第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度(平成26年12月1日~平成27年11月30日)におけるわが国の経済は、一部に弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善傾向の中で緩やかな回復基調が続いています。米国の金融政策が正常化に向かう中で、アジア新興国等の景気下振れリスクなどが懸念されますが、個人消費は総じて底堅く推移し、住宅建設においても持ち直しの動きが見られます。

 当社グループが属する不動産業界におきましては、賃料上昇の期待や良好な資金調達環境を背景に、J-REITや私募ファンドによる投資が活発に行われ、外資系法人による取引額も高水準となりました。民間企業の調査によると、平成27年度上期(4月~9月)の上場企業等による国内不動産取引額は、2兆898億円と前年同期比2.5%減の微減ながらほぼ昨年並みとなり、上期実績としては過去3番目の高水準となりました(民間調査機関調べ)。

 首都圏分譲マンション市場では、都区内の人気エリアが市場を牽引し全体としては堅調に推移しているものの、首都圏郊外では建築費高騰を受けた供給減の動きが見られ、平成27年1月~10月における発売戸数は前年比4.4%減の30,000戸超となりました。契約率は好不調の目安とされる70%前後で推移しており、民間調査機関による平成27年通年の発売戸数予測も、現状では昨年並みの45,000戸とする見方が維持されていますが、杭打ち問題の影響もあり、今後の見通しは不透明な状況となっております(民間調査機関調べ)。

 また、首都圏分譲戸建市場においては、平成27年1月~9月の着工戸数は前年同期比4.2%減の41,987戸となりました。住宅ローン減税拡充など政策の後押しもあり、概ね底堅く推移しております(国土交通省調べ)。

 東京ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場では、拡張や拠点統合などの強い需要を背景に空室率は低下傾向が続き、4%台半ばの水準となりました。好調なオフィス需要によって募集賃料の引き上げも進み、平均賃料は平成26年1月以降より小幅な上昇が継続。平成26年末に17,000円程度であった坪単価は、平成27年秋時点において17,600円台となりました(民間調査機関調べ)。

 不動産証券化市場においては、不動産価格の先高観から物件購入を急ぐ動きが見られたこともあり、平成27年1月~9月のJ-REIT物件取得額は、前年同期比19.9%増の1兆3千億円となりました(民間調査機関調べ)。

 なお、平成27年6月末時点J-REIT運用資産額は13兆5千億円、私募ファンドは15兆1千億円となり、合計すると28兆6千億円の市場規模となっております(民間調査機関調べ)。

 このような事業環境の中、当社グループは不動産流動化事業で収益オフィスビルや賃貸マンションなどの一棟販売を順調に進捗させるとともに、不動産開発事業においては、戸建住宅の販売を推進したほか、商業施設等の開発案件への取り組みを進めました。また、将来の収益の源泉となる収益不動産や開発用地の取得を積極的に進めてまいりました。

 以上の結果、当連結会計年度は、売上高43,006百万円(前連結会計年度比14.0%減)、営業利益6,891百万円(同23.9%増)、税引前利益6,040百万円(同29.5%増)、当期利益4,135百万円(同43.9%増)となりました。

 

 セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 

(不動産流動化事業)

 当連結会計年度は、「東陽町トーセイビル」(東京都江東区)、「新宿6丁目ビル」(東京都新宿区)、「小川町東誠ビル」(東京都千代田区)、「渋谷4丁目ビル」(東京都渋谷区)、「SEASCAPE千葉みなと」(千葉県千葉市)、「関内トーセイビルⅡ」(神奈川県横浜市)等24棟のバリューアップ物件の販売を行ったことに加え、Restyling事業において「ヒルトップ横濱根岸」(神奈川県横浜市)、「ヒルトップ横浜東寺尾」(神奈川県横浜市)、「ルネ鎌倉植木」(神奈川県鎌倉市)等で68戸の販売を行いました。当連結会計年度の仕入につきましては、バリューアップ販売物件として、収益オフィスビル、商業施設、賃貸マンション合わせて25棟、土地8件を取得しております。また、連結子会社のTOSEI SINGAPORE PTE.LTD.が、マレーシアでの物件取得を開始し、クアラルンプールにおいて区分所有の収益オフィス・賃貸マンションを5戸取得しております。

 以上の結果、不動産流動化事業の売上高は25,986百万円(前連結会計年度比25.2%減)、セグメント利益は4,187百万円(前連結会計年度比25.7%増)となりました。

 

(不動産開発事業)

