(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待できるものの、地政学的リスクの高まりや海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある等、先行きが不透明な状況にもあります。
当社グループが属する不動産業界においては、金融緩和政策による低金利等により底堅く堅調に推移しているものの、地価の上昇や土地取得競争の激化等、楽観視できない状況にあります。
このような事業環境のもと、当期(平成29年12月期)より始動した第2次中期経営計画「IDEAL to REAL 2019」に基づき多面的な事業を積極的に展開いたしました。
中核事業である不動産販売事業においては、収益不動産の販売等を行うとともに、分譲マンションの販売も順調に進捗いたしました。
分譲事業においては当期竣工の「レ・ジェイド桜上水ティアラ(東京都世田谷区、総戸数42戸)」、「レ・ジェイド高槻ザ・マークス(大阪府高槻市、総戸数95戸)」が引渡完売するとともに、「レ・ジェイド横濱花之木(横浜市南区、総戸数69戸)」、「レ・ジェイド高槻クロス(大阪府高槻市、総戸数80戸)」、「レ・ジェイド大津なぎさ公園(滋賀県大津市、総戸数44戸)」、「レ・ジェイド伏見中書島(京都市伏見区、総戸数83戸)」等の販売が順調に進捗するとともに、来期(平成30年12月期)竣工予定の「フィールガーデン南千里(大阪府吹田市、総戸数214戸」、「レ・ジェイドサザンゲート豊田(東京都日野市、総戸数51戸)」、「レ・ジェイド南森町(大阪市北区、総戸数29戸)」、「グラン レ・ジェイド岡本(神戸市東灘区、総戸数18戸)」は契約完売しております。
商業開発事業においては、大阪府堺市、滋賀県近江八幡市、岡山県倉敷市、愛知県名古屋市、京都府向日市、千葉県千葉市等の商業施設及び商業施設の底地を取得するとともに、新たな事業分野として物流施設の事業用地の取得や、土地区画整理事業への参画等、着実に事業の多様化を推進しております。
さらに、インバウンドニーズを捉えたホテル開発事業にも注力し、札幌、金沢、東京、大阪において既に15プロジェクト(1,963室)の事業を推進し、当期においては4プロジェクトが開業しました。
このように、当連結会計年度において分譲、商業、リノベーション事業、ホテル、物流開発等、多面的な開発予定地として、首都圏11案件、近畿圏10案件、その他地域2案件の新規事業用地の取得を行い、着実かつ積極的に事業を展開しております。
不動産賃貸事業においては、当社が保有する商業施設における安定的な賃料収入の確保と資産価値の向上に努めております。
不動産企画仲介コンサル事業においては、当社が強みとする企画力等を活かし、業務受託、企画仲介コンサル事業等ノンアセットで利益率の高い事業として注力しております。
平成29年12月には、エスコンジャパンリート投資法人は増資を完了し、資産規模約110億円の私募REITとなり、REIT上場に向け始動いたしました。
このように、多面的な事業展開を行い、更なる発展と企業価値の向上に努めております。
この結果、当連結会計年度の業績は売上高44,724百万円(前連結会計年度比30.2%増)、営業利益7,042百万円(前連結会計年度比50.5%増)、経常利益5,988百万円(前連結会計年度比67.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,456百万円(前連結会計年度比38.6%増)となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益については、平成19年12月期の4,473百万円を上回り、過去最高益を更新しました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
①不動産販売事業
不動産販売事業においては、分譲マンションの販売を推進したこと及び販売用不動産、仕掛販売用不動産の販売等を行った結果、売上高41,168百万円(前連結会計年度比34.2%増)、セグメント利益7,978百万円(前連結会計年度比66.3%増)となりました。
②不動産賃貸事業
不動産賃貸事業においては、保有する収益不動産の賃料収入の増加を含めた資産価値の向上を図るべくリーシング活動及びプロパティマネジメント事業に注力しましたが、固定資産として保有していた収益不動産を譲渡したこと等により、売上高3,459百万円(前連結会計年度比3.8%減)、セグメント利益1,761百万円(前連結会計年度比14.4%減)となりました。
③不動産企画仲介コンサル事業
