴としております。

 不動産はひとつとして同じ形状、立地のものはございません。その形状、立地はもとより、その地域、エリアに住む方々や当社が開発する住宅等に住まわれる方々にとって、理想の住宅、理想のまち、理想の生活環境を提案、提供していくことが当社のミッションであると考え、単なる住宅という空間を創るだけではなく、より豊かな暮らしを提案する「ライフ・デベロッパー」であることを当社グループは目指しております。

 比較的容易に特徴を出すことのできる仕様やデザインだけではなく、土地取得段階やさらに基本設計(企画)の段階で、商品に競争力を持たせるため、お客様のニーズに合った付加価値の創造、及び収益の向上を目指し、プロジェクトの規模や供給戸数を追求するのではなく、常に最適な企画は何なのかを追求いたします。

 このため、プロジェクト推進に当たっては、仕入、企画、販売の担当それぞれが一連のプロジェクトとして最初から最後まで関わり主担当として完結させる事業体制をとっており、当社の強みであるこの体制を常に維持し、強化することによりいかなる事業環境においても優位性を保つことができるよう、常に危機意識を持ち事業を推進してまいります。

 

(3)新規事業

 経済環境のいかなる変化によっても、自己保有が可能なNOI基準を設定・遵守し、案件の取得開発を実行しております。

 不動産流動化事業については、連結子会社である株式会社エスコンアセットマネジメントにおいてREITの上場を見据え、商業テナント底地開発を重点的に推進するために、人員の補強等を着実に行うとともに、開発案件の情報収集並びに物件取得についても、引き続き注力してまいります。

 また、不動産を開発するだけでなく、不動産の利用形態に適合するオペレーション機能を有する唯一無二の総合デベロッパーとしての地位を確立するため、連結子会社である株式会社エスコンリビングサービスを設立し、不動産オペレート事業の充実による不動産開発力の幅と奥行きの拡大を図ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載しております第2 事業の状況、第5 経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えております。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年3月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

   (1)法的規制等について

 会社法や金融商品取引法の規制のほか、当社グループが属する不動産業界では、「国土利用計画法」、「宅地建物取引業法」、「建築基準法」、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」、「不動産特定共同事業法」、「資産の流動化に関する法律」、「信託業法」、「貸金業法」等により法的規制を受けております。

 また、当社グループは、不動産業者として、「宅地建物取引業法」、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等に基づく免許を受け不動産販売及び関連事業を行っておりますが、これらの改廃や新たな法的規制の新設によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 なお、当社グループが取得している許認可、免許及び登録等の状況は以下のとおりであります。

 (株式会社日本エスコン)

許認可等の

名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期間

法令違反の要件及び

主な許認可取消事由

宅地建物

取引業免許

国土交通省

国土交通大臣免許

(4)第6034号

平成27年7月7日から

平成32年7月6日まで

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条)

建設業許可

(大阪府知事

-特定)

建築・土木

大阪府

大阪府知事許可

(特-26)

第123824号

平成27年3月11日から

平成32年3月10日まで

管理責任者不在等の要件欠如に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

一級建築士

事務所登録

(①大阪)

(②東京)

①大阪府

 

②東京都

①大阪府知事登録

(ニ)第18579号

②東京都知事登録

第48798号

①平成27年7月31日から

 平成32年7月30日まで

②平成25年6月10日から

 平成30年6月9日まで

不正な手段による免許の取得や建築試験の合格決定の取消があった場合は免許の取消(建築士法第9条)

不動産特定

共同事業

金融庁

国土交通省

金融庁長官・

国土交通大臣

第47号

平成18年9月20日取得

期間の定め無し

不正な手段による許可の取得や定められた資本金等の額が定められた額を満たさなくなった等の不適合となった場合は許可の取消(不動産特定共同事業法第36条)

 

 (株式会社エスコンプロパティ)