 当連結会計年度は、需要が堅調な戸建住宅の販売に注力いたしました。「THEパームスコート柏初石」(千葉県柏市)、「THEパームスコート三ッ池公園」(神奈川県横浜市)、「THEパームスコート文京本駒込」(東京都文京区)、「THEパームスコート川崎大師」(神奈川県川崎市)等において、105戸を販売いたしました。その他では、新築賃貸マンション「THEパームス西台」および6件の土地を販売いたしました。当連結会計年度の仕入につきましては、戸建住宅開発用地等8件を取得しております。

 以上の結果、売上高は6,605百万円(前連結会計年度比8.1%増)、セグメント利益は534百万円(前連結会計年度比23.7%増)となりました。

 

(不動産賃貸事業)

 当連結会計年度は、保有する賃貸用棚卸資産14棟を売却したものの、新たに取得した収益オフィスビル、商業施設、賃貸マンション等20棟が収益に寄与しました。また、従来より保有する固定資産および棚卸資産のリーシング活動にも注力いたしました。

 以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は4,084百万円(前連結会計年度比1.7%減)、セグメント利益は1,730百万円(前連結会計年度比28.4%減)となりました。

 

(不動産ファンド・コンサルティング事業)

 当連結会計年度は、ファンドの物件売却等により182,329百万円のアセットマネジメント受託資産残高が減少したものの、新たに大型案件のアセットマネジメント業務を受託したこと等に伴い、303,513百万円のアセットマネジメント受託資産残高が増加いたしました。当該大型案件の獲得により、アセットマネジメントフィーが増加し、売上に貢献いたしました。

 以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は2,339百万円(前連結会計年度比146.4%増)、セグメント利益は1,373百万円(前連結会計年度比685.1%増)となりました。

 なお、当連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)は、421,792百万円であります。

(注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。

 

(不動産管理事業)

 当連結会計年度は、管理物件の売却等による解約があった中、新規契約の獲得および既存契約の維持に努めたことにより、当連結会計年度末での管理棟数は、オフィスビル、駐車場および学校等で351棟、分譲マンションおよび賃貸マンションで196棟、合計547棟(前連結会計年度末比3棟増加)となりました。

 以上の結果、不動産管理事業の売上高は3,069百万円(前連結会計年度比4.3%増)、セグメント利益は146百万円(前連結会計年度比35.4%減)となりました。

 

(オルタナティブインベストメント事業)

 当連結会計年度は、スポーツクラブ運営に伴う会費収入が収益に寄与しました。また、代物弁済にて取得した不動産のリーシング活動等にも注力いたしました。

 以上の結果、オルタナティブインベストメント事業の売上高は921百万円(前連結会計年度比14.6%減)、セグメント利益は322百万円(前連結会計年度比50.9%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,690百万円増加し、18,791百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローおよびそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により使用した資金は、4,443百万円(前連結会計年度は、344百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前利益6,040百万円を計上したことに加え、不動産流動化事業および不動産開発事業における物件仕入が順調に推移し、物件売却による減少を上回ったことによる棚卸資産の増加8,845百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により獲得した資金は、481百万円(前連結会計年度は、2,878百万円の使用)となりました。これは主に、売却可能金融資産の回収による収入757百万円と投資不動産の取得による支出750百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により獲得した資金は、6,661百万円(前連結会計年度比71.2%増)となりました。これは主に、不動産流動化事業および不動産開発事業の物件仕入が順調に推移し、売却を上回ったことにより、借入による収入が借入金の返済を上回ったためであります。

 

(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

 

(退職給付債務の処理に関する事項)

 IFRSでは、発生した数理計算上の差異はその他の包括利益として認識し、その後リサイクルをしないことが求められています。

 この影響により、日本基準に比べて、退職給付費用は、前連結会計年度4,633千円、当連結会計年度6,222千円減少しております。

 

(有給休暇引当金の処理に関する事項)

 IFRSにおいて、当社及び一部の子会社の有給休暇の見積額を債務として計上しております。

 この影響により、日本基準に比べて、有給休暇引当金繰入額(販売費及び一般管理費)は、前連結会計年度3,706千円減少、当連結会計年度981千円増加しております。

 

(非上場有価証券等の処理に関する事項)

 日本基準において、ファンドに対する出資額等、活発な市場を有しない金融資産や非上場有価証券の処理については、取得原価により評価を行っておりましたが、IFRSにおいては売却可能金融資産として一定の評価技法等を用いて公正価値で評価しております。この影響により、日本基準に比べて、売却可能金融資産の公正価値の純変動は、前連結会計年度55,653千円増加、当連結会計年度55,653千円減少しております。

 

(表示の組替)

 日本基準では、金融収益、費用を除くその他の営業外損益と特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、これらの項目も営業損益に含まれております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは、不動産流動化事業、不動産開発事業、不動産賃貸事業、不動産ファンド・コンサルティング事業、不動産管理事業、オルタナティブインベストメント事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、生産実績の記載はしておりません。