不動産企画仲介コンサル事業においては、企画力、多面的な事業構築力を最大限に活かし、企画コンサル等の業務受託等に積極的に取り組んだ結果、売上高96百万円(前連結会計年度比47.8%増)、セグメント利益85百万円(前連結会計年度比31.2%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2,453百万円増加し、10,644百万円(前連結会計年度末は8,191百万円)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により減少した資金は10,694百万円(前連結会計年度は14,684百万円の資金の減少)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益を6,232百万円計上したこと、たな卸資産の増加額が18,943百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により増加した資金は9,167百万円(前連結会計年度は7,656百万円の資金の増加)となりました。これは主として固定資産の売却等による純収入11,651百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により増加した資金は3,979百万円(前連結会計年度は11,003百万円の資金の増加)となりました。これは主として、長期・短期借入金の借入れ、返済による純収入5,444百万円、自己株式の取得による支出748百万円及び配当金の支払額1,016百万円によるものであります。
(1)契約実績
最近2連結会計年度における不動産販売事業の契約実績は、次のとおりであります。
|
区分 |
前連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
||||||
|
期中契約高 |
期末契約残高 |
期中契約高 |
期末契約残高 |
|||||
|
物件戸数 (戸) |
金額 (百万円) |
物件戸数 (戸) |
金額 (百万円) |
物件戸数 (戸) |
金額 (百万円) |
物件戸数 (戸) |
金額 (百万円) |
|
|
中高層住宅等 |
473 |
20,246 |
208 |
8,713 |
597 |
25,259 |
329 |
14,471 |
|
その他 |
- |
17,544 |
- |
13,413 |
- |
13,389 |
- |
5,135 |
|
計 |
473 |
37,791 |
208 |
22,127 |
597 |
38,648 |
329 |
19,606 |
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)主な販売実績
最近2連結会計年度の主な販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
||||
|
物件名 |
物件 戸数 (戸) |
金額 (百万円) |
物件名 |
物件 戸数 (戸) |
金額 (百万円) |
|
|
不動産販売事業 |
分譲マンション |
469 |
19,625 |
分譲マンション |
476 |
19,500 |
|
福岡春日7工区 |
- |
3,079 |
トナリエ南千里 |
- |
4,026 |
|
|
中央区島町 |
- |
2,223 |
トナリエ清和台 |
- |
3,290 |
|
|
神戸市西区王塚台 |
- |
2,130 |
日本橋茅場町 |
- |
2,200 |
|
|
分譲戸建 |
22 |
1,240 |
札幌市中央区南7条 |
- |
2,200 |
|
|
茨城県土浦市 |
- |
969 |
倉敷市老松町 |
- |
2,121 |
|
|
名古屋砂田橋 |
- |
480 |
金沢市尾山町 |
- |
1,800 |
|
|
名張市桔梗が丘 |
- |
477 |
中央区平野町 |
- |
1,650 |
|
|
日光市豊田 |
- |
352 |
日本橋馬喰町 |
- |
1,520 |
|
|
茅ヶ崎市美住町 |
- |
81 |
西成区北津守 |
- |
1,270 |
|
|
高槻市城西町 |
- |
28 |
文京区本駒込 |
- |
750 |
|
|
|
|
|
西区川口2丁目 |
- |
389 |
|
|
|
|
|
福岡春日 |
- |
231 |
|
|
|
|
|
渋谷区千駄ヶ谷5丁目 |
- |
91 |
|
|
|
|
|
福岡春日7工区 |
- |
46 |
|
|
|
|
|
その他 |
- |
81 |
|
|
小計 |
491 |
30,687 |
小計 |
476 |
41,168 |
|
|
不動産賃貸事業 |
|
|
3,594 |
|
|
3,459 |
|
不動産企画仲介 コンサル事業 |
|
|
65 |
|
|
96 |
|
|
合計 |
34,347 |
合計 |
44,724 |
||
(注)1 セグメント間の取引はありません。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
エスコンジャパンリート投資法人 |
- |
- |
7,417 |
16.6 |
|
合同会社アリエス |
- |
- |
5,920 |
13.2 |
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
私たちは、日々をいかに生き、どのように社会参加するべきか、そして、社会貢献を通じて、どのような果実を社会にもたらし、その結果としていかにして私たち一人一人が望む幸福を実現することができるのか。この命題に対する解答を得るために、社員相互が助け励まし合い、それぞれが目指す個性的な『自己実現』への階段を大真面目に上って行けるフィールドを提供し続けることこそが、日本エスコングループが考える経営理念であります。この経営理念の実現のため、以下の経営方針を掲げ、その具現化に向け邁進しております。