許認可等の

名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期間

法令違反の要件及び

主な許認可取消事由

宅地建物

取引業免許

国土交通省

国土交通大臣免許

(1)第8527号

平成25年10月26日から

平成30年10月25日まで

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条)

一級建築士

事務所登録

大阪府

大阪府知事登録

(イ)第24358号

平成25年9月27日から

平成30年9月26日まで

不正な手段による免許の取得や建築試験の合格決定の取消があった場合は免許の取消(建築士法第9条)

 

 (株式会社エスコンアセットマネジメント)

許認可等の

名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期間

法令違反の要件及び

主な許認可取消事由

宅地建物

取引業免許

東京都

東京都知事

(1)第97008号

平成26年9月13日から

平成31年9月12日まで

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条)

取引一任

代理等認可

国土交通省

国土交通大臣認可

第105号

平成28年3月30日取得

期間の定め無し

不正な手段による認可の取得や業務に関し取引の関係者に損害を与え情状が特に重い場合は認可の取消(宅地建物取引業法第67条の2)

金融商品取引業

(投資運用業、投資助言・代理業、第二種金融商品取引業)

関東財務局

関東財務局長

(金商)

第2825号

(投資助言・代理業、

第二種金融商品取引業)

平成27年2月24日取得

(投資運用業)

平成28年8月25日取得

期間の定め無し

不正な手段による認可の取得や業務に関し取引の関係者に損害を与え情状が特に重い場合は認可の取消(宅地建物取引業法第67条の2)

 

 (株式会社エスコンリビングサービス)

許認可等の

名称

所管官庁等

許認可等の内容

有効期間

法令違反の要件及び

主な許認可取消事由

宅地建物

取引業免許

東京都

東京都知事

(1)第99761号

平成28年10月8日から

平成33年10月7日まで

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条)

マンション管理の適正化の推進に関する法律に基づくマンション管理業者登録

国土交通省

国土交通大臣

(1)第034245号

平成28年10月5日から

平成33年10月4日まで

不正な手段による登録の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は登録の取消(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第83条)

 

   (2)経済情勢、金利動向等の変動による影響について

 当社グループの中核事業である分譲マンションに関する事業は、過去の実績・経験・知識を活かすとともに、用地仕入れを含む商品企画に特化しており、立地条件はもとより、設計・工法・仕様・設備といった質の面でも、魅力ある商品を提供し、価格の優位性を含め高い競争力を保持していると自負しております。

 このように、物件別の事業計画において、様々な面を考慮し、販売価格帯を慎重に検討した上で物件の販売を行っておりますが、事業計画において決定した価格での販売が、景気動向・経済情勢、金利、税制、地価の動向等による需給のバランスの悪化や、マンション販売会社の質の低下、競合会社との間の価格競争の激化及び建築工事費の高騰等によって、計画どおりに進まない場合、予想し得ない地中障害等の瑕疵、建築段階における施工不良、施工会社の倒産といった建築遅延等により引渡時期の遅延及び計画予定外のコスト負担が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、不動産賃貸事業についても、賃料下落や空区画率の上昇に対するリスク対策を講じておりますが、景気動向・経済情勢等の影響もしくは、商業施設における主要テナントの退去及び利用状況等によっては、賃料下落や保有資産の稼働率が低下することもあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

   (3)資産価値の下落による影響について

 今後の景気動向や不動産市況の悪化等により、当社保有のたな卸資産及び固定資産の資産価値が低下した場合は、たな卸資産の簿価の切り下げ並びに減損処理が適用され、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

   (4)有利子負債への依存等について

 当社グループは、不動産事業に係る用地取得費等については、主にプロジェクトファイナンス等の金融機関からの借入金によって調達しており、また、マンション分譲事業においては、用地取得から事業化又は売却までに時間を要し、有利子負債残高が総資産に対して高い割合となっております。当社グループとしては、主力行をはじめとする金融機関との良好な取引関係の構築・維持に努めるとともに、財務基盤の強化・安定化に注力していく方針でありますが、調達金利の上昇や金融環境の大幅な悪化等により、資金調達が不十分あるいは不調に至ったときには、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、最近3連結会計年度における有利子負債等の状況は次のとおりであります。