 

(2)受注実績

 当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成26年12月1日

至 平成27年11月30日)

前連結会計年度比

(%)

金額(千円)

不動産流動化事業

25,986,125

△25.2

不動産開発事業

6,605,956

8.1

不動産賃貸事業

4,084,886

△1.7

不動産ファンド・コンサルティング事業

2,339,184

146.4

不動産管理事業

3,069,740

4.3

オルタナティブインベストメント事業

921,071

△14.6

合計

43,006,964

△14.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成25年12月1日

至 平成26年11月30日)

当連結会計年度

(自 平成26年12月1日

至 平成27年11月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

トーセイ・リート投資法人

17,573,877

35.2

10,791,865

25.1

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1)当面の対処すべき課題の内容

 中期経営計画の達成に向けての対処すべき課題は、

①既存6事業のさらなる拡大に向け、再生用および開発用の不動産・事業用地仕入の強化と再生力・開発力・販売力・リーシング力の向上、賃貸用不動産・アセットマネジメント受託資産・不動産管理受託資産の残高の拡大、そのための不動産投資市場・住宅市場・内外金融市場の動向の見極めと不動産市場の変化に対する迅速な対応

②グループの業容拡大、ガバナンス強化への社会的要請の高まりを受け、効果的かつ効率的なグループ全体の内部統制の再構築および内部管理部門の強化

③業容拡大に向けた多様な人材の確保と育成、そのための業務の高度化・権限委譲・新規業務の創出等による従業員満足度の向上

④「革新・挑戦」と「安心・信頼」を兼ね備えた『トーセイブランド』の確立に向けた継続的な取り組み(商品供給、サービス提供、社会貢献)の更なる強化

であります。

(2)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

①基本方針の内容

 当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。

 当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。

 しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 当社の財務及び事業の方針を決定する者たる資質としては、特に、当社グループの能力の最大化につながる「不動産と金融の融合」を可能とする6つの事業領域を自社でカバーする体制、およびそれを支える不動産と金融の専門的な知識・経験をもった従業員、多彩な価値創造技術を支える能力や情報ネットワークの構築に基づき時間をかけて醸成してきた不動産業界における信用および総合的事業を可能とするノウハウへの理解が必要不可欠です。当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務および事業の内容を理解するのは勿論のこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解した上で、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。

 当社としては、このような当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

②基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

 当社グループは、新中期経営計画『Advancing Together 2017』(2014年12月~2017年11月)において、既存6事業のさらなる拡大・発展及び周辺事業領域への進出検討により、経営基盤の一層の強化を図り、事業拡大に伴ったグループ拡大・人員増に向けて最適なガバナンスを構築するとともに効率的な組織運営体制の構築に取り組みます。さらに当社グループの最重要財産である人材育成に注力し、グループ社員の従業員満足度を高めてまいります。一方で、さらなる企業成長のために、顧客満足度の高い商品や、高品質のサービスを提供することにより、オリジナリティーあふれる“トーセイブランド”を確立していくことを新中期経営計画の基本方針しております。これらの方針の基に、「グローバルな発想を持つ心豊かなプロフェッショナルとして、新たな価値と感動を創造」していくグループであるために、ベンチャー精神を持って既成の概念を打破し、リスクテークする企業集団として、さらに邁進してまいります。

 当社グループでは、これまでにも、複数の社外取締役(2名)の選任、全監査役(5名)の社外招聘、及び社外役員7名全員を東京証券取引所の「上場会社コーポレートガバナンス原則」に従った「独立役員」として届出を行っております。また、執行役員制の導入による業務執行機能強化、コーポレート・ガバナンス会議の設置などに取り組んでまいりましたが、今後とも、コーポレート・ガバナンスのより一層の強化に取り組んでまいります。具体的には、当社のコンプライアンス規範に則り、模範的行動レベルから理想的行動レベルへ高次なコンプライアンス意識に基づく行動を実践すること、企業活動に伴うリスクを的確に把握・分析し、リスク・マネジメントを徹底すること、フェアディスクローズの精神に基づき、正確な会社情報を迅速に公表し、投資家を含むあらゆるステークホルダーへの説明責任を継続して果たすことなどに注力してまいります。

③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

 本プランは、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、または向上させることを目的とするものです。

 本プランは、当社株券等に対する買付等(①当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他の取得、もしくは②当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する当社株券等の買付その他の取得またはこれらに類似する行為等)を行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)が従うべき手続等について定めております。