①情報力、企画力、商品開発力により、不動産が持つ無限の可能性を引出し顧客に心から満足いただける新たな価値を創造する。
②ROA及びキャッシュ・フローとリスクの徹底管理を主軸とした守りに強い業務管理を行うことにより、常に先手を取った攻めのできる経営を目指す。
③急速に変化する社会において迅速な対応力と機動力を維持するため、少数精鋭のプロ集団を目指す。
④社内社外を問わず常に同僚(他社)を敬い、感謝し、優良な協力関係を維持、構築する。
⑤コンプライアンス及びガバナンスを意識して内部監査制度を充実させるとともに、ボトムアップの風通しの良い組織形成を行う。
(企業ブランディングコンセプト)
IDEAL to REAL ~理想を具現化し、新しい未来を創造する~
ハードの開発だけではなく、そこで暮らす人たちの幸せを思い描き、暮らしそのものを開発すること、それこそが、私たちが目指すべき「ライフ・デベロッパー」であります。これまでの前例や既成概念にとらわれることなく新しい姿勢で、「新しい豊かさ」を創造し、人と人、地方と未来をつないでいくことを目指しております。不動産の持つ無限の可能性を探り、理想を具現化してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
このような環境下、当社グループは、次なるステージへのチャレンジとして、平成29年12月期から平成31年12月期の3ヶ年を期間とする第2次中期経営計画『IDEAL to REAL 2019』を推進しております。
1.基本方針 『IDEAL to REAL 2019』 理想を具現化し新しい未来を創造します。
お客様第一主義の基本理念を踏襲し、暮らしそのものを開発する「ライフ・デベロッパー」としての使命を確実に果たし、社会に必要とされる企業として、引き続き進化・成長してまいります。
( Corporate Strategy -経営戦略- )
(1)企業価値の最大化と株主様への還元
(2)いかなる経済環境にも耐えうる強固な経営基盤の確立
(3)継続的かつ安定的な成長のための事業の多様性確立
(4)企業規模(量)の拡大ではなく、強固な事業基盤(質)の構築
(5)企業の社会的責任を遂行し、株主様への還元のみならず、あらゆるステークホルダー、社会への還元
2.Growth Action Plan -成長戦略-
(1)コア事業の更なる強化
コア事業であるマンション分譲事業において、単に分譲戸数を拡大するのではなく、年間500~600戸を安定供給していきます。第2次中期経営計画の最終年度である平成31年12月期には、分譲マンションの販売を自社販売体制に完全に移行し、お客様の更なる信頼を獲得し従来の販売体制で外部流出していた販売経費を内部に取り込み利益率の向上を図ります。
(2)複数のコア事業の多様性確立による企業価値の向上
マンション分譲事業をメインのコア事業にしながら、商業開発事業、ホテル開発事業を新たなコア事業として確立していきます。さらに、不動産関連事業の多様化を図り、コア事業の複数化により幾重にも事業機会を捉えることができる総合デベロッパーを目指します。
(3)不動産賃貸事業の積極展開による長期安定的なストック収益の確保
不動産賃貸事業の積極的な展開により、事業の多様化による商品としての不動産価格変動リスクの軽減を図り、長期安定した賃貸収益を産む良質な資産を保有し、経営の更なる安定性の向上を目指します。具体的には、第2次中期経営計画の最終年度である平成31年12月期には、一般管理費を賃貸収入で完全にカバーできる賃貸資産を保有、又は開発着手を目指します。
(4)上場REIT組成によるメインスポンサーとして、良質物件の安定供給による不動産販売事業拡大
平成28年8月に設立した投資法人を早期に東京証券取引所への上場を実現し、REITの外部成長戦略のメインスポンサーとして、商業施設の底地を中心に良質な物件を安定的に供給し、REITの持続的成長を支えながら、当社不動産販売事業を拡大していきます。
(5)不動産オペレート事業の充実による不動産開発力の幅と奥行きの拡大
不動産を開発するだけではなく、不動産の利用形態に適合するオペレーション機能を有する唯一無二の総合デベロッパーを目指します。具体的にはアセットマネジメント事業、商業施設等のプロパティマネジメント事業に加え、ホテル運営、カフェ等飲食店舗運営、マンション管理事業、リノベーション事業等に当社グループ各社で積極的に取り組み、不動産の持つ価値を最大限に引き出します。
(6)企業ブランド力の向上
積極的な広報戦略を実行し、企業ブランド力を向上してまいります。分譲マンション「レ・ジェイド」の質の向上を徹底的に追求し、お客様から圧倒的な信頼と支持を得ることで、商品ブランドの認知度を向上いたします。
(7)ESG推進による新たな価値創造と持続可能な成長の実現
日本エスコンは、お客様第一主義を基本理念とし、さらに「環境・社会・ガバナンス」の尺度から、企業価値を高めてまいります。
また、まちづくりを通じて、時代とともに変化する価値に対応し、社会を取り巻く課題に、暮らしを創造するライフ・デベロッパーとして取り組んでいきます。
3.経営目標
|
|
平成28年12月期 |
平成29年12月期 |
平成31年12月期 |
|
|
(実績) |
(実績) |
(計画) |
|
自己資本比率 |
23.6% |
24.8% |
33.0%~35.0% |
|
ROE(自己資本利益率) |