 

 

平成26年12月期

平成27年12月期

平成28年12月期

 有利子負債残高(百万円)

(A)

35,430

39,739

51,177

 総資産額(百万円)

(B)

50,141

58,088

73,703

 有利子負債依存度(%)

(A/B)

70.7

68.4

69.4

 支払利息(百万円)

 

706

795

999

 

   (5)人材について

 当社グループは、縦割りの組織ではなく、横との連携を密にとり、効率的かつ機動的な経営を指向し、柔軟に事業推進を行い、少人数で最大の価値とパフォーマンスを生み出す組織体制の構築を目指しております。当社グループが推進する不動産に係る事業については様々なノウハウを要する業務であり、人材は極めて重要な経営資源であります。当社グループが確実な事業推進と企業成長をしていくためには、ノウハウ・情報の共有化、従業員の継続的能力の向上に努めるとともに、専門性の高い人材の確保やマネジメント層並びに次世代を担う若手社員の採用及び育成・教育が不可欠であります。しかしながら、当社グループが求める人材の確保や育成が十分できない場合、あるいは現時点における有能な人材が社外流出した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

   (6)個人情報の管理について

 当社グループは、事業展開するに当たり、マンション及び分譲戸建住宅をご購入いただいたお客様、もしくはご検討いただいたお客様、あるいは賃貸マンションに居住されるお客様の個人情報をお預かりしており、「個人情報の保護に関する法律」に定められる個人情報取扱業者であります。当社グループといたしましては、個人情報の取扱いに関するルール(基本方針・規程・マニュアル)を設け、体制整備を行い、また、システム上においては、個人情報のファイル保管の厳重化、OAシステム監視ソフトの導入、アクセス権限の制限等を行っており、個人情報以外の情報の取扱いも含めて情報管理全般にわたる体制強化を図っております。

 しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合、当社グループの信用失墜による売上の減少、又は、損害賠償による費用発生の可能性も考えられ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

   (7)重要な訴訟について

 訴訟等の対象となるリスクについては、取締役及び各部門のリスク管理委員で構成されるリスク管理委員会においてリスク状況の監視及び全社的情報共有をいたしております。将来、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

   (8)税務上の繰越欠損金に関するリスクについて

 現在当社グループは、税務上の繰越欠損金を有しているため利益に課税される法人税、住民税及び事業税の負担が軽減されております。そのため、事業計画の進展如何によっては繰越欠損金に対する課税所得の認容の時期が事業計画と異なり、親会社株主に帰属する当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

   (1)財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産については、前連結会計年度末比15,614百万円増加し、73,703百万円となりました。これは主に現金及び預金が3,687百万円、たな卸資産が17,468百万円及び繰延税金資産が1,548百万円それぞれ増加したこと、有形固定資産が8,700百万円減少したことによるものであります。

 負債については、前連結会計年度末比12,245百万円増加し、56,339百万円となりました。これは主に長期・短期の借入金・社債が11,304百万円増加したことによるものであります。

 純資産については、前連結会計年度末比3,369百万円増加し、17,363百万円となりました。これは主に当期純利益3,936百万円を計上したことによるものであります。

 

   (2)経営成績の分析

 当連結会計年度の業績は売上高34,347百万円(前連結会計年度比24.0%増)、営業利益4,680百万円(前連結会計年度比16.6%増)、経常利益3,575百万円(前連結会計年度比14.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,936百万円(前連結会計年度比29.5%増)となりました。

 なお、セグメントの売上高及び営業利益の概況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

 

   (3)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて3,976百万円増加し、8,191百万円(前連結会計年度末は4,214百万円)となりました。

 なお、各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。