 具体的には、買付者等には、買付等に先立ち、意向表明書および必要情報等を記載した買付説明書等を当社に対して提出していただきます。

 これを受け、独立委員会において、独立した専門家の助言を得ながら、買付等の内容の検討、買付者等と当社取締役会の経営計画・事業計画等に関する情報収集・比較検討、当社取締役会の提示する代替案の検討等、買付者等との協議・交渉等を行うとともに、当社においては、適時に情報開示を行います。

 独立委員会は、本プランに定められた手続に従わなかった買付等や当社の企業価値および株主共同の利益の確保・向上に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等であって、かつ、本新株予約権の無償割当てを実施することが相当である場合等には、当社取締役会に対し、新株予約権の無償割当てを実施すべき旨の勧告を行います。また、株主意思確認総会が開催された場合には、これに従うものとします。この新株予約権には、買付者等による権利行使は原則として認められない旨の行使条件および原則として当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項等が付されております。当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重して、本新株予約権の無償割当ての実施または不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行うものとし、また、株主意思確認総会が開催された場合には、これに従うものとします。買付者等は、本プランに係る手続が開始された場合には、当社取締役会において本プランの発動をしない旨の決議がなされるまでの間、買付等を行ってはならないものとします。本プランの有効期間は、第65回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。但し、有効期間の満了前であっても、当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。

④具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

 当社取締役会は、当社の中期経営計画をはじめとする企業価値向上のための取組みやコーポレート・ガバナンスの強化といった各施策は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針に沿うものであり、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと判断しております。

 また、当社取締役会は、本プランについては、その更新について株主総会の承認を得ていること、その有効期間が最長約3年間と定められた上、当社取締役会の決議によりいつでも廃止できるとされていること、当社経営陣から独立した者によって構成される独立委員会が設置され、本プランにおける対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、発動の内容として合理的な客観的要件が設定されていること、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を全て充足していることなどから、基本方針に沿うものであり、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでもないと判断しております。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価および財政状況等に影響を及ぼす可能性が考えられる事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社が判断したものであり、リスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避と発生した場合の対応に努力する方針であります。また、以下の記載は、当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクを完全に網羅するものではありません。

(1)事業環境

① 不動産流動化事業・不動産開発事業

(イ)不動産市況の影響について

 当社グループの中核事業である不動産流動化事業および不動産開発事業は、自己勘定により物件を取得し、バリューアップまたは開発後に売却するまでに通常数ヶ月から2年程度を要しております。その間に地価動向、金利動向、金融情勢などのマクロ経済に変動が生じ、これに伴い不動産市況が悪化した場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(ロ)物件の引渡時期等による業績の変動について

 当該2事業は、物件売却額を売上計上するため1取引あたりの金額が大きく、物件の引渡しを行った時点で売上計上を行う「引渡基準」に準じていることから、引渡時期の遅延等により当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に四半期毎の経営成績においては、大型案件の引渡しの有無により売上高および損益に相当の変動が生ずる可能性があります。

(ハ)自然災害等による工事遅延および建設コストの増加について

 当社グループでは具体的な仕入計画や販売計画に基づく積み上げ方式により合理的な年間総合予算の策定に努めておりますが、自然災害など予期せぬ事態による工事遅延やそれに伴う建築・改修コスト増加、さらには建設需要の高まりに伴う建築費の上昇等により当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(ニ)棚卸資産の評価に関する会計基準の適用について

 当社グループが販売目的で保有する棚卸資産についてはIAS第2号「棚卸資産」(個別財務諸表においては、企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」)を適用しております。これに伴い、期末に保有している棚卸資産について、時価(正味売却価額)が取得原価よりも下落している場合には、その差額の評価損を売上原価として計上することとなります。今後、経済情勢や不動産市況の悪化等により、時価(正味売却価額)が取得原価よりも下落した場合、棚卸資産の簿価切下げ処理に伴い評価損が発生し、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

② 不動産賃貸事業

 当社グループの不動産賃貸事業は、一般経済情勢や金利動向、競合物件の出現等で賃料の下落や大量の空室が生じた場合において当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

③ 不動産ファンド・コンサルティング事業

(イ)ファンドの運用成績について

 当社グループの成長を担う事業と位置付けている不動産ファンド・コンサルティング事業は、投資家のニーズに合致した不動産の発掘、対象不動産のバリューアップ、リースアップ、売却等のアセットマネジメント業務の対価としてフィーを得る事業であります。従って、不動産ファンドのパフォーマンスはアセットマネージャーの助言能力等が寄与するものであり、当社グループは不動産と金融の両面についてのノウハウを蓄積してまいりました。当社グループが一任運用・助言等を行っている対象不動産の賃貸状況等により投資家の期待する十分なパフォーマンスが上がらない場合は、アセットマネジメント会社としての評価が下がり、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(ロ)金融情勢等による投資家の動向について