25.1% |
28.1% |
18.0%~21.0% |
|
ROA(総資産利益率) |
6.0% |
6.8% |
6.0%~7.0% |
|
ROIC(投下資本利益率) |
6.5% |
8.4% |
7.0%~9.0% |
|
EPS(1株当たり当期純利益) |
58.76円 |
81.77円 |
75円~85円 |
4.業績目標
(単位:百万円)
|
|
平成28年 12月期 |
平成29年12月期 |
平成30年 12月期 |
平成31年 12月期 |
||
|
|
(実績) |
(計画) |
(実績) |
(計画比) |
(計画) |
(計画) |
|
売上高 |
34,347 |
45,500 |
44,724 |
△775 |
55,700 |
60,000 ~ 62,000 |
|
不動産販売事業 |
30,687 |
42,700 |
41,168 |
△1,531 |
52,600 |
57,800 ~ 59,700 |
|
不動産賃貸事業 |
3,594 |
2,600 |
3,459 |
+859 |
2,900 |
2,000 ~2,100 |
|
不動産企画仲介 コンサル事業 |
65 |
200 |
96 |
△103 |
200 |
200 |
|
営業利益 |
4,680 |
5,700 |
7,042 |
+1,342 |
9,900 |
8,200 ~ 9,500 |
|
経常利益 |
3,575 |
4,800 |
5,988 |
+1,188 |
8,700 |
7,200 ~ 8,500 |
(3)会社の対処すべき課題
企業を取り巻く経営環境は、急速な高齢化、所得の格差、人口の減少、外国人の流入、インターネットにより広がる情報格差など、かつてない社会構造の急速な変化の中にあり、お客様の選別や評価はなお一層厳しく、競争は激化するとともに企業の存在価値を常に問われる事業環境にあります。当社グループが、このように加速度的に多様化する時代に、継続的に成長し社会貢献していくためには、これまでの前例や既成概念にとらわれることのない新しい姿勢で、優良な商品の安定供給、強固な財務基盤、安定した成長、お客様の満足を糧に確実に成長していくことを方針とし、なによりもそこに暮らす人たちの幸せを思い描き、理想を具現化し未来を創造する、暮らしそのものを開発する「ライフ・デベロッパー」を目指す必要があります。
住宅開発、商業開発、ホテル開発、企画コンサルティング、施設運営管理、資産運用といった不動産ビジネスの多面的な展開により、常に事業の最適バランスを見据えた事業運営を図り、いかなる経済環境にも耐えうる強固な経営基盤を確立するとともに、企業価値の最大化、株主様への更なる還元を行うことにより、他にはないオンリーワンの企業を目指してまいります。
具体的な課題としては次のとおりであります。
(1)経営管理体制
一定の利益を確保できる土地の価格には当然上限があり、適正な価格での仕入れがもっとも重要な課題の一つであります。良質な用地の仕入れを行うためには、人材の確保と育成、情報ルートの常なる拡大、迅速な判断、慎重かつ大胆な決断が必要となります。
業種特性として、借入残高が大きくなる傾向にあることから、金利上昇環境においては予定した利益計画に差異の出ることも予想され、調達コストの低減、調達方法の多様化、キャッシュ・フローの改善等を強化しつつ、更なる強固な財務基盤の構築継続が必要となります。第2次中期経営計画の達成はもとより、いかなる経済環境においても安定した経営を可能とする財務体質の強化に引き続き注力してまいります。
(2)自社独自体制の強化
当社グループは暮らしをデベロップする「ライフ・デベロッパー」の具現化に取り組んでいます。分譲マンションについては、ファミリーを中心とした実需で購入いただくお客様目線で、将来に渡り、住み心地を追求し、それぞれのプロジェクトの立地や周辺環境等により企画デザイン間取り等を考慮し、お客さまのニーズを創造するものづくりを特徴としております。
不動産はひとつとして同じ形状、立地のものはございません。その形状、立地はもとより、その地域、エリアに住む方々や当社が開発する住宅等に住まわれる方々にとって、理想の住宅、理想のまち、理想の生活環境を提案、提供していくことが当社のミッションであると考え、単なる住宅という空間を創るだけではなく、より豊かな暮らしを提案する「ライフ・デベロッパー」であることを当社グループは目指しております。
比較的容易に特徴を出すことのできる仕様やデザインだけではなく、土地取得段階やさらに基本設計(企画)の段階で、商品に競争力を持たせるため、お客様のニーズに合った付加価値の創造、及び収益の向上を目指し、プロジェクトの規模や供給戸数を追求するのではなく、常に最適な企画は何なのかを追求いたします。
このため、プロジェクト推進に当たっては、仕入、企画、販売の担当それぞれが一連のプロジェクトとして最初から最後まで関わり主担当として完結させる事業体制をとっており、当社の強みであるこの体制を常に維持し、強化することによりいかなる事業環境においても優位性を保つことができるよう、常に危機意識を持ち事業を推進してまいります。
(3)新規事業
経済環境のいかなる変化によっても、自己保有が可能なNOI基準を設定・遵守し、案件の取得開発を実行しております。