 不動産ファンドは投資手法の一つであり、金融情勢や世界的なマクロ経済の動向により投資家が不動産ファンドへの出資を撤収または手控えた場合やファンドの借入等の問題によりファンド継続が困難となった場合、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(ハ)ノン・リコース条件の融資にかかる補償について

 当社グループがアセットマネジメント業務を受託する不動産ファンドにおける特別目的会社が不動産を取得する場合、ノン・リコース条件(担保不動産の収益ならびに売却代金のみを回収原資とする条件、責任財産限定型ローンともいいます)のローンで資金調達を行う場合があります。この場合において、ノン・リコース条件に対する付帯事項として、借り手および借り手側の利害関係人の詐欺行為や故意・重過失による不法行為等、または環境汚染等を理由にして貸し手に発生した損害等を補てんする補償責任をアセットマネージャーである当社グループに要求することができることとなっている借り入れもあります。この責任はローン債務の履行を一般的に保証するものではありませんが、当社グループの重過失等によりそのような損害が発生した場合に当社またはグループ会社が補償責任を負担する可能性があります。

④ 不動産管理事業

(イ)管理委託費の低下について

 マンション・オフィスビルの管理委託費は競合他社との競争激化や顧客からのコストダウン圧力による低下傾向が継続しており、当社グループではこれまで業務効率化やコスト削減などに努めておりますが、今後、一層の単価引下げや委託契約の解約が多発した場合には、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(ロ)業務上の事故などについて

 受託業務の遂行やサービス提供に関しては、ISO9001を取得し、業務品質ならびにサービスの向上に努めておりますが、予測不能な業務遂行上の事故、建物・設備の異常、サービスの不具合等が発生した場合は、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ オルタナティブインベストメント事業

 当社グループのオルタナティブインベストメント事業は、不動産担保付債権の購入や不動産保有会社のM&A投資を主たる目的として展開しておりますが、不良債権市場が縮小し不動産担保付債権が取得できない場合や、不動産保有会社等のM&Aが行えない場合、ならびに取得した債権や会社株式の投下資金回収が予定どおり進まない場合は、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)有利子負債の依存度および金利の動向

 当社グループの事業に係る土地、建物取得費および建築費等は、主として個別案件毎に金融機関からの借入金によって調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が常に一定程度あることから、将来において、金利が上昇した場合には、資金調達コストが増加することにより当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、一部の借入金に財務制限条項が付されており、条項に抵触し一括返済をする場合のほか、案件の売却時期の遅延や売却金額が当社の想定を下回った場合には、当社グループの資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 資金調達については、案件毎に複数の金融機関と交渉したうえで、最適なファイナンスを行っておりますが、突発的な内外部環境の変化等により、資金調達ができなかった場合は、事業着手の遅延や事業の実施ができなくなるなど、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

<有利子負債残高の推移>

回次

第62期

第63期

第64期

第65期

第66期

決算年月

平成23年11月期

平成24年11月期

平成25年11月期

平成26年11月期

平成27年11月期

有利子負債残高(百万円)

30,075

32,401

35,036

40,404

48,668

総資産(百万円)

59,967

65,363

71,283

80,858

93,196

有利子負債比率(%)

50.2

49.6

49.2

50.0

52.2

(注) 第64期よりIFRSを適用したことに伴い、第64期以降の数値は、IFRSに基づいて記載しております。また、第63期の数値もIFRSに基づいて記載しております。

 

(3)事業エリア

① 競合状況

 当社グループは、東京都区部を中心とした東京圏を主要マーケットとし、中小型収益物件やエンドユーザー向けマンション、戸建住宅を販売しております。これまで6事業の情報やノウハウを有機的に結合し、相乗効果をもった事業展開を行ってまいりましたが、不動産取引の減退や外国人投資家の投資意欲の減退、景気悪化等による住宅需要の減退等の影響により、当社の物件販売において、価格競争による販売価格の低下が顕著となった場合、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

② 災害発生

 将来発生が懸念されている東京における大地震をはじめ、暴風雨、洪水等の自然災害、戦争、テロ、火災等の人災が発生した場合には当社グループが投資・運用・開発・管理を行っている不動産の価値が大きく毀損する可能性があり、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)法的規制

① 法的規制

 会社法や上場会社としての金融商品取引法の規制のほか、当社グループの事業において関連する主な法的規制は下表のとおりであります。

 今後これらの法的規制が強化される場合には規制遵守に向けた対応のためのコスト増加の可能性があります。

主な法的規制

・宅地建物取引業法

・国土利用計画法

・都市計画法

・建築基準法

・建設業法

・建築士法

・住宅の品質確保の促進等に関する法律

・金融商品の販売等に関する法律

・不動産特定共同事業法

・信託業法

・投資信託及び投資法人に関する法律

・資産の流動化に関する法律

・不動産投資顧問業登録規程

・住宅瑕疵担保履行法

・犯罪による収益の移転防止に関する法律

・マンションの管理の適正化の推進に関する法律

・建築物における衛生的環境の確保に関する法律

・警備業法

・消防法

・エネルギーの使用の合理化に関する法律

・貸金業法

 

② 免許、許認可等

 当社グループの事業は、上表の法的規制に基づく以下の関連許認可等を得て行っております。当社グループは、これらの許認可等を受けるための諸条件および関係法令の遵守に努めており、現時点において当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。しかしながら、法令違反等によりこれらの許認可等が取り消される、あるいは一定期間の営業活動停止等の行政処分等がなされた場合には、当社グループの事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 また、今後これらの規制の強化、または新たな規制の導入により、事業活動が制約された場合、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(当社)

許認可等の名称

所 管

許認可等の内容

有効期間

取消、解約その他の事由

宅地建物取引業免許

東京都 知事

東京都知事免許(12)第24043号

平成29年3月23日

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条)

不動産投資顧問業登録

国土交通大臣

一般-第127号

平成28年2月28日

不正な手段による登録や役員等の欠格条項違反に該当した場合は登録の取消(不動産投資顧問業登録規程第30条)

特定建設業許可

東京都 知事

東京都知事許可(特-24)第107905号

平成29年12月9日

特定建設業に5年以上の経験を有する常勤役員・社員がいなくなった場合は許可の取消(建設業法第29条)

一級建築士事務所登録

東京都 知事

東京都知事登録第46219号

平成28年4月9日

不正な手段による登録や一級建築士等の欠格条項違反に該当した場合は登録の取消(建築士法第26条)

不動産特定共同事業許可

東京都 知事

東京都知事許可第58号

宅地建物取引業免許の取消や役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(不動産特定事業共同事業法第36条)

金融商品取引業登録(第二種金融商品取引業、投資助言・代理業)

関東財務局長

関東財務局長(金商)第898号

不正な手段による登録や資本金または業務又は財産の状況に照らし支払不能に陥るおそれがある場合は登録の取消(金融商品取引法第52条)

 

(トーセイ・アセット・アドバイザーズ㈱)

許認可等の名称

所 管

許認可等の内容

有効期間

取消、解約その他の事由

宅地建物取引業免許

東京都 知事

東京都知事免許(2)第85736号

平成28年4月7日

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条)

金融商品取引業登録(投資運用業(不動産関連特定投資運用業)、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業)

関東財務局長

関東財務局長(金商)第363号

不正な手段による登録や資本金または業務又は財産の状況に照らし支払不能に陥るおそれがある場合は登録の取消(金融商品取引法第52条)

取引一任代理等の認可

国土交通大臣

国土交通大臣認可第52号

不正な手段による認可の取得や業務に関し取引の相手に損害を与えた場合は認可の取消(宅地建物取引業法第67条の2)

 

(トーセイ・コミュニティ㈱)

許認可等の名称

所 管

許認可等の内容

有効期間

取消、解約その他の事由

宅地建物取引業免許

東京都 知事

東京都知事免許(3)第80048号

平成28年9月28日

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条)

一般建設業許可

東京都 知事

東京都知事許可(般-24)第119534号

平成30年3月10日

一般建設業に5年以上の経験を有する常勤役員・社員がいなくなった場合は許可の取消(建設業法第29条)

特定建設業許可

東京都 知事

東京都知事許可(特-24)第119534号

平成30年3月10日

特定建設業に5年以上の経験を有する常勤役員・社員がいなくなった場合は許可の取消(建設業法第29条)

一級建築士事務所登録

東京都 知事

東京都知事登録第49526号

平成31年1月14日

不正な手段による登録や一級建築士等の欠格条項違反に該当した場合は登録の取消(建築士法第26条)

マンション管理業登録

国土交通大臣

国土交通大臣(3)第030488号

平成29年5月21日

不正な手段による登録や役員等の欠格条項違反に該当した場合は登録の取消(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第83条)

建築物環境衛生総合管理業登録

東京都 知事

東京都19総第273号

平成31年10月3日

不正な手段による登録や役員等の欠格条項違反に該当した場合は登録の取消(建築物における衛生的環境の確保に関する法律第12条の四)

警備業認定

東京都公安委員会

東京都公安委員会認定第30002591号

平成28年10月14日

不正な手段による認定や欠格事由に該当している場合に認定の取消(警備業法第8条)