不動産流動化事業については、連結子会社である株式会社エスコンアセットマネジメントにおいてREITの上場を見据え、商業テナント底地開発を重点的に推進するために、人員の補強等を着実に行うとともに、開発案件の情報収集並びに物件取得についても、引き続き注力してまいります。
また、不動産を開発するだけでなく、不動産の利用形態に適合するオペレーション機能を有する唯一無二の総合デベロッパーとしての地位を確立するため、連結子会社である株式会社エスコンリビングサービスにおいて、不動産オペレート事業の充実による不動産開発力の幅と奥行きの拡大を図ってまいります。
有価証券報告書に記載しております第2 事業の状況、第5 経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあると考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成30年3月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)法的規制等について
会社法や金融商品取引法の規制のほか、当社グループが属する不動産業界では、「国土利用計画法」、「宅地建物取引業法」、「建築基準法」、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」、「不動産特定共同事業法」、「資産の流動化に関する法律」、「信託業法」、「貸金業法」等により法的規制を受けております。
また、当社グループは、不動産業者として、「宅地建物取引業法」、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」等に基づく免許を受け不動産販売及び関連事業を行っておりますが、これらの改廃や新たな法的規制の新設によっては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループが取得している許認可、免許及び登録等の状況は以下のとおりであります。
(株式会社日本エスコン)
|
許認可等の 名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期間 |
法令違反の要件及び 主な許認可取消事由 |
|
宅地建物 取引業免許 |
国土交通省 |
国土交通大臣免許 (4)第6034号 |
平成27年7月7日から 平成32年7月6日まで |
不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条) |
|
建設業許可 (大阪府知事 -特定) 建築・土木 |
大阪府 |
大阪府知事許可 (特-26) 第123824号 |
平成27年3月11日から 平成32年3月10日まで |
管理責任者不在等の要件欠如に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条) |
|
一級建築士 事務所登録 (①大阪) (②東京) |
①大阪府
②東京都 |
①大阪府知事登録 (ニ)第18579号 ②東京都知事登録 第48798号 |
①平成27年7月31日から 平成32年7月30日まで ②平成25年6月10日から 平成30年6月9日まで |
不正な手段による登録の取得や役員の欠格条項違反に該当した場合は登録の抹消(建築士法第23条の8) |
|
不動産特定 共同事業 |
金融庁 国土交通省 |
金融庁長官・ 国土交通大臣 第47号 |
平成18年9月20日取得 期間の定め無し |
不正な手段による許可の取得や定められた資本金等の額が定められた額を満たさなくなった等の不適合となった場合は許可の取消(不動産特定共同事業法第36条) |
|
金融商品取引業 (第二種金融商品取引業)
|
金融庁 |
関東財務局長 (金商) 第3018号 |
平成29年10月10日取得 期間の定め無し |
不正な手段による登録や資本金不足、業務又は財産の状況に照らし支払不能に陥る恐れがある場合は登録の取消(金融商品取引法第52条) |
(株式会社エスコンプロパティ)
|
許認可等の 名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期間 |
法令違反の要件及び 主な許認可取消事由 |
|
宅地建物 取引業免許 |
国土交通省 |
国土交通大臣免許 (1)第8527号 |
平成25年10月26日から 平成30年10月25日まで |
不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条) |
|
一級建築士 事務所登録 |
大阪府 |
大阪府知事登録 (イ)第24358号 |
平成25年9月27日から 平成30年9月26日まで |
不正な手段による登録の取得や役員の欠格条項違反に該当した場合は登録の抹消(建築士法第23条の8) |
(株式会社エスコンアセットマネジメント)
|
許認可等の 名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期間 |
法令違反の要件及び 主な許認可取消事由 |
|
宅地建物 取引業免許 |
東京都 |
東京都知事 (1)第97008号 |
平成26年9月13日から 平成31年9月12日まで |
不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条) |
|