 

(トーセイ・リバイバル・インベストメント㈱)

許認可等の名称

所 管

許認可等の内容

有効期間

取消、解約その他の事由

宅地建物取引業免許

東京都 知事

東京都知事免許(2)第88903号

平成30年2月22日

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条)

貸金業登録

東京都 知事

東京都知事(2)第31311号

平成28年3月16日

不正の手段による登録や欠格条項違反に該当する場合は登録の取消(貸金業法第24条の6の5)

 

(NAI・トーセイ・JAPAN㈱)

許認可等の名称

所 管

許認可等の内容

有効期間

取消、解約その他の事由

宅地建物取引業免許

東京都 知事

東京都知事免許(1)第94116号

平成29年4月13日

不正な手段による免許の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は免許の取消(宅地建物取引業法第66条)

 

③ 会計基準・税制について

(イ)会計基準・不動産税制の変更について

 会計基準、不動産税制に関する変更があった場合、資産保有および取得、売却のコスト増加等により当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(ロ)不動産ファンドの連結範囲について

 当社がアセットマネジメントを行う不動産ファンドについては、投資事業組合等の運用主体に対する支配力基準および影響力基準を適用し、個別に連結、非連結を判断しております。今後、連結についての解釈に変更が生じ、会計監査人等の連結範囲に係る見解に変化が生じた場合、当社グループの連結の範囲に変更が生じ、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)瑕疵担保責任・アフターサービス保証について

 宅地建物取引業者は「宅地建物取引業法」により宅地建物取引業者以外へ物件を販売した場合、新築、中古を問わず、瑕疵担保責任が生じる他、特に新築住宅物件については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により主要構造部分の10年保証が義務付けられております。また、平成21年10月1日施行の「住宅瑕疵担保履行法」により、責任履行のため、資力確保として「保険」もしくは「供託」のいずれかの措置を講ずることが必要となりました。これらに加え、当社グループは独自の「アフターサービス業務基準」に則ったアフターサービス保証(項目により1~10年の保証)を顧客に行っております。

 当社グループは、建築企画部による品質チェックを行い、また、仕入先および施工を行った外注先に対し当社グループと同等のアフターサービス保証を負担させる等の事業上のリスク回避に努めております。しかしながら、何らかの原因で当社グループの供給物件に瑕疵が発生した場合、仕入先に瑕疵担保責任を負担させることが出来ないまたは仕入先および外注先の保証能力が全く無くなった場合、住宅瑕疵担保保険範囲外となった場合等においては、当社グループが費用負担することとなり、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)人材について

 当社グループの事業の特性に鑑み、人材は極めて重要な経営資源であり、事業継続、拡大のためには、優秀な人材を確保し、当社グループ各社に固有のコンピテンシーを習得するための教育やマネジメント層を育成することが不可欠であります。当社グループの求める人材を十分に確保、育成できない場合、または現在在職しているマネジメント層が多数流出した場合には、事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)個人情報等の保護について

 当社グループが行っている不動産流動化事業、不動産開発事業、不動産賃貸事業、不動産ファンド・コンサルティング事業、不動産管理事業、オルタナティブインベストメント事業においては、当該事業関係者をはじめ多くの顧客の個人情報を保有しております。今後の事業推進に伴い情報量の増加が予想されますが、当社グループでは個人情報保護法や所管省庁のガイドラインに従うとともに、各社において情報資産の管理に関する諸規程を整備のうえ、従業員研修を行い、情報管理体制の強化と個人情報管理の徹底を図っております。しかしながら、不測の事態により当社グループが保有する個人情報および重要な企業情報が外部へ流出、漏洩した場合等には、当社グループの信用を毀損し、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)その他

 当社グループでは中古の物件を取得する際に、原則として建物の構造やアスベストの使用の有無、土壌汚染調査等の確認を実施しておりますが、建物の構造設計関連図書が保存されていない場合、アスベストが使用されている建物を解体する場合、土壌汚染調査の結果により土壌改良が必要となる場合などにより、事業遂行が一時的に中断または長期化した場合、当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載されているとおりであります。

 

(2)財政状態の分析

 当連結会計年度末における財政状態は、総資産93,196百万円(前連結会計年度末比15.3%増)、負債56,967百万円(同18.4%増)、資本36,228百万円(同10.7%増)となりました。また、親会社所有者帰属持分比率は38.9%(前連結会計年度末は40.5%)となっております。

 

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は、67,888百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,006百万円増加しております。これは主に、当社グループの主力事業であります不動産流動化事業および不動産開発事業において、物件仕入が順調に進んだことによる棚卸資産の増加(前連結会計年度末比4,590百万円増)等によるものであります。

 

(非流動資産)

 当連結会計年度末における非流動資産の残高は、25,307百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,331百万円増加しております。これは主に、投資不動産の増加(前連結会計年度末比4,927百万円増)および売却可能金融資産の減少(前連結会計年度末比1,220百万円減)等によるものであります。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は、13,819百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,187百万円増加しております。これは主に、短期の有利子負債の増加(前連結会計年度末比4,112百万円増)および未払法人所得税等の減少(前連結会計年度末比243百万円減)等によるものであります。

 

(非流動負債)

 当連結会計年度末における非流動負債の残高は、43,148百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,650百万円増加しております。これは主に、長期の有利子負債の増加(前連結会計年度末比4,151百万円増)等によるものであります。

 

(資本)

 資本は36,228百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,500百万円増加しております。これは主に、利益剰余金の増加(前連結会計年度末比3,551百万円増)等によるものであります。

 

(3)経営成績の分析

 当連結会計年度における経営成績は、売上高43,006百万円(前連結会計年度比14.0%減)、税引前利益6,040百万円(同29.5%増)、当期利益4,135百万円(同43.9%増)となりました。

 

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は43,006百万円となり、前連結会計年度に比べ6,974百万円減少しております。なお、セグメント別の売上高につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照ください。

 

(売上原価及び売上総利益)

 当連結会計年度における売上原価は、売上高の減少により31,091百万円となり、前連結会計年度に比べ8,926百万円減少しております。

 その結果、売上総利益は、11,915百万円となり、前連結会計年度に比べ1,952百万円増加しております。

 売上総利益率は、27.7%(前連結会計年度19.9%)となりました。

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、5,099百万円となり、前連結会計年度に比べ717百万円増加しております。これは主に、業容拡大による人員増加に伴う人件費の増加(前連結会計年度末比369百万円増)によるものであります。

 その結果、当連結会計年度の営業利益は6,891百万円となり、前連結会計年度に比べ1,331百万円増加しております。

 

(税引前利益)

 当連結会計年度における金融収益は、受取利息及び受取配当金により22百万円(前連結会計年度末比19百万円増)となりました。金融費用は、支払利息等で874百万円(前連結会計年度末比26百万円減)となりました。

 その結果、当連結会計年度の税引前利益は、6,040百万円となり、前連結会計年度に比べ1,376百万円増加しております。

 

(法人所得税及び当期利益)

 当連結会計年度における法人所得税は、1,904百万円となり、前連結会計年度に比べ、115百万円増加しております。

 その結果、当連結会計年度の当期利益は、4,135百万円となり、前連結会計年度に比べ1,261百万円増加しております。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。

 また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

 

キャッシュ・フロー指標のトレンド

 

平成25年11月期

平成26年11月期

平成27年11月期

親会社所有者帰属持分比率(%)

42.2

40.5

38.9

時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)

52.6

43.0

39.2

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

12.6

117.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

3.8

0.3

親会社所有者帰属持分比率      :親会社所有者帰属持分/資産合計

時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計

キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ  :キャッシュ・フロー/利払い

(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。

(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。

(注4)有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利息を支払っている全ての負債を対象としております。

(注5)平成27年11月期連結会計年度は、連結キャッシュ・フロー計算書の営業キャッシュ・フローがマイナスのため、キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについて記載しておりません。

 

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

 当社グループは、「経営環境の変化に迅速かつ的確に対応し健全な成長を実現する事業活動を持続することにより、当社グループを取り巻くあらゆるステークホルダーに対して、存在意義のあるグループで在り続けたい」と考えており、そのためには健全な財務状態を維持し、着実な経営成績の成長を目指すことが最も重要な課題と認識しております。

 当社連結会計年度末時点における当社グループの問題と認識しているものは、ⅰ)景況感の改善に伴う不動産取引価格の上昇や建築コストの上昇などが再生用収益不動産、不動産開発用地の仕入等の投資活動に与える影響、ⅱ)当社ならびにグループ各社の事業拡大に伴う売買取引件数の増加や保有賃貸物件物件数・建物管理物件数の増加等に対応できる生産性の高いオペレーション体制の実現と運営、ⅲ)グループ拡大を実現するための要員確保や人材の育成等であります。

 これらの問題に対処すべく、当社ならびに当社グループはグループガバナンスのさらなる強化と効率的な組織体制の実現と運営によって機動的な事業機会の獲得、コスト管理の徹底を図り、引き続き増収増益を目指していく方針であります。また、オリジナリティのある商品、高品質のサービスの提供を通じたトーセイブランドの確立によって顧客満足度の向上に努めてまいります。