取引一任 代理等認可 |
国土交通省 |
国土交通大臣認可 第105号 |
平成28年3月30日取得 期間の定め無し |
不正な手段による認可の取得や業務に関し取引の関係者に損害を与え情状が特に重い場合は認可の取消(宅地建物取引業法第67条の2) |
|
金融商品取引業 (投資運用業、投資助言・代理業、第二種金融商品取引業) |
金融庁 |
関東財務局長 (金商) 第2825号 |
(投資助言・代理業、 第二種金融商品取引業) 平成27年2月24日取得 (投資運用業) 平成28年8月25日取得 期間の定め無し |
不正な手段による登録や資本金不足、業務又は財産の状況に照らし支払不能に陥る恐れがある場合は登録の取消(金融商品取引法第52条) |
(株式会社エスコンリビングサービス)
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許認可等の 名称 |
所管官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期間 |
法令違反の要件及び 主な許認可取消事由 |
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宅地建物 取引業免許 |
東京都 |
東京都知事 (1)第99761号 |
平成28年10月8日から 平成33年10月7日まで |
不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条) |
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マンション管理の適正化の推進に関する法律に基づくマンション管理業者登録 |
国土交通省 |
国土交通大臣 (1)第034245号 |
平成28年10月5日から 平成33年10月4日まで |
不正な手段による登録の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は登録の取消(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第83条) |
(2)経済情勢、金利動向等の変動による影響について
当社グループの中核事業である分譲マンションに関する事業は、過去の実績・経験・知識を活かすとともに、用地仕入れを含む商品企画に注力しており、立地条件はもとより、設計・工法・仕様・設備といった質の面でも、魅力ある商品を提供し、価格の優位性を含め高い競争力を保持していると自負しております。
このように、物件別の事業計画において、様々な面を考慮し、販売価格帯を慎重に検討した上で物件の販売を行っておりますが、事業計画において決定した価格での販売が、景気動向・経済情勢、金利、税制、地価の動向等による需給のバランスの悪化や、マンション販売会社の質の低下、競合会社との間の価格競争の激化及び建築工事費の高騰等によって、計画どおりに進まない場合、予想し得ない地中障害等の瑕疵、建築段階における施工不良、施工会社の倒産といった建築遅延等により引渡時期の遅延及び計画予定外のコスト負担が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、不動産賃貸事業についても、賃料下落や空区画率の上昇に対するリスク対策を講じておりますが、景気動向・経済情勢等の影響もしくは、商業施設における主要テナントの退去及び利用状況等によっては、賃料下落や保有資産の稼働率が低下することもあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)資産価値の下落による影響について
今後の景気動向や不動産市況の悪化等により、当社保有のたな卸資産及び固定資産の資産価値が低下した場合は、たな卸資産の簿価の切り下げ並びに減損処理が適用され、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)有利子負債への依存等について
当社グループは、不動産事業に係る用地取得費等については、主にプロジェクトファイナンス等の金融機関からの借入金によって調達しており、また、マンション分譲事業においては、用地取得から事業化又は売却までに時間を要し、有利子負債残高が総資産に対して高い割合となっております。当社グループとしては、主力行をはじめとする金融機関との良好な取引関係の構築・維持に努めるとともに、財務基盤の強化・安定化に注力していく方針でありますが、調達金利の上昇や金融環境の大幅な悪化等により、資金調達が不十分あるいは不調に至ったときには、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、最近3連結会計年度における有利子負債等の状況は次のとおりであります。
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平成27年12月期 |
平成28年12月期 |
平成29年12月期 |
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有利子負債残高(百万円) |
(A) |
39,739 |
51,177 |
56,544 |
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総資産額(百万円) |
(B) |
58,088 |
73,703 |
86,435 |
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有利子負債依存度(%) |
(A/B) |
68.4 |
69.4 |
65.4 |
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支払利息(百万円) |
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795 |
999 |
1,093 |
(5)人材について
当社グループは、縦割りの組織ではなく、横との連携を密にとり、効率的かつ機動的な経営を指向し、柔軟に事業推進を行い、少人数で最大の価値とパフォーマンスを生み出す組織体制の構築を目指しております。当社グループが推進する不動産に係る事業については様々なノウハウを要する業務であり、人材は極めて重要な経営資源であります。当社グループが確実な事業推進と企業成長をしていくためには、ノウハウ・情報の共有化、従業員の継続的能力の向上に努めるとともに、専門性の高い人材の確保やマネジメント層並びに次世代を担う若手社員の採用及び育成・教育が不可欠であります。しかしながら、当社グループが求める人材の確保や育成が十分できない場合、あるいは現時点における有能な人材が社外流出した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(6)個人情報の管理について
当社グループは、事業展開するに当たり、マンション及び分譲戸建住宅をご購入いただいたお客様、もしくはご検討いただいたお客様、あるいは賃貸マンションに居住されるお客様の個人情報をお預かりしており、「個人情報の保護に関する法律」に定められる個人情報取扱事業者であります。当社グループといたしましては、個人情報の取扱いに関するルール(基本方針・規程・マニュアル)を設け、体制整備を行い、また、システム上においては、個人情報のファイル保管の厳重化、OAシステム監視ソフトの導入、アクセス権限の制限等を行っており、個人情報以外の情報の取扱いも含めて情報管理全般にわたる体制強化を図っております。
しかしながら、不測の事態により、個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合、当社グループの信用失墜による売上の減少、又は、損害賠償による費用発生の可能性も考えられ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)重要な訴訟について
訴訟等の対象となるリスクについては、取締役及び各部門のリスク管理委員で構成されるリスク管理委員会においてリスク状況の監視及び全社的情報共有をしております。将来、重要な訴訟等が提起された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)税務上の繰越欠損金に関するリスクについて
現在当社グループは、税務上の繰越欠損金を有しているため利益に課税される法人税、住民税及び事業税の負担が軽減されております。そのため、事業計画の進展如何によっては繰越欠損金に対する課税所得の認容の時期が事業計画と異なり、親会社株主に帰属する当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末の資産については、前連結会計年度末比12,732百万円増加し、86,435百万円となりました。これは主に現金及び預金が2,463百万円、たな卸資産が18,765百万円及び投資有価証券が1,674百万円それぞれ増加したこと、有形固定資産の譲渡等による減少11,418百万円によるものであります。
負債については、前連結会計年度末比8,662百万円増加し、65,002百万円となりました。これは主に長期・短期の借入金が5,444百万円増加したことによるものであります。
純資産については、前連結会計年度末比4,069百万円増加し、21,433百万円となりました。これは配当金の支払1,017百万円及び自己株式の取得748百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益5,456百万円を計上したことによるものであります。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度の業績は売上高44,724百万円(前連結会計年度比30.2%増)、営業利益7,042百万円(前連結会計年度比50.5%増)、経常利益5,988百万円(前連結会計年度比67.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,456百万円(前連結会計年度比38.6%増)となりました。
なお、セグメントの売上高及び営業利益の概況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて2,453百万円増加し、10,644百万円(前連結会計年度末は8,191百万円)となりました。
なお、各キャッシュ・フローの状況とそれらの変動要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。